2019-03-01 13:11:40 更新

概要

今回戦闘描写は無しの予定。


前書き

元陸軍第3紅蓮部隊司令である提督は交渉の末、深海悽艦である湾岸悽姫・北方悽姫・駆逐悽姫、そしてリ級とネ級を仲間にする事に成功。
そして深海悽艦に関してある程度の情報を大本営に報告した提督は、後日大本営に来るように指示を受ける。


海軍大本営前。

陸軍総本部も兼ね備えている当施設の駐車場に一台の車が止まる。

車の扉が開き、提督と秘書艦として同行した利根が降りる。

そして目の前に広がる巨大な建造物に唖然とする利根。


利根「おぉ~…!これが大本営…!」

提督「大本営として運営されているのはこの半分さ。もう半分は陸軍が総本部として運営しているんだ」


建物の大きさに思わず口を開けて眺めている利根に軽い説明をしながら施設内へ進んでいく。


入口を入ってすぐ正面の所に受付があり、提督はそこにいる受付嬢の元へ向かう。


提督「鎮守府を運営している提督です。階級は少将。先日送った深海悽艦に関する報告書の件で元帥殿との面会を予定しているのですが…」

受付「ただいま確認致します」


手元にある書類を捲っていく受付嬢。

提督は馴れている為落ち着いているが、利根の方は緊張で顔が強張っている。


そして受付嬢は確認出来たのか顔を上げる。



受付「確認致しました。奥のエレベーターで5階、マリーンズロビーにてお待ちください」

提督「どうも」


受付嬢に軽くお礼を言い、エレベーターで5階へ進んでいく。


そして5階に到着し、エレベーターの扉が開く。


利根「…おぉ~…!!」


広いロビーには高級なソファーやテーブル、そして壁際には芸術品が数点展示されており、また奥には陸軍総本部へ続く連絡通路がある。

そしてロビー内には提督達の他にも数名大本営に勤務している従業員や艦娘はもちろん他の鎮守府に勤務しているであろう提督達の姿も見受けられた。


提督「あそこが空いてるな。行こうか」


瞳を輝かせロビー内を見回している利根に声を掛ける。

その声に利根はハッと我に還ると、提督の後についていき共にソファーに腰掛ける。


利根「なんだか凄い所に来てしまった気がするぞ」

提督「あはは…俺も最初に来たときは高級ホテルに着いたのかと思ったよ」

利根「それにしても提督、何故急に秘書艦として吾が輩を同行させたのじゃ?何時もならアルマータの役目じゃろうに」

提督「あぁ…それなんだが」


辺りをチラリと見渡した後、少しだけ声のボリュームを落として説明を始める。


提督「深海悽艦が出現する前はマグマ軍と戦ってたのは知っているな?」

利根「うむ…そうだが。その後和平も結んだのであろう?」


利根も疑問に思いながらも提督同様、小声で応じていく。


提督「だが実際は俺みたいにマグマ軍を受け入れている軍部の人間は極少数なんだ。実際は未だに敵視している人間の方が多い…」

利根「…そうか…!そしてここは陸軍の総本部でもある……おいそれと元マグマ軍であるアルマータを連れて歩くと面倒な事に巻き込まれる可能性がある、ということか」


利根の言葉に頷く提督。

そして利根は改めて周りを見渡し、確かに人間と艦娘しかいない事に気付く。


利根「じゃが、アルマータもそうじゃがカテリーナ殿のように海軍に編成された者も居るのじゃろ?」

提督「あぁ、今から会う元帥が反対派を何とか抑えてだが……実際編成されたのはほんの一握りらしい」

利根「うぅむ……なんとも難しい話じゃ……」

「おや?そこにいるのは陸軍第3紅蓮部隊の司令官じゃないか~」


嫌味が籠った口調で突然声を掛けられる提督。

顔をしかめながら声がした方向を向くと黒と赤の軍服を来た男性と、同じく黒と赤の軍服の纏い頭部に暗視ゴーグルを装着している少女がやって来た。


提督「……なんの用ですかな。陸軍AMTRS部隊司令の大将」


やって来たAMTRS部隊大将を静かに睨みつける提督。

だが大将はそんな提督を嘲笑しながら見下している。


大将改め陸将「いや、陸将だよ。海岸防衛戦で唯一全員帰還を果たした功績を認められてねぇ~。君の部隊は……あぁゴメンゴメン。他の駐屯地と一緒で死者を何人も出してたねぇ~…いや、何匹、かな?」


ニタニタと笑いながらあからさまに提督を挑発してくる陸将。

その態度に利根は立ち上がろうとするが提督に制される。


提督の方を見ると表情こそ変わっていないものの、血管がハッキリと浮き出るほど拳を握り締めているのが見えた。


陸将「あんな虫どもを使ってるからそうなるんだよ~?あぁ、でも良かったねぇ~確か死者の半分以上は虫だったんだろぉ?部隊内の害虫駆除が出来て良かったじゃないか~!」

提督「…言いたい事はそれだけか?その害虫の技術を使ってイキッてる陸将殿?」

陸将「あぁん?」


ニタニタと笑っていた顔が提督の一言で怒りの形相へ変わる。

今度は提督が陸将を嘲笑いながら話を続けていく。


提督「害虫の技術がなきゃ偉い顔出来ないなんて大変ですねぇ~?」

陸将「…てめぇ…!」

「…マスター…」


提督に殴り掛かろうと前に出た陸将を後ろにいた少女が制する。


「マスター…ここで問題を起こしては後々に悪影響が出るかと…。目撃者も多数います」

陸将「…チッ。テメェなんて深海の魚女共に喰われちまえ。行くぞ74式」

74式「はい、マスター」


提督に捨て台詞を吐いた後、総本部の方へ去っていく陸将達。


陸軍総本部、廊下。


陸将「あぁぁクソッ!」


先程の提督とのやり取りを思いだし、むしゃくしゃしながら歩いていく。


74式「あの様な者、放っておけば良いのでは?」

陸将「それじゃこっちの気が治まらねえんだよ!アイツは俺達のアマテラスを否定しやがったんだっ!!最高傑作のお前達をっ!!それどころか汚ねえ虫女共と共存だぁ?ヘドが出るっ!アイツの思考も、やり方も何もかも!!」


髪の毛をかきむしりながら提督に対する怨み言を次々と口にしていく陸将。

その時ふと、74式が立ち止まる。


陸将「どうしたぁ?」

74式「私は…マグマ軍の技術も入っています」

陸将「…だから?」

74式「私とマグマ兵士の違いは何なのですか?」


ゴーグルを上げ、まっすぐな瞳で陸将を見詰める。


陸将「…愚問だぜ。人間と猿の違いを聞いてるようなもんだ」


陸将は軽く溜め息を吐きながら74式の元へ近付いていく。


陸将「お前達は俺と大宮が造り上げた最高の武器娘だ。そこら辺でポコポコ産まれてくる虫共とは違え」

74式「…マスター……」

陸将「おらさっさと行くぞ」


改めて歩き出す陸将。

74式もゴーグルを再び装着し、陸将についていく。


一方提督は陸将が去っていった事を確認し、大きく溜め息を吐いて脱力する。


利根「なんなのじゃあの男は…?それにあやつと一緒におった女性も…何者なのじゃ?」

提督「AMTRS 部隊の司令官、さっき言ったマグマ軍を敵視してる派閥の代表格みたいな奴さ…。そしてあの娘はAMTRS仕様に改造された74式戦車。マグマ軍の技術を使用した武器娘、言わば武器娘とマグマ兵士のハーフ…と言えば言いかな。当の開発者の一人の彼は、それを頑なに認めてないけどね」


その時、ロビーの天井に設置されているスピーカーから提督を呼ぶアナウンスが流れてくる。


提督「ん、よし行こうか」

利根「うむ」


ソファーから立ち上がり再びエレベーターへ向かい今度は7階のボタンを押す。

7階に到着した二人は、先程迄いたロビーとは違い装飾がなく、鎮守府内を思わせるシンプルな廊下を突き進み、奥にある扉の前で立ち止まった。


そして提督はノックを2回すると、扉越しに入るように促される。


提督「失礼します。鎮守府所属提督とその秘書艦利根、入ります」

元帥「うむ、よく来た」


提督は部屋に入り部屋の奥にいる威厳のある初老の男性、元帥に敬礼する。

利根も扉を閉め提督に習い敬礼をした。


元帥「立ち話もなんだ、座りなさい」


元帥は提督達を来賓用のソファーに座るように促す。

二人は失礼しますと声を掛け、ソファーに座り、元帥もよっこいしょと対面に腰掛ける。


元帥「久しいな、元気そうで何よりだ」

提督「元帥殿もお変わりないようで」

元帥「アルマータ君はどうした?まさか離婚でもしたのか?」

提督「あははまさか!彼女には執務の代行をしてもらってます。自分で言うのもなんですが、仲も相変わらずですよ」


元帥の冗談に笑いながら応じていく提督。

まるで帰省した息子とそれを迎える父親のような二人に緊張していた利根も思わず笑みを浮かべる。


元帥「君が秘書艦か。…確か、利根型の一番艦だな?改めて宜しく頼むよ」

利根「利根です。こちらこそ宜しくお願いします」


今までの口調ではなくしっかりとした口調で話す利根に笑顔を見せる元帥。


元帥「さて…」


だがそれも束の間。先程の穏やかな雰囲気が一瞬で消え去る。

元帥の表情が険しいものになり、提督も本題に入る事を悟り表情を引き締める。

利根は一瞬の事で状況が読み込めず唖然としてしまった。


元帥「報告書は読ませてもらったよ。……深海悽艦の生態をよくここまで解明したな」

提督「これは明石やミーシャ、そして仲間になった深海悽艦達から得た情報です。…自分独りではここまで解明することも、ましてや深海悽艦を仲間にすることも出来ませんでした…」

元帥「逆に考えると彼女等をここまでさせた君の手腕でもある。自信を持ちなさい。して…この報告書は他の者には?」

提督「いえ、見せていません。元帥殿の判断を仰ぎたいと思いまして」

元帥「ふむ……」


静かに瞳を閉じ、思考を巡らせる元帥。


元帥「この報告書にあった姫級……彼女等と対話する事が出来れば和平も有り得るのかも知れんが…難しいだろうな。あの時の宣戦布告なく起こった一方的な殺戮…あの出来事が人間との間に深い溝を作ってしまっている……。ただ、それだけじゃない」

提督「マグマ軍…ですね?」


提督の言葉に頷く元帥。

予感が的中してしまった提督は眉をしかめ、思わず目を伏せてしまう。


元帥「あの戦争から1年と数ヵ月…未だに戦時中の傷跡も残っている…様々な場所、そして人々に…」

提督「…」

元帥「我々人間もそうだがマグマ軍の方でも人間と相容れようとせずに各地で暴れている残党が今でもいる…。政府間でも互いの主張が食い違い本格的な共存計画も難航……。そんな中で今度は深海悽艦とも共存しようなどと、非常に言いづらいが絵空事としか言えん…」


提督に厳しい現実を突きつける元帥だが、彼自信もどこか悔しそうに顔をしかめ、俯いている提督を見詰める。


利根「提督…」

元帥「相手の容姿を気にせず、平等に接するお前には辛い現実かもしれん…。だがこれ以上政府は、人々は…この異種との共存という大きな試練に耐えきれんのだ…!」

提督「…絵空事だから……実現させたいんです…」


ポツリと呟きながら顔を上げ、元帥をしっかりと見据える。


提督「絵空事だから…綺麗事だから実現させたいんです…!…だってその方が良いに決まってるじゃ無いですか…!?」


静かに、だがハッキリと思いを伝える提督。

元帥もその言葉に思わず目を見開く。


そして数分間の沈黙が流れ、壁掛け時計の音だけが室内に響いている。


元帥「…厳しい戦いになるぞ…?多くの者を敵に回すことになる……深海悽艦を始め人間が、マグマ軍が、政府が、世論が……君を攻撃する事になるかもしれん」

提督「それ以上の仲間を増やしてみせます。第3紅蓮部隊の皆、鎮守府の皆、湾岸悽姫をはじめとした深海悽艦……そして元帥殿。今だけでもこれだけの仲間がいるんです。やれます…やってみせます…!!」

元帥「ふっ……その覚悟、どれほどのモノか行動で示すんだな」


提督の覚悟に、先程までの険しい表情が消え笑みをこぼす元帥。


元帥「私も影でお前達の援護をさせてもらう。私の権限で出来る範囲でだがな」

提督「ありがとうございます!」


互いに握手を交わす二人。

その時時計の鐘が鳴り、時刻を見ると夕方4時を示していた。


元帥「む、もうこんな時間か。すまない、この後用事があってな。今日は此処までだ」

提督「いえ、此方こそ本日はありがとうございました」

元帥「…頑張れよ」


晴々とした表情で敬礼し、退出した提督と利根を見送りながら優しい表情でそう呟いた。


その後提督達はエレベーターに乗り、1階へ向かっていた。

すると途中の階で止まり、ドアが開く。


利根「おろ、誰も…乗らないのか?」

提督「みたいだな。ボタンを押そう」


誰も乗る様子が無かった為、『閉』ボタンを押そうとする利根。

その時、奥から走ってくる二人組が見えた。


「ま、待って乗る乗るぅ!!」

利根「おおぅっ!?」


走ってくる二人に驚きながらも『開』ボタンを押して二人をエレベーター内へ入れる。

服装から察するに別の鎮守府の提督とその秘書艦と思わしき少女が息を切らせていた。


「ハァー…これでなんとか時間内に間に合うよ…」

「し、司令官はもっと時間に余裕を持った行動をした方が良いでち……」

提督「えっと…大丈夫ですか…?」


ぜぇぜぇと息を切らせている二人の様子に流石の提督も困惑する。


「あ、ありがとうございます…。ボクはここから南西方面の鎮守府を任されているT督と言うものです。彼女は秘書艦の朝潮」

朝潮「宜しくお願いしますでち」


息を整えながら自己紹介するT督と朝潮。


提督「南西…俺の所とは真逆ですね。あぁ、紹介が遅れました。提督です」

利根「秘書艦の利根じゃ」


互いに挨拶を終え、提督はふと朝潮の方を見る。


提督(…ん?)


よく見ると朝潮の顔色がうっすらと蒼白く、瞳も深紅に染まっている。


提督(以前資料で朝潮型を見たが…こんな感じだったか…?)

利根「どうしたのじゃ提督?そんなに彼女の事見詰めおって?」

提督「いや、その…。あぁ…ダメだ、気になる…」


口ごもるが沸き上がる違和感と好奇心に耐えられずT督と名乗った青年に声を掛けた。


提督「えっと…T督さん。彼女の事なんだが…なんか違和感というか…」

T督「あぁ、彼女。他の朝潮とはちょっと違うんですよ」


相手を不快にさせないように言葉を選びながら話していく提督だが、T督は何を聞きたいのか察しケロッとした表情で答える。


T督「いやぁ~何でもボクの所の建造機にマグマ素材が混入してたらしくて、建造した娘が皆変わってるんですよ」


タハハと笑いながら朝潮の頭を撫でるT督。

朝潮も恥ずかしそうにしながらも嬉しそうに顔を赤らめている。


T督「でも、ボクにとってはそんな彼女達が大好きな艦娘なんです!」

提督「そうだったんですか。それにしてもマグマ素材がそんな影響を…確かに戦時中陸軍の建造機に細工された際もマグマ兵士が建造された事例があったが…」


その時、エレベーターが止まりドアが開く。

階数表記を見ると1階を表示していた。


提督「もう着いたのか」

T督「それじゃ、ボクはこれで!あぁそうだ!!那珂からCDの宣伝するようの言われてまして…よかったらこれ、どうぞ!それじゃ、また!」


提督にCDを渡し、朝潮と共に足早に去っていくT督。

受け取ったCDのジャケットを見ると、朝陽が昇る水平線をバックにT督の鎮守府に所属していると思われる6人の艦娘の凛々しい背中が写っている。

そして白い文字で曲名が書かれていた。


提督(『海色』か…)


一方その頃提督不在の鎮守府の食堂では


必要な書類を粗方片付けたアルマータが休憩がてら食堂に足を運んでいた。

食堂に入ると昼前というのもあってか、ハインドや大和、さらに湾岸悽姫等数名が集まっていた。


ハインド「ギギ?ギャウ(あら?お疲れね)」

アルマータ「まぁそうね…はぁ~………」


ハインドの隣に座り、大きな溜め息を吐きながらテーブルに伏せるアルマータ。


アルマータ「あぁ~閣下……今どうしているのかしら……」

大和「言わないでよ…!こっちだって我慢してるんだから」

湾岸「コノ二人ハ何ヲソンナニ心配シテイルノダ?」

ハインド「ギャギャギウ。ギギィ(ちょっとした禁断症状よ。気にしないで)」


大本営に向かった提督が心配でいてもたってもいられないアルマータと大和。

そんな二人をまたかと言わんばかりに呆れ顔で宥めるハインド。


そしてその場所から少し離れたテーブルではリ級とネ級、そして飯塚が少し早い昼食をとっていた。


リ級「オォ…コレモウメーナ…!」

飯塚「ははっ!だろぉ?あたいのお気に入りのメニューなんだよ」


美味しそうに間宮の作った昼食を食べるリ級と飯塚。

一方ネ級は目の前にある昼食に手を付けず、飯塚に疑問の眼差しを送っている。


飯塚「ん?どうした?食わないのか?」

ネ級「何故……ソンナニ平然ト私達ノ側二イラレルノ…?他ノ艦娘達ハ未ダニ私達トノ接触ヲ避ケテイルノ二、貴女ヤ他ノマグマ兵士達ハスグニ受ケ入レタ……何故?」


ネ級の質問に一瞬キョトンとし、その後箸を止めどう答えるか少しだけ口ごもる飯塚。


飯塚「あぁ…その……馴れ?」

ネ級「エ?」

飯塚「あたい達はマグマ軍の受け入れで馴れちまってるからな。それに、あんたらから敵意も感じねーし。今更深海悽艦がここにいてもどうってことねーよ」

リ級「ハッ!随分デケー器ジャネーカ!」

飯塚「今だからこうだけど昔はそれで提督と揉めてたんだよ」

ネ級「……」

飯塚「確かに殺りあってる連中ってのもあってお互い壁作っちまうのもわかる。でもま、お互いに少しずつ理解していけば良いんじゃねーの?一緒に過ごして話して、たまにタイマン張ってよ?」

ネ級「ソウ、ネ……」


飯塚の言葉にまだ納得出来ていないのか、歯切れの悪い返事を返すネ級。

飯塚もネ級の複雑そうな表情を変えるべく目の前に置かれている昼食を食べ始める。


飯塚「とりあえず飯食いな。せっかくの飯が冷めちまうし、ボーっとしてるとリ級が食っちまうぞ?」

リ級「ナ…!?アタシハソンナ食イ意地ハッテネーヨッ!!」

飯塚「話してる間に定食2杯目に手を付けてんじゃねーか」

リ級「グヌヌ…!」

ネ級(リ級…アンナニ楽シソウニ……。アンナリ級、初メテ見タ…)


昼食を食べながら他愛の無い言い争いをする飯塚とリ級。

ネ級はその様子を羨ましそうに眺めていた。


その時食堂のドアが開き、訓練を終えたのか額に汗を流した天龍・春雨・暁・響・北方悽姫が入ってきた。


天龍「さぁーてメシだぁ!!」

春雨「お姉ちゃんはしゃぎすぎだよぉ~」

暁「れでぃはご飯なんかじゃはしゃがないわっ!」

響「そうか、今日は間宮さん特製カレーの日なんだがな」

暁「!?」

北方「ポッ!カレーッ!?ウマイヤツ!!」

天龍「間宮さーん!特製カレー5人分~!!」

間宮「はぁい!少しだけ待っててくださいね~?」


厨房の奥から間宮の返事が聞こえてくる。

天龍達は近くの椅子に座り、カレーが出来るまで談笑していた。

そして話題は先程まで行っていた訓練の内容へ変わっていく。


天龍「さっきの皆の動き、凄く良かったぜ!ここまで連携がとれるなら何が相手でも怖くねえな!!」


満面の笑みで親指を立てて春雨や暁達を褒める天龍。

褒められた一行も満更でもないような表情を浮かべている。

そして間宮のカレーが出来上がり、一行はカレーを食べながら話を続ける。


暁「最初は不安だったけどね。まさか途中からほっぽちゃんまで参加するんだもん」

北方「楽シソウダッタ!」

春雨「あはは…」


無邪気な笑みを見せる北方悽姫に苦笑いを浮かべながら頭を撫でる春雨。


天龍「オレも最初はどうしたもんかと思ったが、二人共なんだかんだ打ち解けあってたな」

暁「まーねっ!なんたって暁はれでぃなんだから!!」

響「まだ分かってない事が多いとは言え、未知の相手じゃないのが大きいかな。ヒリュウさんとの出会いが無ければ、また違ったのかもしれない」


後書き

りっくじあーす三周年ですねぇ~

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朝潮がでちでち言う理由は番外編に記載?されてますので是非そちらもどぞ


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