2015-09-22 22:00:08 更新

概要

久々のアップがこんな作品で申し訳ないです。



僕は今走っている、只々走っている


僕は今走っている、鎮守府内を走っている


僕は今走っている、全速力で走っている


なんで走っているのか?答えは簡単


僕は..........今..........



鳳翔「坊や〜、私の坊や〜、どこへ行くの〜、こっちにおいで〜♡」




彼女から.....鳳翔さんから逃げている


何故こんな状況になっているのか.....五時間程前にさかのぼる






僕は今日、長期出張から帰ってきた


久々に鎮守府のみんなと会える思うと、少し嬉しかった


提督「電ちゃんは元気やろうか、金剛は寂しがってとるかな、夕立は.....僕が帰った瞬間飛びついてきそうやな(笑)」


何より、秘書艦の鳳翔さんはどうしてるかな、そんな事を考えながら鎮守府に帰る


鳳翔さんは僕にとって頼りになる人であり、お母さんのような存在であり


そして.....僕の最愛の人である


出張から帰ったら、ケッコンカッコカリをしようと決めている


僕は指輪を渡した時の鳳翔さんの反応を想像した


提督「最初は冗談と思われるかな、それともビックリするかな、もしかしたら泣いて喜んでくれるかもな」


顔をにやけながら想像する


そうしてるうちに鎮守府に着いた、久しぶりの鎮守府


どこも変わら無いな..........そう思った、いや.....思いかけた


提督「.....あれ?」


僕の目の前にあるのは、いつも見ていた鎮守府、見慣れた鎮守府のはずなのに.....どこか違和感を感じた


提督「.....?」


最初は気のせいだと思っていた、久しぶりの鎮守府だから、こう思うのも普通だと考えていた


それが違う事に気づいたのは、鎮守府の本館に入った後だった


提督「.....誰も.....おらん?」


誰もいない、一人もいない、歩いている人すらい無い


ウチの鎮守府には、百人近くの艦娘がいるはずなのに.....誰も.....いない


提督「深海棲艦の襲撃を受けた.....わけや無いやんなあ」


襲撃を受けた事はまずない、特に荒れているわけでもなく、むしろ綺麗になっている


多分、誰かが.....鳳翔さんか大鯨が掃除してくれたんだと思う


休憩室や食堂も覗いてみたが、誰もいない


違和感はそれだけじゃなかった


どこか.....臭う、何か鉄のような、鼻がツンとするような.....そんな臭いがする


提督「まさか.....比叡のカレーか.....?」


普通のカレーならそんな臭いがするはずがない.....ない.....が


提督「比叡のカレーならありうるな」


ここまでは特に深くは考えなかった.....けど



キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!



提督「⁉︎ なんや⁉︎」


悲鳴が聞こえた、ただ事ではないと瞬時に感じた


提督「執務室の方か!」


僕は執務室へ急いだ、声の主は.....大鯨だとわかった



やめて!!!!来ないで!!!!イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!



悲鳴は鳴り続ける


提督「無事でおってくれや、大鯨!」


走りながら、ある事に気付いた


執務室に近づくにつれ.....臭いがきつくなっている


鉄のような.....生臭く.....鼻の奥に直接来るようで.....吐きそうになる臭い.....これは.....



紛れも無く..........血液.....血の臭い



それがわかった瞬間、僕は最悪の事態を想像した


誰もいない理由.....もしかしたら.....


提督「艦娘のみんなが.....皆殺しに.....⁉︎」


鎮守府に殺人鬼でも来た?、でも艦娘が普通の人程度に殺られるはずがない


それとも深海棲艦が鎮守府に潜り込んで艦娘達を殺してる?


だとしたら姫級か鬼級、それともレ級か.....どちらにせよ、早く行かないと大鯨が危ない!



執務室までもうすぐの所まで来た、大鯨は.....



大鯨『なんで!!!?なんであなたがこんな事を!!!?』



まだ無事のようだ.....と思うのと同時に疑問が生まれた


「なんであなたがこんな事を」.....あなた.....相手は大鯨の知る人物?


提督「大鯨が深海棲艦相手にあなたなんて言うはずがない.....」


大鯨が知る人物.....すぐに思いつくのはこの鎮守府にいる全員


もしくは大鯨が鎮守府外に外出した時に知り合った人物


けど、大鯨からは外で誰かと知り合ったという話は聞いていない.....とすると


提督「鎮守府の.....艦娘の犯行.....?」


それは無い、それだけは無い.....そう信じるしかなかった


ようやく執務室に着いた.....その時


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!


銃声が聞こえた、同時に


大鯨『アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!痛いッ!!!!痛いッ!!!!痛い痛い痛イイタイイタイイタイッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!』


大鯨の悲鳴.....いや、断末魔にも似た叫び声をあげる


早く大鯨を助けないと!そう思いドアを開けようとした瞬間



?『うるさいですよ』



犯人らしき声が聞こえた


提督「........................................え?」


僕はドアを開ける手を止めた.....いや、止めてしまった


犯人らしき声に聞き覚えがあったから


提督「....................鳳.....翔..........さん.........................?」


この声.....間違いなく鳳翔さんだった


けど.....鳳翔さんが今の言葉を言ったとすると.....


今大鯨を襲っているのは..........鳳翔さんとゆう事になる


提督「ウソ....................やろ..........」


信じたくなかった、鳳翔さんが犯人なんて.....今まさに.....ドアの向こうで.....大鯨を殺そうとしてるなんて.....



大鯨『提督!!!!助けてください!!!!提督!!!!!』


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!


大鯨『〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!?!!?』


?『そんな汚らわしい口で呼ばないでください』



今も.....声が聞こえる..........でも.....動けない.....動けなかった



?『さようなら、大鯨さん』


バンッ!!!!



また銃声が聞こえた、それを最後に.....大鯨の声、悲鳴は聞こえなくなった


未だに信じられない.....信じたくない、鳳翔さんが.....大鯨を殺したなんて.....


でも.....今の悲鳴からして、鳳翔さんが殺ったとしか思えない


どうしていいかわからず、僕は.....立ち尽くすことしか出来なかった



?『フフフ♪これでこの鎮守府にいるのは私だけ、提督は.....坊やは私だけのもの、フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♡♡♡♡』



この時やっと、執務室に踏み込んだ


提督「鳳翔さn....ッ⁉︎」


驚愕、まさにこの言葉


執務室の中は..........地獄絵図のようだった


周りには血、血、血、血、血


血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血


そして.....屍.....四肢.....


提督「ウッ.........ゴハッウエエエエエエエエエ、ゴホッゴホッ」


思わずその場で嘔吐してしまった


?「あら、おかえりなさい坊や、御飯にしますか? お風呂にしますか? それとも.....フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♡♡♡♡」


僕の目の前にいる人物.....間違い無く..........鳳翔さんだ


鳳翔「ごめんなさいね、今鎮守府の中を掃除していまして、もう少しで片付きますので待っていてくださいね」


鳳翔さんの言葉が頭に入ってこない


鳳翔「掃除が済んだ後は何をしましょうか、鎮守府内を散歩、外に出かけるのも良いですね」


目の前にあることが理解できない.....理解したくなかった.....


鳳翔「そろそろお昼の時間ですから、食事を済ませるのが先ですね」


鳳翔さんが..........皆んなを殺したなんて.....嘘だと思いたかった.....夢だと思いたかった


鳳翔「それとも出張帰りですし、お風呂に入ってゆっくりするのもいいですね、勿論お背中は私がお流しします」


ようやく僕は我に返り、言葉を発した


提督「..............................が...............................か.........」


鳳翔「はい?どうかしましたか?」


提督「これは.....鳳翔さんが..........殺ったんですか.....?」


やっと出た言葉がそれだった、たとえ目の前の光景を見ても.....声を聞いても.....信じたくなかった


これは悪い夢だ、少しリアルな夢だ、そうじゃなければみんなが仕掛けたドッキリだ.....そう思いたかった


鳳翔「フフフ、坊やはおかしなことを言いますね」


鳳翔さんが笑っている、やっぱりドッキリだったんだと思った.....けど


鳳翔「すべて私が殺りました♪ 坊やには私だけがいればいいんですから♡」


あっさりと言われた.....


今見ている光景は現実に起きている事だと.....認めざるを得なかった


.....この時僕は.....もう一つの疑問ができた


坊や、鳳翔さんは僕を呼ぶ時にこう呼んでいた


どうゆう事か、さっぱりわからない.....確かに僕や他の艦娘も鳳翔さんの事を、「お母さん」のように慕っていた


けど、鳳翔さんは僕のことを「提督」と呼んでいた


どんなに親しくなってもそれは変わらなかった


それが今になって.....なぜ


鳳翔「坊や、今日は疲れたでしょう?私と一緒にお昼寝でもしませんか?」


とにかく、今はこの事を他の誰か.....憲兵の人や他の鎮守府の提督に応援を要請することを考えた


提督「ッ!」


鳳翔「あら?」


僕は走った.....と言うより、逃げた


今の鳳翔さんは危険だ、今は逃げて外部に連絡を取る、携帯をポケットから取り出し、どこでもいいから電話をかける.....が


ヒュン バキッ!!!!


提督「ッ!?」


弦が響くと同時に僕の持っていた携帯電話が破壊された


何が起こったのかと思い後ろを振り返ると.....


鳳翔「何をしているんですか坊や、他の誰かを呼ぶのは.....許しませんよ♡」


鳳翔さんが弓を構えていた.....艤装である艦載機の矢ではなく..........人が使う、実戦用の矢を使って


提督「う、ウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


僕は情けない悲鳴をあげて逃げ出した


次は当てられる、殺される、死にたくない、その思いだけで.....僕は再び走った


鳳翔「坊や〜、大丈夫ですよ〜、あなたには当てませんから、逃げないでくださ〜い」


鳳翔さんの言葉を聞く暇も無く、僕は走り続けた.........................






それから五時間、僕は走り続けている


ただ鳳翔さんが怖くて、ただ死ぬのが怖くて、ただただ怖くて


でも.....もう足も限界がきている、走るのが辛くなってきた


何処かに隠れて時間を稼ごう、そう思っていた.....その時


鳳翔「捕まえました♡」ガバッ


提督「⁉︎」


先回りされていた、逃げ回ることに気を取られすぎて前方に注意を払っていなかった.....不覚


提督「ッ!ぬああああああああ!!!」


なんとか抜け出そうともがくが流石は艦娘、常人よりも力が強く.....全く抜け出せない


鳳翔「なぜ、逃げようとするのですか?」


僕は答える事なく、とにかくもがく


鳳翔「あ、照れているんですね♪ だったらそう言ってもらえればよかったのに♡」


提督「離せえええええええええええええええええ!!!」


尚も逃れようともがく


鳳翔「.....仕方がありませんね」


ブスッ!!


提督「ウッ!?」


首筋に何かを刺された、その瞬間.....体に力が入らなくなった


提督「鳳翔さん.....何..........を.....」


鳳翔「動けないように麻酔薬を打ちました、強力な物です♪」


僕は体が動かず、そのまま倒れこんでしまった


鳳翔「ウフフフ♡ さて、一緒に部屋に行きましょうね♪ でもその前に」


鳳翔さんがハンカチを取り出した、嫌な予感がした僕は逃げようとするが.....


提督「ぬ..........う...............!」


麻酔薬のせいで、体が動かない.....そこへ


鳳翔「少しの間、お昼寝していてくださいね♡」


提督「ムグッ⁉︎」


鳳翔さんが口にハンカチを押し付けてきた


薬品の匂いがする、多分刑事ドラマなどで使われる睡眠薬が染み込まれていると思った


匂いを嗅ぐまいと息を止める.....が、長くは続かず


提督「..........ん........んふ.....................................」


次第に体の力が抜けていく


ふと、鳳翔さんの方を見ると


鳳翔「坊や、私の坊や♡ 誰にモ、渡サナイ♡ ワタシハシナイ♡ フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」


そんな声が聞こえて


僕は..........眠りに落ちた














後日、提督の友人が鎮守府に来た際に、事件が発覚した


警察や憲兵の捜査が開始されたが、証拠は一切無く、捜査は難航した


この事件は迷宮入りする、誰もがそう思った時


この事件での唯一の生存者が発見された.....が


その生存者が語った真実で..........事件は思わぬ結末を迎える事となった


後書き

好評だった場合には続編書こうかな?、と思っています。
「あまワッツ?」「氷麗」「レー艦」、執筆中です。


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1: SS好きの名無しさん 2016-11-27 16:55:41 ID: YVTC6V7_

続き読みたい( இωஇ )ウワーン


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1: SS好きの名無しさん 2015-10-18 23:48:23 ID: DglbpTR_

はよ、続きはよ


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