艦これss 冬谷「また、海へ征く君に」6
繋がったそれは、淡く、甘く、紅い。
1部最終回です。2部はとりあえず呉鎮守府に行く〜佐世保鎮守府を出る位の範囲です。
登場人物
緋瀬 冬谷 14歳 男
本作の主人公。
黒髪黒目で毛先が赤みがかっている。
純高ミスリル製の鉄パイプ(重さは30㎏)を2本持っている。
愛知県から艦娘の妹を探しに、舞鶴へ行っている。天然女たらし。
菊月の想いに気付く。
誕生日は7月29日。
睦月(本名 緋瀬 結会) 12歳 女
冬谷の実の妹。横須賀鎮守府所属。
元々は一般人だったが、幼少期に記憶を消され、艦娘になった。
そのせいか、今の睦月は上手く艤装を展開出来ない。
艦娘コードネームは駆逐艦睦月型1番艦 睦月。練度は63。
誕生日は7月23日。
菊月 11歳 女
舞鶴鎮守府所属。
とても静かな性格をしている。
数ヶ月前に姉の如月を亡くしており、そのショックで感情をほぼ表せなくなった。
鎮守府に住み着いている猫と遊ぶのが日課。
冬谷の事が好きになった。
好きな物はチョコ。嫌いな物は納豆。
艦娘コードネームは駆逐艦睦月型9番艦 菊月。
練度は58。
誕生日は5月15日。
舞鶴提督 24歳 男
舞鶴鎮守府所属の提督。
とても部下思いで此処の鎮守府での轟沈数は横須賀鎮守府などに並ぶ0回。
五月雨とケッコンカッコカリをしている。
しかし、カッコカリとは思えない程仲が良い。
誕生日は6月2日。階級は少佐。本名は萩 幸一。
その他艦娘達(また別のでまとめて紹介します)
6話 約束、純白、届け、貴方に。
チュッ
冬谷「んんん⁉⁉!!!!」ビックリ
菊月「ん…ふぅ…」カオアカ
冬谷「…菊月、本当に大丈夫か?」
菊月「……すまない。今の私は、本当におかしい。…すまない…」タッ
ガチャバタンッ
冬谷「……」スッ
手には、雪だるまのキーホルダー。小さい頃、母にもらった物だ。
冬谷「……きく…づき…」
俺は、何もできずに立ち竦んでいた。
〜廊下〜
タッタッタッ…
菊月「ハァ…ハァ…ハァ…」タッタッタッ
やってしまった。好きとも何とも言わず、冬谷の布団に入り込み、挙げ句の果にはキスして逃げてしまった。
菊月「ハァ…ハァ……嫌われた、かな……」ポロッ
……今日は、長月の所で寝よう。冬谷に、合わせる顔がない……
〜長月の部屋〜
長月「……寝るかな…」
コン コン
長月「(誰だ?こんな夜に…)どうぞ。」
ガチャッ
菊月「…」
長月「どうした、菊月?」
菊月「……今日、こっちで、寝させて…」ナミダノアト
長月「…あぁ。いいぞ。」
菊月「ありがとう…」
長月「(冬谷か…?)すまない、菊月。ちょっと用事ができた。寝ててくれ。」スッ
菊月「…分かった…」
ガチャバタン
〜母港〜
冬谷「……」
……眠りたく、ない……
「おい、冬谷」
冬谷「…何か用か、長月」
長月「…菊月と、何かあったか」トナリスワリ
冬谷「分からない…いきなり…キス、された…」
長月「…それは、菊月が、自分のはじめてを渡したいほど、冬谷が好きだからやったんではないのか?」
冬谷「そうだとしても、俺は…分からない。俺が、菊月を好きになっていいのか…」
長月「…こんの…」コブシニギリ
長月「馬鹿ッ!」ナグリ
冬谷「痛ってぇ!」ナグラレ
長月「お前はあんだけ人にとやかく行っておいて自分となるといきなりふにゃっとなる!どんだけヘタレなんだお前は!」
冬谷「ちょ、ヘタレはないだろヘタレは!」
長月「うるさい黙って聞け!菊月がどれだけお前の事を好きか分かるか!お前に菊月が自分から過去を話して、それをお前が認めて、慰めた!菊月はお前のそういう所に惚れたんだろう!」
冬谷「ぐっ…」
長月「うちの妹を誑かした責任はしっっっかりとって貰うぞ!」ズンズンズン
冬谷「……」
誑かした責任、か…
冬谷「……いつの間にか、喝をもらっていたな。」
〜次の日〜
舞鶴提督「……え、いいの?今日出ちゃって。まだいてもいいんだよ?」
冬谷「お気遣いありがとうございます。でも、大丈夫です。ただ…」
舞鶴提督「?」
冬谷「最後に一回、菊月と二人きりで話をさせてください。」
舞鶴提督「…あぁ、分かった。」
冬谷「では、ありがとうございました。」
パタンッ
〜菊月、冬谷の部屋〜
菊月「……」
冬谷の荷物が、昨日と違って揃えられている。
行ってしまうのか…
菊月「……ハァ…」
ガチャッ
冬谷「…菊月」
菊月「!!と、冬谷…」
冬谷「……」ズンズン
菊月「え、ちょ、何をーー」
チュッ…
菊月「んんん⁉⁉⁉」カオアカ
冬谷「…」
菊月「ん〜〜!んん〜!」
冬谷「……ぷはっ」
菊月「はぁ…はぁ…何で」カオマッカ
冬谷「昨日のキスの答えだ。」
菊月「……嫌じゃ、ないのか?」
冬谷「嫌じゃない」
菊月「嫌ったりしないか?」
冬谷「しない」
菊月「……じゃあ、改めて、言わせてくれ。」
菊月「冬谷、私は君が好きだ。」
冬谷「……ありがとう。でも…」
菊月「…っ」
冬谷「今はまだ待っててくれ。俺はやらなければいけない事がある。」
菊月「……」
冬谷「……じゃあな。」スッ
パタンッ…
菊月「……」
こんなので、終わり?
違う。先延ばしなんて、
嫌。
菊月「っ!」ダッ
〜舞鶴鎮守府、正門前〜
冬谷「……」スタスタ
「待って!」
冬谷「!…菊月…?」
菊月「ハァ…ハァ…」
冬谷「…どうした?」
菊月「まだ…答えを聞いていない。」
菊月「答えの先延ばしなんて、嫌!」
冬谷「……そうか……」
冬谷「…俺は、」
冬谷「菊月の事、好きだ。」
菊月「…あり…がとう…ひっく…」ボロボロ
冬谷「…」ダキヨセアタマナデナデ
菊月「ふぅ…うぁぁぁぁ…」ボロボロ
冬谷「…菊月。」
菊月「…何、だ…」
冬谷「はい。」つ雪だるまのキーホルダー
菊月「…これは…?」ウケトリ
冬谷「約束。俺がここに戻って来るまで、それを大切に持っていてくれ。」
約束の証みたいなもんだ。と、冬谷は言う。
菊月「…冬谷」ポイッ
冬谷「んぉ、何だ…」パシッ
投げられたそれは、菊月のであろう三日月のキーホルダー。
冬谷「うぉいこれ、いいのか…」
菊月「約束。次に私と会うまで、それを持ってて、返す時、私の恋人になってくれ。」
約束の証だ。とそっくりそのまま返された。
冬谷「…ふふっ」
菊月「…ははっ」
冬谷「菊月、じゃあな。」
菊月「あぁ、冬谷。」
ザッザッザッ…
〜道中〜
冬谷「…とりあえず次は、呉鎮守府、かな…」
三日月のキーホルダーは、少し温かい。
主砲のキーホルダーは、少しひんやりしている。
冬谷「…よし、行こう」
二つの証を持ち、俺は進んだ。
〜舞鶴鎮守府、正門前〜
菊月「……」
雪だるまのキーホルダーは、無垢な笑顔で私を見つめる。
菊月「…行ってらっしゃい。」
冬谷、菊月「「……また逢う日まで」」
ー6話・終ー
1部が終わりました。
2部もお楽しみにして下さい。
舞鶴提督「舞鶴鎮守府の提督だ。」
8「伊8です…」
舞鶴提督「艦これSS第1部が終わったな。」
8「お兄ちゃん、格好良かった…」
舞鶴提督「冬谷君の事『お兄ちゃん』って呼んでいるんだ…」
8「うん、呼びやすいし…」
舞鶴提督「そうか。さて、第2部では、冬谷君が次の目的地、呉鎮守府へ!」
8「情報によると、お兄ちゃんのお友達も出るって…」
舞鶴提督「そうなのか。それじゃあ第2部を待たないとな!」
8「うん…それじゃ、」
二人「「またねー」」ノシ
本当に面白いストーリーです!
時々自分もこういうストーリーになれたらなと思ってしまいますw2部も楽しみにしてまーす