2019-03-14 05:29:27 更新

2017年10月3日(火) AM:13:00


守山 黒百合旅館(もりやまくろゆりりょかん)の近くの公園


千棘 「えっ?鹿乗り?」


山中さん 「はい。

当旅館の本日の次の観光スケジュールは、

この鹿公園で、鹿に乗って頂く事です。

この公園の鹿は、

全てに背中乗りと手綱(たづな)が付いていますから、公園内の鹿を自由に選んで、乗って下さい。」


千棘 「わぁ〜〜、面白そう〜〜〜!」


楽 「鹿は凡高(ぼんこう)の飼育場にも居なかったからな、俺も楽しみだぜ。」


小咲 「鹿乗りなんて、初めてだねるりちゃん。」


るり 「そうね。」


蒼也 「鹿乗りか………まあ、任務の息抜きにはなるかもしれんが、俺はアメリカで何度も乗馬した経験もあるからな。

今更鹿程度、遊びにしか感じないね。」


鶫 「まあ、そうだな。」


山中さん 「ああ、それと。

公園内の鹿達の中には数匹、特別な鹿もいます。」


楽 「ん?特別な鹿?」


山中さん 「3匹だけ、角(ツノ)がハートの形をした鹿(しか)がいます。」


千棘 「えっ?ハートの形?」


山中さん 「その鹿達は、他の1人乗り様の背中乗りしか取り付けられていない他の鹿達と違い、二人乗り様の背中乗りが取り付けられています。

その鹿に男女2人で乗ると、その男女の恋が上手く進展すると言われています。」


楽 「なっ!」


鶫 「何と………」


羽(ユイ) 「そんな鹿がいるんだ………」


千棘 (………そのハートの形の角(ツノ)をした鹿………)


万里花 (むむ………これは………)


千棘&万里花 (絶対に楽 楽様と乗らなくては!)


楽 「………おい集、さっきの良縁鯉(りょうえんごい)に続いて、

これって………偶然じゃあねーよな?」


集 「ああ。実はこの黒百合旅館(くろゆりりょかん)は、京都で1番カップルから人気がある、縁結びのイベントがいくつもある、

良縁旅館(りょうえんりょかん)なんだ♪」


楽 「やっぱ、そういうのか………」


集 「お前と桐崎さんの半年記念を盛大に盛り上げようと思って、俺のコネをフル活用したんだぜ?

桐崎さんとめい一杯、進展しろよ?」


楽 「へいへい。ありがとーな。」



山中 「では、今から次のスケジュールの場所に移動する15:30(午後3:30)までの2時間半、どうぞお楽しみに下さい〜〜。」


楽 「さーて、俺を乗せてくれる鹿(シカ)を探すかーー。」


小咲 「行こう、るりちゃん。」


るり 「ええ。

ほら、集君も行くわよ。」


集 「はーい、るりちゃん〜〜。

是非とも、そのハートの形の角(ツノ)をした鹿(シカ)に2人で乗ろうね〜〜。」


るり 「私は別にいいけど。」


集 「えっ!?そんなあ〜〜(泣)」


るり (………ホントは、あなたとだったら乗るのは悪くないけど。)


鶫 「蒼也、どちらが鹿を乗りこなして、早く走れるか私と比べてみないか?」


蒼也 「おっ、いいなそれ。

一般人の彼等はともかく、普通に乗るだけじゃあ、俺とお前はつまらないしな。」




そして、それぞれの鹿(シカ)探しは始まり………


千棘 「むぅ………鹿は何匹か見つけたけど、ハートの角(ツノ)をした鹿は中々見つからないわね〜〜。」


千棘は数匹の鹿を捕まえた後、1人でボヤいていた。


シルフ 「じゃあ、私が鹿達にハートの角をした子はどこか、聞いてあげよった?」


千棘 「あっ、シルフ!

あんた、いつの間に星匣から出たの?」


シルフ 「だって、折角(せっかく)京都にまで連れて来て貰ったのに、電車の中からずっと星匣(ほしはこ)の中だったんだもん。

きっと、レオンやメガオンやブウロやレムも、おんなじ事思ってるわよ。」


千棘 「そっか………あんた達、契約星獣からしたらそうだよね。

ごめん………

それより、どういう事なの?

あんたが鹿達に聞くって?」


シルフ 「私が、鹿達と会話すればいいもの。」


千棘 「えっ?あんた、鹿(シカ)と会話なんて出来るの?」


シルフ 「そりゃ、出来るわよ?

私達星獣も、星の光の化身ってだけで、

結局は動物だからね。

鹿(シカ)だけじゃ無くて、動物の言葉なら大体分かるわよ。」


千棘 「すっごーい!!

よし、シルフ。

早速この子達に、ハートの形の角(ツノ)をした鹿はどこか、聞いてみてよ!」


シルフ 「はいはーい。

えーっと、そこのあなた、少し訪ねたいんだけど………」




その頃、万里花は………


タッタッ


万里花 「鹿(シカ)さん!もっと早く走って下さい!ちんたらしてたら、桐崎さんに先を越されてしまいますわ〜〜〜!」


ピシッ


鹿A 「バゥ〜〜!」


万里花は手綱(たづな)を強く叩いて、乗って走っていた鹿(シカ)を加速させた。


万里花 「レム。本当にこの先に、ハートの形の角をした鹿さんがいらっしゃるのですわね?」


レム 「うーん、ムニャムニャ………

うん。この子は、そのハートの角の鹿とは友達みたいだから、間違いないよ〜〜。

ムニャムニャ………」


万里花 「待ってて下さい、楽様!

今日はハートの形の角をした鹿(シカ)さんにあなたと2人で乗り、桐崎さんからあなたを奪ってみせますわ〜〜!」


タッ タタタッ




その頃、楽は………


楽 「ほーら、鹿。俺を乗せてくれ〜〜、

餌(エサ)もやるぞ〜〜?」


鹿B 「バゥッ!」


ガブリュ


鹿C 「ほーら、そこのお前〜〜、お前は俺を乗せてくれるよな〜〜?」


鹿C 「バウウッ!」


ズバァッ


楽 「………やっぱり俺は、鹿(シカ)にも懐かれねーのか………(泣)」


レオン 「やれやれ………やっぱり、楽に懐く動物はペイルだけなのかねぇ………」


楽 「そうかもな。」


千棘 「あっ!見つけたわよ楽ーー!」


万里花 「らーくーさーまー!!」


楽&レオン 「?」


振り返った、楽とレオンが見たものは………


第147話 完







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