2015-02-02 23:00:34 更新

飛龍「はー、気持ちよかったああああ!?」


蒼龍「どうしたのひりゅわあああああ!?」


提督「頭を拭いていたタオルと手で何とか前を隠す。これが一般的な反応だな」


飛龍「いやいや何してんですかこんなところで!提督のお風呂は別にあるでしょ!?」


提督「観察だが」


蒼龍「か、観察って・・・・・・」


提督「別に覗きに来た訳ではない。安心しろ」


飛龍「いやある意味覗きよりすごい事やってますよ・・・・・・もう、こっち見ないでくださいよ」


蒼龍「そうですよ、鏡とか使って見ないでくださいね!」


提督「どう観察しろと言うのだ」


飛龍、蒼龍「「見ないでくださいってば!!」」


提督「ふむ」


飛龍「普段から私たちを見つめてたり仕事と関係ない書類作ってたり変わった人だと思ってたけど・・・・・・ここまで来たかぁ・・・・・・」


蒼龍「前の提督から変わってもう半年になるけど、やっぱり変な人よね・・・・・・」


飛龍「逆に言えば、半年ですっかり馴染んでるんだよね。前の提督って人気者だったから、てっきり引き摺ってる子多いと思ってたんだけど」


蒼龍「そうでもないよね。金剛さんも提督がいなくなるの決まってから紅茶ストライキとか言ってコーヒーしか飲んでなかったのに。今じゃ紅茶の解説とかしてるし」


飛龍「駆逐の子でもさ、不知火ちゃん。あの子相当提督の事好きだったみたい。いなくなってから少しの間、夜中に泣いてたって陽炎ちゃんが言ってた」


蒼龍「長波ちゃんは逆に楽しそうだなぁ。今の提督は田中少将の話にずーっと付き合ってくれるんだって」


飛龍「・・・・・・それ多分長波ちゃん見てるだけだよね」


蒼龍「・・・・・・多分」


飛龍「軽巡や重巡の中でもなんとなーく色々あったみたい」


蒼龍「その点戦艦組の落ち着き方。金剛さん除く」


飛龍「でも総合的に言えばさ、今の提督になってからプラスになってると思うんだ」


蒼龍「やっぱり?」


飛龍「うん、やっぱり。前の提督って装備開発は運だ!って言い切って適当だったじゃん?」


蒼龍「でも今の提督は色々なところから情報集めて、なるべく確率上げようとしてくれるよね」


飛龍「そうそう。それに、今まであんまり出撃の無かった艦娘も出撃するようになった」


蒼龍「平均練度がぐっと上がったから、艦隊のメンバーが少し変わっても楽だなぁ」


飛龍「次の大規模作戦、完全攻略!・・・・・・期待できるかもね」


蒼龍「うんうん」


提督「・・・・・・」


提督「結局観察できないまま出て行ってしまった。また今度、機会を設けるとしよう」



飛龍、蒼龍編 終了



赤城「ですから、間違ってないと思いますよ」


加賀「そうでしょうか」


提督「予想外に長風呂だったな」


赤城「あら、提督。こんばんは」


加賀「・・・・・・また研究?ここまで来るのはどうかと思うわ」


提督「安心しろ、お前たちはこの間観察してある。そっちは見ない」


加賀「全く・・・・・・程々にしなさい。いつか砲撃を食らうわよ」


提督「人間相手にあれが効くかどうかは試した事がないな。今度誰かに撃たせてみるか」


赤城「誰もやりたがりませんよ、そんな事。憎んでいる訳でもないのに」


提督「まあ、そうだろうな。憎まれているとは思いたくないものだ」


加賀「昔からこうだわ、いつまでも子供みたいな人」


提督「自覚があるんじゃないのか、その物言いを控えればもっと翔鶴と瑞鶴に慕ってもらえると思っているんだろう?」


加賀「盗み聞きまで・・・・・・」


提督「耳が良いだけだ。それにここは風呂。よく音が響く」


赤城「ご尤も、ですね。加賀さんの戦術的敗北です」


加賀「む」


提督「俺は赤城の言う通りだと思うが」


加賀「・・・・・・今の、親交を深める気の感じられないこの口調でもいいと?」


赤城「多分あの子たちは気付いてますよ、加賀さんが気を許してる人ほど口調が冷たくなるの」


提督「この場合は気を許すと言うより、話し方をそうする事で距離を縮めようとする努力か」


赤城「その努力は正しい努力です。だからあの子たちも、正面からぶつかってくるでしょう?」


加賀「赤城さん・・・・・・」


赤城「不安にならなくてもいいんですよ。あなたはいつでも正しいわ」


加賀「・・・・・・はい」


提督「着替えは終わっているか?」


赤城「ええ。もうこちらを見ても大丈夫ですよ」


加賀「えっ、赤城さんっちょっと」


提督「お前の肌は見慣れている、今更新しく何かを思う事はないぞ」


加賀「・・・・・・私だって、副砲は積めるのよ?」


提督「成程お前に頼めばいいのか。顔は狙うなよ」


加賀「冗談はそこまでよ。あなた、何か話があるんでしょう」


提督「・・・・・・」


赤城「なんだ、そうなら早く言ってくださればいいのに」


提督「・・・・・・話すほどの事でもない、と思っていたんだがな。促されては、話さない訳にも行かない」


加賀「前置きはいいから早く言いなさい」


赤城「急かしすぎですよ、加賀さん」


提督「・・・・・・俺の机に、鬼の面が置いてあった」


加賀「まあ、予想は出来ていたわ」


提督「節分、か。面を付けた大人に豆を詰めた散弾銃を向けていたのはいつの話だったか」


赤城「大人もそれに対抗して年々進化してましたよね」


加賀「お互いが豆自体の品種改良を始めようとした辺りだったかしら、和睦が成立したのは」


提督「おそらく俺の生涯で最も無駄な目的で知識を収集した時代だったと思う」


赤城「お面は手作り?」


提督「手作り、と言うか木彫りだった。かなり手が込んでいる、おそらく駆逐の仕業ではない」


加賀「面を彫れる子がいたのが驚きだわ・・・・・・」


提督「そして問題はここからだ。俺は、どうやって100人規模の艦娘による『鬼は外』から逃げればいい」


赤城「無理でしょうね」


加賀「無理ね」


提督「砲撃は食らってもいい。だが、豆の当たる感触に興味はない。収集したいとは思えない知識だ」


赤城「実際の参加者で言えば、100人はいないですよ?」


加賀「戦艦や軽巡、重巡は一部を除いて参加しないはずだけれど」


提督「空母は?」


赤城「参加していいんですか?」


加賀「単純な力だけなら戦艦にも負けないわ」


提督「誰だったか、『戦艦をゴリラと呼ぶなら正規空母は何と呼べばいい』」


加賀「先生・・・・・・中将のお言葉でしょう」


赤城「こうも言っていましたよ、「逆に、正規空母をゴリラだとすれば戦艦は美人のボディビルダーに見えてくる」」


提督「確かそう言った後だったな、先生が長期入院したのは」


赤城「そうでしたか?」


加賀「そうだったでしょうか」


提督「俺は何も知らない」


赤城「・・・・・・では、戻りましょうか」


加賀「ええ、そうね」


提督「俺も、今日のところは撤収だ」


赤城「おやすみなさい」


加賀「おやすみなさい」


提督「おやすみなさい」


赤城・加賀・提督 「「・・・・・・んふっ」」



赤城、加賀編 終了



正規空母編 終了



大鳳「私も、弓を引いた方がいいんでしょうか」


提督「ボウガンで出来るならそれでいいんじゃないか」


大鳳「私もそう思います。けれど、ボウガンは専用矢じゃないですか」


提督「もし弓で普通の矢を使えれば、資材の消費も減るのでは、と?」


大鳳「はい」


提督「結論から言えば減らない。妖精の技術は解明できている訳ではないが、それは同じ事らしい」


大鳳「どこかで実験がされていたんですね」


提督「ああ。大鳳の艤装を擬似適合で起動させた状態でボウガンと弓を比べたようだ」


大鳳「で、補給量は同じだった、と」


提督「そうなる。だから、気にする事はない」


大鳳「そうですか・・・・・・」


提督「しかし」


大鳳「はい」


提督「鍛錬の一環として弓を引くのは推奨できる。お前は自主トレーニングを多めにしているだろう?」


大鳳「そう、ですね。実戦や演習にも出してもらっていますが、やはり練度で劣りますから」


提督「その点は済まない。だが、集中力等の精神鍛錬には適しているはずだ。事実、未熟とされる五航戦姉妹もかなり精神的に安定している」


大鳳「ふむ・・・・・・成程。わかりました!早速明日弓道場に行ってみますね」


提督「そうするといい」


大鳳「はい、では、失礼します!」


提督「・・・・・・」


提督「観察どころか、相談を受けてしまった」


提督「・・・・・・もしかすると、弓道に励むまでもなく精神的に強いのでは?」



番外・装甲空母編 終了


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