提督「…ようやく揃いました」
異常な提督の鎮守府物語、2章です。今回は間宮と明石が中心の話になっています。二人はこのブラックな世界でどうなっているか、それを提督はどう受け止めるか、そこらへんを気にしていただきながら読んでもらえるとありがたいです。
提督「…着任しました」の続きです。初心者です。誤字、脱字多数あるかと思いますが、それでもいいという方はお楽しみいただけると嬉しいです。
R鎮守府 0734 食堂
提督「ああ、皆、ちょっといいか?」
あれから一週間が経ち、皆、最初は敬語だったり、怯えてたりしてたのが、今では大分ほぐれたようで笑顔が増えた。うん、実に良いことだ。
提督「今日、1300に工作艦明石と給糧艦間宮が着任することになった。皆は知っているかもしれんが、俺は初めて会うからな、手厚く迎えようと思う。それで皆には準備を手伝って欲しいのだが」
時雨「準備っていうのは?」
提督「勿論、歓迎パーティーのだな」
潮「歓迎パーティー、ですか?」
提督「おう、まあパーティーというからにはそれなりの料理もいるしな。皆には買い出しや調理を手伝って欲しいんだ」
潮「わ、わかりました!」
提督「それじゃぁ、買い出しに行く人と調理を手伝ってもらう人でわけるな」
買い出し
愛宕 高雄 霞
調理
曙 潮 時雨
今日の秘書艦&お手伝い
雷 青葉
青葉に関しては、どうしても一緒に明石と間宮を迎えたい、とのこと。
提督「よし、それじゃあよろしくな、皆」
全員「はい!」
ーーーーー
ーーー
ー
1300 R鎮守府正門
明石「ここが新しい鎮守府、ですか…」
間宮「ふふ♪ここにはどんなたくましい提督がいるんでしょう♪」
明石「え…」
提督「お、もう来てるな」
明石「ビクッ」
青葉「本当ですね。早く行きましょうか」
雷「そうね、待たせたら悪いわ」
提督と雷、青葉は小走りで正門に向かった。
提督「すまない。またせて」
明石「ひぃぃぃぃぃぃ!!!!」
え?
明石はすごい速さで間宮の背に隠れてしまった。
提督「…oh」
青葉「すごい勢いで隠れましたね」
明石は間宮の背中でガタガタ震えている。恐らく、肉食獣に睨まれたエモノはあんなふうになるのだろうなぁ。
そんな明石も気にもせず、間宮は提督のほうに歩いていき…
ムニュ
提督「おぅ…」
間宮「アナタがここの提督ですね。給糧艦間宮着任しました♪」
間宮が提督の腕に抱きついた。
ふむ、中々柔らかいな。
青葉「ちょちょちょっ!?何やってるんですか間宮さん!」
雷「そ、そ、そうよ!初対面の男性にいきなり抱きつくなんて!!」
間宮「ふふ♪どうしてそんなに慌てているのかしら♪」
青葉(あれ?この人、こんな性格でしたっけ?)
明石「ガタガタガタガタ」
提督「…」
間宮さんの魅力はすごい。なんと言うか、大人の色気?というやつがすごい出てる。胸の感触も素晴らしい。
だけど、その前に明石を何とかしてやらないと。
提督は明石に近づく。
明石「ひぃっ!」
提督「…」
ふむ、やはりそういうことか。
提督は気づいた。いや、この鎮守府の子たちと接して、何となくだが感じていたんだ。
男性恐怖症になっている子もいるんじゃないかということを!
だから…
提督「…」スチャ
明石「!」
雷「え?あの、司令官?」
青葉「何を…しているんですか?」
提督「ん?見てわかるように、多分明石は男性恐怖症になっているのだろう。その対策だ。」
提督は懐から狐の仮面を取りだし、着用したのだ。
青葉「いや、お面って…」
雷「いくらなんでもそれじゃぁ…」
提督「どうだ、明石。これなら大丈夫か?」
明石「あっ…、それならなんとか…」
雷&青葉(大丈夫なんだ…)
提督「よし、それなら改めて。俺がここの提督だ。よろしくお願いするよ、明石、間宮」
明石「は、はい!」
間宮「ええ♪宜しくお願いしますね、提督♪」
ゾワッと提督の背中に悪寒が走る。
な、何だ?何やら危険な感じが…。
提督「と、とりあえず。雷、青葉、二人に鎮守府を案内してあげてくれ」
雷&青葉「了解!」
明石「あれ?提督は案内してくださらないのですか?」
提督「ああ、俺はこれから仕込みをしなければならないからな」
明石「?」
雷「それではいきましょう、二人とも!」
間宮「はい、お願いしますね。あ、それと雷ちゃんと青葉さん」
青葉「ん?何ですか?」
間宮「二人は何回したんですか?」スコスコ
間宮が左手で輪をつくり、右手人差し指を出し入れしている。
それは…アカン!
提督「ちょ、ちょっと待ったあぁぁぁ!!」
間宮「あら?どうしたんですか、提督♪」
提督「いきなり何きいてるんですか!?18禁展開は却下!健全を守りましょう!ですよ」
明石「提督、文がおかしくなってますよ」
提督「そんなことはどうでもいい!見てくださいよ!!雷と青葉が顔真っ赤にしてうつむいたまま、一言もはっさなくなっちゃったじゃないですか!」
雷「/////」プシュー
青葉「/////」プシュー
間宮「あら…」
明石「え、でも流石に誰かとはやってるんじゃないんですか?」
提督「ねえあのさ、そろそろ泣くよ。暴君扱いされたかと思ったら今度は強姦魔かよ。皆、本当に俺のことどう思っているんだよぉぉ」
明石「す、すいません!」
提督「ああ、もうそのくだりいいから!」
間宮「…、じょ、冗談ですよ」ハハッ
提督「…」
冗談に聞こえなかったんだけど…。
明石「それにしても…、この鎮守府は、なんと言うか…」
提督「ボロいよねぇ」
明石「…はい」
提督「というわけで、早速で悪いんだけど。明石には明日からこの鎮守府の修理にかかって欲しいんだけど」
明石「い、いえ、明日からなんて!今日からでもやれますよ!」
提督「今日は着任したばかりだろ。いいから休みなさい」
明石「…はい」
間宮「…」ジー
提督「ど、どうしました?」
間宮「…いえ、提督って、不思議な人だなと思いまして」
提督「え?」
間宮「ふふ♪それでは案内お願いしますね。お二人さん」
雷&青葉「/////」プシュー
一方、買い出し班
愛宕「これであらかた揃ったかしら?」
霞「そうね、メモに書いてあった材料は全て買ったわ」
高雄「では、戻りますか。鎮守府に」
霞「…でも、どうやって戻る?」
高雄&愛宕「…」
提督『あくまでサプライズ形式をとるんだ。明石と間宮にはバレないように頼むぞ』
三人「…」
霞「…一ついい?」
高雄「何でしょう?」
霞「無理じゃない?」
高雄「…」
霞「だってそうでしょ!あの鎮守府には正門を通るしか入るルートがない!つまり、あそこを出入りするしかないけど」
高雄「あそこを通ると、ほぼどこの部屋の窓からも見えてしまうから、out…」
霞「どうしろってんのよ!!!」
愛宕「何でそんなに慌てているのかしらぁ?」
霞「ちょ、今の話聞いてた?」
愛宕「ええ、正門を通ると確かにあらゆる部屋から丸見えになる。なら、別の場所から出入りすればいいのよぉ♪」
高雄「え?」
霞「何を言って…、あるの?そんな隠し通路が?」
愛宕「ええ、あるわよ」ニヤリ
その後 1422 執務室
提督「…」カキカキ
提督「ん~、終わった。よし、これであいつらの手伝いに…ん?」ガコッ
提督の作業用机、そのちょうど下あたり。その辺りの床がいきなり開き、中からは…。
霞「んっしょ…」ヒョコ
提督「え…」
霞「ふえ?」
提督「…」
今、霞は提督の股の間にいます。
霞「////」ボッ
「ちょっと霞、早く行ってよぉ」
霞「あっ…、…////」ヨイショウンショ
提督「…おい、待て。まさか…」
高雄「んっ…」ヒョコ
提督「…oh」
高雄「…」
落ち着きなさい高雄。まずは状況確認、そう、状況確認よ。えっと、今、私は愛宕の知っていた隠し通路から出たところで…、で、目の前には提督が…いる?
高雄「/////」ボッ
「ちょっと、早く行きなさいよ高雄」クスクス
高雄「/////」ヨイショウンショ
提督「この2人がきたということは…つまり」
愛宕「ぱんぱかぱ~ん!そうよ、私もいるわぁ!」
提督「…なるほど、愛宕が主犯か」
愛宕「へ?」
提督「高雄、霞、今回のことは見なかったことにする。材料を食堂に運んでくれ」
高雄&霞「…わかりました///」
提督「愛宕、お前は残れ」
愛宕「えっ!?ちょっ!二人とも!待って、置いてかないでぇ~!!」
高雄&霞「失礼しました///」バタン
提督「さあ、愛宕。覚悟はできているなぁ?」ゴゴゴゴゴ
愛宕「待って。提督、待って。何かでてる、オーラみたいなのがでてる!だ、誰か…」
提督「お説教タイムだぁ!!」
愛宕「い、いやぁぁぁ~~!!」
1435 食堂
霞「材料、持ってきたわ///」
曙「あ、やっときた…、何かあった?」
霞「別に…///」
高雄「…///」
曙「?まあいいわ。ク…提督呼んできてもらっていい?」
高雄「もう呼んであるようなものなので、すぐくるかと///」
曙「あ…そう…?」
高雄「では、これで…///」
スタスタ
曙「…何があったのよ」
ーーーーー
ーーー
ー
1501
提督「すまん。少し遅れた」
曙「全く、何やってたのよ!」トントン
提督「愛宕に説教してた」
曙「は?」
提督「とりあえず、俺も手伝おう。どこまでできている?」
潮「えっと、まだ材料の3分の2ぐらい切ったぐらいです」
提督「わかった。時雨、そこの包丁とってくれ」
時雨「はい、提督」→包丁
提督「うお!?…時雨、包丁とハサミは逆にして渡すんだ。危ないからな」
時雨「そ、そうだったのかい!?ごめん、提督」
提督「いや、次から気をつけてくれればいい。じゃあ、後10分で終わらすぞ!」
曙「後10分って…」
潮「わかりました!」トトトトト
時雨「うん、任せてよ」トトトト
その頃 鎮守府廊下
雷「着いたわ。ここが工厰よ!」
明石「ボロいけど、広いですねぇ」
間宮「良かったじゃない、明石さん。これで隠れていろいろ作れますね♪」
明石「へっ!?あ、そうですね…、確かにこれなら…ってしませんよ!!」
青葉「青葉、聞いちゃいました」
明石「待って!青葉さん待って!誤解だから!本当に今はのせられただけだから!!」
雷「もう!遊んでないで次行くわよ」
間宮「ええ、そうですね。行きましょうか♪」
明石「うぅ、間宮さん意地悪すぎますよぉ~」
ーーーーー
ーーー
ー
1943
雷「…」時計チラッ
青葉「…もう十分ですかねぇ」
明石「うぅぅぅ~」
間宮「どうしたんですか?二人とも」
雷「そろそろ最後に」
青葉「食堂を案内しますね!」
間宮「待ってました!」パァァァ
青葉「はい、じゃあこちらです」
そして4人は歩きだした。雷と青葉があへて遠回りしながら食堂にむかってるとも知らずに。
ーーーーー
ーーー
ー
雷「着いたわ、ここが食堂よ!」
明石「おや、真っ暗ですね」
間宮「そうですね。これは一体…」
明石「…あれ?雷ちゃんがいない!?」
間宮「青葉さんも…どこに行ったのでしょうか?」
パッ
明石&間宮「きゃっ!」
いかなり電気がついたことに明石と間宮は驚いた。
提督「せ~の!」
全員「ようこそ!R鎮守府へ!!」
明石「へ?」
間宮「…」ポカーン
提督「サプライズパーティーというやつですよ。明石、そして間宮さん、あなたたちが着任したくださったこと、光栄に思います。さあ、今夜は存分に、飲んで、食べて、はしゃぎまくろうじゃないかぁ!」
間宮「さ、サプライズパーティー?」
提督「ええ、これを準備するのに、ここにいる全員に手伝ってもらったんですよ」
各艦娘「」ドヤァ
提督「間宮さんは料理が得意と聞きました。もしかしたらお口に合わないかもしれませんが…」
間宮「そんなことありません!絶対おいしいに決まってます。あぁ、ありがとうございます、提督」
明石「…ふぅぅぅ」ポロポロ
提督「!?」
ど、どうして泣くんだ?何かマズいことでもしちゃったか?あ、準備がバレないようにするためとはいえ、歩かせすぎちゃったとか。
提督「えっと、明石…?」
明石「…初めて、でぇ」グスッ
提督「え?」
明石「こんなに、着任したことを喜んで、もらえたのは、グスッ初めて、でぇ」ポロポロ
提督「…」
明石「嬉しいですぅぅぅ!」ウワァァァン
提督「…」ホッ
時雨「明石さん…」
霞「ほら、しっかりなさい。今日は泣く日じゃなくて楽しむ日よ。さ、行きましょ」
明石「ゴシゴシ…、は、はい!」グスッ
提督「間宮さんも、行きましょ」
間宮「はい!」
その後はもう宴会騒ぎだった。皆、いつも以上に、はしゃいで、食べて、話して、とても楽しい一時だった。また、新しい子が着任したら、同じように歓迎しよう。誕生日は盛大に祝ってやろう。そんなことを考えながら、提督もこの時を楽しんだ。
ーーーーー
ーーー
ー
提督「…ふぅ」
間宮「提督、皆さんにタオルケットかけ終わりました」
提督「すいません、ありがとうございます」
皆、いつも以上にはしゃいだせいか、食堂でそのまま寝てしまった。なので、起きていた俺と間宮さんで、全員にタオルケットをかけていたところだった。
間宮「提督、今日はありがとうございました」
提督「そんな、これぐらい、なんてことないですよ」
間宮「そんな謙遜しなくとも…、提督、飲みません?」
提督「あ、いいですね。じゃあ、一杯だけ」
カンパイ
間宮「ゴクッ、ふぅ、提督」
提督「何ですか?」
間宮「あなたは本当に不思議な人ですね」
提督「そうですかねぇ」
間宮「そうですよ。初めてでした。私があんな態度をとっても襲ってこない人は…」
提督「…まあ、軍人、ですからね、これでも。本当は、内心ドギマギしてたんでよ」
間宮「そうなんですか?正直、あまりにも反応が薄かったので、そっち系かと思ったのですが…」
提督「それは…酷いなぁ」
反応、薄かったっけ?
間宮「私も、あなたのような人と早く出会いたかったです」
提督「…」
間宮「私ですね、何度も、襲われたんですよ。最初は嫌で嫌でしょうがなかった…。でもですね、回を重ねるごとに諦めるようになったんですよ。5回目ぐらいでしたか…。嫌悪感とかをどうでもいいと思うようになったのは…」ポロッ
間宮「あっ、す、すいません。こんな話、聞きたくないですよね」ニコッ
提督「…その笑顔は嫌いだ」
間宮「え?」
提督「間宮さん、最初会ったときからそんな笑顔を浮かべてた。その笑顔は醜い。だから、笑いたくないときは、無理に笑わなくていい」
間宮「…」
提督「そうですねぇ、比喩するなら…、水分がほとんどないところにある雑草が無理に花を咲かそうとしてる感じ、かなぁ」
間宮「…何ですか?それ」
提督「そんな花、綺麗だと思いますか?思いませんよね。多分、よれよれで、綺麗から程遠いものでしょう」
提督「アナタの笑顔はまさしくソレだ」
間宮「…随分、酷いことを言うのですね」
提督「でも、違うときがあった」
間宮「え?」
提督「皆と話しているとき、少しだけ…、本当に少しだけ、心から笑ってた。俺は、その笑顔がとても可愛いと思いましたよ」
間宮「かっ、かわ///」
提督「間宮さん」
そっと、提督は間宮の左手をとった。
提督「別に俺は、間宮さんを否定しようとは思いません。だって、そうしないと恐らく、アナタは壊れていただろうから…」
間宮「…」ポロッ
提督「でも、その笑顔はここでは必要ない、ですよ。ここでまた、心から笑えるようになるように俺も頑張りますから…、だから!」
間宮「…うっ、うぅ」ポロポロ
提督「辛くないふりは、もう、やめましょう…?」
間宮「…ひっく、ふぅぅ…、あっ、あぁ…」ポロポロポロ
間宮は提督に抱きつき今まで溜め込んでいた悲しみをすべてはきだした。
どれだけ辛かったか、どれだけ苦しかったか、それはわからない。でも、一つぐらい…、あってもいいじゃないか。
本当の意味で彼女が笑える場所があったって。
ーーーーー
ーーー
ー
0700 食堂
間宮「さあ、皆さん、起きてください!」カンカン
全員「!!!」
曙「う、うるさいぃぃ…」
愛宕「うぅ、もう少し寝かせてぇ」
間宮「ダメです!さっ、朝ごはん作りましたから、食べてください!」
提督「ま、間宮さん…」
間宮「はいっ、おはようございます!提督」ニコッ
提督「あっ…、はい、おはようございます」
その時の彼女の笑顔は作り物とは思えないぐらい、綺麗なものだった。
正直、間宮さんの設定に悩みました。ここは明石と一緒で男性恐怖症にするかどうかって感じで。でもまあ、キャラがかぶるのはどうかと思い、やめました。まだまだ続けるつもりなので
どうかよろしくお願いします。
展開がいい!!
楽しみに待ってます^^
間宮さんがお母さんになったw