2019-01-31 23:47:30 更新

        ~大本営~


指揮官「・・・」スタスタ


綾波「・・・指揮官?」


指揮官「何だ?」


綾波「え~と・・・本当に怒られないですよね?」


指揮官「元はと言えば大本営のミスだ。ミスを指摘して何が悪い?」


綾波「悪いとかじゃないですけど・・・」


指揮官「なら気にする必要はない。」コンコン


元帥閣下「・・・どうぞ。」


指揮官「失礼します。」


元帥閣下「おやおやこれは・・・大将殿。出頭命令はしていませんが?」


指揮官「存じております。」


綾波「・・・」


指揮官「例の異常現象の件です。軍は把握してたそうですね。」


元帥閣下「・・・あぁ。」


指揮官「何故我々の鎮守府に連絡をしなかったんですか?」


元帥閣下「・・・?どう言うことだ?ちゃんと送るよう言ったはずだが」


指揮官「・・・実際来てませんが?」


元帥閣下「・・・」


指揮官「・・・情報伝達の担当は?」


元帥閣下「・・・新米の少尉だが」


指揮官「・・・そう言うことか」


元帥閣下「・・・?」


指揮官「失礼しました。それでは」ガチャ


綾波「・・・あっ失礼しました。」


パタン


元帥閣下「・・・」


        ~廊下~


綾波「指揮官!どう言うことですか?」


指揮官「・・・この世には知らぬが仏って言う言葉がある。知らなくていい。」


綾波「・・・むぅ~・・・」


指揮官「そんな怒んなって。帰りにアイス買ってやるから・・・」


綾波「皆に叙々〇奢ってくれなきゃ気がすまないです。」


指揮官「・・・イベントの結果次第だな。」ハハハ


新米指揮官「・・・あっ居たぞ」ボソボソ


新米指揮官b「あいつか・・・」ボソボソ


新米指揮官「落ちこぼれの集まり・・・」ボソボソ


指揮官「・・・っ」


新米指揮官b「あんな奴にはなりたくないな。」ハハハ


新米指揮官「おいおい聞こえちゃうだろ」ハハハ


指揮官「・・・」ギリッ!


三笠「おいお前達!」


新米指揮官「ゲッ」


三笠「上官に対し何と言う態度をしているんだ!」


新米指揮官b「チッ」ダッ


新米指揮官「おい!待てよ!」ダッ


指揮官「・・・」


三笠「・・・大丈夫か?」


指揮官「・・・はい。」


綾波「・・・指揮官」


指揮官「気にするな」


綾波「・・・はい。」


三笠「彼の言う通りだ。しょせん新米の戯言に過ぎない。」


指揮官「んじゃ。」


三笠「またイベントが終わったらな。」


        ~ファミレス~


綾波「指揮官。」


指揮官「ん?」


綾波「そう言えば私達の鎮守府の建造所って基本立ち入り禁止ですよね。何かあるんですか?」


指揮官「・・・まぁ色々な。」


綾波「指揮官何か隠し事多いですね。」


指揮官「・・・機密事項が多いからな・・・特に俺達の鎮守府は。」


綾波「・・・」


指揮官「・・・飯、冷めるぞ。」モグモグ


綾波「・・・納得いかない・・・」モグモグ


        ~鎮守府~


綾波「・・・う~ん・・・何かあったりしないですかねぇ・・・」


ウェールズ「綾波?」


綾波「」ビクッ


ウェールズ「調べ物?珍しいわね。」


吹雪「楽しそう!混ぜてー!」


綾波「面白くはないですよ?」


ウェールズ「何か重要なものなのか?」


綾波「・・・ちょっと気になる事があったので・・・」


ウェールズ「気になること?」


綾波「ちょっと色々あって前から気になってたことを聞いたんですけどほとんど教えてくれなかったんで調べてるんです。」


ウェールズ「・・・」


綾波「昔の事調べたら色々出てくるんじゃないかな~っと。」


ウェールズ「昔?」


綾波「指揮官が来る前の話です。前任が居たらしいですが詳しく分からないんで・・・」


ウェールズ「へぇ・・・」


吹雪「・・・」ジー


ウェールズ「どうしたの?」


吹雪「これ!」


ウェールズ「・・・リュウコツについて・・・?」


綾波「・・・!あっ!ありました!」


ウェールズ「有ったって、何が?」


綾波「鎮守府記録!」


ウェールズ「・・・そんなもの有ったの!?」


綾波「昔に廃止されたやつですけどね。これを探してたんですよ!」


吹雪「・・・嫌!」ダッ


ウェールズ「あっ・・・」


綾波「・・・私の姉がすみません。」


ウェールズ「大丈夫よ。それにしても昔からあんな感じなの?」


綾波「・・・はい。とりあえず見ましょう!」


ウェールズ「・・・そうね。」


綾波「・・・」


              ~少女黙読中~


綾波「・・・これって・・・どう言うことですか?」


ウェールズ「直接話を聞くしかないわね。」


       ~執務室~


(^´!ω)ヒャッハー!クリーナーズは消毒だぁぁ!


綾波「失礼します。」


ウェールズ「・・・」


(^´・ω)ん?どしたの?


綾波「・・・」ドン!


(^´・ω)・・・こりゃ・・・まーた古くさい本持ってきたね・・・


ウェールズ「ここが昔特異点だったってどう言うこと?」


(^´・ω)・・・見たのか・・・


綾波「はい。」


(^´・ω)全部?


ウェールズ「えぇ。」


(^´・ω)・・・そっかぁ


綾波「一から説明してくれません?」


(^´・ω)うーんどこから話そうかな・・・


綾波「特異点が及ぼすリュウコツ等の影響についてからお願いします。」


(^;´・ω)・・・こりゃまた難しい話を・・・まぁ良い。特異点てのは何もリュウコツだけに影響を及ぼす訳じゃない。様々なものを歪ませる。


ウェールズ「それってどう言うこと?」


(^´・ω)俺なんかが良い例だ。


綾波「え?それってどう言うことですか?」


(^´・ω)昔、ここに視察の名目で出張したときがあったんだ。


        ~数年前~


指揮官『・・・あ~呉寒ぃ・・・つか何かクッソ騒がしいな・・・何事?・・・あ?』


見えたのは鎮守府だったところが抉れた様な大穴が開き、何やら不思議なものができた光景だった。


指揮官『・・・何だあれ?変な奴やな・・・何かヤバそうだが・・・』


指揮官『まさか・・・特異点か・・・?』ダッ


        ~特異点前~


指揮官『デケェ・・・てうお!?』ズルッ!


指揮官『ウワァァァァァァァ!』


グキィ!


指揮官『背中痛ァ!?』


指揮官『・・・何だこりゃ・・・鎮守府バキバキやんけ・・・まぁ中に生存者がいるかもしれないし・・・入るか。』


       ~鎮守府内~


指揮官『・・・中は外からは考えられないほど綺麗だな・・・外と中がまるで別世界だ。』スタスタ


・・・タス・・・ケテ・・・


指揮官『・・・何だ?』


・・・ダレ・・・カ・・・


指揮官『どこだ!?』ガラッ!


???『・・・助け・・・て・・・』


指揮官『・・・!』


そこには重傷の二人が倒れていた。一人は意識すらなく、いつ死んでもおかしくない状態だった。何より、リュウコツの損傷が酷かった。


指揮官『・・・耐えてくれよ・・・』ヨッコイセ!


???『・・・』


指揮官『・・・さて・・・確かこんなのを散々閉じてる友人に教えてもらってたっけ。特異点の出方と閉じかた。』


グググ・・・


指揮官『とりあえず潰される前に脱出だな。』ダッ!


綾波「・・・まさか・・・その二人って・・・」


(^´・ω)綾波と吹雪。お前達だ。


綾波「そんな・・・!私達は大本営建造の艦じゃ・・・!」


(^´・ω)・・・それも詳しく話そう。


指揮官『・・・さて・・・外に出れた。』


???『・・・』


指揮官『救護班!救護班!?居ないか!?』


衛生兵『何だ!』


指揮官『こいつ等の手当てを!』


衛生兵『分かった!』


指揮官『・・・じゃぁ俺は・・・あの特異点を閉じるとするか・・・』スタスタ


       ~特異点~


指揮官『オラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!』


バリィン!ガッシャァン!


指揮官『特異点の心臓部位を叩いて砕く!』ブン!


ドォォン!


指揮官『うぉ!?』


・・・


ウェールズ「・・・そしてその姿になったと。」


(^´・ω)恐ろしいほどの力を得たが代償に俺は本来の体を失った。特異点汚染現象。これはリュウコツにも人体にも起こりうる物だ。


綾波「・・・それと私達の関係性は?」


(^´・ω)言ったろ?特異点は物の性質を歪ませる。そしてリュウコツは特にその影響を強く受ける。当時はその事が分かってなかった。


綾波「・・・」


(^´・ω)その結果だ。リュウコツの心臓部位ともなる部分は幸いにも二人ともほとんど無事の状態だった。だがその他の部位は壊滅的で心臓部位を残し後は全て他のリュウコツに変えたんだ。


綾波「・・・ッ!」


(^´・ω)結果として・・・この様だ。今でも特異点汚染は治らず俺達の鎮守府で建造される娘達は何らかの異常を抱えて生まれる。


綾波「・・・!」ガチャ!


ウェールズ「綾波!」ガチャ!


(^´・ω)・・・


綾波「・・・私の姉を返して!」


(^´・ω)・・・


綾波「何が特異点汚染ですか!何が当時はその事が分かってなかったですか!結局は大本営が都合の良いようにやった結果じゃないですか!」


(^´・ω)ッ・・・


綾波「だからお姉ちゃんもあんな風になったんですか!」


(^´・ω)・・・・


綾波「今でも根強く残ってるんですか!」


(^´・ω)・・・


綾波「返して!返してよ!」


ウェールズ「綾波!」


バシン!


綾波「・・・!」


ウェールズ「指揮官は何も悪くない。」


(^´・ω)いや・・・俺の責任だ。俺は当時、特異点汚染の研究も兼任していたんだ。もっと理解が追い付いていればこんなことにはならなかった・・・!


ウェールズ「・・・指揮官」


綾波「・・・」


(^´・ω)綾波。撃ちたければ俺を撃て。憎んでいるんだろ?俺の事・・・


綾波「・・・」


(^´・ω)・・・


綾波「・・・」パッ


ガラン!


(^´・ω)・・・


綾波「・・・失礼しました」


ガチャ!バタァン!


(^´・ω)・・・


ウェールズ「・・・特異点汚染の研究者ってどう言うこと?」


(^´・ω)文字通りの意味だ。セイレーンの研究段階で関係性が証明された特異点の研究を行っていた。閉じるのはまた違う部門の人間だったがな。


ウェールズ「・・・」


(^´・ω)素人が無理矢理閉じた結果もろに特異点汚染を受けた。そしてこの様だ。


ウェールズ「何でここにまた鎮守府が再建されたの?特異点汚染の影響は残ってるんでしょ?」


(;∨ω)・・・


ウェールズ「指揮官?」


(;∨ω)・・・元帥閣下の命令だ。


ウェールズ「閣下の?」


(;∨ω)・・・実験だそうだ。昔の話だ。


(;^!ω)『どう言うことですか!?』


元帥閣下『言った通りだ。』


(;^!ω)『あんなところで鎮守府を立てるなど・・・どれ程の特異点汚染者が出ると・・・!』


元帥閣下『・・・何を言ってる。』


(;^?ω)『・・・?』


元帥閣下『人が特異点汚染の影響を受けることは少ないんだろ?なら良いじゃないか。艦艇何かいくらでも作れる。』


(;^!ω?)『・・・・』



(∨ω)・・・あの人はお前達をしょせん実験用のモルモットとしか見ていないんだ。


ウェールズ「・・・」


(∨ω)・・・まぁ・・・上層部はそうとしか考えてないやつしか居ないだろうが・・・


ウェールズ「・・・」


(∨ω)・・・まぁそんな上に従って、今まで黙ってた俺も俺だが・・・


ウェールズ「・・・」


(ω∨)何なら今からでも異動届出してもらっても構わない。


ウェールズ「・・・指揮官。」


(ω∨)・・・何だ?


ウェールズ「・・・大丈夫よ。私はずっと貴方の側に居る。」


(ω∨)・・・そう・・・か・・・それじゃ・・・ちょっとあいつ止めてくる。


ウェールズ「・・・あいつって・・・?」


(ω・´^)綾波だ。


ガチャバタン


ウェールズ「・・・少し嫌な予感がするんだけど・・・」


        ~鏡面海域付近~


綾波「・・・さて・・・無理矢理にでも特異点汚染の治し方・・・吐かせますか。」


(^!ω)おーい!ちょっとぉ~!待ってくれ~!


綾波「・・・何の用ですか。指揮官。」


(^´・ω)お前こそ何する気だ。


綾波「無理矢理にでも特異点汚染の治し方を吐かせます。」


(^´・ω)一人でか?


綾波「・・・これは私個人の問題です。」


(∨ω)・・・


綾波「分かったら指揮官は帰ってください。」


(^`・ω)待て!


綾波「・・・何ですか!」


(^`・ω)そんなに死にたいのか!?


綾波「・・・死ぬ気はありません。ただ戻させるだけです。」


(^´・ω)・・・そう言うところは昔の俺に似ちまったのか・・・


綾波「貴方に何がわかるんですか!」


(^´・ω)・・・


綾波「姉妹艦は皆居ない!そして今まで上層部のモルモットとして扱われてたなんて知った私の気持ちなんか!指揮官何かにわからないでしよ!」


(∨ω)・・・知ってるから今ここに立ってる。


綾波「・・・」


(∨ω)俺も綾波と同じ立場なら今頃お前と同じことをして居る。


綾波「・・・」


(∨ω)俺には・・・昔、親愛なる友人が居た。だけどそれは少しの人にしか見えない。その友達を・・・昔亡くしたんだ。人を信じられなかった俺に味方してくれた数少ない友達を・・・ほとんど兄弟姉妹同然だった。それを・・・目の前で・・・助けられるはずだったのに・・・


綾波「・・・」


(∨ω)綾波・・・頼むからこれ以上俺から大切な仲間を奪わないでくれ・・・


綾波「・・・」


(∨ω)・・・それに・・・残された吹雪はどうなる?


綾波「!」


(∨ω)・・・皆悲しむぞ。


綾波「・・・」


(∨ω)元を辿れば俺の勝手な行動が原因だ。俺を憎んでもらって構わない。だが綾波、これだけは約束してくれ。


綾波「・・・」


(∨ω)他の奴を悲しませるような真似はしないでくれ。


綾波「・・・指揮官・・・」


(∨ω)・・・帰るぞ。


綾波「・・・はい。」


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