2018-04-26 23:59:37 更新

概要

今回はボロボロになってなお『信じる』提督とその艦娘とのお話です


前書き

初めましての方は初めまして! クソ文才たくちゃんでございます!
艦娘のキャラ崩壊注意です!






さて、皆さんは『鎮守府』と聞いてどう想像する?




みんなで和気あいあい?




それともゴチゴチの戦争?




はたまた火曜サスペンスばりの愛憎劇?




そうかいそうかい、面白いね




答えは何かって?  




答えは『全部そう』に決まってるじゃないか




鎮守府の数だけあり方があるんだ




ーーーだからこれからのお話も




そんな鎮守府の中の一つのお話だ












鈴谷「はー、今日のアイツマジウザかったんだけど」




熊野「そうですわね、話長いしうるさいでもう…」ハァ




鈴谷「マジたりぃ、あのクソ野郎…シバキ倒したい」




熊野「下品ですわよ、いくらなんでも」




鈴谷「はぁー? 熊野だってそう思ってるでしょー?」




熊野「…まぁ、そうですわね」




鈴谷「またもがみん達呼んでやる? 大リンチ大会」




熊野「…私は遠慮しますわ、面倒ですもの、処理が」




鈴谷「あー、それな ダルイしキモいもんね」




鈴谷「…あ、でもそれもあいつにやらせればよくね? 鈴谷マジ天才」




熊野「名案ですわね、それ」




キャッキャッ






あー怖いね




でも、これがうちのリアルなんだ、受けいれてくれ




さて、一つ昔話と行こう




昔々、あるところにとっても善良な提督さんがいました




その提督さんは艦娘のために様々なことをしました、時には自腹切ってね、すごいね




それが功を奏したのか、どんどんと仲良くなっていった




出撃や遠征の間に、和気あいあいとしたやり取りが確かにあった




でも残念  いつからかはわからないけど急になぜかみんな、提督にどんどんと冷たくなっていったんだ




みんなは提督を下に見たんだ、そして考えがエスカレートして、ついにはこいつはいじめていいんだーって考え始めた




あとはわかるね? みんなで一斉に大リンチ大会さ! 提督はボッコボコ、憲兵によってすぐに病院に運ばれたよ




幸いにも命は助かったけど、まぁケガがひどくてね、しばらくは仕事もできないくらいだったんだ




そこの艦娘たちは拘束、記憶消去、それに付随して練度消去の上で再配属されたよ、軍も戦力欲しいからね、解体はしなかった




さて、そんな艦娘たちだったんだけど、一人だけ、提督を守ろうとした子がいたんだ、いい子だね




その艦娘の名前が『扶桑』っていうんだ




扶桑は最初から秘書艦として提督を支え、みんなが冷たくなっても一人、提督を励まし続けていたんだ




事件の後も入院してた提督を毎日見舞い、様々な形で応援し続けた




そのかいあってか提督は晴れて復帰! またその鎮守府についたんだ




さっきも言ったけど、記憶もなにもそこにいた艦娘には残ってないから、みんな提督にやさしく接したよ




・・・最初はね




でもなぜかはわからないんだけど、艦娘たちはまたも提督に敵意を持ったんだ、歴史は繰り返すって感じ?




もちろんこのことは憲兵を通して上に伝えられたんだけど、残念ながら上も今回は厳しかった




曰く、『艦娘を統治できないのは、貴官の責任でもある』だってさ  ・・・ま、当然といえば当然




なんとか職にとどまろうとした提督はこれ以降この件を報告することなく、提督を続けているんだ




・・・さて、そろそろ物語を始めようか




ま、ハッピーエンドで終わるお話だから安心してよ  …信じるか信じないかはあなた次第、だけどね






提督「さーて、とりあえず終わった書類を…っ」グッ




提督「ぃてて… まだ痛むか、昨日阿賀野たちにやられたとこ…」




提督「…はぁ、扶桑がいればやってくれるんだけどねぇー」




ゲラゲラゲラ




提督「…なんだ、摩耶、青葉  廊下にいないで来い」




摩耶「ぃ、いやっ…! 『扶桑がいれば』、だって!! ははは、クッソだせぇなお前…!」   




青葉「ばっちり録音させていただきましたので! はい!」




提督「…勝手にしてくれ」




摩耶「…ちっ、なんか最近反応薄くなったな、てめぇ」




青葉「行きましょ、つまんない司令官」




・・・




提督「…いい散歩日和だ…」テクテク・・・




提督「…ん…なッ!?」ゴスッ




夕立「あー、ごめんっぽーい、ボールがそっちに飛んじゃったっぽい」キャッキャッ




時雨「夕立、なぜ謝るんだい? 悪いのはそこにいたウスノロだよ」




白露「そうだよ、夕立悪くなーい」




夕立「みんなありがとっぽいー!」




村雨「…そういうことなんだけど… 早くボールを返してもらえるかしら、ウスノロさん?」




提督「…」ポーイ




時雨「どこ投げてるのさ!? ゴミ!!」




提督「…」テクテク・・・




白露「…感じ悪…」




・・・




金剛「…それでデスネー」




金剛「…あ、いいところに来まシタネ! 提督!」




提督「…見てわからないか、俺は今散歩中なんだ」




榛名「執務もせずいい御身分ですね、感心しちゃいます」




比叡「まぁまぁまぁ、座って座って  …はい、私のお菓子食べてください」




提督「…お前のものはもう食いたくない」




金剛「…はぁー!? せっかく比叡が作ってくれたのにデスカ!?」




比叡「ひ、ひどいです…たくさん練習したのに…!」




提督「…(食わないと返さないってか…面倒な)」




提督「…いただきます」ヒョイパクッ




提督「…ぐぼぉ!? ぐぇ、がはっ…!?」




金剛「…あはははは!!! 食った!! こいつホントに食いマシタ!!」




提督「…な、何を入れた…」




比叡「えー、私的には頑張ったつもりだったんですけどー…」




比叡「あ、でも冷蔵庫の下の方にあったのを使ったから、消費期限とか過ぎてるものが入っちゃったのかも!」




榛名「比叡お姉さまはおっちょこちょいですねー」




比叡「えへへー」




金剛「あーおもしろいデース  霧島ももっと笑って笑って」




霧島「え、あ、はい…お、面白いですね、あはは…」




金剛「あ、提督にもう用はないので帰って下サイ! …ティータイムが汚れるネ」




提督「クソが…」




榛名「…なにかおっしゃりました?」




提督「…執務室に帰る、って言っただけだ…」




・・・




赤城「♪~」




加賀「上機嫌ですね、赤城さん」




赤城「はい! 今日も提督の分のご飯をもらっていいらしいので! 加賀さんもいりますか?」




加賀「それは…とても嬉しい提案です」




加賀「五航戦、あなたたちもそう思うでしょう?」




翔鶴「はい…」




瑞鶴「…」ムスッ




加賀「…少し分けてあげてもいいわ」




翔鶴「あ、あの加賀さn…」




瑞鶴「…ごちそうさまでした  行こ、翔鶴姉」




翔鶴「う、うん…」




スタスタ











コンコン




提督「…誰だ」




瑞鶴「…私 入るのはあれだから用件だけ言うね」




瑞鶴「今日も提督さんのご飯、あいつらに取られちゃったみたいだから…コンビニとかで買ってきて」




瑞鶴「それだけ   じゃあね」




提督「…いつもすまん」




提督「最寄りまで約10km…か…いつもながら面倒なことを…」





・・・





提督「…はぁ」




ガチャ




扶桑「扶桑、ただいま帰還いたしました」




提督「っ! 扶桑! やっと帰ってきてくれた…!」




扶桑「あら、また何かありましたか?」




提督「…いつも通りさ」




扶桑「ごめんなさい…私じゃ力不足で…」




提督「そんなことはない…! 扶桑は俺の唯一といっていい拠り所なんだから…」




扶桑「そうでしょうか…うふふ、そうであったら嬉しいです」




提督(相っ変わらず艦娘たちの態度は横柄で暴力的、耐えるしかない…)




提督(毎日殴られて蹴られての俺にとっては…)




提督(いつもそばにいて俺を支えてくれる扶桑は本当に… 感謝しか出てこない)




提督(…)




提督(俺がこんなに不甲斐ない奴じゃなきゃな…)











・・・数日後






提督「うぅ… 今日はやけに冷えるな…」




摩耶「けっ、たいして外にも出ないもやしがよくほざきやがる」




提督「…何の用だ」




摩耶「いーや、出撃無くて暇なんだ  …あ、そういや鈴谷がお前のこと呼んでたっけか」




提督「…はぁ、仕方ない…  どこに行けばいい?」




摩耶「んー…多分工廠だろうな、艤装関係だし」




提督「…そうか」スクッ




ガチャ・・・バタン




摩耶「…バーカ」ニヤッ






・・・工廠





鈴谷「おー、来た来た 案外早かったじゃん」




提督「…用件は」




鈴谷「なんだよー、少しくらい駄弁ったっていいじゃん」




提督「…」




鈴谷「…はぁー …ここ、この部分なんだけどねー」




・・・




鈴谷「ん… こんなとこだね」




提督「…終わったのか、なら帰っても…」




鈴谷「まぁまぁ、もうちょっと待ってよ、もう一つあるんだよね」




提督「…次はなんd「鈴谷ー!時間稼ぎありがとうですわ! みんなを連れてきましたわよー!」




鈴谷「おー、熊野お疲れ~」




提督「…なんのマネだ」




鈴谷「いやね? 最近は提督でストレス発散できてなくってさ、みんなイライラしてるわけ」




鈴谷「だからここで一つ、でっかくパーっとみんなでやっちゃおうかなって」




熊野「第二回大リンチ大会ですわ!」




提督「…」ダッ




摩耶「おぉーっと、逃げようとしてもムダだぜ? 退路なんかねぇんだよ」ガシッ




提督「っ…!」




金剛「そうデース! 逃げるようならこうデスヨ?」ビシャ




提督「あっつッ!?!」




比叡「ちょっと! お姉さまがせっかく入れてくれた紅茶ですよ!!きちんと飲んでください!」




提督「…くっ…」




鈴谷「そういうことで、まず言いだしっぺの鈴谷から行かせてもらうよ~!」ゴキゴキ




イイゾー!  ヤッチャエスズチャン!  キャー!




鈴谷「ほいほい、声援ありがとねー! それじゃ、3、2、1…0!!」



ドガッバキィ!!




・・・





鈴谷「いやー、楽しかったー  熊野と二人で人間ボウリングできてよかった~!」




熊野「ですわね~  あと一航戦の弓道! 素晴らしかったですわ~」




摩耶「そうそう、顔のすぐ横の壁に矢が刺さった時のこいつの顔マジ面白かったよな!」




時雨「こんなに楽しいのに、来ない人たちの神経がわかんないよ」ゲシッ




提督「…ぁ……」




熊野「…これ、声も出せなくなってきましたわよ?」




摩耶「だな、つまんね」




鈴谷「でもどうするよ、鈴谷触りたくないよ?」




時雨「…ねぇ、これが死んだらどうなるのかな…?」




金剛「そりゃ代わりの提督が配属されテー…はっ!!」




時雨「…うん、ここで、殺して隠蔽しちゃったらどうなのかなって」




時雨「こんないるだけでイライラするのは殺した方がいいだろう…?」




摩耶「おめぇは天才か…?」




比叡「そうしましょう!」




榛名「殺し方はどうするのですか?」




鈴谷「はいはーい! 焼いてキャンプファイヤーがいいと思いまーす!」




夕立「骨だけになるしちょうどいいっぽい!」




熊野「その後に海に投げ入れでもすれば完璧ですわ!」




青葉「お、それ、青葉がキチンと撮っておきます!」




赤城「なんだか面白そうなことしそうですね~!」




加賀「ぜひ私たちも混ぜてください」




鈴谷「いいよいいよー! キャンプファイヤーは多いほうが楽しいもん!」




熊野「鈴谷ー! みんなで薪持ってきましたわよ~!」




鈴谷「いいねー、そいじゃやっちゃおうよ~!」




摩耶「それじゃあ…  点火っ!」カチッ




ボォォォォォォォ




青葉「じゃあそれ持ってきてくださいよ」




鈴谷「よろ~」




夕立「おい、起きろっぽい、楽しいキャンプファイヤーの時間っぽい」ペチペチ




提督「ぅぅ…ぁあ……?」




時雨「あれがなんだかわかるかい?」




提督「焚火…?」




村雨「そう! それでね、あの火を勢いよくするために、もーっと可燃物が必要なの!」




提督「ぉ、おい…まさか…」




夕立「もしかしてわかっちゃった!? そう! 提督さんをファイヤーするの! いいアイデアでしょ?」




提督「なっ、正気か!? こんなことして…!!」




提督「死ぬぞ、こんなことしたら…!!」




夕立「…殺すためにやるんだから当たり前っぽい」




白露「ほら、みんな待ってるから早く来て」ズルズル




提督(クソ…痛みで体が動かない…)




摩耶「おう、来たな」




提督「…本気でやるのか…?」




金剛「もちろんデス! いい燃料になってくだサイ」




提督「…そう…か」




提督(抵抗する元気もない…もう、いいか…)




赤城「あら? どうしたんですか、提督」




加賀「…どうやら諦めたみたいね、まったくつまらない」




赤城「ならもう縛っちゃいましょう、磔みたいな感じで」




提督(赤城……)




ーーー




赤城「提督食べないんですか? なら私がもらいますね、エビフライ」ヒョイパクッ




提督「あ、バカ、俺はうまいもん取っておく派なんだよ!?」




赤城「ふふん! 先手必勝、です! 空母戦と同じようにね!」ドヤ




提督「いやドヤる場面じゃねぇから!? 俺のエビフライ返せー!?」




ーーー




加賀「…赤城さん、こんな感じでいいですか?」




提督(加賀…)




ーーー




提督「お、MVPは加賀か、やるな!」




加賀「そう、ありがとう」




提督「…なーんかお前淡泊だよなー、お前の実力が評価されてるってのに」




加賀「いえ、これはみんなと…あなたの指揮のおかげですから」ニコッ




ーーー




金剛「ふんぬー! …よしっ!」




比叡「さすがですお姉さま!」




榛名「よく燃えるといいですね!」




提督(金剛姉妹…)




ーーー




金剛「金剛型のお茶会にヨウコソー! 楽しんでいってよネ!提督!」




比叡「はいどうぞ!こちら金剛お姉さまの淹れた紅茶です!」




霧島「こっちは榛名が作ったお茶菓子です!」




提督「お、うまそう!  …うん、おいしい!」




榛名「ふふっ、良かったです!」




金剛「もー! ワタシの紅茶も飲んでくだサイー!」




提督「わかったわかった …お、いいな、これ! ダージリンか?」




霧島「違います、それはアッサムです …さては適当に言いましたね、司令?」メガネクイッ




提督「お、お茶菓子おいしいなー!」モグモグ




金剛「図星デース…」




ーーー




白露「薪、追加持ってきたよー!」




時雨「いいね、さっそく入れよう」




夕立「ぽーいぽーいぽーーい!」




村雨「鈴谷さーん! 火の勢いあげ終わりましたー!」




提督(白露たち…)




ーーー




白露「誰がいっちばーん!かどうか決めるためにかけっこしようよー!」グイグイ




夕立「ねぇー! 遊んで欲しいっぽーいー!」グイグイ




提督「いてて… 俺今執務中なんだよ…」




時雨「二人とも、提督が困ってるだろう?やめたらどうだい?」




提督「さすが時雨…いつだって冷静でいいやつだな…!」




時雨「えへへ…」




村雨「そうよ~、それに提督はこの後『一人遊び』するんだから放っておいてあげて?」




白露&夕立「「???」」




時雨「ちょ、ちょっと村雨!」




提督「あとで指導だなぁ、これは」




村雨「そんなぁ、村雨、どんな『指導』されちゃうの?」




提督「て、てめぇ…」




村雨「あはは、冗談よ~」




ーーー




鈴谷「それじゃあそろそろこれ、焼こうか」




熊野「そうですわね、やっちゃいましょう」




提督(鈴谷…熊野…)




ーーー




熊野「Zzz…」




鈴谷「ごめんね~ 熊野、疲れて寝ちゃってさ」




提督「い、いや構わないけど… いいのか? 俺なんかを部屋に呼んで」




鈴谷「いいのいいの~、提督はそういうことしない…ってかできないっしょ?」ニヤニヤ




提督「ぐ、ぐぬぬ…」




鈴谷「反応を見るに女の子の部屋に入ったこともなさそうですしな~」ニヤニヤ




提督「バカにしよってからにー!」キー!




鈴谷「あはは! てーとく怒った~ ウケるー!」




ーーー




青葉「カメラの用意はばっちりです!」




摩耶「へへっ、うまく撮ってくれよ、永久保存版だかんな!」




青葉「もちろんですとも!」




提督(青葉、摩耶…)




ーーー




摩耶「いやー桜がきれいだな? 提督」




提督「まったくだ、満開だぜ」




摩耶「お、あっちに青葉いるじゃん、ちょっと撮ってもらおうぜ!」




摩耶「おーい! 青葉ー! アタシたちのこと撮ってくれよーー!!」




青葉「了解しました! すぐに!」ダダダダダダ




青葉「到着!」




提督「…相変わらず写真のことになると足速いな…」




青葉「仕事ですから!」




提督「おめーの仕事は艦娘だボケ」コツン




青葉「あいてっ」




摩耶「おーい、バカやってないで撮ってくれよ」




青葉「あ、はいはいー、それじゃ行きますよー  はい、チーズ!」




パシャ




ーーー




鈴谷「せーのっ!」




ゴウン!




艦娘「「「「「「完成ーー!!!」」」」」




できたーー!




本物の磔みたーい!




いいぞーいけいけー!!




燃やせ燃やせー!




マイムマイム一緒に踊ろうね~ うん!




提督(…みんな)




ーーー




青葉「おー、みなさんが一斉に並ぶと壮観ですねー!」




提督「青葉ー、はやく来ないと映らないぞー」




提督「…よし、それじゃみんなで…せーのっ!」




提督&艦娘「「「「「「ピース!!!」」」」」




ーーー




ボォォォォォォォ




提督「…これが、走馬灯、か」




提督(なんで、こうなっちゃったんだろう…)




提督(俺はみんなのためになるべく頑張ったつもりだった…執務も、指揮も、交流も、息抜きも…)




提督(それなのに、それなのに…)




提督(なんでこんなに、ひどいことをされるんだろう…)




提督「ぁぁ…熱いなぁ」




提督「死ぬのかぁ、死ぬってどんな感じなんだろう」




提督「燃えて死ぬってすごい苦しいって本に書いてあったけど、本当かな…」




提督「…まぁ……いいや……」




提督「…」




提督「…」




ーーー




扶桑「初めまして、扶桑型超弩級戦艦一番艦、扶桑です よろしくお願いしますね」



扶桑「提督、私の艤装気になります? 大きすぎ?」



扶桑「提督、お茶をお持ちしました  熱いのでお気をつけて」



扶桑「提督、今度の遠征のローテーション案です、どうでしょうか?」



扶桑「提督の作ったお料理、すごく美味しいですね…! 私も負けていられませんね」フフッ



扶桑「提督、お疲れ様です そろそろお休みください」ニコッ



扶桑「提督… いつも一緒にいれて…私はとっても嬉しいです」



ーーー




提督「…扶桑……?」




提督「あはは、そんな顔するなよ、せっかくの美人が台無しだよ」




提督「嬉しいけど来ない方がいいよ、とっても熱いし苦しいから…」




提督「死にたくなかったなー… 扶桑、お前に好きだって言いたかった、恋人になりたかった…」




提督「もう、無理だな」




提督「ごめんな、扶桑…  大好きだ」




暗転









「・・・最初に見たのは、燃えそうになってる青あざだらけの提督だった




それまではすごく楽しかったはずのに、なぜかある一瞬でそれが冷めた




自分たちのしたことにもの凄い吐き気がした




どうして私が提督にこんなことをって、考えれば考えるほど気持ちが悪くなった、意識が朦朧とした




そしたら扶桑さんの『何をやってるの!? はやく水を!! 提督を助けなきゃ!!!』って声が聞こえて




はっと思ってもう一度提督を見たら・・・




もの凄い火の中で、提督はにたにた笑ってた




なにかをぶつぶつつぶやきながら・・・火に足を舐められながら・・・




笑ってたんだ」









鈴谷「……」




憲兵「…フン! どいつもこいつも言うことは同じか」




憲兵「『楽しかったはずだったのに』『どうして自分がこんなことをしたのかわからない』『扶桑の声で』」




憲兵「…貴様ら全員グルか?」




鈴谷「ち、ちがっ…」




憲兵「…」




鈴谷「あ、あの、提督は……」




憲兵「…はぁ…… そこまで一緒か、呆れを通り越して尊敬しそうだよ」




憲兵「貴様らにあの人に関する情報は一切与えられない、当たり前だ」




憲兵「…それは生きているか死んでいるか、すらもだ」




鈴谷「そう…ですか…」




憲兵(…もしも提督殿が生きているなどと知られたら何をしでかすか分かったものじゃないからな)




憲兵「…そろそろ時間か、戻るぞ」




鈴谷「はい…」






・・・鈴谷、熊野の監房





ギィ・・・  ガチャン




鈴谷「…ただいま」




熊野「おかえりですわ」




熊野「どうでしたの? その…尋問は…」




鈴谷「…どうもしないよ  普通に聞かれたことに答えるだけ」




熊野「そう…ですか…」




鈴谷「…」




熊野「…」




熊野「…鈴谷、顔色が悪いですわ、そろそろきちんと寝た方が…」




鈴谷「いいよ、まだ」




熊野「ですが…「うるさいよ!!!」




熊野「す、鈴谷…?」




鈴谷「鈴谷だって眠たいよ!寝たいよ!でも寝たら夢の中に出てくるんだよ!!!」




熊野「提督が、ですの…?」




鈴谷「そう…焼けて顔もわかんないけど、口元だけが笑ってる提督が、私の肩をつかんで言うんだよ…!!」




鈴谷「『お前のせいだ』って!!!」




鈴谷「その度に飛び起きて、肩をつかまれた感覚が消えなくて…!!」




鈴谷「だからっ…! だから……」




熊野「…」




鈴谷「…ごめんね、熊野に喚いたって意味ないよね…」




熊野「…明日、憲兵さんに睡眠薬をいただけるか打診してみますわ」




鈴谷「熊野…いいの? 何言われるか分かったもんじゃないよ…?」




熊野「私たち姉妹ですもの、助けあうのは当然ですわ」ニコッ




鈴谷「!  ありが、とう……!」




鈴谷「ごめ”んっ…! ぐまの”っ…!」




熊野「いいんですのよ、このくらいのこと」








・・・金剛型の監房





金剛「…」イライラ




比叡「お、お姉さま、私の分のご飯いりますか…?」




榛名「わ、私の分も…!」




金剛「…なんでそんなゴミみたいなもの食わせようとするデスカ、当てつけデスカ?」




比叡「ご、ごめんなさい、お姉さま…」




金剛「…チッ」




榛名「…あ、あの…金剛お姉さま…」




金剛「なんデスカ…」




榛名「そ、そんなにイライラしないでください… ひ、比叡お姉さまも困りますし…」




比叡「榛名…」




金剛「…この状況でイライラできない方が異常デス」




榛名「でもっ! …今は金剛姉妹で散り散りになっている時じゃないと思うんです…」




金剛「はっみんなで団結しよって? 提督をみんなでいじめていた時みたいに?」




金剛「ふざけないでくだサイ、そんなことなら散り散りになった方がましデス」




金剛「そもそも霧島はなぜここにいないのデスカ… なんで霧島だけッ…!」




比叡「霧島は今回の件にはあまりかかわっていないですから… 事情聴取だけらしいです」




金剛「んなこたぁ知ってマス でも、でも! アイツだって共犯デス!! 私たちを止めなかったアイツも牢にぶち込まれるべきデス!!」




比叡「お言葉ですが金剛お姉さまはそれを言う立場にはないと思います!!」




金剛「…あ?」




比叡「ひ、被害者の司令がそれを言うならともかく、加害者のお姉さまがっ!?」ガシッ




金剛「言葉を選んだ方がいいデス…比叡  ワタシ、今ならあなたを殺しちゃいマース…」グググ・・・




比叡「ごめん…なさい…! 離して…! 死んじゃ…」




金剛「…はぁ   言動には気をつけてくだサイ  …それじゃ、ワタシは昼寝してマス、うるさくしないでネ」




比叡「はい…」




榛名(提督がいたら間に割って入って…いつも通り冗談っぽく笑って私たちの仲を取り持ってくれたんでしょう…)




榛名(提督… 榛名たちは、あなたがいないとダメみたいです…)








・・・面会室




監視員「面会時間は15分です」




瑞鶴「ありがとう」




瑞鶴「…よいしょ…あんただけ?」




加賀「はい」




瑞鶴「あの赤いほうはどうしたのよ」




加賀「赤城さんはショックで食べ物をのどが受け付けなくなってしまい、栄養失調で倒れて点滴をしています」




瑞鶴「はっ! 自分で提督さんを傷つけて今度は自分で勝手にショックで飯が食えないですって?」




加賀「…」




瑞鶴「冗談じゃない!! そのまま野垂れ死にしちゃえばいいのに!!」




加賀「でも…私も赤城さんも本当になんであんなことしたのかわからなくて…」




加賀「…まるで誰かに操られていたような」




バァン!  ピシッ・・・




加賀「ず、瑞鶴…?」




瑞鶴「ムカつくのよあんたの態度!! 今度は誰かに操られてた!? 言い訳も程々にしなさいよ!!」




瑞鶴「アンタたちのせいで提督さんはあんなひどいケガとやけどを…」




加賀「提督は生きているんですか!?」ガタッ




瑞鶴「っ…!(つい勢いで…)」




監視員「囚人番号1456、座りなさい」




加賀「生きているなら今すぐ謝らせてください!! 許しを請うつもりはありません!! せめて謝罪だけでもッ…!!」ドンドン!




監視員「1456、座りなさい!」




瑞鶴「はっ! その前に解体処分にならないといいわね!」




加賀「待って! 待って瑞鶴!! お願いだから…!」ドンドンドン!




監視員「クソッ…! こうなったら艦娘用麻酔銃で…!」ガチャン バァン!




加賀「ぐっ…!?  お願い…だから……ずい、かく…  てい…と…く……に……」ドサッ




瑞鶴「…申し訳ないです、私のせいでお手数おかけしてしまって」ペコッ




監視員「いえいえ、仕事ですから  …それにしてもなんて恐ろしい…  自分の上司を殺そうとしておいて…」




瑞鶴「それでは失礼いたします、今後ともよろしくお願いいたします」




監視員「はい」ビシッ




テクテク・・・




瑞鶴「虫が良すぎるのよ…今更……」ブツブツ




瑞鶴「私の提督さんをあんなに傷つけておいて… 今更謝ろうなんて… 遅いのよ…!」ブツブツ














・・・提督の病室





「…とく  いとく…   ていとく   提督…!」





提督「はっ!?」




扶桑「大丈夫でしょうか? うなされていましたけれど…」




提督「い、いや、大丈夫だ  少し傷が痛むだけだ」




扶桑「本当に大丈夫ですか? 念のために診てもらった方が…」




提督「大丈夫だ、本当に… 大丈夫…」




扶桑「そうですか…」




翔鶴「…」




提督「あっそうだった、すまんな翔鶴 5:00にお前が来ることすっかり忘れていたよ」




翔鶴「い、いえいえ、わざわざ相談に来たのは私ですから」




提督「そうだ、その相談っていうのはなんなんだ?」




翔鶴「相談というより質問なんですけれど…よろしいでしょうか…?」




提督「あぁ、大丈夫だ」




翔鶴「ありがとうございます  それでは質問ですけど…」




翔鶴「提督は、鎮守府にお戻りになるつもりはありますか?」




提督「…」




翔鶴「あ、きゅ、急にすみません! 無理にというわけではないので、答えなくても…」




提督「…いやいいんだ   伝えなきゃいけないことだしな…」




提督「戻るつもりは…あるんだ」




翔鶴「!!」




提督「…危害を加えてはいなかったみんなもあんなに謝ってくれたしな」




提督「できれば戻ってきて欲しいって言ってるし…」




提督「…まぁ、俺に直接危害を加えた奴らがどうかはわからないけどな」




翔鶴「じゃあ…!」




提督「ただ…このケガでいつ退院できるか、退院したとして、軍に戻れるのか、そして…」




提督「もう一度、あいつらと面と向かって話すことができるのか…そもそも俺自身にアイツらを許す気があるのか」




提督「俺自身、わからないんだ…」




提督「だから…… 鎮守府のことについてはまだわからない」




翔鶴「そう、ですか…」




提督「明確な回答じゃなくてすまん」




提督「それに、鎮守府にほとんど人がいない状況で色々と迷惑をかけてすまない」




翔鶴「いえ、提督の口から直接頂いた言葉です しっかりとみんなに伝えます」




提督「手間を取らせる」




コンコン




瑞鶴「提督さん、失礼するね  …って翔鶴姉」




翔鶴「あら、瑞鶴 来てたのね  一航戦のお二人との面会はどうだった?」




瑞鶴「…別に  相変わらずムカつく顔してたわ」




翔鶴「…」




翔鶴「そ、そうだわ、嬉しいお知らせよ! 提督、鎮守府に戻るつもりはあるみたい!」




瑞鶴「…へぇ」




提督「なんだよ、お前も俺が戻ってくるといやか?」




瑞鶴「嫌じゃないけど、さ…  …戻ってきてまた前みたいに提督さんがいじめられちゃうのは、嫌、だから……」




瑞鶴「…なんにせよ、早く元気になってね、提督さん」




提督「たくさん食って治すさ 前みたいに毎日飯が盗られるわけじゃないしな」




瑞鶴「ん… そんな冗談が言えるようになったなら安心だね」




瑞鶴「じゃあね、提督さん」




提督「おう」




ガラガラ・・・




翔鶴「…」




提督「お前は帰らないのか?」




翔鶴「…帰ります、ですがその前に… 耳、貸してください」




提督「?」スッ




翔鶴「…本当に嫌なことだと思うんですが、一度、一度だけでいいから…捕まってる人たちとの面会を受け入れてくれませんか…?」




翔鶴「何度も何度も申請しているのに見向きもされないのは…ちょっと…」




翔鶴「許せなんて言いませんから… せめて顔だけ…生きていることだけでも…」




提督「…? 俺は申請一度も受け取ってない」




翔鶴「え…」




提督「鎮守府にいる奴らからはかなり来たが、アイツらからは一通も…」




提督「アイツらは反省すらしてないんじゃないか?」




翔鶴「そう、ですか…」




翔鶴(おかしい… 陸軍の憲兵団からは申請書発行のOKが出ていたはず… ならいったいどこで…)




翔鶴「と、とりあえず私もこれで失礼します  提督、お大事に」




提督「あぁ、ありがとう」




ガラガラ・・・  ピシャリ




提督「…ふぅ」




扶桑「お疲れのようですね」




提督「これからのことを考えると少し、な…」




扶桑「そうだわ、お茶をお淹れしますね、待っていてください」スクッ




提督「ありがとう」




扶桑「えっと…安いものしかないんですがよろしいでしょうか?」




提督「構わないよ、俺は高いとか安いとかわからないし」




扶桑「その割には美味しいものをよくご存じなようですけれど?」フフッ




提督「生まれは貧乏でも舌は高貴なのかもな」ハハッ




扶桑「よいしょ… もう少しで出来上がりますよ」




提督「あぁ…」




扶桑「…提督は」




提督「ん?」




扶桑「彼女たちを、許すおつもりですか?」




提督「…」




提督「…ごめん、まだわからない」




提督「俺は、できればみんなを信じたい…」




提督「みんなを… 艦娘という存在を…信じたい」




扶桑「確か、提督は昔艦娘に助けられたんでしたっけ」




提督「…あぁ」




提督「…俺だけが、な」




提督「もう顔も覚えていない、遠い昔のことだよ」




提督「それでも俺は艦娘に救ってもらったから… 艦娘を信じたいんだ」




提督「…けど、理性的な自分がこうも言うんだ」




提督「『まただまされて傷つくぞ』『次は死ぬぞ』って」




提督「だから、翔鶴には明確な回答を出せなかったんだ」




提督「でも、さっきも言ったけど…戻るつもりは、あるよ」




扶桑「そうですか…」




提督「…あぁ」




扶桑「…あ、お茶を忘れてました ごめんなさい、少し冷めてしまったかも」




提督「いや、ちょうどいい 俺猫舌だし」




扶桑「それはよかったです」




提督「ゴクゴク・・・」




扶桑「…私は」




提督「…」




扶桑「どんなことになろうとも、提督について行きます、提督を支えます」




扶桑「悪役を買うことになろうとも…」




提督「そうか…」ニッコリ




提督「ありがとな、扶桑…」




提督「お前がいなかったら、俺はとっくにダメになっていたよ」




提督「早く良くなって、恩返しをしないとな」




扶桑「恩なんて、そんな…」




提督「…ちょっと眠い…  少し寝るよ」




扶桑「はい、たくさん寝て、よくなってください」




提督「あぁ、おやすみ、扶桑」




提督「Zzz…」




扶桑「おやすみなさい、提督…」




扶桑「…」




扶桑「…本当にどうして、こんなことに…!」




扶桑「…はぁ、後悔しても仕方ないですね 私も戻って提督の代わりに書類をまとめないと…」







ガラガラ・・・  ピシャリ








提督「…」パチッ




提督「…そろそろいいぞ、あきつ丸」




あきつ丸「よろしいのですかな? まだ扶桑さんがかえって五分ほどだというのに他の女を連れ込んで」ガラガラ・・・




あきつ丸「悲しむでしょうな」ククク




提督「冗談はよしてくれ お前と不倫なぞ反吐が出る」




あきつ丸「あらら、このあきつ丸、今フラれてしまいました」




あきつ丸「初恋だったのですがねぇ~!」




提督「…その辺にしろ」




あきつ丸「申し訳ない、こういう性格でして」




あきつ丸「それで? 頼みとは何でしょう」




提督「牢に入っている奴らと会って話がしたいんだ」




あきつ丸「…物好きでありますな、提督殿も」




提督「物好きでもバカでも結構  俺は一度はアイツらから直接話を聞きたい」




あきつ丸「…青葉から押収したビデオの映像を見せていただきましたがあれはひどい」ハァ




あきつ丸「普通の人間なら艦娘恐怖症や女性恐怖症にまでなってもおかしくないであります」




提督「…連れてこれるような安全そうなやつでいい」




あきつ丸「…はぁ、全くしょうがないでありますな」




あきつ丸「あくまで、捜査の一環、ということでしたら、可能でしょう」




提督「ありがとう、誰が行けそうだ?」




あきつ丸「うーん…どいつもこいつもなにしでかすかわからないでありますからな…」




あきつ丸「まぁー…」




あきつ丸「大人しい白露たちくらいですね」




提督「…そうか それ以外の奴はどうなってるんだ…?」




あきつ丸「鈴谷、熊野は比較的大人しいですが今回の主犯ともいえる存在…やめておいたほうがいいであります」




あきつ丸「赤城は食べ物がのどを通らず栄養失調、加賀はさきほど暴れて独房行き…」




あきつ丸「金剛たちはものすごい険悪なムードなのでこっちが嫌ですし」




あきつ丸「摩耶は態度が悪いので個人的に嫌いであります」




あきつ丸「青葉はまぁ大人しくしてますが…信頼できないですし」




あきつ丸「他もほとんど同様です、ぶつぶつと何かつぶやいていたり」




あきつ丸「はたまた自傷行為をしようとして止められたり…まったく手間のかかる」




提督「すまない  …阿賀野たちなんかどうなんだ? しっかり者の能代と矢矧がいるし…」




あきつ丸「あー… そいつらは少し厄介であります」




提督「そうか…」




あきつ丸「まぁ、矢矧は正気を保っているので連れてきましょうか?」




提督「(正気…?)あ、あぁ、頼む」




あきつ丸「了解であります …では、白露型、矢矧を連れてくるということで…」




提督「日程はずらしてで頼む」




あきつ丸「こちらの事情でかわることもありますが、まぁ大丈夫でしょう」




あきつ丸「来てもよろしい日を後でお伝えください、それでは」




提督「ありがとう」




あきつ丸「報酬に期待するであります」




ガラガラ・・・  ピシャリ








・・白露型の監房





時雨「…」




夕立「…ねぇ、いつになったらここからでられるっぽい…?」




白露「…わからないよ 私たちは許されないことをした」




白露「もしかしたら、ずっとここにいるままかもしれない…」




夕立「そ、そんなの嫌っぽい!!」




村雨「…私たちはそうなっても仕方のないことをした…そうでしょう」




夕立「そ、そんなっ…!」




夕立「も、もう、てーとくさんには、会えないっぽい…?」




時雨「…」




白露「…」




村雨「…」




夕立「ね、ねぇ、もしかしててーとくさんって…」




時雨「…夕立…!」




あきつ丸「お嬢さん方、おしゃべり中失礼するであります」




夕立「あなた、誰っぽい?」




あきつ丸「私の名前はあきつ丸、と申します 陸軍ではありますが私も艦娘です」




あきつ丸「以後お見知りおきを」ニコッ




時雨「陸軍さんが僕たちに何の用かな? 取り調べなら喜んで受けるけど…」




あきつ丸「まぁそんなとこであります ボディーチェックもあります故、変なものは持ってこない方がよいですよ」




時雨「そうかい、ならすぐに支度をするよ  …みんな、準備して」




あきつ丸「そんなに焦らなくてもいいでありますよ~」ニコニコ




あきつ丸(…駆逐艦とはいえ、この時雨というのは優秀でありますな 提督がいなくてもしっかりと教わった通り皆を統率している、まるで…)




あきつ丸(よく躾けられた番犬のようでありますな)ククク




あきつ丸(それに対してこの夕立というの、直感などには優れそうですが、頭の方がアレでありますな)




あきつ丸(さしずめ、野犬といったところでしょう)




時雨「待たせたね、行こう」











・・・







あきつ丸「一応、全部確認したであります」




あきつ丸「所持品、体の中、精神状態などなど」




あきつ丸「念のため私の部下をつけていますがまぁ…大丈夫かと」




提督「助かる」




あきつ丸「えぇ、報酬はいただきましたからね」ニコッ




あきつ丸「それでは入れますね」




ガチャ・・・




時雨「お、お邪魔しまーーーーッ!!?!!?!?」




白露「!!!」




村雨「あーーーあぁ………!!!」




夕立「ていとくさん、なの……? ほんもの…?」




提督「あぁ、俺だ」




白露「提督!? 本当に!?」




提督「ああ」




時雨「あぁ!! ていとく、ていとくぅ!!!」




時雨「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!」




白露「本当にごめんなさい…!!」




村雨「私たちは許されないことをしました…」




夕立「お願い…っぽい…」




時雨「夕立! 今は『ぽい』なんてふざけている時じゃないだろう!?」




夕立「あっ、ご、ごめん、なさい…」




時雨「君は昔からそうやって…」




提督「…謝るのはもういい」




時雨「それって…!」




提督「勘違いするな、今は聴取だ お前らが謝る時間じゃない」




時雨「そ、そうだった、いいえ、そうでした…」




提督「それではいくつか質問をしよう、憲兵に聞かれたことかもしれないが、気にしないでくれ」




白露「は、はい」




提督「一つ目、お前らに俺を傷つける意思があったのか、ということ」




村雨「そんなもの、ないに決まって…」




提督「…それは本当か?」




村雨「…」




提督「…俺は『今の状態のお前ら』ではなく、『あの時のお前ら』にその意思があったのか、ということだ」




白露「…」




夕立「あった…っぽい」




時雨「…!!」




村雨「夕立…」




提督「…本当だな?」




夕立「…うん  なんでかはわからないけど、もの凄くてーとくさんを…その…いじめたかったっぽい」




提督「そうか」




夕立「あ、で、でもね…! 今はそんな気はまったくないっぽい…! だから……だから………」




提督「…   他はどうだ」




白露「…私も」  村雨「私も、実は……」




時雨「…僕も、あったと……思う」




提督「…そうか」




提督「では次   それは殺意だったのか?」




白露型「「「「……」」」」コクッ




提督「次  ではなぜ最初から殺さなかったのか」




夕立「え、えっと…最初は、みんな提督さんのことがなぜか嫌になってきて…」




白露「それで…いじめ始めたの」




村雨「殴ったり、けったり…でも」




時雨「…段々提督の反応が、面白くなくなってきちゃったんだ、だから……」




提督「最後は明るくキャンプファイヤー、と」




時雨「…」




提督「では次  俺への苛立ちを感じるようになったのは、いつからだ?」




時雨「…それは…」




白露「…確か」




夕立「…」




村雨「…思い出せないわ…  ごめんなさい…」




提督「…そうか、わかった もういい、下がれ」




白露「…え、これでいいの? まともな情報はなかったと思うんだけど…」




提督「確かにな  だがまぁ、こうやって久々に顔をあわせることができたからいいじゃないか」




時雨「…その、提督…」




時雨「…本当に、ごめんなさい…」




提督「もういい、謝罪は飽きた」




時雨「……ごめんなさい…」




提督「帰ってくれ、監房では静かにな」




時雨「……うん」




提督「…それから」




時雨「なんだい?」




提督「お前らを許してはいないが、もう恨んではいない」




夕立「…それって…!」




提督「…せいぜい、騒ぎを起こさないようにな」




時雨「…うん!!」 








・・・






矢矧「…嘘、でしょ…?」




提督「生きていてはいけなかったか」




矢矧「違うの…違うのよ…! あの時は、ごめんなさい…本当に」




矢矧「でもよかった…本当によかった…!!  これでみんな治せるかもしれない…!」




提督「…そういえばあきつ丸が正気どうのと言っていたな、どうしたんだ」




矢矧「あなたの質問が先でいいわ」




提督「…いや、単調な質問にも飽きた 教えてくれ」




矢矧「…それじゃあ話すわ」




矢矧「気を悪くしないでね」





ーーー




矢矧「ねぇ、阿賀野姉、能代姉… ご飯、来たわよ…」




阿賀野「ご飯!? やったー! ねぇねぇ提督さん、ご飯食べよ?」ハイライトオフ




ぬいぐるみ「」ボロボロ




能代「ちょっと阿賀野姉! すぐに食べようとしないで!机の上を片付けてからにしてよね?」ハイライトオフ




ぬいぐるみ「」




能代「ほら、提督さんだって困ってるじゃない!」




阿賀野「ホントだぁ~、ごめんね?提督さん」




酒匂「…」ブルブル




矢矧「酒匂、大丈夫…?」




酒匂「怖いの…」




矢矧「…何が?」




酒匂「阿賀野お姉ちゃんと能代お姉ちゃんには、司令が見えてる…んだよね?」




酒匂「ね、ねぇ…? どうして酒匂には司令が見えないの? 司令? 司令!?」




酒匂「私にだけ司令が見えない…! それがとってもとっても怖いの!! なんで!? どうして!??!?」




矢矧「…」




酒匂「怖い怖い怖い…!!」ブルブル・・・




矢矧「…大丈夫よ、私にも、提督が見えないから」




酒匂「…ほんと? えへへ、矢矧お姉ちゃんと一緒なら大丈夫だね、ぴゅう!」




矢矧「えぇ、そう…ね……」




ーーー




矢矧「これが、私たちの現状よ」




矢矧「いえ、私たち姉妹だけじゃない… 他の娘だって多分…」




矢矧「悪いのは私たちだってわかってる、でも…」




矢矧「それでも私たちを、救ってほしいの…!」




矢矧「お願い…します!!」ドゲザ




提督「…」




提督「…顔をあげろ、矢矧  今は頼まれてもどうしようもない」




矢矧「…そう、ね ごめんなさい…」




提督「…」




提督「…少しだけ安心するといい、俺はもう…」




提督「…これ以上お前らを恨まない」




矢矧「…!!  ありが、とう…!」




提督「…そんな顔をするな、せっかくの美人が台無しだ」




矢矧「ひっ、えぐっ! 本当に、ありがとう…ございます、ありがとうございます…!!」




提督「おいおい、泣くな これから俺の質問をするってのにまったく…」















あきつ丸「ふぅ… 一応口止めはして返したであります」




あきつ丸「アイツら、頑固すぎるであります 帰らせるのに1時間はかかったであります」




扶桑「…よろしかったのですか?」




提督「何がだ」




扶桑「許してはいないが、恨んでない、なんて…」




提督「嘘でもいいから希望を持たせないと壊れちゃうからな、特に駆逐、軽巡はな」




扶桑「そうですか…」ホッ




提督「…どうして安心するんだ?」




扶桑「いえ、彼女たちの行動がまた提督を騙す罠である可能性も否定できませんので…」




扶桑「まだ疑いの目を持っていることはいいことだな、と」




提督「そうか」




提督「…」




提督「…朝、瑞鶴から電話があった」




扶桑「ありましたね、こんな早い時間に、と思ったものです」




提督「…鎮守府に戻るな、という話だった」




扶桑「…」




提督「…もうこれ以上、俺を危険にさらしたくないって」




提督「…まったく、いい奴だ」




扶桑「…」




提督「…だが」




提督「だからこそ戻る」




提督「もう一度、アイツらを見定めてみる」




扶桑「…そうですか」




提督「…お前にはまた、面倒をかけることになる…」




扶桑「…いえ、この扶桑、提督の行かれるところならばどこへでも」




提督「そうか、本当にお前には頭が上がらないな」ニコッ




提督「あきつ丸、アイツらの出所は可能か?」




あきつ丸「はぁ、それは少し難しいであります」




あきつ丸「残念ながら、彼女たちのやったことは殺人未遂であります」




あきつ丸「世間的な目もありますし、今すぐ、というのは無理な話であります」




提督「そうか…なら」




提督「拘置所の講堂に皆を集めることは?」




提督「色々とみんなの前で話がしたい」




あきつ丸「随分と簡単に言ってくれるでありますな、まぁそれなら一応」




提督「頼む」




あきつ丸「…まったく、どれだけ陸軍を使えば気が済むんですかね、海軍さん?」




提督「…すまん」




あきつ丸「…まぁいいであります、それより提督殿は立てるのですかな? その傷で」




提督「リハビリはしているが…まぁ車椅子だろうな」




あきつ丸「そうありますか 罪の意識を感じさせるにはちょうどいい演出でありますな」ハハッ




提督「そういうつもりでは…」




あきつ丸「わかってるでありますよ、まったく素直でありますな~」




提督「まったく…  少しトイレへ行きたくなった、リハビリも含めて歩いていくよ」




扶桑「あ、ご一緒します」




提督「いや、歩きながらあきつ丸と話を詰めたい 手伝ってくれるか?」




あきつ丸「厠の中まででありますか?」ククク




提督「ったく…」




提督「あ、松葉杖取ってくれ」




扶桑「どうぞ…」




提督「ありがとう、すぐ戻るよ  …よいしょ」




ガラガラ・・・  ピシャリ




扶桑「…」










・・・廊下






提督「…海軍のとある薬を探してくれ」




あきつ丸「…ほう? 薬とな…ヤクでもキメたくなったでありますか?」




提督「馬鹿馬鹿しい  薬品名はわからないが効果はわかっている、調べてくれないか」




あきつ丸「…薬品名もわからないものを探せって、結構難題でありますが…?」




提督「…例えばそれが海軍全体を脅せるようなことに使われたような代物だったとしても、か?」




あきつ丸「…効果は」




提督「ありがとう  効果は艦娘を凶暴化させるもの、だ」




あきつ丸「…つまりは今回…いや、前回から提督殿の艦娘のみが凶暴化する理由探しをするわけですな」




あきつ丸「もし仮に彼女たちが薬の効果によって提督殿に危害を加えていたという証拠があれば、彼女たちを釈放できる…」




あきつ丸「そういうことでありますな?」




提督「端的に言えばな」




あきつ丸「わかりました 不肖あきつ丸、精一杯努力いたしましょう」




提督「頼む」




あきつ丸「…ですが」




提督「?」




あきつ丸「提督殿は彼女たちが何らかの外的な要因で提督殿を殺そうとしたとお考えでありますが…」




あきつ丸「その確証はどこから来るのです? 扶桑殿の言う通り、彼女たちがまだ演技をしている可能性だって…」




提督「その時は俺が死ぬまでさ」




あきつ丸「…それでいいのでありますか」




提督「あぁ、元より俺は二度も死んだ身… それを助けてくれたのは艦娘だからな もう一度くらい信じたい」




提督「それに、俺が死んだって代わりがいくらでもいるさ」




提督「お前とかどうだ、結構向いてると思うぞ」




あきつ丸「遠慮するであります、私は出世にしか興味のない女でありますから」




提督「そうか、残念だよ」




あきつ丸「それに、提督殿が死んだら私が困るであります」




あきつ丸「あなたに売る予定のたくさんの恩は誰に売ればいいでありますか」




提督「…遺産としてお前に渡そうか?」




あきつ丸「金より地位がいいであります」




提督「正直者め」








提督「色々と頼みこんでしまってすまない」




あきつ丸「言ったであります、恩はたっぷりと利子をつけてかえしてもらうであります」




提督「そうだったな お前は仕事たっぷりだろ、もう帰れ」




あきつ丸「ではお言葉に甘えるであります、失礼」




提督「じゃあな」




提督「さて、トイレトイレ…」




あきつ丸(…3歳のとき深海棲艦に家族を殺され、すんでのところで艦娘に助けられ…)




あきつ丸(提督になって艦娘により瀕死になり… でも助けてもらった恩から艦娘を信じて提督に戻り)




あきつ丸(またも艦娘によって火に沈みそうになっていたところに、正気に戻った艦娘に助けられた…)




あきつ丸(だからもう一度だけ信じてみる、でありますか)




あきつ丸(命を助けられた分だけ、信じてみる、ですか…)




あきつ丸「…その考え、相当に危ういでありますな」




あきつ丸(ですがまぁ… 私もあなたを信じてみるであります …なんせ)




あきつ丸(面白そうでありますからな!)ククク





・・・





提督「ただいま」ガラガラ・・・




扶桑「提督! 遅かったので心配しました…」




提督「すまんすまん、あきつ丸と話していたらな」




扶桑「…最近、仲がいいですよね あの方と」




提督「そりゃ今回の件を調べてるんだからな、関わって情報を集めないと」




扶桑「そうじゃないです… 私的に、こう…」




提督「あはは、そんなわけないじゃないか  大声では言えないけど、アイツ結構性格悪いからな、多分」




提督「俺は性格悪い奴無理だから」




扶桑「そう、ですか…」




提督「…?」




扶桑「それと… 本当に戻られるんですね」




提督「…あぁ、いつまでも病室でってわけにもいかない」




提督「俺も動かないと」




扶桑「…わかっています、わかっていますけど……」




扶桑「…それでも私は…怖いのです…!」




扶桑「もう一度、提督が傷つくかもしれないことが…!」




提督「確かにな」




提督「もしあいつらが本当に俺に悪意を持っていたら、俺はまた傷つくかもな」




扶桑「…だったらっ…!」




提督「それでも、俺は信じてみるよ」




提督「…信じたいんだ、艦娘を」




扶桑「提督…」




提督「それに、俺が死んだって…」




扶桑「私が悲しみますッ…!」




提督「扶桑…」




扶桑「一人にしないでください、私を…!」




扶桑「山城みたいに、一人で行かないでください…!!」




扶桑「あなたすら失ったら、私は…どう生きれば…!」




提督「…大丈夫さ、もしも…」




扶桑「大丈夫じゃありません!! 私はっ…!」




提督「…」ニコッ




扶桑「…そんな顔をしないで下さい…! なんで…!」




提督「…提督が艦娘を信じなきゃ、誰を信じろって言うんだ」




扶桑「…!!」




提督「酷いことをされた、死にかけた、でも…」




提督「俺には確かに、アイツらと歩んだ確かな記憶がある」




提督「だから信じる」




扶桑「…どうして、そこまで…」




提督「…昔、遠い遠い昔、艦娘に助けられた」




扶桑「…知っています」




提督「…その艦娘は、その後沈んだんだ」




扶桑「…」




提督「…俺を守って、かばって、沈んだ」




提督「…最後になんて言ったと思う?」




扶桑「…」




提督「…『私の未来をあなたに託すわ』って」




提督「…どうして?何で俺なのって聞いたんだ、そしたら…」




提督「…『あなたの未来を信じたからよ』って」




提督「…なんで信じられるの? 赤の他人の俺をって聞いた」




提督「…『艦娘が人間を信じなきゃ、誰を信じるのよ』って答えたんだ」




提督「…『あなたが誰であれ、私はあなたの未来を信じたの、だから私はあなたを守ったのよ』」




提督「…『強くなりなさい、赤の他人でも信じられる私みたいにね』」




提督「…俺は信じるさ、アイツらは赤の他人なんかじゃない、家族だ」




提督「家族を信じられなかったら、おしまいだ  あの人にあっちで怒られちまうよ」




扶桑「…そう、だったんですか」




提督「あぁ、だから……」




扶桑「…わかりました」




扶桑「…早速資料を作成しますね」




提督「扶桑…」




扶桑「これからはあなたも忙しくなりますよ」フフッ




提督「あぁ! もちろんだ!」




扶桑「それではいったん鎮守府に戻ります、それでは」




提督「あぁ、本当にありがとう!」




ガラガラ・・・ ピシャリ













ーーー




山城「姉様っ…!」




扶桑「山…城…」




山城「大丈夫ですか、姉様!? お怪我は…」バチーン!




山城「え… どうして、姉様…なんで私のことを叩いたんですか…?」




扶桑「どうしてあなたはあの時私を助けたの!?」




山城「え、だってそうしないと姉様が…」




扶桑「私を助けていたせいで、周りにいた大勢の人が犠牲になったのに!?」




山城「…だ、だって、私は… 姉様が…」




扶桑「山城、覚えておきなさい…!」ガシッ




扶桑「私たち艦娘は人を守るのが仕事なの…!! もしも…」




扶桑「もしも私が死にかけていても、他の『人』を助けなさい!!」




扶桑「例え自分を犠牲にしてもっ…! 他の誰かを助けなさい…!」




扶桑「それが、私たち艦娘がしなきゃいけないことよ」




山城「…はい」




山城「わかりました…! 扶桑姉様!」




扶桑「…約束よ?」




山城「はい! 私、姉様との約束なら絶対守ります!」




ーーー







扶桑「約束、守ってくれたのね…」




扶桑「…山城、あなたは……そう、だったのね」




扶桑「…」




扶桑「…それでも、私は…」













・・・提督による講演当日






金剛「…面倒デス、講堂で何をするって言うのデスカ…再犯防止の講習デスカ?」




比叡「わ、わかりません、けど… 鎮守府にいたはずの子も来てるからそうかも…」




金剛「…ン? 鎮守府にいたはずの? ということは霧島も来ているデスカ!?」




比叡「…恐らく」




金剛「…アイツ…会ったら許さないデス」




榛名(…あれは霧島…!? ダメ、今来ちゃ…!)




霧島「…お久しぶりです、お姉様方、榛名…」




比叡「あ…霧島…… ひ、久しぶr「ちょっと来いデス」グイッ




霧島「はい…」




ドンッ




金剛「…どうでしたカ? ワタシたちを牢にぶち込んでの生活は?」




霧島「…ごめんなさい…」




金剛「…謝罪してもらいたいんじゃないんデスヨ、こっちは」




霧島「…ごめんなさい…」




金剛「…話にならないネ」




金剛「…殴ればわかりますかネ?」




比叡「金剛お姉様、それはっ…!」




金剛「…またたてつくデスカ?」




榛名「…金剛お姉様は、勝手すぎますっ!」




金剛「…あ?」




比叡「榛名…」




榛名「いつもいつも、自分を中心に話しています!!」




榛名「自分は悪くない、自分も悪いなら相手も悪いはずだって…!」




榛名「そんなお姉様は、嫌いです!!」




霧島「榛名…」




金剛「…まったくどいつもこいつも、私を悪者扱いデスカ」




金剛「…いい度胸デス、お姉ちゃんに対して…」チョンチョン




金剛「…なんデスカ、今大事な話を…」




提督「そうだよな、お姉ちゃんは偉いよな」




金剛「…そうデス、一番強い…え……?」




比叡「う、嘘…」




提督「でもな、だからといって相手にそれを強いるのは」




榛名「そんなっ…!」




提督「覇道って言うんだぜ?」




金剛「…テイ、トク、…ですカ…? 本当に…?」




提督「あぁ、足も地面についてる、幽霊じゃないぜ?」




比叡「司令…司令…!! 生きていたんですか、あぁ! よかった、本当に…」




榛名「あ、あの、提督…私たち本当に…」




提督「謝罪はいい、それよりも…」スッ




金剛「…Ouch!?」コツン




提督「ったく、俺のいない間に随分と偉くなったもんだな」フフッ




金剛「あ、え、いえ、違うんデス!! これは…その…ご、ごめんなs「俺よりも先に…」




提督「こいつらに謝ろう」




金剛「そうデシタ……み、みんな…ご、ごめんなサイ…」




提督「ほら、お前らも」




霧島「だ、大丈夫ですよ、気にしてないですから」 比叡「はい!」 榛名「大丈夫です!」




金剛「本当デスカ…?」




比叡&榛名&霧島「「「もちろんです! 金剛お姉さま!」」」




金剛「Sisters---!!」ダキッ




金剛「お姉ちゃん、酷い態度をとってしまってごめんなサイ! これからいっぱい優しくしますカラ!!」




金剛「これからも、ワタシの立派な妹たちとして一緒にいてくだサイー!!」




ウワァァァン!!




提督「…」クルッ




金剛「待ってくだサイ! 提督!」




提督「…よかったよ、お前らが仲直りできたみたいで」




金剛「待って、まだワタシ、提督に謝れてないデス!」




提督「俺への謝罪なら、この先いつでもできるさ」




比叡「…それってもしかして…」




提督「…あぁ、この先鎮守府で、いくらでもしてもらうさ」




榛名「!!」




提督「謝罪の代わりに、活躍をな」ニコッ




霧島「…えぇ、もちろんです、司令」




提督「…さて、行った行った そろそろ俺の素晴らしい講話のお時間だ」




比叡「あ、司令のお話だったんですね、集められた理由は」




金剛「提督に素晴らしい講話トカ、笑っちゃいマース!」




提督「言ってくれるじゃねぇかこのー!」コチョコチョ




金剛「あはは、やめるデス! くすぐったいデース、あはっ、あひゃひゃ…!」




榛名「…よかった」




霧島「何が?」




榛名「…霧島、私久々に金剛お姉様が心から笑ってるのを見たの」




霧島「そうだったのね  …全部、司令のおかげね」




榛名「…うん、本当に…」




榛名「…私たちはいい提督を持ったわね」ニコッ




霧島「えぇ、そうね」ニコッ




扶桑「…提督、そろそろ行きましょう」




提督「あぁ、すまない 手のかかる姉妹の面倒を見ていたからな」




提督「さて、そろそろ行こうか」




榛名「待って下さいー!私たち場所がよくわからなくてー!」 霧島「こっちですよ、お姉さま、榛名」 比叡「流石艦隊の頭脳!」




金剛「…お久しぶりデス、扶桑」




扶桑「えぇ、本当に久しぶりですね、金剛さん」




扶桑「元気そうでなによりです、病まれては困りますから」




金剛「…提督は、本当にワタシたちを許しているのデスカ…? それだけが心配デス」ヒソヒソ




扶桑「私にもわかりません、ただ…」ヒソヒソ




扶桑「あなた方のやったことはそうそう許せるものではない、と私は思いますけれど」




金剛「そう、デスカ…そうですよネ…  そんなにすぐ、許されるワケないですよネ…」




提督「おーい二人共なにやってんだー? 置いていくぞー?」




扶桑「あ、はい! ただいま参ります!」




金剛「…提督……」







・・・講堂





ガヤガヤ・・・  




摩耶「ちっ、ぅるせぇな… 耳障りなんだよ  ったく…」




阿賀野「あ、ご、ごめんなさい…」




能代「すみませんでした、摩耶さん」




摩耶「わかればいいんだよわかれば」




阿賀野「…あとで提督さんに言いつけてやるんだから…」ボソッ




摩耶「…てめぇ、今なんつった?」




阿賀野「…あとで提督さんに…」




摩耶「提督だァ!? アイツはもういねぇんだよ、死んだんだよ! アタシが!殺したんだよ!!!」




ザワザワ・・・  マヤサン?  マタカコワイナァ  チカヅカナイヨウニシヨ




摩耶「いい加減現実見やがれってんだ!!  お前らはどんだけ夢に逃げりゃ気が済むんだよ!?」




阿賀野「だって、だって提督さんは、提督さんは…」




阿賀野「阿賀野たちが…… 殺した……?」




能代「ッ!? 阿賀野姉! ダメよ、考えないで!! こんな奴の言うこと…!」




阿賀野「私たちが、提督さんを…燃やして…あぁぁああああああ!!!!」




摩耶「はっ! いいザマだぜ! 一人だけ現実から目ェ背けやがってよ!!」




摩耶「アタシらにはんなもんねぇんだよ!」




鈴谷「…ちょっと摩耶、やめなよ」




熊野「そうですわよ、これ以上騒ぐと…」




摩耶「黙れェ!! いいか!?もうアタシにとっちゃ何もかもどうだっていいんだよ!!」




摩耶「昔の仲間? 同じ釜の飯を食ったもん同士? 知らねぇよ!!」




摩耶「今すぐてめぇらを皆殺しにすることになんの躊躇もないぜ? もちろんアタシが死ぬことだってな!!」




摩耶「あははッ!! なんなら今すぐここで暴れて死んでやろうか!?」




ヤバイヨ・・・!  ダレカケンペイサンヨンデ!  




金剛「ちょーっと待つデース!!」バァン!




摩耶「ちっ、戦艦かよ…」




比叡「皆さん、落ち着いて… 座って下さい!」




榛名「…お願いします!」




霧島「摩耶…」




摩耶「…んだよ」




霧島「…」バチーン!




摩耶「…ってぇ!? 何しやがるこの野ろっ…」




霧島「…死ぬならあなた一人で勝手に死になさい」




霧島「他の子たちに迷惑をかけないで」




霧島「一人でひっそりと死ぬだけならいいわ、私が許可する」




摩耶「…はっ! そうかよ、じゃあ死んでやろうじゃねぇか…」




霧島「…まぁそれも…」




提督「俺がが許せばだけどな」




摩耶「…は?」




阿賀野「嘘、提督さん……?」




能代「…え………」




鈴谷「…てい、とく…?」




熊野「本物、ですの…? 正真正銘、私たちの…」




加賀「……よかった」




 「提督が… 帰ってきた…」  「提督が帰って来たんだよ!!」 





提督「こらこら、言ったろう、静粛にと」




提督「積もる話もまぁ… あるだろうが、まずは…」




提督「…ただいま」






・・・




提督「…今回の件、俺はお前らのことを許そうと思っている」




提督「殺されかけはしたが、その後は俺を必死に助けようとしたらしいし…」




提督「反省もしているようだからな」




提督「まぁ、摩耶みたいに自暴自棄になるやつもいたけどな」ハハッ




摩耶「…」




提督「…とりあえずは、お前らを信じてみるよ」




提督「これでもしお前らが反省していたのが演技で、また俺が殺されかけたら笑いもんだけどな」




鈴谷「それ、笑えないよ? 提督」




提督「そうか? 皮肉っぽくて面白いと思うけど…」




熊野「今度また私たちが提督を傷つけるようなこと、するわけないですわ!」




提督「…そうか」




提督「なんにせよ、俺は鎮守府に戻ろうと思う」




提督「…牢に入ってるやつは多少の時間ここのままだろうが…釈放され次第艦隊に戻ってもらう」




提督「鎮守府にいるやつは俺のケガが治り次第、またバリバリとこき使ってやるからな!」




摩耶「…提督はよ…」




提督「? どうした、摩耶」




摩耶「アタシたちのこと、怒ってないのか?」




提督「…」




摩耶「悪いけど、普通の神経してるなら、こんなことされてほいほい許すことなんかできないと思うけど…」




提督「…ま、正直な話、本気で許せるかと言われれば微妙だわ」




加賀「…」




提督「…傷は痛むし、病院食は不味い、リハビリは辛い」




提督「こんな風になったのはお前らのせいだからな」




阿賀野「…ごめんなさい」




提督「…まぁ」




提督「お前らが素晴らしい活躍をして、俺がすごーく昇進したら許すかもな!」




摩耶「…!」




提督「そん時まで俺はお前らを捨てるつもりはない、だからよ」




提督「お前らも俺についてきてくれるか?」




提督「贖罪なんて思わなくていい また、1から一緒にやり直そうぜ」




摩耶「当たり前だっ…! いつまでも、どこまでもついていく…!」




阿賀野「阿賀野たちもだよ!」




鈴谷「鈴谷たちも!」 熊野「ですわ!」




「あたしも!」  「あたしだって」  「地獄の底までついていくわよ」  「ぼのぼのそれは遠回しの告白?w」  


「違うわよ!?」  「い、今そういう時間じゃないでしょー!?」  




ワイノワイノ  




矢矧「…ふふっ、賑やかなものね」




時雨「…うん、提督が入ってくる前の雰囲気が嘘みたいだ」




夕立「てーとくさんは人を笑顔にする力があるっぽい!」




提督「よせよ、褒めても何も出ないぞ」




村雨「その割に顔が赤いわね~」




白露「提督を褒め殺してやろうか~」ヘヘヘ




提督「提督褒められて伸びるタイプなんですぅ~!」




鈴谷「あ~! 提督今私のマネしたー!」




提督「可愛かったろ?」ニヤッ




熊野「正直1mmも可愛くなかったですわ」




提督「嘘!? 結構自信あったのに…」




摩耶「あれで自信あったとかほんとかよ…」




提督「…じゃあお前がやってみろよー!」




摩耶「ぅえっ!? アタシかよ!?」




阿賀野「いいじゃないの! 摩耶さんなら可愛いと思うわ!」




提督「ほらほらほらほらー! みんなの前でー!」




摩耶「ちょ、まて、待ってってー!?」




あははー  いいぞー  摩耶さん照れてるー!  




提督「ひひっ」




翔鶴「…提督、お楽しみのところ、ちょっとよろしいですか?」ヒソヒソ




提督「ん? どうした」




翔鶴「ここにはいないんですが、あとで病室にいる赤城さんに会ってあげてください」




提督「わかった」




翔鶴「…それから… 瑞鶴は来ませんでした…」




翔鶴「提督を傷つけた連中と一緒にいたくないって…」




提督「…わかった わざわざありがとう」




翔鶴「はい」ニコッ




提督「…そうだ、翔鶴もやるか?」ニヤッ




翔鶴「はい? 何をです?」




提督「急遽始まった艦娘声真似選手権」




翔鶴「え、えぇ!?」




金剛「お、翔鶴もやるデース? 面白くなりそうデス!」 




翔鶴「い、いえ、私はー!?」




榛名「マイクをどうぞ!」




翔鶴「ちょ…」




加賀「…翔鶴」




翔鶴「加賀さん! あなたならわかってくれますよね!? 私がこういうのすごい苦手だって!?」




加賀「諦めなさい、私だってやったのだから」ニコッ




翔鶴「そ、そんなーー!?」




提督「さぁ、次行ってみよう! 翔鶴ーー!」




「「「「わーー!」」」」パチパチパチ




扶桑「…」















・・・尋問室




ワイワイ・・・  ガヤガヤ・・・




あきつ丸「ったくうるせぇでありますな」




あきつ丸「拘置所の講堂はバカ騒ぎする場所じゃないでありますよ」




あきつ丸「あなたもそう思うでしょう? 青葉殿」




青葉「…そうですね」




青葉「でも提督が生きているとわかったら、ああもなりますよ」




あきつ丸「…やっぱりわかっていたでありますか」




青葉「記者に必要なのは編集力、推測力、撮影力、視力そして…地獄耳ですから」




あきつ丸「…はぁ、憲兵たちの発した断片的な情報をひっかき集めて推測したと」




あきつ丸「ぜひうちに欲しいですな  青葉殿、陸軍に来る気は?」




青葉「ありません」




あきつ丸「もったいないでありますな~、うちにいればでっちあげもし放題であるというのに!」




青葉「…早く本題とやらに移って下さい」




あきつ丸「つれないでありますなぁ~ まぁいいであります」




あきつ丸「聞きたいのはとある薬のことであります」




あきつ丸「CHM-78というのをご存じですかな?」




あきつ丸「陸軍ではいくら調べても大した情報が出てこないであります」




青葉「…答える義務は」




あきつ丸「これがあなた方が提督殿を殺しかけた原因だったとしても?」




青葉「…CHM-78はかなり前に海軍で作られていたものです」




青葉「試作と言った方が正しいですが」




あきつ丸「効果は?」




青葉「艦娘のみに作動する、いわゆる凶暴化装置のような役割です」




青葉「凶暴化とともに火力をあげることができるので、出撃前に服用することで深海棲艦への対処を容易にするために使われる予定でした」




あきつ丸「…それで?(ここまでは掴んだ情報と同じでありますな)」




青葉「…しかし実験を行った艦隊が暴走、その指揮官を殺してしまいました」




あきつ丸「ほう?」




青葉「…殺す気はなかった、そう言っていたそうですが…」




青葉「その指揮官はたいそうな横暴を行っていたそうなので、恨みを持った艦娘による仕業、として処分」




青葉「しかし、薬の研究は続けられました」




青葉「…そして事件は起こりました」




青葉「…二十五年前の、あの大惨事」




あきつ丸「…二十五年前…!? まさかあの…」




青葉「…はい  駿河湾フェリー襲撃事件です」




あきつ丸「…は、ははっ… なんと…あの事件は……艦娘が…」




青葉「はい 公式には深海棲艦による襲撃とされていますが、あれはこの薬を服用した艦娘の暴走事件…」




青葉「…暴走した艦娘がたまたま民間大型フェリーを撃ち、それを阻止しようと出動した艦娘が撃ち合った結果…」




青葉「…暴走艦娘、6人全員 阻止部隊艦娘、1人、そして…フェリーの乗客58名が死亡しました」




青葉「生き残ったのは阻止部隊艦娘が5人、フェリーの乗客13名だけでした」




あきつ丸「…そうでありますか」




あきつ丸「亡くなった艦娘の名前等、教えていただいてもよろしいでしょうか」




青葉「…ごめんなさい… あの時の情報はもう残っていないんです」




青葉「話によれば阻止側の艦娘も皆さんその後戦死しているようですし、話を聞くことも…」




あきつ丸「それは残念…」




あきつ丸(…提督殿、あなたがこれを知ったらどう思うのでしょうか あなたの家族は、実は艦娘に殺されていたと…)




あきつ丸(そしてあなたも、艦娘に殺されかけていたと…)




あきつ丸「…それで、どうしてあなたはそこまで詳しいのですかな? 取材ではここまで知ることはできないでしょう?」




青葉「あなたも人が悪いですね、知っているくせに」




あきつ丸「いえいえ、知らないことだらけでありますよ、だから色々と教えていただきたいであります」




あきつ丸「元CHM-78研究員、青葉さん?」





・・・数週間後、病室






翔鶴「…あれから赤城さんは徐々に回復に向かっているそうです」




提督「そうか、よかった」




提督「鎮守府の方はどうだ? 順調か?」




翔鶴「えぇ、皆さんはもちろん妖精さんたちも頑張ってくれてます」




翔鶴「提督が戻ってくるまでに新築同然にしてみせるんだって言って張り切っちゃって」ウフフ




提督「…そうだな、妖精さんたちにはしばらく顔を見せていないもんな」




提督「はやく、戻らないとな…」




扶桑「…」




瑞鶴「…提督さん」




提督「ん? どうしたんだ?」




瑞鶴「…提督さんは、本気でアイツらを鎮守府に戻すつもりなの?」




翔鶴「…瑞鶴」




瑞鶴「だって、アイツらは提督さんを傷つけたんだよ? いっぱい、いーっぱい」




瑞鶴「なのに提督さんはすぐに許しちゃった また傷つくことになるよ?」




提督「瑞鶴、落ち着け アイツらも反省してる、だから……」




翔鶴「そうよ瑞鶴 提督がお決めになった以上…」




瑞鶴「なんでよ!? なんであんな奴らのこと、信じられるのよ!?」




瑞鶴「アイツらは提督さんを傷つけた… 私は絶対に許さないから…!!」ダッ




翔鶴「ちょ、ちょっと瑞鶴!? 待ちなさい!」




翔鶴「あぁもう! 提督、失礼します!  …瑞鶴待ちなさい!!」ダッ




提督「…」




扶桑「…彼女こそ真の危険分子では…?」




提督「…俺はそうは思わないけどな」




提督「俺のことを思ってくれているから、ああ言ってくれるんだと思う、ただ…」




提督「…ふぅ」




提督「…まだまだ、やることはたくさんありそうだな…」




扶桑「…そう、ですね…」




提督「…」




提督「…もうすぐ退院だし、足の確認も兼ねて少し散歩してくるよ」




提督「扶桑は好きにしててくれ」




扶桑「わかりました」




提督「じゃあな」




ガラガラ・・・ ピシャリ












提督「いい夜だ~~涼しくて気持ちがいい」テクテク・・・




提督「問題は瑞鶴とみんなの間をどう取り持つかだなー」




提督「それに戻った後来るであろう膨大な書類も…はぁ」




提督「…ま、そんなものは些細なことか!」




提督「まずは体を治すことを考えないとな!」




提督「さーて、そろそろ病室に…」




???「…ごめんなさい、提督」




提督「えっ……?」ビリビリビリ・・・




ドサッ











病室・・・





扶桑「♪僕は君を許さないよ~ 何があっても許さない~」




あきつ丸「扶桑殿!? いらっしゃいますか!?」ドンドンドン!




扶桑「はい、どうかしましたか?」




あきつ丸「大変であります、提督殿がっ…!!」












あきつ丸「…病院の中庭にいたところを清掃員の方が発見したそうです」




扶桑「…目撃者は?」




あきつ丸「時間が時間ですし、いませんでした  監視カメラはあるにはあるのですが、角度も微妙な上暗くて…」




扶桑「…そうですか」




医者「扶桑さんにあきつ丸さんですね?」




扶桑「はい」  あきつ丸「そうであります」




医者「提督さんの容態ならご安心ください ただスタンガンで気絶しているだけですので」




扶桑「よかった…」




医者「ですが残念ですね もう少しで退院できるという時に…」




医者「一応、諸々の検査をしなければいけなくなりました」




扶桑「…」




医者「…後は我々にお任せください お二人はお休みください」




あきつ丸「…それでは失礼するであります」






・・・病室




扶桑「…あと少しで提督は退院できたというのに…!」




あきつ丸「…残念であります」




あきつ丸「ただ、犯人は絞れるであります」




あきつ丸「そもそも大の大人を気絶させられるようなスタンガンを持てる民間人はそういないであります」




あきつ丸「…となると警察やそれこそ…軍人くらいしかいないであります」




あきつ丸「そしてこんなところにそうそう軍人がいるとも思えません…つまり」




扶桑「…提督の艦娘による犯行である、といいたいのですか」




あきつ丸「残念ながら」




あきつ丸「先の事件を起こした艦娘は皆牢にいますゆえ、ここにいた艦娘は……」




あきつ丸「私と扶桑殿…」




扶桑「…いいえ、直前まで来ていた翔鶴さんと瑞鶴さんもいました」




あきつ丸「…この四人でありますか」




扶桑「…あきつ丸さん、念のためボディーチェックをしても?」




あきつ丸「もちろんであります、扶桑殿にも行ってよろしいですかな?」




扶桑「もちろんです」




ガサガサ・・・




あきつ丸「…何もないでありますな」




扶桑「あきつ丸さんも…」




扶桑「…となると容疑者は二人に絞られたのでは…?」




あきつ丸「…まぁ、まだ今は状況がわからないであります」




あきつ丸「また明日、改めて話し合いましょう」




扶桑「…えぇ、そうですね」




扶桑「…もしかしたら、今回の犯人が皆に毒を盛った犯人なのかもしれません…」




あきつ丸「…」




あきつ丸「…その可能性はありえますな」




あきつ丸「ともかく私は一旦戻って報告するであります」




あきつ丸「…提督殿のことは頼みました」




扶桑「はい…!」






・・・二日後





提督「…なぁ、扶桑」




扶桑「なんでしょうか、提督」




提督「俺はどうしていつもこうなんだろうな」




扶桑「…」




提督「うまくいきそうで、もう少しで幸せに手が届きそうな時に悪い目に遭う…」




提督「いつもそうだ 提督になってから、ずっと…」




提督「…でもまぁ、大丈夫さ」




提督「少し退院が伸びてしまったが…もうすぐみんなと一緒に鎮守府に戻れる」




提督「これでまた、みんなと一緒に…「そろそろ諦めてくださいよ…! 提督…!!」




提督「…は……?」




扶桑「これで何度目ですか!?」




扶桑「あなたの命が危うくなったのは、これで何度目のことですか!?」




提督「ふ、扶桑…?」




扶桑「あなたは何度っ…何度自分の命を危険にさらせば気が済むのですか!?」




扶桑「あなたは考えたことがありますか…一緒に歩むと決めた相手が何度も死にかける気分を…!」




提督「…」




扶桑「いい加減諦めてくださいよっ…」




扶桑「皆さんが大切なのはわかります、ですが…!」




扶桑「あなたのことを思う私の気持ちをっ…! そして…!」




扶桑「なによりあなた自身を大切にしてくださいっ…!!!」




扶桑「……一度くらいは…私の言うことも聞いてください…」




提督「…そっか」




提督「…そうだな、扶桑」




提督「確かに俺、お前の言うこと聞いたことなかったかもな」




提督「ごめん」




提督「…わかったよ」




扶桑「…」




提督「…鎮守府に戻るのは、やめにする」




扶桑「提督…!」




提督「お前の言うこと、聞いてみるよ」




扶桑「提督っ!!」ダキッ




提督「おいおい、いきなり抱き着くなよ、一応病人だぜ?」




扶桑「提督! 軍をやめた後はどういたしますか?」




提督「気が早いな、ったく…  貯金と退職金でどっかの田舎で農家でも営むか」




扶桑「いいですね、農家!  私、家庭菜園とか夢でした!」




提督「まぁ、まずは俺の実家に行こうか、有給でも使って  二人が泊まるにはちょういい」




扶桑「はい! ぜひ提督の家族にもご挨拶しないと!」




提督「…ま、家族なんてだれ一人いないけどな」




扶桑「あ… ごめんなさい、私…」




提督「いやいいんだ、もう気にしてない」




扶桑「…」




提督「…」




扶桑「…あ、あの私… 荷物をまとめてきますね!」




提督「あ、ちょっと待ってくれ」




扶桑「? なんでしょうか」




提督「アイツらに手紙を書きたいんだ…」




提督「こんな形になったけど、一応なにか残していきたいんだ」




扶桑「…わかりました  でも変なこと書かないでくださいよ?」




扶桑「私がキチンと検閲しますからね」




提督「あぁ、気をつけるよ」ハハッ




提督「じゃあ、行ってらっしゃい」




提督「みんなにはこのこと内緒にな? 混乱しちゃうから」




扶桑「はい、もちろんです!」




ガラガラ・・・ ピシャリ




提督「…」




提督「…さて、試験のお時間だ」




提督「キチンとお勉強ができていたかどうかの、な」  
















・・・一週間後、拘置所の講堂





瑞鶴「…なんで私まで…」




翔鶴「提督に関する大事なことだとだけ聞いたけれど…」




瑞鶴「…」




瑞鶴「最近提督さん見ないよね」




翔鶴「確かに…」




瑞鶴「もしかしてこいつらに嫌気がさしてどっか行っちゃったんじゃない?」アハッ




赤城「…」




翔鶴「…こら瑞鶴!」




瑞鶴「ふんっ」




あきつ丸「…えー皆様、静粛にしていただきたいであります」




瑞鶴「…またあの女か…」




翔鶴「静かにしなさい」




瑞鶴「…」




あきつ丸「…今日皆様に集まってもらったのは他でもない、提督殿に関することであります」




あきつ丸「ごたごたと長引かせるのも嫌でありますから、単刀直入にいうであります」




あきつ丸「…一週間前、提督殿が何者かによって襲撃され、気絶しました」




ドヨドヨ・・・




あきつ丸「…幸いにも命に別状なしでありました」




ホッ




あきつ丸「…ですが」




あきつ丸「…提督殿は……」




あきつ丸「この一件により、軍をやめることを決断いたしました」




阿賀野「え!?」  矢矧「嘘、そんな!?」    




あきつ丸「…提督殿は三日前の退院後、すぐに有給を使って扶桑殿と一緒にどこかへと姿をくらませているであります」




鈴谷「提督… なんで? 急すぎるよ…」





あきつ丸「…提督殿が最後に残した手紙があるので、読み上げるであります」





『     (前略)




提督だーー 今回、こんなー  こんな事件が起こってしまい、非常に、残念だ。




思えば、この5年間ーー色々なことがあったな。 例えば3年前の夏の作戦。    




みんなー特に金剛達は、本当に頑張っていたな。




あの頃はー全部が楽しかった。 お前らと和気あいあいと色々なことを楽しんでいた!




だから、こうなってしまったことは本当にショックだー




ー別に俺は今でもお前らのこと、怒ってはいないさーーただ




なんで、いつも俺はこういう目に遭うんだろうな?




まぁ愚痴はやめよう お前らに残すための手紙だからしな




お前らには3つ、言い残しておきたいことがある




1つ目はケンカをしないことだ




お前らは昔からケンカが多かったからな、金剛達とか特に心配だよ




後、瑞鶴は先輩に横柄な態度取るなよ? お前最近怖いからな~




俺がいなくてもケンカせず仲良くな




2つ目は新しく来るだろう提督さんに優しくな!




俺の時みたいにリンチにすんじゃねぇぞーー?




俺が寛大だったから、本営にはそれとなくごまかして言っただけだったけどなー。




他の提督さんがこうとは限らないからな、下手なことするなよ!




ーーーー3つ目は鎮守府のことだ。




ー妖精さんたちにはお世話になった・・ 挨拶もできずーすまんと伝えてくれ




新しい提督さんが来るまではーそうだ、翔鶴が指揮を執るといい。




ー翔鶴なら適切に物事を判断できるはずだ。




それから、鎮守府に残っている資材はーそうだな、そのまま使ってくれー 




ーといってもここ1年ろくに出撃してないから・・あまり残ってはいないがな!




ーーせっかくの資材だ、うまく使ってくれ!





・・・さーてこんなところだ!




ーー最後になるが、俺はお前らのこと、嫌ってなんかいない! これは信じてくれ・・・




あくまでー身の危険がないよう軍をやめるだけのことだからな!




ーーたまに、遊びに行くかもしれないからー・・ ーーその時は、暖かく出迎えてくれよ!




ま、今生の別れーーーーってわけじゃない・・また会えるさ!




それじゃあな。 -今までありがとう、さようならーー




この先はお前らは俺から放たれて自由になる




俺は好きにした お前らも好きにするといい    』



あきつ丸「…以上であります」





金剛「ホントのこと、なのデス…?」




比叡「司令は、本当に…」




夕立「提督さん、本当にもう会えないっぽい…!?」




時雨「嘘ですよね!? 誰かが勝手に…!」




あきつ丸「…残念ながら、提督殿の直筆のサイン入りであります」




あきつ丸「筆跡も提督殿のものでありますし…」




時雨「そん…な……」




榛名「提督…提督……!!」




「…犯人は…?」




あきつ丸「…」




「そうだ、犯人は!?」  「そいつのせいで提督は遠くへ行ったんだ!!」  「探せ! 見つけ出して…!!」




「提督を襲った犯人というのは誰なのですか!?」  「教えてくださいあきつ丸さん!!」




あきつ丸「…まだわかっていないであります」




「そんな…」




「…ねぇ待って、三日前ってことはこの拘置所にいた人は全員容疑から外れるよね…?」




「!!」  「そっか、そうだよ!!」  「提督を襲った犯人は、外にいる誰かだよ!!」




摩耶「お、おい、落ち着けってお前ら…!」




熊野「犯人探しをするのが私たちの仕事ではないですわ!」




「…そういえば提督の手紙の中で瑞鶴の態度がどうって…」  「まさか…」




瑞鶴「はぁ!? 私を犯人にしようっての!? 冗談じゃない!!」




「でもだって瑞鶴さんは…!」  「そうですよ!!」




能代「証拠もないのに決めつけるのはよくないわ!?」




白露「み、みんな、とりあえず落ち着いて…」




瑞鶴「私はアンタたちが提督さんをいじめてる間もずっと提督さんを支えてきてんだよ!!」




瑞鶴「ずっとずーっと!! アンタたちの数億倍提督さんを思ってきてんだよ!!」




瑞鶴「私が提督さんを襲った犯人ですって!? ふざけるのも大概にしてよ!!!」




翔鶴「瑞鶴、あなたも落ち着きなさい!」




瑞鶴「離してよ!!」ブン




翔鶴「キャッ…」ドサッ




瑞鶴「…あ、ごめ「瑞鶴さんサイテーー!!」  「実の姉を吹き飛ばすなんて~!」  「これはもう犯人確定かな~??」




翔鶴「ちょ、ちょっとあなたたち、やめなさい!」




「じゃあ全部悪いの瑞鶴さんじゃん!!」  「じゃあこれは制裁を加えないとねー!」グイッ




瑞鶴「ちょ!?」ドサッ




「瑞鶴が犯人だと思う人~!」 「「「はーーーい!!!」」」




「よしよし、じゃあ瑞鶴が提督を襲い、ひいては軍人生命を断った犯人ってことでーー…」




加賀「…よくないわ」




「「「!? 加賀さん…」」」




加賀「瑞鶴、大丈夫かしら? 立てる?」スッ




瑞鶴「え……う、うん…」




加賀「そう  …さて、誰だったかしら、瑞鶴が提督を襲った犯人だなんて言ったのは?」




「「「「……」」」」シーン・・・




加賀「あらいないの? じゃあ少し説明をさせてもらうわね」




加賀「瑞鶴の言う通り、この子はずっと提督を守ってきたわ」




加賀「私たちが変になっても、ずっとね」




加賀「…ただ一途に提督のことを思う乙女…」




加賀「そんな子が、提督を襲うはずがない、そうでしょう?」




瑞鶴「…」




加賀「少しは冷静になりなさい、提督に言われたばかりでしょうに」




「…それもそっか」   「瑞鶴さんは提督のこと好きだもんね…」  「よくよく考えればそうだね」  「瑞鶴さん、ごめんなさい…」




加賀「無論、翔鶴だって同じよ」




加賀「…なにより、ここにいる全員が提督を思っているはずです」




加賀「もう一度、提督と一緒にいたいと…」




加賀「…ならば!」




加賀「今やることは犯人捜しではないはずです!!」




鈴谷「…うん、そーだね」




熊野「提督の伝言通り」




摩耶「あぁ、好きにすることだ!」




阿賀野「提督の伝言なら」 能代「しょうがないわね!」 




矢矧「えぇ、好きにさせてもらいましょう」 酒匂「ぴゅう!」




白露「一番やりたいこと!」 時雨「あぁ、それをしちゃえばいい」 




村雨「やっちゃいましょ~う!」 夕立「ぽい!」




加賀「…瑞鶴、言いなさい」




瑞鶴「うん…! ありがとっ!」 





瑞鶴「今私たちがやることは…!!」 





金剛「ワタシたちを育ててくれた!」 




比叡「司令のために!」





瑞鶴「ここにいる全員で!」





霧島「私たちと一緒に歩んでくれた!」




榛名「提督のために!」





瑞鶴「提督さんの言う通り私たちのやりたいことを!!」





青葉「かなり強引で!」




赤城「そしてわがままですけれど!」




翔鶴「それでもやっちゃいましょう!」





    瑞鶴「私たちの提督さんを、もう一度取り戻そう!!!」





艦娘全員「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「おーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」









あきつ丸(…まったくもって素晴らしいでありますな)




あきつ丸(提督殿がいなくても、彼女たちは立派であります)




あきつ丸(…)




あきつ丸(やっぱり提督殿は、軍にとどまる必要がありそうです)




あきつ丸(だって…)




あきつ丸「こんなに素晴らしい部下の成長を私に見せてくれるのは…!!」




あきつ丸「あなたくらいのものでありますからっ! 提督殿っ…!!」




あきつ丸(あなたにはもっともっと面白いものをみせてくれないと、私の恩には報いることができませぬ!)




あきつ丸(だから私はあなたを逃がしはしない! 一生をかけて見せてもらいまする! あなたの生き方を…!!!)




あきつ丸「…ふふっ  皆様も決心がついたようでありますな」




瑞鶴「…えぇ!」




あきつ丸(目が据わっているでありますな… ここにいる全員が、あきらめるつもりなど毛頭ないと目で語っております)




あきつ丸「私はこの件に関して協力を惜しまないであります」




あきつ丸「海軍も陸軍も関係なく、全身全霊をかけます」




あきつ丸「…ですがお気を付けを ここから先は修羅の道、引き返すことなど…」




瑞鶴「わかってるわよ! そんなこと」




瑞鶴「どんな事実があろうと受け止めるわ、そして…」




瑞鶴「必ず提督さんに戻ってきてもらうんだから!!」




あきつ丸「…ふふっ、その意気よし! これからよろしくおねがいするであります!」ガシッ




瑞鶴「当り前よ、アンタもこの先道連れにしてやるんだから!!」ガシッ









・・・





瑞鶴「…さて、これから情報収集だね」テクテク・・・




翔鶴「そうね、外にいる私たちが、なんとか有力な情報をつかまなきゃ」テクテク・・・




霧島「まずは上に掛け合って提督の現在の状況を聞きましょう」




霧島「もしかしたらどこにいるかもわかる可能性があります」




翔鶴「そうですね」




瑞鶴「…ねぇ! あれ見て翔鶴姉! 浜辺になんか箱があるよ!」




翔鶴「…無邪気ねぇ…」




瑞鶴「もしかしたら提督さんからの助けを呼ぶボトルかもしれない…」




霧島「あはは、本当にそうだったらいいですけど…」




瑞鶴「…え……」




翔鶴「どうしたの? 瑞か…」




霧島「…!」




瑞鶴「…これって…スタンガン、だよね…?」







・・・





あきつ丸「…というわけで、今回使われたであろう、CHM-78の説明を終わるであります」




瑞鶴「まさかそんなものがあったなんてね…」




加賀「それをダシにすれば上を脅せるほどの情報ですね、それは」




あきつ丸「当然、海軍に揺さぶりをかけて金やら地位やらをたっぷりもらうでありますよ」




熊野「うわぁ…」




あきつ丸「…当然、この事件が無事終わったらでありますが」




あきつ丸「それまでは皆さんと私だけの情報であります」




翔鶴「ありがとうございます、あきつ丸さん」




あきつ丸「いえいえ、お気になさらずであります」




翔鶴「あれから数日断ちましたが…ほかに何か、提督やそれに関する情報がある人はいますか?」




摩耶「青葉、お前どうよ」




青葉「…残念ながら~…私も一応牢にいる設定なので自由が利かないんですよ~」




青葉「元研究員とはいえ、下っ端でしたし、情報は全部あきつ丸さんに伝えましたしね」




摩耶「そっかそっか   外にいる人で情報のあるやつはいないか?」




霧島「軍に聞いても聞き込みをしても有力な情報はないんですが…」




金剛「提督に関することならなんでもWelcomeデース!」




霧島「じゃあ…」




霧島「…えと、まずは軍部に問い合わせたんですが、司令は現在、有給という形になっています」




阿賀野「つまりまだ辞めてはいないのね!?」




霧島「はい  …それから病院の方に聞いたんですが、かなり離れた所に行くとしか…」




あきつ丸「ざっくりしすぎでありますな」




霧島「ごめんなさい…」




榛名「そんなことないわ、霧島はこの中で貴重な外にいるおかげで、みんな助かってるわ」




霧島「榛名…ありがとう!」




あきつ丸「他には?」




夕立「あ、あの~…」




瑞鶴「ん、どうしたのぽいぽい?」




夕立「その、情報とかじゃないんだけど、いいっぽい…?」




翔鶴「えぇ、もちろんですよ」




夕立「うん、じゃあ…   このてーとくさんの手紙を見てほしいっぽい」カサッ




夕立「なんか違和感を感じる…っぽい…」




赤城「…普通の手紙のように見えますけど…」




加賀「私もです」




夕立「ぅぅ…」




白露「…夕立、どのあたりに違和感を感じたのか、言ってみて?」




夕立「う、うん…」




夕立「この、ここ… てーとくさん、こんな文、書くっけ…?」




あきつ丸(はぁー…言いたいことがわからない… ここにきて夕立のおバカさが響いてきましたか…)




摩耶「??」




能代「???」




村雨「…っ!! そういうことね、時雨、わかったわ!」




時雨「あぁ!! 僕もだよ!」




鈴谷「え、えぇ!? もうわかったの!? 早くない!?」




熊野「ど、どこですの、教えてくださいまし!!」




時雨「うん、この文には…」




時雨「点とーが引かれ過ぎなんだよ!!」




鈴谷「点と…」




熊野「-(線)…?」




夕立「っぽい!! そういうことっぽい!」




村雨「そう! 提督は普段こんな字を書かないの! 私たちへの正式な通達文にも、。 が付けられたことなんてほとんどなかった!」




時雨「ましてや文の最初や最後に、--なんてつけたことは一度もない!!」




加賀「そう…つまり…」




赤城「これは何らかの意図がある、ということでしょうか…?」




翔鶴「…つまり、提督殿からの暗号ということでしょうか?」




矢矧「そう仮定すると…点と線でできた暗号…」




翔鶴「そんなものはこの世に一つしかない…」




瑞鶴「つまり…」




瑞鶴「『モールス信号』・・・!!!」





あきつ丸(…何という洞察力っ  夕立の直感、村雨時雨の理解力… そして艦隊全員の考察力…!)




あきつ丸(…素晴らしい、どれをとっても素晴らしいであります!)




時雨「モールス信号だったら僕でもわかる!」




金剛「イエ、今回は正確を期す為に、みんなでやりまショウ!」




白露「そうだね、私、コピーをとってくるよ!」




金剛「Thank you!」




・・・




比叡「…解けましたが…」




能代「これは…」




時雨「『じつかにいる くるもこないもいい もしくるならあかしをもて』…」




酒匂「じつかにいる って…実家にいるってことだよね…?」




矢矧「つまり提督は今…」




阿賀野「実家にいるってこと!?」




金剛「提督の実家ってどこデスカーーー!!! すぐにご両親にご挨拶に行かなきゃ!!(使命感)」




榛名「金剛お姉さま、落ち着いて…」




摩耶「そいでもって来るも来ないもいい…来ても来なくてもいい、勝手にしろってことか…」




青葉「まさに司令の手紙の最後に書いてあった、『好きにしろ』ってわけですね!」




熊野「じゃあ決まりですわね、行くしかないですわ」




比叡「でも『もしくるならあかしをもて』ってあるよ?」




翔鶴「…あか…し……」




白露「あかしってなに? 明石さんのこと?」




明石「なんか呼ばれた気がしました!」




熊野「う”わ”っ!? びっくりしましたわ!?」




鈴谷「でも あかしをもて、だからねぇ  明石さんは持つものじゃないでしょ」




瑞鶴「じゃあ明石さんには関係ないね」




明石「…明石、空気を読んで戻りま~す…」




翔鶴「あ、明石さんはちょっと後で私に付き合っていただきたいのですが!」




明石「? はーい、わかりました」




ウーーーン・・・・・・




霧島「…普通に『証拠』のことじゃないんでしょうか?」




白露「…それだっ!!」




金剛「さすがはMy sisiter! 艦隊の頭脳デース!」ギュー




霧島「…い、いや、証って入ってるしそうかなーと…あと苦しいです…」




翔鶴「…といってもなんの証拠なんでしょうか?」




加賀「…それは当然…」




赤城「私たちにCHM-78を盛った犯人が誰か、ということでしょう」




翔鶴「…犯人捜しをしろ、ということですか…?」




あきつ丸「…まぁ、そういうことになりますな」




あきつ丸「あなた方に薬を盛ったこと、そしてその犯人さえわかれば……」




あきつ丸「提督も安心して帰ってくることができる、ということでありましょう」




瑞鶴「そんなの、わかるわけがないじゃない…!」




瑞鶴「誰かが提督さんを傷つけたかったからやったのかもしれない!」




瑞鶴「だとしたらここにいる全員容疑者だし!」




瑞鶴「そもそも、そんな昔の薬を持っている人がいる!?」




青葉「…昔の研究員ならあるいは…ですが……」




摩耶「その研究員のデータは残ってんのか?」




青葉「…正直、微妙です」




矢矧「…内部の犯行って可能性はないの?」




加賀「…」




矢矧「…だってみんなに薬を盛るんでしょ? だったら例えばみんなが一堂に会して食事するときなんかに…」




能代「…矢矧、あまり皆さんを疑心暗鬼にさせる発言は…」




加賀「…確かに、全員に毒を盛るとなると全員集合した時のパーティーなどの食事に盛るのが最適ですね」




赤城「食事を担当しているのは間宮さんと伊良湖ちゃんですよね…?」




あきつ丸「ですがあの二人も多少なりとも影響を受けているところを見るに、犯人ではなさそうであります」




あきつ丸「自分で自分に薬を盛るなんてバカはいないでしょうし…」




鈴谷「…ねぇ、食材を仕入れるのって、誰?」




金剛「そんなの、提督に決まってるデース!」




摩耶「だな 間宮さんが献立作って、そこで必要になる食材を注文するのは提督だもんな」




鈴谷「…なら、提督なら、薬を盛ることだってできるよね…?」




比叡「っ!? じゃあ提督が自分で薬を盛ったって!?」




時雨「そ、そんなわけがない…!」




榛名「ですがその可能性だって…!」




村雨「そんなはずないわ…だって」




時雨「だって提督は…」




時雨「あの時あんなに苦しそうな顔をしていたじゃないか…」




艦娘「「「…………」」」




時雨「あんなに苦しそうにしている人が、自分を痛めつけるために僕たちに薬を盛るだなんて信じられないよ…」




鈴谷「…言われてみればその通りだね、うん…」




鈴谷「変なこと思い出させてごめん…」




鈴谷「…話、戻そっか」




翔鶴「待ってください!!」




加賀「…どうしたの? 翔鶴」




翔鶴「…すごく、ひどいことかもしれないんですが、言いますね…」




赤城「はい」




翔鶴「…今までの話で」




翔鶴「一度も名前が挙がってない人がいるんです」




翔鶴「捕まっていなくて、提督へ危害を加えたことがなく、薬の影響も見られない、そして…」




翔鶴「…提督から食材の管理を任されるほど、信頼のある人……」




瑞鶴「…」




酒匂「…扶桑、さん……?」




矢矧「そ、そんなわけないじゃない!? 扶桑さんは提督をずっと支えてきたのよ!?」




阿賀野「そんな人が、提督さんを傷つけるようなこと、するわけないわよ…」




夕立「それにそれに、動機がないっぽい…!」




瑞鶴「そ、そうだよ翔鶴姉…そんなわけ…」




翔鶴「…ごめんなさい」




憲兵「…お話し中失礼いたします、あきつ丸殿」




あきつ丸「お話しではない、立派な会議であります  それで要件は」




憲兵「失礼いたしました …あきつ丸殿に指令された情報が入りましたので報告にと」




あきつ丸「…わかりました、少し外します」




赤城「あ、はい」




加賀「それじゃあ、会議を再開しましょ「待ってくだサイ…!」




金剛「…動機なら、ありマス…」




加賀「!?」




比叡「ど、どういことですか!? 金剛お姉様!!」




金剛「…かなり前の話デス、たまたま扶桑と一緒にlunchを食べた時デシタ…」




金剛「彼女、こう言ったデス…『提督といつか一緒になることが、夢だ』って…」




金剛「…今、提督は私たちのもとを離れ、扶桑と一緒に実家にいマス」




金剛「だから、この状況は彼女にとって…」




金剛「…理想的、なんじゃないでショウカ…」




霧島「…」




加賀「…一理ありますね」




矢矧「で、でも結局大きな証拠がないわ…」




白露「そうだよ…結局、扶桑さんの目的がどうであれあの薬を手に入れることができないもん!」




熊野「…偶然の一致、ということにしかなりますわ…」




金剛「…そっか、そうですよネ…」




金剛「扶桑が、そんなことするワケ…」




あきつ丸「…ただいま帰ったであります」ガチャ・・・バタン




加賀「おかえりなさい」




あきつ丸「…」




瑞鶴「あきつ丸さん?」




あきつ丸「……すべて、材料が揃ったであります」






提督「…ごちそうさまでした~」




扶桑「はい、お粗末様でした」




提督「やっぱり扶桑の作る料理はうまいな、うん」




扶桑「褒めても何も出ませんよ?」フフッ




提督「うまい料理が出て来るじゃないか」




扶桑「もう…」




ピーンポーン・・・




扶桑「あら? 誰かしら…」




扶桑「はーい…」




扶桑「…」




提督「…? 扶桑、どうしたんだ?」




扶桑「あ…い、いえ…ちょっと知り合いが…」




提督「そうか、なら家にあげればいいじゃないか」




扶桑「結構です!」




提督「そう、か…」




扶桑「あ…ごめんなさい…」




扶桑「少し話が長引くと思いますので、提督は家の中でゆっくりしていてください」




提督「わかったよ」




扶桑「それでは」




ガチャ・・・バタン




提督「…」










扶桑「…何のご用でしょうか」




扶桑「元提督の艦娘の皆さん」




瑞鶴「…」




扶桑「…どうしてここに来たのか、それも捕まっているはずの方々もつれて」




翔鶴「…」




扶桑「…なんでしょうか、提督を連れ戻しに来たんですか?」




扶桑「だったら無駄ですよ、提督は…」




あきつ丸「まぁまぁ、それもありますがとりあえず私たちの話を聞いてはいただけないでしょうか?」




扶桑「…家事をしなければいけないのでこれで…「薬の効き目はどうでありましたか?」




扶桑「…   薬?何のことでしょうか」




あきつ丸「おや、存じ上げませんかな」




金剛「なら質問を変えマス、提督を気絶させた気持ちはどうでしたカ?」




扶桑「…」




比叡「瑞鶴さんや翔鶴さんに疑いの目を向けさせた気分はどうでしたか!?」




扶桑「…何を言っているのか全く分かりませんね」




扶桑「…そもそもあの時提督が倒れたことを聞いた時、部屋にいましたよ」




扶桑「…それもその後あきつ丸さんとお互いにボディーチェックまでして怪しい物がないか確認しました」




扶桑「それでどうして私を犯人扱いできるのでしょうか」




榛名「…残念ながら、ここに犯行に使われたスタンガンがあります」




扶桑「っ!? どうして…」




霧島「…本当にたまたま、浜に流れ着いていたのを発見したんですよ」




霧島「…数週間海に流されていたとはいえ、直接水に触れていないなら現代の科学で指紋程度検査することは造作もありません」




霧島「持ち手の指紋は扶桑さん、あなたのもの  そして先に付いていた皮膚は…」




金剛「提督のものデシタ」




金剛「…ここまで出そろって、まだ言い逃れをしますカ?」




扶桑「…」ギリッ




扶桑「…わかりました、確かに提督をスタンガンで気絶させたのは私です」




摩耶「てめぇ…」




青葉「…摩耶さん、ここは落ち着いて…」




扶桑「…ですがそうした理由は簡単です」




扶桑「提督をあなた方のような暴力的な人から遠ざけるためのこと…」




扶桑「提督をこれ以上危ない目に遭わせないために、やっただけのこと…!」




扶桑「提督に暴力をふるい続けたあなた方に、私を責める権利があるとでも!?」




瑞鶴「…ねぇ扶桑さん」




扶桑「なんでしょうか」




瑞鶴「…もうみんなわかってるんだよ」




扶桑「何をですか?」




瑞鶴「…全部、扶桑さんの仕組んだことだって」




扶桑「…」




扶桑「…仕組んだ? 何を…?」




瑞鶴「…私たちが提督さんを傷つけるよう仕組んだのは、扶桑さんですよね」




扶桑「…ふふっあはっ…!!」




扶桑「今度は何を言い出すのかと思えば、あなた方が提督を傷つけた原因が私にあるですって?」




扶桑「今度は皆さんそろって罪を私に擦り付けようってことですか?ひどいですね」




扶桑「私が提督を傷つけるようなこと、するわけがないでしょう?」ニコッ




瑞鶴「…扶桑さn「あなたはッ…!!」




翔鶴「…あなたは、25年前、妹である山城さんを失いました」




翔鶴「ちょうどあなた方が別々の任務に就いていた時でした」




翔鶴「山城さんが亡くなった後、あなたは山城さんの死の真相を伝えられました」




翔鶴「…『妹は、暴走した艦娘に殺された』という事実を」




扶桑「…」




翔鶴「…そしてその口止めとして莫大な金、地位を得ました」




翔鶴「しかし数年前…あなたはこのことをダシに、この件の原因となった薬を手に入れました」




翔鶴「…それが、CHM-78です」




扶桑「…よく調べたんですね」




翔鶴「はい、ここにいる全員で…」




翔鶴「持てる力をすべて活用して得た情報ですから」




翔鶴「…そしてあなたはこの薬を使って、私たち全員を凶暴化させました」




翔鶴「しかし提督が焼かれる直前、それが切れてしまい、今に至る…」




翔鶴「そうでしょう?」




扶桑「…」




扶桑「…25年前、確かに私は妹を失いました」




扶桑「…その情報をダシに、薬を得たのも事実です」




扶桑「が」




扶桑「その薬をあなた方に使用したという証拠はどこにあるのでしょうか?」




翔鶴「それは…」




扶桑「たとえば私の火力増強のために使用した可能性だってあります」




扶桑「証拠がどこにもないのなら、こうも考えられますよね?」




扶桑「ただ単にあなた方が提督を傷つけたかっただけ」




扶桑「結局その罪を、都合よく私に擦り付けようとしている、違いますか!?」




翔鶴「…」




摩耶「…もう黙ってられねぇ」




阿賀野「摩耶さん…?」




摩耶「…アンタはどんだけ提督を傷つけりゃ気が済むんだよ!!!」




扶桑「…は?」




摩耶「あんたはなんでアタシらあんな薬を使ったのか、当ててやろうか?」




摩耶「提督の傷つく顔が見たかったんだろ!?」




摩耶「アンタ自身の手は汚さずに、アタシらにやられて提督がボコボコにされるのが!!」




摩耶「そうしてアンタに提督がすがりつく姿が滑稽で、面白かったんだろ!?」




摩耶「しまいにゃアタシらに提督を殺させようとしやがって…!!」




扶桑「…」




摩耶「黙ってねぇで何とか言ってみろ、ド畜しょ…「違いますッ…!!!」




扶桑「…私が提督を傷つけたかった…? そのためにあなた方に薬を盛ったって…?」




扶桑「あははっ、とんだ勘違いですよ!!」




扶桑「私はただただ提督をお守りしたかった!! ただあなたたちから遠ざけたかった!!」




扶桑「提督へ負の感情を持つあなた方を、排除したかっただけなんですよ…!」




扶桑「そして……私だけを見てほしかった……」




瑞鶴「…扶桑さん、今……」




扶桑「…はぁ、尋問されている人が間違えを訂正したくなる、というのはこういうことですか…」




扶桑「…えぇ、そうです 私こそあなた方に薬を盛った…」




扶桑「…全ての黒幕です」






扶桑「…少し話をしましょうか、あの薬…CHM-78についてです」




扶桑「あなた方はこの薬の効果を、どう説明されていますか?」




青葉「…艦娘の火力をあげる代わりに、暴走させる効果、です」




扶桑「…やっぱり  それは半分正解ですが、半分不正解です」




扶桑「あの薬の効果は火力をあげるため、『特定のモノに対するある感情を引き上げる』効果です」




時雨「…それって、何が違うんだい?」




扶桑「暴走は深海棲艦、艦娘、人間見境なく襲ってしまいます、ですが…」




扶桑「この効果ならば、対象を深海棲艦、艦娘、人間と分けて使うことができます、つまり…」




瑞鶴「…制御がある程度効くってこと」




扶桑「はい」




矢矧「…その『ある感情』っていうのは…」




扶桑「…端的に言ってしまえば、『恨み』、『憎しみ』そして…『殺意』です」




加賀「…ちょっと待ってください」




加賀「…それを『引き上げる』、ということは…」




赤城「元からその感情を対象に抱いている人でなければならない…」




扶桑「…えぇ、ですから対象にそれらの感情を一切抱いていなければ、この効果は作動しないのです」




扶桑「1に100をかければ100になりますが、0に100をかけたところで変わらないのと同じです」




金剛「ッ!! それが私たちに作動したってことハ…」




榛名「私たちが提督に対して恨みや憎しみを持っていたということになります!!」




夕立「そんなわけないっぽい! 私たちがてーとくさんをそんな風に思うわけ…」




扶桑「……それは本当ですか?」




夕立「え……」




扶桑「提督はやさしいですが怒らないわけではありません」




扶桑「特に大規模作戦中のミスは厳しく叱る方です」




扶桑「ここにいる皆さんならわかるのではないですか?」




扶桑「叱りつけられて、多少の憤慨を感じることだってあるでしょう」




扶桑「『それ』こそ、あの薬の効果の原動力ですよ」




扶桑「…そしてあなた方が提督に抱いた、その感情を増幅させた結果が」




扶桑「あの行動です」




扶桑「…あなたたちは心のどこかでは、提督に対して怒りを持っていたんですよ」




比叡「で、でも翔鶴さんや瑞鶴さん、霧島たちは…」




扶桑「…えぇ、私も少し驚きました」




扶桑「特に瑞鶴さんは提督への抵抗感どころか協力的でしたから」




扶桑「よっぽど提督をお好きなんですね」フフッ




瑞鶴「……」




あきつ丸「…もうわかったであります、そんなことより一つ重要なことが」




扶桑「なんでしょうか」




あきつ丸「…扶桑殿は先ほどこの一件の目的を『提督殿を守るため』と仰いましたが…」




あきつ丸「それでは丸っきり逆効果なのではないですか?」




あきつ丸「薬によって提督殿に怒りを抱いたここにいる皆が、提督殿を傷つけてしまっては…」




あきつ丸「目的を達成することなど、到底…」




扶桑「できたじゃないですか」




あきつ丸「…は?」




扶桑「…正確にはできそうだった、ですけれどね」




摩耶「…アンタ、何言って…」




扶桑「あなた方に傷つけられた提督は軍をやめることを決意しました」




扶桑「そして私と二人で暮らしている…」




扶桑「ね? これで提督へ負の感情を抱くあなた方から提督を遠ざけることができたじゃないですか」




青葉「…つまり扶桑さん、あなたはこう言いたいんですか…」




青葉「『わざわざ提督をボロボロにして、私たちから遠ざけたかった』と…?」




扶桑「そう!! まさにその通りです、青葉さん!!!」




青葉「…」




扶桑「出来ればあなた方にはもっと提督をボロボロにして欲しかった!!」




扶桑「二度と提督が戻ろうとしないように、戻れないくらいにボロボロに…!!!」




扶桑「両手を切り落としてもらいたかった!! そうすれば提督はすべてを私にゆだねてくれるから!!!」




扶桑「両足を切り落としてもらいたかった!! そうすれば私だけが提督のおそばにいられるから!!!」




扶桑「命と感情以外のすべてを奪い取って欲しかった!!! もう二度と私以外と関われないように!!!!」




扶桑「…あぁ、でも流石に焼こうとした時はびっくりしましたよ、あのままじゃ提督が死んでしまいましたからね」




扶桑「ふふっ……あは、あはははははは!!!」




あきつ丸「提督殿を守るために、わざと傷つけたと?  あなた以外の誰にも近づくことができないように?」




あきつ丸「…狂っているであります」




扶桑「狂っている…? 私がですか?」




扶桑「うふふ…その通りですね」




阿賀野「それにそんなことしなくったって阿賀野たちは提督さんに酷いことなんかしない…!」




阿賀野「みんな提督さんのこと大好きだもん…!」




扶桑「…薬を飲んでしまったとはいえ、提督をギッタギタにした方の言うセリフですか?」




阿賀野「っ…!!」




扶桑「確かにそうかもしれませんね、でもそうでもしないと提督は私を愛してはくれません」




扶桑「だから……」




瑞鶴「…扶桑さんは薬を飲んでないじゃない」




瑞鶴「それなのによく提督を傷つけた私たちを非難でき…」




扶桑「飲みましたよ、当たり前ですけれど」




瑞鶴「え……」




翔鶴「じゃ、じゃあ、扶桑さんはあの薬を飲んでいながら……」




扶桑「はい  当たり前でしょう、提督を愛しているのですから」




扶桑「むしろあなた方は提督を愛していないのです」




扶桑「私は薬を飲みながら、提督のお傍に寄り添い続けました」




扶桑「皆さんが本当に提督を愛していたなら、私と同じように正常でいられたでしょう」




扶桑「でも皆さんは提督を傷つけた」




扶桑「それは提督を愛していない証拠ですよね?」




扶桑「…だからあんな酷いことができるんですよね?」




あきつ丸「…その元凶がなにをほざくか!!」




あきつ丸「ここにいる者は皆、提督への忠誠と信頼、愛で満ちていた……!!!」




あきつ丸「それを崩そうとしたあなたに、何を言う資格があるのですかッ…!!!」




扶桑「提督を一番愛しているのは私です!! 他の人の愛なんてどうだってよかった!!!」




扶桑「その結果提督があなた方を嫌おうと、その関係が崩れようとどうだってよかった!!!」




扶桑「提督が何の危険もなく、私だけを愛してくれるようになれば!!!」




扶桑「平和に二人で生きることができたのなら!!!」




扶桑「それ以外の何もかも!! どうだってよかったんですよ!!!!」




扶桑「…」ハァハァ




扶桑「…あぁ、私って最低ですね  ふふっ…」




瑞鶴「…」




瑞鶴「…扶桑さん」




扶桑「…なんでしょうか……」




瑞鶴「私は今、あなたのことをもの凄く軽蔑しています」




扶桑「…当然です、あなただけじゃなく、ここにいる全員に、その資格があります…」




瑞鶴「…ですが」




瑞鶴「…その気持ちを、理解してしまっている自分もいます」




扶桑「…瑞鶴さん」




瑞鶴「…あはは、おかしいですね、私も」




瑞鶴「…」




あきつ丸「…扶桑殿」




あきつ丸「こうなった以上、私たちはこのことを報告しなければいけません」




扶桑「…はい」




あきつ丸「…もちろん、提督殿にも…」




扶桑「…」




扶桑「…そうですよね」




あきつ丸「…」




あきつ丸「…行きましょう、提督殿のところへ」




扶桑「…はい、全部、伝えます」




扶桑「…そして終わりにします」




扶桑「全部なにもかも…」




あきつ丸「…」




???「その必要はないぞ、全部聞いていたからな」




扶桑「!?」




あきつ丸「…!」




瑞鶴「あぁ!」




艦娘たち「「「「「「「「「「提督!!!」」」」」」」」」」




提督「久しぶりだな」







提督「…いやー素晴らしい謎解きだったな」




提督「お前たちに与えたヒントはあの薬くらいなもんだったけど」




提督「…ここに来たってことはあの暗号が解けたわけだ」




提督「流石は俺の部下、これも俺の育て方がよかったおかげだろうな!」フンス!




扶桑「提…督……」




提督「…」




扶桑「…本当に…本当に申し訳ございませんでした……!!!」




扶桑「…許されるだなんて思ってもいません!!」




扶桑「…それでも、せめて謝らせてください!!」




扶桑「提督の言うこと、何でも聞きます!!」




扶桑「…たとえそれがどんなに残酷なことであっても……!!!」




扶桑「…それぐらいしても、私の罪は……「扶桑」




提督「俺より先に、謝らなきゃいけないやつらがいるだろ?」




扶桑「…」




提督「俺はまだいい、だがこいつらは何の罪もないのに牢にぶち込まれたんだぜ?」




扶桑「謝って許されることではありません…」




提督「…それでも謝れ」




提督「例え許されなくても、謝り続けろ」




提督「たとえ殴られ、蹴られ、嘲られ、貶められ、それでもなお謝れ」




提督「俺への謝罪はそれからだ」




扶桑「…はい」




扶桑「…皆さん、これまで、私が多大なるご迷惑をお掛けし、本当に申し訳ございませんでした」ドゲザ




扶桑「どんなことをされても構いません… 申し訳ございませんでした」




翔鶴「…」




金剛「…提督、今回は私たちに許せって言わないんデスネ」




提督「…あぁ、今回ばかりはな」




瑞鶴「…私は…」




瑞鶴「…許すよ   少し気持ちもわかるから」




瑞鶴「提督さんを独占したい気持ち」




加賀「…私は…まだ許すことはできません」




加賀「すべての元凶、と言ってもいいのですから」




扶桑「…ごめんなさい」



 

霧島「ごめんなさい、私も…」  




榛名「だって…そう簡単には許せないですよ」




金剛「………今すぐには、デス」




摩耶「その通りだな、アタシも当分は許せねぇよ」




摩耶「…だからまぁ  その分キチンと償ってほしいな」




摩耶「…もう一度、提督んところでさ」




扶桑「摩耶さん…!」




夕立「あたしもそう思うっぽい!」 




矢矧「提督を傷つけたのは同じだし…」 




鈴谷「みんなで鎮守府に戻りたいしね!」




阿賀野「そうよ!」  




時雨「扶桑にはお世話になったしね」  




青葉「にしても理由が乙女ですねぇ~」  




赤城「あはは」




扶桑「皆さん…!」




提督「よかったな、扶桑」ニコッ




扶桑「はい…!!」




「…久々に扶桑さんが笑ったところ見た気がする」  「結果オーライって感じかしら」  「よかったよかった」




扶桑「でも……」




扶桑「…提督はそれでいいんですの?」




提督「ん? どういうことだ」




扶桑「提督は…今まで散々傷つけられてきました」




扶桑「そしてそうなるよう仕組んだのは私…あなたがずっと信頼して、そばに置いてきた方です」




扶桑「…私はみんなで鎮守府に戻りたいです、けれど…」




扶桑「あなたはそれでいいのですか」




扶桑「なぜ、あなたは彼女たちを疑おうともしなかったのですか、怒ろうともしなかったのですか」




扶桑「どうして私たちを、そんなにも信頼し、面倒を見てくれるのですか」




提督「…はは、それは間違いだよ、扶桑」




提督「俺は何度もこいつらを憎んだ、怒った、疑った」




提督「それでも…こいつらがもう一度俺と一緒に歩みたいっていうなら」




提督「俺は何度でもそれに応えるさ」




扶桑「…それは、山城がそう言ったからですか」




提督「それももちろんあるさ」




提督「あの人に言われたように、『提督は艦娘を信じるものだ』っていう強迫観念の下で生きてきた」




提督「…でも今は少し違う」




提督「俺はボロボロになった」




提督「何度も死にかけた」




提督「それでも、正気に戻ったお前らを見て…まず初めに『よかった』って思ったんだ」




提督「もう一度やり直すことだってできるんだって」




提督「…それで、さっきわかったんだ 俺はこいつらを憎みきれてなかったんだなって」




提督「心の中のどっかで、ずっと信じてたんだなって」




提督「『信じなきゃいけない』じゃない、ただ単に俺が『信じたかった』だけなんだってな」




提督「俺は素直に生きることにしたよ、扶桑」




提督「俺はみんなで鎮守府に戻りたいんだ」




提督「その願いが、みんな同じだと信じてるから」




提督「みんながまた、俺と歩みたいって言ったことが本当だと信じてるから」




提督「もう一度、やり直すことができるって信じてるから」




提督「俺は戻るよ」




扶桑「…提督は優しすぎるんですよ、本当にバカみたいに」




提督「そうさ、筋金入りのバカさ」




提督「それでもお前らは…俺についてきてくれるんだろ?」




鈴谷「当たり前じゃん?」 熊野「当然ですわ」 



摩耶「逆にアタシらは提督以外の誰についてくってんだよ」 青葉「また面白い記事、書かせてください!」



金剛「提督の行くところナラ」 比叡「たとえ火の中」 榛名「水の中!」 霧島「どこへでもお供しますとも!」



阿賀野「提督さんにはまだまだ面倒見てもらうんだから!」 能代「阿賀野姉の面倒見るの手伝ってもらいますから!」



矢矧「あなたの下で働きたいわ」 酒匂「司令を離さないもん、ぴゅう!」



赤城「一航戦の力を存分に引き出してくれるのは提督くらいですから! ね、加賀さん!」 加賀「えぇ、その通りです」



時雨「僕たちは提督のところにいる時が」 白露「一っっっ番に!」 村雨「楽しいんだから♪」 夕立「ぽい!」



瑞鶴「提督さん以外の人のところじゃ嫌だもん!」



「そうそう!」  「みんな同じ気持ちさ!」  「司令じゃなきゃダメなんだよ」  「もう一度、みんなでいるためには」




提督「…だそうだ」




扶桑「…」




提督「…だから、俺は戻るよ」




提督「俺らの鎮守府に、もう一度」




提督「何もかも、1から始めるために」




提督「全員でな」ニコッ















「帰ろう帰ろうーー!」  「どっと疲れたね~」  「明日からはまた提督の下で働きづめよ」  「うわーん! やだー!」









提督「…そういえば」




提督「アイツらは昔から俺と同じ、筋金入りのバカだったもんな」




提督「…変わらねぇな」




翔鶴「…えぇ、みんな昔から、変わりませんね」




翔鶴「ずっとずっと、ずーっと前から」




翔鶴「…みんな、提督が大好きですから」




提督「翔鶴……」




翔鶴「…『あかし』って、これでいいんですよね」スッ




提督「そうか、お前は…」




翔鶴「お幸せに」ニコッ




提督「……あぁ、ありがとう」




瑞鶴「おーい、翔鶴姉ー! 何やってんの!行くよー?」




翔鶴「あ、すみません提督、瑞鶴に呼ばれてしまいました」




提督「あぁ、先に行っていてくれ」




翔鶴「…二つ目、お待ちしていますね」フフッ




提督「ったく…」




提督「…」




提督「…扶桑」




扶桑「はい」




提督「俺は鎮守府に戻るよ」




扶桑「はい」




提督「だからお前と二人きりにはもうなれない」




提督「お前がみんなを犠牲にしようとしてまで手に入れようとした望みは、もう永遠に叶わない」




扶桑「はい…」




提督「でも…」




提督「それでも、俺の戻る鎮守府には、お前がいなきゃいけないんだ」




提督「バカでわがままで、たくさん迷惑かけるだろうけど……」




提督「俺のそばにいてくれないか!!」




扶桑「提、督…?」




提督「扶桑!!!」




扶桑「は、はいっ!」




提督「俺と、結婚してくれないか…!!」ユビワ




扶桑「え、えええ??」




扶桑「えぇぇぇえええええええええええええ!?!?!?」




扶桑「なんで、どうしてですか、提督!!?」




提督「なんでって言われても…」




扶桑「私はあなたを嵌めたんですよ!? あんな姑息な手で!!」




扶桑「どうしてそんな艦娘とケッコンしようと思うんですか!?」




提督「どうしってって… そりゃ…」




提督「…好きになっちゃったものはしょうがないだろ」




提督「理由とか、そういうのはよくわからないけどさ」




提督「お前の全部が好きになったんだよ、扶桑」




提督「ずっとずっと前にな」




提督「…柄でもないこと言うもんじゃねぇな、恥ずかしくなった」




扶桑「…私、すごい重いですよ?」




提督「知ってる」




扶桑「提督を傷つけて独り占めしようと思うくらいには重いですよ?」




提督「わかってる」




扶桑「浮気なんて絶対許しませんよ?」




提督「ま、まぁうん…!」




扶桑「…後悔しませんか」




提督「当たり前だ」




扶桑「…なら」




扶桑「こんな私でよろしければ…」




扶桑「喜んで…!!!」





・・・な、言ったろ?




ハッピーエンドだって




・・・こうして、あの事件は幕を閉じた




あきつ丸「はぁーーーーー」




あきつ丸「クッソ疲れたであります」




あきつ丸「なんですかあの反省文の量…」




憲兵「当たり前じゃないですか、俺ら一時的とはいえ牢にいた艦娘を逃がしたんすよ?」




あきつ丸「彼女たちは無罪と証明されたでしょ」




憲兵「それとこれとは別ーーってことらしいっすよ」




あきつ丸「かぁーー!」




あきつ丸「いつの時代も善がバカを見るでありますなーーー!!!」




憲兵「まったくです」




あきつ丸&憲兵「「…ま」」




あきつ丸&憲兵「「それを補って余りある地位を手に入れましたが!!!」」ハッハッハ




あきつ丸「ただの一介の憲兵が、その若さで憲兵団長でありますからな~!」




憲兵「あきつ丸さんこそ、艦娘の立場でまさか少佐になるとはっすよ~!」




あきつ丸&憲兵「「まったく、海軍様様でありますなーーー!」」




あきつ丸&憲兵「「AHAHAHAHA!!!」」




あきつ丸「…おっと、そろそろ提督殿の元に行かねば」




憲兵「そうすか、行ってらっしゃいです」




憲兵「提督さんとこで頑張るっすよ、あきつ丸さん」




あきつ丸「永遠の別れみたいに言うなであります」




あきつ丸「…どーせまだ別件での反省文がたんまりでありますからな…」




憲兵「俺のはあなたが出払っている間に終わらせてやるっす」




あきつ丸「寂しいでありますなーー! 女の子を一人にしないで~! 」




憲兵「はっ、ほざけっすよ性悪」




あきつ丸「部下が冷たい件についてであります」




憲兵「元っす、間違えないように」




あきつ丸「じゃあ行ってくるであります」




憲兵「はいはい、 二度と戻ってくるなっす」






元帥はこの事件、あの薬のこと、そして25年前の事件の真相をすべて公表






金剛「…やっぱり紅茶はアッサムデース」




比叡「私はダージリンの方が好きなんですけどね~」




榛名「私は金剛お姉様と同じくです! ミルク入りですけれど!」




金剛「ミルクなんて邪道デース!!」




比叡「そんなこと言ったらアッサムの方が!」




榛名「その発言はいくら比叡お姉様でも聞き捨てなりません!」




ワーギャーワーギャー




金剛&比叡&榛名「「「霧島はどう思うの(デース)!?」」」




霧島「そうですねぇ~…」




霧島「やっぱり『司令が好きで』飲んでいるミルク砂糖入りのアールグレイですかね」




金剛「提督が…」




榛名「好き…」




金剛「…紅茶戦争終わりっ! 閉廷!」




榛名「やっぱり提督のお好きなミルク砂糖入りアールグレイを… 最高ですね!」




霧島「計画通り!」フフン!




比叡「…霧島、なんか私たちの扱い方うまくなったね」




霧島「えぇ、なんとなく」




霧島「私、天才ですから」キリッ




比叡「そ、そう…」




霧島「あっ、時間やばいじゃないですか!?」




金剛「あっ」




榛名「そういえば…」




霧島「司令に怒られちゃいますよー!?」




比叡「ひえぇぇぇーーー!!」






当然簡単に許されることではないため、重大な事件として元帥は深く謝罪





国民の非難は集中したが、そもそも厳重に言われていたにも関わらず客船が規定の航路を守っていなかった事実、





そして艦娘用の試作薬の研究途上での事故であったため、多少は仕方なしという考え方が国民の主流らしい





・・・相変わらず、マスコミを使うのが得意なお方だ






鈴谷「おはよ~…」ボサボサ




熊野「おはようですわ、鈴、谷……」




鈴谷「? どったの、なんか顔についてる?」




熊野「プ、プププ・・・・・・」




鈴谷「なにその笑い方、モノクマノンってか?」




熊野「と、とりあえず鏡を…」プルプル・・・




鈴谷「なんだよーもー…」スッ




鈴谷「って、なんじゃこの髪ーーー!?!?!?」




鈴谷「何これ!? やばいを通り越してパナイ!?」




熊野「す、鈴谷… 早くしないと提督の集合に遅れますわよ…!(写真撮っておきましょw)」パシャ




鈴谷「こんな髪で行けるわけないでしょーー!?」




鈴谷「あーもーなんでよりによってこんな日に…  早く直さないとーーー!!!」






捜査の結果、扶桑は今回の犯人と確定





しかし薬によって何らかの精神汚染があったとし、要監視、執行猶予つきの上で保釈された





また俺も、艦娘への監視が行き届いていないということで、減給、降格の元、再配属





摩耶「フーーーー…」




青葉「ここにいたんですねー、摩耶さん」




摩耶「おう、青葉か おはよ」




青葉「おはよーございます! 摩耶さんは朝から煙草ですか?」




摩耶「おう、見ての通りよ」




青葉「…おいしいですかー? それ」




摩耶「提督の吸ってる安物よかうまいさ」




青葉「よくわかりませんね~」




摩耶「そういうお前こそこんなところに何の用だよ」




青葉「あ、そうなんですよ  青葉、また新聞始めようと思って」




摩耶「…あぁ、んなもんもあったな」




青葉「だから再開第一号はどでかくしたいので、色々な人たちにインタビューしているんですよ!」




摩耶「…まーたでっち上げの嵐か~?」




青葉「ギクッ」




摩耶「…はぁ、程々にしろよ  ほら、インタビューしろ」




青葉「ありがとーございまーす!」




摩耶「提督の集合もあるから手短にな」






俺と扶桑は元帥に対してこの件に関して何度も謝罪





元帥曰く、「並大抵の戦果じゃ許されないからね~」とのこと







加賀「…」




赤城「…」モグモグ




加賀「…」ズズズーーー




赤城「…」モグモグ




加賀「…赤城さん」




赤城「モグモグ ゴクン   なんですか、加賀さん?」




加賀「そろそろやめにしないと集合に遅れるのでは」




赤城「…」




赤城「…もう一杯だけ♪」




加賀「…はい」






その後様々な調整、書類、反省文やらをを書き終えた俺は今日から始めることができる







時雨「村雨!」パイーン




村雨「夕立!」ポイーン




夕立「白露っ……ってあぁ!?」ポインチョ




白露「もー夕立は大雑把だからー」




夕立「ごめんっぽいー」




夕立「あ、てーとくさんだ! おーい!」




時雨「提督ー! そこにあるボールを投げてくれないかい?」




イイゾー  ソラッ!




時雨「…おっと!」ポスッ




白露「ナイストスー!提督~!」




村雨「かっこよかったわよ~」




ヨセヤイ、テレルダロー




時雨「…さてそろそろ僕たちも行こうか」






ここにはもう資材などロクに残っちゃいない







矢矧「嘘…でしょ…!?」




能代「…そ、そんなことってあり得るのかしら…」




酒匂「ぴ、ぴゃん…(戦慄のぴゃん)」




矢矧「阿賀野姉が…」




酒匂「私たちよりも…」




能代「先に起きて支度を済ませているなんて…!!!」




阿賀野「なにしてるの? はやくしないと提督の集合に遅れちゃうわよ?」




能代「阿賀野姉ーーー!!!」ダキッ




阿賀野「ひ、ひゃ!? ちょっとなによ能代~」




能代「阿賀野姉が…阿賀野姉が成長したーーー!!!」




阿賀野「ちょ、なによその私が一切成長してなかったみたいな言い方~!」




阿賀野「矢矧たちもひどいと思わない…?」




矢矧「…艦娘の可能性を感じたわ…!」ポロポロ




酒匂「う、うん…! 阿賀野お姉ちゃんでも成長できるんだね…!」ポロポロ




阿賀野「なんでよ~!?」






最低限修理したとはいえ施設だって決して充実しているとは言えない






翔鶴「おはようございます、提督」




提督「おう、おはよう」




提督「昨日はごめんな」




翔鶴「いえいえ、書類仕事には慣れていますから」




提督「…あの頃は世話になったな…」




翔鶴「えぇ、たくさんミスして大変だったんですから」




提督「うぐ…」




翔鶴「ですが昨日の提督と扶桑さんを見ていて安心しました」




翔鶴「これなら今後も大丈夫そうですね」




提督「…もうお前とより扶桑との方が長いからな、秘書艦」




翔鶴「私は提督に捨てられてしまったの…」ヨヨヨ・・・




提督「おいやめろ、お前がやるとマジでシャレにならん、憲兵が飛んでくる」




翔鶴「うふふ、冗談ですよ」




翔鶴「そろそろいい加減にしないと正妻の扶桑さんに怒られてしまいます」




提督「・・・誰がいつ側室を持ったってんだよ」




翔鶴「あら、今後私を側室にしていただけるのではないのですか」フフッ




提督「冗談はよしてくれ…」




翔鶴「冗談ではないんですけど…っと、それでは私はこれで」




提督「おう、じゃあな 集合に遅れるなよ」






こんな何もない鎮守府から






扶桑「提督」




提督「おう、そろそろ時間だな」




扶桑「はい」




扶桑「ですがその前に…」




扶桑「ありがとうございます」




扶桑「色々なこと、提督には本当に迷惑を…」




提督「それはもういいって言ったろ?」




扶桑「はい、だからこそ 感謝をしたいのです」




扶桑「こんな私を愛してくれて、ありがとうございます」




提督「そんなの俺も同じさ」




提督「こんな俺を愛してくれて、ありがとう」




扶桑「はい…!」




提督「…さて、惚気もお終いにしないとな」




提督「みんな待ってる」




扶桑「えぇ、行きましょうか」





何もかもを始めようじゃないか






提督「みんなおはよう!!」




「おはよー!」  「おはようございます!」  「おはようさん」  「朝早いよ…」  「眠い」




提督「おいおい、しっかりしてくれよ、明日からはこの時間が普通に戻るんだぞ?」




「えーやだー!」  「寝たいー!」  「ぶーぶー!」




提督「ダメだ! ここは一応軍だぞ!?」




「提督のケチー!」  「鬼、悪魔ーー!」  「ロリコンー!」




提督「なんとでも言ってみrってロリコンってなんだよ!?」




「あはははー!」  「しれーは朝から元気です!」




提督「ったく、話の腰を折りやがって…」




提督「…よし」




提督「今日から俺はここの提督として復帰する」




提督「もう一度、お前らの司令官として1からやり直す」




提督「…一年以上、俺たちは戦果をあげることができていない」




提督「ここの鎮守府の評価は最低クラス!」




提督「このまま行けばすぐに解体だ!」




提督「そんなのは嫌だろう!!」




「おう!」  「もちろんさ!」  「当たり前だよなぁ?」  




提督「…さて、ならやるべき事は単純明快!」




提督「めちゃくちゃ頑張って戦果をもぎ取るだけだ!」




提督「その方法も簡単!」




提督「俺が書類書きまくって、お前らが深海棲艦倒しまくればいいだけだ!」




「そのとーりです!」  「簡単に言ってくれるねぇ~!」  「ぶっ倒しまくってやらぁ!」




提督「もちろんお前らにはバリバリ働いてもらうぞ!」




提督「入院中に新しい遠征、哨戒、訓練、出撃のローテを組んだ!」




提督「俺にあんなマズい病院食を食わせたんだ、報いとして馬車馬のように働いてもらうからな!」




「ブラック鎮守府-!」  「そうだそうだー!」  「しれーの鬼! 悪魔!」  「ロリコン!」




提督「そうは言ってもキチンと休みとか残業手当とか出rだからロリコンってなんだよ!?」




提督「…ま、やることは昔となんも変わんねぇ!」




提督「深海棲艦どもをぶっ倒す! そんでもって戦争を終わらせる!」




提督「誰一人欠けずに!」




提督「最後までやり遂げる、そんだけのことだ!」




提督「さて! じゃあそろそろ…」




提督「今日の艦隊運営を始めよう!!!」




艦娘s「「「「「「「「「「はい!!!」」」」」」」」」」






ボロボロになった提督と、その艦娘たちとで











≪番外編① その後の瑞鶴≫





瑞鶴「おはよ! 提督さん!」




提督「おう、おはよ瑞鶴」




瑞鶴「いい天気だね、今日も」




提督「あぁ、




瑞鶴「…ね、一つ聞いていい?」




提督「ん?」




瑞鶴「提督さんは私のこと好き?」




提督「なんだよその質問   らしくない」




瑞鶴「いいからいいから」




提督「えー  好きだぞ、お前のこと」




瑞鶴「ふふっ、嬉しい」




瑞鶴「じゃあ、扶桑さんと私、どっちが好き?」




提督「扶桑だな」




瑞鶴「即答!? ちょっとくらい迷ってくれてもいいじゃん!!」




提督「お前にはすっぱり俺を諦めてほしいんだよ」




瑞鶴「なるほど…  って提督さん、なんで私が好きなこと知ってるの!?」




提督「あのなぁ…  逆にあんなにツンデレデレしててバレてないと思ってたのか?」




提督「というか時々ツンデレデレじゃなくてヤンデレデレになってて俺も怖かったくらいだわ」




瑞鶴「そ、そうだったんだ…」




瑞鶴「…じゃあさ、提督さん」




提督「今度は何…「大好き」チュッ




提督「え……?」




瑞鶴「…よし!」




提督「何がよしだよ!? え!? なんでこの流れでキスしたの!?」




瑞鶴「え、だって…」




瑞鶴「これで提督さんのこと、区切りつけようと思って」




瑞鶴「でも何もなしで諦めるの尺だなーって思ったから」




瑞鶴「…ついやっちゃった♪」テヘペロ




提督「なにがついだよ!? え、ちょ、待て、俺ファーストだったんだけど…」




瑞鶴「ふふ! 私もだから安心して!」




提督「なにが安心して!だよ!?」




提督「ったく…」




瑞鶴「…」




瑞鶴「…さーてと!」




瑞鶴「…提督さんは扶桑さんとラブラブ!」




瑞鶴「私の入る隙なんてない! これですっぱり諦める!」」




瑞鶴「よし!」バチーン!




提督「お、おい瑞鶴、今すげえ音したけど大丈夫か…?」




瑞鶴「ちょ、ちょっと強くたたき過ぎた…」ヒリヒリ




提督「締まらないなー…」




瑞鶴「私らしいでしょ」




提督「それを誇るな」




瑞鶴「…提督さん」




提督「ん?」




瑞鶴「これからも、戦友としてよろしくね♪」




提督「あぁ、もちろんだ」




瑞鶴「私以外に浮気なんかしたら爆撃してやるんだからっ!」




提督「ふっ、どんとこいだぜ」






≪番外編② 扶桑と提督≫




扶桑「提督、こちらの分は終わりました」




提督「お疲れー、俺ももうちょいで終わるから待っててくれ」




扶桑「はい」




提督「…」カリカリカリカリ・・・




扶桑「…」




提督「…」




扶桑「…提督は」




提督「ん?」




扶桑「いえ…提督は、わかっていたんですか?」




扶桑「あの件について… 私が犯人だってこと」




提督「まーた懐かしい話を…」




提督「もう半年くらい経つっけ  どうして今更そんなこと」




扶桑「ご、ごめんなさい、何となく思い出してしまったんです」




提督「謝らなくていいのに 別に責めてるわけじゃないし」




提督「そういうとこ、昔から扶桑の悪い癖だな」




提督「…あの時もそうだったもんな」




扶桑「あの時……あの時……」




扶桑「スタンガンの時ですか!!」ハッ




提督「正解」




提督「あきつ丸から薬の名前やら、25年前のことやら色々聞いてたとはいえ」




提督「正直あれがなければお前が犯人とはわからなかったろうな」




扶桑「で、でもどうして…わ、私キチンとフードもかぶってましたし…」




提督「…いや、扶桑がっつり『ごめんなさい』って言いながらスタンガンしたじゃん」




扶桑「そ、そうでしたっけ…?」




提督「自覚ナシかぁーー…」




提督「声でがっつりわかっちゃったんだよね、扶桑だって」




扶桑「声だけでわかったんですか!?」




提督「いやまぁ流石にずっと一緒にいたわけだしね」




提督「てか扶桑だって俺のこと声だけで…「もちろんわかります!」




提督「お、おう…」




扶桑「ですが私が犯人だとわかっていてどうして一緒に実家に…」




提督「えーまぁ」




提督「正直このまま扶桑と添い遂げるのもやぶさかじゃねぇなーって」




提督「というか、俺ずっとお前のこと好きだったんだぜ?」




扶桑「そ、そうだったんですか…!?」




提督「だからまぁ、このままってのも悪くねぇかって」




扶桑「それで手紙の『来るも来ないもいい』『好きにしろ』ですか」




提督「あ、手紙の暗号のこと知ってたの?」




扶桑「えぇ、全てが終わった後に瑞鶴さんから…」




提督「…ま、そういうこと」




提督「結局アイツらは俺を取り戻しに来たけどな」




提督「まったく、モテる男は大変だぜ」




扶桑「…もし皆さんが来なかったら…?」




提督「そん時はお前と二人で暮らすだけだよ」




提督「農業でもやってさ、のーんびりと」




提督「どっちみち俺にとっては幸せだったろうな」




提督「どちらにしても扶桑と一緒だしね」




扶桑「も、もう…///」




扶桑「提督のそういう所、本当にずるいです」




提督「それは褒め言葉として受け取っておくよ」




提督「…さて!」




提督「書類終ーわり!」




提督「飯行こうぜ、扶桑」




扶桑「はい、提督」




≪番外編③≫




提督「扶桑ーーー!!」




提督「扶桑ーーー!!」




提督「扶桑ーーー!!」




提督「FUSOOOOOOO!!」




扶桑「うるさいです提督!!」ガラガラガラ




扶桑「今夜中…というか朝の4時です、自重してください!!」




提督「あっ…ごめ…」




扶桑「どうしたんですか、何かありました?」




提督「そうっそうなんだよ!」




提督「聞いて驚け!」




扶桑「シー」




提督「はい…」シュン・・・




提督「でな、さっき出撃した第三夜間戦闘艦隊がな!」




提督「山城を見つけたんだよ!」




扶桑「本当、ですか…?」




提督「あぁ!! ホントにホントだ!」




扶桑「どこですか、山城は今どこに…!」




提督「第三艦隊の奴らが今帰投中だ、そいつらが連れて帰ってきてる!」




扶桑「…今すぐ港に向かいましょう!」




提督「あぁ!」





港・・・




ザザーン・・・  ザザーン・・・




扶桑「山城…」




提督「…」




提督「…なぁ扶桑、わかっているとは思うが……」




提督「…今からお前の会う山城は、お前の妹の山城じゃない…」




提督「もちろん、俺を助けてくれた山城でもない」




提督「それでも…」




扶桑「提督」




扶桑「山城は、山城です」




扶桑「苦楽を共にした、あの私の妹ではないかもしれません、でも…」




扶桑「私にとっては、そんなことは関係ありません」




扶桑「私の大切な妹、山城です」ニッコリ




提督「そっか、そうだよな」




提督「…なら、俺にとっても大切な妹だ」




提督「絶対にお前ら二人を幸せにしなきゃな」




提督「もう離れ離れになんかしない」




提督「約束だ」




扶桑「はい…!」




扶桑「妹の山城共々、これからもよろしくお願いしますね、提督!」




オーイ!  テイトクサーン!




提督「…来たみたいだな」




扶桑「ですね」




提督「さて、義妹を迎えに行こうか」




扶桑「はい!」





後書き

これにてエピローグも終わり!閉廷!  最後駆け足過ぎたのでご指摘等々あるとありがたいです、参考にして手直ししたいです・・・
あとはちょいちょいと後日談的なのをいくつかです
たくさんの応援や評価、コメントなどありがとうございます!


このSSへの評価

74件評価されています


SS好きの名無しさんから
2021-01-03 14:40:25

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2020-04-12 17:04:35

無銘さんから
2020-02-21 13:53:52

seven starさんから
2020-01-04 01:11:20

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このSSへのコメント

75件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2018-03-23 01:04:51 ID: RH9x-jZi

続きめっちゃ楽しみにしてます!
どうかHappyENDで終わりますように!

2: SS好きの名無しさん 2018-03-23 03:58:18 ID: kXONKEOH

ふむ……敵対度にばらつきがあるように感じる……瑞鶴と翔鶴は影響を受けてないが影響を受けた艦娘の反感を買わないように動いてるのか……

そんなことより毎回SS面白いですね。面白い時間を提供してくれてありがとうございます!

3: たくちゃん 2018-03-24 00:43:47 ID: 84-CJDVB

1さん、コメントありがとうございます!
気長にお待ちくださいませ!
ハッピーエンドで・・・終わるといいですねぇ~?

2さん、コメントありがとうございます!
そのバラつきに関しては結構後の方で判明するかと!
こちらこそありがとうございますです!

4: SS好きの名無しさん 2018-03-25 06:39:40 ID: _3uLFbGC

こういう嫌われ系SS大体エタったるので頑張ってくださいヽ(^o^)すごく面白いです!

5: こさっちょ 2018-03-25 16:59:21 ID: gNK0mpMJ

楽しみにしてます!更新頑張ってください!(`・ω・´)ゞ

6: SS好きの名無しさん 2018-03-25 17:54:01 ID: Etkk6OSf

エタってしまったあの作品と似てるな~
おれあれ好きなんだよな
おれは読んでるからよ、おめぇが書いてるかぎり、その先におれはいるぞ!
だからよ、エタるんじゃねえぞ、、、。

7: たくちゃん 2018-03-26 00:20:34 ID: _yF9LdMf

皆様、コメントありがとうございます!
エタるってなんぞ?って思って調べたらエターナルの略なんですね
初めてしりましたw(無知

4さん
ありがとうございます! エタらないはずです! 多分!

5さん
はい、毎日とはいきませんが頑張ります!

6さん
あの作品・・・?というのはなんでしょう? 教えてください、なんでも(オルガが)しますから!
♪キボウノハナー

8: SS好きの名無しさん 2018-03-27 02:55:47 ID: Cf2SzGq-


提督「艦娘に殺されたい」
というSSではないでしょうか?

9: SS好きの名無しさん 2018-03-27 23:14:22 ID: zrD8_H61

嫌われssですか…由良さん出てきてないけど由良さんに「嫌い」とか「近寄らないで」なんて言われたら俺立ち直れないわ!… 出てこないかな~(願望)

10: SS好きの名無しさん 2018-03-28 22:44:12 ID: vsoHEAqH

違うかもしれないけど、艦娘の好意が敵意に反転させられて提督ズタボロ→効果が切れて艦娘大パニック→黒幕の明石と深海提督登場
こんな感じで終盤突入したかな~みたいなところでエ立ったSS を見たことがあるような・・・

11: たくちゃん 2018-03-29 00:49:07 ID: _VgCkAeu

皆様、コメントありがとうございます!

8さん
え・・・あれってエタってたんですか??
明石が提督をあーしてあーなって終わりじゃないんです?

9さん
この先をもうすでに書き溜めてしまっているので無理ですね・・・
ごめんなさい・・・

10さん
あー・・・あったような・・・なかったような・・・
時間がなくてちょろっと見ただけで終わってしまった記憶がありますね

12: SS好きの名無しさん 2018-03-29 03:21:28 ID: JXvdbW_R

エタってないやろ1部はもう完結したし2部今やってるし

あとこれからも頑張ってください

13: SS好きの名無しさん 2018-03-29 03:49:55 ID: nmZzj2Ln

良い作品、続きが楽しみです。

14: SS好きの名無しさん 2018-03-29 18:02:29 ID: V3APl9Mt

いつも貴方の作品を応援しています。
大変ですが頑張って下さい!
このSSのことですが
冒頭にて いつからか艦娘たちが
提督に辛くあたるように
なったとの事ですが何故に?何が原因か?教えて欲しいです。
長文になりましたが続き楽しみにしてます!

15: SS好きの名無しさん 2018-03-29 22:51:30 ID: 2hnF2NyE

6です、10さんの言ってるssであってます!
初めはすごいよかったけど後半は面白くなくなってしまってエタってしまった・・・
この作品はすごくそのssに近いものを感じるので主にはがんばってもらいたい・・・

16: たくちゃん 2018-03-30 00:07:46 ID: JnhELkOd

皆様、コメントありがとうございます!

12さん
ですよね、あれで終わりですもんね・・・ 本当にああいう面白いSS書いてみたいですね   あ、応援ありがとうございます!

13さん
ありがとうございます! 期待しないくらいでお待ちいただければ!

14さん
ありがとうございます! 原因とかその辺、本当に最後の方に明かすことになるのでそれまでお待ちください!

15さん
あのSSは最初しか読んでなかったんですが読もうかな・・・
(マジレスですが執務室の壁が対戦車装甲板とか言ってたけどそんなもので航空爆弾って防げないよなーって思いながら読んでしまいました・・・)

17: SS好きの名無しさん 2018-03-30 22:59:32 ID: bozPhVlD

仕事が早いですね!
待ってました!
これは陸軍が黒幕か…?
某SSのように洗脳装置で
艦娘との絆を壊そうとしてるのでは?

18: akki-17 2018-04-01 13:39:05 ID: Wd9pkobq

みんな洗脳装置のやつ知ってるんすね〜
なんか読んでて後半の黒幕連中結局何したいの意味不なんだがみたいな印象を得たssでしたねあれ、なんか中途半端に終わってた気がするし。
何はともあれ、嫌われ系は割とエタってるのが多い気がするので、完結できるよう応援します!

19: たくちゃん 2018-04-01 23:27:54 ID: neMf3Yot

18さん、コメントありがとうございます!
それ最後まで読みたいけど時間が・・・
自分もそうならないよう頑張ります…!

20: SS好きの名無しさん 2018-04-02 20:10:19 ID: B3WxwjkW

17ですが本当に洗脳装置のSSって
知名度高いですね。
確かに向こうは不完全燃焼で
済んでしまいそうですが
このSSは無事に終わりまで進んで欲しいです。作者さんを信じて待ちましょう!皆の期待に応えるのは大変ですけど
楽しみにしてます。

21: たくちゃん 2018-04-04 00:45:10 ID: nghuPJtB

20さん、コメントありがとうございます!
読みたいけど読みたいSSが多すぎてそれまだ読めてないです・・・Orz
本当に期待に応えられるかはわかりませんが完走目指してガンビア・ベあ、間違えた ・・・頑張ります!

22: SS好きの名無しさん 2018-04-06 22:53:20 ID: AmxBi0fi

艦これssの中でもこんなに興味を惹かれたのは初めてです!頑張ってください!

23: たくちゃん 2018-04-07 00:15:24 ID: FxfJc_kB

22さん、コメントありがとうございます!
そんな言い方をしていただけるなんて・・・!
ありがとうございます! 頑張ります!

24: SS好きの名無しさん 2018-04-07 09:34:27 ID: LQuunWJY

海外艦なしってのも中々珍しい?ですね、続編をお待ちしてナス!

25: たくちゃん 2018-04-08 00:24:24 ID: jBKpwGlE

24さん、コメントありがとナス!
海外艦入れると色々面倒なことになるかなーと思ったんで今回は入れませんでした!  個人的にはガンビーちゃん出したかったんですけどね!(血涙)

26: SS好きの名無しさん 2018-04-08 09:32:10 ID: MOUu_aGg

更新早くていい

27: SS好きの名無しさん 2018-04-08 12:09:01 ID: W16GPUNP

後任の提督が気になるであります!
主殿の手腕に期待します!

28: SS好きの名無しさん 2018-04-09 00:14:43 ID: 2iOgSmOi

こういうのが好きです。
応援してます。

29: たくちゃん 2018-04-09 00:29:28 ID: fZq5xoOp

皆さん、コメントありがとうございます!

26さん
下書きでは終わりましたので、後は垂れ流すだけだからです!

27さん
あきつ丸さん座っててくださいw  一応、提督はまだ『有給』扱いでいなくなってるだけなので後任くんは出てきません

28さん
ありがとうございます! 頑張ります!

30: SS好きの名無しさん 2018-04-09 01:29:37 ID: B0pejDRe

取り巻きが屑過ぎて救いがないなw

31: かむかむレモン 2018-04-09 18:03:13 ID: 1WjSmwdx

もう待ちきれないよ!早く(続き)出してくれ!

32: たくちゃん 2018-04-10 00:19:43 ID: Fa-wqc-K

30さん、コメントありがとうございます!
みんな疑心暗鬼で錯乱状態だし、多少はね?
そもそもこういう結論になるように犯人が仕向けてますし

31さん、コメントありがとナス!
あ、待ってくださいよ
小出しにして焦らしプレイしてやるから見とけよ見とけよ~!

33: SS好きの名無しさん 2018-04-10 02:56:15 ID: 1z59v44g

いいゾ^〜これ
このSS好きゾ
更新オナシャスセンセンシャル!(ドゲザ)応援してます。(待て)ないです
なんだこの改行だらけで不幸にも黒塗りの高級車に追突しそうな感想は…汚い感想、はっきりわかんだね。

34: SS好きの名無しさん 2018-04-10 19:18:10 ID: MSacU2DD

あきつ丸「私が犯人であります!」

35: SS好きの名無しさん 2018-04-10 20:42:03 ID: N3VwvDcv

材料が揃ったということはつまりCHM-78についての情報が最後のパーツだったということかな?

36: たくちゃん 2018-04-11 00:07:57 ID: o1dk5uZ2

皆さん、コメントありがとうございます!

33さん
しょうがねぇなぁ~
あと2回くらいで終わるから見とけよ見とけよ~
コメントくれるだけで作者としては感無量って、それ一番言われてるから

34さん
なん・・・だと・・・!?
まぁちょっとミスリードった部分もありますけどねw

35さん
そうですね、具体的には『誰が』CHM-78を入手していたか、という情報です

37: SS好きの名無しさん 2018-04-11 06:43:50 ID: Tco6RoyF

pixivで似たような内容のSS見たことありますね…。鹿島が艦娘達に嫌われ薬を盛って提督とケッコンカッコガチするやつ

38: SS好きの名無しさん 2018-04-11 08:05:28 ID: lL_tS2ZJ

艦娘って20年以上生きててもあの姿のままなんか…ええなぁ

39: SS好きの名無しさん 2018-04-11 15:02:22 ID: 8UKXxql-

扶桑の行動って一種のヤンデレかな?

40: たくちゃん 2018-04-12 00:59:54 ID: Jwjiel60

皆さん、コメントありがとうございます!

37さん
もしかしてなかむーさんのでしょうか? あの人のSS好きなんですよね~

38さん
まぁアイオワとかイントレピッドとか、かれこれ70年以上原型保ってますし・・・

39さん
その通りでございます! 伝わるか不安だったのでわかってくれた人がいてよかった…!

41: SS好きの名無しさん 2018-04-12 02:46:54 ID: AmIUZ3ps

39ですが、やはりそうでしたか…
このあと提督は如何なる判断を
するのか興味あります。
にしても…更新早くて嬉しいです!
頑張れ作者様!!!

42: SS好きの名無しさん 2018-04-12 18:04:12 ID: tBuqpI76

手紙の件は扶桑だろうと思って、薬は青葉等の別の艦娘なのではと思ってましたが、薬まで扶桑とは、いい意味で予想を裏切られました。

43: たくちゃん 2018-04-13 00:37:07 ID: YhJ7nJLr

41さん、コメントありがとうございます!
書き溜めた分全部放出大サービスです!w
・・・まぁまだエピローグあるけど

42さん、コメントありがとうございます!
そう言っていただけると色々と苦心した甲斐がありました!(そんなに苦心ってほどじゃないですがw)

44: SS好きの名無しさん 2018-04-13 02:42:38 ID: nS33pOkk

提督有能すぐる

45: ㈱提督製造所 2018-04-13 13:13:05 ID: MRVZM3ez

ヤバい…ss成分の切れた読者達の負の感情が……暴走を始めた…‼
このままでは…たくちゃん氏は提督と同じ目に遭うやも知れん…‼

46: たくちゃん 2018-04-14 00:02:27 ID: b80nZO3w

44さん、コメントありがとうございます!

提督さんは頭のいい人しかなれないですから!
・・・あれ? つまり俺は頭がいい人間だった・・・?

45さん、コメントありがとうございます!
いやーキツイっす・・・(素)
書き溜めもないし、ちょっと火垂るの墓見て気分がアレなんで今日の投稿は休みとさせていただきまスゥーーーー
マジで皆さんもうちょい待って・・・エピローグはやるから・・・

47: SS好きの名無しさん 2018-04-14 06:36:29 ID: STDZvilO

お疲れ様でした。久しぶりに読み応えのあるSSに出会えた気がします。
ところで、少し疑問なんですけど、艦娘たちって最終的に、以前の記憶って消されたままなんですのね?だとしたら、ハッピーエンドだけどなんか切ないなぁ。

48: SS好きの名無しさん 2018-04-14 10:47:16 ID: mq3GaXhJ

エピローグだ…エピローグを寄越すんだ…(禁断症状)
投稿初期から読んでたけどきちんと完結しそうで良かったです。面白かったのでエタったりするのは嫌だったからね。

49: SS好きの名無しさん 2018-04-14 21:10:30 ID: uSBa7vXW

面白かったーーーー

50: SS好きの名無しさん 2018-04-14 21:11:14 ID: uSBa7vXW

たくちゃんさんの作品が好きすぎる

51: SS好きの名無しさん 2018-04-14 22:43:28 ID: 36VuOOgL

翔鶴さん…扶桑のヤンデレを
目の当たりにしても二つ目を
狙っているとは。
この話しでもう一本、作品が出せそう。
もし良ければ…期待します!
何はともあれお疲れ様でした!!

52: たくちゃん 2018-04-14 23:36:55 ID: b80nZO3w

皆さん、コメントありがとうございます!

47さん
そうですね、一度目の記憶はないままです
失われた記憶は戻りませんし、戻っても艦娘たちが余計に罪の意識感じるだけですから  ちなみに扶桑とあともう一人だけ、記憶が消えていない娘がいます さて誰でしょうか

48さん
エピローグやらはちょっと待っちくり~
エタるのは嫌です ていうか個人的にどんなにクソなルートをたどったとしてもどんなにクソな結末になっても終わりまでは書きたいのです
こんなクソ雑魚SS書きの意見ですけどねw

49さん、50さん
ありがとうございます!
こんな私の作品を好いてくださり、もう本っ当嬉しいです!

51さん
流石に1本は書かないですが番外編的な感じで触れようとは思っています(予定は未定ですがw)
こちらこそご覧いただきありがとうございました!

53: たけ春 2018-04-15 03:47:56 ID: L6GtuhGe

面白かった!

最高でした!!

54: SS好きの名無しさん 2018-04-15 08:53:12 ID: kfeULbxW

記憶が消えていない艦娘ですが
もう一人は瑞鶴だと思います。
一度も執務室爆撃の描写が無いのは
記憶を消される前に爆撃して提督に
命に関わるダメージを与えたから。
そのときのショックで記憶が消えずに
済んだからだと思ってます。
ついでに提督に対する負の感情も
消滅したので二回目は協力的になる。
扶桑の瑞鶴に関する考察を察するに。
どうでしょうか、作者様?
完結お疲れ様でした!

55: SS好きの名無しさん 2018-04-15 10:41:30 ID: TDqsYpuL

なるほど。
罪の意識が倍増してしまって、
いい雰囲気が落ち込んでしまっては、逆効果ですもんね。
記憶がそのままなのは、瑞鶴だと思います。加賀との面会の時、
今度"は"誰かに操られていた?!と言っているので、前回のことも
知っているような口振りだったからです。

56: たくちゃん 2018-04-16 00:29:23 ID: 29w82XW-

皆さん、コメントありがとうございます!

53さん
お読みいただきありがとうございます!!
光栄であります!

54さん
瑞鶴ではないんですよ・・・残念ながら
瑞鶴はベクトルとしては扶桑と同じヤンデレですが『提督さんを傷つけるなら(それが自分でも)殺すのも厭わない』タイプなのです(扶桑は提督が傷ついても自分のものになればOKというタイプ) 
もし一度目に瑞鶴が提督を爆撃していて記憶が残っていたなら、多分瑞鶴は自責で自殺をしていたと思うのです(そうでなくとも提督に近づく資格がないと思い、失踪するか)
だからこそ、記憶がないはずの瑞鶴があそこまで提督へ友好的になれたことを、あれだけ扶桑が驚いたのです
描写ないですがあんだけ提督さんのこと好きなので、一回目にも同じように協力的、もしくは手は出していないんじゃないかな
長々と失礼しました!

57: たくちゃん 2018-04-16 00:30:18 ID: 29w82XW-

55さん
加賀さんときのセリフは普通に紛らわしいだけですw ごめんなさい
むしろ瑞鶴は作中では本気で艦娘たちが自らの意思で提督に対して暴行していたと思い込んでいるのです
だから瑞鶴はあそこまで徹底して加賀さんたちを罵倒できたのです

正直答えはおろかヒントすら本文の中にはほとんど書かれていません
強いていうなら最後の方にー…ですかね
まぁ気にしないでお読みくださいw

58: SS好きの名無しさん 2018-04-16 18:07:46 ID: q1RwVBJB

う~ん、翔鶴かなぁ。
大穴であきつ丸?
いったい誰なんだろ?

59: SS好きの名無しさん 2018-04-16 23:59:19 ID: sjX5TUXH

いやー、深読みしすぎて外してしまいました。しつこくてすいませんが、次の予想は、翔鶴ですね。「ずっとずっと、ずーっと前から」というセリフ、「あかし」の意味を理解できている、また、その後の提督の意味深なセリフがあるからです。まあ、合っていようが、合っていまいが、自分の解釈で楽しむのもまたいいですよね。後日談も楽しみにしています。

60: たくちゃん 2018-04-18 22:06:31 ID: fbbKTMtJ

58さん、コメントありがとうございます!
隠す必要もあんまないので言っちゃいますが正解です!
正解は翔鶴さんです!

59さん、コメントありがとうございます!
そうです、その辺のセリフが一応ヒント…っぽくしたんですが、いかんせん伏線はるの遅すぎですよねw ごめんなさい

61: SS好きの名無しさん 2018-04-18 23:06:37 ID: SVXAtvaO

いえいえ、瑞鶴のあの言い方は.....。いやでも、翔鶴との後半の展開が.....と行間を読むのは楽しかったです。
ところでなんですが、提督は、あきつ丸の青葉への調査の場面にあったように、自分がかつて巻き込まれた事件が実は今回同様に艦娘の暴走のせいであるということは、もうすでに知っていて、敢えて平静を装っているのでしょうか?

62: たくちゃん 2018-04-20 00:43:26 ID: U2HEmupe

コメントありがとうございます!

提督の子どもの頃の事件については、あきつ丸の調査で初めて知った、という脳内設定です なので、提督があきつ丸に調査を依頼したら偶然得た副産物的な情報です  なので後半の方の提督は、それを知っていながらここまで艦娘に優しくできる精神すごい人ですw

63: SS好きの名無しさん 2018-04-20 13:51:34 ID: G44zBdr3

ニキ、書く話間違ってね?
能代の奴は手当たり次第の方じゃ...

64: たくちゃん 2018-04-20 19:16:06 ID: U2HEmupe

63さん、指摘ありがとうございます!!!
やってもうたーーー!! 適当にWarThunderやりながら上げたからだすみませんでしたぁぁぁぁぁ!!!!! 素直に土下座です・・・

65: SS好きの名無しさん 2018-04-20 20:46:08 ID: vHPx1Hug

普通の人だったら、過去の事実を知ったら発狂ものなのに、やっぱり提督になれる人はココロも非常にタフですね。見習いたいものです。

66: SS好きの名無しさん 2018-05-17 02:42:19 ID: je-Ft7eT

なんで最後MURがいるんですかね・・・

67: たくちゃん 2018-05-21 00:05:00 ID: KFFVkMKe

65さん、コメント長い間放置しててごめんなさいっ!
提督業に限らず、軍などの人の命を預かる職業は心もタフじゃないと思います、本当に

66さん、コメントありがとうございます!
筆者がホモだからね、しょうがないね
別のコメディー作品の方とか語録まみれだから見とけよ見とけよ~(ダイマ)

68: SS好きの名無しさん 2018-12-07 02:16:02 ID: S:JN_6vu

出だしの既視感が凄いと思ったら「艦娘に殺されたい」とほぼ一緒だな。
コメ欄に俺と同じこと思ってるのがいて安心した。

69: SS好きの名無しさん 2019-05-01 21:25:22 ID: S:LAp-Td

傑作

70: SS好きの名無しさん 2019-08-31 07:49:30 ID: S:mws05s

このss、最高!

71: ウラァー!!ハラショー!! 2019-09-06 23:42:08 ID: S:kvKYL2

他の所で見た記憶が...気の所為...?

72: ウラァー!!ハラショー!! 2019-09-06 23:49:27 ID: S:Q4elBX

追加コメ失礼します。
なーんか見た事あると思ったらYouTubeでしたw

73: SS好きの名無しさん 2019-09-09 00:01:28 ID: S:M5hNvZ

ウラァー!!さん 僕も既視感あるなと思ったらYouTubeでしたw

74: たくちゃん 2019-10-01 02:21:06 ID: S:YnJIGD

皆さん、コメントありがとうございます!

68さん
まぁああいうのに影響されて書いてますしねー

69さん
そ、そこまでいわなくても(照

70さん
いやん恥ずかしい

ウラァー!!さん
そーーなんですよねぇ、色んなところに勝手に転載されてるんですよぉ
一言くれぇ言えば別にいいのにねぇ…

73さん
まぁ対処ももはや面倒なので何もしないですけれども…まったく…

75: SKY-HIええやん 2022-08-14 08:24:47 ID: S:P35QbY

しょうもない作品でウケたわ😂😂😂😂😂😂🤣🤣🤣🤣🤣🤣😁😁😁😁😁😁😁
さっさと精神科に行って頭切り開いて見て貰えや😘😘😘😘😘😘😘


このSSへのオススメ

6件オススメされています

1: SS好きの名無しさん 2018-03-29 03:50:14 ID: nmZzj2Ln

ゾクゾクしちゃうね

2: SS好きの名無しさん 2018-04-11 13:57:03 ID: KKTUzT-3

ゾクゾクしちゃうね

3: SS好きの名無しさん 2018-11-06 01:25:50 ID: S:Kop_W2

鬱エンドかと思ったらまさかのハッピーエンド。色々な伏線とかちゃんと回収されててすっきりした。
└(՞ةڼ◔)」いやあ…いいssに会えた。

4: エメラグーン 2018-12-27 03:21:09 ID: S:RJ9ub-

最高でした!

5: H.E.Manteuffel 2019-07-05 15:38:34 ID: S:kBkoRs

映画化希望です!

6: SKY-HIええやん 2022-08-14 08:23:22 ID: S:tI8ALA

コメ欄キチガイ湧き過ぎウケたわ😁
映画化とか言ってる奴病院行ってこい👎


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