番外編 提督「…何で俺に」
異常な提督の鎮守府物語、番外編です。時系列は1章と2章の間といったところです。この世界での高雄と愛宕の過去話。見ていただけるとありがたいです。
ちょっとした息抜きに書いて見ました。いちよ、本編と関係してますので、そっちを読んでから読むことをオススメします。
明石と間宮さんが着任する2日前
2136 執務室
コンコン
提督「ん?どうぞぉ~」
愛宕「ぱんぱかぱ~ん!愛宕よ!」ガチャ
高雄「高雄です。提督、失礼します」バタン
提督「どうしたぁ?こんな時間に」
高雄「提督に折り入って話があります」
提督「話?」
愛宕「ええ、とても真剣な話よぉ」
愛宕が言うと緊張感が薄れるのはナゼだろう…。
高雄「私たちが今までいた各地の鎮守府のことで話が」
提督「そうか…、なら、ゲームでもしながらにするか…?」
高雄「なッ!?」
愛宕「それはさすがに失礼が過ぎるんじゃない?提督…」
提督「だってそれ、辛い話なんだろ?なら、最後まで話す前に限界がくるかもしれないじゃないか。それなら、ゲームでもして気を紛れさせれば、後のことも考えても楽じゃないか?」
高雄「…。提督のお気遣い、感謝します」
愛宕「でも、大丈夫よぉ。霞ちゃんのよりは軽いからぁ」
提督「…そうか」
高雄「ゴホン、それではお話ししますね」
愛宕「私たちってば、やっぱりこういう体型だから、よく男の人から性的な目で見られることが多くてねぇ」
高雄「そして、とうとう前の鎮守府では、押し倒されました」
愛宕「それも一度じゃなくて、二度三度」
提督「…一ついいか?」
愛宕「何かしら?」
提督「何で男の俺にそれを相談しようと思った」
高雄「それは」
愛宕「提督が意外にも女の子には奥手な草食系男子だと思ったからかしらぁ」フフッ
高雄「!?」
提督「…ほう。つまり、肝心なところで何もできない根性なしと?」ゴゴゴゴ
高雄「!!!?!?!」
愛宕「え?じゃあ提督は私たちのこと、襲うの?」ウルウル
提督「」ピキッ
高雄「ちょっ!」
愛宕「ふふっ、ごめんなさい。冗談よ、やっぱり辛い話だからね、こういう茶々が欲しいのよ」
提督「…ったく」
高雄「もう、愛宕は…。コホン、話を戻しますね。それで何とか私たちはお互いをお互いを庇いあって、最後までされずに…、というか初めてを守っていますが…」
提督「…」
愛宕「でもね、それも限界かなぁって。そう思い始めたのよ」
高雄「もし、命令だと言われたらそれまでですし、」
愛宕「これからもずっと高雄といられるわけじゃないしねぇ」
高雄「…なので、こっちに戻ってきた時に決めたんです」
愛宕「新しい提督がかっこいい人だったら、初めてをあげようってね」
提督「…ブフッ!」
高雄&愛宕「!?」
提督「…は?何?お前ら…、あれってそういうことだったの?」
高雄「あれ?…、!ち、違います!あれはただ単に新しい提督が気になっただけで…」
愛宕「夜這いする気は無かったわぁ」
提督「…」
あかん!どんどん問題発言が多発しとる。
どうすれば…。
高雄「…」
愛宕「でも、問題はそれだけじゃないわ」
提督「え?」
愛宕「私たちね、暴力もよくふるわれていたの」
提督「なっ!」
高雄「…ひどいとこでは、暴力は日常茶飯事。何かへまをすれば、即解体ってとこもありました」
提督「」フルフル
愛宕「ですから、提督に聞きたいことが」
提督「よし、その鎮守府の場所を言え。すぐに潰してやる」
高雄&愛宕「!?」
高雄「い、いえ、それはもう昔の話なので、そこまでしていただかなくとも…」
提督「でも、その鎮守府はまだ存在してるんだろ?ならその提督を完全に引きずり落とす。社会的に抹消する」ゴゴゴゴゴ
高雄「ヒィッ」
愛宕「と、とりあえず、まずは私たちの質問に答えて欲しいの…」ビクビク
提督「む?そ、そうか。で、質問とは?」
高雄「スーハー。では、お聞きします。提督、アナタは私たちに暴力をふるったりしますか?」
愛宕「もし、ふるうなら…。もう私たちは耐えれないわ。そうなら、解体を望みます…」
提督「…。……ハァー」
提督はため息をついた。
だってそうだろ?あれだけ一緒にいて、まだ暴力をふるうかも、とか思われてるんだから…。
提督「あのさ、ここでの言葉って…、そんなに意味あるかぁ?」
高雄「え…」
提督「だって詐欺師がもう嘘をつきませんって言って信じられる?」
愛宕「いや、それは…」
提督「とどのつまり、そういうことだよ。その人の本性は、お前らが見て判断するしかないんだ。だから、ここでの言葉なんて、ほとんど意味はない」
高雄「あっ…」
愛宕「…」
提督「質問はそれだけか?それなら早く寝ろ。睡眠は何よりも大事なことだ」
愛宕「…提督の今までを…」
高雄「自分たちで判断…」
すごいわね、高雄。私、今の言葉、すごい胸の中に響いてるわぁ。
愛宕、私、この提督を信じようと思う。この人は言葉よりも行動で示す、ってわかったから。
ギュッ
愛宕「ありがとうございます、提督」
何より、自分たちの意志を尊重すると言ってくれたから。
高雄「今の言葉で十分です」
自分たちで判断していいと言ってくれたから。
高雄「高雄型一番艦高雄と」
愛宕「二番艦愛宕は」
高雄&愛宕「アナタの力となることを誓います(誓うわ)」
提督「…。頼りにしてるよ、二人とも」フッ
高雄「ええ、任せてください!」
愛宕「必ずアナタが驚くほどの戦果をだしであげるわぁ!」
余談ですが、この2週間後に話に出てきた鎮守府は潰れて、そこの艦娘は提督がひきとることになりました。
書いてて、あ、うまくまとまんねぇや、ってなっちゃいました。すいません。最後が少し無理矢理すぎてしっくりこないですよねぇ。まあ、番外編なんで大目に見てもらえると嬉しいです。
神ss ktkr次回作を楽しみにしてます^^
まあ気持ちは痛いほど判るが。
暴力は行かんよ。