初めて比企谷君に会ったのは比企谷君が雪乃ちゃんと一緒に出掛けているときだったかな？

その時はまさか私の仮面を見抜いていたなんて思いもしなかった。完璧であるはずの私の仮面を初見で見抜いていたなんてどんな子なんだろうって興味が出てきたのをきっかけに、私は事あるごとに比企谷君に近づいた。由比ヶ浜ちゃんとの花火大会や文化祭実行委員会の時とかね。あ。後ドーナツ屋でも会ったな。これは偶然。その時は確か比企谷君の中学時代の同級生の女の子にも会ったかな。

それにしても・・・会うたびに嫌そうな顔をする彼には正直驚かされたな。

私の周りの大体の男は、私が笑顔になるだけで喜ぶのに比企谷君に関しては近づいたとしても嫌そうな顔をする。

思春期の男子高校生は年上の女性に憧れるものじゃないのかな？かな？・・・うん。キャラが違うね。

憧れるどころか避けられてるまであるからね。まぁ最初のうちにちょっかい出しすぎたかなってちょっと後悔はしてるんだ。事故の事も含めてね。・・・「もう終わった話なら別にいいよね。」なんて無神経な事も言っちゃったな。

もしやり直せるなら比企谷君との出会いからやり直したいかな。仮面の無い私を見てほしいし、何よりちゃんと事故の事も謝りたい。むしろ仮面が出来始める前に戻りたいとも思う。

なんで私が今までの事を後悔しているような口ぶりかって言うと、その答えは一つ。

本当の私の気持ちに私が気づいてしまったから。口では雪乃ちゃんとくっつきなよと言ってる実、本当は私が比企谷君とくっつきたい。とあるルートから比企谷君の連絡先をゲットした時には心が躍った。連絡先一つで喜ぶなんて私も子供だななんて思ったけど、実際彼氏を作ったことはなく、私から好きになることなんてなかった。

でも比企谷君には残念ながら嫌われている。苦手意識って言った方がいいのかな？どっちでも私にしたら変わらない。

恥ずかしながら大学生にもなって彼氏もいたことないから未経験な事と、無駄に大きいこの胸を使って比企谷君を落とすしかないのかなとさえ思えてくる今日この頃。できることなら比企谷君に初めてをあげたいな・・・・なんて思いながら自分で自分を慰めている今。

結局行動らしい行動を起こすこともできず、今日も今日とて比企谷君に（勝手に）会いに行く私であった。

「偶然だね♪比企谷君♪」

やっぱり君らしいね。その思いっきり嫌そうな顔は。

終