親潮「バレンタイン.....」
バレンタインは一週間前?
まだ大丈夫!!!..........ですよね?
如月十二日
夕方1950
甘味処間宮 厨房
親潮「こう、でしょうか」グルグル
間宮「そうそう、もう少しまぜたら型に流しましょうか」
伊良湖「間宮さんっ店内の掃除終わりました!」
間宮「ご苦労さま伊良湖ちゃん、少し休憩してていいわよ」
伊良湖「あれ、親潮さんは何をしているんですか?」
親潮「これはですね」
間宮「チョコレートを作っているのよ」
伊良湖「そういえばもうすぐバレンタインでしたね」
親潮「チョコは作ったことがないので、間宮さんに教えて貰ってまして」
伊良湖「ちなみに誰に渡すんですか?」ワクワク♪
親潮「それは...秘密です」
間宮「伊良湖ちゃんは誰かに渡さないの?」
伊良湖「へ?! わ、私は.....シレイカンニ...///」ボソボソ
間宮「なに?」
伊良湖「そっ、そうゆう間宮さんは誰かにチョコをあげたりしないんですか?」アセアセ
間宮「私は鎮守府のみんなにチョコをあげるわよ?」ニッコリ
親潮「笑顔が眩しい!」
伊良湖(返しが上手い...!)
間宮「それじゃあ続きをしましょうか」
親潮「はい!」
如月十四日 バレンタインデー
昼 1245
食堂
金剛「Hey! 提督ぅ! ワタシのchocolate受け取ってほしいネ!!」
提督「サンキュ、毎年ありがとうな」
加賀「提督、こちらを」コトッ
提督「おっ加賀もくれんの?」
加賀「ここは...譲れませんから」ボソッ
提督「何て?」
加賀「赤城さんが渡した方がいいと言っていたので、仕方なくです」
提督「去年も同じこと言われた気が...」
曙「クソ提督、これっ」ポイッ
提督「んお?」パシッ
曙「いるでしょ、チョコ」
提督「おう、ありがとう」
加賀「あら、貴女がチョコを渡すなんて...珍しいですね」
提督「言われてみればそうやな、心境の変化ってやつか...あっ」
提督(思い出した...去年のバレンタインの一週間後.....)
曙「アタシだって譲れないことがあるってことよ、ねぇ加賀さん」
加賀「えぇ...そうね」フフッ
提督「///」
ガヤガヤ ガヤガヤ
親潮(去年に何が...?)
黒潮「司令はん人気やな〜」
親潮「あっ、黒潮さん」
黒潮「隣座ってもえぇ? もうどっこも空いてへんからさ〜」
親潮「かまいません、どうぞ」
黒潮「おおきに」ぽすっ
親潮「黒潮さんは司令には渡さないんですか?」
黒潮「うち今日は秘書艦やから、そん時に渡す予定」
親潮「そうでしたか...」
黒潮「あ〜...でも渡すのは多分明日になるかな」
親潮「? なぜ言いきれるのですか?」
黒潮「アレ見てみ」
磯風「司令、私もチョコレートを作ったぞ」
提督「お...おう、ありがとう...」
磯風チョコ「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ」
提督(なんでチョコがラスボスみたいなオーラ放ってんの?!)
提督「あぁ...神様.....」ボソッ
磯風「今回のチョコは自信作でな、浦風や浜風も手伝ってくれた」
提督「!? そうか...浦風と浜風が」チラッ
浦風「(ゝω・)b」
提督(ってことは最悪の事態は回避できるか...ふぅ、神様に感謝やn)
磯風「とはいえ私も本命のチョコを受け取って欲しいからな、もう1つ私一人で作ったチョコがあるんだ」
提督「神は死んだァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」ガクッ
磯風「どうした司令、そんなに私のチョコが欲しかったのか?」
提督「欲しかったのは明日への未来や...」
磯風「何を言っているんだ」
提督(くぅ...こうなったら磯風のチョコは貰った後にこっそり処分するしか...)
磯風「そんなに嬉しいなら私が食べさせてやろう」ゴソゴソ
提督(神様仏様キリスト様助けてくださいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!)
磯風「恥ずかしがることはない、司令はこうゆうのが好きだとアクィラから聞いたからな」
提督(Aquilaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!!!!!!)
磯風「そしてこれが磯風手製チョコだ!」
磯風チョコ怪二(改二)「SEARCH and DEATH」
提督「..........この世に生まれて二十数年...短い人生やったな.....」ホロリ
浦風「AEDの準備は?」
浜風「いつでも使えます」
谷風「担架持ってきたよっと」
提督(準備良すぎひん?)
磯風「さあ司令、あ〜んだぞ」
提督「ねぇいこうなったら漢魅せてやらァ!!!」バクッ!
浦風 浜風 谷風「「「いったァ!!!」」」
提督「.....」
磯風「どうだ?」
提督「...アァ...イツカ...シズカナウミ...デ...」バタっ
磯風「司令? こんな所で寝たら風邪をひくぞ」
浦風「浜風! AEDじゃ無理じゃけえ明石さんとこ連れて行くで!!」
浜風「え?! 医務室じゃなくて明石さん!? 大丈夫なの?!」
谷風「退いたどいたァ! 土左衛門が通るよぅ!!」
浜風「まだ死んでないから!」
親潮「.....えぇ...」
黒潮「磯風が着任してから毎回こうや」
親潮「毎回!?」
黒潮「今日はまだマシな方やったけど」
親潮「あれでマシなんですか?!」
黒潮「一番酷かったんは一週間昏睡状態になって、しばらくチョコと女性恐怖症になった時やな」
親潮「もうついていけません.....」
黒潮「しっかし困ったな〜、今日の仕事うち一人か」
親潮「私も手伝います、今日と明日は非番ですから」
黒潮「すまんな〜今度お礼させてな」
夜 2351
執務室
親潮「これが最後です」
黒潮「はい、お疲れ〜」
親潮「少し時間がかかってしまいましたね」
黒潮「そんなことないで、司令はんやったらサボってばっかで明日に持ち越してばっかやもん」
親潮「司令官.....」
黒潮「いや〜親潮がおって助かったわ〜」
親潮「お役に立ててよかったです」
黒潮「ほなら明日に備えて寝よか、言うても後十分もせんうちに明日やけど」
親潮「...そうですね...もうすぐ...ですね.....」
黒潮「.....ハッハ~ン」ニヤニヤ
親潮「なんですか?」
黒潮「親潮、司令はんにチョコあげるつもりやったんやろ」ニヤニヤ
親潮「えっあのっ」
黒潮「言わんでもわかるで〜司令はん人気やからな〜その日のうちに渡したいのは普通やんな〜」ニヤニヤ〜
親潮「いやっそのっ///」
黒潮「ええから行ってき、今やったら日付変わるまでには間に合うで」
親潮「く...黒潮さん!」
黒潮「ん?」
親潮「わ..私.....」
黒潮「なんや?」
親潮「.....行ってきます!!」ガチャッ! バタンッ!!
黒潮「気いつけてな〜」
タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ
親潮「ハァ..ハァ..ハァ...何やってるんだろ...私...」
提督「あれ、親潮? 何してんのこんなとこで」
親潮「...司令...ご無事でしたか.....」
提督「危うく六文銭払うとこやったけど、なんとかな」
親潮「そうですか...何よりです」
提督「しっかし面倒いな、日付け変わってもうたし今日は徹夜で仕事すっか」
親潮「...司令、今なんと」
提督「いや徹夜で仕事すっk」
親潮「その前です!」
提督「えっ?日付け変わってもうたし?」
親潮「.....そんな...」
提督「親潮?」
親潮「...ソンナ...ワタシ.....」
提督「親潮? 大丈夫か、部屋送ろか?」
親潮「...いえ...大丈夫です...問題ありません.....」
提督「しんどかったらすぐに言いや? インフルやったらあかんし」
親潮「.....司令も...優しい人ですね.....」
提督「ん? ありがとう?」
親潮「...おやすみなさい」
提督「おう、おやすみ」
提督(司令.....も?)
執務室
提督「(ガチャ)さてと、仕事すっかねっと」
黒潮「あ、司令はん大丈夫やったん?」
提督「もうちょっとで四季映姫様にお会いするとこやった」
黒潮「ギリギリやん」
提督「黒潮は何してんの、もう戻ってもらってもよかったのに」
黒潮「司令はんがサボらんか監視せんとあかんやろ?」
提督「信用無さすぎやろ僕」
黒潮「まあ仕事終わってるけど」
提督「え、黒潮一人で?」
黒潮「親潮が手伝ってくれてん、おかげで早うに終わったわ」
提督「やからさっき廊下に親潮おったんか...今度礼せな」
黒潮「そ・れ・よ・り〜親潮からもらったん?」
提督「何を?」
黒潮「え、もらわんかったん?」
提督「だから何を?」
黒潮「ん〜親潮渡せんかったか〜」ボソッ
提督「? しかしま〜どうすっかね、仕事終わらせたんやったらする事ないしな...」
黒潮「朝までチョコでも食っとく? うちも司令はんに渡しときたかったし」
提督「おっマジか、じゃあ黒潮も食おうや」
黒潮「そのつもり」
同時刻
親潮自室
パキッ...モキュ ..モキュ..モキュ..モキュ..モキュ..コクン
親潮「...チョコ...渡せなかった.....」
パキッ...モキュ ..モキュ..モキュ..モキュ..モキュ..モキュ..コクン
親潮「...大丈夫...来年も...バレンタインはあるんだから...」
パキッ...モキュ ..モキュ..モキュ..モキュ..モキュ..モキュ..モキュ..コクン
親潮「来年も.....あるんだから...」
パキッ...モキュ ..モキュ........
親潮「...ウッ...うぅ.....」ポロ
親潮「...黒潮さんに...渡したかったな....」ポロポロポロ
翌日
朝0620
廊下
黒潮「おはようさんっ親潮〜」
親潮「.....黒潮さん...おはようございます.....」
黒潮「昨日渡さんかったん?」
親潮「はい...直前で.....勇気が出なくて...ダメですね...私.....」
黒潮「そんなことあらへんて、親潮によっては初なんやからそうゆう時もあるって」
親潮「そう...でしょうか.....」
黒潮「そうそう、まぁ来年もあるんやから次は頑張ろっ!」
親潮「...そうですね...来年こそは、頑張ります」
黒潮「その意気やで〜、ほな先行っとくな〜」タッタッタッ
親潮「はい、待っていてください」
親潮(来年は...必ず.....)
貴女にこの気持ちを伝えます、黒潮さん
親潮が百合みたいな感じに.....
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