嫌われ提督とウォースパイト
今回はウォースパイトと艦娘から嫌われている提督のお話です
初めましての方は初めまして! クソ文才たくちゃんでございます!
艦娘のキャラ崩壊注意です!
ガラガラガッシャーン!
提督「がッ…」
長門「ふぅ…」パンパン
長門「まったく、この程度もできんのか、貴様は」
長門「付き合っていられんな、精々うるさいサンドバッグ程度にしか使えない」
長門「…いつまでそこに転がっているのだ」
提督「ぅう……」
長門「はぁ…貴様との執務はもうたくさんだ、明日からは別の奴に頼め」
長門「まぁ、貴様の頼みを聞き入れる奴がいれば、だけれどな」ハハッ
ガチャ バタン
提督「ああ…紙が散らばっちゃった……」フラフラ
提督「集めて、また、執務の続きをしないと……」
提督「今日は…日付が変わる前に終わるかな……?」
カリカリカリカリ・・・
・・・
提督「…ふぅ終わった」
提督「なんとか日付が変わる前に終われた」
提督「はぁ……」グゥーー
提督「…お腹空いたけど、どうせ…」
提督「眠ろう、明日も早いし」
大淀「おはようございます、提督」
提督「ああ、おはようございます」
大淀「ここに今日分の書類、置いておきますね」
提督「ありがとうございます」
大淀「では」
提督「あっすみません大淀さん!」
大淀「…なんでしょう」
提督「今日、秘書艦をやってはいただけませんか…?」
大淀「すみません、今日は本営の方に用があるので」
提督「そうでしたか、申し訳ありません」
大淀「ええ、では」
大淀(はぁ、またですか)
大淀(正直迷惑なのでやめてほしいんですけどね……)
提督「はぁ…誰に頼もうかな」
提督「まぁもう誰に頼んでもダメか…」ハハハ・・・
提督「うだうだ言ってないで、やったほうが早いよね」
提督「とはいえ、ご飯食べないと」
提督「食堂は…無理だし、ちょっと遠いけど、コンビニで何日か分買ってこよう」
提督「ちょうどカップ麺もストックなくなってるし」
提督「よし、ちょっと行ってこよう」
・・・
提督「これで最後…っと」
提督「これで一週間分くらいにはなるかな」
提督「…ってやばっ 遠征の報告忘れてた!」
提督「…はぁはぁ………」
吹雪「司令官、遅かったですね」
提督「ご、ごめん…」
提督「ごはっ!?」ドスッ
吹雪「あはっ、これで許してあげますよ、私の分はね」
提督「ぐふっ、がはっ、ぐはっ!」ドスドスドス
吹雪「はーい人数分終わりましたね、じゃあ今回の件は許してあげます」
吹雪「じゃあ手に入れた資材は運んでおきますね、ゴミ司令官♪」
提督「あ、ああ、助かるよ……」
吹雪「はい、ではこれ、報告書です」ポイー
提督「あ、ちょっ」
提督「ふぅ、風で飛んだら大変だ」
提督「いたた…ちょっと横っ腹に入ったか」
提督「まぁ戻ってご飯食べたら執務だ」
提督「えーと、ここはこうして……」カリカリカリカリ・・・
書類「もうあと半分くらいやで」
提督「…ふぅ、秘書艦がいないと殴られる時間がないから終わるのが早く感じるな」
提督「んー! 気分転換にちょっと散歩でもしてみるかー!」
提督「できれば艦娘と会いませんように……」ガチャ
提督「いやぁー、本当に今日はいい天気だな」テクテク
提督「昼寝の一つでもできればなー…」
提督「……ん? あれは…」
提督「ああ、ウォースパイトか」
提督「真面目な人だって聞いたし、秘書艦を…」
ウォースパイト「あら、Admiral 私に、何か用が?」
提督(いや、最近ここに来たとはいえ、彼女はもうここの艦娘たちと仲がいいだろう)
提督(どうせ僕が頼んだところで断られるか、ひどい目に遭わされるだけだな…)
ウォースパイト「…? どうしたの?」
提督「い、いえ、なんでもないです、ごめんなさい」
ウォースパイト「Admiral、私は大丈夫よ? 頼み事なら気軽に…」
金剛「Hey--! Warspite! こんなところで何してるデース!」ガバッ
ウォースパイト「!? ちょっと金剛! 熱いわ! 今Admiralと話しているの!」
金剛「は? 何言ってるデース、こんなグズに付き合うより私たちのお茶会に来るデース!」
金剛「今日はスペシャルゲストォー! で珍しく扶桑さんとかも来るらしいのデス!」
金剛「ほらほら会いたがってたデショウ?」
金剛「さぁ! 出発デース!」ズルズル
ウォースパイト「ちょ、ちょっと金剛! Sorry,admiral Have a good afternoon!」
提督「はい、そちらこそ楽しいお茶会を」
・・・
提督「やったー! こんなに早く終われたー!」
提督「いやー、やっぱり一人の方が楽だね、これからはそうしよう」
提督「そもそも何で大本営は秘書艦つけろなんて言うんだろう…無駄なだけじゃないか」
提督「とりあえずもう書類は大淀に渡したし、確認したところ誤字もなかったし」
提督「今日はゆっくり寝られそうだな」
提督「とりあえず3日ぶりにお風呂に…」
長門「貴様ッーーー!!」ドガァン!
提督「え、なっ!?」ドスッ!
提督「ぐっはっ!」ビターン!
提督「な、なんですか、長門さん、いきなり…」
長門「『なんですか』だと!? 貴様それは正気で言っているのか!?」
提督「な、何のことですか…?」
長門「白を切るつもりか、まぁいい、こちらのは証拠がある」
長門「見ろ! この誤字脱字だらけの書類を!」
提督「!?」
長門「この書類だけじゃない、こちらも、こちらもだ!」
提督「お、おかしいです!? 僕は確認したはずで…」
長門「この期に及んで嘘をつくとは…」
長門「…そうか 聞いたぞ、今日の朝、大淀に秘書艦を頼んで断られたそうだな」
提督「それは…」
長門「貴様はその報復として大淀をこうして困らせようとしたのだな」
提督「なっ!? 言いがかりですよ!」
長門「いい加減にしろこの痴れ者がァ!!!」ガシャン!
提督「ひっ!?」
長門「今回ばかりは加減する気すらおきん、歯を食いしばれ」
長門「ふんッ…!!!」スッ・・・ズガァン!
ドンガラガッシャーン…
提督「………」ピクピク・・・
長門「せめて二度とこんなことをするな、吐き気がする」
長門「フン!」ガチャ バターン!
ーーー
ドンガラガッシャーン・・・
長門『せめて二度とこんなことをするな、吐き気がする』
ガチャ バターン!
長門「……」スタスタスタスタ
ウォースパイト「…? い、今執務室で何か音が…それに長門がすごい剣幕で歩いて行ったけれど…」
ウォースパイト「Admiral? どうかしたの?」
ウォースパイト「…? 返事がないわ」
ウォースパイト「Admiralー?」
ウォースパイト「…? 失礼するわね…」ガチャ
提督「……あ、ああ、ウォースパイトさん、どうかされましたか…?」
ウォースパイト「!!? な、なにその姿は…!?」
提督「ああ、これですか……これはですね……」
提督「…転んでしまってそこに運悪く本棚が倒れてきたんですよ」
提督「まぁ湿布を張っておけば大丈夫ですよ、それよりも要件は?」
ウォースパイト「Wait! 動かないで!! …ちょっと見せて頂戴」
提督「え、ちょ…痛っ」
ウォースパイト「真っ赤じゃないの!! すぐに冷やさないと…氷を持ってくるわ、待っていて!!」ダッ
・・・
ウォースパイト「はい、これを肩に置いて持っていて、タオルを巻くわ」スルスル
ウォースパイト「…とりあえずこれでいいでしょう、氷が解けたら湿布を張るから」
提督「お気遣いありがとうございます」
提督「ですがここからは一人でできますので、もうお帰り頂いてよろしいですよ」
ウォースパイト「…」
提督「あ、要件は何だったのでしょうか、それだけは聞いておきます」
ウォースパイト「さぁ、ごめんなさい、忘れてしまったわ」
提督「…そうですか」
ウォースパイト「では私は帰るわね、絶対に安静にしていなきゃダメよ」
ウォースパイト「じゃあAdmiral Good night」
提督「ええ、おやすみなさい」
ガチャン・・・バタン
提督「冷やかしに来たんでしょうね、いい話のネタだな…」
提督「はぁ、恐らく明日は大淀さんの件とこのケガでバカにされるんだろうなー…」
提督「つらいなぁ、やめたいなぁ……」ボソッ
提督「…温めるといけませんし、またシャワーですね」
艦娘「うわなにあれ」
艦娘「昨日長門さんにやられたらしいよー」
艦娘「なにそれKWSK」
艦娘「なんでも秘書艦断られたからって大淀さんに嫌がらせしたんだって」
艦娘「うっわ、気持ち悪っ!」
艦娘「ケガしてるところ殴っちゃおうぜ」
艦娘「いいねいいねぇ~」
提督「…」
白露「ねぇねぇ提督、後ろ向いて!」
提督「はいはいわかりましたよ」クルッ
白露「正義の白露パーンチ!!」ゴッ
提督「っーーー!!」
白露「うっわ、いったそうw」
提督「…」ギロッ・・・
白露「うわー! みんな逃げろー! 嫌がらせされるぞー!」
ワーワーー ニゲロニゲロー! ガチャバタン!
提督「ハァ…朝からツイてない…まあ毎日だけど」
提督「…なんで遠征の報告を聞くのにこんなことされなきゃいけないんだ…」
提督「はあ、今日は書類、自分で持っていこう」
提督「…あ、でも肩が……」
提督「まぁ、いっか」
提督「よいしょ……おっとっと、危ない」グラグラ
提督「っと、すみませーん、妖精さん、僕です、書類を持ってきたので開けていただけますかー?」
妖精さん「ハイヨー」ガチャ
提督「ありがとうございます、ここに…よいしょ、置いておきますね」ドサッ
提督「え? 僕がここに書類を置きに来るのが珍しい、って?」
妖精さん「ウンウン」
提督「あはは、お恥ずかしながら‘また’なんですよ」
妖精さん「マタカ!」 「ユルセン!」
提督「まぁまぁ、戦っているのは彼女たちですし…」
提督「…っと、僕はそろそろいかないと…っ!」ズキッ
妖精さん「ドウシタ!?」 「ダイジョウブ!?」
提督「イタタ…ああ、ごめんなさい、すこしひねりそうになっただけです、ご心配なく」
妖精さん「ナーンダ」 「ヨカッタヨ」
提督「では、おやすみなさい」
妖精さん「「オヤスミー」」
提督「てて…ちょっと書類を持っただけでこれか」
提督「あまり肩動かさないようにしないと」
・・・とはいえ、艦娘たちからの暴力がやむことはなく
・・・それから一週間が過ぎた日のこと
提督「イタタ…さっきのは効いたな」
提督「とはいえもうすぐ執務が終わるんだ、この書類を持っていかないと…」
提督「…」カリカリカリカリ・・・
提督「…よし、これで終わり、これを持って…」グッ
提督「っ!」ドシャー
ウォースパイト「Admiral、明日の出撃について話が…」ガチャ
ウォースパイト「!! 大丈夫!?」
提督「ああ、ウォースパイトさん、すみません、転んでしまって」ハハハ・・・
提督「自分で拾いますのでお気遣いなく」
提督「……」
ウォースパイト「…Admiral、先程から左手を使わないのはどうして?」
提督「…いえいえ、転んだ時にぶつけてしまいましてね、すこし痛いだけです」
ウォースパイト「…少し見せてくれないかしら」
提督「大丈夫です、お気遣いなく」
ウォースパイト「Show me」
提督「…わかりました」スルスル
ウォースパイト「っ!!? Admiral、これ…!!」
提督「…っ」
ウォースパイト「どうしてこんなになるまで放っておいたの!? ひどく腫れているわよ!」
提督「いや…湿布を張っておけばいいかと…」
ウォースパイト「今すぐに病院に行くわよ、近くの軍医療所はどこ?」
提督「明石のところでよいのでは…」
ウォースパイト「明石がやってくれるのは艦娘用の施術と軽いけが程度のものでしょう」
ウォースパイト「この腫れ方は尋常ではないわ、大きな病院でないと」
ウォースパイト「車はある? 私が運転するわ」
提督「…はい、これ、鍵とかです」
ウォースパイト「Thank you さぁ立って、あなたなら提督ということで多少早く診察してもらえるでしょう」
提督「あ、あの、書類は…」
ウォースパイト「ああ、もう! 私が持っていくわ! だから立って!」
提督「…わかりました」
・・・
医師「ふむ…」
医師「腕の骨にひびが入っていますね」
医師「かなり放置していたでしょう?」
提督「…はい」
医師「ですよね、ケガをしたのはいつくらいで?」
提督「一週間ぐらい前ですね」
医師「となるとその時点で診療していればすぐに治ったのかもしれませんね」
医師「次からケガをしたらすぐに来てくださいね」
提督「すみません」
医師「まぁ処置としては固定すること、動かさないこと、三週間もすれば治るでしょう」
医師「また一週間後、診せに来てください」
提督「わかりました、ありがとうございます」
医師「お大事にー」
ガラガラガラ・・・ ピシャン
ウォースパイト「三週間後ね、それまでは私が秘書艦として補佐するわ」
提督「あ、いえ、荷物を運ぶときに手伝ってもらえればそれでいいですし」
提督「それに妖精さんたちが手伝ってくれますので」
ウォースパイト「で、でも…」
提督「結構です」
ウォースパイト「…Sorry、余計なお世話だったわね」
提督(どうせ一々動向を監視されて、何かミスをするとみんなに言いふらされるんだ)
提督(多少大変でも、一人の方がいい)
ウォースパイト「では帰りましょう」
提督「ええ、そうしましょう」
・・・
ウォースパイト「では私の部屋はこっちだから」
ウォースパイト「Good night、admirl」
提督「はい、おやすみなさい」
提督「…もう一時か…ご飯はいいや、寝よう」
ゲラゲラ・・・
艦娘「今度は何何?w」
艦娘「ナニアレw」
艦娘「長門さんにやられたとこ、骨折だったんだってw」
艦娘「だっさw」
艦娘「てか誰だよあんな看病したの」
艦娘「ウォースパイトさんだって」
艦娘「マジかよあの人聖人すぎw」
オイコッチミロヨー! アハハハ!
提督(まさかあの人…本当に…?)
提督(いいや、やめよう)
提督(…無視無視、喫煙所どこだっけか…)テクテク
艦娘「ちっ、面白くねぇ」
艦娘「最近反応薄くなってきましたよねー」
艦娘「ったく、つまんないですねぇ」
艦娘「…ねぇ、私にいい案があるんだけど…」
提督「スゥーー …ハァー」
提督「たばこを吸うのも、久々か…」
提督「あーーーー…まっず」
提督「……」
提督「……あー」
提督「…本営仕事減らしてくれたからやることもないし」
提督「久々だなぁー」
提督「………あー」
提督「俺も親父みたいになれたらよかったのになー…」
提督「無理だな」
三週間後・・・
医師「よっし! だいぶ良くなっていますね」
提督「そうですか…!」
医師「これでもうギプスやらは外して大丈夫ですね」
医師「ただ今まで通り、激しい運動はダメですよ!」
医師「特にいきなり重い物とか運ぶのはいけません」
提督「わかりました、ありがとうございます」
医師「次はまぁ、いつも通り一週間後に」
提督「はい、では失礼します」
ガラガラガラ・・・ ピシャン
医師「はぁー…もう少ーし感情を入れて接してくれてもいいのにー」
看護婦「どうしたんですか、ため息なんてついて」
医師「いやーね、あの提督さんがすっごい無表情で全然しゃべろうとしないからさー、心配になっちゃって」
医師「いやほら私美人じゃん? そんな私に何の反応もしないってさー」
看護婦「自分で言わないでくださいよ、そこですよ、あなたがモテないのは」
医師「えー、ひどいな、もーう」ケラケラ
提督「…ただいま帰りました」
ウォースパイト「お帰りなさい、私も今帰還したところよ」
ウォースパイト「って、Admiral、あなた…」
提督「…っ、何でしょうか」
ウォースパイト「ようやくギプスが取れたのね! ああ、よかった、本当に…!」
提督「…ええ、おかげさまで」
提督「では執務の続きをしますので、どうぞお帰り下さい」
ウォースパイト「Why? まだ完治というわけではないのでしょう? この書類だけでも運ぶわよ?」
提督「いえ、もう大丈夫ですので」
提督「それにお手伝いはありがたかったのですが個人的に一人がいいので」
ウォースパイト「…そう、わかったわ、無理はしないように…Ok?」
提督「はい」
ガチャン
提督「はーー!」
提督「やっと一人ーー!!」
提督「なんだかんだであの人いっつも執務室にいたし、ようやく一人だけの執務室だぁー!」
提督「さーて、のびのびと執務といこうじゃないか」
提督「今日は気分がいいー!」カリカリカリカリ・・・
ーーー
ウォースパイト「…」
ウォースパイト「…やっぱり、余計だったのね、私のしたことは」
ウォースパイト(しばらくは関わらないでいた方が彼にとってはいいんでしょうね)
ウォースパイト「…ごめんなさい、Admiral」
ーーー
提督「…ん? 今ドアの向こうから声が…」
提督「まあいいや」
提督「さーて、さっさと終わらせて今日こそゆっくりするぞー!」カリカリカリカリ!
・・・
提督「ふぅー、終わった終わった」
提督「誤字脱字よし、んじゃ、持っていきますか」
提督「重い物は持つなって言われたけど大丈夫でしょ…よいしょ」グッ
提督「お、全然いけるじゃん、痛くもないや」
提督「さーて、妖精さんのところに持っていこう」
提督「♪~」テクテク
摩耶「おうおう上機嫌じゃねぇかよ、提督」
提督「っ!」
摩耶「んだよ、声かけただけじゃねぇか、そんなビックリすんなよ」
提督「すみません、夜いきなり声をかけられたので」
提督「…それでご用件は?」
摩耶「それもそうか、まぁいい、ちょっとこの後来てほしいところがあるんだよ」
提督「…どこでしょう」
摩耶「工廠だよ工廠、明石が新しい艤装の試験したいんだと」
提督「…」
摩耶「あー、安心しろよ、別に提督で試験しようってわけじゃないらしいから」
提督「どのような装備なのでしょうか?」
摩耶「詳しくは知らないけどよ、接近戦用のモンらしいぜ」
提督「わかりました、これを置き終わったら行きますね」
摩耶「おう」
摩耶「はっ、信じすぎなんだよバーカ」
工廠・・・
ガラガラガラ・・・
提督「…すみませーん、提督です」
提督「…失礼しますねー」
提督「んー? 誰もいない…?」
提督「ああ、下か」
提督「明石さん、提督ですが艤装の試験の視察を…」コツコツ
明石「さぁー、提督の入場でーす!」
明石「その相手はー? …おおっといきなり長門さんだぁー!」
提督「え…? えっ…??」
明石「さぁ今、ゴングがーー 鳴りました!」カァン!
長門「ふんッ…!!」ドガァ
提督「なっごふっ!?」ドサァァ
明石「おおっと提督初撃でダウンかー?」
艦娘「いいぞいいぞー!」
艦娘「もっとやれーー!!」
艦娘「殺せぇー!!」
明石「さあ観客からの声援を受け、長門さん、もう一撃をーー加えたーー!!」
明石「さて解説の大淀さん、この『提督対艦娘 朝までリンチ大会』、どうなるでしょうか」
大淀「提督は体力も力もないですからね、精々私の番が来るまでは死なないようがんばってほしいです」
明石「そうですねー、おお、次は金剛さんのようです!」
提督「……あぁ…」
金剛「ほらほら、立ってくだサーイ! 腹を殴りにくいデース!」
提督「……」
金剛「おい立てって言ってんだ、立て」ゴスッ
提督(クソッ……なんで、僕ばっかりが…こんな目に……)
チュンチュン・・・
艦娘「あー、つまんね」
艦娘「最後あーとかうーすら言わないもんね」
艦娘「帰ろ帰ろ」
艦娘「もうめんどいし遠征さぼろ」
艦娘「私もー、てか寝よ」
艦娘「ね、あれのせいで寝不足になっちゃうよ」」
艦娘「あれどうするの…?」
艦娘「あれは勝手に執務室戻るでしょ」
ウォースパイト「…ん、まだ五時半…」
ウォースパイト「少し外が騒がしいわね…」シャッ
ウォースパイト「何かしら、みんな工廠のほうからぞろぞろと…」
ウォースパイト「…何か嫌な予感がするわ」
ウォースパイト「ちょっと行ってみましょう」
ウォースパイト「Sorry、明石ー?」
ウォースパイト「いないのかしら… 失礼するわよー?」ガラガラガラ・・・
ウォースパイト「…さっきまで使っていた感じはあるのよね」テクテク
ゴンッ
ウォースパイト「…? 何か足に当たって…」
ウォースパイト「!! Admiral!? どうしてこんなところに…!」
ウォースパイト「…それになによそのケガ…」ユサユサ
ウォースパイト「……Admiral? Admiral! Wake up! Please wake up !!」
ピッピッピッピッピッ・・・
提督「……」パチッ
提督「…ここは……」
ウォースパイト「Admiral!!? あぁ、良かった、このまま二度と目を覚まさないんじゃないかと思ったわ」
提督「何が、あったんですか?」
ウォースパイト「…二日前、工廠で倒れているあなたを見つけて、病院に運んでもらったのよ」
提督「二日っ!? ま、まずい、執務がたまって…! ぐっ!!」ズキン!
ウォースパイト「動かないで頂戴、動くとケガが…」
ウォースパイト「…動けるようになるまで、二週間、退院まで三週間…」
ウォースパイト「それまで執務はできないわ」
ウォースパイト「でも安心してAdmiral、後で私の紹介で代わりの提督を派遣して…」
提督「何故です!? 僕はまだ働けます!!」
提督「…こんなケガ、三日もあれば動けるようになりますっ!!」
提督「…なのにどうして代わりなんkむぐっ!?」
ウォースパイト「…Don`t move Admiral 大丈夫、大丈夫だから…」ダキッ
ウォースパイト「焦らないで もう、無理をしないで…」
提督「…っ、すみません、冷静さを欠いていました」
ウォースパイト「…ねぇAdmiral、教えてくれないかしら」
ウォースパイト「…どうして貴方は、いつもこんなにボロボロなのか」
提督「っ…見ていればわかるでしょう…」
ウォースパイト「私はね、Admiral、あなたの口から聞きたいの」
提督「………」
提督「…わかりました、話します」
提督「…僕が、こうなってしまった経緯を」
僕の親父の名前は「桜井 健吾」といいます
はい、そうです、二十年前の深海棲艦からの侵攻を食い止めた、英雄です
やっぱり、憧れがありました、艦娘と一緒に時に和気あいあいと
時に真面目に戦っていた親父の姿には
でも…僕には本来、その権利はなかったんです
生まれつき体力や運動能力が他の人よりも低くて
それに物覚えが悪くて行動も遅いので、提督業にはつけないだろうな、と思っていました
…でも諦めきれなくて一生懸命勉強して、一か八かで試験を受けたんです
結果はこの通り、運よく受かることができました
でもその後は大した戦果もないのに昇進し続けて、今のこの大きすぎる鎮守府を持ったんです
恐らく僕の親の関係だと思います 親父はもう退役しているので口は出していないでしょうけれど
親父に恩がある人が優しさで昇進させてくれたのでしょう
それがだいたい一年前のことです
…それからが地獄の始まりでした
仕事が遅い、覚えが悪い、といった指摘されて当然のことに始まり、
背が低い、痩せすぎていて気持ちが悪い、などといった罵倒、そして暴力へと発展していきました
…まぁ僕が悪いですよね 彼女達の求める「強い司令官」とは、程遠いですから
長門さんの言う通り、精々サンドバッグくらいにしか使えない人間ですから
ウォースパイト「…やめようとは、思わなかったの?」
提督「…実は何度も思いました、本当に、数え切れないほど」
提督「でも、今度こそやめようと思ったときに、親父の顔が浮かんでくるんです…!」
提督「…僕が生まれつき体が弱いのは話しましたよね」
提督「でも、何もしなかったわけではないんです」
提督「軍人にはなれなくともできるだけ他人とは違いのないくらいの体力をつけたかったので」
提督「それを親父に話したら、笑って「なら明日から朝早くに起きて、二人で剣道をしよう!」って言いだして」
提督「親父もあの頃はまだ提督だったから忙しかったはずなのに、毎日付き合ってくれて」
提督「それで時々「またうまくなったな!」って褒めてくれて……」
提督「その顔を思い出すと…どうしてもやめられなくて…!!」
ウォースパイト「…そう、大変だったのね」
ウォースパイト「ごめんなさいAdmiral 私そうとは知らずに…」スッ
提督「っ…!」サッ
ウォースパイト「…どうして避けるの…?」
提督「……」
提督「…ついでですし話しておきますね」
提督「最近、女性に近づかれるだけで、寒気がするようになってきたんです」
提督「もちろん、艦娘のみなさんにも…」
ウォースパイト「Admiral…それって……」
提督「ええ、俗に言う女性恐怖症…というやつでしょうね」
ウォースパイト「そんな…」
提督「あはは…」
提督「情けない人間ですね、僕は」
提督「命を救ってくれたあなたにすら、満足に感謝できない」
提督「さっき、あなたが優しく抱きしめてくれた時だって鳥肌が立って…」
提督「……しばらく、一人にしていただけないでしょうか」
ウォースパイト「…」
提督「お願いします」
ウォースパイト「…Ok」
ガラガラガラ・・・
「うっうぅ…」
ウォースパイト「…そう、よね」
ウォースパイト「Admiral As long as you like, crying now」
ウォースパイト「……大丈夫よ」
ウォースパイト「あなたを傷つけた代償は、払わせるわ」
ウォースパイト「絶対に」キッ
ガヤガヤ・・・
艦娘「なになにー?」
艦娘「提督が変わるんだってー」
艦娘「そマ?w」
艦娘「やっと私たちの思いが届いたんですね」
艦娘「いやここ観て、一ヶ月間の限定だって」
艦娘「は?」
艦娘「この間のけがが治るまでだって」
艦娘「チッもっと痛めつけときゃよかったな」
艦娘「まぁいいじゃん、来た提督で遊べば」
艦娘「「「確かにー」」」
艦娘「お、来たみたいよ」
艦娘「めっちゃデカいじゃんw外人さんか」
大淀「ようこそ鎮守府へ、私は秘書艦の大淀といいうぐっ」グッ
長門「なっ!?」
新提督「Sorry,Japanのもてなしの流儀は」グググ・・・!
新提督「Extraordinaryとはいえ、誰も玄関口まで迎えに来ないようなものなのですカー?」
新提督「ンー、Warspiteから聞いていたImageとは程遠いデース…」
大淀「て、手をほどいてください…! く、苦しい…」
長門「その手を離せ、この鬼畜英国人めェーー!!」グッ
ガシッ
長門「な…に……?」
艦娘「長門さんのパンチが受け止められた…!?」
艦娘「?でしょ…!?」
新提督「あーあーあー、そうですカー、Japanの艦娘は上官に対してこういう態度をとるんですネー」
新提督「Ok,ok I understanded」
新提督「ならこちらもそれ相応の態度ってものをとらせていただきマス…ネッ!!」ゴスッ
長門「ごはっ…!!」
新提督「あまり知られてはいまセンガ、艦娘って陸では弱いんデスヨ」
新提督「例外はありますケド」ゴスッ
新提督「So… Let`s try to brake KANMUSU!!」
新提督「壊れるのにどれくらいかかるデショウネ~」グゥッ
長門「い、いや、やめてぇぇっ!!!」
ドガァン!
一週間後・・・
ウォースパイト「はい、Admiral、リンゴを切り終わったわ、口を開けて」
提督「ありがとうございます、いただきます」シャクシャク
提督「…ふぅ、ウォースパイトさんが持ってきてくれるものはいつもおいしいですね」
提督「やはり英国から取り寄せているのですか?」
ウォースパイト「いいえ、まぁ少し高いとはいえ、普通に日本で売っているものよ?」
提督「そうですか、なら単純にウォースパイトさんはものを選ぶセンスがあるんですね」
ウォースパイト「ふふっ、褒めても何も出ないわよ、Admiral」
ウォースパイト「…それで一週間が過ぎたけれど…何か変化はあった?」
提督「お陰様で体の方はもうだいぶ動くようになりました」
提督「まだ両腕が痛いですけれど、これももう一週間もすれば治るでしょう」
提督「でも女性の方はまだ…」
ウォースパイト「…それは私も?」
提督「…はい、正直 こんなに良くしてもらっているのに申し訳ないです」
ウォースパイト「Please raise up your face 謝らないで、あなたは何も悪くないわ」
提督「あ、そういえば僕の代わりとなった提督さんはどうですか?」
ウォースパイト「ああ、彼なら大丈夫よ、これから少し会う予定もあるの」
提督「そうなんですか、僕もあいさつに…」
ウォースパイト「安心して、後でこっちにお見舞いに来るらしいわ」
提督「なるほど、では今のうちにどういう方なのか知っておかないと失礼ですね」
ウォースパイト「Ok,説明するわ」
ウォースパイト「彼は私の母国イギリスのヨークシャー出身で……」
・・・
ウォースパイト「…こんなところかしらね」
ウォースパイト「ってもうこんな時間ね、話し込んでしまったわ」
ウォースパイト「じゃあAdmiral、行ってくるわね、何かあったら連絡ちょうだいね」
提督「わかりました、あ、あとついでと行っては何ですが鎮守府の皆さんの様子も聞いていただけますか?」
ウォースパイト「…」
ウォースパイト「…ええ、わかったわ」
提督「ありがとうございます、いってらっしゃい」
ガラガラガラ・・・
ウォースパイト「はぁ…あのひとのああいう所、嫌いではないんだけど…」
ウォースパイト「戻ったらまた同じような目に遭いそうで心配だわ…」ハァ
新提督「Oh! Warspite!!」
ウォースパイト「ああ、Paul、あなたの正装を見るのが久々すぎて一瞬誰かと思ったわ」
新提督「Hahaha!! ひどいなー …ところで今、物凄ーい深いため息をついていましたケド…」
新提督「例の提督君の件かい?」
ウォースパイト「ええ、まぁそんなところね」
新提督「まぁ、ついでだ、話を聞こうじゃないか」
ウォースパイト「…長くなるわよ、Ok?」
新提督「Sure! 僕の方も話したいことがあるからね!」
ーーーー
提督「…ウォースパイトさん、楽しそうだな」
提督「さっきもあの人のこと、もの凄く楽しそうに話してたし…」
提督「………」
提督「いいや、やめだやめ! 僕がいると邪魔なだけだ!」
提督「眠いし一旦寝よう!」
提督「おやすみなさい!!」バサッ
・・・
提督「…ん…結構寝ちゃったな」
提督「ふぁー、今何時だろ …といってもまだ7時か」
ドンドンドンドン!! ドンドンドン! アケテクレ!!
提督「? 誰だろ、こんな時間に …はーい、少しお待ちくださーい!」
提督「よいしょ、よっこいしょと」
提督「はーい、どなたでしょう…かっ!?」
提督「な、長門……さん…!!?」
長門「…っ すまない…こんな姿で…」
提督「い、いや、来ないでください…!」ガシッ
長門「…いいから、話を聞いてくれ…」
長門「頼む…鎮守府に戻ってきてくれ…」
長門「みんな……もうあんな激務耐えられん!」
長門「だから…!」
提督「来ないで…近づかないで…!」
ガラガラガラ・・・
ウォースパイト「帰ったわ…って」
ウォースパイト「……ねぇ、何してるの、長門…?」
長門「っ!! ちょうどよかった!! なぁ聞いてくれウォースパイト!! 提督が…」
ウォースパイト「…ねぇ、どうしてここに来たの?」ハイライトオフ
長門「う、ウォースパイト…?」
ウォースパイト「Admiral、大丈夫だった? 何もなかった?」スタスタ
提督「え、ええ、ちょっとビックリしただけなので…」
ウォースパイト「そう…よかったわ……」ギュー
長門「な、なぁ、頼む、私の話を…」
ウォースパイト「長門、Admiralが鎮守府に戻れないのはこのケガがあるからよ」
ウォースパイト「そしてその原因はあなた達にあるのよ、それをわかっていて戻ってきてほしいと?」
長門「重々承知の上だ…! 私達はしてはいけないことをしてしまった!! だから…!」
ウォースパイト「…Admiral、あなたの判断しだいよ」
提督「えっと…とりあえずきちんと動けるようになるまでは戻れないので…」
提督「なるべく早めに治すので、それまでは…」
長門「…そう、か……」
長門「いや、わがままなぞいえた立場ではないからな、戻ってきてくれることに感謝せねばな…」
長門「…私はそろそろ帰らねばならない、無断で抜けだしたからな」
長門「提督…この程度でどうこうできることではないが……申し訳なかった!!」
長門「詫びはたっぷりとするから…戻ってきてくれよ」
長門「ではな」ガラガラガラ・・・
ウォースパイト「Admiral!!」ガバッ
提督「わっ!?」
ウォースパイト「怖かったでしょう、でももう大丈夫よ」ギュー
ウォースパイト「私が守るわ…絶対に」
提督「ちょちょ…く、苦しい、苦しいですウォースパイトさん」
ウォースパイト「Sorry! そうよね、くっつかれると、いやよね…」
提督「……いえ」
提督「もっと、していただけませんか…?」
提督「……長門さんが来た時、僕本当に怖くて…寒気と震えが止まらなくて…」
提督「でもウォースパイトさんが来て、抱きしめられた時…不思議とそれらが吹き飛んだんです」
提督「はは、おかしいですね、前はあなたが一緒にいることがいやだったのに…」
提督「一人でいるほうが楽だったはずなのに…」
提督「今は、あなたがいなければ不安になってしまう…!」
提督「一人の夜が…もう耐えられなくなってしまった…」
提督「あっ、ごめんなさい、何言ってるんだろ」
ウォースパイト「Admiral、あなた…」
提督「ふふっ、迷惑ですよね、こんなこと言われたって」
提督「…忘れてください! 今のは勢いで出てしまった妄言です!」
提督「さっ! もう遅いですからウォースパイトさんもかえって…」
ウォースパイト「そう、わかったわ」
ウォースパイト「…ベットの端によってくれないかしら?」
提督「…? わかりましたけど…」ササッ
ウォースパイト「失礼するわ」バサッ
提督「えっ…!?」
ウォースパイト「…やっぱり少し狭いかしら」
ウォースパイト「あ、そうだわ!」
提督「あの、ウォースパイトさん、何を…?」
ウォースパイト「決めたわ、今日からこのベットで寝ることにしたわ」ニコッ
提督「ななな…い、いえ!本当に気を使わないでください…!!」
提督「本当に、い、いいので…」
ウォースパイト「Admiral、Come on」
ウォースパイト「おいで」スッ
提督「……」
提督「…多分、うるさいですよ」
提督「泣きもしますし、勢いで変なことも言います」
提督「幻滅、するかもしれません、いえ、します」
提督「それでも、いいんですか…?」
ウォースパイト「Sure」ニッコリ
提督「…」ジワッ
提督「ぅぅうぁあああああ!!!」
提督「辛かった…! 誰も理解してくれなくて、一人で抱え込んで…!」
提督「一人の方が楽なふりをして、誰からも避けられて」
提督「あぁ、でも…」
提督「あなたがいてくれたから…もう少しだけ頑張ろうと思えた」
提督「お節介焼きで、過保護なあなたが、いてくれたから…」
提督「本当に、ありがとう…ございます……!」
ウォースパイト「……」ナデナデ
提督「………」
提督「一つ、お願いしてもいいでしょうか」
ウォースパイト「ええ」
提督「ずっとそばにいてくれませんか・・・?」
提督「こうして、ずっと弱い僕を守ってくれませんか」
提督「恋人とか夫婦とかそういうものでなくていい」
提督「いえ、もうあなたの奴隷であってもいい」
提督「あなたにとって僕がどんな存在でもいい」
提督「だから…ずっとそばで守ってくれませんか…?」
ウォースパイト「………」
ウォースパイト「……当たり前じゃない」ギュー
ウォースパイト「私こそ、もう離さないわよ?」
ウォースパイト「二度と誰かの手で汚されないように、傷つかないように」
ウォースパイト「そしてずーっとこうして私の胸の中で甘えるように」
ウォースパイト「飼いつづけてあげるわ」ニコッ
半年後・・・
長門「出撃部隊、戻ったぞ!」
提督「おかえりなさい、お疲れ様でした」
提督「見事な戦いでした、長門さん」
長門「いやなに、あなたの指揮のおかげさ、指揮、うまくなったな」
提督「いえいえ、自分なんてまだ全然…」
長門「そう謙遜ばかりするな、私は心から褒めているのだからな!」
提督「ではありがたく、受け取っておきましょう」
あれから半年、僕は提督業に復帰していた
退院は少し遅れて一か月半かかったが
復帰した最初のころはみんなこっちを避けるような、怖がるような感じだった
聞いたところによると、僕の代わりの提督さんが毎日、僕がやっていた量の執務を、みんなに強制的にやらせていたらしい
終わるのが遅かったりミスをするとすぐに暴力をふるわれるので、みんな仕方なくやったが、その量の大変さにクタクタだったという
長門さん曰く、「あれを毎日やると思うと気が滅入る…あなたはよくこんなのやっていたな…」とのこと
だけど僕がもう怒っているわけではないことがわかると、少しずつだがみんな接してくれるようになっていった
今では、艦娘みんな、それなりにフリーダムに接してくれるようになった
だが・・・
長門「そういえばだな提督」ズイッ
提督「っ…!!」スッ
長門「…ああ、すまない、そうだったな」
提督「あはは…申し訳ないです」
長門「あなたが謝ることはない、その女性恐怖症は我々のせいなのだからな」
長門「まぁ急ぐ用事でもない、また後で話そう」
長門「ではな」ガチャ・・・バタン
女性恐怖症までは治ることはなかった
症状はほんの少しずつだけ、悪化していく
不意に女性に近づかれると、体が震えてしまう
とはいえ、みんなそれはわかってくれるので、大した問題ではなくなっている、と思う
それに・・・
提督「お待たせしました!」
ウォースパイト「今日は一段と遅かったわね、何かあった?」
提督「長門さんと今度の作戦の話をしていて、気づいたら…すみません!」
ウォースパイト「No problem むしろ真面目にやっているようで安心したわ」
提督「……」モジモジ
ウォースパイト「Admiral、どうかしたかしら?」
提督「い、いえ、そのネグリジェ、綺麗だなー、と思いまして…」
提督「今日買い物に行ったときに買ったんですよね?」
ウォースパイト「そうね、できればあなたと一緒に行きたかったのだけれど」ハァ
ウォースパイト「でも綺麗だ、なんて言われたら責める気にもならないわ」
ウォースパイト「おいで、Admiral」
あの夜から、僕とウォースパイトさんは毎夜一緒のベッドで寝るようになった
どんなに眠い夜でも、気が付くとあの人の胸の中にいる
薄々、僕はもう、この人から離れることはできないのだろう、と感じている
この人がいなければ、ろくに艦娘のみんなとも話しかけられないのだから
でも、ウォースパイトさんは僕のそばに居続けてくれる、文句の一つも言わず
提督「ウォースパイトさん…」
ウォースパイト「? なに?」
提督「あの…ありがとうございます」
提督「こんな僕と一緒にいてくれて、ただ甘えるだけの僕にこんなにしてくれて」
ウォースパイト「そんなこと…」
ウォースパイト「言ったでしょ? 私はAdmiralを独占したいだけ」
ウォースパイト「永遠に私のものにしたいだけ」
ウォースパイト「私、今最高に幸せよ」
提督「ふふっ、僕もです」
提督「そろそろ寝ましょうか、明日も早いですし」
ウォースパイト「ええ、そうしましょうか、Good night、Admiral」
提督「ええ、おやすみなさい、ウォースパイトさん」
・・・
ウォースパイト「ええ、幸せだわ」
ウォースパイト「本当に幸運だわ」
ウォースパイト「初めて会った時から、あなたが好きで」
ウォースパイト「あなたが艦娘たちにいじめられて、私だけがあなたのそばにいれて」
ウォースパイト「そして私だけを見てくれた」
ウォースパイト「私だけがあなたを暖めてあげられる」
ウォースパイト「だからもうあなた、私から離れられないじゃない」
ウォースパイト「一生私と一緒」
ウォースパイト「うふふっ」
ウォースパイト「私があなたを守るから」
ウォースパイト「あなたは一生弱いままで」
ウォースパイト「どんどん他の娘としゃべるのがつらくなっていく」
ウォースパイト「そしていつか私以外の娘としゃべれなくなる」
ウォースパイト「だからあなたは一生私のもの」
ウォースパイト「一人じゃ何もできない、私に依存することしかできない」
ウォースパイト「My lovely lovely pet」
ウォースパイト「おやすみなさい、明日はもっと、私を頼ってね」
ウォースパイト「もっと、私に依存してね?」チュッ
数年後・・・
提督「おかえりなさい、ウォースパイト」
ウォースパイト「ただいま、Admiral」
ウォースパイト「帰ってくるまでいい子にしていたかしら?」
提督「ええ、言われた通りに、誰ともしゃべらないで、きちんと執務をしていましたよ」
ウォースパイト「言われなくたってもう艦娘のみんなとは喋れないでしょう?」
提督「ふふっ、まぁその通りですね」
提督「……」モジモジ
提督「…あのっ…きちんと言いつけを守ったので…」
提督「……今日も、いいですか?」
ウォースパイト「Sure」
ウォースパイト「さぁ、おいで、Admiral」
ウォースパイト「今日も、たっぷり可愛がってあげるわ」
≪番外編① 新提督≫
新提督(以下、ポール)「ンー! 今日でJapanからおさらばデスカー」
ポール「なんか感慨深いデスネー」
アークロイヤル「ここにいたのか、探した探した」
ポール「Oh! ArkRoyal! Sorry」
アークロイヤル「待ち合わせ場所にはキチンと来てくれ」
アークロイヤル「まったく、もう少しで入場門が開くのに、何をしていたのだ?」
ポール「ンー、最後に見るJapanのSeaデスカラネ、すこーしだけ、Isyuというものに浸っていまシター」
アークロイヤル「…やはり、未練はあるか?」
ポール「デスネー、Kyoto and Naraには行きマシタガ他にも行きたいところがありマシタからネェー」
ポール「Komike、というのも見てみたかったデスネー」
アークロイヤル「いや、そうではなくてだな…」
ポール「…?」
アークロイヤル「Warspiteは…よかったのか…?」
ポール「………Haha」
ポール「Hahahahahahahaha!! なんだ、そんなことデスカ!!」
アークロイヤル「い、いや、『そんなこと』じゃないだろう!?」
アークロイヤル「あいつの為に、あいつから好かれるためにわざとvillainを演じたのだろう!?」
アークロイヤル「暴力なんてできないようなあなたが、あんな役回りを演じたのだろう…!?」
アークロイヤル「なのにどうして…!」
ポール「実は、告白はキチンとしたのデス」
ポール「マァ、結構勢いで行っちゃった感はありマシタガ」
アークロイヤル「…答えは」
ポール「…Haha…」
ポール「ワタシ、Warspiteは優しいから、断られるにしてもヤンワリとしたanswerだと思ってマシタ」
ポール「…but、Warspiteの答えはキッパリとした『No』デシタ」
ポール「『私はかわいいペットを飼わなきゃいけないから』って」
ポール「ホント、スッキリしまシタ」
アークロイヤル「悔しくは…なかったのか?」
ポール「ええ、Warspiteには大切な人ができたんだって、なぜかワタシ、Happyな気持ちになっちゃって」
ポール「So、My farst love finished at that time」
アークロイヤル「…そうか」
アークロイヤル「すまなかったな、色々とデリケートなことを聞いてしまって」
ポール「No problem むしろ話し相手がいてワタシもスッキリしまシタ!」
ポール「では行きまショウ! 飛行機でEnglandまで一っ跳びデス!」
ポール「帰ったらまたOfficeデス!!」
番外編① 終わり
本編は終わりです!皆さん応援ありがとうございました!終わり!閉廷!解散!
とはいえ、新提督のポールさんのその後とか、後日談とかも書いていく予定ですので引き続き応援よろしくお願いします! もちろんコメントも随時受け付けています!
あとウォースパイトSSもっとはやれ
ウォースパイトメインは少ないですから、、頑張ってください。
続きが気になるなぁ
事の発端とか
こういうssめっちゃ好き
どうなるか、続きが楽しみです
頑張って下さい!
皆さんコメントありがとうございます!
1さん
チャーチル「誠に遺憾である」
2さん
それはおいおい明かしていきますのでお楽しみに!
3さん
ありがとうございます!ご期待に沿えるよう頑張ります!
4さん
結構長くなるかもですが頑張ります!応援よろしくお願いします!
期待!
味方を沈めたからか。若しくはまだ甘ったれた糞餓鬼を甘やかしすぎた結果。
優しさを忘れ人を棄てた化け物に成ったか。
何と言うかブラックが無くならんわけだよ。こんな目に会うぐらいなら
美味しい目にあってから処刑されたいものな
6さん、コメントありがとうございます!
頑張ります!
7さん、コメントありがとうございます!
(提督の扱いが)ブラックな鎮守府
憐れな生け贄だ。人もまた獣
躾をしなければ噛み付くのだよ。
親は親で自分は別人なのだから。
自分だけの方法で育成すれば良かったのに。親の真似して失敗したか
憲兵さん助けてあげてよ
9さん、コメントありがとうございます!
親が優秀でも子がそうだとは限らないんですよねー、あはは・・・
10さん、コメントありがとうございます!
憲兵すら怖くて助けられない、という設定ですのでw
別の作品には、ふとしたきっかけで提督を憎み、提督は苛烈な暴力により精神はすり減り、身体は文字通りズタボロになるものがありました。
今の状態が異常なら、それが正された時の恐慌が目に浮かびます。
提督・・・怒る事は悪い事じゃない。話し合いなど通じない奴もいるんだ。我慢する事はない、精神を怒りのままに解放するんだ!
可笑しくなってしまった奴らから、私の愛した町を、人々の笑顔を守ってくれ‥ウェースパイト‥
力で敵わないなら権力を使えば良い
金とコネは生きてる内しか使えない。
提督の未来はこの子と彼が何れだけ
上に信頼されてるかで決まるね。
其が駄目なら深海に亡命だ!
家は何時でもホワイトで冷たく明るい職場ですw
ウォースパイトがランボーやシュワちゃんみたいに洋画風に解決してくれるんじゃないかな笑
提督よ。君は報われて良いんだよ。
ほっぽちゃんの待つ海の底で
幸せに成るんだ。
皆さんコメントありがとうございます!
12さん
多分ここの提督ごときが艦娘に逆らったら文字通り返り討ちだと思うんすけど・・・(名推理)
13さん
これヒーローものじゃねぇですから!!?
14さん
さすがにそろそろ艦娘たちの悪行もバレるでしょうねぇ~(ねっとり)
15さん
ウォースパイト「長門、お前は最後に殺すといったな」
ウォースパイト「あれは嘘だ」 ウワァァァァ・・・
・・・ないですw
16さん
そういう深海方面の話も今度描いてみようかな・・・
動物に触れて命の暖かさを思い出すんだ。命は暖かくそして安らぐ事を少しずつでも思い出して欲しい。
こりゃ英雄の同期の人達が知ったら
おおこわw言わば孫のような者。
鬼神羅刹に修羅がタッグ組んでくるぞw
現代だとアメリカとロシアとドイツが
タッグ君で突撃だよw
有り得れねえw
すげぇワクワクすっぞ!
やっぱウォー様聖人...
続き楽しみです!
皆さんコメントありがとうございます!
18さん
???「わーい! たのしー!」
カドカワは許さない
19さん
まぁそりゃ・・・ねぇ?
20さん
お楽しみに!
21さん、コメントありがとうございます!
ウォースパイト様マジ聖人なんすよ、持ってないけど
なんでウォースパイトSSが少ないのか、私には理解に苦しむね
退院して一ヶ月後、そこにはジャック・チャーチルと化した提督の姿が!
まさか幻の金剛型1番艦
ジャマイカ生まれのジャンゴウさん!
やったぜ。悪は亡びたw
仕事の能力なんて長く勤めてれば
自然と身に付くものさ。けどね
人間としての霊格は人の本質で変わらんのよ。優しく思慮深く慎みの心を
相手に敬意を払える人を育てたい者だ
ここのケダモノ共も幸せだと思うよw
ケダモノらしく人権を踏みにじられて
奈落に還れるのだから
もちろん続き書いてくれるよなぁ?!(いやまじでお願いします)
続き待ってます!だから失踪しないでくださいよ!!
皆さんコメントありがとうございます!
24さん
バグパイプ吹いて突撃ですね、わかります
25さん
あれはもはや艦これではないのでNG
26さん
流石に殺しはしませんよw 兵器ですし利用価値ありますし
27さん
当たり前だよなぁ?
28さん
失踪するとしてもケジメはつけてから失踪しますよ
とりあえず半年は大丈夫そうですけどね
この長門はまだ反省してませんねぇ(ゲス顔
やべーすんげー気になる
提督は外国人の優しくて美人な可愛い彼女と退役し幸せなキスをして終了!
もうさ逃げても誰も責めんよ。責められんよ
本来守護を担当する憲兵まで買収されて裏切られたんだ。
此だけの裏切りをさせて信じることは出来んよ。
復帰するにしても別のベテランの元でミッチリ勉強してから
力とノウハウを得てから別の場所に着任するのが妥当。
前の場所は全て解体しホラースポットにでもして観光場所にでもw
彼は恥と思うかもしれんが英雄の親父殿とも腹を割り話をした方が良い。
溜め込んだものを全部ぶつけたりや
親父殿も親として男として其を望んでいる。
おもいきっきり泣いて吐き出してしまえ。
何が激務耐えられんだw
結局は自分が大事なだけじゃねえか。
戻る必要なし。弾除けや棄て艦で殺してしまえ!それだけの暴行を無抵抗で弱く風呂に入れば回復する存在じゃない人間に対して行ったんだ。
殺れ!許可する。
すべてのコメントに返信して作者の優しさに惚れた
期待
ウォースパイト聖人過ぎて涙でそう、頑張ってください!
皆さんコメントありがとうございます!
30さん
一応結構反省してるように書いたつもりだったんですが・・・
甘かったみたいですね・・・
31さん
もうちょっとだけお付き合いください!
32さん
できればこの作品はハッピーエンドで終わらせたいんですよねw
33さん
ですね、その辺も考えときゃよかったですね
34さん
申し訳ないがブラック鎮守府要素はNG
35さん
惚れても、ええんやで?
冗談は置いておいてコメントもらえるだけありがたいから最低限返信くらいしたいんですよねw
36さん
あれマリア様の生まれ変わりでしょ?私知ってますよ
あかんw提督が子供になっちゃうw
ハイライトシーンがあったところを見るとまるで
ウォースパイトが提督を依存させてるように見える
させてるように見えるんじゃなくて、させようとしてるのでは
良いのよw幸せになれるのならね。
この子は主を求めてた。
こんなかわいくて美人で愛嬌もあって優しい。そんなこなら喜んで人生捧げるw
ちくしょーめw恨めしいやw
長門が激務に耐えれないっていうのは今まで提督が一人でやってた仕事を全部任されたから?
そうだね。後は鍛練や資源の配分
出撃の編成などをジャンゴウが無理やり
やらせて失敗する度に彼が受けた痛みを骨の髄まで味会わせてあげてるんでしょう。まあ化け物だし死ねないだろうねえw
神は言っている。
幸せになるのだよと
皆さんコメントありがとうございます!
38さん
何が問題ですか?w
39さん
鋭いっすね・・・マジでその通りなんですよね
40さん
ですです、ウォースパイトの意志です、このお二方マジですごいっすね・・・
41さん
私もこんな人いれば人権なんていらないです(真顔)
42さん
ですねー、正確には鎮守府の重鎮に毎日提督のやっていたのと同じくらいの執務をさせた、って感じの設定ですね、提督業だって大変なんです
43さん
事あるごとにジャマイカ金剛出すのやめロッテ!
44さん
ウォースパイト自体が(女)神なんだよなぁ・・・
乙。続編期待
最高の復讐やねwあれだけ見下し虐めた相手が此処までの能力を持ち。
媚を売り懐柔しようとしたら自分達のせいでナニも出来んw
一生彼に無駄で空虚で報われぬ忠誠を死ぬまで誓い続けるw
最高だよw彼は素晴らしい伴侶に恵まれてとても幸せなことでw
いやあwすーっとしました。
続編期待!
皆さん、コメントありがとうございます!
46さん
ええ、次は誰を病ませようか…くはは!
47さん
ご満足いただけたようで何よりですw
48さん
続編、ご期待ください。
面白かったです。おっ?誰か来た...!?お前は!?
矢〇想「いい目をしている。俺と同じ...いや、俺以上の地獄を見てきたな。提督なんか辞めて一緒に地獄に落ちよう。女恐怖症になったお前が少しでも光を掴もうなんて思うと痛いしっぺ返しをくらうぞ。この俺のようにな...提督、俺の弟になれ。親父の栄光もプライドも捨てて、一緒に歩いて行こう、ゴールのない暗闇の中を...」
50さん、コメントありがとうございます!
すんません、ネタがわからんでした^
たくちゃんさん、元ネタは仮面ライダーカブトに出てくる地獄兄弟の兄貴の方ですねw
非常に仲間思いで完全調和(パーフェクトハーモニー)を大事にするの理想の上司だったのですが...色々あって転落してしまい...捻くれやさぐれの闇の住人となってしまったのです...
ただ仲間思いの面は残っており、闇を抱えた人にはとても寛大です♪
52さん
そうでしたか! ありがとうございます!
てか仮面ライダーカブト懐かしいですね、自分見てた記憶ありますw
お疲れ様でした!最後までウォースパイトは聖人でしたねシロメ
54さん、コメントありがとうございます!
途中極悪人の本性があらわれる計画もあったんですけどねw
気付いたらただの聖人キャラとして話が進んでましたw
策士ウォースパイト良かった
56さん、コメントありがとうございます!
聖人だったり策士だったりこれもうわかんねぇな・・・
好みじゃないわつまらないゴミ
58さん
キチンとした批評ならばいいですが
そういう感想は私はともかく他の見てくださっている皆様の気分を害することもあるのであまりしないでいただきたいです!
主人公の提督があまりにも気持ち悪い。
某(それがし)が思うに悪いのって、見かけで人を判断した艦娘たちじゃないのでござるか?