第1巻 第19話 ヤマミチ
AM:11:00滋賀県三上山
集 「おーい、楽!テント張れたーー?」
楽 「ん?ああ、おう!後は中に荷物や物を詰めるだけだ。」
集 「こっちもBBQ(バーベキュー)の準備出来たぜ〜〜、焼くのヨロシクな楽ーーー、お前が1番得意だから〜〜〜」
集は今からちょうど3年前の高1の夏休みに海に行った時、楽がバーベキューの焼き方がすごく上手かった事を覚えていた。
楽 「へいへい」
楽 「おーい、出来たぞー」
千棘 「うわー、何これ美味しい〜〜、楽あんたやっぱり料理うまいわねー」
小咲 「美味しい〜」
宮本 「パク、パク、モグ、パク」
↑既に5本目
集 「いや〜、楽のバーベキューはやっぱりサイコーだねぇ〜」
楽 「なぁ集、わざわざ琵琶湖がウリの滋賀県まで来て何で今日はわざわざ山道まで来たんだ?」
集 「お〜〜楽よ、いい所に気がついてくれた。それは、山道探検だ!」
千棘 「山道探検?」
集 「その通り!この三上山はここらの地元では有名な霊山でな。噂では、「出る」らしいのだよ。」
小野寺 「え?出るって………」
集 「そう。オバケかもしくは、幽霊がね………」
千棘 ビクッ
鶫 ドキッ
楽 「おいおい集、つーことは肝試しみたいな事すんのかぁ?でも今はまだ昼だし夜まで何すんだ?」
集 「あー、それは問題無いよ楽。
今日の天気はこの通り曇りで深い雲に覆われているし、森の中は草木が太陽光を大分遮断するから昼間でも夕暮れ程度の暗さになるから、肝試しには十分〜」
集 「それに、俺が色々と「仕掛け」も用意してあるしねぇ」
鶫 「やはりお前はそういうのを用意していたか………」
そして昼食を終え
PM:13:00
集 「よし!じゃあ部屋の番号と同じペアでGO!」
PM:2:00 三上山山道
301号室 楽・千棘ペア
千棘 「ちょっ、舞子君はああ言ってたけど……幾ら何でも昼間にしては暗過ぎない?」
楽 「そうだなぁ、葉がお互いの足りない部分を補い合って光をほぼ完全に遮断してる、こりゃ月や星の光がある夜とあんま変わんねーな」
千棘 「ちょ、やだ、怖い………」
ギュッ
楽 「わわっ!」
千棘は恐怖から楽の腕にしがみついた
楽 「ちょっ、千棘お前………」
千棘 「しょーがないでしょ!あんたも私が暗くて狭い所苦手だって知ってるでしょ?
掴ませてよ………こうしてなけりゃ耐えられないもん………」
楽 「….………………分かったよ。」
ガシッ
千棘 「ふぇっ!?」
楽は千棘を抱きしめた。
千棘 「ちょっ、楽!?………」
楽 「これならお前も耐えれるだろ?」
千棘 「そうだけど……やっぱり恥ずかしいよぉ………」
楽 「何度も言うが、俺たちもう本物の恋人同士だろ?
そのうちホントに唇のキスもするだろうし….……恥ずかしいなら、だからこそちょっとずつ慣れて行くしかねぇだろ?」
千棘 「う…うん………」
千棘は顔を真っ赤にしながら楽に抱きしめられて再び歩き出した。
302号室 集・るりペア
集 「いやー、やっぱりこういうの雰囲気あるねぇるりちゃん。」
宮本 「ところで集君、あなたこの山道に一体何を仕掛けたのよ。」
集 「まあ、見てのお楽しみだよ。
怖かったら抱きついていいよるりちゃん」
宮本 「3秒だけ許す。4秒以上は殴る。」
集 「アレ?そっちから抱きついといて殴られるのオレ?」
303号室 鶫・小咲ペア
小野寺 「やっぱり大分暗いねぇ」
鶫 「ホントですね………カタカタ………くそっ、舞子集めこんな企画を琵琶湖まで来ておいてわざわざ立てよって………」
小野寺 「つぐみちゃん、暗い所やオバケ苦手だったもんねぇ。」
鶫 「しかし、舞子集の奴………こんな森に一体何を仕掛けたと言うのだ?」
その頃 楽と千棘は
楽 「大丈夫か千棘?」
千棘 「うん平気………あんたと手を繋いでるから大丈夫になって来た」
楽 「そうか、良かった………」
しかし、草むらの陰から2人を狙う「何か」の視線が……………
ガルル………
第19話 完
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