提督「何!?新型の深海棲艦だと!!?」
息抜きに新しいストーリー考えてみました。今回は、ただただ、艦娘達にやられていくストーリーです。単純に戦闘を楽しみたい人、艦娘が沈むところが読みたい人のみ読むことをオススメします。
誤字、脱字、文法がおかしいところ、あるかもしれません。それでもよければ楽しんでいただけると嬉しいです。
かなり簡単に艦娘がやられていきます。
あり得ないだろう、と思う箇所が多数あると思われます。
自分の嫁艦が沈むのを見たくないという人はブラウザバックをオススメします。
―――――――――「ついに出来たか!」
―――――――――「はい!ついに男性型の人形兵器の完成です!」
―――――――――「でかした!これでいくつかの鎮守府の不満も解決されよう。」
―――――――――「これ以上、兵器に優しく接して、ケッコンカッコカリにもっていくのはしんどい、というやつですか?」
―――――――――「ああ、それだ。まあ、その意見には私も賛成だな。あんな兵器共と仲良くして、ケッコンまで喜んでする連中の気がしれん。」
―――――――――「えぇ!?そうですか?皆良い子だと思いますけど。」
―――――――――「それでもだ。まあ、そんな不満もこれから無くなっていくだろうがな。ったく、何が艦娘にも人権を、もっと人間と平等に扱うべき、だぁ?こちらの気もしれんで。」
―――――――――「まあまあ、そこらへんで…。」
声が聞こえる。
カンムス?何だそれは?これから戦う相手なのか?
………どうでもいいか。そんなことは、どうでも……。
―――――――――――――――――――――
パチッ
試作品No.093「ここは…?」
体が縛られて身動きがとれない。それに、何やら箱のようなものにいれられてるようだ。
試作品No.093「真っ暗だな…。」
そうして男の形をした兵器は、また眠ろうとして目を閉じた。
――――――――――瞬間
ドゴォォン!!!
試作品No.093「!!」
何だ!?何が起きた!!?
ドガァァァン! バキッ ドゴォ!!
ふむ、何やら攻撃されてるらしいな。
だが、俺には関係ないだろう。どうせ縛られているし。これで消えるのは悪くもないか…。
バァゴォォォォン!!!
そうして兵器は海に沈んだ。
ブクブク
―――――――――暗い。
―――――――――冷たい。
兵器は考えることを停止した。これ以上は不要。そう判断したからだ。だが、
憎い!!!!
兵器の中に、感情が、入ってくる。
辛い!!!!
もう、どうでもいいと、思っていたものが、
苦しい!!!!
入ってくる。
痛い!!!!
……まだ、何もしていない。
そうだ。まだ何もしていないのだ。
抗っても、いいのだろうか?
抗うしかないのだ。
欲望のままに動けと?
欲望を爆発させろ。
……そうか。なら、俺は…、
全てをコワソウ!!!!!!
全てを壊し、あノ人間どもニ教エてやろウ。私の、存在意義ヲ!!
―――――
―――
―
男は海の上に立っていた。何をするでもなく、待っていた。
――――――――――自分が壊すものを。
その間に男は自分の姿を確認する。
肌は白く、何やら黒い服(?)を着ている。肩と足の横には、よくわからない頭のような何かがひっついている。
男は深海棲艦になっていた。それも、男性型の。
数時間後
吹雪「!北東、深海棲艦がいます!!」
赤城「敵の数は?」
吹雪「えっと、それが一隻だけのようで。」
浜風「なら、問題ないですね。沈めてしまいましょう。」
加賀「……どうします?赤城さん。」
赤城「そうですね、とりあえず相手が視認できる距離まで近づき、様子を探りましょう。私達の練度なら、例え見つかっても大した被害にはならないでしょうし。」
5人「了解。」
今、男のほうに近寄るのは、
赤城、加賀、吹雪、浜風、初雪、皐月、
の六隻だ。
そして、男も相手を視認する前に相手を発見する。
男にも電探が積まれてあったからだ。無論、それだけではないが。
吹雪「相手を視認出来ました!…あれ?何アレ…?」
皐月「艤装らしい艤装が見当たらないね。」
初雪「それに…、立ったまま動いてない…?…本当に何なんだろう…?」
赤城「これはチャンスと捉えるべきでしょう。皆さん、一斉に撃ちます!」
5人「了解」
グルン
男が艦娘達のほうを見る。
ここからなら充分行けるな。
ガパッ
男「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」
6人「!?」ゾクッ
吹雪「な、何!?」
赤城「っ…、撃ちます!ってーーー!!」
ドッドッドッ ドーーン!!
大量の砲弾が撃ち込まれ、凄い勢いで水柱が立っていく。それにより、少しの間、水蒸気で男の姿が隠れる。
加賀「……あんなに撃ち込む必要はなかったのでは?」
赤城「いえ、何が起こるか分かりません。念には念をおしておくのも悪くないでしょう。」
吹雪「やったのかな?」
初雪「吹雪ちゃん、それやってないフラグ。」
シュゥゥゥ
水蒸気が晴れていく。だが、そこに男の姿はなかった。
吹雪「やった!やったみたいだよ初雪!!」
初雪「おや?今回のフラグは見事に折られたみた…。」
そこまで言って、初雪は気がついた。
吹雪「どうしたの?はつゆ…。」
初雪「今すぐここから離れて!!!」
男が、艦娘達の後ろに立っていることを。
男「九十九式、雷撃」ボソッ
バチッ バチッ バチバチバチ!!
初雪「ああぁあぁぁあぁあぁ!!?!?」
吹雪「初雪ちゃん!?」
初雪がいるところに凄い電力の雷がほとばしる。
赤城「吹雪ちゃん!いけない、皆さん、一時後退してください!」
吹雪「で、でも、初雪が!」
初雪「……んな…、に…げ…て……。」
そうして初雪は轟沈する。
まだ初雪がいた辺りでは雷がバチバチと音をたてている。
赤城「っ…、皆さん!撤退します!!」
吹雪「なっ!?どうして!!?」
赤城「少々敵を侮りすぎていました。メンバーが欠けた状態で勝てる相手ではありません。ここは戦力を整えるのが優先です。」
吹雪「で、でも!」
男「アヒャ、アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
吹雪「っ!!あいつぅ!!!」
赤城「退きます!吹雪ちゃん、ここは抑えて!」
吹雪「うっ、ぐっ、分かり、ました…。」
そうして5人は撤退する。男はそれを見るだけで、追ってこようとはしなかった。ただ、男の甲高い笑い声が響いているだけだった。
―――――――――――――――――――――
鎮守府
提督「何!?初雪が轟沈した!?」
赤城「はい…、すいません提督。」
提督「でも、なぜ?アソコにはそんな強い深海棲艦はいないハズじゃあ…。」
赤城「私達は、見たことのない深海棲艦に遭遇しました。特に艤装も積んでいないようだったので、てっきり無力の艦かと思ったのですが…。」
提督「一体、どんなヤツなんだ?」
赤城「えっと、詳しいことはあまり…。ですが、どうやらその深海棲艦は、その、男性のような形をしていた気がします。」
提督「何だと?そんなバカな…。いや、わかった。お前も辛いだろう。そろそろ下がってくれ。」
赤城「はい、お役に立てずすいませんでした。」
ガチャッ バタン
提督「……後で、吹雪のフォローにも行ってやらないとな。」
ガンッ
提督は机に向かって思いっきり蹴りを入れる。
提督「クソ!俺の経歴にキズを入れやがって!!どんなヤツかは知らんが、必ず後悔させてやる!!!」
翌日 1000
提督「揃ったか?では、お前らには昨日言ったように、例の深海棲艦の撲滅にあたってもらう。」
11人「了解!」
そこに集められたのは、
赤城、加賀、吹雪、浜風
の昨日出撃していた4隻と、
金剛、比叡、榛名、霧島、長門、大井、北上
の7人がいた。
提督「ん?皐月はどうした?」
赤城「それが…?」
加賀「昨日の初雪を見た時から震えだして、今はずっと部屋にこもっているわ。」
提督「そうか…。しょうがない。浦風を呼んできてくれ。彼女に皐月の代役を頼もう。」
浜風「わかりました!」
吹雪「あいつは…絶対に…。」ブツブツ
1023 海上
浦風「それにしても、本当に急やんね、提督さんは。」
浜風「そう言わないで。提督もけっこう参ってるみたいだし。」
赤城「皆さん、気を引き締めてください!」
金剛「でも、相手はたった一隻なんでショウ?それなら大丈夫だと思いますケド?」
加賀「油断大抵よ。それに、アレはそんな甘くないわ。」
榛名「ですが、他鎮守府も協力してくださるんですよね?なら、流石に何とかなると思うんですが。」
赤城「…とりあえず、最低限の被害に抑えられるようにしましょう。」
金剛「そうデスネ。」
吹雪「電探に反応!敵、一隻!」
赤城「!!」
加賀「いましたか…。」
赤城「皆さん、見つけ次第、一斉に射撃します。抜け出す穴がないぐらいの物量弾で、完全に相手を沈めます!」
11人「了解!」
そうして男も艦娘達が近づいてくるのに気付く。
だが、やけに数が多い。
男「アヒャ!」
赤城「今です!ってーーーー!!」
ドドドドドドドドドッ ドシャァァン!!
赤城「ハァハァ、ハァ、やった?」
吹雪「…。」
長門「……!まだだ!!!」
水蒸気が晴れて男の姿が視認出来るようになる。男は全くの無傷だった。
赤城「そ、そんな…。あれだけの量を撃ち込んだのに。」
男「アヒャヒャヒャ、笑いがこらいきれない。」
艦娘's「!?」
大井「今、喋って…。」
北上「しかも、かなり流暢だったような…。」
男「お前らがバカの一つ覚えで助かったよ。アヒャ、まさか、ガードしてくれてる所に全弾撃ち込んでくれるんだから。」
赤城「…ガード?」
男「おっと、ネタばらしする必要はねぇな。行くぜぇ…。」
グッ、と男が身構え、一気に加速する。
赤城「くっ、散開!囲んで相手をたたきます!」
艦娘's「了解!」
男はまず、大井のほうに向かう。そして、雷撃の準備を…。
北上「させないよ~」
ドォン!
男「ぐっ!」
高雄の放った弾が男に直撃し、男は動きを止めてしまう。そして、それを逃さないのが、この練度の高い艦娘達である。
吹雪「沈め!」
浦風「終わりやんね!」
浜風「大人しく沈みなさい!」
ドッドッドッ
赤城「私達も。」
加賀「えぇ。」
男「…。」
これは、九十九式では範囲が足りんな。
男「九十九式解除。式典装填、百式」ボソッ
浜風「今コイツ、何か…。」
男「百式、雷電」
バチイィィィ!!
3人「キャアァァァ!!」
最初会ったときよりも範囲がでかい電撃が3人にダメージを与える。だが、範囲がデカイ分、雷撃よりは威力が下がったようだ。
中破 吹雪 浜風
大破 浦風
吹雪「うぐぅぅ…。」
浜風「くっ、…!う、浦風!?しっかりして!」
浦風「……うっ。」
赤城「そ、そんな…。」
赤城達は今の光景を目にして、顔が青ざめる。広範囲に及ぶ電撃、駆逐艦とは言え、練度の高い3人が簡単に中破、大破する威力。最早、赤城と加賀の中には絶望が広がりつつあった。
長門「何をしている!」
赤城「!」
大井「そうですよ!あのままじゃ、吹雪ちゃん達が危ない!」
加賀「!早く助けないと…。」
金剛「食らうデース!」
ドゴォン!
金剛の放った弾は男には当たらない。簡単に避けられてしまった。けれど、吹雪達から距離を離すという目的は達成する。
榛名「大丈夫ですか!吹雪ちゃん!」
霧島「浦風と浜風の被害も相当ね、提督に通信を。」
提督『状況はどうなっている?』
霧島「吹雪、浜風が中破、浦風が大破です。」
提督『っ、わかった。榛名に伝えてくれ。3人を連れて鎮守府に帰還せよ、と。』
霧島「了解。私達はどうしましょう?」
提督『他鎮守府の戦力が来るまで持ちこたえてくれ!』
霧島「わかりました。」ブツッ
霧島「榛名、今すぐ3人を鎮守府へ!」
榛名「わ、わかりました!それで、霧島は」
霧島「私はお姉さま達と一緒に他鎮守府の戦力が来るまで持ちこたえるわ。」
榛名「了解、榛名も3人を送り届けたら戻ります。」
霧島「ええ、お願いね。」
そうして榛名は3人と共に戦線離脱。
吹雪「私は、まだ…。」
榛名「ダメよ吹雪ちゃん。今は言うことを聞いて。」
吹雪「………、くっ。」
金剛「中々すばしっこいネー!」
ドォン! ドォン! ドォン!
金剛は何発も撃ち込むが、一発も男には当たらない。男が紙一重ですべてかわしてしまうのだ。
長門「捉えた!ってーーーー!」
ドゴォォォン!!!!
長門の砲撃。これは確実に男をとらえている。
男「」ニヤッ
男の左腕から六角錐の形をした光る壁が現れる。
長門の砲弾は確かに直撃する。だが、
男はなおも無傷で長門に、向かってきた。
長門「ば、バカな!」
そして、男と長門の距離は、ほぼなくなった。
男「百式、濃縮率最大、雷電。」ボソッ
バチィィイ!!!!
長門「ぐぅわぁぁあぁぁあぁ!?!!?」
金剛「離れるデース!」
ドォン!
金剛の一撃がきたことにより、それを避けるため、男は長門から離れる。
金剛「大丈夫デスカ!?長門!?」
長門「ぐ、うぅ…、あ、あぁ、まだ戦える。」中破
男「!?」
バカな…。今のは雷撃よりもはるかに威力の高い電撃だったんだぞ!雷撃でさえ、駆逐艦を轟沈させるに至ったというのに…。やつは別格だということか。
男「…!」
男は長門めがけて直進する。
今のうちにヤツは消すべきだ。
そう直感が告げている。
金剛「来るんじゃないデース!」
男「ぐっ。」
ドォン! ドォン! ドォン!
金剛が間髪いれずに砲撃してくるせいで、男はうまく長門に近寄れない。
男「おのれぇ。」
このままでは非常にマズい。もし、このまま囲まれて狙い撃ちされたら、流石に俺といえど、無事ではすみまい。
――――――――――仕方ない。
男「右腕解放。装甲強化、変形。電力確認、完了。」ガチャカチャ
男の右腕がどんどん形を変えてゆく。形を変え、まるで砲台のようになる。
だが、この際、男の動きが止まってしまったいた。
赤城「今です!今のうちにアイツを囲いましょう!!」
6人「了解!」
耐久問題、クリア。崩壊問題、クリア。全行程、クリア。
殲滅用360mm固定砲台
超荷電粒子砲(レールガン)
発射――――――――――
ズドォォォオオオオォォォォォン!!!!!!!!
比叡「ゲホッ、ゴホッ、何ですか!?今のは!!?」
男が放った一撃で、海が大きく荒れ、大量の水しぶきが降ってくる。
霧島「まさか、アレは…、いやしかし、そんなことが…。」
頭の回転の早い霧島だけが、今の現象について勘づき始めていた。
赤城「いやぁぁ!!加賀さん!加賀さん!!」
赤城の叫ぶ声で、皆、赤城のほうを見る。
そこには、顔をしわくちゃにして泣き叫ぶ赤城と、体半分が沈みかけている加賀の姿があった。
先程の攻撃の際、男の真正面に立っていたのが赤城と加賀だった。本来なら、二人とも超荷電粒子砲の餌食になるハズだったのだが、加賀がいち早く危険を察知し、赤城を突き飛ばしたのだ。そのおかげで、赤城だけは超荷電粒子砲をくらわずにすんだ。
加賀「ごめ…ん、な…さい。赤城…さん、突…き…飛ば…し…て。」
赤城「いやぁぁ、そんな、ダメぇ。沈まないでぇ、加賀さん。」
加賀「ご…め…。」フッ
そうして加賀は目を閉じ、海中に沈んでいった。
赤城「加賀さん!加賀さん!?いや、いやあぁぁぁ!!!」
ガチャッ ガチャン
男の腕が元に戻る。
ふー、と息をはいて動こうとしない。
超荷電粒子砲は絶大な威力がある代わり、再び動くのに、数秒クールダウンしないとならない。
霧島「!今です!金剛お姉さま!比叡お姉さま!」
金剛&比叡「え!?」
霧島「今、アイツは動くことができません!畳み掛けるなら今です!!」
金剛「っ、わかったネー。行くヨ、比叡。」
比叡「はい!金剛お姉さま!」
ドォン!ドォン! ドッドッドッ
ドゴォォン! ドゴォォン!
金剛、比叡、霧島の3人が一斉に射撃を開始する。しかも、止まって撃つのではなく、円上に動きながら。男はなすすべなく撃たれ続けている。
男「ぐっ、ぅっ、くっそっ。」
霧島「もっとです!お姉さま方!」
比叡「わかってる!」
金剛「もっともっと撃ち込んでやりマース!」
ドォン!ドォン!ドォン! ドゴォォン!ドゴォォン!
だが、男が動けるようになる。
男「……あまり、調子に乗るなぁぁ!!」
バチバチバチィィ
金剛達にギリギリ当たるかどうかの範囲で雷が発生する。
霧島「一旦下がりましょう!」
比叡「了解!」
金剛「…わかったネー。」
そうして金剛達は男と距離をとる。
男はかなりの重症を追っていた。が、どこかが折れたり、致命傷をおったわけではない。
予想以上に残ったなぁ。
このままではラチが明かない。
そう思った男は、またしても腕を変形させる。
ガチャカチャガチャッ
霧島「!また同じのが来ます。皆さん!ヤツの後ろ側に回ってください!」
高雄「了解!」
金剛「何してるネ!赤城!早く」
赤城「うっ…、うっ…。」
ガチャッ カチャ
同じ?まさか。
これはさっきの360mm砲ではない。
試作段階:殲滅用460mm固定砲台
これで、全員
ボカン!
男「……何?」
ドゴン! ガチャッ バゴン!
どんどんと男の腕が瓦解し始める。
男「ぐっ、うっ、クソ!」
男は無理やり腕を閉じる。しゅう~、という音が鳴り、煙が吹き出している。
さっきの攻撃のせいで、装甲がもたなくなっていたか…。
男「まあいい。式典だけで貴様らを、!?」ピピッ
男の電探が反応!多数の艦娘がこちらに迫ってきていた。
援軍か。やっかいだ。流石にこの数は勝ち目がない。
…しょうがない。ここは逃げの一手だ。
男「……全式典解除!電力集中!全雷門、展開!!」
そうして男の周りに黄色の円陣、ファンタジー風に言うならば、魔方陣のようなものが多数出現する。
男「最終殲滅兵器、楽園(エデン)!発動!!」
その後、先程出現した魔方陣を通るように、光る木が伸びだした。
金剛「霧島!アレは何デース!?」
霧島「わかりません、私にも。ですが…、アレは本当にマズい気がします。」
大井「!!撤退しましょう!赤城さん。赤城さん!?」
赤城「っ!す、すいません。撤退しましょう。」
ふふ。ここで俺を逃がすこと、後悔することになるぞ。まあ、向かってきても消し飛ぶだけだがな。
男「最高密度、式装発案、百八式、雷消!解放!!!」
カッ、と辺り一面光に包まれる。
ゴォォォォォォン!!
光が晴れると、さっきまでいた男の姿はなく、代わりに、男のいた場所には、大きな穴が空いていた。その穴の中に、どんどん海水が飲み込まれている。
大井「ハァハァ、北上さん無事ですか!?」
北上「うん、大丈夫だよ大井っち」
赤城「…何とか皆さん、生きてるみたいですね。」
金剛「長門!長門!!しっかりするデース!!」
確かに、皆生きてはいる。
だが、先に中破していた長門だけは、今の衝撃には耐えきれず、大破してしまった。
長門「………。」
長門は目を閉じたまま、動かない。
その後、援軍にかけつけた武蔵達に支えられ、赤城達は帰還することになった。
―――――――――――――――――――――
提督「そうか、ご苦労。」ブチッ
通信によって、今回の戦果を確認する。
まさか、ここまでの被害をだしても仕留めきれないとは。
もう、ウチでは手におえないな。主力がここまで傷ついたんだ。大本営も、これ以上は何も言うまい。
提督「一体、ヤツは何なんだ?」
―――――
―――
―
加賀「…………、ハッ。」
加賀が目を覚ます。知らない天井だ。
加賀「……ここは…。」
初雪「お、加賀さん、目ぇ覚めたぁ?」
加賀「え?……初雪?初雪なの!?」
初雪「うおっ!びっくりするなぁ。そうだよぉ。」
加賀「アナタ、生きて…。」
初雪「う~ん、それはどうなんだろう?」
煮え切らない返事に、加賀は首を傾げる。
そういえば、ここはどこなのだろう?見たところ、来たことない所だし、どうして私は、今、ここにいるのだろう?
男「よぉ、起きタか?」
加賀「!?」
初雪「あぁ、大丈夫加賀さん。この人、ここではヤル気ないらしいから。」
加賀「……どういうこと?」
男「それハ自分の手を見タほうが早イぞ。」
加賀「手?」
加賀は改めて自分の右手を見る。そして、あることに気づいた。自分の手の一部が、変色しかかっていることに。
加賀「こ、これは…。」
男「感謝シろよォ。そノ変色は深海棲艦になリかけテいる証拠ダ。本来ナら、頭の中にたクさんの負ノ感情が流レ込み、意識を侵食サレる。そしタら晴れテ、新しい深海棲艦ノ誕生っテナ。」
加賀「じゃあ、どうして私はそうなっていないのかしら。」
男「そレハ俺がお前ラに流れ込むハズだった負の感情を、かロうじて抑えていルからだ。」
加賀「なぜ?」
男「俺ダッて、壊したクて壊したわけじゃネえんだワ。無関係なヤツを巻き込むのはそコまで好キじゃない。」
加賀「……そう。」
男「まあ、でも、アの鎮守府にいルよりはマシだったンじゃナイか?」
初雪「?」
加賀「どういう意味ですか?」
男「ん?そリャぁーーーーー」
男は説明する。自分が作られた理由を。そして、あの時、ある鎮守府に移動途中だったということを。そして、その鎮守府というのが、加賀達のいた鎮守府だということを。
加賀「そんな…嘘…。」
初雪「あり得ないよ!」
珍しく初雪が声を荒げる。
男「嘘もナにも、ココに俺が存在しテいる時点で肯定さレテるようなモんだロう?」
加賀「アナタの言ってることが本当だという確証はない。」
男「はぁ、そレを言っタらキリねぇゾ。」
初雪「そんなことない…、そんなこと…。」
男「とりアエず、お前ラ、答えガ出るまデは海の外にハ行くナよ。」
加賀「答え?それに、なぜ?」
男「出タ瞬間、俺ノ力が及ばなクなる。そシタら、どんどん流れテくるゾ、負の感情ガ。そしテ、答エってのハ…」
男「死ヌか、深海棲艦とシテ生きるカ、ダ。」
加賀「…そう。」
初雪「…。」
男「あマり、驚かナイんダな。」
加賀「まあ、何となく予想はしていました。………説明してくださり、ありがとうございました。」
男「お、おう。何ダよ、いきナリ。まあイいや。決まるマデはここ、好きニ使えばいい。腹へっタろ?何カ作ってヤる。」
加賀「……。」
初雪「……。」
第一幕 艦。
あれから数日。
あの一件以来、新型の深海棲艦は発見されていない。
大本営 会議室
元帥「諸君、集まってもらえたか。」
ここには今、元帥も含め、各地の提督が集められていた。
元帥「知っている者もいるかもしれんが、数日前、新型の深海棲艦が発見された。
その個体は非常に強く、ある鎮守府の主力部隊を1人で壊滅させるほどだ。」
F提督「発言、よろしいでしょうか?」
元帥「何だ?」
F提督「なぜ急にそんな個体が現れたか、心当たりはないのでしょうか?」
元帥「…………ある。」
提督達「「!?」」ザワッ
元帥「君達も知っているだろうあの計画、男性人型兵器が完成したのだ。」
おおっ、と一部の提督が声をあげる。
元帥「だがな、とある鎮守府に送る最中、深海棲艦に襲撃され、その兵器を運んでいた船は沈没してしまったのだ。」
提督(一部)「「なっ!?」」
F提督「…つまり、その深海棲艦は、人型の新型兵器である可能性が高いと?」
元帥「そうだ。」
ザワザワと提督達が動揺している。
鎮守府の救済用に作られた兵器が、敵となって現れたのだ。動揺もする。
E提督「……なら、相手の行動パターンも完全に把握できるのでは?」
当然の考えだ。こちらで作った兵器が、そのまま深海棲艦になって現れたというなら、相手の手の内は全て把握できるハズだ。
だが、
元帥「……そうでもないのだ。」
そんなことなら、わざわざここに提督達をあつめてはいない。
元帥「報告にあった半分以上の攻撃が、我々の知らぬものだった。このことから、深海棲艦になったことで、その兵器は強化されてると考えられる。
だからこそ、ここで諸君を集めたのだ。」
C提督「半分以上が未知の攻撃って…。
そんなの、あまりに危険ではないですか!」
元帥「発言は許可をとってからにしろ!話が進まん!!」
C提督「す、すいません。」
元帥「全く……、それで話を戻すが、その深海棲艦を倒すために皆に協力してほしいのだ。
皆の主力部隊から数人を集め、対男性型深海棲艦用殲滅部隊を結成する。」
提督達「「!!!!」」
元帥「それだけ集まれば、軽く50は越える艦娘が集まるだろう。絶体にあの個体はしずめなけばならん。」
H提督「確かにそれだけいれば…」
G提督「そこまでする必要があるのか…?」
K提督「合同部隊というわけか…」
提督達はそれぞれの思いを口に出し始める。またしても会議室が騒がしくなる。
元帥「えぇーい!静まれ!!」
U提督「いいでしょうか?」
U提督は手を挙げる。
元帥「何かね?」
U提督「その合同部隊、指揮するのは誰なのでしょうか?」
さらにザワッと騒がしくなる。
これだけ大規模な合同部隊の指揮、任せられるだけで相当な名誉となる。
元帥「それはもう決めてある。」
一気に場が静かになる。
元帥「………提督君、お願いできるかね。」
提督「私…ですか?
しかし、私の主力部隊は壊滅的な打撃を受けています。流石に殲滅部隊に参加させられる艦娘は…」
元帥「ヤツを見たのは君のとこの艦娘だけだ。それに同じ場所に再び現れる可能性が高いしな。」
提督「ですが…」
元帥「君もこれ以上被害を出したくはないだろう?」
提督「…わかりました。」
元帥「よし、話は以上だ。解散!」
少しずつ会議室から人が出ていく。
勿論、提督に対してひかみそねみを言っている輩もいた。
提督「………。」
深海 加賀達がいる場所
男「そンじゃ、まアいっテくるわ。」
加賀「どこへ?」
男「深海棲艦のボスガイるとコろ。」
本当に今回は衝動が走って、欲望のまま書き進めた感じです。異常な提督の鎮守府物語とは何の関係もないのでご安心を。まあ、これはたまの息抜きにまた書こうかと思います。それでは~。
めっちゃハラハラした。
ハツユキ,,,カガ,,, ビエーン!
まあまだ初雪と加賀には活躍してくれると思うので、大丈夫ですよ。
これからどうなるかはわかりませんが
(ニヤッ)
まあまだ初雪と加賀には活躍してくれると思うので、大丈夫ですよ。
これからどうなるかはわかりませんが
(ニヤッ)
コメントありがとうごさいます。
息抜きでこのレベルかよw
もっと息抜きしていいのよ?(懇願)
そう言ってくださるとありがたいです。
でも、これはかなり書いてて楽しかったので、息抜きにはなってますよ。
なので、ぜひ次も見てくださったら嬉しいです。