提督代行(元寺男)「退役の修羅場」後編
お待たせしました!
今回は数回に分けて書きますので、よろしければ、お付き合い願います。
この作品は続きものの為、前・中編をご覧になってからご覧下さい。
---2ヶ月後
カリカリカリカリ…
ダンダン!ポン!
ジリリリリリン!
ガチャ!
提督代行「はい、提督代行です。はい、はい、その件については…」
提督代行「大淀、前回提出分の書類のデータを再確認して下さい、未記入の分があるそうです」
大淀「畏まりました」
ガチャ!
長門「失礼する、代行殿、先日の演習について…」
提督代行「この書類が終わったら聞きますから、ちょっと休んで待ってて下さい」
長門「了解した」
大淀(あれから提督代行はいつも通りに仕事に励んでいます)
大淀(しかし…)
長門「な、なあ、代行殿…」
提督代行<○><○>「ん?何ですか?」
長門「な、何か手伝うことはないか?」
提督代行<○><○>「大丈夫ですよ、貴女は少し働きすぎなんですから、ここでくらいはゆっくりして下さい」
長門「わ、わかった。ではお言葉に甘えるとしよう」
長門(私が働きすぎって…貴方はそれに輪をかけて忙しく働いてるだろうに…)
大淀(飲む量が増えた栄養ドリンクのせいなのか、テンションが高めで、眼がギラギラしていて、皆が心配しています)
提督代行「お待たせしました、では…」
----夜、執務室
大淀「お疲れ様でした、提督代行…」
提督代行「お疲れ様です、大淀。明日も早いですからキチンと休んで下さいね。私はまだやらねばならない書類があるので先に休んで下さい」
大淀「で、でしたら私も…」
提督代行「なあに、ちょっとやる位ですからすぐに終わらせて寝ますよ」
大淀「でも…」
提督代行「大丈夫ですから…」
大淀「わ、解りました。ですが、なるべく早くお休みください?」
提督代行「解りました。おやすみなさい、大淀」
大淀「おやすみなさい、提督代行…」
ガチャ!バタン
提督代行「ふう…さてと」
ガサゴソ
提督代行「ドーピングタイムといきますか」
パキパキカキ!チャリン
ゴク、ゴク、ゴク、ゴク…
チクッ!
提督代行「ンッ!」
提督代行「ゲホッ!ゴホッ!グホッ!ハア…ハア…」
提督代行「腹に差し込むような痛み…どうやらかなり胃がやられてきてますね」
提督代行(休めば楽になるんでしょうけど…眠れない)
提督代行(寝転んでも何をしても眠れず、結局仕事を明け方までやって、やっと少し眠れる程度で…)
提督代行「もうそろそろ…限界ですかね…」
提督代行「最近お見舞いに行った娘の話ではそろそろ帰ってこれそうだということでしたから、今しばらくの辛抱ですね」
提督代行「代行の任務が終わったら…終わったら…」
提督代行<;><;>「私は…私は…どうすればよいのですか?住職様…」
---翌日
カリカリ……ペラッ、ペラッ
提督代行「…やはり報告書と実際の資材の量が合ってない時期がある」
提督代行「誤差の範囲を明らかに越えている。燃料だけならまだしも…」
コンコン
提督代行「どうぞ」
ガチャ!
青葉「ども!失礼します!」
提督代行「失礼だから帰りなさい」
青葉「ハイ!それでは失礼しま…っていきなり帰りなさいってひどいじゃないですか!?」
提督代行「今までの貴女の行いを省みて同じ台詞が吐けるとでも?」
青葉「あ、アハハハ…」
提督代行「全く…で、何の用ですか?」
青葉「提督代行の本命を是非とも教えて…」
提督代行「明日の中山競馬場の最終レースならミナサンホワイトですかね?」
青葉「じゃあ青葉の本命はホッカイテイオーで…って競馬じゃなくて!任務を終えてここを去るときに連れてく娘ですよ!」
提督代行「え?誰も連れていきませんよ?」
青葉「何故ですか!?皆さん、あんなに代行を慕っているのに!」
提督代行「………その思いが『カリモノ』だからですよ」
青葉「カリモノ?」
提督代行「ええ。以前大本営での会議で出た報告に、最近の研究で、艦娘は例えどんなに言葉遣いが悪くても最低限、提督を嫌わないように『好感度』が設定されていて、心底嫌うことが無いようにされて産まれるそうです。それに付き合いを重ねていく内に好感度もまた通常の人間よりはかなり上昇しやすくなっていますが、解体・退役をすると、それらの好感度の大半がリセットされる形になるそうです」
青葉「ええ!?」
提督代行「解体されて退役した元艦娘達の提督への思いを尋ねたら、例え練度が99でラブラブだった者でも、現役中ほど好きでも嫌いでもなくなっている事が判明しました。中にはリアル結婚と離婚をしたカップルもあるそうです」
青葉「そ、そんな………」
提督代行「しかし」
提督代行「ケッコンカッコカリをして、解体・退役をした元艦娘は現役中と変わらない位に提督を愛しているという結果が出て、大本営は一つの結論に達したのです」
提督代行「『ケッコンカッコカリは好感度を最大限にしたまま固定する力を持っている』と」
青葉「じゃ、じゃあ!ケッコンカッコカリをしてない娘達は退役したら現提督の事が好きじゃなくなるんですか!?」
提督代行「あくまで好感度の大半がリセットされてニュートラルになるだけで、そこから先は人間の恋愛と同じように日々変わっていくだけです」
提督代行「言い方としては悪いですが、貴女達は提督という『存在』を好きになっているのであって、中身に関してはあまり気にしていない、いや、できないというのが正確なところです」
青葉「げ、原因は…わかっているんですか?」
提督代行「『艦船の御霊を宿しているため、人、特に提督に対しての好意が最初からあるのでは?』ということでした」
提督代行「解ったでしょう?私は、人の…女の子の大事な想いを固定してしまうようなものはしたくないんです」
青葉「……この事は記事にしても良いんですか?」
提督代行「青葉にしては殊勝ですね。いつもなら私にも聞かずに記事にするのに」
提督代行「ですが、駄目です、これは私についてきたいと願っている娘だけに言うつもりです。それ以外の娘には申し訳ありませんが、現提督次第になります。勝手に記事にしたり、それを連想させる記事で問題が起きた場合、貴女は1も2もなく軍事裁判にかけられますからね」
青葉「な、何故そんな事を青葉に?」
提督代行「『地雷』ですよ」
青葉「じ、地雷、ですか?」
提督代行「私や、他の娘等の並大抵の情報では貴女は懲りないと思いましてね、『世の中には出して良い情報とそうでない情報とがある』という事を身をもって体験していただきましょう」
青葉「ち、ちなみに…軍事裁判にかけられた場合は…」
提督代行「良くて記憶消去で懲役、悪い場合は…出した被害の程度によっては考えないでおいた方が良いでしょう」
青葉(メチャクチャ気になる!!)
---青葉退室後
カリカリカリカリ……
提督代行「フゥ、一息つきますか」
コンコン!「どうぞ」ガチャ!
霧島「失礼します。物資の収支の件ですが、報告書が纏まりましたので、ご確認をお願いします」
提督代行「ありがとうございます。すみませんね、忙しいのに手を煩わせて」
霧島「いえ、この霧島は提督代行に忠誠を誓った身です。お気になさらず存分にお使い下さいませ」
霧島(そうすれば、提督代行は私を頼りにしてくださる!お姉様には悪いですが、一歩リードです!)
ペラッ、ペラッ
提督代行「ふむ…やはり私が来る前に用途不明の物資がかなりありますね。霧島、何か心あたりはありますか?」
霧島「申し訳ありません、私は艦隊訓練を担当していてそちらにはタッチしていなかったので…」
提督代行「そうですか…解りました。下がって良いですよ」
霧島「はい、では失礼します…」
ガチャ、バタン
提督代行(私が来てからは落ち着いていて、まだ誰も退役していないことを考えれば、現在服役中の彼女達が関わっている可能性が高いでしょう。しかし…)
提督代行「あの内の誰が…いや、若しくは全員で?何の為に?」
提督代行「一番可能性が高いとしたら…」
ガチャ
大淀「提督代行、只今戻りました」
提督代行「ご苦労様です」
大淀「大本営からお手紙が来ていました」
提督代行「ありがとう。どれどれ…」
『命令書
昨今の平和的状況を鑑み、戸利合鎮守府を解散とする為、閉鎖の為の準備委員会を設置する事』
提督代行「……………嘘でしょ…」
大淀「提督代行?」
提督代行「ハア……いつかはとは覚悟してましたが…まさか現提督が戻らない内とは…」
提督代行「………仕方ない、大淀、長門と各艦種代表を集めて下さい」
----
提督代行「という訳で、これから準備委員会を開設するにあたり…」
バァン!
武蔵「……ふざけるな!!」
青葉(報道担当)「ヒイッ!」
提督代行「武蔵、落ち着い…」
武蔵(戦艦代表)「これが落ち着いていられるか!何故私達の鎮守府なんだ!?」
鈴谷(重巡代表)「そうだよ!マジで納得いかないし!!」
球磨(軽巡代表)「説明を要求するクマー!」
提督代行「この鎮守府は比較的初期に作られた割には深海の攻勢が無く、更に付近に幾つも鎮守府が乱立してしまった為、元々平和になったら真っ先に解散させられる地域の候補だったんです。古いよりは後に作られた施設を残す方が有用ですからね。古いわ、敵が来ないから戦果があまり無いわで悪い条件が揃っていたんですよ」
武蔵「だからといって納得できるか!まだ現提督も帰ってきてないんだぞ!」
提督代行「そこを盾に次の会議で何とか回避できないか進言はしてみますが…」
長門(全艦種統括)「望みは薄い、か…」
提督代行「平和になれば鎮守府はほとんどが要らなくなりますからね。ウチを開始点として大規模なリストラに会うのは必定でしょう。それを考えれば、速めに行動できるここはまだ良い方だと…」
ガタッ!スタスタ
球磨「『まだ良い方』?ふざけるなクマ!!球磨達がどんな想いで戦ってきたか解ってて言ってんのかクマ!?」
長門「おい!球磨!何をする気だ!」
提督代行「長門、止めなくて良いですよ」
長門「しかし…」
提督代行「いいから…」
ガシッ!
球磨「アンタは帰る場所があるだろうけど、球磨達にはここが帰るべき家なんだ!ふるさとなんだ!それを…よくもヌケヌケとほざけたもんだ!」
提督代行「球磨、苦しいので胸ぐらから手を離して下さい」
球磨「うるさい!アンタが代行なんかやってるからウチが真っ先に対象になったんじゃないか!?」
武蔵「そうだな、現提督が居ればこのような事態にはならなかった可能性だってある!」
大淀「ちょっと、皆さん!落ち着いて!」
鈴谷「代行の腰巾着メガネは黙ってなよ!」
大淀「き、巾着!?」
球磨「アンタのせいだ!アンタのせいで…」
提督代行<○><○>『おい、胸ぐらから手を離せと言ったのが聞こえなかったか?』
---ゾクッ!
球磨「く、クマッ!(な、なんだクマ?このプレッシャー!深海の奴らと戦ってる時とは別の威圧感が!)」
ガシッ!ギリギリギリ……
球磨「ちょ!何勝手に手を掴んで…離せ!はな…せぃ痛駄々だ堕だ多駄々だ駄々だだ駄々だ!辞め!はな!離せクマ!」
武蔵(な、何だと!?)
長門(人間よりは強いはずの艦娘の手を無理やりはがしただけでなく、抑えているだと!?馬鹿な!?)
提督代行『言われた内に手を離さなかったので…』
提督代行「憤!」
ドォゴツッ!
球磨「グアッ!」
鈴谷(ず、頭突き!?)
球磨「いぁぁぁあああああ!ぃいでえクマあああああああ!」
提督代行「頭突き一発をもって処罰とします」
パッ!ドサッ
球磨「あああああ!あああああ!」
ジタバタ!ゴロゴロ!
球磨「い、いでえクマあああああ!」
長門「おい!大丈夫か!」
提督代行「比較的軽めにしましたから大丈夫ですよ」
一同『いや、あの音は軽くないんですけど!?』
武蔵「おい、貴様…球磨に手を出したな」
提督代行「手は出してませんよ、頭は出しましたけど」
提督代行「そもそも上官の命令に従わない者を軽い実力行使で解決とし、しかも本来なら軍法会議にかけられて強制解体・退役も文句が言えないものを頭突き一発で済ましてあげてるんですからお得な方ですよ。」
武蔵「何だと?」
提督代行「軍法会議で強制解体・退役の場合、軍から支払われる退役金がほとんど出ないままに追い出される、知ってましたか?」
一同『えっ!?』
提督代行「普通の解体・退役と違って不祥事での追い出しですからね。かなり厳しいですよ」
武蔵「だからと言ってあんなやり方は無いんじゃないか?」
提督代行「そうですね、現提督ならもっと良いやり方ができたでしょうね。私は古い人間なのでこれが限界です、すみませんね」
提督代行「ふぅ…今日はここまでとします。解散して下さい。後、誰か球磨を保健室に連れて行って下さい」
---夜、執務室
提督代行「ハア……やってしまいました…」
北上「しゃ~ないって、提督代行。先に手え出した球磨ね~ちゃんが悪いし」
提督代行「しかし…後でやりすぎを謝りに…」
北上「それは駄目だよ」
天龍「だな、示しがつかなくなるわ、図に乗るわでろくな事になんねーぞ」
榛名「それより提督代行の頭は大丈夫なのですか?榛名は心配です!」
提督代行「親父譲りの石頭ですから、大丈夫ですよ」
榛名「ホッ…」
扶桑「そういえば、閉鎖はいつ頃になるのですか?」
提督代行「すぐにすぐ閉鎖という訳にはいきません。資材・設備の移送や艦娘の皆の進路相談、関係各所への挨拶周り…やることは沢山あります」
扶桑「進路…ですか」
天龍「今までは羅針盤頼みだったが、そこから先は自分で決めなきゃならない、か…」
金剛「ナイスな例えデース!」
利根「で、提督代行はどうするのじゃ?」
提督代行「今までは現提督がお帰りになられた時点で去るつもりでしたが、帰ってこられたら大本営にお願いして皆の行き先が決まるまでは補佐として残るつもりです」
利根「おお!それは良いな!」
利根(その間に我輩が提督代行のハートを掴み、退役後はハネムーンとしゃれこむかのう?フフフフ…)
金剛(期間が延びれば、まだチャンスは!提督代行のハートを掴むのは、この私デース!)
榛名(榛名、全力で推して参ります!)
天龍(逃がさねえ、お前は俺のものにするぜ?提督代行)
扶桑(赤ちゃん…赤ちゃんを作れば…)
提督代行「ん?何だか寒気が…」
---しばらく後、大講堂
提督代行「……という訳で、時期はまだ未定ですが、この鎮守府は他にさきがけて解散となります」
ザワザワ…ザワザワ…ウソ…ソンナ…
長門「静かに!」
提督代行「すぐにすぐという訳ではありませんが、海軍に残るか?それとも人間になって新しい生を歩むか?生き延びた以上はいつかは選択しなければならなかった事です」
提督代行「そしてそれは……海に散って逝った戦友達が望んでも得る事が叶わなかった選択肢です」
シーーーーン…
提督代行「ここにいる誰一人として悔いの無い選択をしてくれる事を望みます。それでは、今日も1日頑張っていきましょう!」
長門「総員、敬礼!」
バッ!
長門「解散!」
ザワザワ…ザワザワ…ドウスル?
長門「思ったほど混乱は無いようだな」
提督代行「いえ、まだ実感が湧かないだけでしょう。解散の時期が決まれば一波乱起きるかもですよ」
長門「最後の最後に後を濁す真似はしたくない…が…油断は禁物だな」
提督代行「ですね」
---その日から、鎮守府は哨戒を除いたほぼ全ての任務が中止され、陸上訓練と座学に費やされるようになった。
特に座学は軍事関係以外の、一般常識に重きを置くようになった。
多くの艦娘達が平和な時間を享受できるようになった。
命の危険と隣り合わせの戦場を駆けぬけた日々
それはまるで終わりの無いマラソンのようにも思い、例えられた。
しかし今、目の前にゴールテープが張られた時、皆は気づいた。
『戦いが終わった後は?』
『皆はどうする?』
『自分はどうする?』
残るも去るも一度きり
決めたらもう後戻りは出来ない
艦娘としての生も、人間としての生もやり直しはきかない
だからこそ『生きる』という事に価値はあるのだ
提督代行(……住職様は、いつもそう仰られていました)
提督代行(生きる以上は誰しも悩み、苦しみます)
提督代行(でも乗り越えた時、皆さんは新しい自分と世界に出会うでしょう)
提督代行(今は悩みなさい。そして行き詰まったら、私達を…提督を頼りなさい)
提督代行(答えはあげられませんが、ヒントと、背中を押す位はしてあげられますからね)
---さらにしばらく後
提督代行(と思っていたんですがねえ…)
提督代行「ハア……」
大淀「提督代行、どうなさいましたか?」
提督代行「……これを見て下さい」
大淀「?皆さんの第1次進路希望の書類?これがなに…」
『進路…現提督のお嫁さん』
『進路…提督代行のお嫁さん』
提督代行「………貴女を含めた皆さん、お嫁さんの選択しか書いていません…」
大淀「え?駄目ですか?えーと、いつもの皆さんと…あ、綾波型と朝潮型は全員提督代行のお嫁さん希望ですね。その他海防艦も一同揃って『提督代行のお嫁さん』を希望してますね。油断しました(チッ!)」
提督代行「(今舌打ちしなかった!?)み、皆さんもっと多彩な選択をしてくれるものと思っていましたが…と言うか、駆逐やら海防の皆さんをお嫁さんにしようものなら世間から後ろ指さされる未来しかありませんよ!」
大淀「では、間をとって私をお嫁さんにしてください♪」
提督代行「何の間を取るんですか!?」
バーーーーン!
金剛「ヘーイ!提督代行!進路希望は見てくれましたカー?」
榛名「榛名はいつでも大丈夫です!」
扶桑「フフフ…赤ちゃん…赤ちゃん…(お腹サスリサスリ)」
利根「ん?扶桑よ、腹が痛いのか?保健室に行くとよいぞ?」
提督代行「み、皆さん…」
金剛<●><●>「ところでそこの4つ目(眼鏡)ウナギサーン!先ほど提督代行のお嫁さんが…なんDETHって?」
大淀<●><●>「帰国子女(笑)さんには関係ない話ですよ」
榛名<●><●>「榛名は…我慢はする方ですが、駄目な時は一切遠慮しません!」
提督(や、ヤバい!まさかここまで一気に過熱するとは!ど、どうする!?)
バァン!
天龍「提督代行!」
提督代行「(た、助かった!)天龍、どうしました?」
天龍「今朝ウチに送られてきた手紙に、こんなものが!」
提督代行「ん?現提督から?なんでしょう…」
カサカサ
『一身上の都合により、退役致します。探さないで下さい。私は吹雪と駆け落ちします。お許しください』
提督代行「は、はああああああああああああああああああ!!??」
提督代行「ど!どういう事ですか!?」
天龍「俺が知りてーよ!しかもだな…」
提督代行「な、何ですか?」
天龍「この手紙、『誰かに先に読まれてる』ぜ」
提督代行「な、なんだと!?」
天龍「俺が見た時にはすでに封がきられていた、って事は先に誰かが見たって事だ」
天龍「提督代行宛にきたものを見る位だ、恐らくあまり自制の効かない奴だ。そうなると…」
大淀「周りを巻き込んで暴発する恐れがある、ということですね」
天龍「正解だ」
天龍「提督代行、まずはお前の安全が優先だ。ここは一時鎮守府から出ておく事を進言するぜ」
提督代行「し、しかしまだ仕事が…」
大淀「駄目です、現提督派が退役を知って、怒りの矛先を向けるとしたら提督代行、貴方になります。そうなった場合私達だけでは守りきれません」
提督代行「そうは言っても…ん?」
榛名「如何なさいました?」
提督代行「手紙の隅に何か書いて消した跡がある。何だろう?」
提督代行はペンでなぞってみた
提督代行「これは…」
4324+1344=A
利根「?何で手紙にこんなものを?」
金剛「きっと試し書きデース!」
天龍「人宛に出す手紙で試し書きなんかするかよ」
扶桑「提督代行、どうなさいましたか?」
提督代行「うーん…」
提督代行「そうか!わかった!」
一同「えっ!?」
提督代行「これは…」
バァン!
ワラワラワラワラ
大淀「な、何ですかノックもせずにいきなり!?」
摩耶「提督代行、話がある」
大淀「提督代行はこれから…」
球磨「そっちの都合は関係ないクマ。何なら…」
球磨<○><○>「この場で逃げられないようにその足をチタタプにしてやってもいいクマ」
摩耶<○><○>「逃げようなんて思うなよ、もうこの鎮守府はあたしらが抑えてるんだからな」
大淀(しまった!まさか現提督派の動きがこんなに早いなんて!)
提督代行「……現提督の退役の件ですが」
摩耶「アンタが原因だろ?それ以外に理由なんかない!」
球磨「正直に言うなら半殺しで済ませてここから叩き出してやるクマ、さあ!吐くクマ!」
提督代行「生憎私は無関係ですよ」
摩耶「嘘つくんじゃねえ!お前が…」
提督代行<○><○>『あまり俺に手を焼かせるなよ、小娘ども』
摩耶・球磨「ヒ、ヒイっ!」
提督代行<○><○>『悪いがこちらもいい加減堪忍袋の緒が切れそうだ』
提督代行<○><○>『今まで散々苦労させられた挙げ句の果てに手紙だけで1抜け宣言?』
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
摩耶「あ、あわ、あわ、あわ…」
ガクガクブルブル……
球磨(ふ、震えが!と、止まらないクマ!なんなんだクマ!コイツのプレッシャーは!深海の奴らの比じゃねークマ!)
バアキャッ!
球磨「ヒイっ!」
摩耶(嘘だろ?……かなり硬いはずの執務机がパンチ一発で、壊れやがった!)
提督代行<○><○>『舐めた真似をしてくれる……』
摩耶「あ、アンタ…」
大淀「フゥ…提督代行、『おふざけ』が過ぎますよ」
提督代行「ハン!多少のおふざけ位やってなきゃ身がもたねーよ!」
摩耶(な、何だか雰囲気が変わった?)
大淀「全くもう…」
提督代行「まぁそいつはさておき、球磨・摩耶、この手紙を見ろ」
球磨「この手紙が…何だクマ?この足し算は?」
摩耶「しかも答えがAって…何だこりゃ?」
提督代行「そいつはさっきペンで書きなぞったやつだが、その前に、何回も書いちゃ消してをした跡がある。何でかわかるか?」
摩耶「?」
提督代行「ただの落書きならそんな事はしねえ、何故だ?」
球磨「……知られたくないから、クマ?」
提督代行「そうだ、知られたくない、誰に?」
摩耶「…書いた人の近くにいる奴…この場合は書いた人が現提督だから、吹雪?」
提督代行「正解だ、そしてこの式は答えがAになっている。それは『答えは数字じゃない』って事を表している」
球磨「つまりこの式は…暗号?」
提督代行「当たりだ。ちなみに答えがわかるか?」
摩耶「アンタはわかってんのかよ?」
提督代行「まあな、ちなみにヒントとして、もっと解りやすい式にするとこうなる」
1/4 + 3/3 + 4/2 + 4/4=A
摩耶「今度は分数の足し算?」
球磨「……わかったクマ!」
摩耶「マジかよ!」
球磨「一見するとアルファベットで答えが出るように見えて実は違うクマ。さっきアルファベットで出そうとしたけどめちゃくちゃで意味不だったクマ」
球磨「でも分数にして、分母と分子にした時に、分母の方に『あかさたな』の段を、分子の方に『あいうえお』の行をはめると答えが出るクマ!例えば最初の1/4は分母が4だからた行、分子が1だから答えは『た』になるクマ!」
提督代行「正解だ、流石自ら優秀と自称するだけはあるな」
球磨「え、エヘヘ///て、照れるクマ///」
摩耶「そうすると…答えは…」
提督代行「『タスケテ』になるって事だ」
摩耶「何だと!?どういう訳だよ提督代行!?」
提督代行「その訳を調べに、これから病院に行く。暗号なんてする位だ、恐らく病院にはもう居ないだろうが、何か手がかりを残しているはずだ」
大淀「ではさっそく…」
提督代行「お前達は残って他の連中を抑えてくれ」
大淀「しかしお一人では…」
北上「私が一緒に行くよー、提督代行」
提督代行「駄目だ、お前も…」
北上「お願い、提督代行…いえ、『○○さん』、連れて行って…」
提督代行(コイツが俺を名前で呼ぶ時は決して引く気がないンだよな…)
提督代行「…何かあったら自分の身は自分で守れよ、北上」
北上「りょーかーい!」
金剛「でも提督代行ー!鎮守府は今、あちこち抑えられてるし、皆、頭に血が登ってるから話を聞く余裕なんて皆無デース!どうやって鎮守府から脱出するんデスカー?」
提督代行「フフフフ…心配するな、『男のロマン』がこの窮地を救ってくれる」
一同『男のロマン?』
大淀「提督代行、まさか!」
提督代行は本棚に向かい、棚の左隅の本の一番上と下を入れ替えた。すると…
ウウイイイイイイイイン…
摩耶「こ、コイツは…」
球磨「本棚が左右に別れて…」
ガコーン!
金剛「下に行く空洞と、昔の消防署にあったような滑り棒があるデース!」
天龍「か、カッケー!アダム・ウェスト版のバットマンみてー!」
提督代行「じゃあ、後は頼むぜ!皆!」
一同『了解!』
提督代行「フフ…頼もしいぜ」
大淀「あ、帰ってきたら、勝手にこんなものを作った経緯を詳しく聴きますから」
大淀<○><○>『逃げないでくださいね』
提督代行「さ、さーて、行くぞ!北上!」
北上「アイサー!」
提督代行は返事をせずに滑り棒につかまり、下に滑り降り、北上もそれに続いて滑り降りた。
大淀「あ!こら!待ちなさい!返事は!」
大淀の叫びは、下に続く空洞の闇に溶けていった。
ガゴン!ズズズズ…
マンホールの蓋が下から押し上げられ、そこから提督代行と北上は出てきた。
北上「ゲホッ!ゴホッ!埃臭いなあ~」
提督代行「たまにしか掃除してなかったからな」
北上「んで提督代行、ここどこ?鎮守府からちょっと歩いたけど?」
提督代行「鎮守府の隣にある空き家のガレージ、足を取りに来たのさ」
北上「足?」
提督代行「コイツさ」
シュルシュル…バサッ!
提督代行は埃よけの布を取り払うと、そこには1台の車があった。
北上「これって…」
提督代行「スズキ・ジムニー、俺の私物だ」
北上「タフそうだねえ~♪」
提督代行「わかってくれるか、この
良さを!」
北上「うん!今度これでドライブ行こうよ!」
提督代行「全部終わったらな、さぁ、まずは病院だ!」
北上「オッケー!」
二人は車に乗り込み、ガレージを後にした。
ブロロロロ…
---八国山病院
看護師「はい、昨日退院なさいましたよ」
提督代行「何か忘れ物とかはありませんでしたか?」
看護師「いえ…ありませんでしたよ」
提督代行「そうですか…ありがとうございました」
提督代行「やれやれ…」
北上「提督代行~」
提督代行「そっちはどうだった?」
北上「駄目、ベッドの下も何も全部調べたけど、何もないよ…」
提督代行「ここに来て行き詰まりか…参ったな」
北上「今度は病院全体を探してみようか?」
提督代行「その前に飯にしよう。食堂があったからさっと喰えるもんに…」
男の子「ねえ、その制服…お姉ちゃん達軍人さん?」
北上「?そーだけど?」
男の子「じゃあこれ、軍人のお兄ちゃんに返してくれる?」
北上「?スケッチブック?」
男の子「昨日退院しちゃった軍人のお兄ちゃんがよく絵を書いてて、僕それを借りたままだったんだ」
北上「ふーん…わかった、ちゃんと返しとくから安心してね~」
男の子「うん!ありがとう、お姉ちゃん!」
タタタタタ…
提督代行「ふーん、絵をね…」
北上「そういえば、暇ができると港で海の絵を書いてたっけ」
提督代行「どれどれ…」
ペラ、ペラ…
北上「ありきたりな風景画に…吹雪をモデルにした人物画か…上手じゃん」
提督代行「ん?これは…」
北上「忍者の絵?にしては随分カラフルな忍者装束だね。きっとさっきの子がリクエストして書いたのかな?」
提督代行「……いや、コイツは…」
北上「まさか、これがヒント!?」
提督代行「俺の読みが間違いなきゃこれが暗号だ!」
提督「北上、購買で適当に飯買ってこい!俺は車にいる!」
北上「わかったよ~」
提督代行「待ってろ、現提督…必ず見つけてやるからな!」
---某所
現提督「うう…ああ…」
吹雪「ふぅ…ごちそうさまでした、司令官」
ライトの光だけが唯一の灯りとして機能している、薄暗く狭い部屋に現提督のうめき声とは真逆の吹雪の嬉しそうな声が反響する。
吹雪は両手足を鎖でベッドに繋がれた現提督の下半身にまたがり、愛しそうに自らのお腹を撫でながら
吹雪<○><○>「これで…私達は『夫婦』、ですよ♪」
ハイライトの無い瞳をむけてニヤリと笑う。
現提督「も、もう…止め…」
吹雪「駄目です」
吹雪の無情な言葉が、現提督の心を蝕み、少しずつ理性を崩していく。
吹雪「もう誰もここには来ませんよ、誰も。長門さんも摩耶さ…んも、鈴谷や熊野も…だーれも、来ません、フフフフ。可笑しな事をおっしゃいますね、司令官♪」
現提督「止め…て…元に…」
吹雪「元に?私は始めから私ですよ?特型駆逐艦の一番艦、吹雪ですよ?」
現提督「なんで…こんな…」
吹雪「司令官を完全に私だけのものにする為ですよ♪」
吹雪「司令官は退院なさったらあのメス臭い場所に帰らなければなりませんでした。あんな…私だけの司令官を惑わせる臭い臭いメスどもの巣窟に、私の大切な司令官を居させるなんてできません!」
現提督「わ、私は…」
吹雪「それに…知ってるんですよ?他の皆にもケッコン指輪を渡そうとしてた事を」
現提督「そ、それは…」
吹雪「言わなくていいんですよ、わかってますから」
吹雪<○><○>「あのメスどもの臭い臭い匂いに惑わされて私以外にも渡そうとしたんですよね?」
吹雪<○><○>「大丈夫です。司令官が悪いんじゃありません、あの年中発情期のメスどものせいですから、司令官は悪くありませんからね」
現提督(駄目だ!自分の頭の中で全て完結していて、話を聞く耳をもっていない!)
現提督(……先輩、先輩、早く助けに…じゃないと…)
吹雪<○><○>「さあて…」
ゴソゴソ…
吹雪<○><○>「あった♪」
吹雪の手には注射器がライトの光を浴びて怪しく光っていた。
現提督「吹雪、それは!」
吹雪<○><○>「フフフフ…」
吹雪<○><○>「夫婦にはなれましたから…」
吹雪<○><○>「次は…『パパとママ』、ですよ♪司令官♪」
現提督「止めて!やめ」
吹雪<○><○>「えい♪」
プスッ!ヂュウウウウウウ!
現提督「ああ!が!が!ハア!」
現提督(ヤバい!意識が!意識が!)
現提督(先輩…はや…く…)
----
ブオオオオオン!
北上「ねえ、提督代行」
提督代行「何だ?」
北上「現提督の退役の原因が吹雪だとして、その動機は?」
提督代行「んなもん本人シバいて吐かせりゃ一発だろ」
北上「……何かいつもの提督代行と違うと、考え方まで違ってくるのかな?普段だったらそんな事言わないのに」
提督代行「……本来はこっちが素に近い。なるべく出さないようにしちゃあいるんだが、怒りが収まらないとこっちが出ちまう。嫌いになったか?」
北上「んな訳無いじゃん、たまにならワイルドも悪くないし」
提督代行「そうか…」
北上「ところで現提督がどこにいるか解ったの?」
提督代行「ああ、今現場に向かってる」
提督代行「それに…解読した結果によると、吹雪には『協力者』がいるそうだ」
北上「ええ!?」
提督代行「アイツかなり細かく書いてたから解読に手間取ったが、現提督の居ない場所でかなり前から吹雪に近づいて、現提督をモノにする手段を話していたらしい」
北上「じゃあ現提督を救出するだけじゃなくて、裏で吹雪を操ってる奴も相手にしなきゃって事になるじゃん!」
提督代行「それも気にはなるがそっちは後だ、まずは現提督の救出が最優先事項だ」
北上「わかってるよ、提督代行
。人命第一、だよね」
提督代行「そういう事、さあ!ちょっとスピードあげるぞ!」
北上「ところでどうやって解読したの?」
提督代行「吹雪に会ったら教えてやるよ!」
北上「ちぇ…って!うわ!いきなりスピードあげないで!」
提督代行「このままサツが追っかけてきてくれりゃ、電話する手間が省けるな!」
北上(や、やっぱりいつもの提督代行がいいや…)
---某所
提督代行「ここからは歩きだ」
北上「お、オッケー(し、死ぬかと思った!)」
スタスタスタ…
北上「ねえ、提督代行、さっき協力者がいるって言ったけど、目星はついてんの?」
スタスタスタ…
提督代行「生憎わからない。だが…」
北上「だが?」
提督代行「噂の類いならあるいはってとこだ」
北上「噂?」
提督代行「ああ。提督の間にだけ昔から伝わる話で、『M機関』というのがある」
北上「M機関?」
提督代行「何でも海軍の諜報機関とは違う組織で、艦娘が現れたのとほぼ同じくらいに出来たそうでな。それ以外は『艦娘の為の組織』という以外は全く不明だ。だが…」
提督代行「昔から、おかしな所からブラック鎮守府の情報が出回ったり、そのブラック鎮守府から提督だけ、あるいはかなりの資金や資材が消えたりしている事は度々あったんだそうだ。それは俺が研修した鎮守府の先輩提督から聞いたから間違いない」
北上「でも…もしそのM機関がビンゴだとして目的は?」
提督代行「さあな」
北上「うーん。あ、提督代行!目的地に着いたんだから暗号の答えを教えてよ!」
提督代行「え?ああ、あれは『五色文字』だよ」
北上「五色文字?」
提督代行「本来は『五色米』と言って、戦国時代に忍者が暗号に使ったもので、米に色を着けて鳥が食べないようにしたものだ」
提督代行「あいうえおの『段』にそれぞれ青・黄・赤・黒・紫の色を一個当てはめて、あかさたなの『行』にもまた同じく当てはめる。はまやらわについてはあかさたなの色を2つ使うんだ。例としては行の場合は青が2つだから『は』を使いたい場所は『青×2』で表すんだ」
北上「や行とわ行は?」
提督代行「やとわはあの段に、ゆはう段に、よはお段にあたる。をとんも同じだ」
提督代行「この忍者の着物はカラフルな水玉模様だ。この腕の部分がこの場所のヒントだ。解読してみろ」
注意!『』は区切りですので『』の中で1文字となっています!
『青×3』・『青・黄 』・『 黄×2』・『赤×2・青 』
『青×2』・『 黒×2』・『黒×2・赤』
『黄×2・黒』『青・黄』『黒×紫』
提督代行「この辺り、いや、この国の中でその暗号の条件を充たすのはここしかない。近場で助かったぜ」
北上「うーん…ええと…」
提督代行「もうすぐ入口につくぞ」
北上「…上から、『はいきよ』『ホテル』『迷路』か」
提督代行「そう、そしてここが俺達の終着点だ」
『ホテル・ゴールドパーク』
北上「パッと見て、名前に似合わない普通のホテルだね~」
提督代行「何でもオーナーが、作ったはいいが、バブルがハジケて破産してここで自殺したって話だ」
北上「うへ~…」
北上「あれ?でも迷路は?どこにもないけど?」
提督代行「今は森みたいになってる場所に当時最大級の花で作られた迷路があったんだよ」
北上「ああ~、あそこね。って詳しいじゃん」
提督代行「ちょっと事情があってな。まずは建物の中を調べよう」
北上「オッケー」
提督代行「ここまで来るのに時間がかかっちまったから、もうすぐ日が暮れる。それまでに二人を見つけて撤収するぞ」
北上「了解!」
提督代行「装備は確認したか?」
北上「ライトに捕縛用の手錠と縄、制圧用のスタンガン、連絡用のトランシーバー、全部良いよ」
提督代行「こっちもOKだ。よし、行くぞ!」
---しばらく後
提督「しかしだだっ広い建物だなぁ…」
北上「…こりゃ狙いを絞っていかなきゃ夜になっちゃうね」
提督代行「そうだな…」
北上「提督代行、この本館は私が見回るから、別館をお願いできる?」
提督代行「1人で大丈夫か?」
北上「大丈夫だよ、問題ないからさ」
提督代行「うーん…じゃあ頼むぞ、何かあったらすぐ無線で連絡な」
北上「オッケー♪」
----別館
スタスタ…
提督代行「うーん、使われた形跡は無いな」
提督代行「だが、廃墟になってかなりの月日が経っている割には荒らされた様子が無いのは些かおかしい。まるで誰かが定期的に管理してるようだ」
提督代行「とりあえず最上階まで行って何もなけりゃ北上と合流…」
ガーッ!
北上『こちら北上、どうぞ』
提督代行「どうした?」
北上『本館のスイートルームで物音と声がする、こっちがビンゴだったよ』
提督代行「解った、今から向かうから合流次第、突入するぞ。それまでは様子を伺っていてくれ」
北上『ラジャー!』
ザーッ!
提督代行「さあて、いよいよクライマックスだ」
----本館最上階
提督代行「北上」
北上「待ってたよ。ここがスイートルームだよ」
提督代行「よし、ならさっそく行くか」
北上「うん」
提督代行「いいか?1、2の…」
バチッ!
提督代行「ウグッ!」
ドサッ!
提督代行「き、北上…な、何を…」
北上「フフフ…ごめんね、提督代行さん♪」
提督代行の意識はそのまま闇に沈んでいった。
---
提督代行「ん、んん…」
??「起きて下さい、提督代行」
提督代行「ん…ここは…真っ暗で何も見えない…」
??「スイートルームの豪華ベッドですよ」
提督代行「んん…そうだ、北上は…」
ジャラジャラ!
提督代行「な!く、鎖が!?」
??「暴れられると厄介なので縛らせてもらいましたよ♪」
提督代行「クソ!誰だ!」
??「フフフ…なら、明かりをつけて下さい、『北上さん♪』」
カチッ!
提督代行「お!お前は!」
??「フフフ、お久しぶりですね」
提督代行「何でお前がここにいるんだ!」
提督代行「大井!」
大井「フフフ…アハハハハ!」
提督代行「何がおかしい!」
大井「貴方のその無様な様子が可笑しくて可笑しくて…アハハハハ!」
提督代行「そんな事はいい!お前は刑務所にいるはずじゃあ…」
大井「ああ、あれは『偽物』ですよ」
提督代行「何だと!?」
大井「私が作った偽物、と言ったんですよ」
提督代行「どういう…ハッ!まさか俺が帰って来る前に使われた大量の資材は!」
大井「フフフ…入ってきて下さい」
ガチャ!ゾロゾロ…
提督代行「なん…だと…」
入って来たのは数人の『北上』と口を布で塞がれ、代行と同じく鎖で縛られて担がれてきた『北上』だった。
提督代行「これは…」
大井「苦労しましたよ。皆にバレないようにここまでするのには」
提督代行「何で…こんな事を」
大井「もちろん貴方を葬る為ですよ」
大井「あの時、洗脳された北上さんから逃れる為に私の記憶を『移植』した大井を身代わりにして、私はここでチャンスを待っていました」
提督代行「記憶の移植だと!?そんな馬鹿な事が…」
大井「『キサラギ計画』」
提督代行「!!まさか!!」
提督代行「『建造やドロップしたばかりの艦娘に高い練度の娘の記憶を植え付け、同レベルにして前線投入できるようにする計画』…だが、犠牲者が多く出た為に中止されたと聞いたが…」
大井「あるツテを頼って私がその計画を引き継いで研究を進めていたんですよ」
提督代行「そんな!じゃあ!」
大井「ここにいる北上さんは全てその産物ですよ。まぁ、私の命令だけを聞くようにちょっと『いじりました』けどね」
提督代行「こ…この!外道が!」
大井「貴方に言われたくないですね、北上さんを洗脳して、私を襲わせるように仕組んだ悪の元凶に」
提督代行「それはお前の、いや、お前達の自業自得だろ!」
大井「貴方が北上さんをおかしくしなければ、私と北上さんは幸せに暮らせていたんです!」
北上(本物)「ンンー!ンンー!」
大井「ああ///北上さん///待っていて下さい!もうすぐ貴女をこの男の洗脳から解放してあげますからね♪」
大井「そうしたら…フフフ///二人の結婚式をしましょう!」
提督代行(駄目だ…大井の奴、完全に頭がイカれちまってる!どうする!?)
提督代行「(とにかく時間稼ぎだ!)げ、現提督と吹雪はどうした!」
大井「あの二人なら今頃隣の部屋で子作りの真っ最中ですよ。おかげで臭くて臭くて堪らないからあの部屋は二人にあげちゃいました」
提督代行「子作り?艦娘は解体処理を受けなければ老化どころか妊娠だってしないはずだろう?」
大井「ええ、だから吹雪ちゃんは鎮守府で解体してもらったんですよ」
提督代行「そんな許可は出してないぞ!それに解体は現提督の許可が…」
大井「そうですね、だから別の鎮守府に潜り込んで、そこで妖精さんに解体してもらったんです。偽造の書類作るのに苦労しましたよ」
提督「そ、そんな!」
大井「貴方が来る前にそれを聞いた時の現提督の顔は傑作でしたよ!みるみる内に顔が青ざめて!逆に吹雪ちゃんは幸せそうに笑ってましたけどね、アハハハハハハハハ!これからどうするんでしょうねえ~?」
大井「貴方は殺しますけど、あの二人は解放してあげるし、元艦娘は見た目の年齢で登録されるから、あの男は完全アウトで塀の中♪出世もおじゃんで残るのは未成年の嫁だけ♪アハハハハハハハハ!笑いが止まらないですよ!」
提督代行「俺だけならまだしも、他の奴らまで巻き込んで…」
大井「それは全て貴方が悪いんです。貴方の存在自体が私達にとって邪魔で迷惑で、この世にある価値もないどころかむしろこの世の害にしかならないからです。だから私がそれを粛清して、私と北上さんの為の清らかな世界にしなければいけないのです」
大井「さて、おしゃべり…いえ、貴方が望んでいた時間稼ぎという名の悪あがきにも飽きました」
提督代行「(バレてたか!)クッ!」
ガチャガチャ!
提督代行「クソッ!この!」
大井「フフフフ…北上さんの前で無様をさらすなんて…よほど命が惜しいんですか?見苦しい」
提督代行「クッ!」
北上(本物)「ンン!ンン!」
大井「さあ、北上さん♪今貴女を解放してあげますよ」
カキャッ!ジャコッ!
大井「さて、長く苦しめるのは可哀想なので、潜り込んだ鎮守府から拝借したこの拳銃で楽にしてあげます。私の慈悲深さに感謝して、来世は虫か植物にでもなって罪を償って下さいね」
提督代行「(ここまでか)……北上」
北上(本物)「ンンー!ングー!」
提督代行「…………すまない、お前が鎮守府に帰れたら、皆に伝えてくれ、『楽しかった、ありがとう』ってな」
大井「では…さようなら♪」
パアーーーーーン!
………乾いた銃声が、部屋一面に響いた。
大井「………え?」
提督代行「……?痛くない?」
弾は提督代行のギリギリ横を掠めた
大井「もう一度!」
パァン!
提督代行「…何で当たるギリギリの処を撃ってるんだ?俺が怖がる様でも見たいのか?」
大井「そ、そんな訳ないでしょ!」
パァン!パァン!パァン!パァン!
大井「クッ!この!この!この!この!この!何で!何で!こいつに狙いを定めても撃つ瞬間に腕が逸れるのよ!」
カチッ!カチッ!カチッ!
大井「クッ!弾切れなんて!だったら…」
大井は部屋にあったアイスピックを持ち出した。
大井「これなら…」
大井は右手にアイスピックを持ち
大井「死ね!」
提督代行の心臓めがけてアイスピックを振り下ろした。
ガシッ!
大井「そ、そんな!何で!?嘘!?イヤ!何でよお!」
……大井の右手を止めたのは、大井の左手だった。つまり自分で自分の手を止めたのだ。
提督代行「…おい、1人芝居なら他所でやって欲しいんだが」
大井「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!何でよお!何で!何で私の身体が私の言う事を聞いてくれないの!?」
??「教えてあげましょうか?」
大井「!?誰!」
バアン!
大井「アウッ!」
提督代行「お前は…早霜!?」
早霜(拳銃装備)「フフフフ…」
大井「クッ!駆逐艦が何でここに!?」
早霜「フフフ…提督代行のお車には発信器がつけてあって、それをたどってきたんですよ」
提督代行「え?何それ聞いてない」
早霜「フフフフ…」
パチン!
早霜が指を鳴らすと
ドカドカドカドカ!
ガチャ!ガチャ!ガチャ!ガチャ!
黒づくめの装備に身をかため、自動小銃を構える一団に囲まれ、大井と北上の集団はたちまちの内に縛りあげられた。
提督代行と北上(本物)は鎖を解かれ解放された。
提督代行「早霜、これは一体…」
早霜「…さて、提督代行とお話の前に、大井さんの疑問にお答えしておかなければ、ですね」
早霜「大井さん、何故貴女の身体が貴女を裏切ったのか?それは貴女、いえ、貴女の奥底に閉じ込められた『本来の大井さんの意志』が、提督代行を殺せば北上さんは二度と貴女に振り向いてくれない事を知っているからですよ」
提督代行「本来の意志?」
早霜「そうです、ここにいる大井さんは『本来の戸利合鎮守府に所属していた大井さんの記憶を植え付けられた別の大井さん』なのです」
提督代行「な、何だって!?」
大井「嘘、そんなはずは無い!私は偽物の大井を身代わりにした、本物の大井、私こそが本物よ!」
早霜「貴女は戸利合鎮守府の大井さんの記憶を強く植え付けられたせいで、『自分が本物だと思い込んでしまった』んです」
北上「じゃあ、本来ウチにいたアイツは…」
早霜「現在も刑務所に収監中です」
大井「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!」
早霜「ならば聞きますが…」
早霜「大井さん…『貴女の一番最初の記憶は…思い出せますか?』」
大井「そんなの…」
大井(あれ?そういえば私はいつから戸利合鎮守府に?あれ?私はいつ、北上さんに出会った?何年前?いえ、何ヵ月前?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?考えれば考えるほどわからない!?何で!何で!なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?01010101010101010101011001000010001000000011011101101000J.MGIWFJTZMR--YIT-YMJ@AP6WH.XD6TJEIX-DG6.YG@OTXM.T6WGDNT-WGL@_LG9-MW,…)
大井の意識は…ごちゃ混ぜにかき混ぜられた、混濁した記憶の海へと沈んでいった。
大井<○><○>「あ、あは、あははははははははははははは…」
早霜「さて…皆さん、お願いします」
黒装束達はあっという間に大井と北上達を抱えて外に連れ出した。
早霜「提督代行、北上さん」
提督代行「…全部、話してもらえますか?」
北上(口調が元に戻った。頭が冷えたんだ)
早霜「それは…」
プシュ!プシュ!
提督代行「ウグッ!」
北上「痛ッ!」
ドサドサッ!
早霜「心配いりません、痺れ薬ですが、10分もあれば効果は切れます」
提督代行「は、早…霜…」
早霜「ごめんなさい。でも1つだけ言わせて下さい。もうこれでトラブルはおしまいですから安心して下さい」
提督代行「うう…」
早霜「今までお世話になりました。貴方と艦隊の皆に幸ある事を願っています」
そのまま早霜は2人を残して去って行った。
――2年後、鎮守府
提督補佐(元代行)「ふぅ…この書類は処分して、これで終わりですね」
現提督「お疲れ様です、先輩」
提督補佐「……今日で、ここも終わりですね」
現提督「ええ。いろんな事がありました…」
提督代行「そういえば吹雪、じゃなかった、奥さんとお子さんは元気ですか?」
現提督「ええ…お陰様で…」
現提督「まさか…あの時だけで妊娠するなんて…」
提督補佐(執念の勝利ですね…)
現提督「でも、そのおかげか、結婚以外の選択をしてくれる娘が増えたのは嬉しい事です」
現提督「ただ…まだ諦めてくれない娘がちらほらと…」
提督補佐「あれだけ『解体されたらその想いは冷えてしまいますよ』と説明して、まだ諦めてくれないんですよね…」
現提督&提督補佐「「ハア…」」
現提督「というか先輩はどうするんですか?自分みたいに結婚はなさらないんですか?」
提督補佐「…正直どうしたら良いかわからないんですよね。一度は仏門に入ろうと考えていたのが、あの事がきっかけであやふやになってしまってからは何となくその気になれなくて…」
現提督「そうですか…」
提督補佐「まぁ、暫くはブラブラと旅をしながら身の振り方を考えようかと思っていますよ」
提督補佐「そういえば現提督は艦娘の社会生活支援の為の学校で教師になるんでしたっけ?」
現提督「幸い教員免許を持っていたので、この鎮守府が改装されて学校になったらそのまま教員として残るつもりです」
提督補佐「そうですか。じゃあ今度は先生と呼ばなければですね」
現提督「まだ先ですよ」
提督補佐(それにしても…あの早霜は一体何だったのでしょう?何かを知っていたようですが結局何も教えないまま去ってしまいましたから、解らずじまいです)
ガチャ!
大淀「失礼致します。現提督、補佐官、お時間です」
現提督「解りました、行きましょう先輩!!」
提督補佐「はい!」
提督補佐(さあ!ここでの私の最後の仕事だ!)
――――鎮守府講堂
提督補佐(解散式は滞りなく進んだ)
現提督「――以上をもって、私から諸君らへのはなむけの言葉とする。諸君らのこれからに幸いあれ!以上!」
提督補佐(最初は静かだったが、式が進むにつれて皆の目に涙があふれた。『終わった』事への喜びと、『終わってしまった』事への寂しさから来る涙だ)
ウウッ!グスッ!…
提督補佐(何やかんやで色々あったけど…まさか見る事なんてできないと思っていた光景を見られるとは、感慨深いものがありますね)
大淀「以上をもって、鎮守府解散式を終了します!総員起立!」
ガタガタ!
大淀「敬礼!」
ザッ!
提督補佐(皆さん…長い間ありがとう。ご苦労様でした)
――執務室
現提督「やれやれ、やっと終わりましたね、先輩」
提督補佐「ええ。やっとです」
現提督「とりあえず夜は打ち上げパーティーをして…明日から解体を始めましょう」
提督補佐「了解しました」
ガチャ!
大淀「し、失礼します!あ、あの…」
??「失礼するよ」
現提督&提督補佐「「げ、元帥!」」
元帥「ああ、そのままそのまま、ゆっくりしてくれ。終わったばかりで疲れてるだろう?」
現提督「あ、ありがとうございます」
元帥「うむ。さて、大淀君、ちょっと席を外してもらえるかな?」
大淀「り、了解しました、失礼します」
ガチャ!バタン
元帥「さて…まずは長きに渡る任務、ご苦労だった」
現提督「ハッ!ありがとうございます!」
元帥「だが、完全に終わった訳ではない。国内の海運ルートは回復しつつあるが、まだまだ海外にも激戦区はある」
元帥「その中でも今注目されているのが…南極だ」
提督補佐「南極でありますか?」
元帥「…実は南極のどこかの海底に深海勢の本拠地がある事が解った」
現提督「な、何ですって!?」
元帥「今現在も世界中の専門家達が南極に集まって捜索を続けているが…まだまだ見つかる気配はない」
提督補佐(何か嫌な予感が…)
元帥「それに南極近辺にはまだ多くの深海勢が残っている。その為、オーストラリアやニュージーランドが海上封鎖に近い状況に追い込まれている」
提督補佐(ま、まさか…)
元帥「そこで、オーストラリア、ニュージーランド両国、並びにオーストラリアの君主たる英国王室から『実践経験を積んだ艦娘と司令官を派遣して欲しい』と要請があった」
提督補佐(そ、それって…)
元帥「提督補佐君…」
提督補佐「は、ハッ!」
元帥「……エアーズロック、見たくないか?」
提督補佐「へ?」
元帥「本場のキゥイフルーツ…食べてみたくないか?」
提督補佐「じ、自分が、で、ありますか?」
元帥「なんならオージービーフ食べ放題もつけるぞ?」
提督補佐「ええと…」
元帥「頼む!よその退役の決まっている提督は民間上がりで国内限定だったが、海外となると正規訓練を受けた君が適任なんだ!」
提督補佐「ええええええ!」
元帥「頼む…今は…君が、君だけが頼りなんだ!」
提督補佐「(これは私の宿命、なのでしょうね…)フゥ、解りました、お引き受けします」
元帥「そうか!やってくれるか!ありがとう!」
提督補佐「ただし、この鎮守府の皆には内密にして下さい。私がまた新たな場所で戦うとなれば、ついてきかねない娘が大量にいるので…」
元帥「解った。着任させる艦娘の方はこちらで用意するし、私からは何も言わないから安心してくれ」
現提督「私も、必ず秘密にします」
元帥「すまない。只今をもって君の提督補佐の任を解き、正式な提督とする!すまないが、頼んだぞ!」
提督「ハッ!」
提督(皆さん…幸せに、なって下さいね。それだけが、今の私の望みです)
―――こうして戸利合鎮守府はその役目を終えた。
―――3週間後、ニュージーランド、ニュープリマス空港
提督「やれやれ…やっと着きましたね」
提督「結局私がニュージーランドで、もう一人がオーストラリア…まぁ一人でやるよりは多少はマシでしょう」
提督「さて、海軍基地までは迎えが来てくれるという話でしたけど…どこでしょうかね?」
「ヘーイ!テートクー!」
提督「どうやらお迎えが…」
金剛「待ちくたびれマシター!」
天龍「おせーよ!」
北上「ヤッホー♪」
榛名「提督、またお会いできて榛名は感激です!」
利根「やっと来たか。待たせすぎじゃ!」
提督「え!?嘘!?なんで!?」
大淀「元帥がいらした時に、ふとした思いつきで夕張さんと明石さんが置いていた盗聴器で話を聞いてました!」
提督「(あの馬鹿二人は!)し、しかし皆解体されたはずでは!?」
金剛「妖精さんに頼んで解体した『フリ』をしてもらったデース!」
天龍「俺達だけじゃねえ、将来の進路決めてた奴以外は皆来たぜ!」
提督「そ、そんな!せっかく皆自由を手にできるはずだったのに…」
北上「アタシらが提督から離れる選択なんてあるわけないじゃん」
利根「提督が居なければ自由も味気ないからのう」
金剛「その通りデース!」
榛名「さあ提督、迎えに来れなかった皆さんも待ちかねてます!早く行きましょう!」
金剛「そうデスネー!」
ゾロゾロ…
提督「え!?ちょっと!待っ…」
金剛「あと、元帥から手紙を預りマシタ!はい!」
提督「ん?何…」
『すまない、皆にバレていた。後は頼む。追伸、皆がケッコンカッコカリを望んだので、指輪と書類を全員に渡したから着任したら必ず全員とするように』
金剛「さあ!基地に着いたらケッコン式デース!」
天龍「やっとだぜ!」
北上「いいねえ~♪」
榛名「榛名は…榛名は…嬉しくてたまりません!」
利根「終わったら初夜といこうかのう?」
提督(そう話す彼女達の眼は本気だった。決して、決して逃がさないという覚悟を秘めた眼だ)
提督(ああ…私は…逃げられないのですね)
―――空港の隅
早霜「フフフ、これはこれで、サクラ咲く、でしょうね」
早霜「…頑張って下さいね、司令官♪」
完
ここまでご覧いただきありがとうございました!
他作品とまだ未公開の作品の準備でなかなか進みませんでしたが、元寺男の提督のお話はここで終わりとなります。また何かあれば脇役で出すかもですが、彼を主人公にしたものはラストです。
改めて、ご覧いただきありがとうございました!他作品もよろしければお付き合い願います!
艦娘からすれば大事にされこそすれ恋愛に至る気が全く無い
鈍感ハーレム主人公よりタチの悪い提督とか凄い依存しそうだよね。
1氏、ご覧いただき、ありがとうございます!
艦船という人を必要とするモノの魂を宿すが故の人への執着なのかも?と私は考えています。
後、リアルでハーレム作っている人達って我々が考える以上に大変なのかも…女達の不満を解消しつつ生活を保証し、更に愛してやらなきゃならない訳だからどんだけの苦労が必要か考えたら背筋が寒くなりそうです(白眼)
続けぇ...
芝犬氏、ご心配をおかけしてすみませんでした。ようやくまとまってきたのでゴールは間近です!しばらくお待ち下さい!
続き期待です! 結末が気になるぅ
kurowassan氏、ご覧いただきありがとうございます!
色々悩みましたが、ラストは決めましたので、是非予想してお待ち下さい!
良い意味で期待を裏切れたら何よりです。
トラウマになる様な仕打ちを受けてるからね、逃げたくなるのは分かるけど…
(現)提督、あなたサイテー。
そして大勝利吹雪さん。
続き、お待ちしております。鬱ENDじゃ無い事を祈って。
吹雪の策略にまんまとハマってしまった現提督。
はたして、はたして!
提督代行の運命は!?
…続き待ってマース(半裸待機)
7氏、8氏、ご覧いただきまして、ありがとうございます!
7氏へ
提督代行にとってみたら現提督の行為は最悪の裏切りですからね。どうなるか?それは続きでお楽しみいただけたら幸いです!
8氏へ
さあて…運命は如何なる採決を下すか?私も楽しみです。後、今の時期に半裸は辛く、眠れないことでしょう。風邪などひかれぬよう、暖かい格好でお待ちください(笑)
更新お疲れ様です!
続き楽しみに待ってます!
艦娘は良くも悪くも価値観も戦い方も型に嵌り過ぎるイメージが
強いだけにこういう人間半分辞めてる非常識な提督怖いだろうなぁ。
寺男お前やっぱりロリコn・・・
更新、頑張ってくださいね!
?
10・11・12・13氏、ご覧いただきありがとうございます!
10氏へ
頑張っていきますので、これからも宜しくお願いします!
11氏へ
確かに怖いでしょうね。今までが優しかっただけに尚更でしょう。
12氏へ
応援ありがとうございます!ロリコンかどうかは…ノーコメントで(笑)
13氏へ
(; ̄Д ̄)?
脳内BGM(北斗の拳の次回予告 ナレーション 2/4+葉氏)
テーレッテー♪
男の子がくれた現提督への手がかりをもって、提督代行と北上の二人は行動を急ぐッ!
謎が謎を呼ぶ現提督探しッ!
はたしてッ、この手がかりは希望へのピースか、それともお芋が企てた悪夢への地獄道となってしまうのかッ!?
次回、元寺男 退役の修羅場ッ!
「非情な現実ッ!お芋が薄ら笑う、逃避行(ハネムーン)へのカウントダウン!」
寺男「和尚の教えが俺を呼ぶ…!」
要約「謎解き要素面白いです!続き楽しみに待ってます!」
15氏、ご覧いただきありがとうございます!
ナレーション再生が余裕で出来て危うく仕事場で爆笑しかけました(笑)
頑張ります!
13ですが
すまない問題がとけなくて ? って打ったんだ(^_^*)
13氏、わざわざありがとうございます!
了解しました( ̄▽ ̄)ゞ
続きが気になりますw
楽しみに待ってますね^^d
19氏、ご覧いただきありがとうございます。と同時に返信遅れてすみません。
頑張っていきますので、最後までお付き合いいただけたら幸いです!
まさかの大井!捕まる北上!
どうする!?どうする!?
諦める
許してください!何でも島風!
⇒展開無視して大井の目に親指を突っ込んで…
寺男「殴り抜けるッッ!!」バキャァッ
大井「ブベラッ!」
北上「…ちゅき(ちゅき)」
第一部 完
俺は続きを楽しみにまってるぞッ!ジョジョォ!!!
21氏、ご覧いただきありがとうございます!
君が感動するまでラストまで書くのをやめない!ディオ!