「いつか...会える...?」
少し悲しい娘のお話
榛名のssの続編です。
すべてを無くした女性の物語。
今までを取り戻すために、さまよい続ける...
申し訳ありません、このSSでもデータの破損が発生しました...7000文字と比較的少ない方なので、修正していきたいですが元の文章とは変わっているかもしれません。もし読んでくれている方がいらっしゃったらご迷惑をおかけします...orz
静かな波音が、辺りの人々や生き物を癒している。海岸はとても綺麗で、子供達は水遊びをして楽しんでいる。
少年「やーい!」バシャッ!
少女「やったなー!!」バシャッ!
いつも子供はここの海岸で遊んでおり、子供達を襲う者も居ないため安心して見ていられるのだ。
少年「あれ?これ人かな?」
「.........」
少女「おねーちゃん、大丈夫?」ユッサユッサ
少女が女性に向かって呼び掛けているが、女性は反応しない。
少年母「少年ー!帰るよーー!!!」
少年「ママー!!おねーちゃんが倒れてるの!」
少年は母親に女性が倒れていることを伝え、女性の元へと連れてきた。
少年母「大丈夫ですか?」
少年の母親が起こそうとするが反応せず、地面に伏せたままであった。
少年母「脈拍は...」ピトッ
首筋の血管のところに指を当てると、ドクンドクンと安定したリズムの脈拍を感じることができた。
少年母「うん、生きてはいる」
少年「おねーちゃんは大丈夫なの?」
少女「なのー?」
少女と少年は顔に心配の色を出しながら、女性の安否を聞いてくる。
少年母「うん、大丈夫」
少年「良かったー」
少女「たー」
少年と少女は顔に笑みを綻ばせた。
少年母「でも、このままじゃ風邪をひいちゃうから、家に連れて行くの手伝って」
少年・少女「はーい!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ううぅ......」
女性が目を覚ますと、少年の顔が 目の前にあった。
少年「あ、起きた?」
「......」コクッ
少年「ママー!!起きたよー!!」
少年母「良かった、意識が戻って...」ホッ
少年は喜び、少年の母は安堵の表情をしている。
「......?」
少年「おねーちゃん!名前は?」
「名前......?」
女性は、名前という単語に対して疑問を持っている。
少年母「名前だよ、覚えてないの?」
「.........」
今度は何の反応も示さない。どうやら情報処理に少し時間がかかっているようだ。
少女「おばさーん!持って来たよー!」
少年母「ん、ありがとね」ナデナデ
少女「えへへ~♪」
「...これ......なに...?」
女性が唯一興味を持ったものがあった。
少年母「これ?これは服だよ」
「服...?」
少年母「服っていうのはね、寒さから体を守ったり、怪我から守ったりしてくれるのよ」
少年の母親が女性に対して、丁寧に教え、何とか分かった様な顔をした。
「...へぇ......」
少年母「ゆっくり物事を理解していけば良いよ」
「はい...」
女性は少し悲しそうな、そして辛そうな表情をしていることに、少年の母親は気付いた。
少年母「どうしたの?何か思い出した?」
「いえ...まだ...何も......」
少年母「焦らなくても大丈夫、それまでちゃんと面倒を見てあげるから、ね?」
「ありがとう...ございます......」
女性は、時には悲しみの表情をし、またある時には何かに謝りたそうな顔をしていた...
『これは...?」
女性は、何かを見つめると動かなくなってしまった。
少年母「ん?どおしたの?」
「これ...」
てに持っていた物を少年の母親に見せると、何か怪訝そうな顔をした。
少年母「これって...」
「どうかしました...?」
少年母「んえ!?いや、何にも無いよ!で、これはカチューシャって言うものだよ。頭に着けるものなんだよ。着けてみる?」
「......」コクッ
そおっと頭に着けると、ぴったりフィットした。どうやらこの女性の物だったらしい。
少年母「あら?ぴったりね、どうやらこれは貴女の物らしいわ」
「私の...?」
少年母「そう、貴女の」
「見たこと......あるかも......です...」
少年母「本当?どこで見たの?」
「わからない...でも...どこか懐かしい...」
少年母「そう、ならこれをいつも頭に着けていなさい。なら何か思い出せるかも知れないわ」
「はい...」
少年母「あ、そうだ。これから観艦式があるから行ってみない?何かあるかも?」
「分かりました......」スクッ
少年母「外で子供達と待ってるわね」スタスタ
「ありがとうございます...」
女性は一人になると、羽織っていまタオルを脱ぎ、用意されていた服にへと着替える。
「これで良いのかな...?」
女性が着た服は、神社の巫女の様な服で、どこか懐かしい感じのするものだった。
「やっぱり...どこかで...」
何かモヤモヤっとした物がもう少しのところで晴れそうになったが、結局何も分からなかった。
「あ...早くいかないと...」タッタッタッ
女性は部屋を後にした。
「お待たせしました...」
少年母「お、やっぱり似合ってるね」
「この服は...?」
少年母「それ?艦娘の人がその服を私の店に売りに来てね。売ろうにも店には置けなかったから...」
少年母「あと、その服をくれた人ね、『妹が沈んでしまったカラ...貴女のお店で引きとってクダサイ...もう...つらいことは思いだしたく無いんデース...』とか言っててさ。この子が大きくなったら着せてみようかな、って思ってたんだけど...良かった君にあげるよ」
「良いんですか...?」
少年母「良いの良いの。今は私たちの店の物だからね」
「そうですか...」
少年「ねぇねぇ、はやくいこうよー」
少年母「はいはーい、じゃ、行こうか」
「はい...」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
少年母「そろそろかな?」
その瞬間、辺りにラッパの音が鳴り響く。鳴り響くと同時に、辺りの人から歓声が響く渡る。
少年・少女「わーーー!!!」
「あの人達は...?」
少年母「えっとね、この近くにある鎮守府に居る人達でね。あの人達が居たから私達は安全にこの海の近くで住めてるんだよ」
「へぇ...」
少年母「あ、あの人が鎮守府の秘書艦だったかな?確かそうだったはずなんだけど...まぁ良いや、金剛さん。私の店に来たのもあの人だよ」
「金剛...さん...」
女性は、うつむくと金剛という名前を何回も繰り返して呟いていた。
少年母「どうしたの?」
「あ、いえ...」
少年母「ならこのあと、艦娘の皆さんと会える時間があるから、会ってみる?」
「はい...」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『これより、艦娘の方とのふれあい時間をもうけたいと思います!もしお越しになる方は、係員の案内に従って列に並んでください!」
会場のスピーカーから、女性の声が響く。
少年母「あ、始まったね。じゃ、行こっか」スタスタ
「はい...」スタスタ
係員「はーい!ここが列の最後尾になります!只今の待ち時間は、一時間程になっております!」
少年母「一時間かぁ...待っていられる?」
「はい...大丈夫です...」
少年母「なら、私はあの子達を見てくるから」
「分かりました...」
少年の母親は、子供達を見に列から離れていった。
「どんな人達なんだろう...」
女性は、少し不安になりながら列を並んでいた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そろそろ50分経った頃、ようやく金剛と呼ばれている女性の声が聞こえてくる。
「この声...なにか...」
さらに列に並んでいると、姿が見え始めてきた。
金剛「ハイ、これからも私達をヨロシクネ♪」
「あれが...金剛さん...?私の着てる服と...ほとんど同じ服...」
そして、ついに女性の順番が回ってきた。
金剛「ハーイ!次のか...た...?」
「は...初めまして...」
金剛「え...私は...幻を見てるのデスカ...?」
「.........?」
金剛「は......榛名......!」ダキッ!!
「ふえっ...!?」
金剛は女性に抱きついた。
金剛「良かった...良かったデース...!」
「あの......私は貴女の何なんですか...?」
金剛「ええ......?」
女性の言葉に、金剛は混乱した。
「え......?」
金剛「な、何言ってるデース!貴女は、金剛型戦艦三番艦の榛名ですよ!?」
「そんなこと言われても...私は...」
金剛「待っててくだサーイ!今、提督を呼んできマース!」タッタッタッ
「あ......」
金剛は猛ダッシュで鎮守府に戻っていく。
「...どうしましょう...」
~数十分後~
金剛「ほら、提督!さっさとくるデース!」グイッ
提督「おい、一体何なんだ...よ...」
男性は、女性の姿を見ると、茫然と立ち止まってしまった。
提督「嘘だろ...?おい、金剛。俺は夢を見てるのか...?」
金剛「夢じゃないデース!現実デスヨ!」バシッ
提督「榛名...!」
「ふえっ......?私のことですか...?」
提督「何を言ってるんだ!お前しか居ないだろう!?」
「そう言われましても...」
金剛「榛名...?」
「ごめんなさい...何も...覚えてないんです...」
金剛「What...?」
「今まで何をしてたのかも...どこから来たのかも分からないんです...」
提督「なん......だと......」
「ごめんなさい...」ペコッ タッタッタッタッ
金剛「そんな......」
提督「榛名...!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
少年母「あ、おかえり。金剛さんはどんな人だった?」
「変わった...人でした...」
少年母「確かに語尾は変わってるよね。私も初めて会った時は驚いたよ」
「いえ。そういう意味では無いんです。」
少年母「?」
「何か...私のことを知っているようで...」
少年母「ふーん...君のことを...」
少年母「もしかしてさ、君って艦娘だったのかも」
「え...?」
少年母「だって、艦娘の人が君を知ってるってことはさ、艦娘だった可能性もあるんだよ?だから、もしかすると金剛の知人だったのかも」
「金剛さんは...私のことを妹と言っていました...」
少年母「金剛さんが?」
「はい...」
少年母「うーん...今度、もう1回会ってみたら?」
「もう1回ですか?」
少年母「うん。何か記憶の手がかりを拾えるかも」
「そうですか...」
少年「ママーー!!」タッタッタッタッ
少女「おばさーん!」タッタッタッタッ
少年少女が前から走ってくる。
少年母「お帰り。楽しかったかい?」
少年「うん!艦娘の人に肩車してもらったの!」キャッキャッ!!
少女「凄く高かった!」キャッキャッ!!
少年母「そうか。良かったね♪」ナデナデ
少年「電って人、回りの人より小さかった!」
少女「大和って人、凄く大きかった!」
少年母「そうかいそうかい。じゃあ二人とも、これから家に帰って、晩ご飯の用意をするよ!」
少年・少女「はーい!」
少年「おねーさんも!いっしょにごはんつくろ?」
「う、うん...」
ウゥーーーーン!!
サイレンが響く。それと同時に、スピーカーから声が、聞こえ始める。
『警報!深海棲艦がこの地域に進行中!住民の皆さんは、直ちに避難区画にへと退避してください!繰り返します!深海棲艦がこの地域に進行中!住民の皆さんは、直ちに避難区画にへと退避してください!』
少年母「深海棲艦!?最近は全く無かったのに...!」
「深海棲艦...?」
少年「ママ...こわいよぉ...」
少女「うぅ...ぐすっ...」
少女母「大丈夫。今からちゃんと逃げれば、大丈夫だよ」
少女「うん...ぐすっ...」
「.........!!」ダッ
女性は何処かへと走り出す。
少年母「ちょっと!?」
制止を振り切って、海岸へと走っていく。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「はぁ...!はぁ...!」タッタッタッタッ!!
何かに引っ張られるように海へと走る。誰が止めようとしても止まらないだろう。
「早く...!早く...!」タッタッタッタッ!!
やがて海岸へと着く。海には無数の深海棲艦がおり、艦娘が対抗しているが、苦戦を強いられているようだ。
「はぁぁぁ!!」
女性の背中には、艤装と呼ばれる物が装着される。
「出ます!」バシューン!!
女性は海へと飛び出す。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
金剛「はぁ...はぁ...!」
大和「なんて数ですか...!」
長門「くそっ...!キリが無い...!」
電「榛名さんさえ居てくれれば...!」
金剛「くっ...!」
大和「雷巡の二人は!?二人も観艦式へと来てたはずです!」
電「お二人は、今敵に囲まれているのです...!お二人は、装甲は薄いので、早く向かわないと、手遅れになってしまうのです!」
長門「何故だ!何故、突然深海棲艦が!5年前の戦いで、撃滅したはずだ!」
四人は、辺りを囲んでいる深海棲艦を、確実に仕止めてはいるが、何よりも数が多いので、状況は変わらない。
金剛「提督には!?」
電「電文は送ったのですが、返事が帰って来ないのです...!」
大和「町には行かせてはならないというのに...!」
大和が全主砲を、深海棲艦へ向けて放つ。だが、三四隻沈んだだけで何も変わらない。
長門「まずい...!町に何隻か行ったぞ!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
三隻が町へ近づく。その先には、女性が仁王立ちしていた。
「勝手は!私が!許しません!!」バァァァン!!
艤装から放たれた砲弾が、敵駆逐艦と軽巡に当たり、轟沈する。
ル級「クッ...!ココニモカンムスガイタカ...!」
「町へは行かせません!」
ル級「イキガルナ!」バァァァン!!
ル級から放たれた砲弾が、女性にへと向かう。だが、すばやい動きで全ての砲弾をかわす。
ル級「ナニ...!?」
「次は、こっちの番です!行きますよ!」
持ち前の高機動を生かし、敵を翻弄する。
ル級「チョコマカト...!シズメ!」
ル級が再び、女性にへと砲撃するが、またもやかわされてしまう。
「ってーー!!!」バァァァン!!
女性とル級を行き交う砲弾の雨。そして、その戦いを制したのは、女性であった。
ル級「クソッ...!コンナコムスメニ...!!」
ル級は海の底へ沈む。
「はぁ...はぁ...」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
長門「あいつは...!!」
電「榛名さん!?」
大和「生きてた...!!」
金剛「今は、こっちを優先ネ!さっさと追い払うヨ!!」
「「「了解!!」」」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
北上「くぅぅぅぅ...装甲は薄いんだよぉ...」
北上から煙が上がり始める。
大井「北上さん!大丈夫!?」
北上「もぉ...何隻沈めれば居なくなるんだよぉ...!」パシュッ
大井「この!消えなさい!」パシュッ!!
北上と大井が放った、合計80もの魚雷が発射され、その内の何十本もの魚雷が敵艦に直撃し、沈んでいく。。が、相も変わらず、敵の数が変わらず、ワラワラと北上と大井の回りを、囲んでいる。
北上「はぁ...こんなことなら、戦艦に生まれたかったよぉ...」
大井「北上さん。私は、どこまでもついていくわ」
二人に、魚雷が近づいてくる。二人はそこで、死を覚悟した。
北上「......っ...!」
..............................................................................
二人には、何の衝撃も、何の痛みも来ない。
北上「えっ......?」
「大丈夫ですか?お二人とも」
女性が、大井と北上の前に立ち、代わりに魚雷を受けていた。
北上「えっ...?これって...幻...?」
大井「でも、体は魚雷を受けずに浮いてるし...」
「私は、幻ではありませんよ。被害は?」
北上「え、えっと...私は、小破で、大井っちは小破もしてないよ」
「なら、金剛さん達と合流しましょう。私の後ろに、ついてきて下さいね」
北上「え、あ、うん」
大井「ねぇ、北上さん。前に居るのって...」
北上「間違いなく、榛名さんだね...」
「榛名って人が私なのか分かりませんが!今はお二人を守ります!」
だんだんと深海棲艦の数が減っていく。
戦艦棲姫「ちっ...押され始めたな...一旦撤退だ!戻るぞ!」
深海棲艦の群れが、海へと帰っていく。
「ふぅ...何とか無事にすみましたね...お二人とも大丈夫ですか?」
北上「あ、う、うん。一応こっちは大丈夫だけど...」
大井「それよりも貴女は...」
「では、これから用事がありますので」
少年達の居る陸へと戻っていく。
北上「あ、ちょっと!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
少年「おねーちゃん!!おかえり!!」ダキッ
少女「おかえり!!」ダキッ
少女と少年が女性に抱きつく。
「ただいまです♪」
少年母「貴女...ホントに艦娘だったんだね...」
「そうなんでしょうか...」
少年母「でも、貴女のおかげで助かったよ。ありがとうね♪」
「いえ♪」
女性の表情がどんどん柔らかくなっていく。
金剛「ちょっと待つネーー!!」
金剛がこちらへと走ってくる
「あ...金剛さん...どうしました...?」
金剛「貴女に改めて話があるデース!」
「私に...?」
金剛「イエース!私達の鎮守府に来ませんカ?」
「鎮守府に...?でも...私なんかが...」
金剛「でも来るかわ貴女が来るかは貴女デース!ちゃんとその人達と話し合って決めて下サーい!それじゃあね!Good bye!」
そういい残すと、金剛は海の方向へ走っていった。
「えっと...私は...」
少年母「行ってきなよ。その方が絶対に君の為になる」
少年「おねえちゃんどっかいっちゃうのー?」
少年母「ああ、会えるのは数回程だろうね...」
少女「またあえるー...?」
「...はい...必ず、会いに来ます」タッタッタッ
女性の後ろ姿が小さくなっていく。
少年母「ああ、行っておいで。君にはこの選択が一番必要なんだ...」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
金剛「来てくれたんデスネ♪」
「はい、よろしくお願いします」
金剛「来てくれて嬉しいデース♪」ダキッ
「あ、あの...」
金剛「oh!そうだったネ!早く提督に会いに行きますヨ!」タッタッタッ
「あっ!待って下さい金剛お姉さま!」
金剛「えっ......?」ピタッ
「あ、あれ...?お姉さま...?どうして私お姉さまなんて...」
金剛「ま、まぁとにかく鎮守府に行くデース!」タッタッタッ
「は、はい!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
金剛「提督!連れてきましたヨー!」
提督「本当に来てくれたのか。ありがとう...」
「い、いえ!私は大丈夫です!」
提督「...ふふっ...」
「?どうしました...?」
提督「いや、以前の君と変わらないなと思ってね...」
「...もしよければ、以前の私のお話をしてもらっても良いですか...?」
提督「良いのかい?」
「もしかしたら何か思い出せるかも知れないので...」
提督「分かった。金剛、少し2人だけにしてくれないかな?」
金剛「了解デース♪何か思い出せると良いデスネ♪じゃあまた後で、good-bye♪」
そういった金剛は執務室から出ていった。
提督「さて、何処から話したものか...そうだな...初めて君と出会った時の話からしようか」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
提督「電、建造の任務を終わらせてきたから書類をもらえないかな?」
電「分かったのです!一体どんなレシピで建造したのですか?」
提督「全ての資材all999だ」
電「...へっ?」
電がその場に凍りつく。
電「今なんて言ったのですか?」
提督「だから、all999だと...」
電「チェーーストーー!!」ゲシッ!
電が提督の頭に空手チョップをくらわせる。
提督「いって!何すんだ電!」
電「それはこっちのセリフなのです!只でさえ少ない資材が更に少なくなってしまったのです!」
提督「.........」/(^o^)\
電「せいっ!!」ゲシッ!
提督「いって!」
電「はぁ...この際しょうがないのです...高速建造材を使ってさっさと建造するのです」
提督「ちょ、ちょっと待て!只でさえ10個しかない高速建造材を!」
電「あぁ?」
提督「」
電「今更何を言ってるのです?」
提督「」ガクブル
電「1回の建造にall999したバカに言われたくないのです。それともあれですか?自分が司令官という役職だから何しても許されると思っているのですか?何なのです?死ぬのです?」
提督「イエ、シニタクアリマセン...」
電「なら、さっさと謝ってみるのです。『私はバカな司令官です。資材をほとんど使ってしまい申し訳ありませんでした。』って謝ってみるのです」
提督「ワタシハバカナシレイカンデス.シザイヲツカッテシマイモウシワケアリマセンデシタ」ドゲザ
電「フフフ...良い気味なのです♪なら電は高速建造材を使ってさっさと建造してくるので、執務ちゃんとしていて下さいね?」
提督「ワカリマシタ...シツムヲガンバリマス...」カキカキ
電「偉いのです♪」ガチャッ! バタン
電は邪悪な笑みを浮かべたまま、執務室から出ていった。
提督「.........」
提督「ふぅ...助かった...あんな電を見られるなんてレアだな...」
提督「さて、一体誰が着任するのかな?」
提督がそんなことをボヤいていると大きな足音が、執務室の中まで響いて、電が中にへと入ってくる。
電「た、大変なのです!」ガチャッ!
提督「ん?何でそんなに慌てているんだ?」
電「良いから早く来るのです!」グイッ!グイッ!
提督「お、おい!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
提督は電に引っ張られ、工廠へとたどり着いた。
提督「一体なんな......んだ?」
?「えっと......貴方が榛名の提督ですか?」
提督「あ、は、はい。そうですけど...」
榛名「私は金剛型高速戦艦三番艦、榛名です!これから提督に全力を尽くしていきますので!よろしくお願いします!」(`・ω・´)ゞビシッ!!
提督「あ、ああ、よろしく頼むよ...」
提督「えっと、榛名だったかな?少しここで待っててくれるかな?」
榛名「え?別に榛名は良いですけど...」
提督「(おい、電!戦艦来ちまったよ!しかも金剛型だよ!どうすんだよ!?)」
電「(知らないのです!そもそも司令官が原因なのです!自分で責任を取るのです!!)」
提督「(いやいやいやいや!ムリムリムリムリ!相手は戦艦だぞ!?絶対勝てねーよ!)」
電「(だったら何とかして解決策を見つけるのです!司令官でしょ!?)」
提督「(司令官という立場がなんでもかんでも出来ると思うなよ!?いくらなんでも限度ってもんがあんだよ!)」
榛名「あ、あの...」
提督・電「ひゃ、ひゃい!」
榛名「もしかして...榛名お邪魔でした...?」
提督「(うおーい!とんでもない勘違いさせてんぞ!?魚が自分が龍だと勘違いぐらいやべーぞ!?)」
電「(知らないのです!というかツッコミが意味不明過ぎるのです!!)」
提督「(とにかく、何とかせねば!)」
提督「い、いえ。邪魔ということはありませんよ?」
榛名「そうですか...?」
提督「それよりも、まずは執務室で着任確認書を書かなければ行けませんので、執務室までついて来てくれますか?」
榛名「わかりました。不肖榛名、ご一緒させていただきます!」
電「(良くやったのです!後は移動中にも好感度を上げまくるのです!)」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
提督「というのが君との初めての出会いだよ」
「そうですか...」
提督「何か思い出せたか?」
「いえ......特には......」
提督「まあ、そんなに焦ることもないだろう。ゆっくりと思い出していけばいいよ」
「はい...」
提督「そうだ、君の部屋に言ってみようか。君の思い出の品をそのまま保管してある。何か思い出せるかもな...」
「私の部屋ですか...?」
提督「ああ、誰も手をつけていないから、そのままの形で残っているはずだ」
「案内をしてもらっていいですか?」
提督「ああ、もちろんだとも。こっちだ」
提督は女性を連れ、元榛名の部屋に向かう。そこには、たくさんの榛名の思い出、そして色んな喜怒哀楽が残されている。
そして、必ずしも思い出というものは、良いことばかりとは言えないのである...
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
提督「ここが榛名の部屋だ」
「ここが...」
少し埃が舞っており、掃除が必要である。
提督「あれから4年経っているからな...掃除をしないといけないか...少し待っててくれ。金剛達を呼んでくる」
「わ、わかりました」
提督が部屋を出ていってから、数十分経つと金剛、比叡、霧島を提督が連れ、部屋の中に入ってきた。
比叡「ホントに榛名が帰ってきてる!!」ダキッ
「わっ!?」オロオロ
霧島「良かった...!生きてて良かった...!」
「あの...えっと...」
提督「比叡、霧島。今は記憶が無いって言っただろう?あまり混乱させるようなことはさせないでやってくれ」
比叡「分かってますよ!今は記憶が無くても生きててくれたことを喜んでるんです!」
霧島「全く...司令は空気が読めないですね...」
提督「空気が読めなくて悪かったな...」
金剛「Hey!Everybaby!早く榛名の部屋を掃除するデース!」
提督「確かにそうだな、じゃあ掃除するぞー!」
「「「「おーー!!」」」」
5人が部屋の掃除に取りかかる。女性は本棚、金剛は机、比叡は窓、霧島はクローゼット、提督は床の掃除という分担になった。
「けほっ、結構埃が...」
本棚の上側を掃除していると、何か分厚いものが腕に当たり、手前まで寄せられる。
「??これは...?」
手に取り本の中身を見ようとすると、バランスを崩してしまい、お尻から落ちてしまう。
金剛「大丈夫デスカー?」
「は、はい...それにしてもこれは...」
女性が持っている本は、かなり風化しており20年程経っていそうだ。
提督「この本は?」
「わかりません...本棚の上に置いてあって...」
霧島「パッと見る限り、かなり古い物ですね...」
提督「こんなに古い本は鎮守府でも無いぞ...」
「読んでみますね...」パラッ
本を開けると、そこには...
提督「白紙...?」
比叡「こんなに古いのに白紙なんて...」
「...............」
金剛「?どうしたんデース?」
女性は何も書いていない白紙の本を、ずっと凝視していた。
「この日記...途中から字が変わっています...」
金剛「字?どこに書いてあるんデース?」
4人がどれだけ本を凝視しようと、何か書いてあるとは思えなかった。
提督「うーん...何も見えん...」
「榛名さん......貴女は......いえ...」
女性には『確かに何かが』見えていた。
「私が......榛名ですね......」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
日記の中身
○月×日
戦況が悪くなってきました...
一航戦と二航戦の方たちが沈んでしまいました...
榛名が弱かったから...
歴史は何回でも繰り返してしまうのでしょうか...
いえ、今からでも変えられるはずです!
1ページ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
○月×日
榛名は...何か悪いことをしたのでしょうか...
いくら未来を知ってても...未来は変えられないのでしょうか...
榛名の周りの人達が...居なくなって行きます...
2度と...あんなことは繰り返したくないのに...
どうしてなんですか...教えて下さい...神様...
35ページ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
○月×日
もし...これを見てる未来の榛名へ...
今の榛名は最期の戦いに出ます...
未来は良いのか悪いのか...榛名には分かりません...
これは...最悪な未来へと向かっていった榛名の日記です...
どうか...これを見てる榛名は...幸せな未来を進んでいることを願います...
50ページ(最終ページ)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「(私は...いえ...この世界の榛名は...幸せな未来へと進めていると思います...)」
知らぬ間に...榛名の目には涙が貯まっていた...
提督「おい...大丈夫か?」
榛名「はい...榛名は大丈夫です...」
提督「!?思い出したのか!?」
榛名「名前だけですけど...思い出せました...」
金剛「良かったデース...」
榛名「でも...全て思い出すには...何かが足りません...」
提督「最期の記憶のピースはなんだ...?」
榛名「それは...分かりません...でも...何か...何かさえあれば...このかかっている靄が無くなり、全て思い出せそうです...」
金剛「何か...?うーん...分からないデース...」
提督「何か...大切なピース...」
比叡「霧島、何か分かる?」
霧島「流石の霧島でも分かりませんよ...」
榛名「(このざわつく様な靄が...体を侵食していく様な...凄くもどかしい感じ...)」
榛名「(まるで...先の見えない霧の中を永遠と歩いているような...)」
金剛「榛名...?」
榛名「へっ...!?」
榛名「は、榛名は大丈夫ですよ!」
提督「榛名、無理して思い出さなくても大丈夫だぞ?それに必用最低限の記憶もあるんだ。俺たちがサポートしてやれば一緒に暮らしていけるさ」
榛名「あ、ありがとうございます!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
それから1ヶ月、榛名の記憶は名前以外戻ることは無かったが、彼女の可愛らしい絵顔は元に戻った。
提督「榛名~、いるか~?」
榛名「はい、ここにいます!」
提督「1週間、この鎮守府は休止になる。非常時はすぐに召集がかかるが、最近は深海棲艦の動きもない。この間に金剛たちとどこか旅行に行くと良い」
榛名「分かりました。金剛さん達とどこか旅行に行ってきます!」
やはり金剛のことをお姉さまと未だ呼ばず、金剛『さん』と呼んでいるが、金剛達は『いつかは思い出すはずデース!』と言っていた。
北上「やぁ~提督~」
提督「北上か、どうした?」
北上「いやいやぁ~榛名さんが出ていくのを見えたからさぁ♪どうなのかと思ってね~?」
提督「今はこの鎮守府に再び馴染んでくれればそれでいい。何故なら、俺は榛名が帰ってきてくれたことだけで満足だからだ。それに...」コト
ッ
提督が机の引き出しから2つの箱を取り出す。
北上「んん?もしやぁ~...」
提督「プロポーズするときに渡す指輪だ。今はまだ早いがもし記憶が戻ったら渡そうと思っている」
北上「おおぉ...提督もやる気だねぇ♪」
提督「元々この指輪は榛名が用意してくれたものだったんだが...今度は俺から渡す番だ。受けてつけてもらえなかったらもらえなかったでその時はその時だ」
北上「なるほどねぇ~まぁ、頑張ってよ。陰から応援してるからさ♪」ニシシシ
提督「ああ、応援していてくれ。必ず俺は榛名と結婚して見せる!」
北上「はいはい頑張ってね~」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
続きが待ちきれない···
続編キタ━━━(゜∀゜)━━━ッ!!!
更新期待
ガンバッテクダサイ
頼む!続編を書いてくれ!待っているからな!
えっ、これで終わりじゃないよね?続編待ってもいいよね?