2020-12-07 22:01:49 更新

概要

未来での買物は出来るのか・・現れる黄色いクソ狸、そしてノビスケとアヤカは・・

スネ樹は想いを告げる最後のチャンスを・・


前書き

気に入らない方は戻るを押してくれても良いんだぜよ?ぜよ!ぜよ!


【第二部】第十二話(裏北条家編)伝える想い


ーノビスケ編ー


時代(未来)


残り時間(14時間)朝


タイムパトロール隊本部から出た俺とアヤカは総隊長の手を借りて別人として都市で動けるようにしてもらった


ノビスケ→セワシ


アヤカ→陽子(ようこ)


二人とも年齢は同じくらいで顔も似ている、知り合いに会わなければどうにかなるだろう


この都市では何をするにも身分証明書のIDカードが必要でそれがないと買い物も出来ない


全く不便なもんだ


そしてマツシバ工場へと向かう途中に護衛をしてくれる人と合流したが


そいつは俺達やスネ樹達を襲ってきた奴で油断出来ない


何故総隊長はこいつを・・・


偉い人の考えは理解出来ない事が多いと言うが本当なのかもしれない


一番危険な奴に任せるなんて


殺し屋のターゲットがその殺し屋を護衛に雇うようなものだ


自分の身は自分で守れって事なのか


それとも・・・


いや、深くは考えないでおこう


とにかくマツシバ工場へ行こう


後ろに警戒しつつ


セワシ「・・・・・・」


陽子「・・・・・・・」


イチ「何か喋りましょうよ。暇です」


セワシ「帰れ」


陽子「か、帰りなさい」


イチ「余程嫌われてるんですね〜許してくださいよ」


セワシ「護衛はいいんで帰れ」


陽子「そうよ・・そうよ!」


イチ「ダメですね。そんな事をしたら総隊長に怒られてしまいます。嫌でもこれが仕事なので我慢してくださいね」


セワシ「やはり話しても無駄かアヤカじゃなくて陽子行こう」


陽子「出来るならあまり近寄らないでよ。話もかけないで」


セワシ「だそうだ近寄るな、しっしっ」


イチ「・・・・・・・」


セワシ「・・・・・・」


ちょっと言い過ぎたか?こいつも仕事で仕方なくやっているのかもしれないし


少しくらいは・・・


セワシ「あの、イチさん・・」


イチ「ふふふふ・・・」


やっぱりやめ。こいつとの会話は極力避けよう


イチ「セワシさん陽子さん工場はこちらですよ」


セワシ「ん?あ、道間違ってた」


陽子「御礼なんて言わないからね」


イチ「はい、必要ないです」


セワシ「本当に何を考えてるのかわからない奴だ」


陽子「絶対に信用はしちゃダメなのは確かよ」


セワシ「それは分かってるさ」


陽子「ねぇここじゃない?マツシバ工場」


セワシ「そうだね。やはり大きいな・・このデカイビルが一つ丸々工場だとは上が霞んで見えないぞ」


陽子「行きましょ」


イチ「入口はこっちですよ」


IDカードを使い入り口からマツシバ工場ビルへ入った


ーマツシバ工場ビル1階ー


セワシ「さて、どうすればいいのか・・」


陽子「えっと、センサーだったわよね?案内図とかは・・」


イチ「受付へ行けばいいかと思いますよ?あ、独り言なんで気にしないでくださいね」


イチ「独り言なんで!」


陽子「・・・受付へ行きましょ」


セワシ「そうだな」


セワシ「あの、すみません」


受付嬢「はい、どのような御用でしょうか?予約の名前を言ってください」


セワシ「え?予約?」


受付嬢「はい、マツシバ工場は完全予約制となっております。多忙なうえご理解していただけると助かります」


セワシ「予約ってしてないよね?」


陽子「してるわけないじゃない」


セワシ「今からするのじゃ・・駄目かな?」


受付嬢「では、一週間後にお取りしますね」


セワシ「今日がいいんですけど・・」


受付嬢「無理です」


陽子「そこをなんとか・・」


受付嬢「無理です」


セワシ「くっ・・・困った」


陽子「どうしよう・・」


イチ「ちょっといいですか?私達予約したセワシですけど」


受付嬢「セワシ様ですね。はい、部品の相談の件で予約が取られていますね。工場長が対応しますので3階応接室でお待ちください」


イチ「はい、ありがとうございます。行きましょうセワシさん陽子さん」


セワシ「は、はい予約してたのかよ」


陽子「予約してるなら言いなさいよ」


イチ「聞いてこなかったので、それに話しかけるなと言われたので」


陽子「私が悪かったわよ・・必要な事は教えて」


イチ「は〜〜い、仲良くしましょうね」


セワシ「エレベーター来ないんだけど・・」


陽子「なんか階数字以外に横にもう一つ数字が映ってるけど」


セワシ「90ってなんだろう?」


イチ「これは時間ですよ。このビルが50階ありまして。エレベーターも常に動いてるけど間に合ってない状況です。つまりこれは90分待ちです。90分待てば乗れますよ?待ちますか?」


陽子「エレベーターで90分待ちって・・テーマパークじゃないんだから・・」


セワシ「仕方ない階段は?」


イチ「えっと・・あっちにありますよ」


セワシ「なら、階段で行こう3階ならすぐだ」


陽子「そうね」


イチ「果たしてそうかな?」


1階から2階への階段を上り始めてから15分が経つが2階が見えない


セワシ「階段長くない?」


陽子「2階はまだなの!」


イチ「50階あると言っても1階1階がかなり大きいですから1階でもかなりの高さですよ」


陽子「先に言いなさいよ」


イチ「必要な事だとは思わなかったので、それこそくだらない事だと思ったので」


陽子「なら、次からはくだらない事でも言いなさい」


イチ「は〜〜い、ますます陽子さんと仲良くなれますね」


陽子「・・・・・・」


イチ「あ、そうそうくだらない事なんですけどね?受付からお客様用カードを貰いまして、これを使えばエレベーターも優先して使えるらしいですよ」


セワシ、陽子「「っ!」」


セワシ「なんでそれを言わないんだよ!」


イチ「いえ、ですから必要なー」


陽子「もういいからまだ隠してる事はある?」


イチ「隠してる事ですか?ありますよ。人に言えない事などたくさん。でも、それはあなた達も同じですよね?」


イチ「言いませんよ?」


セワシ「いや、そういう事ではなくて」


陽子「言い方を変えるわもう隠してるくだらない事はない?」


イチ「はい!ないですよ」


陽子「どうする?」


セワシ「とりあえず2階までは行こう」


陽子「そうね」


ーマツシバ工場ビル2階ー


セワシ「2階だとは思えないほど広い・・・」


陽子「天井も高いし」


イチ「未来の進歩ですよ。でもこれは他でもない貴方達過去の人達の頑張りや苦労によって出来たものです。いや〜凄い」


セワシ「もしかして褒めてるつもりか?」


イチ「ええ!そうですよ」


陽子「素直に喜べないわね」


イチ「そうですか?」


セワシ「エレベーターを探そう」


陽子「そうね、それにしても2階は小学生くらいの子が多いわね」


イチ「今日は工場見学の日なのでしょう。よくやるわ〜」


セワシ「この子達がこの都市で勉強して未来を大きくするんだね」


陽子「大変だけど頑張って欲しいわね」


セワシ「あぁ」


イチ「・・・・・そろそろ行きましょう」


セワシ「だな、待たせるのも悪い」


その時一人の子供がイチにぶつかる


子供「いたっ」


イチ「ん?」


はしゃいでいたのか前を見ず走っていたようだ


イチ「いてぇな・・・」


子供「っ・・・・・」


イチ「おい、待てよ」


子供「・・・・・・」ダッ


イチ「そこのガキ!逃げ切れると思ってんのか?あぁ?」ガシッ


子供「っ!」


陽子「イチ・・さん、子供なんですし・・」


セワシ「イチやめろ大人気ないぞ」


しかし、イチは俺達を無視して子供を睨む


イチ「おい、いてぇぞ・・」


子供「え、えと・・・」


子供がこちらをチラッと見て助けを求めていた


セワシ「イチもういいだろ」


陽子「そうよ。ちょっと当たっただけでしょ?」


イチ「こっち見ろよ!なぁ?」


子供「は、はい!」


セワシ「くっ!」


無視を貫き通すってか、なら無理矢理にでも


赤(余計な事をするな見てろ)


ノビスケ「え?」


陽子「どうしたの?」


イチ「当たったらなんて言うんだ?」


イチ「誰かに助けてもらってそれで解決・・本来ならばそれでいいだろうよお前らの歳ならな」


イチ「だけどよ・・てめぇこの未来都市に選ばれて期待されて来てんだぞ?子供だからって甘えるなよ?」


イチ「自覚持てよ・・そんなんじゃ未来を任せられんぞ。ここは子供だろうが優しくないぞ?」


子供「っ!」


子供「ぶつかってすみませんでした!ぼ、僕未来の為に任せてもらえるように頑張ります!」


イチ「うん・・よろしいですよ〜君は所属学科は?」


子供「はい、ロボット工学科です」


イチ「そうですか。なら技術を盗むくらいの勢いで頑張ってくださいね」


子供「はい!それでは失礼します」


イチ「いや〜今年も中々いい子が入ってきてますね」


セワシ「・・・・・・・・」


陽子「・・・・・・・・」


イチ「そう言えばイチさんなんて陽子さん〜イチでいいですからね。馴れ馴れしくいきましょうよ」


陽子「え、えぇ・・」


イチ「おっと時間がやばいですね急ぎますよ」


セワシ「本当はいい奴なのか?俺達少し過剰なのか?」


陽子「ダメよ騙されちゃいけないわ忘れたの私達がされた事」


セワシ「うん、そうだよね・・それに」


あいつはタイムホールでたくさんの人達を消し去った


アヤカを殺そうともした


どんな事をしようがそれは許される事じゃない


でも、今のが演技には見えなかった


そう見えるようにしたのか?まだ油断は出来ないか


セワシ「ふぅ・・休まる暇がないな・・」


結局昨日も夜は寝ずにいつ襲撃が来てもいいようにしていた


なんせここは敵の本拠地だ。やはり油断は出来ない


それを知らずアヤカは普通に寝ていたが


それでいい


エレベーターに乗り3階へ着いた


イチ「着きましたよ。ここが応接室のようです。どうやら向こうはもう待ってるようですよ」


セワシ「やっぱりか・・かなり時間かかったからな」


陽子「入りましょ謝れば許してくれるわよ」


イチ「では、ここで待ってるので頑張って」


セワシ「来ないのか?」


イチ「セワシさん私は何のために来たんですか?護衛ですよ?なら部屋の入り口を見張っておかないといけません。だから交渉は貴方達がしてください」


セワシ「だが、仮に中で何か起きる事もあるが?」


イチ「最低限は自分を守ってくださいよ。最悪中の奴が敵だとしたらどうにかしてください。それとも無理ですか?守れませんか?自分も・・アヤカさんも」


セワシ「今は陽子だ・・守ってやるさお前からも敵からもよ」


イチ「あまりその顔は好きではありませんね・・・」


セワシ「だろうな・・捻くれ野郎」


イチ「あまりここで話してても仕方ありませんよ?」


陽子「行こセワシくん」


セワシ「あぁ、じゃあここは頼んだぞ」


イチ「はいはいお気をつけて」


陽子「ねぇ、交渉出来るの?」


セワシ「大丈夫だろう普通に品物を買うだけだ」


イチ「言い忘れていましたがこの都市で買い物をする時は未来都市だけの物になると相手が売り手を選びますよ?悪用されたら大変ですからね。まぁ、精々なめられないように頑張ってください」


イチ「じゃないと痛い目にあいますから」


セワシ「やってみるさ。もし無理ならイチに頼むし」


イチ「仕事以上の仕事はしませんから。ほら、早く行かないと本当に買えなくなりますよ」


確かに待たせるのはよくない


セワシ「陽子ちょっと入る前にいいか?」


陽子「ん?どうしたの?」


セワシ「ちょっと上手くいくか分からないけど」


セワシ「念のためにね」


ガチャ


セワシ「失礼します」


陽子「お邪魔します」


工場長「随分と待たせやがったな。しかもガキかよ。時間無駄にしたなくそっ!」


セワシ「むっ・・」


陽子「いきなり失礼な人ね!待たせたのは悪かったけどそこまで言うなんて」


セワシ「まぁまぁ落ち着いて悪いのはこっちだ。待たせてしまってすみません。少し道に迷ってしまいまして」


工場長「で?」


セワシ「え?」


工場長「時間が惜しいんだよ!早く欲しいもん言えよ」


セワシ「では、」


工場長「あ、待った!あててやろうか?お前ら学校の宿題か何かで自由工作で何か作るつもりだな?やめておけロボットなんてお前らじゃ無理だっての」


工場長「あ、それともこれか?」


そう言って取り出したのは手のひらサイズのミニカーでボタンを押すとロボットの形になる


おもちゃだ


このおっさんどういうつもりかは分からないが一つだけわかる


馬鹿にされている


陽子「馬鹿にしないでよ!真面目に交渉する気あるの?」


工場長「交渉?ガキ相手に?は?」


陽子「なによ偉い人かと思ったけどただの偉そうな人だったのね!器が知れるわね!馬鹿じゃない?」


セワシ「・・・・・・・」


工場長「おいガキがなめてんじゃねぇぞ!」


陽子「大声だせば大人しくなると思った?ざんねん!」


工場長「おい、てめぇガキだからって手を出さないと思ってんのか?俺はこの都市に教育機関を作るのに反対してんだからな!手もだせんだぞ?」


陽子「脅してるの?本当に子供ね」


工場長「こらぁ!!」ガタッ


セワシ「っ!」ガタッ


工場長「どけよ・・」


セワシ「座ってください。まず落ち着きましょう」


工場長「なに?女の前だからはりきってんのか?あぁ?恥かきてぇのか?」


陽子「恥かくのはあんたよ!」


セワシ「陽子!」


陽子「っ・・なによ」


セワシ「大人しくしててくれ」


陽子「分かったわよ。言い過ぎました」


セワシ「工場長さん座ってください」


工場長「ふざけんな殴らせろ」


セワシ「大人なんでしょ?なら冷静になりましょう。こっちは喧嘩しに来たんじゃない交渉をしに来たんです。子供だろうとなんだろうと交渉の場では関係ありません」


セワシ「先ほどからの無礼お許しください。そしてどうか対等に交渉をさせてもらえないでしょうか」


陽子「私も生意気な口の数々すみませんでした。話だけでもお願いします」


工場長「・・・・・・・・」


こういう時の方法とかは執事長に嫌と言うほど教えてもらった


まぁ、覚えが悪かった所為か少し違うやりを教えてもらった


正論を言うだけなら子供でも出来るし相手の怒りを買うだけだ


相手の言う事を肯定しているようにしつつ自分の要求を言う


そして相手より早く謝る。悪かろうが悪くなかろうが交渉決裂を避けるためにはプライドも捨てろ


そして常に冷静でいろ感情をだすなだ。出していいのは謝る時だけだ


そう教えられた


要は、貴方が正しいかな?でも、こっちも正しいよ?なんかごめん


という事だ


これは怒りやすい奴には効果が絶大らしい


何故か?


工場長「ま、まぁ?俺も少しほんの少し悪かったかもな話くらいなら聞いてやるよ」


基本こういう奴は馬鹿だからだ


セワシ、陽子「「ありがとうございます」」ニヤリ


実はこのやり取りは事前に話し合って決めていた作戦なのだ


もし、相手がこちらを馬鹿にしてるような感じなら


一度怒らせてから謝る事で相手は少しだけなら話を聞いてやろうと思ってくれるだろうと


やるかの判断は陽子に任せて


陽子がある言葉を言ったら作戦開始の合図になった


そう、それは「馬鹿じゃない?」である


作戦は成功だ。少し顔がにやけてたりするかもしれない


だが、まだ終わったわけじゃない気を引き締めないと


工場長「で、本当はなにが欲しい」


セワシ「とりあえずマツシバR2センサーと塗装下地液ドラ、ブルーです」


工場長「下地液は分かるがR2センサーはガキの工作にしては無理があるぞいくら学校の宿題だとしてもこいつはお前らの扱えるもんじゃない」


セワシ「それでもです」


工場長「未来都市の力を使って開発された最新のセンサーだぞ?簡単には売れんぞ」


セワシ「いくらですか?」


工場長「そうだな・・このくらいか?」


そう言って紙を見せてくる


セワシ「なっ!!高すぎだろ!」


工場長「お前な?こいつはロボットの感情制御をより人間に近づける事が出来るもんなんだぞ?いくらロボットが人間と同じように感情を持ったとしてもそれを制御出来ないと意味がない。いきなり暴れ出したりして大変な事になるんだぞ?それをどうにかしようとマツシバ工場と未来都市が協力して何年も時間をかけて出来たのがこのセンサーなんだぞ?これでも安いくらいだ」


セワシ「くっ・・」


陽子「ゼロがいっぱい・・・余裕で足りないわ」


工場長「それに!これを扱うには資格がいる」


セワシ「資格?危険物とか?」


工場長「極秘国家試験で機密機械技工士の資格がいる。お前らの父親くらいの歳の奴らがそれこそ寝る暇もなく勉強しても取れるか分からない程難しい試験に合格しないともらえないこの未来都市で名誉ある資格の一つだ」


工場長「聞くまでもないが持ってるか?」


セワシ「・・・・・・・」


陽子「・・・・・・・」


工場長「まぁ当たり前だろうな。ガキが取れるわけがない。お前らは精々全自動卵割り機くらい造って出せよ。それで先生もOKくれるさ」


工場長「まぁここまで交渉に来たんだその行動力を讃えて安くしてやるよ。ガキレベルの扱えるような奴はっと・・このカタログに書いてあるから見ろよ」


とりあえずカタログを見てみたが


全く分からないし普通に難しそうな部品ばかりだ


工場長「で?なににする?それともやめておくか?安心しろ事務手数料はタダにしておいてやる」


陽子「・・・セワシくん」チラッ


セワシ「R2センサー・・が欲しいです」


工場長「お前な?だからそんな凝ったもん造っても意味ないって言ってるだろ?それとも何か?学校が強制してんのか?」


陽子(学校の宿題なんて一言も言ってないのに・・思い込みが激しい人ね)


セワシ(あ、やばい・・これは)


工場長「いや、ありえるか・・学校の奴らもうちの技術を手に入れるために・・ガキを使ったりするか・・おい、お前ら何処の学校だ」


セワシ「え?何処だっけ?陽子」


陽子「え!えっと・・南の方よ」


工場長「はぁ?あ〜成る程なそうだよな自分からは言えないよなお前らのIDカード見せてもらうぞ入る時に確認してる筈だから」


工場長「工場長だ。客人のガキ二人のデータを寄越してくれ」


セワシ「なぁやばくないか・・」


陽子「下手したらばれるわね」


セワシ「逃げるか?」


陽子「どうやってよ・・」


窓からか・・いや、なんか変な鍵がかかってる


テロ対策か?


他は何処にもないし


セワシ「無理だな」


工場長「お、来たな見させてもらうぞ」


セワシ「え、えぇ・・」


工場長「・・え?」


セワシ「やばい違和感に気づいたか」


陽子「待って様子が変よ」


工場長「お前ら・・資格持ってんじゃないか!」


セワシ「え?」


陽子「そうなの?」


工場長「え?本当なんで?え?あり得ない・・偽物のわけはないし・・え?お前ら何者だ?てか言えよ!」


セワシ「い、いや〜すみませんね。すっかり忘れてましたよ、ははは」


陽子「と、とにかく売ってもらえるのよね」


セワシ「そうそう資格持ってんだから」


工場長「それは構わんしもうなにに使うかも聞く必要もないが、金持ってんのか?」


セワシ「それは」


俺は何度も心の中で謝ったセワシという天才青年に


セワシ「カードで」


このIDカードはクレジットカードにもなるらしい


工場長「上限過ぎるぞ」


陽子「あ、じゃあ私も」


そして陽子という子にも


ごめんなさい


工場長「はぁ・・・分かったよ。いくらか安くしてやる。塗装下地液とセンサーを用意させよう。それで一番大切な事を聞いていなかった」


工場長「センサーは使うロボットによってチューンしなきゃならん何型のが必要なんだ?」


セワシ「え?型?陽子分かるか?」


陽子「え?ミニドラさん達と同じ型よね?知らないわ」


工場長「分からないと困るんだが最近の奴なら鳥型の偵察機ロボットとかがあるが違うよな?」


セワシ「鳥ではないですね・・・」


陽子「羽はなかったわね・・」


名前なんだったかな?とりあえずクソ狸の見た目を思い出してみよう


セワシ「・・・青ハゲ型ロボットとか」


工場長「ねぇよそんなのオリジナルならそっちが自分でするか?資格持ってるなら出来るだろ」


セワシ「い、いや、してもらいたいんで・・なぁ?陽子」


陽子「はい、マツシバ工場の技術に任せたいんです」


工場長「それは嬉しいが、ならうちで製造してるロボットの型にしてくれ」


セワシ「えっと・・・・」


陽子「う〜ん・・・」


思い出せ・・なにか言っていた筈だ!


クソ狸『食物連鎖の頂点に君臨する◯◯の力を知るがいい』


セワシ「なぁ食物連鎖の頂点にいるのってなんだと思う?」


陽子「どうしたの?」


セワシ「もしかしたら分かるかもしれないんだ」


陽子「大雑把に言うと人ね。詳しくとかになると変わるかもしれないけど上位にいる事は確かよ」


セワシ「うん、俺もそう思う」


クソ狸は自分が食物連鎖の頂点だと言っていた


つまり人なのか?人型ロボットなのか?いや、そうだとするなら尻尾いらないだろ


胴長なのもおかしいし短足なのも変だし


きっと人という意味ではないのだろう


だとするなら陽子が間違ってるのか?


いや、俺も昔に習った時は人だと聞いた


俺もそれで納得してる


つまりは陽子の言う事はあってる


て事は


セワシ「・・・・っ!」


セワシ「分かったぞ!」


あいつはアホなんだ!


陽子「え!本当?」


セワシ「あぁ、アホ狸型ロボットだ!」


工場長「アホ狸型だ?」


陽子「馬鹿!そんなのある筈ないでしょ!」


工場長「アホはないがバカ狸型ならあるぞ?廃盤になった型だけどな、ほらこれ」


そう言って見せてきたロボットは


クソ狸の色を茶色にして狸の尻尾と耳をつけて顔はクソ狸をアホにしたような顔だ


いや、クソ狸もアホだけど更にアホにした感じだ


鼻水まで垂れてるし


セワシ「・・・なんか違うような」


でも、これだった様にも見える


陽子「いやいや、セワシくんこんなの見た事ないけど」


セワシ「う〜ん・・耳はなかった筈だし尻尾も申し訳程度にしか付いてなかったし」


陽子「色は・・錆びてたりしていたからよく分からなかったけど青だと思うわ」


セワシ「そう言えば狸って言うと怒ってたよ。俺は可愛いなんとかだって」


陽子「可愛いね・・」


セワシ「てか、これどういう目的で造ったんだ?」


工場長「農業用ロボットとして開発した。目的は農業の負担軽減と若者の農業人口を増やす」


セワシ「農業負担軽減は分かるけど若者は増えるのか?」


工場長「可愛いだろ?」


セワシ「これが?」


工場長「ちなみにこいつはトラクター操作や農業作業は出来ない。むしろ作物を食ったりする」


セワシ「農業用ロボットなのにかよ!」


工場長「若者は可愛くてドジでおっちょこちょいな奴が好きなんだろ?これがまさにそれだ」


工場長「この馬鹿面の可愛さに農作業が出来ないドジさに作物を食べちゃうおっちょこちょいさ」


工場長「まぁ、あまりのバカさに傷害事件を起こしたけどな返品の嵐だ。燃費もすごく悪いし」


セワシ「もう処分してしまえよ」


工場長「したいのは山々なんだが・・一度自我を持ってしまうと処分するのは難しいんだ・・」


陽子「じゃあその返品された子達は?」


工場長「この工場ビル40階から50階は奴らの保管場所になってる地獄絵図だぞ?見てみるか?鼻水で洪水が起こってるし、様子を見に行った作業員からの連絡が途絶えた」


セワシ「いや、やめておくよ」


陽子「うん、私も」


工場長「いらないか?タダでやるぞ?」


セワシ、陽子「「いらん!」」


セワシ「話を戻そう」


工場長「はぁ・・・あぁ」


工場長「これと似たような型ならもう一つあるがさっき言ってた特徴とは違うな」


セワシ「見せてもらえますか?」


工場長「これだ、猫型で子守用に開発されたロボットだ」


陽子「ちゃんと子守できるの?食べたりしない?」


工場長「食べねぇよ!ちゃんとする!」


似てる・・・耳が付いていたり青ではなく黄色だが


それ以外はクソ狸だ


セワシ「これの耳なしで青色の奴ってありますか?」


工場長「ねぇよ。その型は今生産してるのでそれだけだ」


セワシ「猫型ロボット・・・はっ!」


その時頭に電流が走るかのように思い出した


クソ狸『誰が狸だって?どう見ても可愛いニャンコちゃんだろうが』


セワシ「これっぽいな・・・」


陽子「うん、私もそう思う」


セワシ「これ以外にはないんですよね?」


工場長「あぁ、猫型ロボットはこれだけだ」


セワシ「なら、これのセンサーを下さい」


工場長「良いんだな?返品はなしだぞ」


セワシ「お願いします」


工場長「分かった。少し待ってろ作業にかかる・・本当にバカ狸いらない?」


セワシ「いらないって!」


そう言って部屋を出た


部屋には二人だけになり緊張の糸がプツリと切れた


セワシ「はぁ・・なんか疲れた」


陽子「そうね・・いつばれるかとヒヤヒヤしたわ」


セワシ「まぁとりあえずこれでセンサーと下地液はどうにかなったがオイルをどうするか」


陽子「新しいのじゃダメなのよね?」


セワシ「確かそう言っていた筈だ」


陽子「もしかしてセンサーと同じように専用に作らなきゃいけないとか?」


セワシ「かもしれないな・・工場長に聞いてみるか」


それから数分後


工場長「待たせたな」


セワシ「いえ、早くて助かります」


工場長「そうか、外の奴になんか声をかけられてな。少し時間がかかったがな」


工場長「R2センサーの猫型仕様と下地液のドラ、ブルーそしてこれはおまけでワックスもつけよう」


セワシ「ワックス?」


工場長「聞いた感じだと塗装をしなおすんだろ?ならこいつは必要だ。こいつはゴミやホコリを付かなくする効果がある。ロボットは風呂に入ったりしないからな常に綺麗な状態を維持させないといけない」


セワシ「成る程・・だからミニドラ達もそんなに汚れていたりしなかったんだ」


陽子「ねぇノビー、セワシくん例の事を」


セワシ「あぁそうだったね」


工場長「ん?なんだ?」


セワシ「一つ聞きたい事がありまして」


オイルの事について話した


工場長「新しいオイルはやばいか・・他になにか言ってなかったか?」


セワシ「すみませんそれしか聞いてなくて」


工場長「う〜ん・・」


陽子「あの時のミニドラさん達を見た感じだと・・そのクソ狸さん?だっけ?がやばいと言うよりは誰か他の人が怒るって感じに見えたけど」


工場長「他に影響する・・オイル・・猫型ロボットで・・あ!」


セワシ「なにか分かりましたか?」


工場長「多分だが、もし他の奴に影響するならそのロボットには兄弟がいるんじゃないか?」


セワシ「兄弟ですか?ロボットに兄妹って・・」


陽子「ちょっと待って」メモペラペラ


セワシ「アヤ百科事典!」


陽子「今は陽子です!じゃなくて!変なあだ名つけないでって」


セワシ「へーい」


工場長「若いな・・羨ましい」


陽子「あったわ同じ部品やオイルを分け合って製造されたのをロボットでいう兄弟になるみたいよ」


陽子「人間では血の繋がりとか言うけどロボットではオイルの繋がりってとこね」


セワシ「クソ狸にオイルを分け合った弟がいるって事か?」


工場長「妹かもしれんぞ!」


セワシ「うん、どうでもいい」


陽子「じゃないかな?もしそうだったらミニドラさん達の言っていた事にも納得が出来るし」


セワシ「新しいオイルはやばいって事だよな・・うん、間違えないだろう」


陽子「なら、次にする事は兄妹探しね」


セワシ「あぁ、工場長さんありがとうございました。どうにかなりそうです」


工場長「そうか、またなにかあったら来な格安で売ってやるよ。バカ狸もいつでも渡せるようにしておくからな」


セワシ「ははは、その時はよろしくお願いします」


残り時間はそんなにないクソ狸の弟探しをすぐに開始しないといけない


セワシ「ノーヒントなのが辛いが」


陽子「頑張りましょあと少しよ」


セワシ「だな」


工場長「ん?なんだかドアの外が騒がしいな」


セワシ「ん?」


瞬間ドアが吹き飛び誰かが壁に叩きつけられた


その人は


セワシ「っ!イチ!」


イチ「ぐがぁ・・くそっがぁ!」


工場長「なんだ!なんだ!」


陽子「誰よ!」


???「誰?他人になりすましてるお馬鹿さんは・・」


???「セワシさんはどなた?」


現れたのはクソ狸を黄色く塗って大きなリボンを付けた


狸?


さっき見たカタログのクソ狸と似てるな


セワシ「お、俺だが」


???「へぇ〜・・・・・・」


シュン


セワシ「っ!速い!」


残像が見える程で捉えきれない


何体にも見える


高速で動き回りあえて攻撃してこない


これはいつでも殺れるぞと言っているのか?


確かにそうかもしれない現に今俺は動けない


動いた瞬間俺は奴に殺られる


ガードも間に合わないだろうし正面か?それとも背後から来るのか?


分からない!


とにかく言える事はこいつは殺る気だ


セワシ「何処からくる!」


陽子「セワーノビスケくん!!」


セワシ→ノビスケ「俺は大丈夫だ。工場長さんアヤカさんを連れて逃げてくれ」


工場長「へ?アヤカ?誰だよそれ」


陽子→アヤカ「また私に逃げろって事ふざけないで!」


ノビスケ「っ!」


正面から来るか!素早くガードするがフェイントだった


そこから攻撃が来ると思ったがこない


どうやら完全に舐められているようだ


じっくり殺りたいのか?ああ、もう見た目からしても性格からしても確信できた


こいつだクソ狸の兄弟は


呼びかけてみるか


ノビスケ「っ!」サッ


今のは当たっていたらやばかった


ノビスケ「おい、お前はクソ狸の弟なんだろ?俺は敵じゃない!」


心なしか動きがさらに速くなったような


???「弟だと?それに狸だと?私は女よ!そして可愛いニャンコよ!」


???「私とお兄ちゃんを侮辱した罪は重いぞ!!」キュィイイイイイン


女らしいです。妹でした


ノビスケ「なんか変な音がするぞ壊れたか?」


工場長「っ!レールガンだ!」


ノビスケ「なんだと!」


レールガンといえば電気の力で飛ばすゲームとかなら大抵最強武器として出てくる


青白い光が音速で飛んでくる


しかも、何発も


仕方ない力を貸してくれ


青(僕を信じてくれ!)


ドクン!!


ノビスケ《青》「遅いですよ!」


周りがスローモーションに見える


何もかもが遅い


いや、俺が速いのか!これなら


全ての光を避け


高速で動く黄色のメス?クソ狸の動きを捕らえ掴む


ガシッ


???「な、なんだと!」


ノビスケ《青》「話しを聞いてください。お互い無益な戦いはやめましょう。これ以上ここで争えば貴女の立場も危うくなります」


???「・・・・・・」


シュン


ノビスケ「うっ・・頭がいてぇ」


青の力を使った時周りがスローモーションになる


実際はそう見えてるだけで自分のスピード感覚が飛躍的に上がっているのだ


要は凄く速くなるって事だ


だけどその分使った後頭痛が酷い


無理もないか速くなるという事はその分の処理速度も強制的上げている


頭の負担がかなりくるはずだ


それにしても・・あれだけの使用時間でこれほどだ厳しいな・・


???「そうね・・少し話してあげてもいいかもね」ガシッ


ノビスケ「なっ!離せ!ポケットはもう嫌だぁあー」


そう言ってノビスケを掴みポケットへ入れた


アヤカ「っ!ノビスケくんがポケットに収納された!」


工場長「待ちな!ドアの弁償をー」


???「安心して話すだけよ。ここじゃない別の場所でね。彼かなり疲れているから特別よ。じゃあ」


窓ガラスを割りそこからタケコプターで何処かへ行ってしまった


アヤカ「あ、置いて行かれちゃった・・」


工場長「この窓ガラス高いんだぞ!くそが!」


イチ「やられました・・ね、いてて・・」


アヤカ「ど、どうしよう!ノビスケくんが誘拐されちゃったよ!ダメよ!焦っちゃ!こんな時こそ冷静に!ああ!どうしよう!どうしよう」アタフタアタフタ


イチ「・・・・・・」


アヤカ「ちょっと何処行くの!」


イチ「さっきのロボットのところですよ?先ほどのお礼をしないといけませんから」


アヤカ「わ、私も連れて行って」


イチ「面倒ですね・・・ですが、護衛対象をこのままほっておくのもいけませんからいいですよ」


アヤカ「それでノビスケくんは何処にいるの?」


イチ「発信機を付けておきましたので、ほらこれに場所が出てるでしょ?分かりますよね?」


アヤカ「あ、当たり前でしょ!(こんなので分かるの?ただの円端が少し光ってるだけじゃん)」


イチ「それでは行きましょう!アヤカさーん!では、これを渡すので案内よろしくお願いしますね。分かるんですよね?」ニヤリ


アヤカ「っ・・ご、ごめんなさい分かりません・・」


イチ「ええ?聞こえないですよ?」


アヤカ「分かりませんから案内してください!」


イチ「は〜いよく言えました!偉いですよ〜」


アヤカ「もう!さっさと行きましょ!」


イチ「は〜い、あ、荷物は持ちますよ。優しい俺〜」


工場長「・・・・ドアと窓ガラスの弁償を・・・」


マツシバ工場を出てノビスケくんのいる場所へ向かった


その途中


イチ「アヤカさんもっと近くに来てくださいよ離れ過ぎですよ〜」


アヤカ「勘違いしないで私は貴方を信用したわけじゃないから!まだ近いくらいよ」


イチとの距離10メートル


イチ「せめて半分にしません?大声で喋るの面倒ですよ〜」


アヤカ「嫌よ」


イチ「嫌われてますね〜」


ノビスケくんがいない今何をされるか分からない。絶対に信用しちゃダメよ


アヤカ「ん?」


彼処にいる子がさっきからこちらを見ている


可愛い


女の子「・・・・・」チラッ


アヤカ「着いて来てる?」


気の所為よね。たまたま同じ道なだけよ


抱きしめたい


イチ「アヤカさーん!置いて行きますよ〜」


アヤカ「あ、待って」


女の子「っ!」


私が走ると向こうも走った?着いてきてるの?


聞いてみようかな?


アヤカ「ねぇ、どうしー」


その時空中で大きな音がする


アヤカ「え!事故?」


空を飛んでる車同士がぶつかったようだ


一台は装甲車でなんともないみたいだけどもう一台はぶつかった衝撃で


アヤカ「落ちてる!」


落下地点はちょうどあの女の子がいるところ


女の子「っ!」


気付いたようだけど動かない


腰を抜かしてしまったようだ


アヤカ「危ない!逃げて!」ダッ


咄嗟に女の子の元へ走った


アヤカ「大丈夫?立って逃げるのよ!」


女の子「た、立てない・・ああ!ぶつかる!」


アヤカ「っ!!」


イチ「二人とも伏せろ!」


アヤカ「伏せて!」ガバッ


女の子「うわっ!」


イチ「うぉおおおらぁあああ!!」


ドーーーン


落ちてくる車を横から蹴った


伏せている私のすぐ上で軌道が変わり車は壁へ激突した


伏せてなかったら当たっていたしイチが車の軌道を変えなかったらペッシャンコになっていた


イチ「大丈夫か!」


アヤカ「私もこの子も大丈夫よ」


イチ「そうか・・」


アヤカ「車の中の人大丈夫かな?」


イチ「ふぅ・・・それなら大丈夫ですよ。上を見てください」


パラシュートでゆっくりと降りてくる運転手


よかった・・車を見て泣いてるけど


ぶつかった装甲車の人達は笑っていた


アヤカ「なんなのあの人タイムパトロール隊って書いてるし・・」


イチ「・・・日常茶飯事ですよ。ああ言う嫌がらせをする奴らもいます。ここはタイムパトロール隊が仕切っている都市ですから誰も逆らえません」


アヤカ「やっぱり・・タイムパトロール隊ってクズの集まりね」


イチ「綺麗ごとばかりの貴女にはきついでしょうね」


アヤカ「・・・・・・」


イチ「あら、黙りですか?そうやってすぐー」


女の子「パパ」ギュッ


アヤカ「え?」


女の子がイチに抱きついている


イチ「・・・・・怪我はないか?」


女の子「うん、パパこそ顔に痣が」


イチ「ちょっと転けただけだ心配するなそれより本当に大丈夫か?」


女の子「うん・・お姉ちゃんが助けてくれたから・・だから虐めないで?」


イチ「虐めてないって少し話してただけだ」


女の子「そうなの?お姉ちゃん」


イチ「・・・・・・」


女の子「本当に?」


アヤカ「うん・・そうよ。もしかしてパパを追いかけていたの?」


女の子「うん、途中で楽しそうにお姉ちゃんと歩いてるパパを見かけて・・それで」


アヤカ「それで?(結構距離あったんだけどな・・)」


女の子「お姉ちゃんと浮気してるのかと思って」


アヤカ「ないから絶対ないから!」


女の子「そうなの?・・でもねパパにはいい人見つけて欲しいって思ってるんだよ」


アヤカ「え?」


女の子「ママはね私が産まれた時に死んじゃったらしくてそれで・・パパ寂しいんじゃないかなって・・お姉ちゃんなら嬉しかったのに」


女の子「テレビで言ってた浮気は男の文化だってだからパパには浮気して幸せになって欲しい」


アヤカ「浮気は文化ってのは間違ってるからすぐ忘れなさい。それとイチさん」


イチ「・・・・・」


アヤカ「こんな小さい子にここまで言わせてんだから言うことあるんじゃない?」


イチ「うっせぇ・・」


アヤカ「本当は虐められー」


イチ「ちっ!この先を少し行った場所に大きなビルがあるそこが目的地だ」


アヤカ「うん、先に行ってるね」


イチ「振り返るなよ」


アヤカ「分かってるって」


イチ「大きな借りが出来たな」ボソッ


アヤカ「・・・・・・」チラッ


こっそり見てみると娘を抱きしめているイチの姿があった


女の子は涙を流しながら笑っていた


それを今まで見た事ない優しい顔で見ているイチ


アヤカ「あんな顔するんだ・・・・」


女の子「・・・・・」チラッ


その後大きな音がして人々が装甲車が落ちたぞっと叫んでいたのを聞いた


事故かな?


残り時間(8時間)昼


ー何処かの部屋ー


バシャン


ノビスケ「冷た!」


???「寝てんじゃねぇよ」


ノビスケ「あれ?ここ何処?」


???「乙女の部屋をジロジロ見ない!」ゴスッ


ノビスケ「いてっ!くそっ何が乙女だ!クソメス狸」


???「次行ったら・・・ね?」ゴォオオオオオオ!


ノビスケ「あ、はい・・・」


???「私にはドラミという名前があるのよ」


ドラミ「特別に名前を呼ぶ権利をあげるわ」


ノビスケ「それはどーも・・・嬉しいなぁ〜(棒読み)」


ドラミ「それで?どういうつもりか教えてくれる?」


ノビスケ「その前にアヤカ達は何処に」


ドラミ「知らないわ置いてきたし。そのうち来るんじゃない?発信機付けられてるし」


ノビスケ「あえて付けっぱなしにしてんのかよ」


ドラミ「本当なら壊したいけどあの人達もなにかありそうだし来てもらえるならその方がいい」


ドラミ「さぁ、これでいいでしょ?なんで他人になりすましていたの?返答次第では・・・分かるね?」


ノビスケ「・・・・確認がしたいクソたーじゃなくてドラミさんはドラえもん・・さんの妹で間違いないですよね?」


ドラミ「あら?貴方の目は節穴なのね」


ノビスケ「だよね!あんな狸の妹なんてー」


ドラミ「何処からどう見ても世界一かっこいいお兄ちゃんの妹に相応しい可愛い猫型ロボットでしょ?」


ノビスケ「お、おう・・・」


ドラミ「さっきなんか言った?」


ノビスケ「まじ可愛いっす」


ドラミ「あらあら、残念だけど私ガキには興味ないのごめんなさいね」


ノビスケ「残念っす」


ドラミ「これで確認はいいでしょ?答えて」


ノビスケ「はい、実はー」


ここまでの事を話した


ノビスケ「というわけでオイルください」


ドラミ「お兄ちゃんが・・・」


ノビスケ「信じてください俺はドラえもんさんの仲間です」


ドラミ「それはもう分かってるからお兄ちゃんと面識があるのはポケットに入れた時分かったから」


ノビスケ「え?」


ドラミ「私のポケットの中は相手を隅から隅まで調べる事が出来るのよ。その右腕義手でしょ?しかもお兄ちゃんから貰った」


ノビスケ「便利なポケットだな。うん、その通りだよ。でもなんで貰ったって分かったんだ?」


ドラミ「それあげたの私だからよ」


ノビスケ「え?なんで?腕なかったの?」


ドラミ「違う、ジャンケンでグーしか出せずに嘆いていたからあげたのよ。これでグー以外も出せるってね」


ノビスケ「え?それだけ?」


ドラミ「それだけよ?何か文句ある?」


ノビスケ「文句はないけど高かったんじゃ」


ドラミ「ええ、だから大事にしなさい」


ノビスケ「俺にあげた事はいいのか?」


ドラミ「あげたんだからお兄ちゃんの自由よ」


ノビスケ「そうか、ならドラミさん義手ありがとうございます」


ドラミ「気にしないで、話しを戻すけどいい?」


ノビスケ「はい」


ドラミ「ただ一つ貴方を特定する事が出来なかったの何者?」


ノビスケ「う〜ん何者と聞かれてもな・・ノビスケとしか言いようがない」


ドラミ「何か訳ありのようね。さっきの力と何か関係があるとみた」


ノビスケ「・・・・・・・」


ドラミ「そう黙らない、少し意地悪が過ぎたわね。いいわオイルを分けてあげる」


ノビスケ「ありがとうございます!」


ノビスケ「・・・・・」ジーー


何処からオイルが出るのだろうか?鼻から?


ドラミ「・・・・・・・」


ドラミ「・・・・エッチ」


ノビスケ「はぁ?なんで?」


ドラミ「オイルを出すって事は・・もう言わせないでよ向こう向いて耳を塞ぎなさい変態。それとも襲う気?」


ノビスケ「はぁ・・・分かったよ」


ノビスケ(ロボットに欲情なんてするかっての!)


数分後


ドラミ「ほら、これよ悪用しちゃダメだぞ〜」


ノビスケ「しねぇよ・・これで買い物は完了だ。後はアヤカと時間までにホテルへ戻るだけだ」


ドラミ「ねぇ、あの子貴方の彼女?」


ノビスケ「え?いや違うよ!巻き込んでしまっただけで俺の元の時代の人間じゃない」


ドラミ「なら、記憶を消さないとね野比家以外に未来を知られるのはまずいし」


ノビスケ「大丈夫だよ。アヤカは喋ったりしない」


ドラミ「信用してるのね。なに?長いの?避妊はした?」


ノビスケ「いや、数日の仲だしそういう仲じゃないって言ってるじゃないか」


ドラミ「付き合ってなくてもやる時はやるわよ?へたれ?」


ノビスケ「へたれじゃねえよ!俺とアヤカはそう、相棒だ!お互いを信じあってたら・・・いいなって・・」


ドラミ「・・・・・アホね女なんてその場しのぎの嘘なんて平気でつけるわよ?まったく単純ね男って」


ノビスケ「単純だからいいんだよ男は」


ノビスケ「それに俺が信用してるのはただ口約束しただけじゃないからさ」


ドラミ「なに?脅したの?それともやっぱりしたの?身体と身体の約束?」


ノビスケ「違うよ。いい加減そこから離れろよ!アヤカの目を見たからさ」


ドラミ「はあ?」


ノビスケ「信じられる目をしていたから・・うん、勘だ!」


ドラミ「もうアホすぎて関わるのも嫌になってきたわ・・さっさと行きなさい」


ピンポーン


ドラミ「ほら、丁度来たみたいよ」


ノビスケ「色々ありがと」


ドラミ「お兄ちゃんの事お願いよ」


ノビスケ「はい!」


アヤカ「あの・・黄色い狸さんはいませんか?あ、ノビスケくん!」


ドラミ「あぁ?」


ノビスケ「オイル貰ったぞ」


アヤカ「貰ったぞって心配したんだからね!部屋番号分からないから一階から順に押して行って!はぁ疲れた〜」


ノビスケ「ごめん、でもこれで買い物完了だ」


アヤカ「よかったわ時間以内に間に合って」


ドラミ「おい、今狸って言ったか?」


アヤカ「あ、えっと私アヤカっていいます。オイルありがとうございます」


ドラミ「・・・・ドラミよ狸って言ったら消す」


アヤカ「た、狸なんて言わないから・・言ってませんから」


ドラミ「・・・・・・」


ドラミ「ノビスケさんちょっと下の自販機でコーヒー買ってきて」


ノビスケ「え?」


ドラミ「ダッシュ!」


ノビスケ「は、はい!」ダッ


アヤカ「あ、私も」


ドラミ「待ちなさい」


アヤカ「っ!あ、あの狸って言ってませんから!消さないで!」


アヤカ(まさかノビスケくんのいない間に消す気じゃ!)


ドラミ「違うわよ。聞きたい事があるの」


アヤカ「え?聞きたい事?」


ドラミ「貴女はノビスケさんの事どう思ってるの?」


アヤカ「へ?」


ドラミ「どうなの?好きなの?」


アヤカ「そ、そんなわけないでしょ!す、好きとかそういうんじゃなくて・・えっと・・そう!私とノビスケくんは相棒よ!別に異性として意識なんてしてません!」


ドラミ「そう・・・なら良かった」


ドラミ「それなら記憶消さなくて良さそうね」


アヤカ「記憶を消す?ええ!消されるの!」


ドラミ「消さないから喚くなうるさい」


アヤカ「あ、そう・・良かった」


ドラミ「・・・・・約束を守るならね」


アヤカ「守ります!なんでも言って」


ドラミ「この先ノビスケさんの為に死のうだとか逆に殺そうだなんて考えないで。本来の決まった寿命をまっとうしなさい」


アヤカ「・・・・・・」


ドラミ「元の時代へ戻ったらもうノビスケさんには関わらない約束しなさい!」


アヤカ「それは・・・・嫌です」


ドラミ「・・・・消すぞ?」


アヤカ「それも嫌です!」


ドラミ「貴女の勝手で未来をー」


アヤカ「未来を変えてしまっているのは分かります。その事で死んでしまう人達がいるのも」


ドラミ「一人や二人じゃないのよ?」


アヤカ「・・・はい知っています。知った上で言います。嫌です」


ドラミ「・・貴女自分がなに言っているか分かってるの!悪・・そう貴女は悪よ!」


アヤカ「・・綺麗ごとばかりには飽きたのよ。私はどんな事があっても生きます。そして私が死にたい時に死にます。人の生き死にを勝手に決める未来ならそんなのー」


ドラミ「もういい・・ここで貴女を!」


ノビスケ「そんなの俺が壊す!ほら、コーヒーだ!」シュッ


ドラミ「いたっ!」ゴンッ


ノビスケ「プルタブは開けておいたぜ」


アヤカ「ノビスケくん!」


ノビスケ「なんかよく分からんがその通りだよアヤカ」


アヤカの手を握って走る


ドラミは追いかけて来なかった


ドラミ「あ〜追いかけないといけないけどコーヒーでベトベトよ・・お風呂入らないと」


ドラミ「でも鬼ごっこも楽しそうね」


ノビスケ「逃げ切れたか?」


アヤカ「まだ油断しちゃダメよ」


ノビスケ「あと、6時間くらいだ。それまで逃げるしかない」


アヤカ「ごめんなさい私の所為で」


ノビスケ「そういうのはなしだ。そうだろ?相棒」


アヤカ「え?聞いてたの・・まさか・・あの事も」


ノビスケ「途中からだけどね、私とノビスケくんは相棒よ!ってとこからかな?なんせ執事だからねパシリは得意だぜ?」


アヤカ「ほっ・・良かった聞かれてなくて」


ノビスケ「・・・・アヤカ」


アヤカ「あ、ごめん聞いてなかった何かな?」


ノビスケ「さっきのアヤカの言ってた事は未来から大きく見れば酷い事かもしれないし薄情だと思う」


アヤカ「そうよね・・・」


ノビスケ「でも、俺もそう考えてる。薄情だし無責任だけどそうするって決めたから。知ってしまっているからってその通りにしなきゃいけないなんてルールはないよ」


アヤカ「っ!」


アヤカ「ノビスケくん・・私は私でいいの?」


ノビスケ「あぁ、アヤカはアヤカだ。君の人生は君が決めろ」


アヤカ「私は・・死ななくていいんだ・・生きていいんだ・・」ボソッ


ノビスケ「じゃあ、さっさと未来都市を出ようぜ?向こうも未来都市までは出られないだろうよ」


アヤカ「うん!ノビスケくん・・ありがとね」


ノビスケ「ん?なんでお礼言われたのか分からないんだが」


アヤカ「なんとなく言いたくなっただけよ、ほら行きましょ」


ドラミ「みーつけた!」


ノビスケ「っ!逃げるぞ!」


アヤカ「細い道があるわ!そっちへ!」


ノビスケ「了解!」


俺たちはどうにか都市の中を逃げ回った


裏道や人混みの中や店の中にトイレの個室に隠れたりもした


でも、何故かすぐに見つかってしまう


なんで?


ーゴミ回収箱の中ー


ノビスケ「ここなら大丈夫だろう」


アヤカ「狭いし臭い・・ちょっとどさくさに紛れて胸触らないでよ!」


ノビスケ「え?触ってた?ごめん気がつかなかった」


アヤカ「へ、へぇ〜気がつかないほどで悪かったわね!」イラッ


ノビスケ「いててつねるなって!こんな狭い場所で暴れるな当たってるから!」


アヤカ「当ててんのよ!バーカ!」


ノビスケ「もうさっきと言ってる事が違うぞ!」


ガタッ


ドラミ「み〜つけた」


ノビスケ、アヤカ「「ぎゃぁあああ!!化け狸!!」」


ドラミ「もう一回言ってみな」


ノビスケ「に、逃げろ!」


アヤカ「ま、待って!」


ドラミ「ふふふ、逃がさないよ」


さっきから見つかってはいるが捕まえようとしない


まさかだが遊ばれてる?


もしそうだとするなら飽きる前に逃げきらないと


悔しいけど今ドラミが本気で捕まえようとすればすぐに捕まってしまう


相手が油断してる隙に身を隠さないと


でもなんで見つかるんだ?未来都市にいる間は何処に行っても無駄なのか?


ノビスケ「くそっ!どうすれば!」


アヤカ「見えなくなったわ」


ノビスケ「どうせすぐ見つけられるから歩いてんだろ。どうしてわかるんだ」


アヤカ「未来のロボットにはそのくらい朝飯前なのかも・・」


ドラミ「そこかな?」


ノビスケ「やば!」


アヤカ「どうしよう!」


女の子「お姉ちゃんこっちだよ!」


ノビスケ「え?」


アヤカ「ノビスケくん!行きましょ!」


ノビスケ「待て、知らない人に着いて行ってはいけー」


アヤカ「早く来なさい!」


女の子「男ならそのくらい上等でしょ!」


ノビスケ「ちょっ!」


強引に引っ張られ裏道へ


ドラミは追ってきてないようだ


この女の子はまみやまゆより歳下だろうけど


ノビスケ「助けられたけど複雑だな」


こんな小さい子に助けられるとは


アヤカ「助かったわありがと」


女の子「ううん気にしないでパパの恋人だもん。将来はママになるし」


アヤカ「え?」


ノビスケ「ん?アヤカ俺は確かにアヤカの思うままに生きろと言ったがその・・この時代ではいけないだろ?それに子持ちって・・バツイチとかそれ以上だろ?駄目だ認めんぞ!」


女の子「もしかして彼氏さん?」


アヤカ「っ!」


ノビスケ「へ?」


おいおいなんて事を言ってんだ?俺とアヤカが?あり得ないだろ


時代の事を無視してもアヤカは俺の事慕ってはくれているけどそれは相棒としてだ


恋愛感情はないし


アヤカになんか言われる前に俺が否定しておこう


女子から否定されると豆腐メンタルの俺に耐えられるかどうか


うん、無理だ


ノビスケ「ないない!絶対ない!」


アヤカ「あ・・そうよね・・こんな奴・・好きでもなんでもないから」


ノビスケ「え?なんで泣きそうになってんだよ。そんなに俺が彼氏だと思われたのが・・」


アヤカ「そうよ!本当最悪・・嫌々すぎて泣きそうよ」


ノビスケ「泣いてるじゃん・・・」ガーーン


アヤカ「うるさい!泣いてないし!」


女の子(・・なんだ先客か残念。でも・・こんな頼りなさそうな奴よりパパの方が)


女の子(お姉ちゃんは私を命懸けで助けてくれた。パパはみんなを助けるタイムパトロール隊凄くお似合いよ)


女の子(あんな人には勿体無い。どうせピンチになったりしたらお姉ちゃんを盾にして逃げるんだ)


女の子(これはなんとしてもお姉ちゃんとパパを・・・そしてあの男を)ジー


ノビスケ「ん?なんだい?」


女の子「ふん!行こお姉ちゃん」ゲシッ


ノビスケ(蹴られた・・・・)


アヤカ「え?えぇでも私達追われてるから」


女の子「多分発信機をつけられてるんだよ。見てあげるからこっちに来て」


ノビスケ(ガム付いてる・・・)


アヤカ「そうなの?ごめんね助かるわ」


女の子「いえいえ、これぐらい・・そこの人も来て」


ノビスケ「あ、俺か俺はノビー」


女の子「興味ないし」


ノビスケ「あ、そう・・・君の名前は?」


女の子「はぁ?なんで言わないといけないの?」


アヤカ「そういえば私も知らないわね。良かったら教えてくれるかな?」


女の子「え、えっと・・・」


アヤカ「無理ならいいからね、さっき会ったばかりだし」


ノビスケ「なるほどそれで知ってたんだな。迷子かなにかだったのかな?」


女の子「きっ!」ギロ


アヤカ「ノビスケくんこの子はね」


女の子「ハチです・・・」


アヤカ「え?」


ノビスケ「ん?飼ってる犬の名前かな?」


女の子「私の名前よ!笑えばいいじゃない!犬みたいだって!」


女の子改めてハチ「どうせ犬ですよーだ!」


ノビスケ「あ・・・いや、そんなつもりで言ったわけじゃ」


アヤカ「私は変だと思わないよ。可愛い名前ねハチちゃん」


ハチ「え・・そ、そんな可愛いなんて初めて言われました。ありがと」


アヤカ「ううん、本当の事だしノビスケくんも悪気があって言ったんじゃないから怒らないであげて」


ハチ「ちっ・・だとよ感謝してよそこの人!」


ノビスケ「もしかして俺嫌われてる?」


ハチ「もしかしなくても嫌ってるけど」


ノビスケ「そうなんだ・・・」


アヤカ「まぁ、さっきのはノビスケくんが悪いし・・」


アヤカ「このぐらいの子はすぐ好き嫌いが変わるから元気出して」ボソッ


ノビスケ「うん・・・」


ハチ「そろそろ来そうね早く発信機探すよ」


そう言って何か装置みたいなのをアヤカに当てる


ハチ「うん、お姉ちゃんは大丈夫だよ」


アヤカ「良かった」


ハチ「おい、そこの人来て」


ノビスケ「せめて名前で・・」


ハチ「早く来る!」


ノビスケ「はい」


ハチ「あんたみたいなマヌケな奴が発信機をつけられるのよ」


ノビスケ「何を言うか!そのくらい気をつけている。つけられてなんかいない」


ブーーーーー


装置が鳴る


ハチ「あったけど?発信機右腕に埋め込まれてるけど」


ノビスケ「・・・・ごめんなさい俺のせいでした・・どうにか出来ないですか?」


ハチ「簡単よそれならー」


ハチ(待てよ・・この装置で電磁波を流せば発信機を壊せるけど、ここはこの人の弱さを見せる為に)


ハチ「方法は一つよ」


ノビスケ「なんだ教えてくれ」


ハチ「このメスで取り出すしかない。それも今ここで」


ハチ「残念だけど麻酔もないし」


アヤカ「そんな・・・・」


ノビスケ「・・・・そうかここら辺か?」


ハチ「そうよそこにある」


ノビスケ「・・これ以外に方法はないんだよな?」


ハチ「ない」


ハチ(ビビッてるね・・そろそろこのくらいにしてあげましょう)


ハチ「まぁこの装置をつかー」


ノビスケ「メスを貸してくれ」


ハチ「え?」


ノビスケ「時間がない借りるぞ!」


ハチ「ちょっと!何をする気なの!」


アヤカ「まさか!」


ノビスケ「約束しただろ!守るって!」シュッ


ザクッ


ノビスケ「ぐっ!装置を!壊れたか確認してくれ!」


ハチ「そ、そんな・・本当にやるなんて・・」


ノビスケ「ハチちゃん!」


ハチ「え!あ、えっと!」


アヤカ「貸して!」


アヤカ「ここよね!」


ブーーーーー


アヤカ「まだ鳴ってるわ!」


ノビスケ「なら!ここだ!」ザクッ


ノビスケ「ぐあっ!くそっ!痛み減少機能は壊れたのかよ!どうだ!」ザクッ


アヤカ「ダメ!まだ鳴ってる!」


ハチ(無理よ!発信機と言っても凄く小さくて目で見えるかどうかの大きさだもんメスでダイレクトに壊せるなんて不可能)


ノビスケ「ここか!」 ザクッ


アヤカ「だめ!まだ鳴ってるけどもうやめて!」


ノビスケ「まだだ!」ザクッ


アヤカ「やめて!」


ノビスケ「やめねぇよ!!」


ハチ「やめて!!方法は他にもあるから!」


ノビスケ、アヤカ「「え?」」


ハチ「ごめんなさい嘘をついてました・・この装置で壊せます」


アヤカ「そ、そんな・・なんでそんな嘘を!ノビスケくんは!」


ノビスケ「アヤカいいんだ」


アヤカ「で、でも・・」


ノビスケ「きっと今気づいたんだよね?方法を探してくれてたんだよ」


ハチ「っ!」


アヤカ「そうなの?」


ハチ「は、はい・・」


アヤカ「ならそう言ってよ。それなら仕方ないけど」


ハチ「そ、その途中から気づいてはいたんですが・・」


アヤカ「もう責めてないから大丈夫よ。それより傷を手当てする包帯とかある?」


ハチ「あ、はいあります」


ノビスケ「先に発信機を壊してくれないか?」


ハチ「え?でも血が・・・」


ノビスケ「まぁ、これは気にしないでくれよ。それより早く頼む1秒でも早く危険を減らしたい」


ハチ「で、でも・・・お姉ちゃん」


アヤカ「やってあげてこうなったら言っても無駄よ」


ハチ「・・・認めないから」ボソッ


ノビスケ「・・・・・・・・」


その頃ドラミは


ドラミ「あら?発信機が壊されたみたいね・・もう少しかかると思ったけど残念ね・・これで遊びは終わり」


ドラミ「ノビスケは生かしておかないといけないけどあの子はここで消さないときっと未来の為にならない」


ドラミ「せめてこの空気圧最大の空気砲で一瞬にして終わらせてあげるから・・・ん?誰?」


イチ「見つけましたよ・・」


ドラミ「あら?誰?私のファン?それタイムパトロール隊の証よね?」


イチ「おいおい、忘れたとは言わせねぇぞ?この顔の痣を見ろよ」


ドラミ「忘れたわ。なに?ナンパ?まぁ仕方ないわね私は美しく可憐だから、でも駄目よ貴方はタイプじゃないの」


イチ「くくくく・・・」


ドラミ「なにそんなに私と話せたのが嬉しいの?」


イチ「ひゃはははは!アホ過ぎるだろ!ひゃははははは・・自分の顔鏡で見た事ないのかよ!ただの狸じゃねえか!なのに美しいとか可憐とか!はははは!もうダメ苦しいぞ!」


ドラミ「今なんて言った」イラッ


イチ「ちょ、ちょっと待ってくれ笑いが止まらん!ひゃはははははは!はははは・・はぁ・・やっと落ち着いた」


イチ「よう、狸さんは鏡は見ないんですか?」


ドラミ「どうやら死にたいようね・・それともタイムパトロール隊はみんなこんなふうに嫉妬ででしか喋れないの?美しい私に嫉妬してんならそう言いなさい」イライラ


イチ「嫉妬?バーカじゃねえの?お前本当に鏡見た事ないのな!その姿見たら誰も嫉妬なんてしねぇよ!むしろ哀れみの目で見てるっての」


イチ「その不細工な姿が可愛そうだな〜」


ドラミ「お前は・・・」ブチッ


イチ「さっきの礼と両方を返させてもらうぜ」


ドラミ「対象補足撃滅を開始します」


戻ってノビスケ達は発信機を壊す事に成功して手に軽く処置をした後未来都市の出口へと急ぐ


ノビスケ「ドラミの気配はないな今のうちに急ごう」


アヤカ「えぇ、そうね」


ハチ「待ってよ!」


ノビスケ「ハチちゃんは危ないからここでお別れだ」


アヤカ「ハチちゃんありがとねパパによろしくね」


ハチ「むぅ!このままでは・・」


ハチ(そうだ!せめて家くらい分かれば後日どうにか出来る・・あ、でも外出許可降りるかな?私これでも機械工学科で主席だし・・ううんパパの将来がかかってんだし後でいくらでもお説教なら聞いてやるもん)


ハチ「私も行く!」


ノビスケ「駄目だ連れて行けない」


ハチ「お前に聞いてない!私機械に詳しいしロボット相手ならこの男より役に立つもん!」


アヤカ「駄目よ」


ハチ「なんでよ・・こんな奴すぐお姉ちゃんを置いて逃げるよ?」


アヤカ「確かに置いて行かれるかもね」


ノビスケ「アヤカ!俺は」


ハチ「やっぱり!ならー」


アヤカ「でもね逃げたりはしないよ」


ハチ「え?どう言う意味なの?」


アヤカ「行きましょノビスケくん無駄な時間をかけちゃったわね」


ノビスケ「あ、あぁ」


ハチ「待ってよ!言ってる意味が分からないよ!」


アヤカ「これ以上!」


ハチ「っ!」ビクッ


アヤカ「無駄な時間を増やさせないで私はノビスケくんを信頼してる」


ハチ「そんな・・・」


アヤカ「・・・助けてくれてありがと」


ノビスケ「いいのか?俺は別に」


アヤカ「ううん、私が嫌だったの」


ノビスケ「・・・・ありがとアヤカ」


アヤカ「うん」


ハチ「なんで・・・どうして」


その場にへたり込むハチ


そしてその場から立ち去ろうとするノビスケ達


その時何かが高速でこちらに飛んでくる


ノビスケ「っ!避けろ!」ガバッ


アヤカ「きゃっ!」


どうにか避ける事が出来た


その飛んできた物は一瞬だったが分かった


ノビスケ「イチ!!」


吹っ飛ばされたイチだった


勢いは止まらずその先にはハチがいた


ハチ「あ・・・・」


イチ「っ!!避けろ!!」


ハチ「パパぁああ!!」


イチもダメージを負っているのか止まる事も出来ない


誰にやられたんだ?まるで狙ったかのようにハチへと飛ばされている


イチ「くそぉおおお!!避けてくれぇええ!!」


ドクン!!


ノビスケ《青》「っ!!」サッ


ハチの目の前に立つ


ハチ「え!」


ノビスケ「はぁ、はぁ・・連れては逃げられないか・・なら!!」


イチ「遠慮するな!!ノビスケ!!やれ!!」


ドクン!!


ノビスケ《赤》「はぁああああ!!」


ノビスケ「ぶはっ!!」


ハチ「っ!」


アヤカ「二人とも!逃げて!」


青の力に続き赤の力を発動した事で限界を迎えてしまった


やはり連続は無理か


今の俺は無防備このまま避ける事は出来る


だが、ハチも一緒には無理だ


このままここに俺がいればもしかしたらハチは助かるかもしれない


なら・・・・・


『置いて行かれるかもね・・・・』


ノビスケ「っ!」


どちらかしか助かる道がないなら


賭けてでもどちらも助かる道を!


ノビスケ「・・・・・来い!」グッ


イチ「っ!」


ドシン!!


飛ばされたイチを掴むがそのまま倒れる事で衝撃を逃す


全てではないが骨が数本で済む


そしてそのまま受け身を取りつつ足でイチを蹴り手を思いっきり上へ振る


巴投げだ


ノビスケ「おりゃぁああ!!」


イチが思いっきりそのまま上へ吹っ飛ぶ


イチ「よくやっーぐはっ!」


そして壁へとぶつかる


ハチ「そ、その・・大丈夫?」


アヤカ「ノビスケくん!!」ダッ


ノビスケ「ぐっ・・・駄目だ動けないや・・」


アヤカ「アホ馬鹿!なんでこんな無茶すんのよ!」


ノビスケ「いや、身体が勝手に」


アヤカ「・・さっき私が言った事の意味分かってんの!」


ノビスケ「あぁ、だから置いてってないだろ?動けないからさ肩貸してくれない?」


アヤカ「・・・もう、ほら」


ノビスケ「あててて・・もうちょっと優しく」


アヤカ「我慢しなさい!男でしょ!」


ノビスケ「うぅ・・・・」


ハチ「・・・・・・」


ノビスケ「ハチちゃんは大丈夫か?」


ハチ「え?う、うん・・」


ノビスケ「イチの奴は大丈夫かな?まぁ大丈夫だろう」


ハチ「あ、パパ!」


ノビスケ「へ?」


アヤカ「イチさんの娘さんよハチちゃんは」


ノビスケ「まじかよ・・・思いっきり蹴った上に投げ飛ばしてしまったが」


アヤカ「まぁ、あの人なら大丈夫じゃない?」


ノビスケ「だな・・・さて、問題はお前かドラミ」


ドラミ「はぁい、鬼ごっこはもう終わり?」


ノビスケ「あぁ、完敗だ・・」


ドラミ「負けを認めるのね」


ノビスケ「認めよう・・今の俺じゃあ何も出来ない。まぁ完全な状態でも勝てないだろうしな」


ドラミ「なら、分かるよね?その女を寄越しなさい」


アヤカ「・・・・・」


ノビスケ「嫌だ・・・」


ドラミ「ならどうするの?言っておくけど私は・・兄ほど優しくはないわよ?」


普通ならあり得ない


だが、あいつならもしかしたら


ノビスケ「すぅ!!」


大きく息を吸って


ノビスケ「助けてくれぇええ!!シン!!」


ドラミ「は?」


アヤカ「え?」


ドラミ「助けてくれって・・がっかりさせないで何か策があると思ったけど・・はぁ取り越し苦労のようね」


ドラミ「もう遊びは終わりよ!空気砲最大圧!」


アヤカ「ノビスケくん・・私から離れて」ドン


ノビスケ「うわっ!やめろ!」


アヤカ「ごめんねノビスケくん」


ノビスケ「やめろぉおおお!!」


シン「とぉおおおお!!」


ドラミ「っ!誰!」ドン


空気砲が発射されるが


シン「はっ!」サッ


避けた


ドラミ「やるわね!!これなら!連射!」ドドドドドドドドド


シン「ん〜〜よっ!はっ!とっ!でぃ!」サッサッサッサッサッサッ


ドラミ「こいつ!!」


シン「ノビスケ!呼んだか!」


ノビスケ「そいつを!そいつを・・」


シン「その怪我・・・・」


シン「・・ほう、お前性別は?」


ドラミ「はっ?どう見ても美人で可憐な乙女でしょうが」ドドドドドドドドド


シン「分からんから聞いたんだが・・なら本気を出せるなお前みたいなクソ女にはよ・・」サッサッサッサッサッサッサッサッ


ドラミ「ちょこまかと!!」


シン「悪いがいきなり全力でいかせてもらう!!」


ドラミ「ぼざけ!!チャージショット!!」ドーーン!!


シン「この技には欠点があるからな・・むやみには使えんが」


シン「集まれ俺の同志達の力よ!!」ピカーーン


『兄貴・・・・・・』


『使ってくれ俺の力を』


『見つけたようだな本当の愛を』


『グッジョブイイオシリ!』


『やらないか?』


ノビスケ「さ、寒気がする・・」


シン「暖ったけぇ・・お前らが俺の中に入ってくるぜ」


シン「おおお!!なんて熱くて濃厚なんだ!これなら・・」ゴォオオオオオオ


シン「セット!!チャーーージ!!ショットォオオオオオオ!!」


ノビスケ「力が・・・・」


ドォオオオオオオン!!


ドラミ「な、な!!ぐわぁあああああ!!!」


ハチ「パパ立てる?」


イチ「大丈夫だ・・伏せろ!!」ガバッ


ドォオオオオオオン!!


イチ「あの野郎が!こんな所で使いやがって」ダッ


ハチ「パパどこ行くの!」


シン「ふぅ・・・使い切った・・あ、落ちるわ」フラッ


イチ「今回だけだからな!!」ガシッ


シン「ごめんなさいね・・・・」ガクリ


ノビスケ《青》「うぉおおおお!!」


アヤカ「の、ノビスケくん!ゆっくりもっとゆっくり走って!か、顔が!荷物が落ちる!」


ノビスケ《青》「駄目だ!急いで出ないと!」


シンのあの技を見た時身体から力が湧き上がった


そして、赤でもない青でもない男の声が聞こえた


『俺はノンケでも構わないんだぜ?』


その瞬間恐怖で気付くと青の力を使いアヤカを抱え走っていた


この力がなんなのかとかは分からないが一つだけ言える


これは悪魔の囁きだ


聞くだけで終わる


時間もない


そして走り続け


未来都市を出た瞬間


ノビスケ「あ・・・」バタッ


アヤカ「はぐっ!」


力尽きた・・・・


傷はほとんどさっきの悪魔の囁きの力で治ったが


単純に身体の力を使いきってしまい


今はもう立つ事も出来なかった


アヤカ「ちょっと!大丈夫なの?ねぇ・・」


ノビスケ「うぅ・・なんとか」


アヤカ「立てる?」


ノビスケ「無理」


アヤカ「なら少し休憩をしましょ」


ノビスケ「駄目だ・・・時間がない」


時間を見るともう3時間しかなかった


ここで時間になってしまえばあのホテルを見つけるのは難しいだろう


その前にホテルへ戻らないと


ノビスケ「肩を貸してくれ・・」


アヤカ「でも・・荷物もあるのよ」


ノビスケ「そうだった・・ん?あれは」


近くにあった看板には最新型の車椅子の宣伝が書かれていた


大きなカゴも付いてるし、これなら荷物も俺も運べる


そしてこうも書かれていた


すぐ近くで試乗が出来ます


ノビスケ「アヤカあれを」


アヤカ「え?なに?・・・ちょっとここで待っててすぐに行ってくるから」


ノビスケ「頼む」


それから10分くらいして


ノビスケ「まだ動けないか・・・あ、指なら動く変な感じだ・・」


少しずつだが回復はしているようだ


今ならジャンケンくらいなら出来そうだ


ノビスケ「ん?」


なにやら軽トラがこちらに向かってきている


止まる様子はない


このままだと俺はタイヤでぺしゃんこにされる


ノビスケ「わわ!!止まれ!」


そして軽トラは俺の前で急ブレーキで止まった


中から何か痛!って聞こえて来たが


この声は


ノビスケ「アヤカか?」


アヤカ「ノビスケくん待たせたわね」


また軽トラがゆっくりと動き出す


ノビスケ「え?待て待て!止まれ!」


アヤカ「あれ?止まったのになんで動くの!」


どうやらオートマの特性を知らないようだ


オートマにはなんとか現象があってブレーキを踏んでいないと勝手に進んでしまうのだ


なんで現象って言うんだろ?


てか、なんで軽トラになんか乗ってんだよ


ノビスケ「ブレーキをー」


ブレーキを踏めと言おうとしたが


焦ってアクセルを踏まれた瞬間俺の人生が終わってしまう


ノビスケ「鍵を元に戻せ!!回せ!抜け!!」


アヤカ「え!回すの?抜くの?どうするの!」


ノビスケ「回せ!!」


アヤカ「わ、分かったわ!」


軽トラはエンジンが止まりゆっくりと少し進み止まった


あと少し遅かったら


数センチ先にあるタイヤを見ながら冷や汗をかく


タイヤの溝がくっきりと見える。こんなふうになってんだな


アヤカ「危なかったわ・・こんなポンコツを貸されるなんて・・大丈夫?」


ノビスケ「(少し漏らしたが・・)なんとかな・・それより説明してもらえるか?」


アヤカ「それが・・・」


話を聞くと


車椅子を借りようとしたが生憎全部貸し出し中で


なんでもいいから人と荷物を運べるものはないかと聞くと身分証明書の提示を要求され陽子の身分証明書を見せると


アヤカ「彼女、空中車の免許持ってたのよ」


ノビスケ「未来都市にあったあの飛んでる車か」


アヤカ「そう、この免許を持ってるだけでほとんどの乗り物が乗れるらしいの」


ノビスケ「陽子って何者なんだ?」


それで軽トラを貸してもらったらしいのだが


ノビスケ「乗ったことは?」


アヤカ「ただの車なら何度もあるわよパトカーとかに乗せてもらった事もあるわよ。勿論悪い事をしてではないからね」


ノビスケ「言い方を変えよう車を運転した事は?」


アヤカ「初めてよ。当たり前でしょ?私は免許なんて持ってないし」


ノビスケ「せめて運転方法とか・・」


アヤカ「教えてもらったわよ・・」


アヤカ「お前ら未来都市の人間はこんな車見た事ないだろって軽くだけど教えてもらったんだけど・・」


ノビスケ「だけど?」


アヤカ「馬鹿にしてるのが腹たって発進方法だけ教えてもらって来たわ」


ノビスケ「よく事故らず来れたよ」


その人達の気持ちもわからない事はない


きっと未来都市の人間の中には都市の外の人間を自分より下の奴だと決めつけ馬鹿にしたりするのだろう


そうなれば外の人間でも未来都市の人間にいい顔をされるのが気に入らない奴らもいる


これは仕方ないことだろう


みんながみんな未来都市を期待してるわけじゃない


ノビスケ「まぁ借りられたしさ」


アヤカ「そうだけど・・まぁ考えても仕方ないわね乗って」


ノビスケ「・・・・・・うん」


アヤカ「あ、そうか動けないのよね」


アヤカが俺を担ごうとするが出来ず


肩を持ち上げ歩くが力が足りず引きずられる


ノビスケ「いたたた!」


アヤカ「我慢してよ!」


それでも頑張り助手席に押し込む


アヤカ「ふぬぬぬ!!」


ノビスケ「がんばれ!あと少しだ」


アヤカ「少しは動きなさいよ!」


ノビスケ「わ、分かった」


俺は唯一動く指を動かす


片方の手がアヤカの首あたりにあり


指を動かした事により首をくすぐる


アヤカ「んっ、だめ!首は〜」


力が一気に抜けて、まだ助手席に乗り切れていない俺はアヤカを押し倒すように倒れこむ


どうやらアヤカは首が極端に弱いようだ


アヤカ「っ!だめよ!ノビスケくん!こんな所でいけないわ!」


ノビスケ「いや、そんな事を言われても」


アヤカ「くっ・・わかったわ・・好きにしなさい・・でも、責任とってよ?」


ノビスケ「え?」


アヤカ「初めてが外なのは嫌だけど・・我儘は言わないわ」


ノビスケ「ちょっ!なんでその脱ごうとしてんだ?」


アヤカ「大丈夫よ人目はないわ」


ノビスケ「待て!待て!とりあえず落ち着け!」


アヤカ「ふふふ、子供は何人欲しい?私はね〜」


やばい完全にオーバーヒートしてる


アヤカ「あ、脱げないのよね?脱がしてあげる」


ノビスケ「ちょっ!まっ!俺をどけろぉおおおおお!!!」


アヤカが何故か顔を赤くしながら服を脱ごうとして俺も脱がせようとしていた


ノビスケ「や、やめろぉおおおお!!」


そのあと正気に戻ったアヤカは数分間悶えて助手席にまた押し込もうとするが失敗して


結局


アヤカ「ふぬぬぬぐらぁぉあ!!」


ノビスケ「うぎゃ!」ドン


荷台に乗せられた


アヤカ「はぁ・・はぁ・・やったわ」


ノビスケ「本当にごめん・・」


アヤカ「気にしないでお互い様でしょ?」


ノビスケ「そう言ってもらえると多少楽にはなるよ。ありがと」


アヤカ「うん、どうてっことよ」


アヤカが運転席に乗りエンジンがかかる


正直不安しかない


ノビスケ「アヤカこっから聞こえるか?」


返事がないか・・やはり聞こえないか


場所は分かるのか?運転は大丈夫なのか?ブレーキ操作は大丈夫なのか?心配事が多い


どうにか運転席が見える位置にいる


メモを見ながらカーナビを操作しているようだ


どうやらホテル名や住所を書いていたようだ


流石だ


一つ目の場所は大丈夫だろう


問題は運転技術だ


車が動き出し道路へ出る


さっき見た時とは違い運転が出来ている


信号でもちゃんと止まれているし


覚えは良いという事なのか


これも流石アヤカとしか言えない


だが、揺れが酷い所為でさっきから俺が荷台をコロコロと転がってんだよな


そろそろ・・・


ノビスケ「吐きそう・・・」


身体に力が入ればどうにかなるが今は力も入れられない


俺は揺れに身をまかせるしかない


ノビスケ「あ〜〜〜〜」右へゴロゴロ


ノビスケ「う〜〜〜〜」左へゴロゴロ


ノビスケ「うっ!ううう!!」


何かが急速に込み上げてくる


これは出る!


咄嗟に荷台から顔を出し


ノビスケ「うぇえええええええええ!!」


道路が・・・


後続車の人が凄く嫌な顔をしている


ノビスケ「あれ?俺動けてないか?」


まだ、フラフラするし顔色も良くないが移動くらいなら出来るようだ


疲労より吐き気の方が勝ったのか?


どっちにしろ助かった


それから助手席に移動してカーナビをガン無視して走るアヤカのフォローに入った


運転しながら画面は見れなかったようだ


俺が案内をしながら車を走らせてホテルへ着いた


残り時間は1時間どうにか間に合った


後はこのままここで時間まで待てばいい


ホテルに入らなくてもいいだろ


なんせここは大人のホテルだアヤカも二度も入りたいとは思わないだろう


アヤカ「さぁ行きましょ」


ノビスケ「え?いや、もうここでいいだろ」


アヤカ「いいから来て荷物を忘れないでね」


ノビスケ「だから、って、待ってよ」


なんで中に入ろうとするんだ?


ノビスケ「分からない・・普通は嫌がるだろ」


どうにか受付で止められればいいが


彼氏さんボロボロだけど大丈夫?と聞かれてアヤカは間髪入れず大丈夫よとい言い


なんの疑いも持たれず鍵を渡された


こっそり店員の人に頑張れよと何かを渡されたがこれは・・


ノビスケはマムシドリンクを手に入れた


・・・・頑張れるか!!


まぁ、飲むけど


俺達がこの時代に来た時最初に出た部屋へ着いた


ノビスケ「部屋まで入る必要なんてあったのか?」


アヤカ「ちょっと話があるのよ。車の中じゃ出来ないから」


ノビスケ「それなら仕方ないか。それで?話しって?って何処へ行くんだ」


アヤカ「シャワールームだけど?汗かいたし」


ノビスケ「話しは?」


アヤカ「まだ時間はあるから急がないの待ってて」


ノビスケ「分かった・・・・」


焦れったいな・・一体なんなんだ?


それからアヤカがシャワーを終えるのを待った


あの時はシンの事があり部屋をあまり見ていなかったがやはり普通の部屋とは違う


テレビでも見ようとスイッチを入れるが


ノビスケ「うむ・・・・・」


大変に興味はそそるが今はダメだという事でスイッチを切った


俺は紳士でありたい


それ以外にも部屋に自販機があり中を見るが


ノビスケ「・・・・・・・」


なんか色々と大変なんだな


そして枕元にティッシュこれは定番とも言える


ノビスケ「このボタンはなんだろう?」


押してみると部屋の明かりがピンクになりベッドがゆっくりと回転する


ノビスケ「何故?回る?」


そんな疑問を思いながら待っていると


アヤカ「ふぅ、いいお湯だったわ。ノビスケくんも入ってきなさい」


ノビスケ「ん?俺はいいよ。それより話しを」


アヤカ「正直に言うわ臭いから入ってきて吐いたのばればれよ」


ノビスケ「・・・・・・はい」


なんだかんだでまともに入ったのが久しぶりな気がする


隅々まで洗い歯も磨いて


バスローブを着て完璧!っておかしくないか?


なんかアヤカもバスローブ姿だし


まさか・・・いや、ないな


ベッドに座っているアヤカが自分のすぐ隣をポンポンと叩いて座るように言ってくる


ノビスケ「ち、近くないか?」


アヤカ「そう?」


もうくっ付いてると言っても過言ではないくらいの距離だった


ノビスケ「ん?」


さっき見た自販機の商品が一つ減ってる?


そういう事なのか!そういう事でいいのか!


と、とにかく平常心で


ノビスケ「そ、それで、は、話しって・・な、なにかな?」


アヤカ「緊張してるの?可愛い」


そう言って頬をつつく


ノビスケ「なっ・・・か、可愛いだと?」


可愛いなんて男が言われても嬉しくもないんだよ


ノビスケ「アヤカ話しをしてくれ」


アヤカ「もう!もう少し雰囲気を楽しみましょうよ」


ノビスケ「なら一人で楽しめ俺は部屋出るけどいいか?」


正直言うと楽しみたいと言う本音もなきにしもあらず


俺も男だ。そこは認めないと男じゃない


でも、今がそういう時じゃない事はアヤカも分かっている筈だ


ノビスケ「もう一度言う話しはなんだ?」


アヤカ「・・・・・・」


ノビスケ「ないなら俺は時間までー」


アヤカ「言うわよ・・そ、その・・私と付き合わない?」


ノビスケ「ん?なにに?買い物か?時間ないぞ」


アヤカ「違うわよ!その・・ね?分かるでしょ?」


ノビスケ「腹減ったのか?ならなんか頼むか?」


アヤカ「もう!鈍感!好きなの貴方が私と付き合って」


ノビスケ「ヘ?今なんて・・」


どうやら童貞をこじらせすぎたようで幻聴が聞こえる


アヤカ「だ、だから、貴方が好きなの!!」


顔を真っ赤にしてアヤカが叫ぶ


ノビスケ「ちょっちょっと待ってくれなにを言ってるんだ」


アヤカ「私ノビスケくんの事が好きなの!好きになっちゃったの!」


ノビスケ「アヤカ・・冗談じゃないんだよな?」


アヤカ「うん」


ノビスケ「気持ちは嬉しい・・でも」


アヤカ「分かってる・・私とノビスケくんは住んでる時代が違う。本来は出会う筈なんてない」


ノビスケ「なら・・」


アヤカ「でも、もう出会ってる。時代なんてそんな難しい事を考えないで返事をして欲しいの」


アヤカ「お願い・・・」


ノビスケ「・・・・・・」


その目はあの時のセイナさんと同じだった


俺はまたあの時と同じ事をしようとしてるんだ


そう、一言・・嫌いと言えばいい


それで全てが上手く・・・


上手くいくはずなんてないだろ!もうあんな涙は見たくない


アヤカまであんな顔にさせたくない


覚悟を決めよう


時代とかそんな事は今は忘れて


俺はアヤカの事をどう思ってるんだ?


近くにいるとドキドキするか?


いや、しない・・・でも、今はしている


大切な存在だと言うのは分かっている


でも、それは恋なのか?


分からない


でも、一つだけ分かることがある


それは、こんな気持ちでアヤカを好きだとは言えないことだ


なら、答えは


ノビスケ「・・・・・」


アヤカは震えていた


この状況で告白する事がどれだけ勇気のいる事か


そして拒絶される事も分かっている


それでも、もしかしたらと期待と不安があるんだ


アヤカとはもうすぐ別れなければいけない


そして二度と会う事はないだろう


なら、俺は・・・・間違ってるかもしれない


それでも異性として魅力的だとは思っている


それに今は少し濡れた髪ふんわりと匂う石鹸の香り少し紅く染まった頬が色っぽい


受け入れよう今だけでも


女性にこんなことまでさせてヘタレるなんて男じゃない


アヤカ「私はノビスケくんとこの先の未来も一緒に歩きたいの・・力になりたいの」


ノビスケ「アヤカ・・・」


アヤカは目をつむった


言葉ではなく行動でしめせという事だろう


言葉の拒絶よりなにもしない方がお互いキズが少なくて済むと思っているのだろう


そうすれば目を開けた時この話はなかった事になる


いや、なかった事に出来る


アヤカはなんていい女なんだ


本当に時代さえ同じなら


惚れていたかもしれない


アヤカの頬を触りながらゆっくり顔を近づける


ノビスケ「っ・・・・」


あと少しで唇が触れる


しかし、あと一歩が動かない


ノビスケ「っ!」


早くしないとアヤカが目を開けてしまう


そうなれば、またあの顔をさせてしまう


それでもまるで石化したようにあと一歩が動かない


なんで!なんで動かないんだ!


嫌だ!嫌なんだ!頼む動いてくれ!


ノビスケ「どうして!どうしてなんだよ!!」


『離して!』


これは・・・・・


『私は駄目なの!私はもう!!』


そうか・・・俺は


『ごめんね・・・』


ノビスケ「怖いんだ・・・ははは・・これじゃあ・・なにも・・・くっ!う、うわぁーっ!」


叫びそうになった瞬間なにか首筋に痛みが・・・・


なんか・・・眠くなっ・・て


でも、落ち着いて・・・・


ノビスケ「駄目だ・・・限界だ」バタッ


アヤカ「ノビスケくん?ノビスケくん!しっかりして!」


アヤカ「ど、どうしよう!顔色も悪いし・・私無理させたんじゃ・・」


シン「お黙り!」


アヤカ「え?シンさん!」


シン「あのままじゃやばそうだったのよ寝させただけだから安心しなさい。私の御用達の疲労回復の薬なのよ」


シン「まぁ、副作用の一つで眠ってしまうのが難点かな?」


アヤカ「良かった・・って!なんでここに!まさか発信機が!それになんかおかしいよ!」


シン「失礼ねそんなことしないわよ。貴女達の行きそうな所なんて簡単に分かるわよ。それと口調の事は気にしちゃ駄目よ〜このホテルの社長さんとお知り合いだから通してもらったのよ。知ってる?あのラブホ界のカリスマと呼ばれた1代目健一郎から代を代々受け継いだ4代目の蒼一郎なのよ!」


アヤカ「誰よ・・・」


シン「知らないの!この業界に突如として現れ最初こそ躓いたけどたちまち全国に進展した1代目健一郎を!しかもここが第一号店なのよ!」


シン「彼は私達同性愛者の神のような人よ!いい男の中のいい男よ!その方の息子の2代目純一郎も伝説に残ってるのよ!日本で同性結婚が許されたのは彼のおかげなのよ!」


アヤカ「知らないわよ!そんな事知るわけないでしょ!不潔よ不潔!」


シン「貴女!私達の神様に不潔って謝れ!!」


アヤカ「そ、そんなに怒らなくても・・ごめんなさい言い過ぎました・・でも、今する話では」


シン「あらあら?でも、ここはそう言うホテルでしょ?貴女達だって始めようとしてたじゃないの。私から言わせれば男と女の方が不潔よ!男と男こそ至高よ!」


アヤカ「・・・・・・・・」


シン「まぁ、人それぞれよね〜邪魔したかしら?」


アヤカ「べ、別にどうせ始まるはずないし・・・見てたの?」


シン「まぁ、正直止められなかったら貴女を半殺しにしたいほど嫉妬しながら見てたわ」


シン(まぁ、あのまま始まったら帰ろうと思ったけど涙を飲んでね・・)


アヤカ「止められたって誰によ」


シン「入ってきなさい。まだ合体してないわ」


イチ「ちっ・・なんで俺まで来なきゃいけないんだ・・ハチあまり周りを見るな」


ハチ「わぁ・・ピンクだ。ねぇ合体したら駄目なの?」


イチ「シン・・余計な事言うな」


シン「あら、怖いわ〜」


アヤカ「イチさんにハチちゃんまでハチちゃんを連れてくるのはいけないと思うけど・・」


イチ「一人に出来なかったんだよ・・・」ボソッ


シン「私はノビスケさんとベッドイン、じゃなくて話があるから行くわねイチさんは貴女に用があるみたいよ」


アヤカ「え?私?」


シン「そう言う事だからノビスケさん貰うわよ〜そちらはそちらでどうぞ〜」


アヤカ「駄目よ!」


イチ「やるのはいいが他の部屋でやれ気持ち悪いもん見せるなよ」


ハチ「私もそっちに行く」


イチ「おい!手ぇ出すなよ!」


シン「女子供に興味はないわよ治療するだけよ。ハチちゃんも手伝い頼むわね」


イチ「ちっ・・ややこしい!」


アヤカ「・・・・・」


イチ「少し話がある黙って聞け」


アヤカ「なによ・・あの話なら何度も言わなくても分かってるわ・・私が死なないとたくさんの人がー」


イチ「そうじゃない黙って聞けって言ってんだろ」


アヤカ「いつもの敬語はどうしたのよ」


イチ「茶化すな」


イチ「お前俺の事好きか?」


アヤカ「嫌いよ、大っ嫌い」


イチ「だろうな。お前ここに残れ」


アヤカ「え?」


イチ「聞こえなかったか?ここに残るんだ。過去へ帰るな」


アヤカ「私が過去で生き残るのを恐れてるの?」


イチ「それはない。あり得ないお前は過去へ帰れば必ず近いうちに死ぬ」


アヤカ「今ここで殺すのね」


イチ「だからなんでそうなる!たくっ!だから俺は嫌だって言ったんだ!くそっ!」


イチ「・・・・・ハチの面倒を見て欲しい」


アヤカ「どういうことよ・・」


イチ「ハチはお前を気に入ってる。あいつが俺以外に懐くなんて初めてだ」


アヤカ「そんなの偶々よ」


イチ「偶々で命かけて他人を守ろうとしたお前にハチは惚れたんだ」


アヤカ「え!」


イチ「そう言う意味じゃねえよ。俺の周りには汚い大人しかいないし未来都市にもそんな奴ばかりだ。その成果かあいつは心を閉ざしている・・あんなに嬉しそうにお前の話をするあいつの顔は正直初めて見た」


イチ「俺はいい死に方はしない絶対にそう生きてきたからな。変えるつもりもないし変えられない」


アヤカ「死んだとしても自業自得よ」


イチ「だからだ、俺が死んでもお前がいればあいつは一人にならないですむ・・」


イチ「俺はタイムパトロール隊だ。帰りも遅いし帰ってこれない日も多々ある。」


イチ「帰って来れなくなったらあいつは一人になる・・それだけは避けたい」


アヤカ「ハチちゃんの為に残れと」


イチ「そうだ。来い未来で生きろ」


アヤカ「勝手過ぎるわよ・・死ねだとか生きろだとか・・貴方は人の生き死にを選べる程!偉いの!」


イチ「力はある・・・」


アヤカ「なら!その力でどうにか一人にならないようにしたら?あるんでしょ?力」


イチ「・・・・・・・」


アヤカ「断ります。私は私の時代で生きます!」


イチ「そうですか・・なら仕方ありませんね」


アヤカ「どうする気」


イチ「どうもしませんよ。好きにしてください。精々頑張って生きてください」


アヤカ「本当に勝手ね・・・」


イチ「自覚はありますよ」


その頃ベッドでは


シン「顔色も良くなってきたわ〜これならもう大丈夫よ」


ハチ「私も手伝ったんだから感謝してよね」


シン「偉いわね〜ハチちゃん」


ハチ「もういい加減キモいんだけど」


シン「酷いわね・・説明したでしょ?」


ハチ「それでもキモいものはキモい!」


シン「もう!これだから女は〜いやね〜」


ハチ「なんでこんな変態に・・助けられたんだろ」


シン「さて、襲いたいところだけど今は無理ね・・膝枕だけにしましょ」


ハチ「うわ、きもっ!」


シン「きもきもうるさいわよ!」


ノビスケ「ぐっ・・・・・」


ハチ「ねぇ、なんか苦しそうよ」


シン「・・・・そうね」


ハチ「助けないの?」


シン「やれる事はやったわ。いや、やってはないわね」


ハチ「なら早くやらないと」


シン「駄目なのよ・・今は使い物にならなくて・・それに子供には少し刺激が強いかも」


ハチ「な、何をする気よ」


シン「ふふふふ」\(//∇//)\


ハチ「やらなくていいから!冗談言ってる場合じゃないでしょ!」


シン「なに?なんやかんや言って認めてるの?ノビスケさんを」


ハチ「そんなんじゃないし!それより早くなんとか」


シン「まぁ、こればかりはどうも出来ないのよ強過ぎる力は代償も強過ぎるしね」


ハチ「つまり?どゆこと?」


シン「テクノブレイクよ」


ハチ「は?なにそれ?」


シン「使い過ぎた代償よ」


ハチ「ど、どうなるの?」


シン「死ぬ。遺族に恥だけ残して」


ハチ「つまり彼はテクノブレイク寸前って事?」


シン「・・・ごめんなさい冗談が過ぎたわ今のは嘘よ貴女純情なのね」


ハチ「はぁ?」


シン「この意味はね?ゴニョゴニョ」


ハチ「・・・・やっぱり大人って汚いね」


シン「じゃなきゃ生きていけないのよ特に未来都市で生きるならこれくらいわね」


ハチ「ふん!そんなんなら死んだほうがマシよ!パパの所に戻ってるから起きたら教えてよね・・お礼言ってないし」


シン「・・・・・・・」


シン「それでいいのよ。こんな大人にだけはなっちゃ駄目よ」


ノビスケ「うぅ!・・ぐっ!!」


シン「本当に残念よ・・・・」


ーー???ーー


気付いたらこんな所にいた


なにもない空間だ


ただ、俺はここを誰よりも知っている気がする


何処からか足音が聞こえる


二人いる


ノビスケ「・・・・・誰?」


そこにいた男は二人とも同じ顔だった双子?


違う点と言えば一人が青い目をしておりもう一人が赤い目をしているくらいだ


でも、二人ともハッキリは見えない


モヤのような・・・


赤「忘れたのかよ赤だ」


青「こうして会うのは初めてだね。青です」


ノビスケ「え?赤と青って俺の中の?なんでここに?え?」


赤「簡単だここがお前の中だからだ」


ノビスケ「まじか!何処よ!脳?それとも胃?何処にせよあんまりそこら辺触らないでね」


赤「アホか」


青「君の心の中とでも言えば分かりやすいかもしれないね」


ノビスケ「あ、そうのか内臓の何処かなのかと思った」


ノビスケ「声で大体予想はしてたけど・・イケメンだね」


赤「そうか?普通だろ」


青「ははは、よく言われてたよ」


赤「あまり言われて嬉しくはなかったがな」


ノビスケ「そりゃ嬉しい悩みなことで・・ん?二人とも元は人間だって事か?」


青「そうだよ。元は一人の人間だった」


赤「俺とこいつで一つだったんだ」


赤「出木杉英才という一人の人間としてな」


ノビスケ「出木杉・・何処かで聞いた事が二人とも顔がハッキリ見えなくて」


青「存在を二つに分けているからね。見えるのも不安定なんだ」


赤「もう大丈夫じゃないか?」


青「そうだね。今の君なら耐えられるだろう」


ノビスケ「耐える?」


赤「俺たちが一つにそれは今の分散してる力が一つになる。それはお前にも影響を及ぼす」


ノビスケ「内部破裂とかしないよね?」


青「しないよ。僕達の力を使いこなせている今なら大丈夫さ」


ノビスケ「使いこなせているのかな・・」


青「では、始めるよ」


赤「あぁ」


二人いたイケメン(赤と青)が一つになった


そしてさらにイケメンになった


そしてハッキリと顔が見えるようになった


目の色は元の色だ。これが人間だった頃の姿という事だろう


さっきのイケメンに迫力が追加されたようだ


そう、上に立つ者の迫力が


タイムパトロール隊で会った総隊長と同じくらいだ


確かに今の俺だからというのは納得できた


きっと前の俺なら迫力だけでうごけなくなってしまう


出木杉「改めて自己紹介しよう。出木杉英才だ。よろしく」


ノビスケ「えっと、野比ノビスケです。こちらこそよろしくお願いします」


出木杉「私の名前を知ってるか?」


ノビスケ「・・何処かで聞いた事がありまして・・」


出木杉「君は歴史はあまり出来ない方かな?」


ノビスケ「人並みくらいの成績ではあります」


出木杉「戦争の事は知ってるかい?」


ノビスケ「戦争というのはお父さん達が戦った戦争ですか?かなり悲惨だったらしくあまり歴史でも触れていません。お父さん達も話したがりませんし」


出木杉「悲惨だからこそ伝えねばならないのになにをやっているんだ。こんな事だからいつまでも戦争が起こってしまうんだ」


ノビスケ「でも知らなくていいならその方がいいと思います」


出木杉「そう言えるレベルはもうとっくに過ぎている」


出木杉「私はあの戦争の首謀者の出木杉英才だ!君の親達やその仲間が必死の思いで倒した悪だ」


ノビスケ「貴方が・・あ、思い出しました。その名前お父さんが言ってた大切な友だと」


出木杉「大切な友・・・・」


ノビスケ「毎年必ず墓参りにも連れて行かれましたよ。今年はまだ行ってませんが」


ノビスケ「毎回墓が汚されてるんで綺麗にするのは大変ですけどね」


出木杉「・・・・・やはりのび太・・君は・・」


出木杉「君にも礼を言う。これから言う事をしっかり聞いてほしい」


ノビスケ「はい、出木杉さん」


出木杉「これから私は力を溜め込む為に全ての力を切る」


ノビスケ「それは・・どういう」


出木杉「君は頼り過ぎたその所為でこちらの力もほとんど残っていない」


出木杉「私は君にただ力を貸しているわけではないのは分かるね?」


ノビスケ「やってもらいたい事があるですよね?」


出木杉「そうだ。そしてそれには大きな力を使ってしまう。というのもあるが一番は君の為だ」


ノビスケ「俺のですか?」


出木杉「このまま君がこの力を頼り切ってしまえば近いうちに自分自身の力ではなにもできなくなってしまう。これは君の力じゃない。君の力として使ってはいけないんだ」


出木杉「まずは言っておこう第二試練は合格だ」


ノビスケ「・・・・試練?そんなの受けた覚えはないですけど」


出木杉「言ってないからな言っては意味がない。知らずに私の力を使いこなす事が合格だったんだ」


出木杉「君は思うだろう使いこなせているのか?と充分だ少なくとも今はね」


出木杉「第三試練は私は力を溜めるために眠る。その間私は君に干渉しないし君も干渉出来ない。傷が出来れば治るのも普通の人と変わらなくなるし力も変わらないそして勿論死ねばそこまでだ」


ノビスケ「俺が死ねば困るのは貴方達では」


出木杉「調子に乗るなよ?あくまでお前は候補の一人だ。お前がこれで死ねばそこまでの人間だったそれだけだ」


出木杉「怖いか?弱くなる自分が守れる力がなくなる自分が」


ノビスケ「舐めるなよ・・そのくらいでなくなるわけないだろ!やってやるよ!それでその第三試練はなんだ」


出木杉「ふ、やはり選んで正解だったな。第三試練はなんとしても生きろ!時期に声をかけるその時まで生きてみせろ」


ノビスケ「言われなくても生きてやるよ!」


少し怖い・・だけど俺だってなにもしてなかったわけじゃない


やってやるよ!


出木杉「暫しの間別れだ」


ノビスケ「あぁ、ゆっくり眠りな」


出木杉「次に会える君が君である事を・・」


ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーーー


ノビスケ「・・・・やってやるよ」


シン「ん?起きた?」


ノビスケ「・・・膝枕されてる?」


シン「そうよ、遠慮しちゃ駄目よ?」


ノビスケ「・・・・・・」


シン「なによその顔は言わなくても分かるけど・・口調でしょ?我慢してよね」


シン「貴女達を助けるのに使ったあの技で私の中の漢が全部出ちゃったんだから〜それに元気にもなれたでしょ?あの技は世界中のいい男達からパワーを貰い発射するのよ。発射されればその付近の男達は力を受け。私と世界ののいい男達は少しの間オネエになるのよ〜」


ノビスケ(あの時元気になったのはその所為か・・そしてあの嫌な悪魔の囁きも)


ノビスケ「いや、まぁそれもあるんだけどなんでここに?」


シン「デートの約束忘れたの?」


ノビスケ「忘れてはいないが・・その」


とりあえず膝枕から逃れようとしたが


シン「まぁまぁ、まだ顔色がよろしくないわよーゆっくりして行ってね。それともデートする?うふ」


ノビスケ「うっ・・・・うぇええ」


シン「ほら、遠慮はなしよ。これで今回の件はなしにしてあげるんだから」


ノビスケ「それでいいのか?割に合わないだろ」


シン「辛そうにしてる貴方を無理やりデートに連れて行くのは違うでしょ?お互い万全の状態じゃないと朝まで持たないわ〜うふ」


ノビスケ「うっ・・・うん、もう大丈夫だ・・うぇ・・」


シン「お!イクか!」


ノビスケ「残念時間だ」


シン「そうなのね・・はぁ、残る気はないわよね?」


ノビスケ「ないね」


シン「なら、これでお別れか・・寂しいわ〜」


ノビスケ「また会えるかもしれないぞ?」


シン「いや、二度は会えない。会ってはいけないの」


ノビスケ「そうか、お世話になりました。シンありがとう」


シン「そう思うなら、ほらね?」


そう言ってシンは目をつむった


無視してアヤカを探す


向こうでイチ達と何か話してるようだ


イチ達も来てたのか


ハチちゃんは来てはいけないがいいのだろうか?未来の事だから分からないけど、自分のいた時代でも小学生はかなりませてるしあり得るかも知れない


小学生も入れると!


まぁ、あり得ないか


そこまで日本は終わってないだろう


話が終わるのを待つのがいいが時間がない


イチが少し困り顔をしつつ、ハチは半泣きで何かを話してそれをアヤカが真面目な顔で言い聞かせるように話してる


ノビスケ「荷物はっと・・あった」


荷物を持ち時間を待つ


ギリギリまで話させてあげよう


シンは目をつむって待っている無視だ


シンには本当に世話になった。ここに来てほとんどシンに助けてもらった


さっきもシンが来てなかったら俺はきっとアヤカを傷つけていた


本当ならお礼もしたい


だけどだ・・これは別だ


俺はノンケだ。ごめんシン


ノビスケ「・・・・・・」


ノビスケ「っ!」スッ


シン「あら?ふふふふ!」


なにをしたかは秘密と言うことで


一つ言える事は男相手にするのはシンで最初で最後だ


時計を見る。時間はあと一分だ


ノビスケ「アヤカそろそろ時間だ」


アヤカ「え?あ、起きたのノビスケくん」


ノビスケ「あぁ、そろそろ時間だ。帰ろう」


ハチ「っ!まだ話は終わってない!」


アヤカ「ごめんねハチちゃん私は行くわ」


ハチ「嫌!行かないで!あんたからも言ってよ!このままだと!」


ノビスケ「アヤカ行こう」


ハチ「っ!あんた!もしかして知らないの?」


ノビスケ「え?なにを?」


ハチ「お姉ちゃんは元の時代でー」


アヤカ「イチさん」


イチ「帰るぞ。こんな所に長くいるのはよくない」


ハチ「離して!なんで止めないのよ!」


イチ「・・達者でな」


アヤカ「えぇ、お礼は言わないから」


イチ「必要ねぇよ」


ノビスケ「なんなんだ?」


イチ「しっかり守ってやれと言う事ですよ」


ノビスケ「分かってるさ絶対に守るさ」


イチ「絶対ね〜・・本当かな?出来るのかな〜?」


イチは最後まで口調のはっきりしない奴だ。そして最後までいけ好かないやつだ


ノビスケ「じゃあなクソ野郎」


イチ「はい、さようならノビスケさん」


ハチ「ま、待って!」


アヤカ「・・・・・時間ね」


ノビスケ「あれ?・・・」フラッ


身体が光に包まれ


そして消えた


ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーーーー


ースネ樹編ー


タイムマシンの作動テストを終わらせた僕達はお嬢姉さんを元の時代へ返す準備を終えて


タイムマシンに乗せて時代を設定する


お嬢姉さんを乗せたタイムマシンは

ゆっくりと浮かんだ


これで今は時間が止まっておりお嬢姉さんは動かないけどタイムホールへ入った瞬間道具の干渉を受けなくなり動けるようになるらしい


察しのいいお嬢姉さんならその時に気づくだろうとミニドラさんは言っていた


確かにそうだろう


だから・・・・これはなんにもおかしくない


時代(30年くらい前)


ホテルの一室(改造済み)


お嬢姉さんを乗せたタイムマシンが光りだした


これで・・もう・・・


ミニドラ「これでいいんだ」


スネ樹「・・・・・・お嬢姉さん」


これで本当にさようならなんだ・・・


せめて、気持ちだけでも伝えておきたかった


今ではもう手遅れか・・・


スネ樹「くっ・・」


まゆ「スネ樹・・・・もう!」ダッ


いきなり走り出したまゆはタイムマシンに飛び乗った


スネ樹「っ!」


まみ「っ!お姉ちゃん!」


メイド「なにをやってんですか!」


ミニドラ「アホか!」


そしてタイムマシンは消えた


ミニドラ「なにを考えているんだ!」


まみ「お姉ちゃんは!どうなるんですか!」


メイド「多分大丈夫ではあると思いますが」


ミニドラ「まぁ、戻っては来るだろうが」


スネ樹「まゆ、なんで・・」


別れは確かに辛い


僕だって追いかけたいくらいだ


でも、もうみんな送り出そうと決めた筈だ


それをまゆは破って追いかけた


まゆはそんな事しない。この中で一番芯を持っている。僕よりしっかりしてる


こんな事をしても意味がない


そんなのは分かってるのに何故?


それからしてすぐに何もない空間からタイムホールの入り口が出てきてまゆが出てくる


お嬢姉さんの姿はない。タイムホールからは出られないようだ


みんなに迷惑をかけたんだ


ここはちゃんと言っておかないと


スネ樹「まゆ、どういう事ですか?」


ミニドラ「勝手な事してんじゃねえぞ!」


まゆ「うっさい!スネ樹来て」


スネ樹「え?」


よく見るとまゆの目が少し赤い


まるでさっきまで泣いていたようだ


スネ樹「来てって何処にですか」


まゆ「入りなさい!」


タイムホールを指差す


そういえばまゆは帰ってきたのにタイムホールが消えてない


まゆ「会ってきなさいよ・・これで最後なんだから」


スネ樹「まゆ・・・・」


そうか、まゆは最後の別れがしたかったんだ


そうだよね。ちゃんと言葉を交わして別れたい


僕はもう大丈夫だったけど


きっと、まゆはちゃんと別れを言いたかったんだ


いや、もしかしたら別れるのが嫌でやったのかもしれない


スネ樹「仕方ない僕も行ってきます」


謝っておかないと


そしてタイムホールへ入った


まみ「お姉ちゃん・・・」


まゆ「ふぅ・・スネ樹の為に作った時間なんだからね・・これで吹っ切らせなさいよ」


ータイムホールー


スネ樹「お嬢姉さん」


お嬢姉「スネ樹くん・・・」


やはり怒っているのかな?


スネ樹「お嬢姉さん!すみませんでした!」


お嬢姉「え?」


スネ樹「まゆの我儘でこんな事になってしまい、まゆには後で言っておくので許してあげてください」


お嬢姉「・・・・・・」


険しい顔をしている。やはり怒っているんだ


スネ樹「まゆもまだしっかりしているようで子供なんです。きっとお嬢姉さんと別れるのが嫌でこんな事をしたんです」


お嬢姉「本当に分からないの?まゆちゃんがどうしてこんな事をしたのか」


スネ樹「え?だから別れたくなくて」


お嬢姉「これじゃあ、まゆちゃんが可愛そうよ・・」


スネ樹「お嬢姉さん?」


お嬢姉「まゆちゃんはしっかりしてる私よりも遥かにね。確かに普通あのぐらいの歳ならそう考えるかもしれない。でもねそれが普通なんだよ。でもね、まゆちゃんは・・・言わないでって言われたけど言わせてもらう」


お嬢姉「私もう絶対みんなに会う気なかったんだよ?みんなも辛くなるし私も辛くなるから生きたいって思いたくなるから」


お嬢姉「でもね?まゆちゃんに説得されて・・どうしても会ってあげてって今のスネ樹くんを見てるのは辛いって」


スネ樹「っ!」


お嬢姉「結局それで言い争って・・私が折れたの。すぐだったと思うけどここは時間の外側何時間言い争ったか分からない」


お嬢姉「頼まれたのスネ樹くんを吹っ切らせてあげてって」


スネ樹「っ!・・ぼ、僕はまゆを」


気づいていた・・でも気づかないふりをしていた


本当はお嬢姉さんの事をまだ気にしていた


吹っ切れてなんていなかった


まだ、伝えてない気持ちもあったから


でも、そんな我儘で困らせたくない


でも・・・最後だと思うと・・辛くて苦しくて


きっと知らずに顔に出ていたのかもしれない


それを知ったまゆは僕の為に動いてくれたんだ


スネ樹「まゆ・・ありがと」


ここまでしてもらったんだ


お嬢姉さん困らせてしまうけどごめん


スネ樹「お嬢姉さん」


お嬢姉「なに?スネ樹くん」


スネ樹「っ・・・・・・」


勇気を出せ!


スネ樹「ぼ、僕は!貴女のことが好きです。お嬢姉さんの事が好きなんです!」


お嬢姉「・・・・スネ樹くんそれが伝えたい事なの?」


スネ樹「はい」


お嬢姉「なんでよ・・なんでこんな奴好きになるの」


スネ樹「こんな奴って自分の事だとしてもそんな事言わないでください!お嬢姉さんは優しくて・・その、可愛いです!」


お嬢姉「私は貴方が思ってるほど優しくもないし可愛くもない」


スネ樹「なんと言おうと僕はそう思います!ずっと僕達を守ろうと動いてた」


お嬢姉「それは貴方達を巻き込んでしまった罪滅ぼしよ。それにノビスケくんの大切な人達だからそれだけ」


お嬢姉「私は目的の為なら・・人も殺すのよ?」


スネ樹「っ!嘘です」


お嬢姉「本当なんだよ・・私の我儘で死んだ人がいるんだから」


スネ樹「・・・・・・・」


スネ樹「それが本当だとしてもそれで助かった人もいた筈です」


お嬢姉「それで自分のしてきた事をなかった事には出来ないんだよ。私は無慈悲な女なの!」


スネ樹「・・・・・・」


お嬢姉「気持ちは嬉しかったけどスネ樹くんにはもっといい子がー」


スネ樹「もし、目的の為に僕が障害になるなら殺しますか?」


お嬢姉「っ!なにを言ってるの!」


スネ樹「答えください・・出来ますか?」


お嬢姉「・・・出来る」


スネ樹「・・・・・・」


お嬢姉「出来るわけないでしょ!!嘘でも出来るなんて言えない!」


スネ樹「それで無慈悲な女なんて笑わせないでくださいよ。お嬢姉さんは優しい、僕に持ってない強さをたくさん持ってる。お姉さんのように頼りになって・・」


スネ樹「気付いたら目で追ってました」


お嬢姉「・・・・もういい」


スネ樹「いいえ、まだです!時折見せる年相応の反応が可愛くてドキドキしました!それに少し天然入ってますよね」


お嬢姉「私は天然じゃありません。もう、降りて」


そう言ってタイムホールの出口へと押されるが


スネ樹「まだ!終わってません!」


お嬢姉「もう終わったの!帰って!降りて!この!」


スネ樹「返事を聞かせてください!」


お嬢姉「っ!・・・降りて・・お願い」


スネ樹「嫌です」


お嬢姉「う、うわぁぁあああん!」ポロポロ


スネ樹「わっ!お嬢姉さん?」


お嬢姉「なんでなんでそうやってみんなして未練ばかり残そうとするの!やめてよ!生きたくなるよ・・・・」


スネ樹「・・・・・・返事いいですか?」


お嬢姉「ずるいよ・・大人しそうに見えて実は積極的だなんて・・やっぱりスネ夫さんの息子って事ね」


スネ樹「まゆが作ってくれた最後のチャンスなんです。無駄には出来ません。まゆの為にも僕の為にも」


お嬢姉「分かった。本音を言うからね」


スネ樹「はい」


お嬢姉「ごめんなさいその髪型は無理です。あと、痩せすぎです。筋肉ないですしなによりも眼鏡がないです」


スネ樹「そこまで・・」ガーーン


どう聞いても誰かを指しているようにしか聞こえない


やはり好きな人がいるんだ


お嬢姉「そんなスネ樹くんが私も好きだよ」


チュッ


頬に柔らかい感触がする


スネ樹「へ?はっ!!」


お嬢姉「伝えてくれてありがと今のはね一つを除いて全部嘘だから」


お嬢姉「さようならスネ樹くん。髪型かっこいいぞ」


ドン


スネ樹「うわぁぁああああ!!」


お嬢姉「・・・・・・////」


気づくとホテルに戻っていた


どうやらタイムホールの出口に落とされ戻ってきたようだ


時間も動きだし久しぶりに夜を見たような気がする暗いっていいね


気持ちを整理するのには最適だ


結局返事はうやむやにされてしまった


でも、何故かスッキリしている。言いたい事を言えたからだろうか?


それとも・・・


スネ樹「キス・・されたんだよね・・」


一つの真実が自分の望む答えだと思ったからだろうか


未練は完全になくなったわけじゃない


でも、やれる事はやった。これ以上くよくよしてたらお嬢姉さんに怒られてしまう


もう僕は大丈夫です


ありがとうございます。お嬢姉さん


そしてさようなら


僕の初恋


時間が動き出してから1日が経った


ドラえもんさんの修理は上手く進んでいるようだったが足りない部品があるようで今はこれ以上修理する事ができない


ミニドラさんの話しではそろそろ部品が届くらしいが


スネ樹「ミニドラさん未来のロボットを直すのにこの時代の部品で大丈夫なんですか?」


ミニドラ「あ?高機動猫型ロボットのドラの兄貴がこんなくそみたいな時代の部品で大丈夫か?だと?ふざけんなよ。駄目に決まってんだろうが」


スネ樹「なら、何処から届くんですか?まさか未来から注文とか?」


ミニドラ「そんな事してみろよ。タイムパトロール隊が来るぞ手錠を届けにな」


スネ樹「え?じゃあ」


ミニドラ「言ってなかったか?ノビスケに買いに行ってもらってる」


スネ樹「初耳ですよ!ノビスケさんになにさせてんですか!」


ミニドラ「ただの買い物だろうが頼んだのだってすぐ買えるものだ」


スネ樹「なら危険とかはないんですよね?」


ミニドラ「ないだろ。まぁ、二日も時間をやったんだ一日で買い物なんて終わらせて観光でもしてるだろうよ」


スネ樹「それならいいですけど」


ミニドラ「ん?帰ってきたようだぞ」


スネ樹「え?」


ミニドラ「時空が歪んでるのが分かる場所はそこだ!!」


ミニドラが差したのはスネ樹の後ろだった


スネ樹「え!」


ノビスケ「うっ・・・」フラッ


アヤカ「ノビスケくん大丈夫?」


ノビスケ「あぁ、大丈夫だ。少しふらついているだけだ」


ミニドラ「よう、観光はどうだったよ」


ノビスケ「観光どころじゃねえよ。こんな手に入りにくい物頼みやがってギリギリだ」


アヤカ「まぁまぁ、無事に帰ってこれたんだしね?」


ミニドラ「よし、とりあえずみんなを呼んでこよう」


スネ樹「ノビスケさん」


ノビスケ「ん?スネ樹か。どうしてここに」


スネ樹「ミニドラさんに連れてこられてタイムマシンとドラえもんさんの修理を手伝っていました」


ノビスケ「そうなのか俺がいない間みんなの事任せて悪かった」


スネ樹「いえ、みんなに助けられてばかりでしたよ・・役になんて立って・・」


ノビスケ「みんなそんな事思ってるわけないだろ?仮に思ってたとしても俺は思わない」


スネ樹「ノビスケさん・・・」


ノビスケ「あの時はすぐに行ってしまってごめん」


スネ樹「ノビスケさん!」ポロポロ


スネ樹「お嬢姉さんが・・・・お嬢姉さんが!!」


ノビスケさんは少し驚いた顔をしたと思ったら何かを察したようにすぐに真剣な顔をした


ノビスケ「そうか・・・・」


スネ樹「僕・・お嬢姉さんが好きで・・いきなりお別れだなんて・・まゆがチャンスをくれて・・・言えたけど・・」


ノビスケ「スネ樹すぐに割り切る事なんて出来ないよ。それが普通だよ無理に抑える必要はない」


スネ樹「うぅ・・ノビスケさん・・」


もう顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃだった


それなのにノビスケさんはフラつきながら僕に近づき抱きしめた


ノビスケ「よく頑張ったなスネ樹」


その瞬間溜まっていた感情が涙が溢れ出た


僕はその場で崩れるように泣いた


ノビスケさんがそれを支えるように僕が泣き止むまでずっと側にいてくれた


ミニドラ「みんな呼んできー」


アヤカ「しー」


ミニドラ「ん?」


アヤカ「もう少しだけ待って」


ミニドラ「なるほどな・・」


その後みんなと合流することが出来た


ミニドラ達に部品を渡した後文句を言ったら


どうやらピニドラの時代設定ミスで一週間早く設定してしまったらしい


なんでもあのセンサーは一週間後には性能を遥かに超えるセンサーが生み出され一般販売がされるようになり塗装液もセンサーも未来都市の外でも売られるようになったとか


ピニドラが聞いた話ではそのセンサーを開発したのはいきなり見覚えのない多額の借金を負った二人の男女が協力して開発したとか


それをマツシバ工場に売り込んで借金をチャラにしたとか


何者だ・・その二人は


そんなわけで俺たちが苦労して手に入れたセンサーの値段は半額の半額の半額以下に落とされている


つまりピニドラの所為で苦労した


そこでアヤカの事や今までの事を全部話した


俺が落ちた後北条家で執事をやっていた事から全てを


そしてこれからする事も


ノビスケ「だからみんなとはまた少しの間お別れになる」


まみ「せっかく会えたのにお別れですか・・」


まゆ「なによそんなにそのセリナって子の方が大切なの?」


ノビスケ「そういうわけじゃあ・・」


スネ樹「まゆ、ノビスケさんはお世話になったセリナさんに恩返しがしたいんですよ。聞けば命の恩人じゃないですか」


まゆ「でも・・・・・」


ノビスケ「やり残した事をやったら帰ってくるさ。そしたら帰ろう」


メイド「その前に聞きたい事があります」


まゆ、まみ「「っ!」」


ノビスケ「メイド・・・・」


メイド「ノビスケはー」


バタッ


ノビスケ「」


アヤカ「っ!ノビスケくん!」


スネ樹「ノビスケさん!」


まみ「凄い熱です!お姉ちゃん!」


まゆ「うん、氷持ってくる!」


ノビスケ「はぁ・・はぁ・・・」


メイド「・・・・・・」


アヤカ「何処に行くのよ。貴女さっきからノビスケを嫌な目で見てるけどこんな時くらい!」


メイド「貴女になにが分かるんですか・・・なにも知らないくせに」


アヤカ「っ!貴女ね!」


メイド「薬を買いに行くだけです。見た所酷い疲労とストレスで身体の抵抗力が弱まってます。栄養のあるものも必要ですね」


アヤカ「疲労・・ストレス・・・・」


メイド「貴女がどれだけノビスケの事を想ってもそれはノビスケにとってなにになりますか?もし貴女が好意を打ち明ければそれは彼にとってストレスにしかなりません」


アヤカ「っ!」


メイド「そしてそれは疲労に繋がる」


アヤカ「私の所為だって言うの・・」


メイド「そうは言ってませんが?それとも心当たりが?」


アヤカ「・・・・・・」


メイド「少し子供過ぎましたね・・無礼をお許しください。それでは私は外へ行ってきます」


アヤカ「・・・・・・」


それから数時間後


ノビスケはベッドに寝かせメイドさんが側に付いている


ミニドラと僕達(スネ樹、まゆ、まみ)とアヤカさんでこれからについて話し合う事になった


ーホテルの別室ー


ミニドラ「これからについてだがとりあえずドラの兄貴の修理を優先させる。その間に明日ノビスケのペンダントでドラの兄貴がいた元の時代に行く。そこで秘密の別荘があるからそこを使って修理する」


スネ樹「ここじゃダメなんですか?」


ミニドラ「ここでは最終工程が出来ない。別荘に行けばそれが出来る」


まゆ「なんで明日なの?」


ミニドラ「それには二つ理由がある。まず一つノビスケのペンダントは一度使うと一日の空き時間が必要になる。さっき使って戻ってきたから次に使えるのは一日後だ。そして二つ目はドラの兄貴の運搬準備だ。一つのミスも許されないからなネジ一本見逃さないぞ!」


ミニドラ「向こうでの詳しい事は向こうに着いてから話す。俺からは以上だ」


スネ樹「あの、いいですか?」


ミニドラ「なんだ」


スネ樹「明日にみんなで移動するんですよね?」


ミニドラ「そうだが?」


スネ樹「それを待ってもらえる事は出来ないですか?」


ミニドラ「理由は?」


スネ樹「ノビスケさんです。誰が見ても分かりますが、あれは明日までに治るとは思えません熱もかなりありますし移動するのはせめて落ち着いてからの方が」


まゆ「そうねそのほうがいい」


まみ「無理に動かせるのは危険です」


アヤカ「それには私も賛成よ」


ミニドラ「それが理由か?」


スネ樹「はい」


ミニドラ「なら、さっき言った通りペンダントが使えるようになったら移動を開始する。準備をしておけ」


スネ樹「聞いてんですか!ノビスケさんが動けないんですよ!」


ミニドラ「だからなんだ?そんな些細な事の為にみんなを危険に晒すのか?」


スネ樹「些細な事って!」


アヤカ「スネ樹くん落ち着きなさい。ミニドラさんどういう事?」


ミニドラ「分かんねぇのかよ!お前らが未来都市に入りタイムパトロール隊と接触したおかげでこっちの居場所がばれたかもしれないんだぞ?」


アヤカ「それは・・大丈夫よ」


ミニドラ「ちゃんと上に話したからか?ノビスケの話を聞く限りじゃあ向こうも大きくは動けないんだよな?それは本当に信用できるの?」


アヤカ「それは・・・・」


ミニドラ「少しでも確率のある危険があるなら対処しないといけない。じゃないとドラの兄貴もノビスケもやってきた事が無駄になってしまう」


アヤカ「・・・・・・・無駄に」


ミニドラ「無駄にしていいのか?それで」


スネ樹「それを言われるとなにも言えませんね・・」


ミニドラ「他にはなにかあるか?」


みんなが黙ってしまった。いや、今回ばかりはミニドラさんの言う事が正しいと思ったからなにも言えなかった


ノビスケさんの為にここにいる日数を増やしタイムパトロール隊に捕まってしまったらきっとノビスケさんは後悔して自分を責める


そんな事はさせたくない


ミニドラ「ないなら話は終わりだ。各自明日の準備をして寝ろ!明日の夕方には移動を開始する」


こうして話し合いは終わった


ノビスケさんの所へ行こうと思ったが何故かまみとまゆに止められた


渋々自分の寝床へ行って眠った


ーホテルのさらに別室ー


このホテルはそこそこデカイので部屋は腐る程ある


ピニドラ達がドラえもんを修理をしている部屋


スネ樹達が話し合ってる部屋


全てが違う部屋で


ノビスケが寝ている部屋もまた違う


防音がちゃんとしてるのか修理の音や話し合いの声も聞こえない


ただ、静かな時が流れている


そこでまだ苦しさを残して眠っているノビスケをただ、見つめているメイドがいる


メイド「・・・・・・・」


ノビスケ「っ・・・・」


メイド「・・・おしぼりが熱い変えないと」


慣れた手つきで汗を拭いてあげおしぼりを変える


顔を見れば分かる。どれだけ無茶をしてきたかが


こんな時に女性ときゃっきゃっうふふ出来るわけがない


なのに私は彼を疑った


きっとまゆちゃん達の言う通りで向こうの罠だったのかもしれない


そう思うと怒りもなくなりノビスケをご主人様と思えるようになった


この人は私の父親ではない


メイド「ノビスケ大丈夫だからね」


メイドはずっと朝までノビスケの看病を続けていた


それがメイドの役目だと強く思い


次の日


ノビスケ「・・・・・寝てたのか?」


気付くとベッドで寝ていた


確か帰ってきてメイドに会ってそれで


ノビスケ「あ、そうだメイドは・・」


メイド「すぅー・・・」もたれ掛かって寝ている


ノビスケ「ずっと見ていてくれたのかありがとハル・・」


ノビスケ「あれ?なに言ってんだ?俺は・・・・でも、なんだろうデジャブを感じる」


何処かで見たような・・・・


それになんでハルと間違えたんだ?


ノビスケ「う〜ん・・まぁいいか。でも動けないな・・ゴホッ・・喉痛い」


ノビスケ「まだ、怠いし・・二度寝だな」


こうしてまた眠りについた


少ししてメイドが目を覚ました熱を確認してたから部屋を出て行った


まだ日が昇る前の時間だ


メイドなら如何なる状況でも皆より早く起き準備をする


当たり前の事です


メイド「みんなの朝ご飯作らないと」


みんなが起きる前に作らなければいけない


けどここは廃墟ホテル電気もガスも水道も通っていない


コンビニに行き弁当を買えばいい話だがそんなのはメイドとして許さない


それに育ち盛りの子供達にはちゃんとしたご飯を食べさせてあげたい


水道は水を買えばどうにかなる


ガスはカセットコンロで代用できる


電気は・・・・・


メイド「ミニドラ達の一人を配線で繋げたら行けるかな?」


一応電気は流れているはずだし少しくらい分けて貰ってもバチは当たらない


でも、抵抗されるのも分かってるし万一壊れたら帰れなくなる可能性もある電気はあきらめよう


それとも一体くらいいいかな?


ミニドラ「悪感がする・・・」


そういえばミニドラ達が修理に使ってる機械はなにで動いているのだろうか?


聞いてみようか


ミニドラ達のいる部屋へ向かうとみんなまだ眠っていた


メイド「ロボットでも寝るのですね起こしますか・・いえ、止めておきましょう」


ミニドラ「」ビクッ


仕方ないのでこっそり部屋を物色するがどうやら使っている機械は発電機能が付いており電力はそこから使っているようだ


使えない


まぁ、電力は使わなくてもどうにか出来る


とにかく朝食の準備をしないと


ホテルのロビーにある調理場へ向かった


実は昨日の時点で必要な機材は買っていた


コンロに水そしてクーラーボックスに入れた食材


メイド「さて、始めましょう」


みんな同じ朝食にしようと思ったがみんなの体調や好みに合わせるのも必要だ


こんな不安な時だからこそせめて食事でリラックスしてほしい


メイド「ノビスケはお粥ね」


風邪で弱っているので消化にいいものにする


それでいて栄養も必要なので


卵と鮭と梅干しを入れておこう


メイド「次はスネ樹さんですね」


スネ樹さんは金持ちの息子ということで高い物しか食べないと思うが


違っておりスネ夫さんやアンリさんが仕事で殆ど出来合いの物になっている


だからスネ樹さんが求めているのはしっそでも手作りの温もりある食事


本当ならスネ夫さん達両親の温もりではなくてはいけない今は我慢してもらうしかない。だからせめて私は全力で作る


ご飯に味噌汁それに目玉焼きと焼き魚


味噌汁や目玉焼きに焼き魚はどうにかなる問題はご飯


電気がないのでご飯が炊けない


だからと言って諦めるなんてメイド失格です


外に出て石を並べて薪をくべて火をつけてそこに釜をぶら下げて炊く


飯盒炊飯だ


メイド「ふぅーふぅー・・火はこのくらいかな?」


グツグツ言ってるがここで蓋を取ると美味しさが半減してしまう


ここは耐えて待つ!


メイド「・・・・ここだ!!」パカッ


メイド「うん!この香りだ!」


初めてやったが飯盒炊飯に成功した


メイド「まみちゃんとまゆちゃんはっと・・」


二人は正直言うと料理スキルは私より高い


二人の事だからなにを出しても文句は言わないけど、それでは私のプライドが許さない


作るなら相手が美味しいと思える物を作りたい


考えてみるがどうしても超えられる物が出てこない


メイド「・・・・・鬱だ」


飯盒炊飯の後片付けを終え調理場へ戻ると


まみ「あ、メイドさんおはようございます」


まゆ「ごめんなさいね。一人で任せちゃって」


アヤカ「まみちゃんもまゆちゃんも凄いわね・・自信なくしそう」


まみ「えっと、大丈夫です!今からでも上手くなれます!」


まゆ「教えてあげるからね?」


アヤカ「二人とも・・ありがと」


メイド「ははは・・・・」


私達の周りの女性陣はしっかりしすぎている


もう少し私を頼っても・・・


でも、少し嬉しかったり


まみ「メイドさん?」


メイド「三人ともありがとうございます。後は任せてもいいですか?」


まゆ「メイドさんは?」


メイド「ミニドラさん達の朝食を作ります」ガポッ


アヤカ「なんでガスマスクなんて付けてるの?」


メイド「ちょっと外へ出て来ますね」


アヤカ「何する気なの・・・」


それから数十分後


まゆ「とりあえず完成ね」


まみ「はいです!あ、醤油がないです取ってきます」


アヤカ「うちのシェフもビックリな出来よ」


まゆ「そんな大袈裟な」


アヤカ「両親のどちらかシェフだったりするの?」


まゆ「両方とも雑貨屋よ。あと、たまに歌ってる・・得意料理はパパが蝉の抜け殻シチュー・・・ママは冷凍食品よ」


アヤカ「・・苦労してるのね」


まゆ「ううん、苦労だなんて思ってないし」


まみ「なんか変な醤油見つけました!」


それは赤いラベルの貼られたペットボトルでコーラと英語で書かれている


つまりコーラだ


まゆ「何これ?なんかシュワシュワしてるけど炭酸醤油?」


まみ「未来の醤油です!」


アヤカ「ここって過去の筈だけど・・」


まゆ「でも、こんなの私達の時代じゃ見た事ないけど」


アヤカ「ちょっと見せてみて?これコーラよ。炭酸飲料で調味料じゃないわ」


まゆ「お酒?」


アヤカ「ジュースよまゆちゃんも飲めるわよ」


まみ「へぇ〜こんなグロテスクなジュースがあるんですね!」


アヤカ「グロテスクって・・・」


まゆ「だからじゃない?こんな真っ黒な飲み物気持ち悪くて売れなかったから私達の時代ではなくなっていたのよ」


まみ「納得です!」


アヤカ「なくなっていたの?結構人気の飲み物だったのに」


まみ、まゆ「「え!」」


二人の目がマジかよと訴えているのが分かる


アヤカ「な、なによ」


まゆ「ま、まぁ、人の好みはそれぞれよね?」


まみ「そうです!私は気にしません。でも、身体に悪そうですし程々に」


アヤカ「あの、私がおかしいみたいに言うけど本当に人気だったのよ。貴女達ぐらいの子には特に」


まゆ「・・・・・・嘘よね?」


アヤカ「本当よ!」


まみ「想像しただけで・・ごめんなさい私には無理です」


アヤカ「無理しなくて良いからね?貴女達が悪いんじゃないの時代が悪かったのよ」


まみ「これ、えっとコーラですね。あげます」


アヤカ「え?嬉しいけど貰って良いの?誰かのじゃないの?」


まゆ「そう言えばそうよ。まみ、何処から持ってきたの?」


まみ「クーラーボックスからです」


まゆ「クーラーボックスの物はメイドさんが買ってきているからメイドさんに聞かないと」


まみ「っ!そうでした!私は人の物を勝手に・・・」


アヤカ「気づけたんだからそんなに落ち込まなくてもね?」


まみ「戻しーっ!」


アヤカ「っ!」


まゆ「なに?この匂い・・」


アヤカ「ガソリンの匂いよ。換気しないと!」


まゆ「窓を全部開けるのよ!」


まみ「はいです!」


スネ樹「なんか!ガソリンの匂いがしますが!」


ミニドラ「なんだ!なんだ!なにか漏れてるのか!ドラの兄貴に何かあったのか!」


ピニドラ「今の所は全部完璧な筈よ!他よ!」


黄ミニドラ「何処からするんだ!」


青ミニドラ「外からするぞ!」


緑ミニドラ「外へ行くぞ!爆発でもしたら大変だ!」


まゆ「窓を閉めて!!」


その頃ノビスケは


ノビスケ「ぐがぁ〜〜」


外へ出るとガスマスクをしたメイドの姿となにか液体を煮込んでいるようだった


メイド「皆さんここは危険ですので中へ」


スネ樹「ゴホッ、ゴホッ、メイドさんなにをしてるですか?それは?」


まみ「目が痛いです・・・」


まゆ「ゲホッ、ゲホッ・・」


アヤカ「まさか・・ガソリンを・・」


ミニドラ「お前ら!!」


ミニドラ達「「「「はい!!」」」」


その後ミニドラ達により火は消されガソリンも処理された


メイドさんを問い詰めるとあれはミニドラ達のご飯作りだったらしい


ロボットなのでガソリンかな?と思い朝から冷たいのはダメだと思い温めていたとか


ガスマスクをしていたせいでそこまで酷くなってることに気がつかなかったようだ


ミニドラ「ガソリンなんて飲むか!アホ!!」


メイド「皆さん申し訳ございません・・」土下座


みんなもわざとじゃないという事で許してくれた


外の方では軽くパニックが起こっていたようで消防車が来たけど、人よけの道具のおかげですぐに帰っていった


こうして朝の朝食は無事?に終える事が出来た


時間は少し経ち


みんなが各々好きに動いている時僕はノビスケさんの所へ顔を出してからミニドラさんの所へ手伝いに行くが邪魔と言われ


暇をしていた


スネ樹「・・喉が渇いたな」


とりあえず調理場へ向かってみる水でもあるかな?


メイド「・・・・・・」


メイドさんが何かを持ってそれを見つめていた


スネ樹「メイドさん?」


メイド「あ、スネ樹さんどうしました?」


スネ樹「ちょっと喉が渇きましてそれは?醤油ですか?」


メイド「これはコーラと言うものです」


スネ樹「コーラ?確か聞いた事があります。依存性の高い飲み物だと」


メイド「そう言われてるけどただのジュースですよ。どうですか?ご一緒に喉が渇いているなら美味しいですよ」


スネ樹「危ない物は入ってないんですよね?」


メイド「はい、メイドとして約束します。危ない物は入ってません」


スネ樹「うん、ならいただきます」


メイド「はい、では用意しますね。他の方には内緒でお願いします。これ一本しかないので」


スネ樹「はい、それにしてもメイドさんが個人的に何かを買うなんて初めてですね」


メイド「そうですか?余裕があれば買いますよ?余裕があればですけど・・今は資金はミニドラさんが用意してくれているので多少の物なら言ってもらえれば買いますよ?」


スネ樹「いえ、僕は」


メイド「子供が遠慮してはいけませんよ」


スネ樹「子供ですか・・・そうですね。その時になったらお願いします」


メイド「はい、どうぞコーラです。炭酸が強いので一気に飲んだりはしないようにしてくださいね」


スネ樹「うわ、凄くシュワシュワしてる・・いただきます」ゴクゴク


スネ樹「なんだろう砂糖と炭酸を合わせたような味ですけど何故か甘ったるくなくてスッキリしてて・・うん!美味しいです」


メイド「気に入ってもらってよかったです」


スネ樹「こんなに美味しいのになんで僕達の時代にはないんだろう」


メイド「独占欲が起こした結果ですよ」


スネ樹「独占欲・・レシピを知ってる人が他に教えなかったんですか?」


メイド「そうです。まだこの時代にはあったので見た時買ってしまいました。実は私も飲むのは初めてなんです」


スネ樹「そうなんですか?よく知ってるようだったので飲んだ事あるのかと」


メイド「母がよく言ってましたから・・特にまだ私が産まれる前の所でメイドをやっていた時に新人の執事にコーラを買ってあげたって」


メイド「母からこの話を何度も聞かされました。飲んだ事がなかったからと言っていたのであげたら盛大に噴き出して最終的に救急隊まで出動する事になったって」


スネ樹「それは・・なんと言うか凄いですね。毒でも入ってたんですか?」


メイド「そんな事はないでしょう。そこまで話を盛らなくてもいいのにね・・母は本当だと言って聞きませんでしたよ。その日から母はコーラが好きになったらしいです」


スネ樹「なるほどそれでコーラの事を聞いて詳しく知っていたんですね」


メイド「はい、一度は飲んでみたかったので飲める事が出来て良かったです・・新人の執事さんの気持ちも分かりましたから」


少し笑いながら言うメイドさん


スネ樹「これは一気に飲んだら噴出しますね」


メイド「はい、母は一気に飲むタイプだったのでそれを執事さんにも言ったらね・・ふふふ、想像すると笑えますね」


スネ樹「そうですね、ははは」


メイド「あ、少しお菓子も買ったのでどうですか?」


スネ樹「いただきます」


メイド「その執事さんに会ってみたいですね」


スネ樹「え?どうしてですか?」


メイド「いじりがいがありそうですから」


スネ樹「はははは、メイドさんがそんな事言うなんて」


メイド「ふふふ、そうですね何を言ってるんですかね私は」


メイド(その頃の母は私の知ってる母より生き生きしていた・・話を聞けば分かります。見てみたかったな・・責めてその執事さんからその頃の母の事を聞ければ)


メイド「・・・・・」


スネ樹「メイドさん?」


メイド「では、次は母が格ゲー大会で優勝した話を」


スネ樹「なんですか!それ凄いじゃないですか!聞きたいです」


こうしてメイドさんとスネ樹の話はこの後も続いた


母の話をしている時のメイドさんは嬉しそうで・・それと同時に悲しそうでもあった


それから少し時間が経ち


まみ達は掃除をしていた


まみ「いくら廃墟でも使わせてもらったんですから掃除しないと」ふきふき


アヤカ「拭いても拭いてもきりがないじゃない・・」


まゆ「文句言わずにやるの!夕方までにこの階だけでも綺麗にしないと」


まみ「です!」


アヤカ「何かやる事ない?って聞いたのが悪かったのね・・はぁ」


まみ「ふきふき〜〜」


まゆ「この汚れ中々取れないわね!ふふふ」


アヤカ「・・・・・・」


アヤカ「ねぇ、聞いていいかな?」


まみ「はい?なんですか?」


まゆ「これは手強いわ!燃える!」


まみ「あれは気にしないでいいですよお姉ちゃんは取れにくい汚れほど燃えますから」


アヤカ「え、ええ・・本当に小学四年生なのよね?」


まみ「はい!」


アヤカ「本当にしっかりしてるわよ。私が恥ずかしいくらい」


まみ「そんな事はありませんよ?アヤカさんもやろうとしてるだけでもいい事ですよ」


アヤカ「それは貴女達がやってるのに年上の私がやらないのはいけないと思って」


まみ「そういう考えを持てるだけでも立派です。私の知ってる人でも中々そういう考えを持てる人はいません」


アヤカ「気遣いまで出来るなんて・・本当に恥ずかしいわ」


まみ「本当に最近の大人は全くなってないのです!でも、許せる範囲なのですよ」


アヤカ「まみちゃんは大人ね」


まみ「そうでもないですよ?・・担任の先生だけは許さないから・・・許せないから」ハイライトオフ


アヤカ「っ!なに!ふ、震えが・・な、なんなの!」


まみ「お兄ちゃんを犯罪者と言って・・近寄るなと言った・・マジ、ーーーー野郎あの時持っていた物が粘土だった事が悔やまれます・・・せめて定規なら病院送りではなく・・冥土送りに出来たのに・・なんで図工の時間に言ったんですかね・・算数なら・・・」


アヤカ「誰なの!そんな下品な事を言うのは!粘土で病院送りってどう言う意味よ!」キョロキョロ


まゆ「ん?あーースイッチ入っちゃったか〜、帰ってこーい」ドスッ


まみ「はぅ!・・」


アヤカ「え?震えが止まった?」


まみ「アヤカさんはしっかりした考えを持ってますから大丈夫です!」


アヤカ「あ、ありがとうね、まみさん」


まみ「さん付けなんてしなくていいですよ?年上なんですから」


アヤカ「あ、そうよねまみちゃん」


まみ「・・・・・・・」


まみ「それで?」


アヤカ「え?」


まみ「聞きたい事ですよ」


アヤカ「あ、えっと」


まみ「当ててみます。お兄ちゃんの事ですね」


アヤカ「お兄ちゃん?ああ、ノビスケくんの事ね」


まみ「はいです」


アヤカ「お兄ちゃんってノビスケくんの妹なの?」


まみ「違いますよ。絶対に」


アヤカ「そうなの?なのにどうしてー」


まみ「アヤカさん聞きたい事ってそれですか?」


アヤカ「ごめんなさい違うわ。ちょっと気になったから」


まみ「お兄ちゃんはお兄ちゃんです。それだけです」


アヤカ「お兄ちゃんはお兄ちゃんか・・うん、そうよね」


まみ「アヤカさんが聞きたい事も分かります」


まみ「お兄ちゃんの過去ですよね?残念ですけど・・私もあまりよくは分からないです」


アヤカ「そうなの?まみちゃんはノビスケくんと同じ時代の人なのよね?」


まみ「一緒に住み始めたのは最近ですから・・それより前は教えてくれません・・ただ、犯罪者と呼ばれていた時期がありました」


アヤカ「犯罪者って!誰がそんなひどい事を!」


まみ「でも、大丈夫です。もう言われてないみたいですから」


アヤカ「・・・ノビスケくんの過去を少しでも知る事が出来ればほんの少しでもその重みを背負ってあげられるのに・・」


まみ「なら、私に聞くんじゃなくて本人に聞いてくださいお兄ちゃんの口から直接」


アヤカ「でも、ノビスケくんは」


まみ「言わないなら言わせるんです!」


アヤカ「・・・・・・」


まみ「背負うってそういう事です。お兄ちゃんはきっと苦しくても助けてなんて言いません・・・言えません・・それがお兄ちゃんの強いところでもあり弱いところでもあるんです。私は頼ってもらうまで近くで待ちます」


まみ「私にはそれだけの時間がありますから」


アヤカ「・・・・時間」


まみ「アヤカさんにはありますか?後悔しませんか?」


アヤカ「っ!まみちゃんその・・」


まみ「掃除なら大丈夫ですから行ってあげてください」


アヤカ「まみちゃんありがと・・」ダッ


まみ「・・・・・・・・」


まゆ「いいの?あんな事言って」


まみ「・・・・・・・」ポロポロ


まゆ「よしよし、泣くなら最初から言わないの強がっちゃって」ナデナデ


まゆ「・・・なにも出来ないって辛いよね」


まみちゃんに言われて気付いた私はやっぱりこのままじゃ嫌だ


このまま気まずいまま別れるなんて


もう一度話そう


ノビスケくんのいる部屋の前まで来たのはいいけど、中々入る決心がつかない


もしかしたら私は嫌われてしまったかもしれない


いえ、あんな時に告白なんてして困らせたのよ


嫌われたに決まってる


でも、返事が聞きたい


そして謝りたい


一緒に背負いたい


アヤカ「よし、入るぞ!いえ、ちょっと待って髪の毛は乱れてないわよね?・・よし、これで、あ、待ってなにかお見舞いの品とかいるわよね。なにかなかったかな?」


アヤカ「ない・・・あ、そうだ」


一階にある調理場のコーラ残ってるかな?


アヤカ「なかった・・・一応ペットボトルは持ってきたけど・・ただのゴミよね」


アヤカ「うん、お見舞いの品は後日にしましょう。きっと分かってくれるわ」


アヤカ「・・・・・ちょっとお手洗いに」


アヤカ「よし、これで・・匂わないわよね?」


アヤカ「香水なかったかな?あ、船の中だ・・」


そう言えばノビスケくんはドラえもんさんを直したらもう一度船へ乗るのよね


セリナさんを助けるために


アヤカ「・・・・・入るわよ」


ノックをして返事を待たず


ドアを開けてゆっくりと入る


アヤカ「失礼します。ノビスケくんは起きてる?」


ノビスケ「すぅ・・・・」


まだ、眠っているようだ


疲労が目に見えて現れているのが分かる


こんな状態だったのに私は無理をさせた


あの時シンさんがいなければどうなっていたか


アヤカ「ごめんなさい・・結局私は嘘つきね・・守ると言っても守らず逃げようとして・・貴方の優しさに甘えて・・」


アヤカ「やっぱり来るべきじゃない・・もう、このまま時間が経つのを待って・・・」


ノビスケ「俺は嫌だよ。そういうのは」


アヤカ「っ!起きてたの!いつから」


ノビスケ「入るわよのあたりから」


アヤカ「全部じゃない!」


ノビスケ「ごめん、俺もアヤカに合わせる顔がなくて・・なんか俺のせいで結構悩んでいるみたいだけど」


アヤカ「そうだけど私が悪いのだから」


ノビスケ「いや、悪いのは俺だ。アヤカはなにも悪くないんだよ」


アヤカ「そんな事ない!悪いのは私!ノビスケくんは悪くない!」


ノビスケ「いやいや、悪いのは俺だから!」


アヤカ「私よ!!」


ノビスケ「俺だ!!」


ノビスケ、アヤカ「「ぐぬぬぬ!」」


ノビスケ「やめよう・・」


アヤカ「そうね、お互いなかった事にしましょ」


ノビスケ「・・・・いや、それは駄目だ」


アヤカ「なら、返事聞かせてくれるの?」


ノビスケ「それは・・・」


アヤカ「だからなかった事にしましょ?」


ノビスケ「それだけは・・ダメなんだ!今までの事をなかった事にはしたくないんだよ」


ノビスケ「アヤカの気持ちを勇気をなかった事には出来ない!」


アヤカ「ノビスケくん・・・やっぱり優しいね・・そんなところが好きなんだよ」


アヤカ「ノビスケくん私ね着いて行こうと思うの貴方に」


ノビスケ「っ!」


アヤカ「言いたい事は分かるよ。着いて行く・・それは自分を知ってる人達や家族友達全てを裏切るという事」


ノビスケ「なら!」


アヤカ「ノビスケくん・・もう遅いよ。ノビスケくんが勇気を決心をさせてくれた!私は貴方の側にいたい」


アヤカ「愛してるの!」


ノビスケ「うっ・・・・」


ノビスケくんの顔は不安でいっぱいだった


それはそうだいきなりこんな事を言われてるのだから


でも、もう決めた


全てを捨ててノビスケくんに着いて行く


アヤカ「今は返事は必要ないわ。いつか落ち着いた時でいいから。それだけの時間があるから」


そう言って私は部屋を出た


ノビスケくんの過去もゆっくりと聞いていけばいい


ノビスケ「ま、待ってくれ!」


ノビスケ「くっ・・なんて事だ。ただ、俺は・・いや、こうなったのも俺の所為かアヤカならこうなる事も分かっていた・・・」


ノビスケ「アヤカ・・君は自分が思ってるより強いよ・・もう俺なんて超えてる。助けられてるのは俺なのに」


ノビスケ「・・アヤカほどの人間がいなくなれば大きく未来が変わってしまう・・彼女はきっとそれくらい影響力持つ」


ノビスケ「君の未来の為にも絶対に止めないと・・」


『止めなくていいじゃないか』


ノビスケ「つ!誰だ!」


『素直になれよあんな可愛い子に好かれてるんだぜ?』


ノビスケ「ぐっ・・頭が痛い!」


『後悔ばかりだろ?ならいいじゃないか勿体無いだろ?』


ノビスケ「青でも赤でもない!誰だ!勝手に人の中に入ってんじゃねえぞ!家賃払え!」


『焦れったいな!そういうグダグダ悩むのは嫌いなんだよ!』


ノビスケ「無視するな!出て行け!」


『本当に無駄な奴だな!・・よし、なら・・・お前』


ノビスケ「うっ!なにを・・ぐっ!何かが・・」


『あのオカマ野郎が投与した薬のおかげで今のお前は隙だらけだ感謝しないとな!おまけにうるさい奴もいない』


ノビスケ「うぁああああ!!」


『その身体!貰った!』


ノビスケ「っ!」


ドクン!!


裏ノビスケ「邪魔だから引っ込んでろよ。此処からは僕が上手くやってやるから君は眠っていなずっとね」


裏ノビスケ「でも安心して僕が君の代わりに表になるからね、ふふふ」


裏ノビスケ「僕のハーレム計画開始だ!」


裏ノビスケ「あれ?身体が・・あ、熱がぶり返してきた・・」バタッ


その頃まみ達は


まゆ「落ち着いた?まみ」


まみ「はいです・・・」


まゆ「大丈夫よ。ノビスケくんだって分かってるはずよ。どんなに好きになってもそれは叶わない事だって」


まみ「だからです・・・」


まゆ「え?」


まみ「だから悲しいんです・・私は分かってて無責任な事を言いました。最低です・・」


まゆ「私は間違ってないと思うよ?まみがああ言わなければきっとアヤカさんはずっと悩んでたよ」


まみ「そうかな・・・」


まゆ「そうよ、お姉ちゃんの言う事信用出来ない?」


まみ「出来ます!」


まゆ「だから気負う必要はないよ」


まみ「はいです!」


まゆ「さて、窓拭きを再開・・あれ?」


まみ「どうしたのです?」


まゆ「誰かこのホテルに来てるよ!」


まみ「それは困りました!ミニドラさんを呼ばないと!」ダッ


まゆ「二人の男性がなにか話してるみたいよ」


まみ「呼んできました!暇なのがこれしかいませんでした!」


黄ミニドラ「暇じゃなくて休憩してただけで・・けしてメイドやスネ樹が手伝ってくれてるから暇になったとかじゃないから」


まゆ「そんなのどうでもいいけどあれ!」


黄ミニドラ「ん?あれ?おかしいな道具で寄ってこないようにしてるはずだが・・」


まゆ「なにか喋ってるみたい」


黄ミニドラ「任せろ!ミニドラ、イヤーは地獄耳〜」


まゆ「耳ないけど・・・」


まみ「しー!」


男「ふははは、これはいい!ここを私の野望の第一歩としよう!」


まゆ「声が聞こえてくる凄い!」


まみ「うるさいけど」


黄ミニドラ「音量を下げようか?」


まゆ「出来るんだ・・お願い」


息子「父さん声が大きいよ恥ずかしいだろ」


男「なにを言っている長年探していた物が見つかったんだぞ!叫びたいくらいだ!」


息子「それはそうだけ・・」


男「長かった・・リストラでクビになって死のうと思った日から・・」


まみ「リストラ?」


まゆ「リスと虎よ」


まみ「なるほど」


息子「父さん・・・」


男「あの時彼らに助けられなかったら私は・・」


息子「何があったんだ?そろそろ教えてくれても」


男「そうだなそろそろ話してやろうあの時の彼らとの出会いを」


まみ「語り始めました」


まゆ「聞くの?」


黄ミニドラ「このままには出来ないからね」


男「あれは寒い冬の事だった」


ーーーーーーーーーーーーーーー

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まだ、私の髪の毛がふさふさだった頃


私はそれなりの役職に就いていた


部下達との仲も上々で自分で言うのもなんだけどいい上司であったと思う


この時期は不景気でリストラになる人が多かった


私はそれを他人ごとのように思っていた


自分もその対象になるまでは・・・


男「社長!これはどういうことですか!」


社長「すまない・・・だけど他の社員の為だ悪く思わないでくれ」


男「何故・・・私が・・私は!この会社の為に我が身を削って貢献してきました!」


社長「あぁ、君のお陰で会社は何度も波を乗り越えた」


男「なら!何故です!」


社長「強いて言うなら・・運がなかったんだ君は」


男「運って!」


社長「会社の為に犠牲になってくれ」


男「社長!」


私はその時何時間でも説得を試みるつもりだった


机にある物を見るまでは・・


男「こ、これは・・あみだくじ?」


社長「あ、やべ!」


男「まさか、あみだくじで・・」


社長「ち、違う!これは会議で決まった事でけして面倒くさいからクジで決めたとかはないから!」


男「くっ・・・・こんな会社こっちからやめてやる!!」ドゴッ


社長「ぐはっ!!」


私はそのまま会社を出た


あんな社長のもとで我が身を削って働いていたと思うと怒りが収まらなかった


しかし、その怒りも寒さで冷静になってくる


そして、自分のした事の重大さに気付く


男「なんてことだ・・・子供が産まれたばかりなのに・・」


この先どうやって妻と息子を食わせていけばいいんだ


借金もあるし・・


こんな不景気じゃ何処も雇ってなんてくれない


家族に合わせる顔がない


純一郎、美枝子


すまない父さんはもう・・・


私が死ねば生命保険で多額のお金が手に入る


そうすれば借金も返せて美枝子も純一郎も路頭に迷わずにいられる


二人のために


そう思うと足取りは軽かった


産まれた時から冴えない男と言われ親ゆ兄弟達からも落ちこぼれと言われ


なんの取り柄もない私を好きになってくれた妻、美枝子に・・


そんな私達の子として産まれてくれた息子、純一郎


私に出来る精一杯のお礼だ


公園の池へと身を投げた


池の水は夜の冬ともあって冷たい


あっという間に身体中の感覚を麻痺させる


そして私は泳げない


意識の薄れゆくなかで夢を見た


それはあったかもしれない美枝子との純一郎との生活だった


日曜日の朝コーヒーを飲みながら新聞を読む


キッチンで朝食を作る美枝子


先ほどから何処かへ連れて行けと駄々をこねる純一郎


美枝子「もうせっかくの休みなんだからゆっくりさせてあげなさい」


純一郎「ええ!パパいっつも仕事で中々遊んでくれないもん・・・」


純一郎「パパともっと一緒にいたいよ・・」


美枝子「大丈夫よ。パパはいつも貴方の事を思ってるわ。いなくなったりなんてしないわ」


生きたい・・・どんなに苦しくても生きたい!


美枝子と純一郎と別れたくない!


必死にもがくがもう遅かった


身体から力が抜けてゆっくりと沈んでいく


もうダメだ・・と諦めかけた時だった彼らと出会ったのは


「お前ら!!」


「「「「ああ!!」」」」


彼らは私の為に躊躇いもなく池へ飛び込んだ


そして総勢30人近くによる男達が私をバケツリレーのように池の外へと出す


男の一人が私に適切な処置を施し飲んだ水を吐かせる


そして男達は寒さで弱った私の身体を自らが風除けとなりそして総勢30人のおしくらまんじゅうが始まった


「「「「おしくらまんじゅう押されて泣くな〜おしくらまんじゅう押されて泣くな〜」」」」


私は彼らの暖かさに触れた


そうそれは心までも


青いツナギの男「バカ野郎!!」ドゴッ


男「うわぁ!」


動けるようになった私を一人の青いツナギを着た男が殴る


当たり前だ。私の為にみんなが寒い思いをした


これからリンチされるのだろうか


それでもいい生きていられるなら


青いツナギの男「話せ何があった」


男「え?」


瞬間私は涙した


彼はこんな寒い思いをしてさらに手を差し伸べたのだ


私は全てを話した


妻や子がいる事、会社をリストラされた事、そして死のうとした事を


また、殴られた


そして彼は私を抱きしめ泣いた


青いツナギの男「バカ野郎・・・帰る場所があるのに何やってんだ・・」


私は大馬鹿野郎だ・・・本当に


気付くと他の男達も泣いていた


そしてみんなが私に言う


「ええパパやないか」


「死ぬな!生きろ!」


「妻や子にはお前が必要なんじゃ!」


「社長許さねえ!!」


「みんな!今の手持ちを出せ」


「「「「「おう!!」」」」」


彼らは私に手持ちの金をくれたのだ


それはびしょびしょの紙幣だったりしたけど私には一千万円、一億円よりも高く価値のある物だった


必ず返すと約束をした


そして私は疑問に思った事を聞いた


ここはこのくらいの時間になると人が通らなくなる


町外れにあると言うのもあるが心霊スポットとしても有名であったからだ


無論私は信じていないが


青いツナギの男「俺たちはな・・」


彼らは同性愛者の集まりだった


まだ、あまりよく思われていない人達だ


彼らには居場所がないのだ


普通にカップル達が行くような所へ行っても気持ち悪がられ迫害される


だからと言って諦められるほどの愛ではない仕事もある人達なので


夜のこの時間だけここは彼らの愛を育む場所になっているのだ


それを聞いてまた私は泣いた


何故彼らは毛嫌いさら迫害されるのか


彼らはただ普通にみんなと同じように愛し合いたいだけ


何も悪い事はしていない


しかも夜のパトロールも兼ねてここにしているという


ここは自殺の名所でもあったから


青いツナギの男「気持ち悪くないのか?」


男「何故!そんなふうに・・酷いみんな酷い・・君達はただ恋をしてるだけなのに」


青いツナギの男「俺たちの為に泣いてくれるのか・・名前を聞いてもいいかい?」


男→健一郎「私は健一郎と言う」


青いツナギの男「俺は阿部だよろしく」


阿部「さぁ、そろそろ家族の元へ帰りな心配してるぜ」


健一郎「・・・・・」


私はこの時心に決めた


彼らの居場所を造ろうとそしていつか迫害されない認められる当たり前の今を造ると


健一郎「約束します!必ず貴方達の居場所を造ると!」


阿部「っ!・・その目本気だな」


健一郎「はい!」


阿部「なら、その時また会おう」


健一郎「はい!」


阿部「健一郎の健闘を祈って!!」


「「「「バンーザーイ!!」」」」


そして私は日本中を周りつつ勉強してここを見つけた


なにをするかは具体的には決まっていないがここなら道が見えそうな気がする


そして私と同じくリストラの道を進んだ息子純一郎と共にここへ来た


ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーー

ーーーーー


男改め健一郎「というわけだ」


息子改め純一郎「涙で前が見えねぇ・・少しでもクソ親父だと思った俺を殴ってくれ!」


健一郎「いや、いいんだ。怒って当たり前なんだ。殴られるのは私の方だ。長い間家を留守にしてすまなかった大きくなったな純一郎」


純一郎「父さーーん!!」


健一郎「純一郎!!」


二人はハグを交わした


そのハグは今家族の繋がりをより強くした


そして二人はこの時から相棒同士となった


健一郎「さぁ!下見をするぞ!!」


純一郎「はい!!」


二人「「うぉおおおお!!」」


二人が入り口へ走る


まみ「なんていい話なんですか・・」


まゆ「いい父親じゃない・・」


黄ミニドラ「オイルが目から垂れる・・」


まゆ「って!止めないと!ばれたらやばいよ!」


まみ「止められないです!私には出来ない・・」


黄ミニドラ「あ、鼻からもオイルが・・」


まゆ「ああ!もう!」


玄関に設置されたゴーゴードッグが作動する


たちまち人を寄せ付けないようにする


普通の人なら何か用事を思い出したりして帰る


しかし、二人は違った!


純一郎「ぐっ!なんか帰りたくなってきた」


健一郎「純一郎!この程度で諦めるのか!この先多くの壁にぶつかる!私達は普通じゃない事をしようとしてる!石を投げつけられるかもしれない!反対派から命を狙われるかもしれない!でも!私は乗り越える!その先にある未来を掴み取るんだ!!純一郎!行こう!」


純一郎「父さん・・・はい!!俺はもう迷わない父さんに着いていく!もう置いて行かれて泣いてる俺はいない!!壁?石?命?んなもん!!関係ない!!」


二人「「バーーニーーング!!」」


二人の思いの力にゴーゴードッグは負けた


まゆ「秘密道具意味ないじゃない!こうなれば私が直接!」


そして玄関へ差し掛かった時


ゴスッ


健一郎「ぐはっ!」


ドスッ


純一郎「ぶはっ!」


メイド「うるさい・・近所迷惑です」


二人はあっという間に箒で掃かれていった


その後二人がどうなったかは分からない


まゆ「よかった・・・」


まみ「メイドさん酷いです!」


黄ミニドラ「文句言ってやる!」


まみ「はいです!」


まゆ「はぁ・・・」


今度はこの二人か・・


それから二人を止めるのに一時間かかったという


それからあっという間に昼になり昼食の時間になり事件は起きた


メイドさんが倒れてるノビスケくんを見つけた


本人はベッドから落ちただけと言うが明らかにおかしい


裏ノビスケ「いや〜やっぱりメイドの飯は美味い!いくらでも食えるぞ!」


裏ノビスケ「美しいし料理も美味い!なぁ嫁に来ないか?ん?」


メイド「ノ、ノビスケさん?何を言ってるの?そんないきなり冗談はやめてください」


アヤカ「そうよ!やめなさい!」


まみ「笑えませんよ?」


まゆ「ノビスケくん大丈夫なの?」


スネ樹「ノビスケさん・・その、みんなの前ですしそういうのは・・」


ミニドラ「頭打ったのか?バカになったか」


ピニドラ「もとからバカよ」


他のミニドラ達「「飯うめぇ〜」」


裏ノビスケ「何を言ってるんだい?本気だよ僕は」


メイド「僕?」


裏ノビスケ「それにアヤカ」


アヤカ「え?なに」


裏ノビスケ「君の気持ちを受け入れるよ」


アヤカ「それって・・」


裏ノビスケ「付き合おうアヤカ」


アヤカ「っ!」


まみ「あ?」


アヤカ「いいの私で」


ノビスケ「ああ!それにメイドもね。まみもまゆも!みんな!受け止めてやるよ!」


アヤカ「へ?」


スネ樹「ノビスケさん?笑えませんよ?その冗談は」


まゆ「まだ休んだほうがいい」


ミニドラ「なんだ?ハーレムってか?てか、本気で大丈夫か?」


ピニドラ「これは本気でやばいわね」


他のミニドラ達「「飯お代わり〜」」


裏ノビスケ「僕は普通だ変じゃない」


スネ樹「いや、変です。とにかく部屋に戻ってください!」


メイド「その必要はないです」


まみ「です・・・・」


アヤカ「え?」


メイドさんがノビスケに近づき掴み投げ飛ばした


裏ノビスケ「いて!!」


そしてまみが倒れたノビスケの腹を容赦なく殴る


裏ノビスケ「ぐほっあ!」


二人がアヤカを見る


アヤカ「え?私も?」


二人が頷く


アヤカ「で、でも」


メイド「好きなら分かりますよね?ノビスケさんこんな人でしたか?」


まみ「お兄ちゃんは何人もの人に手をだす人ではないです」


アヤカ「それはそうだけど」


裏ノビスケ「マイハニー助けてくれ!」


アヤカ「・・・・・・・・」ゴスッ


裏ノビスケ「あぎゃぁ!!」


スネ樹「あの!そんな暴力は」


メイド、アヤカ、まみ「「「あぁ?」」」


スネ樹「いや、なんでもないです」


まゆ「まみが怒ってる・・」


ミニドラ「ひゃははは!!ざまぁ!」


ピニドラ「写真撮ったろ」


他のミニドラ達「「食い過ぎた〜」」


スネ樹「ああ!僕達のご飯が!」


メイド「貴方は青さんでも赤さんでもありませんよね?とぼけるのは良いけどいつまで耐えられるかな?」


まみ「お兄ちゃん・・いや、偽物・・楽には死ねないよ?」


アヤカ「貴方は誰なの・・」


裏ノビスケ「ぼ、僕は!ノビスケだ!!」


アヤカ「いえ、でも、彼は・・・」


続く


後書き

これにて溜まってる分は全部です!次回は未定です

もう三年も放置ですよ・・でも、絶対に書きますからね!


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SS好きの名無しさんから
2017-12-30 16:03:01

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2023-06-16 07:22:34

このSSへのコメント

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1: SS好きの名無しさん 2017-12-30 16:18:45 ID: VfkUVDg-

どうも。いつもの名無しです!
12話まで全部読みました!
って言うか続きが上がるまで何回も読みまくってるからもう大体のストーリーを覚えるのが日課になりつつあります(^^;

色々まあ、煮詰まってるところかもしれないですけどとりあえずランニングでもしてリフレッシュすれば何か思い付くんじゃないかな?(すっとぼけ)

こないだののびハザの話ですけど、今までポテ神さんのSSを読んできて素直に面白いと思ったからノベライズを出してくれたらきっと100回でも200回でも読み直したいと思える作品を書いてくれると思ってリクエストするに至った次第ですがおっしゃることがおっしゃることなら仕方ないかな(^_^;)

2: SS好きの名無しさん 2017-12-30 17:40:11 ID: nwDFLkAb

続きです。

しかし差し出がましい事を承知で言ってしまうと、のびハザだってよくよく考えたらaaaさんが始めに作り上げたものを他の人が無理ないシリーズとか新訳のびハザみたいに色々とバリエーションを増やしていって今に至ると思うんですが、読んだりやらせてもらってる立場に立つ一人としての勝手な推測ですが、やっぱりポテ神さんと同じで「俺がこんなにいい作品の続編とか派生作品を作っちゃって良いのかな?」と言う葛藤はどっかしらにあったんだと思うんです。
でも彼らは自分がやりたいのびハザを作り出したいと言う気持ちがあったと言うのも共通項としてあったとも思います。
だから、イマジネーションをリフレッシュさせると言う意味でも書いてみるのも選択肢としてはこれありなのかも知れないと一読者として提案したいと思った次第です。
一度はやってみたいと言う気持ちがあるならなおさらに。
でしゃばったことを失礼しました。

長文で気に障るような事を言ってしまってすみませんが、来年もお互い忙しい一年になるかもしれませんが体に気をつけて実り多い一年を迎えられる様に行きましょう!
よいお年を!

3: ポテ神提督 2018-01-14 21:53:00 ID: 6MnWuW9U

1番、2番さん!

あけましておめでとうございます!

今年もよろしくお願いしますね!

またまたこんな長文ありがとうございます!そうですね。気になりますし落ち着いたら書いてみようかな?また、プレイしないといけないですけどね(笑)


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