なぎさ 「今年ももうすぐ終わりだねぇ」 あやめ 「来年も頑張ってもらいますよ」 一同 「ええぇ」
ラジオ・アクアマリンの面々のプチ忘年会。今年一年のSSでの活躍ぶりを振り返ってもらいます。
概要そのまま、で恐縮です。
大きく言うことはありません。ただ後半、「春の屋」絡みで3タイトルもできてしまったのはうれしい誤算でしたが…
2018.12.17 着手
2018.12.21 PM22:25 上梓(4090字)
2024.5.5 文章レギュレーション統一のための改修。4116字。
2018年も大詰め。平成最後の年末のひと時を過ごす「ラジオアクアマリン」の面々。ファミレス<SEAGULL>のテーブル席に集まっている。
なぎさ 「では、ドリンクもそろったことですし、乾杯とまいりましょうか。ではあやめさん、一言」
あやめ 「まぁた私ですかぁ……仕方ないですねぇ。では一言。平成最後のこの一年、私たちもいろいろと頑張らさせてもらいました」
かえで 「オレはなんつっても、GWにテレビ初出演、かな」
夕 「私は、どちらかと言うと、全国ネットで私たちが映った方がインパクト大でしてよ」
雫 「お宿でのお菓子対決で一矢報いたこと、かな」
なぎさ 「あたしは、もう一度あの曲を歌えたこと、かな?」
あやめ 「ふんふん。で、乙葉チンは?」
乙葉 「うーん。ようやく立ち直ってきたって感じかな?来年に乞うご期待ってところですかね」
あやめ 「とまあ、6人6様のこの一年でしたが、来年もよい年になりますように。カンパーイ」
一同 「「「「「「カンパーイ」」」」」」
かえで 「いやあ、今年は後半本当に忙しかったし面白かったよなぁ。そう思わない?」
なぎさ 「ほんとほんと。特にあの「春の屋」さんの取材を兼ねた旅行はいい想い出になったよ」
乙葉 「ほんとにあなたたち、取材に行ってたのね……」
雫 「え?乙葉さん……」
あやめ 「その言葉、聞き捨てならないですわね、私に隠れてまさか、「春の屋」さんに……」
乙葉 「ええ。本当に何日か前。でもあんな格式高い旅館なのに「楽しい」って思えたのって生まれて初めて」
かえで 「そう言えば、堅っ苦しく感じたことってなかったよなあ。なぎさ?」
なぎさ 「そうだね。取材ってなんか仰々しかったけど結局私たち楽しんで録ってたもんね」
夕 「でも、あの映像が流れて、おじいさまにこっぴどく叱られたんです」
かえで 「まあ、そうなるだろうな。浜須賀家一代の恥、とかなんとか」
夕 「学校でもいいネタにされちゃったし……まあ、おかげで最後の学校生活は楽しいものになりましたけどね」
かえで 「まあまあ、そう凹まないの。人生万事、塞翁が馬、なんていうだろ?」
雫 「かえでちゃん、それ、意味、分かって言ってる?」
かえで 「いーや、ぜんぜん。語呂がいいから言ってみただけ」
あやめ 「なんですか、そのテキトーぶり」
かえで 「まあまあ、それがオレの色なんだから……」
なぎさ 「それはそうと、さっきあやめさん、なんか言いかけてたけど、それって何?」
あやめ 「エッヘン。そろそろ頃合いだと思うので発表しちゃいます。もう間もなくゲストが一名来られます」
かえで 「え?ゲスト?もしかしてあいつじゃ……」
雫 「そうなんですか?」
なぎさ 「え?ちょ、ちょっと、ほんとに……」
ピンポーン。
来店を知らせるチャイムが鳴る。ふりむく6人。
なぎさ 「紫音ちゃん!」
紫音 「こんにちは。皆さんお揃いで……」
かえで 「よぅ。元気してた?」
雫 「蛙口寺の仮設スタジオ以来ですね」
夕 「本当に久しぶりですわね」
紫音 「そう言えば、ここに来る前、蛙口寺さんに寄ったら、スタジオ無くなってたんだけど……」
なぎさ 「ああ、今は、商店街の空き店舗借りて、そこでラジオやってるの」
紫音 「そうなのね……で、皆さん、まさかラジオに生出演とか、してないでしょうね?」
かえで 「そんな暇あるわけないじゃん!みーんな受験で大忙しだよ」
雫 「私は洋菓子学校に行くことになったから、まだいいけど……」
夕 「私も一応は大学に行くつもりで毎日勉学に励んでますわ」
なぎさ 「私が一番微妙なんだよなあ……行ける大学はあるにはあるけど……」
あやめ 「オホン!私の後輩になる、というのはどうですか?」
なぎさ 「えー、無理無理。あやめさん、地頭がいいから受かったんだよ、私のこのオツムでは……」
あやめ 「まあ、今からではちと手遅れですかね(意地悪くほくそえむ)」
乙葉 「ちょっと!なぎささんに失礼じゃないの?あやめ」
あやめ 「ああ、乙葉チンに叱られちゃったぁ―(ハート)」
かえで 「……まあ、いいや。で、今日はどんな風の吹き回し?」
紫音 「あやめさんからお誘い受けて。で、みんなの顔もみたくなったから……」
かえで 「そういうところは、藍色って抜け目ないんだよなぁ」
あやめ 「根回しさせたら私の右に出るものはいないでございますわよ」
乙葉 「どうしたの?なんか日本語、変……」
あやめ 「ああ !」
一同 「「「「「「どしたの?」」」」」」
あやめ 「いっち番大事なこと、言っとくの忘れてたわ」
かえで 「だから何だってんだよ?」
あやめ 「2019年も、皆さんにはいろいろ頑張ってもらいたいっていうことですよ」
夕 「何のことでしょう?」
雫 「言ってる意味がよくわからないんだけど……」
なぎさ 「まさか、いろいろな場所に登場するって話?」
あやめ 「皆さんもご承知かもしれませんが、あの温泉レポートの回。業界ではかなりの評価を戴いてます。おかげで私は来年3月の番組構成のサポートを任されることになりましたし、ゆくゆくは構成作家の道も見えてきました」
かえで 「それって凄いことだよね?」
あやめ 「まあ、正直言うと、本当なら一コーナーでもカメラ、音声、その他もろもろでスタッフだけで10人近くはかかるところをカメラ一台で撮れたことを絶賛されているようなんですね。それも含めて、想像以上のものが出来上がってきたんで、みんな目を丸くしているわけです」
雫 「私のしゃべり、ほとんど使ってくれなかったけど(フクレッツラ)」
あやめ 「ああ、そのお詫びというか、罪滅ぼし、ってわけではないですけど、雫さんがレポートするスイーツ番組が、別のところで計画進行中です」
雫 「ええ、ええ?」
あやめ 「雫さんだけではなく、スイーツに一家言ある若手タレントが順番にレポートする番組なんですけど、その番組のプロデューサーが雫さんに一目ぼれしたみたいで……」
かえで 「よかったじゃん、雫っ!あれだけしゃべって、ほとんど使われてなかったからオレも不憫でしょうがなかったけど、見る人はちゃんと評価してくれるってことだよ」
なぎさ 「晴れてレギュラー、獲得だねっ、おめでとう!」
雫 「ちょっ、ちょっと待ってよ、まだ何にも決まってないのに……」
あやめ 「ご心配なく。年明け早々にご実家に会社のものがうかがうはずです。まあ心の準備はしておいてくださいね」
雫 「うわあ、どうしよう」
なぎさ 「で、私たちは?何にもないの?」
あやめ 「はい」
紫音 「やっぱり……」
乙葉 「あっても私はミュージシャンだから、そう簡単には出られないわよ」
あやめ 「まあ、私の気が向けば、それこそ"聖地巡礼企画"とか、"旅館お泊り第二弾"的なことも、やってやれなくないですよ」
かえで 「そうなってくると、みんなのスケジュールがうまく合うかどうかがカギだよな……」
あやめ 「それは、今そこでキーボード叩いているおじさんが何とかしてくれるんではないかと……」
夕 「うん?なんか胡散臭そうな人が書いている風にしか見えないんですけど……」
なぎさ 「まあまあ。本当のこと言って悪いように書かれたらまずいから、それくらいにしとこうよ」
紫音 「ほんとね。そのくらいで」
あやめ 「(汗)ま、まあ、今後の展開もお楽しみにってところなのは間違いないってことで……」
かえで 「でもさあ、オレたちの歌った曲が合唱曲になったなんて、今年はほんとびっくりの連続だったよなぁ」
なぎさ 「コトダマが繋がっているって実感できたもんね」
夕 「普通のコラボとか、派生イベント、という枠を超えていますからね」
乙葉 「この曲を世に送り出せて、私も幸せです」
雫 「一緒に歌いたいなあ……」
かえで 「あれ?『私、歌は……』って言ってた張本人がそう言ってくるとはね」
なぎさ 「でも、それくらい私の、私たちの、アクアマリンのテーマ曲だったんだよ」
紫音 「ちょっと思い出しただけで泣けてくるものね、今でも……」
あやめ 「ラジオは声だけ、音だけ、なんて思っている人には、コトダマの威力や効能が信じられていないと思うのです。それを伝えようとした人たちがいる。日ノ坂町民の方も尽力されたと聞きますね」
なぎさ 「そうみたいね。まあ、町民がいないと広がっていかなかったはずだし」
あやめ 「ともかく、これから先もアクアマリンのメンバー一同は、頑張っていくっていうことは、共通認識として胸に刻んでおいてくださいね」
かえで 「それはそうだな。みんな進む道は違ってもアクアマリンがスタート地点みたいなものだからな」
夕 「私も、肝に銘じますわ」
紫音 「アクアマリンは私の心のふるさと。何かあったら私も呼んでくださいね、これからも」
なぎさ 「もちろんだよ、紫音ちゃん!そうだ、卒業旅行ついでに「春の屋」さんに泊まっていく?」
紫音 「そ、それが……私、一度泊まったこと、あるの……」
一同 「「「「「「ええぇ」」」」」」
かえで 「どんなきっかけ?雑誌にも載ってたし、案外ミーハーなところがあったのかな?」
紫音 「いえ、お父さんと、あの旅館に浅からぬ関係があったみたいで、お礼を言いに行ったの」
あやめ 「そうだったんですか……でも、これでここにいる全員が「春の屋」さんのお世話になったというのも、偶然にしてはできすぎてますよね?」
なぎさ 「それ、作者の前で言っちゃう?」
あやめ 「あ、いや、その、オホン、基っっ」
かえで 「藍色の奴、珍しくパニクッてるぜw」
夕 「珍しいこともあるものですわ」
あやめ 「そんなこんなで〆たいと思います。来年どういう具合にアクアマリンの面々が活躍するのか、見ものでもありますので、どうぞよろしくお願いいたします」
一同 「「「「「「お願いいたしまーす」」」」」」
かえで 「って、オレたち、誰に向かっていってるんだろ?」
【おしまい】
とにかく「キミコエ」でここまで話を膨らませられたのは本当に自分でもびっくりです。需要がある(何しろ紫音回は400オーバーの閲覧)ことがわかっただけでも収穫です。
まあ、今後どうなるかは、メンバーも気にされていましたwが、気が向いたら、のスタンスで取り組みたいです。
なにしろ、2019年は幼馴染4人は高校卒業/進路を決める時期。それからどうなるか、は私もノープランです。
唯一進路(かなり先)が決まっているのはなぎさだけ。どう設定していくか、は既存作品との兼ね合いも含めて、いろいろ練っていきたいところです。
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