No9 提督 『ご利益なんてないのに、捕まりました。助けてください。』
此処はどこ?俺は誰……という状況までは陥っていないが、提督が目を覚ました場所はまったくの見覚えが無い場所。
此処はどこなのか?自分はどうして此処に居るのか?
それが判った時、自分が此処に居る理由を知ることになる……
どうも、柔時雨です。
無事に9話を投稿することができましたぁ。やったぜ。
今までに投稿させていただいたSSを見返していると、PVの数が1~8話全て無事に1000を越えていて
読みに、覗きに来てくださった皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです!ありがとうございます!
これからも、皆さんに楽しんで頂けるような作品を心掛けさせていただきますが、とりあえず今は……この作を楽しんで頂ければ幸いです。
今回もレーティングを設定させてもらいましたが……これは無くても大丈夫?いや、やっぱりそういう部位が出て来るので付けておくことにします。
それでは、どうぞゆっくりしていってください。
???
提督 「う……此処は……あぐっ!?」
まったく見覚えのない場所で目を覚まし、上半身を勢いよく起こしたところで後頭部に激しい痛みが走る。
周囲を見渡してみると、窓も無い薄暗い部屋のようで……目の前に人が1人、やっと出入りできそうな木製の扉があるだけだ。
提督 「此処はどこだ……?俺は……何か取り返しのつかねえ事でもしちまったのか……?ちょっと、落ち着いて思い出してみるか……」
~ 数時間前 ~
俺は那智、磯風、蒼龍の3人と町のショッピングモールへ買い物しに来ていた……はずだ。
蒼龍 「あっ!もう新しい水着が販売されてる!」
提督 「水着って……お前等に必要なのか?って常々思うよ。普段から制服で海の上をザブザブ走行してるじゃねえか。」
那智 「確かに。私達には必要のない代物だ。それより、司令官。日用品の補充の件についてなのだが……」
蒼龍 「ちょっと!ちょっと!何でそんな否定的なの!?せっかくなんだし、お洒落したいじゃない!ね、磯風ちゃん。」
磯風 「ん?いや、私も別に普段着で構わないが……」
蒼龍 「う~……あっ!でもでも、提督の好みの水着を買って見せてあげれば……もっと好きになってもらえるんじゃない?」
那智 ・ 磯風 「「!!」」
那智 「まっ、まぁ……備品はさほど多くもないし、後回しでもいいだろう。それより、司令官は……その、どのような水着が好みなのだ?」/////
磯風 「あくまで……そう、あくまで!参考のために!教えてもらえないだろうか?」/////
提督 「お前等……何が悲しくてこんな公衆の面前で、自分の嗜好を暴露せにゃならねえんだ。やだよ、恥ずかしい……」/////
蒼龍 「それじゃあさ、私に耳打ちでいいから教えてくれない?」
提督 「……他言無用で頼むぞ。………………………」
蒼龍 「うん……うん……2人共、提督はビキニよりワンピース型、特にハイレグの競泳水着みたいなのが好きなんだって!」
提督 「蒼龍!?おまっ、いきなり約束破ってんじゃ……おいっ!那智、磯風!無言で水着売り場に行こうとすんな!」
多分だけど、競泳水着みたいなのって、もっとスポーツの専門店とかに行かないと、無いと思うんですよ。
あぁ……周りのお姉さん達の視線が痛いっ!
蒼龍 「まぁまぁ、提督。こうなっちゃったら、もう付き合ってあげるしかないよ。」
提督 「誰のせいだと……はぁ……ほら、蒼龍。お前も行ってこい。俺は此処で待ってるから……」
蒼龍 「はぁい♪」
3人が水着売り場の中へ入って行った……ところまでは覚えている。
*****
提督 「その後は…………駄目だ、思い出せない。とりあえず判ったことは、此処は絶対にショッピングモールじゃねえってことだけ……那智達と離されてから、一体どれだけの時間が経過しているのだろう?」
時計なんて物も無ければ、さっき確認した通り窓も無い……太陽の光や傾き方でおおよその時間を知ることもできない。
しかし、こんな場所で悠長なことはしていられない。此処がどこだろうと行動せねば。
そう思った俺は体を捻り……元に戻る反動をつけた蹴りで、目の前の木製の扉を蹴り破った。
提督 「ん?老朽化してたのか?メンテナンスくらいちゃんとしておけよ……まぁ、それを怠っていてくれたおかげで、こうして脱出できたんだけどな。さてと……」
周囲を見渡しても、まったく見覚えのない景色が広がるだけ………
目の前にある人工的で近未来的な冷たい壁……何だ?俺はUFOにでも連れ去られたのか?
??? 「おや……目を覚ましたのかい?」
提督 「!」
第1施設人発見!
提督 「あぁ……最悪の目覚めだぜ。此処が何処かを訊く前に……あんたは一体?」
??? 「僕かい?僕は……此処の提督さ。」
◇◇◇◇◇
ショッピングモール
那智 「居たか!?」
蒼龍 「ううん、どこにも!トイレ……にしては長すぎるし、先に帰っちゃったとは思えないし……うぅ……艦載機を使えれば楽なんだけどなぁ……」
磯風 「……しれぇ……」涙目
蒼龍 「大丈夫!絶対に大丈夫だから!ほら、もう1回一緒に提督を探そ?ね?磯風ちゃん。」
磯風 「……そうだな。すまない、少し弱気になっていた。くっ!何とか司令と連絡を取れればよいのだが………」
那智 「とりあえず、手分けをして探そう!蒼龍は1階、私は3階!磯風はこの2階を端から端まで頼む!終わったら、この水着売り場の前に集合だ!」
磯風 ・ 蒼龍 「「了解!」」
◇◇◇
その頃……
どこかの鎮守府(?) ・ ???
提督 「提督ねぇ……仮にお前が提督だったとして、俺に何の用だい?てめえから金を借りた覚えはないぞ?」
此処の提督 「噂通りの人だね……君を此処へ呼んだのは、ちょっと君に頼みたいことがあったからなんだ。」
提督 「呼ぶっていうのは、てめえの後ろに居る某鬼ごっこ番組のハンターみてぇな野郎に、人の後頭部を殴らせて連れて来ることをいうのかい?」
俺は此処の提督の背後にいつの間にか立っていたハンターよろしく、おそらくボディガードと思われる男性に視線を送る。
俺に睨まれたSPがわざとらしく口笛を吹きながら、持っていた警棒のような物を自分の背後に隠した。
此処の提督 「そうでもしないと来てくれないと思ったからね。手荒な真似をしたことは素直に謝るよ。」
提督 「……で?こんな真似をしてまで俺を連れて来て……一体、何の用事なんだ?」
此処の提督 「そんなに身構えないでくれ。君にやってもらいたいことはとっても簡単な事だ……うん、とっても簡単な事。君には……此処で建造をしてもらいたい。」
*****
ショッピングモール
磯風 「司令……司令……?」オロオロ……
那智 「マズいな……磯風が飼い主を失った犬みたいになってきている……」
蒼龍 「こんなに探しても見つからないなんて……どうする?私達も1度、鎮守府に帰る?」
那智 「そう……っ!いや、此処からだと海軍本部の方が近い。そこで何とか元帥殿に事情を話して協力してもらおう!」
蒼龍 「え?でも、いきなり行って大丈夫なの?」
那智 「仮に元帥殿に会えなくてもあそこには私の姉妹が……頼りになる仲間が居る。事情を話せばきっと力になってくれるはずだ!」
蒼龍 「……うん、わかった。それじゃあ海軍本部へ向かおう!行くよ、磯風ちゃん。」
磯風 「……!あぁ、急ごう!」
†††††
海軍本部
蒼龍 「さてと……本部まで来たのは良いけど、どうやって元帥殿に会おっか?」
磯風 「司令が居ない状況で、勝手に入るわけにはいかないしな……」
涼風 「~~~♪ あれ?なっちー達じゃん!どうしたんだい、そんな所で?」トテトテ
那智 「涼風!良い所で会った!すまないが、提督のことで元帥殿に協力してもらいたいことがあるのだ、何とか中には居る許可を……」
涼風 「そういや、提督が居ないじゃん。何かワケありみたいだね……ちょいと待ってな!じっちゃんか大淀さんを此処に呼んでくるから!」
そう言い残し、涼風は本館の中へ入って行った。
蒼龍 「何か良い方向に話が進んでくれて良かったね。」
那智 「だから言っただろ、此処には頼れる仲間が居るんだよ。」
~ 数分後 ~
海軍本部 ・ 元帥の部屋
元帥 「ふむ……買い物中に彼の姿が急に………」
大淀 「那智さん達の提督さんは私も存じております。とても彼女達を蔑ろにするような方とは思えないのですが……」
涼風 「そうだっ!提督はすっごく優しいんだぞ!あの提督がなっちー達に何も言わずに居なくなるわけないよ!」
那智 「私達は本日買い物のために町へ出ていて、艤装を装備していません。故に、他に司令官と通信する手段を持っておらず、こうして厚かましくも元帥殿に御協力していただきたくっ……!」
元帥 「わかった!わかったから!大丈夫、ほら……頭を上げなさい。彼の電話には儂から掛けてみよう。大淀、明石を此処へ呼んで来てもらえるか?」
大淀 「了解しました!」
◇◇◇
どこかの鎮守府(?) ・ ???
提督 「建造?何で俺が……てめえで資材の量を決めて!妖精さんに頼んで!あとは完了時間まで待つだけだろうが!他人に頼らなくてもできることだろ?」
此処の提督 「そう……手順はその通りだよ……だけどね!僕はもう、何度も投資に失敗してるんだよっ!」
顔面蒼白に加えて鬼気迫る表情で迫って来た此処の提督が、俺の両肩を力強く掴んだ。本来柔らかいはずの指の腹がグイグイと肩に食い込んでくる。
此処の提督 「おかげで完成して出来てくるのは、僕の望まない艦娘達ばかり!僕はねぇ!弱い駆逐艦や、レア度の低い艦娘は要らないんだ……欲しいのは大和や武蔵、長門のような戦艦や、大鳳のような希少価値のある艦娘なのだよ!」
提督 「……知るか。それを俺に言ったところで、俺には何にも………」
此処の提督 「いいや!君ならできる!僕は本部から送られてくる報告書を読んで知ってるんだよ……君が建造で長門や矢矧を出したことはね。」
提督 「…………運が良かっただけだ。」
此処の提督 「その運を僕も欲しいんだよ!君のその引きの強さで、僕達のような恵まれない提督を救おうという慈悲の心は君には無いのか!?」
提督 「…………1回だけだ。1回だけ俺が資材を投入してやる。安心しろ、建造で着任した艦娘はお前の指揮下に入る。」
此処の提督 「そうでなくては困る!では、早速工廠へ行こうか。」
*****
海軍本部 ・ 元帥の部屋
明石 「準備できました!元帥が提督さんに電話されたと同時に、提督さんの携帯に付いているはずのGPS機能で位置を特定してみせます!」
元帥 「頼むぞ。では…………」prrrrr……
磯風 「…………繋がらないのか?」
元帥 「……………そのようじゃな。どうやら電話に出られる状況ではないのかもしれん。」
明石 「GPSにも引っ掛からない……もしかして、那智さん達の提督さんは地下のような電波が通じにくい、まったく通じない場所に居るのでは?」
蒼龍 「地下!?でも、あのショッピングモールは地下なんて無かったよ……?」
那智 「私達の鎮守府にも地下室など無いぞ。緊急時の避難場所にするため、シェルターのような物を妖精さんにお願いして作りたい……と司令官は言っていたが、確かまだ実行していなかったはずだ。」
大淀 「しかし、これで提督さんが拉致された場所が電波の通じない場所……GPSが反応しない場所だということは解りました。それでも、そのような環境はあちこちにあるので特定にはまだ時間が掛かるでしょうが……」
元帥 「くっ……!無事で居てくれれば良いのじゃが……」
◇◇◇
どこかの鎮守府(?) ・ 工廠
妖精さん 「てーとくさん、きょうもけんぞうですか?」
此処の提督 「まぁ、そうなんだけど……今日はこちらの彼が言う数の資材を投入してほしいんだ。」
提督 「で?お前は誰がって……そういや、大和や武蔵が欲しいっつってたな。じゃあ、大型建造しないと……4000 / 6000 / 6000 / 2000の配分で、何か歯車みたいなアイテムを100個投資すれば良かったんだっけ?」
此処の提督 「うぅ……また資材が枯渇してしまうが仕方ない……妖精さん、頼む。」
妖精さん 「りょーかいです!」
建造時間 : 08:00:00
此処の提督 「!?」
提督 「うわっ!?何だよこの建造時間……俺も見たことねぇよ。」
此処の提督 「おっ、おい!今すぐバーナーを使うんだ、早くしろっ!」
ハンター 「Yes,Boss.」
此処の提督のボディガード……SP?とにかく黒いサングラスをかけた厳つい黒服の男性が建造中の機械に向けてバーナーによる火炎放射を執行した。
するとメーターの数字が一気に 『 0 』 になり、ハッチが開いて中から1人の艦娘が姿を現す。
「大和型戦艦、一番艦、大和。推して参ります!」
提督 「あらら。本当に大和が来ちまったか。まぁ、良かったじゃねぇか。それじゃ、俺はこれで……」
奇跡的に役目を果たした俺が帰ろうとすると、此処の提督が俺の肩を力強く掴む。
提督 「おい……何だ?この手は……離せよ。俺は自分の鎮守府に帰るんだから。」
此処の提督 「やはり……やはり君は此処に必要な人材だ!この調子であと、武蔵と長門、大鳳が出るまで帰さないからね……!」
提督 「ふざけんなっ!俺には俺の大事な艦娘達が居るんだよ!こんな何処かも解らねえ場所で、いつ終わるかも分からない生活を過ごすつもりはねぇよ!」
俺は此処の提督の手を振り解き、そのまま出口……此処の正門へ向かって走り出す。
此処の提督 「彼を逃がすなっ!大和、お前の最初の仕事だ!彼を捕まえろ!お前達も行けっ!」
大和 「承知致しました!」
ハンター × 複数 「「「「「Yes,Boss.」」」」」
提督 「Σ ( ゜ ロ ゜;)!? 」
*****
海軍本部 ・ 元帥の部屋
明石 「…………っ!機械に反応がありました!提督さんの居場所が判りましたよ!」
蒼龍 「本当!?やった!」
明石 「今、場所を特定した物を打ち出しますので、しばらく待ってください!」
大淀 「今なら電話が通じるかもしれません!より詳しい状況を確認するためにも、元帥、お願いします!」
元帥 「おう!任せぃ!」prrrrrr……
那智 「頼む……司令官、無事でいてくれ……」
◇◇◇
どこかの鎮守府(?) ・ 本館の物陰
提督 「はぁ……はぁ……あ?電話?くそっ、この忙しい時に……もしもし?」
元帥 『おぉっ!ようやく繋がった!無事か?』
提督 「元帥……?いやぁ、無事かと言われると……ちょっとそうでもねえ感じかな……っていうか、元帥は何で……」
那智 『司令官!私の声が聞こえるか!?』
蒼龍 『提督、大丈夫!?ごめんね、もうちょっとだけ待っててね!』
磯風 『司令の無事を確認できた今、浜風の艤装を借りてでも迎えに行く!元帥、許可を……』
提督 「あぁ……なるほど……」
元帥 『一体、何が遭ったのじゃ?何故、君は今、そのような場所に居るのじゃ?』
提督 「そのような場所って言われても……俺も此処がどこだか判らねえんだよ。買い物の最中、いきなり此処の提督お抱えの某鬼ごっこ番組のハンターみたいな野郎に後頭部を殴られ……あっ……」
ハンター 「居たぞ!此処だぁっ!」
提督 「悪い、そのハンターに見つかった。何とか自力での脱出を試み……おらぁ!今、通話中だろうが!邪魔すんなぁぁぁ!!(# ゚ Д ゚) 」
俺は左耳に携帯電話を押し当てながら、駆け寄って来たSPに飛び蹴りを喰らわせた。
不意の蹴りを受けて俺の足元で蹲るSPの後方から、先程の声を頼りにかなりの人数の黒服達が迫って来ている。
提督 「くそっ………ふぅ……唵吠室囉縛拏野莎賀……戦の神、毘沙門天よ……今だけ俺に加護を!」
*****
海軍本部 ・ 元帥の部屋
元帥 「もしもし?もしもし!?駄目じゃ。繋がってはおるが通話できる状態ではなくなったらしい。かなりマズい状況であるのは間違いないようじゃ。」
蒼龍 「提督って、もしかしなくても今……丸腰だよね?大丈夫なの!?」
那智 「受話器の向こう側から司令官の怒号と、他の知らない男性の声が微かだが複数聞こえる……もしかして、司令官は蹴り技で戦っているのではないか?」
元帥 「おそらくそうじゃろうな……先日の件では中尉を右手で殴ったらしいが、あやつは本来長柄武器と蹴り技を主体で戦う男じゃからのぅ。学生時代に遊び半分でムエタイとカポエラを少々かじった後、本格的にサバットに手を出したからな。」
蒼龍 「サバット?」
大淀 「路上喧嘩( ストリートファイト ) を源流とした足技が特徴的な、外靴での戦闘を前提としたフランスの格闘技です。」
那智 「しかし、いくら司令が足技を駆使して戦っていても多勢に無勢では……くそっ!司令官が襲われているっていうのに、私達は何もできないのかっ!」
磯風 「何故だ、浜風!?同じ陽炎型だ、私が多少無理さえすれば扱えなくはないはずだ!」
浜風 「気持ちは痛いほど解るけど、絶対に無理です!自分の姉が危険な真似をしようとしているのを止めないわけにはいきません!」
蒼龍 「うぅ……弓さえ……弓さえあれば、艦載機だけでも先に飛ばして提督の援護ができるのに……!」
「艦載機があれば良いのですね?」
那智 「……っ!お前は……!」
◇◇◇
どこかの鎮守府(?) ・ 外部
提督 「うぉぉ!百戦百勝脚!」
ハンター 18人目 「ごふっ!」
提督 「はぁ……はぁ……あの漫画の技を見様見真似だけど、やればできるもんだな……いや、この状況がそうさせているのか……とりあえず、これを機に中国拳法に手を出してみるのも有りかな?」
数人の黒服を何人か蹴り倒したが、目の前には……顔つきや肌の色が違うだけで、他はまったく同じ姿をしたSP達がまだまだ大勢立っている。
ハンター19人目 「心臓以外ならどこを撃っても構わんとの指令が出た!総員、構えっ!」
何やらとんでもない命令を受けたSP達が俺の目の前で拳銃を構えた。
提督 「丸腰の相手にそこまでするか、普通!?くそっ……鉄の弾は俺のデリケートな肌には合わねえんだよ!」
地面を蹴ったと同時にそのまま体を捻り、体勢が元に戻る反動に合わせて薙ぐように蹴りを繰り出して、数人のSPを張っ倒す。
ハンター 25人目 「このっ!」
1人のSPが俺の背後から羽交い絞めにしてきたが、俺は頭を項垂れる様に前に倒し……勢い良く反動をつけて後方へ戻す。
当たり所が良かったんだろう……後方を見ると、羽交い絞めを実行していたと思われるSPが、右手で鼻と口元を押さえていた。その手の隙間から、おそらく鼻血が滴り落ちている。
ハンター 26人目 「このっ……!調子に乗るなぁぁぁっ!」
ついにSPの1人が発砲した。
銃口から放たれた弾丸は、目視できない速度で俺の右肩を掠った。
提督 「うぐっ……やりやがったな、この野郎!」
銃口から硝煙を立ち昇らせている拳銃を所持しているSPを確認し、蹴り飛ばしてやろうとした時……後方の上空から微かなエンジン音が聞こえてきた。
提督 「これって……まさか、艦載機か!?野郎……空母まで用いてきやがったか。どれだけ本気なんだよ!」
ハンター 27人目 「敵に隙ができたぞ!一気に押さえ込め!」
提督 「調子に乗んなあぁぁぁ!」
足を垂直に振り上げ、迫って来たハンターの顎を蹴り上げてやった後、忌々しく空を睨みつける。
遠方から迫って来ていた影が徐々に大きくなり……俺の頭上を通過した後で機銃が火を噴き、SP達が所持している拳銃を破壊していく。
悲鳴を上げるSP達の手の内から、拳銃だった鉄くずがボロボロと崩れ落ちた。
提督 「あれは……まさか、味方の……俺を援護してくれるのか?」
『 提督、聞こえますか!?』
電話ではない、別に所持していた通信機の方から、聞き覚えのある声が耳に入ってきた。
提督 「その声……まさか、祥鳳か!?いや、そんなはずは……あの時被害を受けた艦娘達は皆、元帥の計らいで記憶を……」
祥鳳 『はい!祥鳳です。よかったぁ、無事なのですね。今、千歳さんとグラーフさんと一緒に先行してそちらに向かっています!』
千歳 『提督さん!那智さん達から話は聞きました。彼女達は今、元帥の自家用ボートであなたの鎮守府へ艤装を取りに戻っています。まだしばらく時間は掛かるでしょうが、私達が援護しますので何とか持ち堪えてください!』
グラーフ 『心配するな、Admiral。ナッチー達に貴殿の死体を渡すつもりは無い。必ず守り抜いて見せよう!』
提督 「お前等……ありがてぇ……どうやら、俺はまだまだ戦えるみたいだ!」
祥鳳 『提督。もし、限界を感じましたらそちらの母港から海へ飛び込んでください!大丈夫です!私を信じて!』
提督 「祥鳳……解った。もしもの時はお前の指示に従う!」
◇◇◇
鎮守府 ・ 母港
元帥 「着いたぞ!ほら、急ぎなさい!」
那智 「ありがとうございます、元帥殿!妖精さん、緊急事態だ!」
磯風 「司令……必ず助けるからな……!」
蒼龍 「祥鳳ちゃん達が先行してくれているからって、ゆっくりできないよ!急ごう!」
元帥 「大淀!儂等もこのまま件の鎮守府へ向かうぞ!」
大淀 「はいっ!……そろそろ彼女が到着する頃ですね。私達が到着するまで……お願いしますよ。」
†††††
どこかの鎮守府(?) ・ 母港付近
提督 「はぁ……はぁ……こいつ等、マジで何人居るんだよ……1人見たら30人居るってか?このゴキブリ共め……!」
祥鳳 『提督!動けるうちに海へ向かってください!流石にその人達も海の上までは追いかけて来ないでしょう!』
千歳 『先程、銃も破壊しましたし、追撃されることもないはずです!幸いなことに、先程から他の艦娘を1人も見かけていません!見つかることは無いでしょう。』
グラーフ 『そのまま海まで付いて来るような変なガッツを見せられても困るのだが……おそらく大丈夫だろう。飛び込め、Admiral!』
提督 「うおりゃあああああああ!!」
地面を蹴って勢い良く海へ向かって跳び……重力に従って海の中に落ちたと同時に、受け止められる感覚があった。
海上に浮かびあがり、呼吸ができるようになって状況を確認する。
提督 「お前も来てくれていたのか……ありがとうな、168。」ナデナデ
168 「司令官のピンチだったんだもん。駆け付けないわけにはいかないでしょ?でも……通信機も電話も駄目になっちゃったわね。」
提督 「こんなもん、今度また買い直……っ!潜れ、168!」
168 「え?あっ……うん!」
海中に潜り、168に手を引っ張ってもらって高速でその場を離れた瞬間、先程まで自分達の居た場所に弾丸が着水し……それなりの規模の爆発が巻き起こった。
提督 「ごぼっ……ぷはぁぁぁ!はぁ……はぁ……そうだ、忘れてた……此処にはあいつが居たんだったな。」
波止場の上のSP達を退け、大和がゆっくりと海上に立つ。
大和 「運良く回避できたみたいですね。ですが今度は……あなたを気絶させてでも、提督の元へ連れ帰ります!」
168 「心配しないで、司令官!彼女の攻撃は私には当たらない……絶対に守って見せるから。」
提督 「168……」
こちらの声はまだ聞こえていなかったのだろう。大和がその立派な主砲と副砲から砲撃してきた。
168に肩を貸してもらいながら数発は回避したが……回避しきれなかった1発が俺に向かって落ちてくる……
提督 「くっ……168!お前だけでも潜……」
俺の言葉が終わりきるよりも先に、俺の背後に立った人影が……落ちてきた砲弾を握り拳で殴り、強引に軌道を逸らした。
「待たせたな、提督!」
提督 「長門……!お前も来てくれたのか!?」
長門 「あぁ。提督が相変わらず無茶をしていると聞いたのでな。それで来てみたら……まさか、我が国最強の戦艦と手合わせできるとは思っていなかったぞ。」
大和 「私の邪魔をするのですか?でしたら、たとえ世界のビッグセブンと謳われたあなたが相手でも容赦はしませんよ?」
長門 「おもしろい。この長門……今度こそ大事な物を守り抜く!」
長門と大和がほぼ同じタイミングで主砲と副砲から砲弾を打ち出す。
放たれた砲弾は空中でぶつかり合い、破片となって海の中へと落ちていった。
提督 「長門!さっき、祥鳳から聞いたんだが、那智達も今、俺の鎮守府を出て既に此処へ向かって来てくれているらしい。到着まで持ち堪えてくれ!」
長門 「承知したっ!」
大和 「くっ……!増援が来る前に終わらせます!」
俺の方を向いていた長門の後ろで、大和が再び砲弾を撃ち出した。
長門 「ちっ……!」
素早く振り返り、対応した長門だが打ち落とせた砲弾は数発……撃ち落とされなかった砲弾が海に着水してそのまま沈んでいく。
大和 「即対応ですか……中々の手練れのようですね。」
長門 「日夜鍛えているから……なっ!」
長門が拳を握り締め、大きく振りかぶるとそのまま大和に向かって殴りかかる。
大和 「くぅっ……!」
大和は長門の拳を回避し、彼女の側面の位置を取って再び砲塔の先を長門に合わせる。
標的を失った長門の拳は海面に当たり、大きな波を発生させた。
長門 「……ただ砲撃を繰り返すだけではないようだな。」
大和 「当然です。危険だと判断したのならば、回避だってしますよ。」
長門 「そうか………では、仕切り直しといこうか。」
大和 「そうですね。そちらの提督さんを連れて帰るという当初の目的を果たすためにも……貴方を倒させていただきます!」
長門 「やってみせろ!!」
同時に水を蹴り、海上で長門と大和が両手を突き出して組み合う。
衝撃が周囲に拡散して、ギチギチという音が波の音に混ざって2人の方から聞こえてくる……そして、先に動いたのは大和だった。
長門と組み合いつつも砲撃を長門の方へ向けて照準を合わせる。
長門 「しまった!」
長門も大和の動きに気付いたらしく、すぐに対処しようとしたが……長門の攻撃よりも先に大和の砲塔が火を噴いた。
提督 「長門っ!!」
長門 「くっ……!慢心したつもりはなかったが……だが、まだやれるぞ!私の限界はまだまだ、こんなものではないのでな……!」小破!
大和 「確かに仕留めた感覚はありました……しかし、小破ですか。中破くらいまでは追い込めたと思ったのですが。」
長門 「言っただろう……日夜鍛えていると………それに、私のこの傷は無駄ではなかったようだ……」
提督 「……!」
俺の後方から頭上を通り越して飛んできた砲弾が、大和が放った砲弾を打ち落とす。
那智 「はぁ……はぁ……司令官……司令官!無事か!?」
提督 「那智!あぁ……皆無事だ……とは言えねえか。長門が小破してしまった!」
168 「司令官もボロボロで、あんまり無事とは言い切れないけど……」
那智 「そうか……すまない、もう少し早く到着できていれば……だが、生きていてくれて本当に良かった!」涙目
大和 「増援が来てしまいましたか……ですが、此処で全員……そちらの提督さん以外を沈めてしまえば、何も問題ありませんね。」
磯風 「そのような真似……この磯風が絶対にさせない!」
大和 「………っ!?」
少し違うルートで来ていたのだろう。大和の背後に回り込んでいた磯風が、彼女の背中に主砲による1撃を叩き込んだ。
大和 「!?嘘……これが……駆逐艦の攻撃!?この私に……こんな重い1撃を!?」
提督 「……!そうだ……その大和は先程、この工廠で建造されたばっかりで、実戦経験はまったく無いし……だから練度も殆ど無い。しかも、既に数発砲撃もしている。お前達なら絶対に押し切れるはずだ!」
蒼龍 「ふっふっふ。それじゃあ、美味しいトコ取りして、あの大和さんを大破状態まで追い込ませてもらうよ!」
そう言いながら蒼龍が放った複数の矢が艦載機へと変わり、そのまま大和へ向かって跳んでいく。
大和 「くっ……艦載機……!」
大和の主砲が上空へ向き、発砲された弾が蒼龍の艦載機を撃ち落とした。
燃えて小さな火の塊になった蒼龍の艦載機達が海の底へ向かって沈んでいく……
蒼龍 「……ごめんね、皆。でも、あなた達の犠牲は無駄なんかじゃないよ!」
磯風 「あぁ……その通りだ!」
那智 「少し、大人しくしていてもらおうか!」
大和 「しまっ……!?」
蒼龍の艦載機を打ち落とし、隙ができていた大和の前で那智が……後ろで磯風が主砲を突き付け、2人同時に発砲した。
那智と磯風の攻撃を受け……中破まで追い込まれた大和が海上で片膝をつく。
大和 「ぐっ……うぅぅ……そんな、提督の命令を、こんな形で遂行できないなんて……」
元帥 「急いで来たが……もう終わっていたようじゃのう。」
全てが無事に終わった頃、元帥が祥鳳達と共に自家用のボートに乗って到着した。
同時に俺はボートの上へと救出される。
提督 「はぁ……やっと一息吐ける……皆、すまねぇ……俺のせいで、随分迷惑掛けちまったな……」
那智 「何を言っている!?こうなったのは提督のせいではない、此処の提督のせいなのだろう!?」
磯風 「そもそも、此処の提督は何故司令を拉致監禁したのだ?」
提督 「本部から届く報告書や、他の連中から話を聞いたりして、俺の建造結果の噂を聞きつけたらしくてな……『 長門や矢矧を着任させたその剛運を貸してくれ! 』 とか何とか……」
蒼龍 「そんな……そんな理由で私達の提督を……許せない。」
提督 「まぁ、状況が状況だったから少し協力してやって……それで来たのが、あの大和だ。」
那智 「そこで大和を引くあたり、流石司令官と言うべきか……」
提督 「んで、役目を終えたから帰ろうとしたら……あの野郎、 『 武蔵と長門、大鳳も出るまで帰さない 』 とか言いやがって……それで、逃げだしたら……」
磯風 「あの黒ずくめの奴等と大和さんに襲われた……か。」
提督 「そういうこと……それより、俺が気になってんのは……」
俺は目の前で土下座をしてボートの床に頭を擦り付けている長門と、その後ろで頭を下げている祥鳳へ視線を向ける。
提督 「えっと……俺は元帥にあの一件と俺に関する記憶を消してもらうようお願いしてたんだけど……記憶、残ってたりするのか?」
祥鳳 「はい……」
長門 「ほんっっっとうに申し訳ない!あの時提督に留守を任されていたというのに、鎮守府を守り切れなかったばかりか、朝潮まで失い……挙句の果てには私達自身、薬でおかしくされていたなど……弁解の余地も無い!」
元帥 「いくら怪我を治せて、カウンセリングしようと……記憶までは弄れるわけないじゃろう。彼女達は機械や兵器ではない……女の子じゃぞ。」
提督 「………っ!!すまねぇ、俺は根本的なトコロで間違ってたんだな……俺の方こそすまない。無事でよかったよ、祥鳳……長門……」
長門や祥鳳が記憶を弄らず大丈夫だった……ということは、扶桑 ・ 矢矧 ・ 早霜 ・ 筑摩 ・ 五十鈴 の5人も大丈夫なのだろう。
俺の心の奥にあったモヤモヤした何かが消え、安堵の溜め息を吐く。
祥鳳 「でも!それは私達のことを配慮してのことだと元帥殿から伺いました。いつもどんな時でも私達のことを気にかけてくださり、本当にありがとうございます。」
長門 「私達は提督の配慮に甘え、言い渡された場所で汚名返上をする覚悟で武を振るわせてもらう!が、今回のように困ったことが遭ったら、いつでも遠慮なく言ってくれ!私達は提督や那智達のためなら喜んで駆け付けよう!」
提督 「長門……祥鳳……それに千歳とグラーフ、168も……ありがとう。もちろん、今の俺の艦隊の3人も……俺、お前達の提督になれて、本当に嬉しいよ。」
那智 「司令官……」/////
提督 「さてと……それじゃあ、終わらせに行くか。さっき、千歳と通信をしていて気になることがあったからな。」
千歳 「気になること……ですか?」
提督 「あぁ。元帥、大淀さん……ちょっと、通信機を貸してくれねえか?さっき、海に飛び込んだ時に電話と一緒に駄目になっちまったみたいで……」
大淀 「あっ、でしたら……こちらの通信機を御使用ください。提督さんと相手の会話はこの船内のスピーカーを通して私達に聞こえるようになっています。」
提督 「ありがとう。この件が終わったら、すぐに返すよ。……那智、悪いが俺と同行してくれないか?」
那智 「……!あぁ、もちろんだ!」
磯風 「司令、こうなるだろうと思ってな……持って来ておいたぞ。」 つ ロンパイア
提督 「ありがとう、磯風。」
元帥 「気持ちは解るが、君は既に戦闘等で疲弊しておるということを理解して動きなさい。くれぐれも、無理はいかんぞ?」
提督 「そいつは約束できねえですね……どんな理不尽な仕打ちを受けても、艦娘は人間に危害を加えることは許されない……だったら、『 やれる奴 』 や 『 動ける奴 』 が、しっかり責務を果たさねえと……ですよ。」
◇◇◇
那智に肩を貸してもらい、海上に出ると……中破したままの大和が先程と同じ場所で座り込んでいた。
大和 「提督……申し訳ありません、敗北してしまいました……撤退の許可をいただけませんか?提督……提督?応答してください……」
此処の提督 『あれ?まだ沈んでなかったの?』
大和 「……っ!?提督、今のは……」
此処の提督 『まったく!駆逐艦と、そこら辺に居そうな重巡なんかに負ける最強の戦艦なんて聞いたことないよ!あ~あ、大量の資材が一気に無駄になっちゃった。』
大和 「………………」涙目
提督 「……元帥。大和を保護してやってくれ。彼女は命令に従い、中破するまで戦った、祖国最強の名に相応しい立派な戦艦だ。」
大和 「…………!」
元帥 『わかった。すぐに彼女を救出しよう。』
提督 「頼む。……行くぞ、那智。」
那智 「……あぁ。」
†††
どこかの鎮守府(?) ・ 工廠
此処の提督 「くそっ!まさか大和が破れるなんて……建造の時に、何か欠陥でもあったのか?」
提督 「ふん。てめえの無能さを大和のせいにしてんじゃねえぞ。」
俺の声に気付いた此処の提督が慌てて振り返ったかと思うと、腹立たしい笑みを浮かべて歩み寄って来た。
此処の提督 「はっはっは、まったく!大和は本当に残念な艦娘だったよ。過去に最強の艦と謳われていたかもしれないが、駆逐艦みたいな雑魚に負けているようじゃ駄目だ!まぁ……駄目だったものは仕方ない。次に来てくれるだろう武蔵や長門に期待かな。」
提督 「……駆逐艦が雑魚?その様子じゃ、お前……駆逐艦の娘達にお願いして、遠征なんてやったことないだろ?」
此処の提督 「そりゃもちろん!」
提督 「じゃあ……大和の建材に使用した4000 / 6000 / 6000 / 2000 はどうやって稼いだ?」
此処の提督 「え?それは……本部からの自動搬入で………」
提督 「俺もそう思ったんだけど……千歳が艦載機を通して見た景色を通信で俺に教えてくれたんだよ。 『 先程から他の艦娘を1人も見かけていません 』 ってな。ひょっとしてお前、戦艦以外の艦娘の娘達を解体して資材を集めてたんじゃないのか?」
那智 「!?」
提督 「それにお前自身、『 弱い駆逐艦や、レア度の低い艦娘は要らない 』 って、言ってたもんな?」
此処の提督 「へぇ……よく解ったね。だってさぁ、駆逐艦や軽巡なんて居ても艦隊や鎮守府を圧迫するだけで戦力にならないだろ?そんな連中に力を注いだり、集めたりするくらいなら、即戦力になる戦艦を数人だけ重点的に運用すれば何の問題も無いはずだよ?」
提督 「それがお前の考えか……」
那智 「救いようのない奴だな。救うつもりも無いが……」
此処の提督 「ふん……たかが妙高型の重巡洋艦が偉—————……」
此処の提督が発言を終える前に、こいつの顔面を右手で鷲掴みにして……そのまま後頭部を建造用の機械に叩きつけた。
此処の提督 「ぐあぁぁぁぁぁっ!?」
提督 「たかが妙高型の重巡洋艦……だとっ!?このクズ……お前今、俺の那智を馬鹿にしようとしたか?いい度胸だ……二度とそんなこと言えねえように、その両の目玉を抉り取った後に舌を切り落としたっていいんだぞ?」
此処の提督 「何をそんなに怒っているんだい……?妙高型の艦娘など、そこらの海域でたまに見つかるだろ……」
提督 「……そうか。お前には思い入れのある艦娘が居ないんだな。残念だ……こんな形じゃなけりゃ、俺の自慢の重巡洋艦様の魅力を1時間ほど語るんだが……」
俺は此処の提督の顔を鷲掴みしたまま、ゆっくりと持ち上げる。
提督 「これ以上、人面獣心のてめぇと話をしても胸糞が悪くなるだけだ。さて……」
俺は建造用の機械の隣にある溶鉱炉に視線を送った後、少し後ろに居る那智に話しかける。
提督 「那智……こいつをどうすればいいと思う?…………那智?」
反応が無いので振り返ってみると、黒服のSP2人に取り押さえられた那智が苦しそうな表情をしていた。
提督 「那智っ!?」
那智 「すまない……司令官、少し油断した……」
此処の提督 「よくやったぞ!お前達!はははっ、人間に危害を加えられない規則があるのは辛いよね!そんな真似をしても抵抗できない……抵抗したら軍法会議モノだ!最悪、解体だね。」
提督 「てめぇ……」
此処の提督 「ほらっ!早く僕を開放してくれないかな?そうすれば、すぐにあの重巡洋艦を開放してあげるよ?」
提督 「わかった。俺は何よりも那智の身の安全を最優先に行動する。」
那智 「司令官……」/////
俺は鷲掴みにしていた此処の提督の顔から手を離す。
此処の提督 「ありがとう……おい!その重巡洋艦を連れて行け!」
ハンター2人 「「Yes,Boss.」」
那智 「なっ!?司令官!しれいかぁぁぁぁぁん!!」
提督 「那智ぃ!……てめぇ!言ってることと、やってることが違うじゃねえか!てめえから手を離したら那智を……」
此処の提督 「甘いねぇ……今の口先だけの約束を本気にしたの?ほら、早く追いかけないと、あの重巡洋艦が何されるか分からないよ?もしかしたらエッチな事をされ…………」
俺は余裕の憎たらしい笑みを浮かべた此処の提督の顔面を再び鷲掴みして、建造用の機械に力を込めて叩きつける。
此処の提督 「ぐっはぁぁぁぁぁぁぁ!!」
提督 「よしっ!てめぇの末路は決まった。」
此処の提督 「ちょっ……僕に構ってていいのかい!?あの重巡洋艦が大事なんだろ!?僕に構っていたら、取り返しのつかない……」
提督 「心配すんな……てめえをさっさと粛清して、那智も必ず助け出す!」
俺は此処の提督の顔面を鷲掴みしたまま、ゆっくりと彼の後頭部を溶鉱炉の赤々と燃える炎が見える入口へと近づけていく。
此処の提督 「まっ!?冗談だろ……馬鹿な真似は止せっ!僕にはまだ、戦艦の艦娘を指揮しなければいけない使命があるんだ!」
提督 「ふん……此処で燃えようが、俺が中断しようが……てめえはもう、艦隊の指揮はできねえよ。後程、憲兵さん達に突き出してやるからな。いや、此処で燃やせば、その手間が省けるのか。」
此処の提督 「何……だと!?おいっ!誰か、誰か居ないのか!?大和……大和ぉぉぉぉぉ!!たっ、助けっ……!」
提督 「女々しいな。『 駆逐艦やそこら辺に居るような重巡洋艦に負けた 』 大和に助けを求めるなんてな……」
此処の提督 「…………っ!?お前達、あの通信を聞いて……」
提督 「大和……泣いてたぞ。彼女の心を踏み躙ったことに対しても信賞必罰……やっぱりてめえは此処で罰を受けるべきだ。大人しく……燃えろ!」
此処の提督 「いっ……嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁっ!熱っ、熱い!後頭部に炎の熱が……頼む!僕が悪かった!謝る、いや……謝らせてぐだざい"!どうも"ずびばぜんでじだ~~~~!!」号泣
俺の掌が急激に濡れたことに気付き、すぐに手を放す。
提督 「最初から素直にそう言えってんだよ、余計な手間かけさせやがって……ん?おいおい……このヌメっとしてるのって、てめえの鼻水だろ!俺の手に擦り付けてんじゃねえよ。」
俺は此処の提督の顔面から溢れ出たいろんな液体を彼の軍服で拭いた後、ロンパイアの先端を彼の喉元に付きつける。
此処の提督 「ひっ……!?」
提督 「今からお前を憲兵の元へ突き出す。俺を拉致したことは置いておくとしても、艦娘に対する所業やその他諸々の罪に関して……死んで地獄に堕ちるまで、憲兵さん達に可愛がってもらいながら償え。」
此処の提督 「あ……あぁ……」ガク……
悲壮な表情を浮かべて脱力した此処の提督のズボンの股の部分が濡れて変色したように見えた。
提督 「こっちはこれでよし……もしもし、元帥。聞いてただろ?」
元帥 『うむ。そちらには他の娘を向か……今、磯風と長門がそちらに向かった。君は急いで那智を探しに行きなさい!』
提督 「そうか、助かる。……もうすぐ、俺の代わりの奴が来るが……逃げようとしたり、抵抗しようとするんじゃねぇぞ。まぁ……今のてめえにそんな気力があるとはおもえないけどな。」
◇◇◇
どこかの鎮守府(?) ・ 懲罰房
那智 「お前達……っ!こんな真似をして、自分で自分の首を絞めているということが解らんのか!?」
ハンター A 「そう言われても……俺達は提督の命令に従っているだけなので……」
ハンター B 「しかし、提督は戦艦以外を毛嫌いしている節があるが……こうして見ると、重巡洋艦もなかなか良い身体してるじゃないか。」
そう言いながらSPの1人が服の上から那智の胸を鷲掴みする。
那智 「……うぐっ!」
ハンター A 「おいおい。お前だけ楽しむのはズルいんじゃないか?」
ハンター B 「しかし、目の前に自分達の好きに出来る女が目の前に居るんだぞ……この状況を楽しまなくてどうする?」
ハンター A 「…………それもそうだな。」
彼等の中で何かが合意したようで、那智の目の前で服を全て脱ぎ捨てた。
那智 「…………」
ハンター A 「どうした?これから自分がナニをされるかを知って、怯えて声も出ないのか?」
ハンター B 「お前はあの提督のお気に入りのようだが、今日からは俺達の慰み者になるんだよ。とりあえず、まずは服をひん剥いちまうとするか。」
那智 「はぁ……そんなお粗末な物をぶら下げて自分達が優位に立ったつもりか?まったく……お前達に、司令官の爪の垢を煎じて飲ませてやりたいくらいだ。」
ハンター A 「このっ……調子に……!」
那智 「お前達が私に何をしようとも、私は絶対にお前達に従順したりしない!この身がお前達の下衆な行為に弄ばれようと……私の心は司令官の物だ!私は私の司令官を愛している!」
ハンター B 「なら、その司令官様のことを忘れるくらい激し……ぐおぅ!?」
ハンター A 「何だっ!?」
提督 「はぁ……はぁ……やっと見つけた……!」
那智 「司令官!」パァァァッ!
扉を蹴り開け、中の様子を一通り見渡して……到着するまでに何が遭ったのかを大体把握した。
同時に扉の下敷きになっていたSPともう1人が全裸の状態で立ち上がる。
提督 「粗末なモン、ぶら下げやがって……那智……こいつ等に何かされたか?」
那智 「両手を縛られているこの状況で、先程扉の下敷きになった方の全裸の莫迦に胸を鷲掴みされた。」
提督 「そうか……てめえ等、本気で覚悟しろよ……この世にも地獄の鬼と同じくらい恐ろしい野郎が居るってことを思い知らせてやる!!」
ハンター A 「おもしれえ……やってもら……お”ぅ!?」
立ち上がって俺と対峙していたSPの背後を、那智が体当たりをして強襲した。
よろめいて倒れてきたSPの頭を掴み
提督 「」ニコッ!
ハンター A 「……?……??」
そのまま、強引にSPの顔面を石造りの床に勢いよく叩きつけた。
ハンター B 「同胞!!このっ……よくも、やりやがっ……ごふっ!?」
激昂して殴りかかって来たSPの腹部をロンパイアの石突きで小突く。
腹部を押さえて裸のまま蹲るSPの顔面に構え直したロンパイアの刃の先端を突き付ける。
ハンター B 「ひっ!?」
提督 「確か、てめえが那智の胸を鷲掴みしやがったんだよな……汚い手で俺の那智に触れやがって……今すぐその粗末な愚息を斬り落として、金輪際繁殖活動できなくしてやってもいいんだぞ?」
ハンター B 「いっ……いや、それだけは……どうか御勘弁を……!!」
提督 「本気にすんな……何が悲しくて、てめえのその粗末な物を斬って俺の得物の刃を汚さなきゃならねぇんだよ。まぁ……その代わり……」
俺は慌てて膝立ち状態になったSPの急所を渾身の力を込めて蹴ってやった。
短い悲鳴を上げたSPが急所を両手で押さえながら、涙を流し、口から泡を吐いて倒れ込んだ。
提督 「………那智。」
俺は那智の手を縛っていたロープを解き、そのまま那智を抱き寄せる。
提督 「すまん、遅くなった。」
那智 「まったくだ。もう少し早ければ、私も胸を揉まれずに済んだのに……なんてな。ちゃんと迎えに来てくれてありがとう、司令官。」
提督 「礼を言われるほどのことじゃねえ。俺は当たり前のことをしただけだからな。」
那智 「ふふっ、あぁ……そうだな。」
俺と那智は裸のままのSP2人をロープで縛り上げ、元帥達の待つボートまで引っ立てていった。
*****
海軍本部 ・ 客室
磯風 「では、私は姉妹達の所に行ってくる。バルジが気になるが……また浜風からお菓子を没収してやらねば。」
蒼龍 「うふふ♪ 素直にお菓子食べたいって言えばいいのに。それじゃ!私も飛龍の所に遊びにって来るね!」
提督 「おう。あんまりご迷惑にならねえようにな。」
磯風と飛龍はそれぞれ行き先を告げると、そのまま客室から出て行った。
提督 「くあぁぁぁぁぁ!あ"ぁぁ~……疲れたぁぁぁ……」
那智 「お疲れ様。そうだ……せっかくだし、その……どうだ?」
チョイチョイっと小さく手招きした那智の意図を把握し、伸びをした姿勢のままゆっくりと後方に……那智の膝の上に頭が来るように倒れ込む。
那智 「試しにしてみたものの……私の膝、硬くないか?」
提督 「まさか……抜群に気持ちいいぞ、那智。」
那智 「そうか。なら良かった。ふふっ……ゆっくり休むといい、司令官。」ナデナデ
提督 「あぁ……このまま眠ってしまいそうだ。……ふふっ。」
那智 「どうしたんだ?」
提督 「いや……やっぱり、那智が傍に居てくれると心底安心できるなと思ってな。俺はもう那智の居ない生活なんて考えられねえよ。」
那智 「ふふっ、司令官にそういってもらえて、私も嬉しいぞ。私も……もう、司令官の居ない生活は考えられない。これからも私達を導いてくれ、司令官。」
客室の外
暁 「元帥にお願いされたから、様子来てみたら……大人の恋愛の真っ最中みたいね!那智さん、レディだわ……!」
響 「ほら、暁姉さん……静かにしないと2人に聞こえるよ。」
雷 「なるほど、疲れてる人にはああやって介抱してあげればいいのね!今度、元帥にもしてあげなくっちゃ。」
電 「はわわ……提督さんと那智さん、楽しそうなのです。」
暁 「これは妙高さんや足柄さん、羽黒さんにも教えてあげなきゃ!」
響 「えっ!?姉さん……それはやめておいたほうが……特に足柄さんの耳に入れるのはマズい……」
電 「足柄さんが泣いちゃう光景が目に浮かぶのです。」
雷 「(那智さんの提督さんをみるあの優しい眼差し……あれが母性!)」キラキラッ!
◇◇◇
海軍本部 ・ 元帥の部屋
元帥 「おぉ!どうじゃ?ちゃんと休めたか?」
提督 「おかげさまで。今回は随分世話になったな、改めて礼を言わせてくれ。ウチの娘達に力を貸してやってくれてありがとう。」
元帥 「何、こちらこそ普段から力になってもらっておるからのう。現に今も、君に頼みたいことがあるのじゃよ。」
提督 「肉体労働は勘弁してください。正直な話、まだ少しだけ体が軋むんだよ……」
元帥 「いや、そういうお願いじゃないんだ……」
「失礼します。」
俺の後方にあった扉が開き、見覚えのある艦娘が入って来た。
提督 「おう、お前はもう大丈夫なのか?大和。」
大和 「はい。あの……昨日は本当に申し訳ありませんでした。」
提督 「はて……?何か大和が謝ることなんかあったかねぇ……クソ野郎の命令にでも忠実に遂行しようとしていた姿しか見てねぇからなぁ……あんたの忠誠心の高さには感心したよ。」
大和 「提督……」/////
提督 「それで?大和をあんたの指揮下に加えるのかい?うん、良いんじゃないか。戦力がより強固なもんになれば———……」
元帥 「おいおい……早とちりするんじゃない。大和は君の艦隊に加わりたいと言って来てのぅ。儂も昨日のうちに快く承諾したんじゃよ。」
提督 「…………はい?悪い、俺の耳に垢が溜まってたみたいでよく聞こえなかった。もう1回確認するけど……大和が……元帥んトコじゃなくて……ウチに?」
元帥 「うむ。」
大和 「はい。」ニコッ
提督 「いやいやいやいや!ちょっ……待ってくれ!そんな、俺の艦隊に大和なんて恐れ多い!いや、来てくれるって言うんならそりゃ嬉しいけどさ、ウチなんかよりももっと大和が活躍できる環境が……」
大和 「確かに私を必要としてくださる環境は多いかもしれません。ですが、私は私の意思で貴方に……貴方と那智さん達、皆さんのためにこの武を尽くして貢献したいと思ったんです。」
提督 「一応敵対していて、大和に気に入られるようなことをした覚えはないんだけど……大和の気持ちや意思は尊重してやりたい。他の鎮守府でなく、ウチに来てくれるっていうんなら心から歓迎するよ!これからよろしくな、大和。」
大和 「はい!こちらこそ、宜しくお願いしますね。提督 ♡ 」/////
◇◇◇
提督 「————……というわけで、今日から俺達と一緒に戦ってくれることになりました、大和さんです。」
大和 「大和です。先日は命令とはいえ、皆様を攻撃して申し訳ありませんでした。これからは提督さんの指揮下に加わり、皆さんと共に戦わせていただきます!よろしくお願いしますね。」
那智 「まさか大和が私達の仲間になってくれるとは……いや、素直に驚いた。こちらこそ、宜しく頼むぞ、大和。」
磯風 「心強い仲間が来てくれたこと、心より嬉しく思う。これからよろしく、大和さん。」
蒼龍 「うんうん♪ やっぱり仲間が増えると嬉しいね!提督の下で一緒に楽しく頑張ろうね、大和さん。」
大和 「はい……!皆さん、ありがとうございます!」
提督 「…………」
那智 「どうした?司令官。」
提督 「いや……棚から牡丹餅的な流れで大和を仲間にしてしまって、他の提督さんに申し訳ねぇっていうか……何というか……」
那智 「ふむ……だが、ウチに来たいと言ったのは大和の意思で、司令官と元帥殿がそれを尊重したのだろう?……あれだ、他の酷い提督の鎮守府に大和が行くのを防げたと思えばいいさ。」
提督 「なるほど。そういう考え方もできるか……」
那智 「まぁ、司令官には余計なお世話かもしれんが……司令官は 『 あちら側 』 には行かないでくれよ。私には……私達には司令官が必要なんだからな。」
提督 「………あぁ。精進するよ。俺もまだまだお前達と一緒に居たいからな。」
那智 「ふふっ……今の言葉、しっかり聞いたからな。」
少し前方で3人が俺達を呼んでいる。
今回の事といい、先の事といい……彼女達に心配をかけるような真似だけは絶対にしないでおこう
そんなことを、いつの間にか腕を組んでいた那智に視線を落とし、硬く決心をしながら自分達の鎮守府への帰路についた。
此処に作品を投稿させていただいた後、『全てのサイト・メディアに「転載・引用」を許可する。 』を自分の意思で選択した結果
某動画投稿サイトで自分の作品を見つけました!
やったぁぁぁ!フゥー!゜*。(*´Д`)。*°
凄く嬉しいのですが、同時に こちらのサイトさんより動画投稿サイトさんの方が閲覧数が多いということに……
『まっ、まぁ!それだけ大勢の人に見てもらえていると思えば! 』……と思って、感謝しております。動画の方に送られたコメントも見て楽しませていただいております。
さて……前書きで投稿しましたが、無事に9話を投稿させていただくことができました!
勧善懲悪の物語が好きで、悪は滅び、正義は絶対に勝つご都合主義な展開が自分の綴る作品の根幹になっているのですが
……果たして、今回書いた相手役の提督は『 悪役 』なのか?何かインパクトが弱いような気が……と思ったのですが、まぁ、物語の流れで悪役になってもらいたいと思います。
さて……あまり長くなってしまうのもアレですし、ここまでにしておきましょう。
ではでは!何とか10話でまた御会いできるよう、提督達の物語をマイペースで綴らせていただきます。
縁がありましたら、またそちらでお会いしましょう!では、失礼します。
どうもです。
祥鳳や長門をはじめとする提督の艦娘達
の記憶が残るように、提督の意思を無視して医療班へ手配した元帥...イケ爺(?)です。
大和を貶めるなんて....駆けつけたのが
祥鳳と長門だったから良かったものの、
彼女と親しいあの方(ご察しください)だったら....おぉ寒気がしますね(ドM全開)。
浮気するわけではありませんが、
やっぱり那智は武人気質かつ気立てのいい
素晴らしい女性ですね。
(浮気なんて恐ろしくてできない。)
感想ありがとうございます!
前回の被害者である艦娘達は、最初からこの形で救済するつもりでいました。
本当に救済になったのかは別として……
大和を拉致監禁鎮守府側で出した時
「(那智達の到着までの間、時間稼ぎのために戦艦と戦艦をバトルさせてみようかな)」
と思い、提督が所有していた長門、扶桑、山城の3人のうち、扶桑と山城が設定で舞鶴に行っているので
消去法という形で長門になった時
「(あっ、この機に前回の記憶云々を無かったことにしてやれ!)」
みたいな感じで、こんな形になりました。
この作品でも、実際のゲームでも「那智さえ居れば大丈夫!」という信頼感を置いて接させてもらっています。
やっぱり、初めての建造で来てくれた重巡ですからね。
最近、重巡の運用性が見直されたとか何とかで、最初から那智と頑張っている身としては嬉しい限りです。
やはり、作者様の那智のように、皆さんも思い入れのある艦娘というのが必ずいらっしゃるのだと改めて分かりました。
いろんなこと(人でも艦娘でも他のものでも)の良さってのは長く接さないと十分に理解できないものですね。
と、痛感しました。
話は変わりますが、自分の書いた作品、
花言葉ばっかり意識させ過ぎてしまって、
かなり練った隠し要素に気づいてもらえないと言う悲しみに浸っております。(策士策に溺れるとはよく言ったものです。)
無礼は承知ですが、
こんなところで愚痴ってしまいすいません。(かなり前ですが、作者様が第一で唯一のコメントですので嬉しくてつい...)
いえいえ~
俺は馬鹿で花言葉や枕詞のような綺麗な言い回しはできないので……
ネタバレ、小話なんかはあとがきや、こういうコメント返しの部分でやっちゃえばいいんですよ。
そこを呼んだ人だけが真相にたどり着く……言いたいことは5000……50000?文字で語るように俺はしてますよ。
そんな...、滅相もございません。
自分も初投稿の未熟者なのに、花言葉なんて使っていいのだろうか?と思いつつ、
生兵法は何とやらにならないように、花言葉と、矢矧に関する資料を漁ってなんとか関連づけるようにしただけなんで、ほとんど矢矧様様です。
なるほど、ルールが破るためにあるのなら、ネタはバラすためにあると言うことですね(何言ってんだろ、自分...)
約一週間ぐらいだったんで、自分も作者様のようにネタバレしちゃいたいと思います。アドバイス有難うございます。
今回のコメント、内容と一切関係なくなってしまい、誠に申し訳ございません...。