だぐおん! 第2話
けいおん!でダグオンの第2話です。
さわ子・憂がこのSS初登場です。
この日は土曜日。唯が妹・憂のおつかいの帰りに歩いてる。
唯「一応これで全部そろったぁ。間違いはないね!」
唯が住宅街の交差点を左折したその時、唯の前にミイラが転がってきた。
唯「なにこれ?ミイラ?まさかまた宇宙人?」
すると目の前でスライムのような宇宙人、ガロン星人が眼鏡をかけた女性を襲おうとしている。女性は腰を抜かし、後退りしている。
唯「あれはさわちゃん!私が助けなきゃ、トライダグオン!」
その女性は唯・澪・律・紬が部員である軽音部の顧問、山中さわ子だった。
ガロン星人にファイヤーバードアタックをくらわす唯
さわ子「あらあなた、この服作ったの誰?私が作るコスチュームよりいいじゃない!」
ガロン星人をひるましたファイヤーユイにそう話し掛けるさわ子。
唯「わ、私は今それどこじゃないよぉ。逃げて!」
さわ子「なによ、少しくらいいいじゃない。」
さわ子がそう言ってファイヤーユイの装甲をベタベタさわり出すと、ガロン星人が立ち上がって唯の生体エネルギーを吸い取り始めた。
唯は悲鳴を上げ、ガロン星人が生体エネルギーを吸いとり終わった後、変身したまま気を失ってしまった。
そのタイミングで現場に到着する変身状態の澪・律・紬。入れ代わりでガロン星人が撤退する。
澪「唯!」
律「あれさわちゃんじゃねぇか!まさかさわちゃんが唯に話し掛けなければ唯はこんなことにはならなかったか?」
澪「馬鹿!声がでかい!正体バレたら我々の戦いに支障が出るだろ!」
さわ子「あら、この子と格好が似てるわね、あなたたちは仲間かしら?」
律「そうだ!我々4人はダグオンだ!」
澪(本当はあと1人、和もいるけどな。)
紬「とりあえず、そこのお姉さん、避難してください!宇宙人がまた来るかもしれないです。」
さわ子「お姉さんだなんて~白のあなた、言ってくれるじゃない!」
そう言ってさわ子はうれしそうに路地裏に消えていった。
そのとき、ファイヤーレスキューが3人の元に到着する。
澪「唯は倒れる直前にファイヤーレスキューを呼んでいたか、アイツも先を読むようになったな。私はこの買い物袋を憂ちゃんに届ける。律、ムギは唯の変身を解除させてファイヤーレスキューに運んでくれ。」
律「え!直接、唯を憂ちゃんの元に運べばいいじゃんか!?」
澪「憂ちゃんに意識がない唯を見せれないだろ。私が憂ちゃんに適当にごまかす。」
律「OK!頼んだぞターボミオ!」
3人共変身解除し、律・紬は唯をファイヤーレスキューに運び、澪は唯が変身の際に近くに置いた買い物袋を持って平沢家に急ぐ。
平沢家のチャイムを鳴らすと、憂がいつも通り応対する
憂「澪さん、届けてくれてありがとうございます。お姉ちゃんは?」
澪「私が偶然、倒れてる唯を見つけて救急車を呼んだ。今日から検査入院だ(私、本当は嘘つくの苦手なんだよなぁ)。」
憂「そうなんですか!私、見舞いに行きます!病院教えてください!」
澪「大丈夫だ。唯は明日退院して自力で帰ってくるよ。」
憂「それなら良かった。」
その後、澪もファイヤーレスキューに合流し、ベッドで眠る唯を囲みながら律・紬とミーティングする。
澪「今、合体、しかも二段階に合体できるのは唯だけだ。つまりただ強化変身しかできない私たちだけで宇宙人を倒せるかどうかが問題となる。」
律「けどやるしかないだろ!」
紬「そうなるわね。」
澪「律、ムギ、私たちがブレイブ星人にダグオンにされた時にファイヤージャンボ、ストラトス、ラダー、レスキュー、そしてシャドージェット以外にもビークルが浮いてたのを覚えてるか?つまりあのあたりのビークルは私たちの物になるはずだ。」
律「けどどうやってそのビークルを使うんだよ!?澪知らないだろ?」
澪「…」
律「やっぱな!」
その時、近くで悲鳴が聞こえる
紬「さっきの宇宙人ね。」
澪「とりあえず行くぞ。ダグテクターだけで戦おう!」
3人が変身してガロン星人の前に着くと、ガロン星人は巨大化していた。
律「くそ!でかくなってやがる!こういう時ダグファイヤーが居れば!」
律そう言った時、シャドージェットがガロン星人目掛けて銃撃してくる。
律「和!」
だがガロン星人は無傷である。
一方ファイヤーレスキューでは唯がようやく目を覚ました。
唯「ここは、澪ちゃんたちがここに私を寝かせたんだね!あれ?外が騒がしいなぁ。」
唯はファイヤーレスキューの窓から外を見る。
唯「わ!みんなやばいじゃん、和ちゃんも!私がなんとかしなきゃ!」
一方ガロン星人はシャドージェットと4人を一方的に攻撃しつづける。
そこへダグファイヤーが駆けつける。
澪・律「唯!」
和「目が覚めたからってまだ戦える状態じゃないでしょ唯!」
ダグファイヤー「大丈夫だって!」
だがダグファイヤーもガロン星人にボコボコに痛めつけられる。
その時、ダグベースからターボライナー、アーマーライナー、ウイングライナーが発進する。3機はそれぞれ300系、400系、E1系の先頭車両を模している。3機はダグベースから一度海にもぐると、海を飛び出して飛行し、やがて5人の視界に入る。
律「澪、あれはお前が言ってた私たちのマシンじゃないか?」
澪「ああ、間違いない、来てくれたんだ。これで私たちも融合合体できる!」
紬「私、新幹線と合体できるなんてテンション上がる~」
澪「行くぞ、律!ムギ!」
律・紬「おう!」
澪はターボライナー、律はアーマーライナー、紬はウイングライナーにそれぞれ飛び乗る。
澪「融合合体!」
ターボライナーが人型に変形し、ロボの胸に立つターボミオが消えてロボの目が点灯する。
ダグターボ「ダグターボ!」
律「融合合体!」
ダグアーマー「ダグアーマー!」
紬「融合合体!」
ダグウイング「ダグウイング!」
律も紬もダグターボと同じプロセスで融合合体した。
ダグファイヤー「澪ちゃん、りっちゃん、ムギちゃんも融合合体できるようになったんだ…」
弱ったダグファイヤーは融合合体した3体を見て小声でそう呟いた。
ダグアーマー「やったなぁ澪!成功だぜ!」
ダグターボ「これで、私たちも中型宇宙人に立ち向かえる!」
ダグアーマー「唯みたいに、なんとかダグオン!みたいにはなれないけどな!」
ダグウイング「唯ちゃん、あなたは今まで頑張った。少し休んでなさい、今度は私たちがあなたを助けるわよ。」
ガロン星人が3体めがけて殴りかかってくる。それを避ける3体。
ダグウイング「ブリザードタイフーン!」
ダグウイングが冷凍竜巻でガロン星人を凍らせる!
ダグアーマー「ファイナルバスター!」
それをダグアーマーが全身の火器の一斉攻撃を行う。氷は割れ、ガロン星人がふらつく。
ダグターボ「ブレイクホイール!」
ダグターボが刃が外側に付いた巨大なタイヤを出現させてボーリングの要領でガロン星人に投げつけ、ガロン星人は大爆発。3体の連携で、初めて唯無しで宇宙人を倒すことができた。
ダグファイヤー「ダグファイヤーに仲間ができた!澪ちゃん、りっちゃん、ムギちゃんすごかったよ!」
和(これで融合合体したことないの私だけ…)
和はそう呟きながらシャドージェットを高速で飛ばして行った。
すると、今度は目の前に巨大な津波が建物を破壊しながら押し寄せてくる。
ダグウイング「あれは、私のブリザードタイフーンでは止めきれないわ。」
ダグアーマー「だが、私たちは唯のように他にダグビークルがない。」
ダグアーマー「ならさ、私らで3体合体するのはどう?」
ダグターボ「律!それはできるか分からないぞ!」
ダグアーマー「分からないならやってみるだけだぜ!」
ダグウイング「そうね。失敗したらしたでそれでいいわ。」
ダグターボ「ムギまで?ならやるか。」
3体が右手を重ね合う。
3体「重連合体!」
すると、ターボが胸と背中に変形し、アーマーが右腕・右足に、ウイングが左腕・左足に分離・変形してターボに合体、ターボから大きめの顔が出現する。
ライナーダグオン(澪・律・紬)「ライナーダグオン!」
ダグファイヤー「今度は合体したぁ。」
ライナーダグオン(澪・律・紬)「ライナーブリザード!」
ライナーダグオンがそう叫びながら回転すると、螺旋状の冷凍光線が発生し、津波を凍結させて止める。
ライナーダグオン(律)「アーマーバスター!」
凍った津波がアーマーバスターで粉砕される。
ダグファイヤー「やったぁ!」
戦闘終了後、唯は帰宅する。
唯「ただいま、憂!心配かけてごめんねぇ。」
憂「いいの…お姉ちゃんが無事で帰ってきてくれれば…」
憂は唯をそう言って抱きしめた。
翌週の部活時間、4人はいつも通り紅茶を飲みながら雑談していた。
唯「ライナーダグオン、かっこよかったぁ。」
律「いいだろ!私と澪とムギで宇宙人全滅だ!」
唯「けど3人で合体できると言うことは、3人で一人前ってことだね!」
律「なんだと?!」
紬「まぁ、唯ちゃんも悪気ないと思うからりっちゃん。」
紬が立ち上がって唯に掴みかかろうとする律をなだめて止める。すると律は部室を出ていこうとする。
澪「律!どこに行くんだ!?」
律「宇宙人を探す…部活は早退だ…終了時間までお前らで好き勝手やってくれ…」
澪「1人は危なすぎるぞ!」
律「重連合体したら、私とムギはお前の手足に過ぎない!宇宙人なんて私1人で十分だ!」
澪「律!私たちは三位一体でしかファイヤーダグオンと同クラスになれないから仕方ないだろ!」
律「うるせぇな!」
イライラが頂点に達した律は、澪を殴り倒した。
律「いつからお前がリーダーになった?お前の指図は聞かない!」
そう言って律は部室から飛び出してしまった。
市街地では巨大なコマが回転しながら街を破壊していた。
ダグアーマー「こんなコマなど私1人で倒してやる!」
ダグアーマーがそこに現れる。
ダグアーマー「オラオラー!」
ダグアーマーはミサイルやキャノンをコマに浴びせるが、いっこうにコマは止まらない。コマはダグアーマーめがけて突進してくる。そこにダグターボが現れ、コマを両手で押さえつける。
ダグアーマー「来るなと言っただろ!」
そんなダグアーマーを無視してダグターボは押さえつけ続ける。やがて道路には亀裂が入り、ダグターボは後退していく。
ダグターボ「うわぁ!」
とうとう、ダグターボはコマの勢いで吹っ飛ばされてしまった。
ダグウイング「ブリザードタイフーン!」
今度はダグウイングが現れ、コマをブリザードタイフーンで凍結させるが、すぐに氷を割られ、再び回転を始め、ダグウイングも吹っ飛ばされる。
ダグアーマー「やはり私が止めるしか…」
ダグターボ「律!」
ダグアーマー「なんだよ!?」
ダグアーマーが声のする方を見ると、立ち上がったダグターボ、いや、その姿は律には幼馴染の秋山澪そのままに見えた。
ダグターボ「私は小学生の時からお前を見ているが、そこまで激怒したお前を見たのは初めてだ!お前が唯の発言に怒るのは分からなくもないが、今はそんなことよりこのコマ型宇宙人を倒すことが優先じゃないか?」
ダグアーマー「澪…」
ダグアーマーは自分のためにボロボロのなったダグターボ、ダグウイングを見て、自分の中の何かが変わったようだ。
ダグアーマー「澪、合体しよう。私の命、お前に預ける!」
ダグターボ「律…」
ダグアーマー「私、本当に自分勝手で…」
ダグターボ「ロボ形態で泣こうとするな。私たちは戦士なんだから。」
ダグウイング「澪ちゃん…りっちゃん…」
ダグアーマー「今こそ!ダグオン魂見せるときだぜ!」
ダグターボ&ダグウイング「おう!」
3体「重連合体!」
3体は再び右手を重ね合い、ライナーダグオンに合体する。
ライナーダグオン(澪・律・紬)「ライナーダグオン!」
ファイヤーダグオン「3人共、間に合って良かった!」
そこにファイヤーダグオンも登場。両肩のエンジンから螺旋状の炎、ジェットファイヤーストームを放ち、コマを空中に吹っ飛ばす。
ライナーダグオン(澪・律・紬)「ライナータックル!」
ライナーダグオンは空中のコマに向かって竜巻状に回転しながら突っ込んでコマを貫き、爆発させる。
ファイヤーダグオン「これで軽音部全員二段階合体できたね!」
夕陽をバックに並ぶファイヤーダグオンとライナーダグオン。2体は夕陽で、赤く染まっていた。
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