雨の降る日の甘味処で・・・
夏といえば浴衣!ということで、夏も終わりが近づいていますが書かせていただきました。
今回はほのぼのとできるような作品を書きたいと思い、書かせていただきました!
リクエスト等がございましたら、お気軽にコメントしていただくと幸いです!
[甘味処間宮にて・・・]
提督「雨か・・・この天気だと洗濯物も干せない・・・どうしたものか・・・」
時雨「提督、どうかしたのかい?」
夕立「提督さん、なにかお困りっぽい?」
提督「ん?あ、ああ。すまん。ちょっと考え事をしていてな」
時雨「珍しいね、いつもは話しかけたらすぐに気づくのに」
夕立「・・・もしかして」
提督「な、なんだ・・・?」
夕立「何かご用事ができなくなっちゃったぽい?」
提督「まぁ、な。この雨だろ?」
時雨「そうだね、結構降ってるみたい・・・けど、雨は、いつか止むさ」
提督「ありがとう、時雨。」
夕立「それで、この雨で提督さんは何にお困りっぽい?」
提督「それはな、洗濯物を干せない・・・それで困ってたんだよ。」
時雨「・・・はぁ、すごく真剣な顔してるから何かと思えば、心配して損したよ」
夕立「本当、提督さんも困りものっぽい!」
提督「い、いやいや、これは重要なんだぞ!」
時雨「・・・一応聞いてあげるけど。何がさ」
提督「新型装備を作るための防護服を洗わないと色々困るんだよ・・・」
夕立「新型装備って何を作る予定っぽい?」
提督「さぁ、夕張が何か作りたいらしくてな。それと、俺も作りたいものがあってな」
夕立と時雨『提督(さん)が作りたいもの?』
夕立「私との新しい遊びのためのものでも作るの?」
提督「そんなもんはつくらんぞ・・・全く」
時雨「・・・[じーっ]」
提督「な、なんだよ。時雨」
時雨「なんでもないよ、提督。ただ、君が夕立に何をしているのかなと思っただけだからね」
提督「変なことはしていないからな!!!」
時雨「必死に取り繕おうとして、余計に見苦しいよ」
夕立「し、時雨。そんなに提督さんをいじめないであげて・・・」
時雨「ん?僕はいじめてなんかないよ?どうしていじめてるなんて思ったのかな?」
夕立(あっ、これはすごく怒ってるっぽい・・・)
提督「・・・時雨」
時雨「なに?」
提督「俺が、そんな馬鹿なことできるわけないだろ」
時雨「・・・」
提督「そんなことしてたら、とっくに俺は海のもくずになってるよ。だろ?(苦笑)」
時雨「・・・それもそうだったね。そんな君だから、僕もこうして過ごせているんだもんね」
夕立「その、時雨・・・」
時雨「夕立、大丈夫だよ。もう本当に気にしてないから。ごめんね、つい怒っちゃって」
夕立「夕立も、紛らわしい言い方をしてしまってごめんっぽい」
提督(なんとか丸く収まって良かったよ・・・)
時雨「ところで提督」
提督「ん?どうした?」
時雨「変なものじゃないのはわかったよ。それじゃあ、一体何を作るつもりなんだい?」
提督「そ、それは・・・だな・・・」
夕立「夕立も気になるっぽい。教えて教えて~」
時雨「夕立もこう言ってるし、教えてよ。提督
もちろん、ごまかそうとしたって無駄だからね」
提督(・・・どうやって逃げるか、もしくは話すか・・・。)
時雨と夕立[じーっ]
提督(逃げ切れそうにない、か。こうなったら話すしか・・・。)
[ガラガラガラ]
足柄「提督はここにいるって聞いたのだけれど?」
提督「ん?足柄さん?」
足柄「さんはいらないって言ってるでしょ。そんなことより、準備ができたみたいよ。」
提督「・・・そうか、ありがとう。足柄」
足柄「べ、別に私にとってはこのくらい朝飯前のことだわ!」
提督「それもそうか」
時雨「提督、どこかに行くのかい?」
提督「ああ、最終確認にな」
夕立「最終確認?」
足柄「あら、聞いてなかったの?これは重大な」
提督「足柄」
足柄「失礼、これ以上は言わない約束だったわね
まぁ、そういうことだから提督を一時借りてくわよ」
時雨「待ってよ、連れてく前にひとつだけ提督に質問してもいいかい?」
足柄「んー・・・まぁ、まだ時間はあるからいいわよ」
時雨「ありがとう。それで、提督質問なんだけどさ」
提督「・・・なんだ」
時雨「それは、みんな楽しめそうなものなのかい?」
提督「・・・もちろん」
時雨「わかった、教えてくれてありがとうね」
提督「おう、それじゃ。“また、後でな”」
ー工廠に向かう道の途中でー
足柄「提督、本当に言わなくてよかったの?
別に変なこと言うわけでもないんだし」
提督「いや、これ以上誰かに言われては困る」
足柄「なんでよ」
提督「そんなことをしたら、サプライズにならないだろ?
まさか、みんなで花火を見るなんてさ」
足柄「そうかしらねぇ、意外とみんな知ってるんじゃないかしら・・・」
提督「なんでまた」
足柄「人の口に戸は立てられない、ってことよ(微笑)」
ー甘味処、間宮にてー
夕立「提督さんが何しようとしてるのか気になるっぽい・・・時雨は気にならないっぽい?」
時雨「うん、僕はもうなんとなくわかったから大丈夫だよ」
夕立「えー、教えて欲しいっぽい!」
時雨「多分あとでわかるから、楽しみにしときなよ」
夕立「時雨も意地悪っぽいー、むぅー」
ー別の日の鎮守府、その執務室にてー
霧島「マイクテスト、マイクテスト
二〇:〇〇より、重要な作戦が決行されるとのことですので全員、浴衣に着替えて鎮守府前の港に集合してください、繰り返します...」
提督「よし、準備はこんなもんでいいかな。霧島もお疲れ様」
霧島「いえ、このようなことでしたらまたお任せ下さいね」
提督「了解した」
霧島「では、私も着替えてきますので、これで」
提督「おう」
[ガチャ、バタン]
提督「さて、俺もそろそろ着替えるか・・・」
[コンコン]
時雨「提督、いるかい?」
提督「ん?いるぞー」
[ガチャッ]
時雨「失礼するよ、あれ?まだ着替えてなかったのかい?」
提督「あぁ、準備が忙しくてまだ着替えれてなくってな・・・んで、どうしたんだ?二人共」
時雨「そうそう、大事な用で来たんだよ?」
提督「大事な用?なんだ?」
夕立「提督さんに着た着物を褒めてもらいに来たっぽい!」
提督「・・・すまん」
時雨「?なんで謝るの?」
提督「せっかく見せに来てくれたんだから、すぐに気付くべきだった・・・」
時雨「良いよ、だって準備に忙しそうだったじゃない」
夕立「代わりに今からいっぱい褒めて欲しいっぽい!」
提督「二人共、とっても綺麗だな・・・
す、すまん。こんな言葉でしか、その、二人に対して言えなかった・・・。」
時雨「ふふっ、気持ちがこもってる言葉だから許してあげるよ」
夕立「じゃあじゃあ、代わりになでて~、提督さんのなでなでは安心するっぽい!」
提督「そう言ってもらえると、嬉しいが・・・それじゃあ」[ナデナデ]
(こうして夕立をモフモフするのって良いよなぁ、なんか安心するんだよなぁ、なんでだろうなぁ・・・)
夕立「ぽいー、安心するっぽいー」
時雨(・・・いいなぁ、僕も一回でいいから撫でられてみたいなぁ)
[・・・じーっ]
提督「ん?時雨?」
時雨「ふえっ?なっ、なにかなっ、提督?」
提督「あー、なんか視線を感じた気がしてな」
時雨「えっ?き、気のせいじゃないかなっ?」
提督「そうか、ならいいんだが」
夕立「提督さん、なでなでしてくれてありがとうっぽい!」
[じーっ]
時雨(やっぱり、なでてほしいなぁ)
夕立[ピコーン!]「提督さん提督さん」
提督「ん?どうした」
夕立「ちょっと、お耳をかしてほしいっぽい」
提督「おう、なんだ」
夕立「それが...こしょこしょこしょ」
提督「ふむ、ふむ、なるほど、そういうことか」
夕立「そういうことっぽい」
提督「了解した」
時雨「何の話?」
夕立「すぐに分かるっぽい!」
提督「時雨」
時雨「な、なんだい?急に改まって」
提督「今から時雨の頭をなでなでしたいんだが、させてくれないか?」
時雨(そういうことを話してたんだね・・・優しいなぁ)
「仕方ないなぁ、じゃ、じゃあお願いするね?」
提督「おう、それじゃあ」[ナデナデ]
時雨(すごい優しいなでかたで安心するなぁ、気持ちいなぁ、夕立の気持ちがわかるよ)
「提督、ありがとう。もう大丈夫だよ」
提督「そうか、もうちょっとなでていたかったんだが・・・」
時雨「そう言ってもらえるのは嬉しいけど、もうすぐ作戦が始まる時間だからね」
提督「へっ?時間を忘れてたーっ!急いで準備しないとっ」
時雨「それじゃあ、僕たちは行くね」
夕立「また後で会おうねー」
提督「お、おう分かった、また後でなっ」
ー港に向かう途中でー
時雨「夕立、ありがとね」
夕立「?、なんのこと?」
時雨「・・・やっぱりなんでもないよ」
夕立「なんでもないっぽい?」
時雨「うん。ほら、いそご」
夕立「それじゃあ、いそぐっぽいー」
ー作戦が行われる港ー
提督「ぜーっ、ぜーっ、さすがに疲れた」
足柄「提督、お疲れ様」
提督「足柄、ありがとう」
足柄「いいのよ、それより、最終チェックしといてね。設置の方はしといたからね」
提督「ありがとう、助かったよ。それと、足柄。やっぱり着物姿も似合うなぁ、[時計を見て]っとそれじゃ最終チェックに行ってくるよ。それじゃ」
足柄「褒めてくれて嬉しいわ、ありがと(微笑)
焦るとあぶないから、焦らないように気を付けてね」
提督「どういたしまして、了解した」
[タッタッタッタッ]
提督「最終チェックは・・・っと、、良し、問題ないな、よし」
夕立「提督さん、準備終わったー?」
提督「ん?夕立?
準備なら今終わったが・・・」
夕立「それじゃあ、一緒に見ましょ?」
提督「そうだな、一緒に見ようか」
時雨「僕も一緒に見てもいいかい・・・?」
提督「もちろん、皆で見たほうが楽しいもんな」
(こんな、楽しい日を毎日続けられるようにしていこう。みんなと一緒に・・・)
ー艦ー
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました!
概要にも書いてありますが、ほのぼのとしたお話を書きたいと思っていたので、この作品を作りました。
優しい世界に平和の花は咲く
ということで、また別の作品で機会があればお会いしましょう、それではっ!
このSSへのコメント