Umimin's creed2
真実はなく、許されぬことなどない。私は園田海未。アサシンです。
過去と現在が交錯するステルスアクションのアサシンクリードが装いも新たに新登場!舞台は江戸時代日本。日本のアサシン園田海未がA-RISE率いるテンプル騎士団に仲間とともに立ち向かう。大人気ゲームのパロディーss第2弾!
sequence5『奇襲』
1772年 江戸
一週間半後
真姫小屋
希「フミコはかなり江戸に近づいている頃やな」
絵里「そうね。あと数日で横浜に着く頃かしら」
真姫「奇遇ね、私も横浜に行かないといけないのよ。仕事の道具が船で届くから」
希「あそこ国内の海上交通を使うなら便利やからなぁ」
絵里「行ったことないけどね」
海未「……じゃあ行きます?」
のぞえり「え?」
海未「真姫と一緒に横浜に行こうということです。フミコが江戸に入ってしまえばまた守りがキツくなります。手前の横浜で襲えればより確実かと」
希「奇襲か…ありやな」
絵里「すぐに準備ね。行きましょう」
真姫「ちょっと!」
海未「私も一緒に準備しますから。馬も用意してきます」
翌日
江戸 関所前
真姫「これで本当にいけるの?」
バサッ
希「大丈夫や真姫ちゃん。ウチらは荷台に隠れてるから」
海未「ええ、心配しないでください」
絵里「横浜までお願い」
真姫「あなたたち私がいなかったらどうしてたのよ…」
関所
番兵「この荷物をどこまで?」
真姫「幕府から頼まれた品を横浜まで」
真姫「これが書類よ」ペラッ
番兵「ふむふむ。よし、行っていいぞ」
真姫「ありがとう」
街道
希「なんとかなったね」
絵里「ええ、このまま横浜に…」
イタゾー! アサシンダ!
海未「……なんとかなってませんね」
真姫「なによもう!」
希「真姫ちゃんはウチの後ろに隠れて。ウチが御者やるから。海未ちゃん!弓でやつらを狙って!えりちは海未ちゃんが逃して乗り移って来た敵を振り落として!」
海未「分かりました!」
絵里「お安い御用よ」
メイン目標:荷台から弓矢を使って追っ手を排除する
サブ目標:敵が荷台に乗り移る上限3人
希「行くでお馬さん!」
海未「よく狙って…」スパンッ!
騎馬兵1「うわっ!」ドサッ
海未「次!」スパンッ
騎馬兵2「うっ!」ドサッ
海未「次はあなたです!」スパンッ
騎馬兵3「ぐっ!」ドサッ
騎馬兵4「今だっ!」ピョンッ
海未「しまった!右から!」
絵里「やっと仕事ね…ダメよ、ここは男子禁制なの」ザシュッ
騎馬兵4「うへっ!」ドサッ
海未「ありがとうございます絵里」
絵里「まだまだ来るわよ」
数十分後
海未「今ので最後ですね」
絵里「すごいわ。私の役目は一度だけだったわ」
希「さすが弓道やってただけはあるね」
真姫「あなたたちといると退屈しないわ」
同日午後
横浜
海未「ここが…横浜なんですね」
絵里「大きな船がいっぱいあるわね」
希「国内海運に関してはかなりの規模や。今は何せ国外との関係はほとんどないからね」
海未「うーん…国外の事情も知ることも必要だと思うのですがね」
絵里「私もそう思うわ。だから今後そういう風に幕府の政策も変えることになるかもね」
希「今は港にたまにいる密航者くらいは頼れる情報網やね。例えばクックさんていう航海士の人がまた大きな航海に出るとか」
真姫「あなたの知り合いにはどんな人がいるのかしらね」
絵里「まあ私たちは横浜に観光に来たわけじゃないわ。例の武器商人を探すわよ」
希「真姫ちゃんは用事終わったら帰ってもいいよ?」
真姫「そうしたらあなたたちはどうやって帰るのよ」
絵里「歩き?」
真姫「乗りかかった船だもの。帰りもご一緒するわ」
海未「助かります」
真姫「いつまでいる予定?」
希「明後日には帰れるはずや」
真姫「わかったわ。私はここの宿に泊まるから用が済んだらそこにきて」ピラッ
絵里「ありがとう真姫」
真姫「幸運を」
希「そっちもね」
絵里「さて、まずは情報を集めないと」
希「分かれて探そっか」
海未「そうですね。では午後6時にまたここで」
希「了解や」
絵里「ええ」
メイン目標:フミコに関する情報を集める
海未「情報…最初に思い浮かぶのは酒場ですが…私はお酒苦手ですし、酒場なら希が行くでしょう。希はお酒に強いですから」
海未「絵里は幕府側の人間の盗み聴きでしょうか。となると私は…」
海未「海未沿い、いや、海沿いで運送系の方々から情報を集めましょう」
海未「私は誰に話しているのでしょうか。まあ出発しましょう」
港
海未「大きな港ですね。船が多い。あれは…東北の船ですか」
海未「港長に聴いてみるのが一番ですね」
海未「あの、すいません。幕府関係の荷物って近日この港で扱いますか?」
港長「毎日のようにあるよ。米やら酒やら」
海未「例えば武器とかは」
港長「武器?聴いてないなぁ。平和な世の中だしね。あんまり最近はないよ」
海未「そうですか。ありがとうございました」
海未「では海運で運ぶものはないと…となると」
海未「ん?あの船の上に見えているものは…剣ですか?武器船ですね」
海未「ちょっと忍び込んで話を聴きましょう」
武器船上
船員1「商人はいつ来るんだ?」
船員2「明日の昼には着くってことだ。東北まで運ぶのも楽じゃないよなぁ。なんだって今頃武器なんだよ」
船員1「まあ治安を守るためには必要だけどな」
船員2「でも新しい武器なんているか?」
船員1「それはわからないな」
海未(新しい武器…それが幕府に渡ると厄介ですね)
午後6時
集合場所
海未「お疲れ様です」
希「おつかれ!」
絵里「お疲れ様ね。みんなどうだった?」
希「ウチは酒場に行っとったんやけど」
海未(やっぱり…)
希「明日の昼頃大きな船が入港するってことやったな。多分例の武器商人に関わる船やろ」
海未「私は港にあった武器船に忍び込んで情報を集めたんですが」
絵里「なんか海未の行動が洗練されてきてる…」
海未「明日の昼ごろに武器商人が来るということでした。さらには新しい武器があるとか」
絵里「その新しい武器のことだけど、どうやら飛び道具みたいよ」
絵里「幕府の人間が言うなら…小型の火縄銃みたいな感じだって」
希「それは幕府に渡ると危ないな。明日の昼、必ず仕留めるで」
翌日昼
希「そろそろやろな」
ゾロゾロ
希「あの団体やろな」
海未(フミコという人はいますか…)
フォン
海未「前から3人目にいます」
絵里「あいつね…思ったより護衛が多いわ」
希「えりちは武器船が出航できないように船に火を放って。ウチらでヒデコをやるから」
絵里「了解よ。気をつけて」
海未「じゃあ行きますか」
港
ヒデコ「やあやあ」
???「久しぶりねヒデコ」
希「誰かと話してるなぁ…てかあれって」
海未「荒居図の優木あんじゅですね」
希「好都合や。二人いければどっちもやるで」
ヒデコ「持ってきたわよ例のもの」
優木あんじゅ「ありがとう。じゃあ試射は…そこのアサシンでやろうかしら」
ガシッ
海未「なに!?」
希「バレとったんか…」
あんじゅ「そんな簡単に情報をバラすと思う?あなたたちをここに誘い出したのよ」
海未「横浜にまで来るとは…」
あんじゅ「ヒデコの顔はバラしてないからそんなに簡単に見つかるとは思わなかったけど」
海未(鷹の目のことは知らないみたいですね)
あんじゅ「まあいいわ。捕らえなさい」
海未「あなたたち、命令されてやっているだけなんでしょう?」
希「今なら命は助けるで」
番兵1「なに言ってんだこいつら」
番兵2「そんなことするわけないだろ」
海未「じゃあ…」
希「残念や…」
サクッ サクッ バタッ バタッ
あんじゅ「使えないやつらね。ヒデコ、任せたわよ。あれ使っていいから」
ヒデコ「了解です」
メイン目標:ヒデコを殺害する
サブ目標:ダメージを受けない
希「あんじゅには逃げられたか」
海未「希、新型の武器です。武器商人が持っています。警戒してください」
希「はいよ!」
ヒデコ「えい!」パンッ シュ
海未「!?なんですか今の速さは!」
希「とてもじゃないけど捉えられんな」
海未「幸い相手も慣れてないみたいです。徐々に間合いを詰めましょう」
ヒデコ「これでも喰らえ!」パンッ シュ
希「危なっ!」
海未「希!鷹の目を使ってください。敵の装填の間をつくのです!」
希「わ、わかったよ」
ヒデコ「………」カチャカチャ
希「今や!」スッ
ヒデコ「はっ!」カチッ パンッ
希「あうっ!」
海未「希!」
希「あ、脚を撃たれただけや…」
海未「下がっていてください。私がやります」
海未「こちらです!」シュタタタタ
ヒデコ「は、速い!」パンッ
海未「当たらないですね」ピョンッ サクッ
暗殺後問答空間
ヒデコ「な、なぜ私を…」
海未「あなたは人民の自由を妨げる者です。それ以外に理由はない」
ヒデコ「でも、武器の配備はできた」
海未「いえ、それは絵里が防いでいます」
ヒデコ「そいつが船を攻撃することも分かっていたのよ」
海未「つまり…」
ヒデコ「船は、幕府に包囲されてる」
海未「そんな!絵里が!」
ヒデコ「私は、荒居図に脅されて武器を供給したの。私も間違っていると思ってるわ」
ヒデコ「必ず、彼女たちを止めるのよ…」
海未「……ええ、必ず」
海未「汝、安らかに」
港
海未「希!絵里が危険です!私はそちらへ行ってきます。希は隠れていてください。すぐに戻ります」
希「ありがとう、頼んだよ海未ちゃん」
船上
海未「絵里!絵里!」
絵里「………」
海未「この死体の数は…絵里も…」
???「絵里さんは気絶してるだけだよ」
海未「誰です!」
???「かつての友人だよ。大丈夫。私が敵は全滅させたから。絵里さんを運んであげて。それじゃ」
海未「待ってください!あなたは一体…」
???「アサシン教団を裏切ったアサシンキラー。もっとも、今はまたアサシンに戻ったんだけど」サッ
海未「何者なんですか…」
真姫の宿屋
海未「真姫!いますか!」
希「た、ただいま…」
絵里「……」
真姫「おかえり…二人はなんでこんなにぐったりしてるの?」
海未「怪我をしていて…真姫は怪我の治療はできます?」
真姫「専門的なのはできないわよ。せめて応急処置くらいなら」
海未「それでもいいです。お願いします」
数十分後
真姫「こんな感じかしら」
希「た、助かった…ありがとう真姫ちゃん」
真姫「なんか素直な希ってヘンな感じね」
希「それは失礼やない?」
絵里「……うっ」
真姫「あっ、絵里、まだ起きないで。体のいたるところに傷を負ってるから」
絵里「痛っ…。真姫、ありがとう。本当に死ぬかと思ったわ」
海未「絵里、一体船で何があったのですか?」
絵里「私は船に火を放とうとしたの。それで侵入した。だけど敵はそれを見越していて一気に囲まれたの」
絵里「流石にダメだと思ったけど倒れるまで戦った。でも敵は一向に減らない」
絵里「気を失う寸前に上から人が飛んできたの。あの身のこなし、かなりの手練れよ」
海未「私はその方に会いました。自身のことをアサシンキラーと。今はアサシンをやっていると」
希「アサシンキラー…聞いたことある。1751年にもアメリカでそういう人がいたって。でも彼は活動をやめたはず」
海未「女性の声でした。フードを被っていて顔は見えなかったのですが」
希「どちらにせよえりちを助けてくれたんやから敵じゃなさそうやね」
絵里「感謝しないと」
海未「それよりなんで希はあのとき鷹の目を使わなかったんですか!撃つタイミングくらいわかるはずなのに」
希「あんな海未ちゃん。鷹の目が使えるのは伝説のアサシン、アルタイルさんの子孫だけなんや。ウチは違うから使えん」
海未「でも希が教えてくれたんですよ」
希「知識はあったから。海未ちゃんがアルタイルさんの子孫かどうか気になったから言ってみたら本当に使えるんやもん。驚いたわ」
海未「なんてことですか…私が伝説のアサシンの子孫…」
希「やっぱり海未ちゃんがアサシンになるのは運命だったようやな」
絵里「私たちの傷が癒えるまでは下手なことはできないわね」
真姫「どうする?明日帰れる?」
希「帰るくらいはできるはずや。えりちは?」
絵里「ええ、手当のおかげで多少はマシになったわ。大丈夫よ」
真姫「はいはい、なら私がまた馬車で送るわよ」
海未「すいません。お願いします」
-●-●-フルシンクロ
2016年
アサシン隠れ家
果南「素晴らしい!シンクロ率がかなり高い」
善子「今回はリンゴに関するヒントはなかった」
曜「ええっと、まだ続けられるんですけど」
果南「アニムスには副作用もあるの。具体的には判断力低下、幻覚、幻聴」
善子「つまり、アニムスに接続しなくてもご先祖様とお話ができるってこと」
曜「…それは恐ろしい」
梨子「ここまでのシンクロであなたがどのくらいの能力を身につけたか
テストするわ。こっちにきて」
曜「能力?」
梨子「身体能力のことよ。アサシンの記憶とシンクロすると飛躍的に身体能力が上がるの。先祖のそれに近づくって感じね」
曜「なんとなく身体が軽いのはそういうことなんだなぁ」
倉庫
梨子「この倉庫の奥にセキュリティを作動させるスイッチがある。頑張って」
数十分後
梨子「さすがね」
曜「な、なんで鉄骨が落ちたりとかトラップがあるんですか…」
梨子「そんな簡単にできたらセキュリティの意味がないでしょ?」
曜「ま、まあ、そうだけども…」
梨子「落ち着いたら言って。シンクロを再開するわよ」
曜「わ、わかりました」
なんのために闘う。自分のため、仲間のため、世界のため。わからないまま足掻いている。私は渡辺曜。アサシンだ。
To be continued…
sequence6『再会』
1772年 江戸
真姫小屋
海未「あの武器商人の方は荒居図に命令されていたようです。あの方も被害者だった。ますます荒居図を壊滅させなければいけません」
希「せや、やつらは動き始めてる。近い内にまた何かあるやろ」
絵里「まだまだ協力者が欲しいところね」
海未「ところで真姫。この前の武器の復元はできました?」
真姫「ええ。小型の銃ね。手に収まる大きさだし…『拳銃』なんて名前はどう?」
希「ええやん!カッコいい!」
絵里「復元できた拳銃は海未が持ってて。あなた飛び道具慣れてる感じあるから」
海未「そ、そうですかね。では預からせていただきます」
希「そんでな。新たな情報や。仲間が増えるかもしれん」
絵里「あら、それは心強いわ」
海未「どなたなんです?」
希「詳しくは分からんのやけど、荒居図に対抗する傭兵みたいな人たちがたくさん集まったみたいなんや」
希「せやけど幕府側に見つかってもうて各地の牢屋に捕まってるらしいん。彼らか彼女らかはわからんけど必ずウチらの力になってくれるはずや」
絵里「でも私も希もこの前の傷が癒えてないし…」
真姫「私は戦闘はごめんよ」
海未「わかりましたよ。行ってきます」
希「ありがと海未ちゃん。ちなみに巷ではその傭兵団は『ほ組』って呼ばれてるらしいで。参考にして」
海未「はい」
メイン目標:ほ組の頭とともに一般市民状態になる
サブ目標:拳銃で3人殺害する
街中
海未「この辺りのはずなんですが…」
海未「屋根の上から探してみましょう」
???「ちょっと!出してよ!集まってただけじゃん!」
???「脱出できたらただじゃおかないからね!」
牢屋屋根上
海未「こ、この声は…」
海未「まさか、そんなことが…」
海未「まずは牢屋の前の番兵二人を…」
サッ サクッ シュタッ
???「うわぁ!びっくりした!急に番兵が…ってあれ?」
海未「なんで牢屋に入っていても騒がしいんですか…穂乃果」
高坂穂乃果「いやいや、なんでって言われても…って、海未ちゃん!?」
海未「はい」
穂乃果「はいじゃないよ…なにやってるの?」
海未「あなたを助けに来たんです」
カチャカチャ
穂乃果「いやぁ、助かったよ。人集めてたら急に捕まってさ」
海未「もしかしてあの事件の後からずっと?」
穂乃果「まあそんな感じ。海未ちゃんこそなんでそんな大きな布着てるの?」
海未「話せば長くなります。穂乃果。他の傭兵が捕らえられている牢屋は?」
穂乃果「わかるよ…おっと」
番兵1「逃がすな!」
番兵2「アサシンだ!」
海未「戦うしかないようですね」 カチャ
穂乃果「そうだねぇ」 スチャ
海未「穂乃果。それは箒です。戦えません」
穂乃果「いやいや、箒をなめちゃいけないよ。立派な武器だから」ドゴッ
番兵1「うわっ!」バタッ
海未「……穂乃果。あなたの腕力はどうなっているのですか?」
穂乃果「鍛えてたらこんな感じになってただけだよ。海未ちゃん右!」
海未「はい!」 ザシュ
番兵2「うっ!」 バタッ
海未「穂乃果!案内を頼みます!」
穂乃果「了解!」タッタッタ
道中
番兵3「あそこだ!」
穂乃果「川の向こう…泳いだっていいけど…」
海未「いえ、その必要はないです」パンッ
番兵3「っ!」バタリ
穂乃果「今の何?」
海未「友人からの贈り物です」
牢屋の前
番兵4「お前は!」
穂乃果「みんなを解放してよ」
海未「その方が身のためですよ」
番兵4「ば、番兵!他の番兵!」
ゾロゾロ
穂乃果「解放する気はないみたいだね」
海未「どうして痛い目に会わなければ分からないのか」パンッ
番兵4「うっ!…」バタリ
番兵5「あ、あれはなんだ!?今何をしたんだ!?」
穂乃果「他のもやっつけよう」スチャ
海未「無論です」スチャ
数分後
海未「思いの外便利ですね。この拳銃というものは」
穂乃果「海未ちゃん剣で戦いながら別の番兵撃ってたよね。器用だね」
海未「なんだか最近戦いに慣れてきましたね」
穂乃果「あさしん?とか言われてたけど」
海未「その辺りは帰ったら話します。それより傭兵たちを」
数十分後
傭兵「穂乃果の姉貴!助かりました!」
穂乃果「いやいや、みんなが無事でよかったよ!あ、こちら私の幼なじみの海未ちゃん」
海未「園田海未です。穂乃果がご迷惑をおかけしています」
傭兵「いえいえ。姉貴には本当に世話になってるんです。こちらが感謝したいくらいです」
穂乃果「海未ちゃんの私に対する態度すごいよね」
海未「穂乃果ってそんな感じじゃないですか」
穂乃果「どういう意味!?」
傭兵「まあまあ。何かありましたらいつでも呼んでください。園田の姉貴も。力になります」
海未「ど、どうも」
穂乃果「みんないい人でしょ?」
海未「どうやって集めたのです?」
穂乃果「声かけて歩いてたら集まってた」
海未「あなたのその人を惹きつける力はなんでしょうね」
海未「まあ今回はそれに助けられる形になりましたが。近くに隠れ家があるんです。行きませんか?」
穂乃果「おぉ!行きたい!」
真姫小屋
真姫「傭兵って…」
希「穂乃果ちゃんだったん!?」
絵里「意外だわ…」
穂乃果「またみんなに会えると思ってなかったよ!」
海未「事態は思ったより深刻です。穂乃果達が集めた兵もすぐに捕まるくらいには警戒網が張り巡らされていますから」
希「せやな。早いとこ行動に移さなあかん。ウチらもそろそろ復帰できそうやから」
穂乃果「ねぇねぇ。ここ狭くない?」
真姫「文句言わないでよ。こんなに人を入れる予定じゃなかったんだから」
絵里「これでも何度か改築したのよ」
穂乃果「よし!もっと大きくしよう!みんなを呼んでくる!」タッタッタ
海未「みんな?」
数分後
傭兵「姉貴!今度の仕事はなんすか!?」
穂乃果「この家を大きくするんだ。みんなならできるよね?」
傭兵「当たり前じゃないっすか!すぐに取り掛かります!」
真姫「あなた何者よ…」
希「男共を使いまわしてるで」
絵里「穂乃果って本当に人を惹きつけるの力があるわね」
穂乃果「いやいや。それほどでも」
数時間後
傭兵「できやした!」
希「でかっ!」
絵里「前の倍はあるわよ」
真姫「これって仕事場どころじゃなくなってるわよね」
海未「すみません。ありがとうございましたみなさん」
傭兵「いえいえ。姉貴のためならいくらだって働きますよ。浮浪人の俺らを救ってくれたんすから」
穂乃果「ありがとう!また何かあったら頼らせてもらうね」
傭兵「はい!では!」
希「いい人たちやな」
穂乃果「それで私が捕まる前に分かったことなんだけど、火薬を作ってるところがあるみたいなの」
絵里「火薬?なんのために?」
穂乃果「わからない。だけど幕府側の施設みたいなんだ。だから怪しいんだけど」
希「なるほどなぁ。よし、明日見てこよか。ウチも復帰できそうやし」
穂乃果「希ちゃんも戦うの?」
希「せや。海未ちゃんの師匠やからね。もっとも、もう海未ちゃんに越されてるけど」
海未「そんなことはありませんよ」
穂乃果「それってさっきのあさしん?とかいうやつ?」
絵里「そうよ。希たちはアサシン。闇に生き、任務を遂行する者よ」
海未「時には先ほどのように大騒ぎしますが」
穂乃果「なんだか強そうだね!頼りにしてるよ」
希「今日はもう遅い。広くなった真姫ちゃん小屋…もう小屋やないな。真姫ちゃん邸で寝よう」
真姫「悪い気はしないわ」
2016年 アサシン隠れ家
曜「ふぅ」
果南「お疲れ様」
善子「よく休むといい。今日は長いことアニムスを使いすぎた」
曜「はい。じゃあ休ませてもらいます」
別室
曜「毎日記憶の中とはいえ人を殺してると疲れるなぁ」
フォーン
曜(……ん?)
ガヤガヤ
曜(ここは…江戸?これは一体…)
酒場
ワーワー
海未「ほのかが悪いんですよ!急にいなくなるから!」
穂乃果「まあまあ落ち着いて…」
海未「ダメです!最低です!」
穂乃果「飲み過ぎだよ海未ちゃん…」
海未「ほのかぁ…」バタッ
穂乃果「あぁもう。真姫ちゃんとこ連れてくの面倒なんだけど」
曜(アニムスじゃないのに海未さんの記憶を…というか海未さん飲むとこんな感じになるんだ。なんか意外)
フォーン
曜「も、もどった…」
曜「これが副作用なのかな…現実と過去の境目がなくなるっていう」
曜「私はどうなるんだろこの後…」
-⚫︎-⚫︎-フルシンクロ
To be continued…
sequence7『その名は』
1772年 江戸
真姫小屋
海未「では穂乃果が言っていた火薬工場を破壊しましょう。荒居図側も動くはずです」
絵里「と言ってもどんなところか分からないと襲いづらいわね」
希「ならウチが見てくるわ。施設の様子とか警備とか」
海未「無理はしないでくださいね」
希「わかっとるって。じゃ」カチャ
穂乃果「多分警備は厳重だよね」
絵里「また陽動がいいかしら」
真姫「できた!」
ほのうみえり「!?」
絵里「な、なにができたの?」
真姫「海未の弓矢あるでしょ?」
海未「はい、これですか?」カチャ
真姫「その矢に塗る毒ができたのよ。血液中の成分に反応して全身に回るようになってる」
穂乃果「な、なんのこと?」
絵里「つまり真姫がまた凶悪なものを作ったってことよ」
真姫「回れば一時的な精神錯乱状態になって一定時間で死ぬわ」
穂乃果「そ、それはすごいね」
海未「それを塗って矢を放てば相手を混乱させられますね」
絵里「海未は普通に話すのね」
真姫「役に立つなら使いなさい」
海未「飛び道具は拳銃でいいですからね。武器の差別化ができていいかと」
穂乃果「ねぇ、絵里ちゃん。海未ちゃんってこんな感じだったっけ」
絵里「こんな感じになったのよ」
数分後
希「おっすー」カチャ
絵里「おかえり希」
穂乃果「おかえり!」
海未「どうでした?」
希「警備はやっぱり厳重やな。門の前だけでもたくさんおるよ」
絵里「やっぱりまた陽動かしら。近くの敵の拠点を襲う?」
穂乃果「穂乃果の傭兵部隊もいけるよ」
希「じゃあえりちの盗賊と穂乃果ちゃんの傭兵で二か所の拠点を攻めようか」
海未「その間に私と希が火薬工場を破壊します」
絵里「それでいきましょう。真姫、留守は任せたわよ」
真姫「ここ私の仕事場なんだけど」
希「じゃあいくで。えりちと穂乃果ちゃんは攻撃するときに狼煙をお願い」
ほのえり「了解!」
メイン目標:火薬工場に到達する
火薬工場前
海未「これはまた大きな工場ですね」
希「爆発物なんやから工場の破壊は簡単や。完成してる火薬がある火薬庫に火をつければええんよ」
海未「今は拳銃もあります。これで撃って破壊することも可能でしょう。その作戦でいきましょう」
希「中の様子が見えへんな。壁が高すぎる」
海未「ひとまず穂乃果たちの陽動を待ちましょう」
ヒュー ワー ワー ワー
門番「なんだ!あっちか!」タッタッタ
希「さすがえりち達や、中入るで」
海未「はい」
火薬工場内
海未「匂いがすごいです」
希「一体どれだけ作っとるんや」
海未「それにしても誰もいませんね。こんなに大きな工場なのに」
希「妙やな。誰かしらいるはずなのに」
???「いるわけないじゃない。あなたたちが来るってわかってるんだから」
希「ほう、やっと見つけたと思ったらこれはこれは」
海未「優木あんじゅ、また会いましたね」
あんじゅ「フミコをやったみたいね。まあ彼女は武器商人ではあるけれど闘いは初心者。あなたたちに勝てるはずがないもの。仕方ないわ」
希「話はそれくらいか?なら」スチャ
海未「あなたを始末します」スチャ
あんじゅ「まあまあ待ちなさい。私は闘わないわ。私だってあなたたちに勝てないもの。だから代わりにこの子が闘ってくれるわ」
???「………」
海未「あのフード…」
希「海未ちゃんが言ってたやつか。味方やないの?」
海未「わかりません。素性がわからないですからね。あの時はたまたま絵里を助けただけかもしれません」
あんじゅ「じゃあ、頑張ってね」テクテク
海未「待ちなさい!」
???「………」シュタッ
希「闘わなあかんのか」
海未「希、この人は番兵50人以上を一人で相手した人です。注意してください」スチャ
希「了解や」スチャ
海未「はあっ!」
???「………」キンキンキン
希「てぃ!」
???「………」キンキンキン
海未「なんですかあの剣のいなし方は!」
希「こっちは2人やで…」
???「………」ヒュン ヒュンヒュン
希「くっ!」キンキンキン
海未「後ろが空いてますよ!」
???「………」シュッ キンッ!
海未「なっ!あれは!」
希「アサシンブレード…なんでや」
???「………」ドゴッ ドカッ
海未「うっ!」
希「なんやこいつ、動きが違うで…」
???「2人とも…」
海未「はあっ!」ブンッ
???「話を聞いて」キン
希「わかったわ。あんたは何者なん?」
海未「フードをとってください」
???「分かったよ」ファサ
のぞうみ「!?」
希「凛…ちゃん?」
海未「凛!あなたなのですか!」
星空凛「見たらわかるでしょ」
海未「なぜあなたが私たちの邪魔をするのですか!」
希「なんか事情があるんやな?」
凛「うん、この前の処刑あったでしょ?あれで3人は処刑された、と思ってた」
海未「?」
凛「その中でかよちんだけ生き残ったの。あの処刑では」
海未「それはよかったじゃないですか!ですがそれはあなたが私たちと闘う理由になりません」
凛「凛はあの日荒居図に言われたの。私たちの味方をしてくれたらかよちんの安全を保証するって」
希「脅されてるんか…」
凛「そりゃことりちゃんやにこちゃんのことは悲しいよ?だけどかよちんがいなくなるのはやっぱり…」
海未「私は…」
凛「え?」
海未「私はことりを!幼馴染みを失ったんです!希だって仲良しだったにこを!それなのにあなたは一人で逃げるのですか!」
希「海未ちゃん、それくらいにしとき。ウチらだって同じ立場だったら分からんやろ」ガシッ
海未「ですが…」
凛「ごめん、2人とも。2人は傷つけたくないから…今は帰って」
希「そうしよか。海未ちゃん行くで」
海未「はい…」
メイン目標:真姫小屋に戻る
真姫小屋
真姫「凛が、ねぇ…」
絵里「なんかこの前から自信ある感じがあると思ったらそういうことだったのね」
希「凛ちゃんと闘いたくはないしなぁ」
海未「といいますか、凛は戦闘能力が高すぎます。希と二人で歯が立たないんですから」
穂乃果「だったらさ、花陽ちゃんを助ければいいんじゃないかな?」
「えっ?」
穂乃果「花陽ちゃん助ければ何の障害もなく凛ちゃんは味方になってくれると思うんだけど」
海未「そうかもしれませんが…」
絵里「花陽がどこに捕らえられてるのか知ってるの?」
穂乃果「さぁ?」
真姫「だと思ったわ」
希「多分警備が厳重なとこやろうから江戸城だと思うんやけどなぁ」
海未「江戸城の中に入るんですか…相当大変ですよ」
希「それが正しいかを確かめるためにも準備が必要や。どうやって入るか考えないと」
-⚫︎-フルシンクロ
2016年 アサシン隠れ家
梨子「お疲れ様。体調は大丈夫?」
曜「ま、まあなんとか」
果南「曜、あなた流入現象を経験してるでしょ」
曜「どうしてそれを」
果南「脳波がおかしい…体が悲鳴をあげてるのよ」
善子「無理させすぎたわね」
梨子「少し休もうか」
ガッシャ-ン! ビビビビビ
曜「なんの音!?」
梨子「やつらが来たのね」
善子「もうばれたの?」
果南「仕方ない、あそこに逃げるしかないね。準備するよ」
善子「曜、あなたの力で私たちを守りなさい」
梨子「曜ちゃん。あなたの身体能力はもうかなり上がっているはず。地形も生かしてあいつらを撃退しましょう」
曜「り、了解!」
ガッシャ-ン!
ダイヤ「いけませんわ、研究室から逃げるなんて」
ダイヤ「必ず捕らえさせてもらいますわ」
兵士1「おらぁぁぁ!」ダダダダダ
曜「……」フォン
曜(見える…相手の動きが丸見えだね)ヒュン
ドスッ!
兵士1「うはっ!」
兵士2「な、なんだ今の動きは!」
梨子「あら、私も忘れてもらっちゃ困るわ」ザシュ!
兵士2「……」バタッ
ダイヤ「くっ、もうそこまで動けるんですの…」
兵士3「うらぁ!」
曜「無駄だよ」ヒュッ! ドスッ
兵士3「速すぎる…」
ワ-ワ-ワ-ワ-
曜「強くはないけど数が多いね」
梨子「なんとか持たせないと。果南さんたちの車の準備ができるまで」
数分後
曜「はぁはぁ…」
梨子「ま、まだなの…」
ガッシャ-ン!
果南「待たせたね!乗って!」
曜「待ちくたびれたよ」ヒョイ
梨子「ようやくね」ヒョイ
ブロロロロロ
ダイヤ「チッ、逃しましたか、まあいいですわ。また見つけ出してあげます」
車内
曜「それで、どこに行くの?」
善子「あなたのよく知ってるところよ」
曜「私が?」
果南「景色は全然違うけど場所は同じだよ」
曜「まさか…」
梨子「音ノ木に向かうわよ」
曜「海未さんの、母校…」
果南「と言っても音ノ木跡地だけどね」
梨子「それにしてもなんで音ノ木に行くの?」
果南「見つけたんだよ…」
曜「なにを?」
善子「ヒントよ、エデンの果実のね。あなたのアニムス体験を研究していたらおかしな情報が音ノ木のあたりにあってね。行って確かめようってわけ」
曜「ふーん、私はなにも見つけなかったけどね」
音ノ木跡地
曜「ここが、音ノ木があった…」
果南「今はもう、別の建物が建ってしかも空き家になってるね。どこかにヒントがあるはずなんだけど」
梨子「善子ちゃん、どのあたりにあったの?そのヒントっていうのは」
善子「床だったんだけど、今と建物が違うから正確にはどの辺りかわからないわ」
果南「そんなぁ…」
曜「ちょっと待って。私が見つけるよ」
梨子「どうやって?」
曜(ヒント…….どこにあるの)フォン
曜「善子ちゃんそこの畳の上乗って」
善子「え?わ、わかったわ」
曜「梨子ちゃんはそっち」
梨子「ええ」
曜「果南さんはあっち」
果南「なにが見えてるの?」
曜「私が…ここ」
ガチャ ガガガガガガガ
梨子「か、階段が…」
果南「隠し扉かぁ、なんでわかったの?」
曜「見えるの、私には。海未さんのおかげでね」
善子「果南、アニムスを中に持って行くわよ。研究を再開する」
果南「オッケー」
音ノ木地下
善子「な、なによこの空間…」
梨子「これは…江戸時代の文明?」
果南「ここにヒントが…」
曜「こちらでも近づいてきたみたいだね果実に」
To be continued…
sequence8『計画』
1772年 真姫小屋
希「問題がいくつかあるね」
絵里「そもそも花陽が捕まってるのが江戸城なのかどうか」
真姫「見つけたとしてもどうやって助けるか」
海未「もし江戸城だとしたらものすごい警備体制ですよ。今の私たちの状況では迂闊に近寄れません」
穂乃果「江戸城に入れれば多分全部わかるよね」
海未「だからそれができないんですよ」
穂乃果「いや、あるんだよ、方法が。めちゃくちゃ難しいけど」
絵里「どうやるの?」
穂乃果「確か幕府主催の大会みたいなのがあってね。いろんな種目で争うんだけどそれで1位だった人は江戸城の中を見学できるって話だったよ」
希「すごいやん!…でもなんの種目なんやろ?」
穂乃果「力、素早さ、知力とか総合力が問われるらしいよ」
真姫「総合力ね…となったら1人しかいないわね」
絵里「ええ」
希「よろしく海未ちゃん」
海未「私ですか!?なんで私…」
希「海未ちゃんの戦いっぷり、毎回見せてもらってるけどそれはもう最初とは比べものにならんほどの成長ぶりや」
絵里「みんなあなたを信頼してるのよ」
真姫「頑張ってきなさい」
海未「これは私の役目なんですね。わかりました。必ず勝ってきます」
穂乃果「海未ちゃん、大会は江戸城前広場で行われるみたいだよ。明日の正午、そこで受付して」
海未「ありがとうございます」
翌日 正午 江戸城前広場
海未(闇に生き、光に奉仕する。アサシンの私がこんな注目された舞台に立っていいのでしょうか)
希「海未ちゃん、あなたはアサシンや、大勢の人前に無闇に出たらあかん。だから、顔を隠すものを持ってきたよ」
海未「なんですかこれ?仮面?」
希「そうや、今から海未ちゃんは『謎の挑戦者うみみん』や」
海未「ださいですその名前」
希「えぇーそんなぁー」
海未「でも、ありがとうございます。この仮面をつけて勝ってきます」
司会「さぁ!いよいよ始まる江戸城見学争奪戦!全ての能力において他を凌駕する者のみが勝者となります!」
司会「第一種目は知力を図る対決だ!頭脳を使って解答を導け!」
メイン目標:パズル「円陣」を最速で回答する
海未(どのような内容の対決なのでしょうか)
司会「まずは手元の紙を見てもらいましょう!そこに描かれているのは『円陣』だ!円形に並んだ空欄に数字を入れていって円周の和と横に並んだ数字の和を等しくするように数字をあてはめろ!」
(詳しくはパズル『円陣』で検索)
海未(数学的知識ですね。楽勝です)
観覧席
絵里「希…意味わかった?」
希「….さぁ?」
穂乃果「わからなかったね!」
真姫「よかったわ、海未で…」
舞台
司会「よーい!はじめぃ!」
カリカリカリ
海未「はい!」
司会「はやーい!そこまで!新記録を出し勝負を決めたのは仮面の女だぁ!」
-⚫︎-フルシンクロ
司会「早いですね。お得意なんですか?」
海未「ええ、楽勝でした」
観覧席
希「はや!何すればいいのかもよくわかってないけど早いよ!」
絵里「これが寺子屋での努力の差よ、穂乃果」
穂乃果「絵里ちゃんたちもわかってないじゃんか!」
真姫「どんぐりの背比べね…」
舞台
司会「これはものすごい挑戦者が現れた!今後の種目も期待だ!」
司会「次は発想力を問う問題!短歌勝負!ここに今人気絶頂の国学者本居宣長先生がいらっしゃいます」
海未(す、すごい!本物の宣長先生です!)
司会「今から20秒の即興で和歌を作ってもらい、本居宣長先生に最も評価された挑戦者が勝利となります!」
メイン目標:和歌を詠み最高評価を獲得する
海未(こ、これは勝たなければ!)
司会「お題は『春』!よくあるお題なだけに既出作品は多数!それらに埋もれない光る和歌をつくれるか!」
海未(春、ですか。これまたベタな。まあ今おっしゃっていた通りそれだけ難しいんですよね)
観覧席
絵里「なんかすごい人が出てきたわよ」
希「生本居先生や…」
穂乃果「…….だれ?」
真姫「あなた、本当に知らないの?」
舞台
司会「よーい、はじめぃ!」
海未(春…今の気持ちをのせた歌なら!)
20秒後
司会「そこまでぃ!さあ、回答者に詠っていただきます!」
各回答者 回答中
司会「なかなか、先生をうならせる歌が出てこない!このまま終わってしまうのか!最後の回答者は注目!仮面の女だ!」
海未(ふふふ…)
司会「さあ、仮面の女さん、回答を」
海未(もっと勉学に励むことをお勧めしますよみなさん)
観覧席
希「なんかすごい自信ある顔してるやんな?」
絵里「海未のあんな顔初めて見たわ」
真姫「本居先生にいいところ見せたいんでしょ」
穂乃果「がんばれー」
舞台
海未「いきます!」
海未「散りぬとも 香をだにのこせ 梅の花 恋しき時の 思ひでにせむ」
司会「これはどのような思いが込められているんでしょうか」
海未「たとえ散ったとしてもせめて香りだけでも残してください、梅の花よ。楽しかった記憶、気持ちを思い出としていつまでも覚えておきたいから、という意味です。最近、大切な人との別れがありました。その人達のことを一生忘れない、そんな気持ちを梅の花を使って表現した次第です」
司会「どうでしょうか先生」
本居宣長「私は国学者として様々な和歌を見てきました。その経験則から述べさせていただきます」
本居宣長「今の和歌は実に平安時代の和歌に通ずるものがあります。季節の言葉に気持ちをのせた歌ではりつつ、どこか奥ゆかしさがあります。これこそ、私の考える『もののあはれ』であろうと感じました」
本居宣長「彼女を勝者としましょう」
司会「なんと2連勝!強すぎるぞ仮面の女!」
-⚫︎-フルシンクロ
海未「ありがとうございます」
海未(やった、先生に褒められた…)ニヤァ
観覧席
希「海未ちゃんの顔緩みきってるで」
真姫「褒められて嬉しいんでしょ?」
穂乃果「絵里ちゃん、もののあはれってなに?」
絵里「え?えーっと…あー心に響くわーって感じよ」
希「えりち、もうちょい賢そうな表現したらどうなん」
真姫「まあ、穂乃果にはあんな感じの説明でちょうどいいでしょ」
舞台
司会「さあ!大会も後半戦!3回戦に進んでいきます!」
海未(このまま江戸城入城を認められるのは私です)
2016年 音ノ木跡地地下
曜「終わり?何か見つけた?」
善子「ええ、記憶で本居宣長出てきたでしょ?あの人の持っていた紙の中に妙なマークがあったのよ」
梨子「なにこれ?筆…かなぁ?」
果南「曜、さっき隠し扉を見つけたときの妙な能力でこのマークをこの部屋から探せないかな?」
曜「やってみる」
曜(筆…筆のマークは…)フォン
テクテク
曜「この本棚…」ガタン
ガガガガガ
善子「うわぁ」
果南「本当に開いたよ」
曜「これは…紙があるね」
果実は水とともに
梨子「ヒント….なのかな」
曜「だろうね。まだなにも分からないよ」
善子「他にもきっとあるのよ」
果南「そうだね。曜、アニムスに戻れる?」
曜「大丈夫だよ」
善子「この調子で見つけていくわよ」
梨子(私たちはテンプル騎士団からりんごを守るために闘っている。でもそれは本当に正しいことなのかな)
梨子(もしかしたら誰にも見つからないままの方がいいのかもしれない。だって今まではそれで大きなことは起こらなかったんだし)
梨子(まあ、考えても仕方ないか。信じてやってきたんだから)
梨子「見つけるわよ、りんごを」
To be continued…
sequence9『意地』
1772年 江戸
江戸城前広場舞台
メイン目標:残りの競技に勝ち、入城券を手に入れる
サブ目標:障害物競走で1分を切る
サブ目標:勝ち抜き戦で武器を奪う
司会「さあ!大会3回戦は素早さを競う競技!江戸の町に作られた障害物の並ぶ道を一番早く駆け抜けたものが勝者となります」
海未(以前ならこんな競技があればまず勝てなかったでしょう)
海未(しかし、今は希が、絵里が教えてくれた様々な技術があります。この種目も必ず勝ちます)
司会「では最初の選手から挑戦してもらいましょう!」
観客席
絵里「これに関しては海未は負ける要素ないわね」
希「うちらの訓練の成果に期待やな」
穂乃果「海未ちゃんもともと運動できるし」
真姫「余裕ね」
舞台
司会「競技終了!勝ったのはダントツ!仮面の女だぁ」
司会「いやぁ、強い!強すぎる!何者なんだこの女!」
海未(あと一競技、勝たせてもらいます)
司会「最後の競技は一対一の勝ち抜き戦。拳と拳のぶつかり合いです」
海未(ケンカってことですか…あまり好きではありませんが仕方ありません。全力でやらせていただきます)
司会「ここまで多く点を持っている仮面の女が他の挑戦者からの対決を受ける形になります」
司会「準備はよろしいですか?」
海未「いつでも」
観客席
希「普通にケンカする分には海未ちゃんが負ける要素はないけど…」
絵里「何かいやな予感がするわね」
真姫「大会側何かしてくるかもってこと」
穂乃果「可能性としてはあるね。本当に危なくなったらこっから助けに行こう」
試合場
第一試合
海未「かかってきなさい。私は負けません」
第一挑戦者「いくら強いっていっても女だ!負けるかよ!」スカッ
海未「そんなわかりやすい動きで勝てるとでも?」ドスッ
第一挑戦者「うぅ…」バタッ
司会「なんと!一撃!本当になんなんだこの女!」
第六試合
司会「ここで優勝候補、江戸火消しの首領が登場!」
首領「なかなか腕の立つやつらしいな」
海未「屈強そうじゃないですか。ですが力だけでは私には勝てません」
首領「さっきまでの闘いを見ていればわかる。相手の力を利用する、見たことのない闘い方をするんだな」
海未「私の体の動きからそこまで読み取ったんですか。さすがですね」
海未(それだと今までと同じ闘い方をすればやられる可能性がありますね)
海未「まあいいです。かかってきますか?」
首領「無論だ!」ドドド
首領「はぁ!」シュッ
海未(直線的な動き…これなら今まで通り….)
首領「ふん」キュッ ヒュッ
海未「なにっ!?」
海未(直線的な攻撃を急に止めた!?ダメです、態勢復帰が間に合いません!)
海未「うわっ!」ドンッ
海未「くっ…」
首領「やはりな、まだ見かけの攻撃に騙されている部分があるみたいだ」
海未(攻撃をやめたのは本当に当たる直前、変化が見えなかった…どうすれば…)
首領「まだまだいくぜぇ!」ヒュッ
海未「うっ…」
海未(このままではジリ貧です….どこを見れば…どこを見ればいい…)
海未(一撃でいい、一撃の隙を….)
海未(隙が生まれるのはどんな時でしょう….)
海未(そういえば昔、穂乃果が公園の遊具で遊んでいた時、その遊具が壊れて2人で大怪我を…)
海未(ん?何か予想だにしない事が起きればいいのでは…)
首領「どうしたどうした!」
海未「くっ!」ガラッ
海未「うわぁ!」
司会「競技場の石によって転んでしまった!これは万事休すか!」
首領「足元に気をつけな。楽しかったぞお前との闘い」
海未「……何を勝った気でいるのですか?」ヒュン
首領「えっ?」
海未「はぁ!」ドンッ
首領「うっ…」バタッ
司会「な、なんと!転んだ勢いをそのまま攻撃に転じたのかぁ!すごいぞ仮面の女!」
司会「もう彼女に挑戦するものはいませんか?」
???「ちょっと待って」
司会「ん?」
観客席
真姫「あれは!」
穂乃果「当たって欲しくない予想だったね」
絵里「優木あんじゅ」
希「ここで仕掛けてくるんか」
競技場
あんじゅ「私の部下が闘いたいって。いいかしら」
司会「新たな挑戦者だ!」
あんじゅ部下「……」カチャ カチャ ゾロゾロ
観客席
希「あいつら、武器持ってるで」
絵里「これは危険ね…ここまで連戦の海未には特に重い相手よ」
穂乃果「助けに行こう!」
真姫「でもどうするの?あの競技場を取り囲むような警備兵」
希「ちっ!」
競技場
海未(こ、この数に武器…さすがに辛いですね)
海未(1人から武器を奪い、それで応戦、これしかありません)
海未「き、きなさい。相手になります」
あんじゅ部下1「……」ブンッ!
海未「ふっ!」シュッ ドスッ
あんじゅ部下1「……」バタッ
海未「ここからです…」カチャ
あんじゅ部下2〜4「……」ブンッ
海未「3人まとめて!?こ、これは!」キンッ
海未「ああっ!武器が!」
あんじゅ部下2〜4「……」ブンッ
海未(お、終わりです。ここで….)
ヒュッ ヒュッ ヒュッ
あんじゅ部下2〜4「!?」バタッ
海未(何が起きてるんですか。急に敵が倒れて…あの、遠くに見えるのは!)
凛(城で待ってるよ海未ちゃん)
観客席
希「今ので現場は大混乱や!」
絵里「入城券を奪いに行くわよ!」
穂乃果「おう!」
真姫「私はここで逃げられるよう準備しておくわ」
競技場
希「はい!」ザシュ
絵里「ふんっ!」シュッ
穂乃果「ほい!」ガンッ
警備兵達「うぅ…」バタッ
希「さて、司会さん。散々うちの海未ちゃんをはめてくれたね」チャキ
司会 「す、すまなかった!」
絵里「あなたの持ってる入城券、あれは誰でも城に入れる券なのね?」
司会「そ、そうだ」
穂乃果「じゃあそれは全ての競技に勝った海未ちゃんのものだよね」
司会「で、でも最後はあの女がやったわけじゃ…」
希「あ?」カチャ
絵里「まだそんなこと言えるのね」
穂乃果「券は海未ちゃんのだよね?」
司会「そうです!そうなります!これはあの女に渡してください!」ハイ
希「そうやね。危なかったなぁ、あなたの頭吹き飛ぶところやったよ?」
司会「うわぁぁ!」タタタタタタタ
穂乃果「希ちゃん怖っ」
絵里「おっかないわね」
希「あんたらが言えんやろ…」
希「みんなで海未ちゃんを真姫ちゃんの車に運んで逃げるで!」
絵里(海未、私たちの目に狂いはなかったわ。あなたの身体能力はもはや私や希以上。これなら本当に…)
-●-●-●-フルシンクロ
2016年 音ノ木跡地地下
曜「はぁはぁはぁ」
梨子「お疲れ様。最後のは疲れたでしょう」
曜「それはもう」
善子「また見つけたわよ。今度はあっちの本棚の下ね」
果南「オッケー!」ガガガガ
曜「何かあった?」
果南「また紙だね。ん?」
梨子「何て書いてあるの?」
果南「富士の国にあり、だって」
善子「富士の国…静岡?」
曜「駿河湾とかあるしこの前のヒントと合わせても矛盾はないね」
梨子「これで果実にまた一歩、か」
To be continued…
続きが楽しみです。