2018-12-04 23:01:21 更新

概要

『陸軍司令、マグマ軍率いて提督になる』の同一世界観の番外編です。
その為一部りくじ用語が出ます。また、キャラ崩壊前提の為、苦手な人はまあドンマイ←
今まで以上にノリと勢いで書いてます


やあ皆!ボクはT督、とある鎮守府に配属されたばかりの新米だ!

突然だが皆は、貰った物や出会った人物に対して何か違うと思った事はないかい?

親が買ってきたオモチャ、本。ネットで知り合ってその後リアルで会った人物…とかね。

今ボクはまさにそんな状況なんだ…。


鎮守府、執務室


ボクの目の前にこの鎮守府に配属された艦娘がいる。

浦風と朝潮。

予めどんな娘か聞いていたボクは喜んだ。

けど、それはすぐに消え去った。


浦風「わ、浦風だじゃ。よろしぐのぉ」

朝潮「朝潮型一番艦、朝潮でち!」


…あれれれれれれぇ?あれ、あれぇ!?

なんか口調聞いてたのと違うんですけお!?


まず浦風さん?君広島弁キャラだった筈だよねぇ!?なんで津軽弁!?訳付けなきゃ大抵の人わっかんねえじゃん!

あと朝潮さん!それ違う娘の語尾よぉ!?それ使っちゃダメでしょぉ!?


浦風「T督さん?どうしたんだっきゃ?」

朝潮「朝潮に何か至らない点があったんでち?」


T督「いや、その…」

2人「?」


首を傾げんなよ可愛いなぁ…

それにしても…うーん…自覚無いのかぁ…

というかなんでこんな事に?


明石「あの、T督…ちょっと」


扉の隙間から明石が手招きしてる…ヤツの仕業か!?


T督「2人共ちょっと待ってて!」スタコラ


廊下


T督「明石なんだ2人の口調は!?」

明石「私のせいじゃ無いです!大本営のテキトーな仕事のせいです!」

T督「はぁ?」

明石「去年までの戦争の時、ここマグマ軍の拠点だったらしいんです」


マグマ軍って…あのギュイギュイいう虫みたいなやつか


T督「…ほんで?」

明石「この鎮守府を建設する際、一部マグマ素材が使われたらしくて…それがよりによって建造機に」


…マジかよ……大本営杜撰過ぎない?


T督「だからあの口調に?てか大丈夫なのか?」

明石「今の所口調以外に変化はみられないですねぇ…。経過を見るしかないかと」

T督「ハァ…浦風の広島弁で癒されたかった…」

明石「T督、キモいです」

T督「うっせ」


こうして、なんか違う浦風と朝潮との鎮守府運営がスタートしたんだ。


演習場にて


朝潮「必殺必中!肉薄するでち!」

浦風「ラッセェラァァァァ!!」


うん、口調に関してはもう良いや。

それ以上の違和感あったわ。


朝潮→35.6㎝連装砲装備

浦風→三式弾&20.3㎝連装砲装備


君達駆逐艦だよねぇ!?

なんで装備してんのなんで装備出来んの!?

なんでよ明石!?


明石「…さぁ?」


食堂にて


朝潮「栄養補給は大事でち!」

浦風「動いだ後の飯、なんぼうめっきゃな~!(なんて美味しいんだろう)」

T督「…ハァ…」


美味しそうにご飯食べる2人を見て思わず溜め息ついちゃったよ…。

口調もそうだし、駆逐艦が戦艦級の砲を積めたのもマグマ素材のせいとなると…戦艦や空母が建造されたらどうなるんだろう…駆逐艦の装備しか使えないのかなぁ…?


T督「というわけで建造するよ」


資材を多めに入れて高速建造材使って…来た。

那珂と赤城か。

那珂はアイドルみたいにキャピッとした娘で……赤城は大人な女性だけど喰う量半端無いんだっけ


T督「はじめまして、ボクがここの提督、T督だよ」


まずは挨拶だ…さて、どう出るかな?


那珂「アタイ那珂っていうで夜露死苦ゥ!」


オゥ…アイドルっつーかロックな感じになってるよ…フフ、怖い


赤城「正規空母、赤城です。よろしくお願いしますね」


…あれ、普通…?見た目も口調も情報通りだ…マグマ素材の影響がない…?


T督「…よろしく、2人共。早速だけど演習で力を見せてくれないかな?」


那珂はともかく、赤城がマグマ素材の影響を受けていないならラッキーだ…!


演習場にて


赤城「一航戦、赤城行きます!」


凛とした佇まい…カッコいいなぁ。

…あれ、よく見たら弓持ってない。


T督「赤城さん?弓は」

赤城「ッセエェェェェヤッ!!!」


ありのまま見た事を話すぜ…矢を持ったと思ったら野球選手もビックリな投球フォームで矢を投げ飛ばしたぜ……しかもちゃんと艦載機になってる……。


赤城「ふぅ……どうでしたT督?」

T督「うん、すげー。すげーよ赤城さん」


いろんな意味で


さて、次は那珂だ。

装備は魚雷…だけ?


那珂「いええええぇぇぇぇぇぇえええええ!!!!」

T督「…」

那珂「ッシャオラッ!」


……ありのまま見たry

的目掛けて突撃したと思ったら魚雷で的をフルスイングしてました………



那珂「DEATH!DEATH!DEATH!」


更に魚雷を叩き付けて追い討ち……艦娘のやることじゃねえ……。


朝潮「カッコいいでち!憧れるでち!」

浦風「うんろぉ~!なんぼかっこいんだっきゃ!(わぁ、なんてカッコいいんだろう)」


そこ2人、憧れないで。


那珂「Rock youuuuuuuuuuuu!!!!!!」

2人「ろっきゅー!(でち!)」


…手遅れかぁ~。


その日の夜、食堂


那珂「この旨さ!ロックンロールだぜぇイエァ!!」

朝潮「ろっくんろーるでち!」

浦風「んめの~!(美味しいね~)」


あーあ、すっかり意気投合しちゃってる…。

仲が良いのは良いことなんだけど…複雑だなぁ。

赤城さんは…あ、やっぱり大盛なんだ。


赤城「…」


あれ、箸で何か摘まんでは寄せてる。


赤城「……」


…まさか


T督「赤城さん。赤城さんって苦手な食べ物あったりする?」

赤城「お恥ずかしながら、魚介類全般・キノコ類・海藻・オクラ・乳製品が嫌いで……」


赤城さん……めっちゃ偏食家だ!!

そうか、口調の代わりに食が……。


赤城「…これで良し!あ、T督。よろしければこれ、差し上げます♪」


赤城さんが嫌いなモノだけが入った皿寄越してきた……。

……このメンバーで今後もやっていくのか

…………不安だなぁ。


T督「ハァ…」

明石「…」


次の日。

四人が出撃している間に、また建造することにした。

今後も建造する度になんか違う艦娘が出るのかと思うと…ちょっと気が重い。

でも、最低でも1艦隊分は揃えないと。


また2人分資材を投入、待ち時間も長い為高速建造材も入れた。

出てきたのは妙高と霧島か、普通だったら嬉いんだけどこの娘達もどっかしら違うんだよなー…。


まず妙高。

もう、オーラが暗い!負のオーラ見えちゃってるもん!!


妙高「あ~…死にたい…」フコォォォォ


開口一番これかよ!目も死んでやがるし妙高型長女がそれで良いのかよ!!


ハァ……次、霧島は何?バカキャラか?それとも金剛みたいに似非外国人?


霧島「……」


…何も喋らないな…俯いて、モジモジしてる。


T督「えーっと…たしか霧島で合ってるよね?どうしたの?」


潤んだ目でこっち見た。

お、こっちに向かって来たぞ?


霧島「…パパー…」ギュッ














へ?



霧島「パパぁ////」ギュー


待ってください!?待ってくださぁい!?

え!?甘えん坊!?いや、パパって言ってるから幼女!!??その見た目で!!!???


霧島「どうしたの?パパ?」

T督「……」ボーゼン


やべぇ……予想つかなかったのもあってギャップがやべえ!!(ポギャ貧)

ってかこれ戦力としてカウントしても良いのか!?


T督「えーっと…これからよろしくね…。取り敢えず案内も兼ねて演習に行こっか?」

霧島「うん!パパ」

妙高「えー…」フコォォォォ


幼女みたいに純粋な笑顔を見せる霧島と負のオーラを纏いながらあからさまに嫌がってる妙高……情報量が多くて見てると目眩がしてくるよ…。

立ち眩みする前に移動しよ。


霧島「あ、待って」

T督「ん?」


ボクの袖を掴んでまたモジモジし始めた…なんだろ?


霧島「…抱っこ///」


…うっそぉ…………


妙高「目の前でイチャつかれてる……あぁ~…死にたい…」フコォォォォ


明石「…流石にまずいかなぁ?」


演習場


T督「じゃあまず、妙高からお願い」

妙高「ハァ…」


溜め息つきながら開始位置に着いたな。

出来れば溜め息つかないで欲しいけど。


妙高「ハァ……殺してくれないかしらぁ…」フコォォォォ


物騒な事言ってるような気もするけどスルーしよう、うん。

装備は重巡の基本的な装備か、良かった。

なんだかんだ言ってるけど、的から発射された弾も最小限の動きで避けてるし命中率も悪くない。


T督「…戦力としては充分期待できるな」

妙高「疲れた…死にたい……」フコォォォォ


……死にたがりさえなければなぁ…


T督「次、霧島」

霧島「パパー!見ててねー!!」


こっち向いて元気に手を振ってる。

駆逐艦みたいな女の子がやるとホッコリするんだろうけど、霧島がやると…うん、違和感半端ねえ~。


霧島「しゅほー、構え!」


砲はちゃんと戦艦が装備するやつだな。これも安心。

でも何処かへっぴり腰に見えるなぁ


霧島「てぇー!っいた」ゴツン


主砲撃った反動で後ろに転んじゃった……。


霧島「…う……ひぐっ…」


あ、待って。この表情は…


霧島「うわあああん!痛かったよぉ!!」


やっぱ泣き出したか~…。

あーあ…へたりこんで大泣きだ。取り敢えず慰めないと。


T督「よしよし!痛かったなぁ?痛いの痛いの飛んでけ~!」ナデナデ

霧島「パパぁ!」ギュー


…あとで主砲撃つ時の構えを教えなきゃな……。

誰にしよう?


妙高「…」フコォォォォ


ありゃダメだ。

あとは…浦風?

ダメだ。訛りがキツい。

だとすると朝潮、うん彼女ならイケる筈だ!

艦隊が帰還したら、頼んでみよう。






それから一ヶ月が過ぎた。

なんだかんだでボクは彼女達のキャラに慣れてしまい、鎮守府の運営になんの支障もなくなっていた。


T督「じゃあ今日は、ここをお願い」

浦風「任せろじゃ!」

T督「おう、けっぱれよ!(頑張れよ)」

朝潮「行ってきますでち!」

T督「無茶はしないでくれよ?」


浦風と朝潮は口調にさえ慣れてしまえば後は簡単だった


赤城「T督、あの…」

T督「わかってる。間宮さんに言っておくから」


赤城は食事の際、彼女だけ嫌いなモノが入ってない特別メニューにしてある。


那珂「おうT督さんよぉ~?」

T督「頼んでたギターだろ?任せろ」


那珂はライブをやりたいらしく、ギターをねだって来たので了承っと。

彼女に至っては今じゃ鎮守府1の武闘派になってるから驚きだよ。


妙高「ハァ…死にたい…」フコォォォォ

T督「戦争が終わって平和になったら何時でも死ねるさ」

妙高「ほんとぉ…?それじゃ…やるわ」


妙高はちょっと不謹慎ではあるがちゃんと死ねる事を約束さえすれば、仕事をしてくれる。


霧島「パパぁ~」

T督「帰ってきたらまた一緒に寝ような?」


…変な意味じゃないぞ?

建造されて以降、夜独りじゃ寝られないって言って部屋に突撃して来るんだよ……

断ろうとするとグズりだすから……ねぇ?



T督「それじゃ皆…出撃!」


出撃する皆を見送って、書類仕事に入る。


T督「ん?」


いつもの書類に混ざって別の書類が入ってる……これは、通知書?


T督「なになに…?」


鎮守府最高責任者 T督殿


この度はこちらの不手際により、不良品の艦娘を建造させてしまい申し訳ありませんでした。

つきましては、申告されました建造機と浦風・朝潮・赤城・那珂・妙高・霧島はこちらで回収。

新たな建造機及び同名の艦娘を差し上げます。

この度は大変失礼いたしました。

大本営


T督「…どういうこと?」


申告…?そんなのした覚えがないし……皆を、回収する…?


明石「あ、その書類来たんですね」


通知書に気をとられて気付かなかったのか、いつの間にか明石がいた。

通知書を知ってる…?まさか


明石「申告したの、私です」

T督「なん…で?」


悪びれる様子がなく寧ろ胸を張ってる…


明石「だって皆来てからT督、すごく困ってたじゃ無いですか。大本営のミスだけあったので流石に助けようと思いまして」


…そうか、皆に会ったばかりのときか…それで何とかしようと……


明石「どうやら夕方には来るらしいので、それまで我慢ですね」

T督「え……うん…」


確かに色々違う皆を見て、最初は嫌がった…けど


明石「ようやく広島弁の浦風ちゃんが来ますよ?」

T督「…うん」

明石「それに妙高さんや霧島さんだってしっかり者になってT督をサポートしてくれますよ!」

T督「…うん」


そう言い残して明石は執務室を後にしていった

広島弁の浦風…なんだろ、あの時は凄くワクワクしたのに


T督「……」


夕方、鎮守府の門の前に車が停まった。

ドアから出てきたのは、彼女達と付き添いの役員。


役員「大本営から派遣されました。この度は申し訳ありません」

T督「あ…いえ。どうか顔を上げてください」


役員が深々と頭を下げてきた。

うーん…丁寧なんだけどどうも苦手だ


役員「それでは、彼女達で間違い無いですか?」


そう言って数歩下がって、彼女達を前に出した。


浦風「浦風じゃけぇ。よろしくのぅ」


浦風…広島弁だ


朝潮「朝潮型一番艦、朝潮です!」


朝潮…でちじゃない


那珂「那珂ちゃんだよー!よろしくねっ!」


那珂…ロックじゃない


赤城「一航戦、赤城です」

T督「…嫌いな食べ物って…ある?」

赤城「いえ?」


赤城さん……偏食家じゃない


妙高「妙高です。よろしくお願いいたします」


妙高……負のオーラを纏ってない


霧島「高速戦艦、霧島です」


霧島……キリッとしてて大人な女性だ


本当は彼女達が正しい姿だ。有るべき姿だ……その筈なのに…なんだろう


T督「あれ、なんか違う……」

6人「え?」


気が付くと彼女達に違和感を感じていた。


役員「…何か不満でも?」


役員が少し顔をしかめてる。

けど、そんなもん知ったこっちゃない。


T督「はい。浦風、おめ津軽弁話せるだが?(君は津軽弁話せるかい?)」

浦風「え?え?」

T督「…朝潮、君は自然に語尾にでちって付いちゃうかい?」

朝潮「いいえ?」

T督「那珂…ロック魂を持ってるかい?」

那珂「那珂ちゃんはアイドルだよ?持ってるわけないじゃん」

T督「赤城さんは弓を使わずに艦載機を飛ばせるかい?」

赤城「何を無茶な…!」

T督「妙高、君は死にたいと思った事はあるかい?」

妙高「そんな馬鹿な事、考えるわけ無いじゃないですか!」

T督「霧島、ボクをパパと呼んで甘えてくれるかい?」

霧島「無理です」


T督「これが不満です。うちの浦風は津軽弁で、朝潮は語尾にでちって付いて、那珂はロック魂に溢れてて、赤城さんは矢を素手で投げ飛ばして、妙高は常に死にたがってて、霧島はボクをパパって呼んで父親みたいに慕ってくれてて……それがこの鎮守府の普通なんです…!彼女達は不良品なんかじゃない、ボクにとって大切な艦娘なんです!」


一ヶ月前だったら回収に快諾したかもしれない。

けど、今日まで一緒に生活してて気付いた…前情報や他の鎮守府と比べて彼女達を見ようとしていなかった。他の鎮守府ではとかマグマ素材だとかそんなの関係ない。彼女達は彼女達なんだ。


T督「折角来て頂いたのに申し訳ありません。彼女達も建造機も渡せません」

役員「この先どんな弊害が起こっても関知しませんよ?」

T督「構いません」


役員の問にキッパリと言い切る。


役員「機銃しか積めない大和が出るかも知れませんよ?最悪何も装備出来ない艦娘だって出る可能性も」

T督「運用方法に幅が出来て寧ろ楽しみです」


役員も諦めたのか眉間を抑え黙ってる。


役員「わかりました。皆さん、帰りますよ」


そう言って皆車に戻っていく…。

そして去っていく車を見えなくなるまで見送ったボクは皆が待つ鎮守府の中へ戻った。


浦風「T督さん!おめどごさ行ってらったんだやぁ!?(どこに行ってたの?)」

朝潮「お帰りなさいでち!司令官!」

那珂「おっせーよてめぇぇ!!」

赤城「T督!カップ麺のかやくにワカメがぁ~!」

妙高「T督帰ってきたのね…死にたい…」フコォォォォ

霧島「パパお帰りなさいっ!」


T督「ただいま、皆!」


誰がなんと言おうと関係ない。これがボクの普通の艦娘達なんだ。







後書き

最後まで読んで下さりありがとうございます。
今まで書いたヤツがだいぶシリアスになったので息抜きにコメディちっくなのを書いて見ましたが…いやぁ~難しいw
終わらせ方もだいぶ強引ですが許してクレメンス。


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