提督「風呂上りの艦娘を観察する。正規空母前編」
瑞鶴「ふぅん。それで脱衣所の入口に」
提督「そういう事だ」
瑞鶴「入口は入口でも中にいるのはなんで?」
提督「この顔で外にいたら誰も入りに来ないだろう」
瑞鶴「中にいたら一目散に出て行くと思うけど」
提督「お前は逃げないな」
瑞鶴「まあ、知ってたしね」
提督「そうか」
瑞鶴「そうそう」
提督「・・・・・・綺麗な身体をしているな。流石新鋭空母だ」
瑞鶴「ん、そう?嬉しいな」
提督「怒ったりはしないのか」
瑞鶴「え?」
提督「お前、下は履いているがそれ以外は全裸だぞ。それを男が凝視している」
瑞鶴「あー・・・・・・まあ、普通なら怒るかな。泣くかもしれない」
提督「そうか」
瑞鶴「でも、提督さんだしね」
提督「成程」
瑞鶴「・・・・・・ねぇ、提督さん」
提督「何だ」
瑞鶴「私と、シたい?」
提督「・・・・・・」
瑞鶴「・・・・・・」
提督「・・・・・・ふっ」
瑞鶴「引っかからない?」
提督「乗れば後で部屋に呼ばれて、ゲームの相手をさせられるだけなのだろう?」
瑞鶴「正解。最近モンハンやってる?」
提督「ある程度やることはやったから、たまに野良でやってるくらいだ。あまり面白い連中は見かけなくなったがな」
瑞鶴「じゃ、今日は私と二人で部屋立てとこうよ」
提督「ほう。お前の双剣、久々に見られるか。期待しているぞ、アーチャー」
瑞鶴「・・・・・・ふっ。任せたまえマスター。その期待に応えよう」
提督「・・・・・・くくく」
瑞鶴「・・・・・・んふっ」
提督「二期が楽しみだな」
瑞鶴「うん」
提督「・・・・・・瑞鶴」
瑞鶴「なに?」
提督「ブラジャー、付け忘れていないか?」
瑞鶴「付けない派だから別にいいの」
提督「そうか。じゃあ、また後で」
瑞鶴編 終了
翔鶴「ひゃっ」
提督「翔鶴か」
翔鶴「な、て、提督でしたか・・・・・・びっくりしました」
提督「翔鶴も隠さないんだな」
翔鶴「え?」
提督「なんでもない」
翔鶴「はぁ・・・・・・こんなところで、どうしたんです?」
提督「風呂上りの艦娘を観察している」
翔鶴「・・・・・・ああ、提督は元々研究者さんなんですよね」
提督「そうなりかけただけだ。俺は艦娘に興味を持ち、その全てを究明したいと、知りたいと思った」
翔鶴「研究なら、私たち軍事部門じゃなくて研究部門の担当ですよね。どうしてこちらに?」
提督「最も近くで自然な姿を観察できるに越した事はないからな。データなど自分で好きに取ればいい」
翔鶴「成程・・・・・・では、研究者として私はどう見えますか?」
提督「とても日夜を戦争へ費やすに耐えうる素材には見えん。着任時に行われる肉体のフォーマットにより艤装を装着する事が可能になり身体能力、耐久性は飛躍的に向上し常時より鍛錬をしていない未発達の筋肉であっても未発達時のまま変革させている。骨も、血液も同様だ」
翔鶴「私たちも不思議に思ってます。でも、鍛錬をした分効果は出るんですよね」
提督「見た目は変わらずに、性能だけは成長していく。妖精と話が出来ればいいんだがな」
翔鶴「ふふ。妖精さんは気まぐれですからね」
提督「おまけに何故か怖がられているようだ。・・・・・・やはり、捕獲しようとしたのは不味かった」
翔鶴「駄目ですよ、解剖なんてしちゃ」
提督「メスで切れる存在だとは思えんがな」
翔鶴「ふふふ。・・・・・・あ、提督」
提督「なんだ」
翔鶴「研究者としてではなく。あなた自身の感性では、如何ですか?」
提督「鶴の名にふさわしい清廉な白さだ。その肌、巷の女なら誰もが羨むだろう」
翔鶴「・・・・・・そうですか。嬉しいです」
提督「瑞鶴も同じような事を言っていたな」
翔鶴「姉妹ですもの。細かいところは似てるんですよ」
提督「わかっているさ、観察を続けて来たのだから」
翔鶴「これからも、見ていてくださいね」
提督「ああ」
翔鶴編 終了
雲龍「あら、提督」
提督「雲龍か。・・・・・・ふむ」
雲龍「・・・・・・タオルは取った方が?」
提督「いや、構わん。早く着替えてしまうといい。風邪を引く」
雲龍「そう。なら、そうさせてもらうわ」
提督「最近雲龍はあまり素肌を見なくなっていたから、変化がないかどうか気になった」
雲龍「問題はありません。天候不順による空母戦力の不安定化と、提督のくれたコートのおかげよ」
提督「最近は気温も低く、よく雪も降る。今晩もだ、さっき外を見たら丁度降りだしたところだった」
雲龍「本当。星や雪はきれいだけれど、寒いわ」
提督「正直に言えば疾病による肉体の変化も観察したいが、現職は提督だからな。戦力をむざむざ減らす事はない」
雲龍「フォーマットが行われた時点で病気への抵抗も強くなっているから、難しい話ね」
提督「それもある。世の中上手くいかないものだ」
雲龍「あなたは物知りなのに、これ以上知ってどうするの?」
提督「何もしない。知った事を脳にしまって、次の事を知るだけだ」
雲龍「誰かに教えればいいのに」
提督「自分から教えようとは思わない。教えたところで大した役には立たない」
雲龍「なら、私が教わろうかしら」
提督「ほう」
雲龍「提督、あなたが今まで知ってきた事、全部教えて。その代わり、私もあなたの知らない事を教えるわ」
提督「・・・・・・そうか。なら、久し振りにテキストでも作るとしよう」
雲龍「・・・・・・もう」
提督「そういえば。その髪はこれから結うのか?」
雲龍「いいえ。寝る前に軽く縛って、本格的に結うのは朝ね。早く起きなきゃならないのは、少し大変」
提督「その長さまで伸ばしているのには、理由が?」
雲龍「理由・・・・・・思えば、特に理由らしい理由もないわね。でも、こういうのはどう?」
提督「ふむ?」
雲龍「髪は、女の命だから」
雲龍編 終了
前編終了、後編へ続く。
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