草太　「いや、あれはだな……」

鈴芽　「なになに？キラキラしてて楽しそうだよ」

草太　「その、キラキラしてて楽しそうって言う女の子を誘うための電飾だとは気が付かないのかい？」

鈴芽　「だって、面白そうだもん。塔みたいなのも見えるし、何かのアトラクションでもあるのかな？」

草太　「うんうん、確かに回るベットやら四方鏡で囲われてるとか、楽しめるっちゃあ楽しめるけど……」

鈴芽　「だったら、行こうよ。入場料もそんなにしないんでしょ？」

草太　「う、ま、まあ確かに、休憩なら数千円ってところか」

鈴芽　「それでたっぷり楽しめるなら私がバイト代から出してもいいです！」

草太　「いやいや、ここは社会人の俺に出させてくれよ」

鈴芽　「やったぁぁ！！草太さんのおっごり、草太さんのおっごり～♪」

草太　「ていうか、ホンットウにいいんだな？」

鈴芽　「いいですよ。草太さんとなら、どこに行ったって楽しいんだから」

草太　「ということは、ここがどういう場所なのか、知らないで言ってるな？」

鈴芽　「え？遊園地とか、パビリオンとかじゃないの？」

草太　「はぁ、これだから田舎娘は……。君もラブホテルくらいは、聞いたことあるだろ？」

鈴芽　「ああ、ホテルなんだ。でも、なんであんなピッカピカにしてんの？」

草太　「そりゃあ、ちょっとでも目立ちたいからだろうよ」

鈴芽　「うちの地元にはここまで派手なホテルないよ。あの廃墟にあったホテルだって、そこまでじゃなかったし」

草太　「あーあ、普通の旅館とかホテルとラブホテルは違うの！！｣

鈴芽　「どこが？ホテルなんでしょ？」

草太　「ラブホテルは男と女が一夜を共にする特別な施設なの！」

鈴芽　「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

草太　「これでわかったろ？それでも行きたい？部屋代は俺が出すし、なんなら、一番いい部屋取ってもいいし、ルームサービスも取るし、カラオケバンバン歌うし、キミを飽きさせないって約束するよ」

鈴芽　「ｶｵﾏｯｶ」

草太　「もうすぐ着くよ。覚悟はいい？」

鈴芽　「か、覚悟って……」

草太　「だから言ったろ？君を飽きさせないって。絶対寝かせないって。夢中にさせるって」

鈴芽　「そ、草太さん」

草太　「なんですか？鈴芽さん」

鈴芽　「そんな草太さんのそばにずっといられるのって、しあわせ♡」

草太　「なあに、キミは僕を救ってくれたんだ。恩返しにこれくらいしたって罰は当たらないよ」

鈴芽　「そうね。草太さんを挿したのも抜いたのも私なんだし」

草太　「その漢字、なんかしっくりこないなぁ」

鈴芽　「ここまで来たんだから私も覚悟を決めるわ。草太さんを寝かさないって」

草太　「ﾄﾞｷｯ」

鈴芽　「ねえねえ、草太さん、どの部屋にするぅ～」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(完)