暁「…私たちの知らない響」
初のお題です。拙い文章ですが、よろしくお願いします。
やぁ、始めまして。Верныйだ。
響「じゃあ、これで響も改二なんだね」
提督「ああ、すまないな。こんなに待たせてしまって」
響「いや、問題ないよ。司令官がここまでついてきてくれなかったら、響はここまで強くなれなかったかもしれない♪」
暁「響~!改装が終わるまで装置の前で待ってるわ!」
雷「私も!ここで待ってるわね!」
電「電もなのです!」
響「皆、ありがとう♪じゃあ、行ってくるよ」
そう言って響お姉ちゃんは、近代化改修と改造をするための装置に入っていきました。でも、それが事件の始まりだったのです...
10分も経つと機械から音は出なくなり、装置の扉が開きました。私たちはそこで別人同然の響お姉ちゃんと出会ったのです。いえ、はっきりと『別人』と言うべきでしょうか。髪と目の色が以前よりも白くなり、前の響お姉ちゃんとは思えない位でした。
響?「......」
提督「終わったか響、お疲れさま」
響?→Верный「響...?私の名前はВерныйだ。もしかして貴方がここの司令官かい?」
提督「あ、ああ...どうしたんだ?今までずっと一緒にやって来たじゃないか」
Верный「?ここに来たのは始めてだよ。それに私は日本の艦じゃない。...何やらおかしな空気になったね。じゃあ、改めて挨拶をしよう。始めまして、司令官。Верныйだ。よろしく頼む」
この場にいる全員が今の言葉に理解が出来ませんでした。司令官さんの顔は青ざめ、冷や汗をかいてるのが見てすぐに分かりました。多分、電たちの顔も青ざめていたと思います。
提督「響...?冗談が過ぎるんじゃないか...?ほら、お前の姉妹も困ってるじゃないか...」
Верный「...もしかして私を誰かと勘違いしてるんじゃないか?私は響という名前でもないし彼女たちとも姉妹じゃない」
暁「ね、ねぇ?響?私のことを覚えてるわよね...?」
Верный「すまない。どこかで会ったかな?もし会ってるのなら謝罪する」
暁「う...そ......」ガクッ
Верный「大丈夫かい?」
響お姉ちゃんは、Верныйという名前になって私たちのことを全てを忘れていました。昨日約束したことも、今まで一緒にご飯を食べたことも、そして...電たちが姉妹であったことさえも...
Верный「それで、司令官。私の部屋はどこだい?」
提督「あ...ああ...暁...お前たち姉妹の寝泊まりさせてやってくれ...俺は少し明石と話してくる。記憶を取り戻す手がかりがあるかもしれない...」
司令官さんは足元が少しふらついていました。響お姉ちゃんもといВерныйちゃんは、暁お姉ちゃんの肩を持って私たちの部屋に向かっていきました。
電「あわわわ...」ペタン
電は腰が抜けてしまいました。隣に雷ちゃんが居るのに、そんなこともお構いなしに座り込んでしまいました。
電「響お姉ちゃんが......響お姉ちゃんが......」ガクガク
雷「......」
電「い、雷ちゃん...?」
雷「」バタッ
雷ちゃんはその場に倒れてしまいました。急いで助けようと思ったのですが、電も腰が抜けてしまい、必死に誰かを呼ぶしかなかったのです。
電「あ...ああ...だ、誰か...!雷ちゃんを...!た、たす...助けて...!」
場所が悪かったのだと思います。工廠の中だったので、金属の扉と煉瓦の壁に遮られ、電の声が外に聞こえなかったのでしょう。遂には、電もあまりのショックと緊張感からか意識を失ってしまいました。
Верный「さて...やりますか」
私はВерный。日本語で『信頼できるという意味だ。あまり他人とは話したことが無いけれど、何とかやっていこうと思う。
Верный「まずは何処へ行こう。司令官は何処かへ行ってしまったし、あまり歩き回って不審者に見えたら終わりだからね。出来るだけ、普通に見回ろう」
暁という名前の少女を部屋のベッドに寝かせ、私は部屋を出た。部屋の大きさと廊下の長さから見て、相当大きな建物なのだろう。今は昼の昼食時間なのだろうか?誰とも会わない。というか、そもそも人の気配がしない。
Верный「誰も居ない。なら、自由に施設を見て回ることが出来るね」
まず私は資料室から入った。ここならこの鎮守府の地図や艦娘たちの名簿が全てあるはず、簡単に今の状況を知りたかったら資料室だと思った。
Верный「...どうやら私の狙いは的中の様だ。艦娘の名簿と鎮守府の地図を見つけることが出来た」
パラパラと冊子をめくると、ある少女の写真が目に留まったんだ。双子の姉妹なんて言われても不思議じゃないと思った。
Верный「暁型駆逐艦二番艦『響』?私とそっくりじゃないか...もしかしてあの少女は私を『響』と間違えたのか?」
さまざまな考えが私の中で駆け巡っている時、誰かが資料室に入ってきた。
??「あら?響ちゃん?珍しいわね、資料室に居るなんて」
Верный「あ...えっと...(ごまかすべきかはっきりと言うべきか...!)」
??「どうしたの?いつもの響ちゃんらしくないわね。それにその髪...」
Верный「(まずいまずいまずい!こう言うときは...!そうだ!私が『響』という子になりきれば...!)」
Верный「こ、これはイメチェンと言う奴だよ」
??「そう?何か隠してるようだけど...」ジー
Верный「」ガクガク
雷「うう...うぅ...」
目を覚ますと見慣れた天井があったわ。自分の名前を書いた布団に枕、隣には電の姿もあった。
雷「そうだ!響姉!」
すぐに私は部屋から飛び出して、司令官の元に向かったわ。執務室に入るといつもの司令官に明石さん、それに大淀さんまで居たわ。
雷「司令官!」
提督「ああ...雷か。今響のことで話し合っていたところだ」
明石「私の推測ですが、改装時に何かしらのエラーが起きたのでしょう。そのエラーが原因で今回のような事件が起きたと...はぁ、何か手がかりがあると良いんだけどなぁ...」
提督「と言うわけだ、俺達は何とか解決策を考えるから雷は響...今はВерныйだったか...とにかく見つけておいてくれ」
雷「分かったわ!」
勢いよく扉を開けて出ていった私は、今度は響姉を探しに行ったの。ただただ夢だったことを願うばかりで、多分響姉の心配をしてたんじゃなくて私の見たものが夢だったことを確かめたかったんだと思う。だけど...
電「雷ちゃん...」
雷「あ、電!響姉見なかった!?ったく~!本当に私が居ないとダメなんだから!」
電「響お姉ちゃんは...もう別人になっちゃったのです...」
雷「な、何を言ってるの...?響姉は私達特Ⅲ型二番艦で私達のお姉ちゃんじゃ...」
電の言うことがもっともだった。でも...そんなこと認めたくなかった。いつもの響姉が...もう居ないってこと...
電「どれだけ雷ちゃんが否定しても、事実は変わらないのです...もう、響お姉ちゃんは...Верныйちゃんは私達のお姉ちゃんじゃないのです...」
雷「嘘よ...!嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ!電の嘘つき!」
私の中で何かが壊れた。恐怖が怒りに換わって目の前の妹に全て向けてしまった。
雷「嘘をつくなんてそんなの電じゃない!電を返せ!!」ガシッ! グググッ!
電「雷ちゃ...!は......して...!」
雷「うるさいうるさいうるさいうるさい!電を返せ!!電を返せ!!」グググッ!
次第に私の手の力が強くなる。止めなきゃいけないのに手が止まってくれない。寧ろ手の力が強くなってしまう。
電「く...る......し...ぃ...死ん......じゃ......」
電の口から泡が出始め、白目を向き始める。それでも私の力が弱まることはない。
天龍「おいっ!!雷!何やってるんだ!!」
天龍さんが私を電から引き剥がす。未だに泡を吹き続け体がピクピクと痙攣が止まっていなかった。
天龍「龍田!電を頼む!」
龍田「分かったわ~」ガシッ!
龍田さんに保護された電は未だに意識を取り戻さずに泡を吹く。
天龍「雷!どういうつもりだ!」
雷「放して!アイツは偽者なの!雷は騙されないんだから!!」
天龍「いい加減にしろ!」
パァァン!
天龍の平手打ちが雷の頬にクリーンヒットする。
Верный「ほ...鳳翔...さん...」
咄嗟にさっきの名簿に載っていた写真と名前を照らし合わせて名前を呼ぶ。内心間違ってないか不安だったが、相手の表情をみて判断できた。私の言葉は間違ってなかったとね。
鳳翔「どうしたの、響ちゃん。何か探し物?」
Верный「あ、あぁ...昨日の戦果確認をしようかと...」
鳳翔「そう、昨日の戦闘の記録はそこじゃなくてこっちよ♪」
私の手を引っ張って棚の反対側に向かう。
四人の視点を交互に入れ替えて話を進めていきます
おぉ…おお!自分では書けないと諦めて出したお題…まさか書いてくれる人がいるとは!ありがとうございます!期待しています!