2019-03-26 23:54:27 更新

概要

明淀ってなんかいいよね?
上記に同意できる方に向けた
短編(長い)となります

視点が交互しているのでご注意ください


前書き

(注意)
夕張好きな人やラブコメ(勘違い系)が
苦手な方はブラウザバック推奨です

今回は長めになってしまいましたので
ご注意を

某毎号パーツが付いてくるシリーズは
最初に定期購入(一括払い)すると
シリーズが休刊になった場合
残りのパーツが一纏めで届くと
ネットで見ましたのでそういう設定


伊良湖

「あの〜明石さん?

そろそろ決めて頂かないと…」

明石

「ウェイッ!ウェイト、プリーズ

伊良湖ちゃんもう少しだけ、お願いっ!」

ここは甘味処間宮

戦場に身を置く

艦娘達の心と胃袋のオアシスを自負している

入ってすぐにあるショーケースには

色とりどりな菓子(宝石)達が並べられている

そんなショーケース前を明石が占領して

かれこれ5分は経っただろうか

伊良湖

「ですが〜、そのぅ

他のお客様がお待ちになっておりますので…」

チラチラ

明石

「…いやでも、ボリュームを取るか…しかし、」

ブツブツ

伊良湖

「(ショーケース越しのここからは

お客様"達"の顔がよく見えます)」ハハハ

しばらくの間、伊良湖の顔は蒼かったそうな





大淀

「ちょっと明石、あなたまたやってるの?」

間宮に着くとショーケースに

明石がへばり付いていた

大淀

「ごめんなさいね皆さん

伊良湖さん季節の盛合せ一つ

ほら、行きますよ!」

明石が大事そうに握っていた間宮券を

剥ぎ取り伊良湖に渡すと

明石

「あ〜、ケーキも捨て難いのに〜(泣)」

子供の様に抗議してくる明石の腕を掴み

大淀

「い い か ら 来 な さ い」

一睨みして大人しくなった明石を

引き摺ってテーブル席へと着いた


白雪「お待たせしました

こちら季節の盛合せセットになります」

人手が足りない時に動員される

お手伝い(アルバイト)の白雪が

注文した品を持って来た

大淀

「あら?今日は白雪さんでしたか?」

記憶にあるシフトでは確か…

白雪

「そのぅ…初雪ちゃんに代打を頼まれまして…」

困った顔をする白雪にコーヒーを頼むと

すぐに厨房へと戻って行った


大淀

「苦労しますね、お互い…」

白雪の背中にそっと労いの言葉を送る

明石

「なんふぁひった?」

先程の抗議はどこへやら

幸せそうにタルトを頬張りながら

明石が問いかけてきた

大淀

「全く、どうせ最後には

それに落ち着くんだから

さっさと注文すればいいでしょうに…」

明石

「ム…、せやけど工藤っ!

確かに、確 か に ワイはこの盛合せが好きや

愛しとる言うても過言や無いで…

せやけど、せやけどな…」

今、目の前でどこかの工藤さんに

自らの優柔不断さを力説する艦娘は

工廠においてはあらゆる判断を瞬時に下し

有無を言わさず実行する

そう、"まるで別人"なのである

未だ続く関西弁での熱い自分語りをBGMに

大淀

「(どっちが本当の明石なんだろうな)」

ぼんやり考えていた


間宮を出て明石と別れ

執務室へと戻る道中

夕張が由良を拝んでいるのが目に入った

由良

「夕張、あなた開けもしない

ダンボールを幾つ増やすつもりなの?」

呆れた声で問い質す由良に

ひたすら低姿勢で話す夕張から

デ○ゴスティーニと言う単語が拾えた

明石がお金ではなく

券を使っていたのはこの為か

納得は出来無いが事情は分かった

これはまた無心に来るのだろうなと

既に姿が見えなくなった由良と夕張に

少し未来の自分と明石が重なる気がした





明石

「ハァ…、今月残り5日かぁ、どうしたものかな」

暗くて先の見通せないハイウェイの様な

未来に軽く絶望していると

ルンルン気分のメロンが工廠に戻って来た

懐具合は同じはずなのに…

明石

「えらく明るいけど

何か良い事でもあったの?」

間宮に行く際に別れた時とは

まるで別人な事を思い出して尋ねてみる

夕張

「んっふっふ〜、聞きたい?聞きたい?

ん〜、どうしよっかなぁ〜」

イラっとしたので

持っていたスパナを振りかざすと

手近にあった溶接面で応戦してくる

夕張

「スティッ、ステーイ、テイクイージー

ヒッヒッフー?ヒッヒッフー?」

溶接面越しにラマーズ法を促す

メロンに呆れ戦闘態勢を解除する

明石

「まったく…で、何があったの?」

持ってたスパナを工具箱に戻すと

イスにかけた夕張が

幸せ一杯といった笑顔で語り出した

夕張

「えっへへ〜

由良にね〜事情を〜話したらさ〜

ご飯作ってくれるらしくてっさぁ

本当持つべきは天使だよねぇ〜」

ニヤニヤと幸せそうに惚気出した

明石

「ア〜サイデスカ」

夕張

「サイじゃないよ?天使だよ」

何言ってるの、コイツ?

みたいな目で心配そうに見つめられる


諸々の思いを込めた

クレーンを想像上のメロンへ振ると

想像上のメロンは場外ホームランになった

少し溜飲が下がったので

夕張に指示を出し作業を再開する事にした





珍しく定時に業務が終了したので

明石を夕食に誘う事にした

お金が無いと断わられたが

一人分も二人分も

作る手間は変わらないと言うと

半泣きで抱き付いてきた

天使がどうとか涙声でよく聴き取れない


二人での夕食を終え

大して見るものも無いTVを二人で見ていると

アルバイトのCMが流れた

明石

「ん〜、バイトしよっかなぁ…」

食後特有の気怠い状態の明石が

独り言を漏らす

大淀

「また何か買物でもしたの?」

二人だけで居る時は知らず知らず

砕けた物言いになってしまう

明石

「ん、ちょっとね…」

珍しく濁す、まぁ深く追求する気も無いが

大淀

「衝動買いも程々にしときなさいよ」

明石

「あ〜、今回はそうじゃ無いんだ…

ま、計算間違って苦しんでるから

ヨドの言う通りなんだけどね」テヘへ

全くズルいものだ

あんな顔をされると強く言えなくなる…


大淀

「で、どうするつもりなの?

あなた、アルバイトなんて出来無いでしょ」

明石

「いや〜、それがそうでも無くてさ

鎮守府で一つだけ自分を活かした

バイトがあるんだよね」

大淀

「初耳ね…

バイトまでして稼いでアレだったわけ?」

明石を睨みながら過去を振り返る

明石

「いやいや!

しょっちゅうある訳じゃ無いから

相手次第だからさ」

大淀

「相手?」

明石

「そうそう提督サン」


当鎮守府の提督は

表向きはホワイトではあるが

裏で艦娘に

様々なバイトを斡旋している

間宮でのウエイトレス等もその一つである

故に当鎮守府には

様々な副業に就く艦娘がいる


とは言え明石に回される様な仕事は

見た事は無い

となると秘密にする様な

何かがあるのだろうか?

少し探ってみるか…

大淀

「あなたが出来る事って?」

明石

「う〜ん…ご奉仕?(徹夜残業的な意味で)」

大淀

「ごっご奉仕っ?!(夜戦的な意味で)」

まるで落雷を受けた様なショックを受けて

思わず訊き返してしまう

明石

「あーうん、肉体奉仕だよ(設備補修は)」

大淀

「肉体っ!?(組んず解れつ的な)」

信じたく無い、明石が

提督と夜戦を共にする間柄だったなんて


ウチの提督は女性の為

全く考慮して来なかったが

これだけ人数が居ると

数人の阿武ノーマ…

もといアブノマールが

出てきても不思議では無い

よりにもよって明石がその数人で

更に提督とアブノーマル・アクティビティに

勤しんでいたのは計算外だったが…


大淀

「に、肉体で何をしてるんですか?」

明石

「何ってそりゃあ二人だから

組合せたりとか(組立等で)」

大淀

「組合っ!?(ナ○ティブ体操的な?)」

明石

「提督が突っ込んできたりとか(お給金を)」

大淀

「つつつ突っ込む!?(♀♀で?)」

明石

「そうそうビショ濡れになった

アレ(クーラーの配管を見ながら)

を一日に何度も剥いた事もあったな」トオイメ

大淀

「ビショ濡れを剥く!?(ナニを?)」





さっきから大淀の様子がおかしい

何だかよく分からないが

こちらの発言に酷く

ショックを受けている様だ


何かおかしな発言をしただろうか?

会話を振り返ってみる…

が、思い当たる節が無い

明石

「(いやまてよ…

そうか他の施設部所担当官が

副業で臨時収入を得ていたわけだ…)」

導き出される答えは…

明石

「(大淀も稼ぎたかったのか!)」テーレッテレー!

自らの推理力が少し怖くなるが

納得のいく答えを見つける事ができた

過去に何度もピンチ(金銭的な)を

助けて貰っているんだここは一つ


明石

「そんなに欲しい(お金)なら

ヨドも一緒にやる?(バイトを)」

大淀

「一緒にっ!?(♀♀♀ってことっ!?)」

大淀の顔が完全に茹で上がった

明石

「ちょっとヨド顔真っ赤だよ熱でもあるの?」

大淀の額に自分の額を合わせる


ベリーホット直訳:とても熱い


明石

「熱が有るのに何で黙ってたのよ!」

急いで氷を取りに行こうとすると

大淀

「駄目っ!」

大淀が手を掴み制止する

す、凄い力だ、思わず大淀を見る





ただでさえ爆弾発言に

翻弄されていたところに

急な接近戦を仕掛けられた

大淀

「(あーもう思考が纏まらない

私は何してたんだっけ?え〜とえっと?)」

明石が何か言っている

立ち上がって何処かへ行こうとする

大淀

「駄目っ!」

思わず叫んで明石の腕を掴んでいた





明石

「ヨド?」

大淀が動かないので

必然こちらも動けない訳で

どうしたものかと大淀を見る

その目は私だけを映している

他に誰も居ないのだからそりゃそうだ

どれくらいそうして

互いに向き合っていただろうか

急に大淀がハッとして手を離した

大淀

「あ、あのごめんなさい

でも本当、何でも無いの病気とか

そう言うのじゃ無いからっ!」

そう言われても

向き合う顔は未だ真っ赤なまま

強引にでもメンテするべきなのだろうか?





大淀

「あ、あのね明石?」

明石

「う、うん?」

大淀

「私は、その…え〜と…」

良い機会だ言ってしまえ

頭の中で誰かがそう言っている気がする

だが声に出そうとすると

理性が邪魔をする

明石

「本当に大丈夫なの?」

明石の手が頬に触れる


理性は敗北した


大淀

「明石、私はあなたと2人がいい!」





大淀が何か迷っている

いい機会だ頸動脈も念の為診ておこう

大淀に伸ばした手が頬に触れる

大淀

「明石、私はあなたと2人がいい!」

唐突に大淀が伝えてきた

明石

「え、あ、うん…2人…でね」

人手は多いに越した事は無いのだが…

まぁ肝心の大淀がそう言うのだ、仕方無い

明石

「分かったよ、ヨド」





耳を疑った

明石がOKを出したのだ

信じられないっ!

随分長い時間をかけて


今、漸く私の想いは届いたのだ


体の奥から喜びが溢れて来る様だった

明石

「そうなると今日は早いところ寝とこうか

明日の分まで…」

そう言って明石はお茶を片付けて

自分の部屋へ戻って行った

大淀

「最初から焦らしプレイだなんてっ」

その夜は遅く迄寝付けなかった

翌日、昨日より少し遅くの終業となり

頃合いを見計らって明石に連絡すると

22:00に工廠へ準備してから来て欲しい

と返ってきた

少し時間がある一度部屋に戻って

着替えとシャワーをしておこう

念には念を…だ


自室への道中

夕張が由良に

正座させられているのが目に入った

由良

「昨日の今日でなんで

ダンボールが増えてるの?」

由良にしては珍しく語気が荒い

夕張

「違うの聞いて、これは前々回の

そのまた前の、あ?いやもう1つ前の

シリーズが休刊になったからで…」

何やら修羅場の様だ

普段なら嗜めるところだが

生憎とこちらには今日

"譲れない"予定が有る

別の階段にルートを変更して

部屋に帰る事にしよう

遠ざかる間聴こえていた

必死に説得を試みる夕張の声に

少しだけ罪悪感を覚えた


21:54

約束の時間まであと少しだ

最終チェック始めっ

歯磨き、ヨーシ

シャワー、ヨーシ

化粧は最低限、ヨーシ

香水、ヨーシ

服はクリーニング済、ヨーシ

下着、ヨーシ

準備、ヨーシ

さあ夜戦だっ!!

意気込んで工廠の扉を潜る





明石

「お、来たねヨド」

5分前行動、日本人の鑑だね

うんうんと頷いていると

大淀がすぐ側までやって来た

気のせいか歩き方がパレードに出てくる

歩兵部隊の様になっている

昨日の今日だ

やっぱり調子悪いのだろうか?

明石

「ヨド修理したほうが…歩き方変だよ?」

念の為大淀に聞いておく

大淀

「え?な、あ痛

な、何でも無いの本当、うん」

そう言って鬼怒のポーズを取るが

顔が赤い、昨日程では無いが…

明石

「それなら良いけど調子悪くなったら

ちゃんと言ってよ?

私の本業そっちなんだから」

そう忠告して

用意しおいたアレを大淀に渡した





明石

「ハイ、これ」

明石に何かの袋を手渡された

大淀

「これは?」

明石

「その格好だと汚れるからね」にこっ

ああ、明石が

私の為に態々用意してくれたのか

感動しつつ袋を開けると


作業着

「やあ」


大淀

「アカ…シ…コレハ?」

明石

「ん?作業着だけど?それよりヨド

喋り方可笑しいよ深海棲艦みたい…ぷふ」

大淀

「アカシキョウノヨテイハ?」

明石

「何?それまだ続けるの?

今は良いけど作業中は止めてよ?

マジで、ぷぷ」

ハッキリと聴こえているのに

脳に意味が伝わって来ない

明石「いや〜でもヨドも運が良いね

提督に設備補修のバイト聞いたら

急ぎの件があるからって、大歓迎よ?

おまけになんとお給金3割増し!

いや〜聞いてみるもんだね

?ヨド?呆けちゃってどうしたの?」

………

……


その後はよく覚えていない

作業服に着替えて

明石の指示に従っての肉体奉仕活動

バラしたり、組合せたり、調整したり

作業で濡れる事は無かった様だ

03:30頃だったろうか、作業終了の立会時に

提督がポケットにお給金袋を突っ込んでいった





夕張

「う〜、明石ぃ…

何幸せそうな顔してんのさ?」

不機嫌さを隠そうともせず夕張が聞いてくる

昨日(今日の早朝)思ったより早く

バイトが終わった為少しとは言え寝れた上に

懐も潤った、思わず顔に出ていたか

明石

「ん?聞きたい?聞きたいの?

ん〜どうしよっかなぁ〜?」

この前の仕返しとばかりにおちょくっていると

メロ、夕張が溶接面を掴んだ

明石

「ステイ、ステイ、テイクイージー!

シュッドゥ、テイク、ア、ディープブレス

オーケー?」

足下にバールの様な物があるのを確認しつつ

説得を試みると

ガチャン

夕張の動きが止まり溶接面が手から落ちる

そして突然大泣きを始めた

夕張

「うぇ〜〜んあぁんまりだぁーーっ!」

涙と鼻水で顔をグシャグシャにしながら

海防艦ですら引きそうな声で暫く泣いていた

普段が普段なだけに自業自得と

思わないでもないが流石に可哀想になったので

理由を聴いてやる事にした

夕張

「うぅっぇっぐ

わだしあーから、使って無いもん!うわーん」

そうか…まあ知らない人にはそう見えるか

タイミングが悪かったんだよ夕張…

今度バイト入ったら誘ってやるから

と慰めていたら

大淀が由良を引き連れて工廠に来た


由良

「その、夕張ごめんなさい」

開口一番由良が夕張に謝る

大淀

「昨日、寮で見かけた時の事を

由良さんから伺ったのですが…

以前、明石に同様の事を聞いていたので

説明しておきました」

由良

「あなたの言う通りだった

大淀さんに教えられて

その…非道い事してしまって…許して夕張」

しばし呆けていた夕張だったが

少しずつ喋り出す

夕張

「もう怒っでない?」

由良

「怒ってないよ!私の方が…悪いんだから…」

夕張

「口きかないって言ったのは?」

由良

「撤回するわ、ごめんなさい」

そこまで確認すると

夕張は由良に飛びついた





明石

「しかしタイミングバッチリだったねヨド」

明石がお茶受けのクッキーを齧りながら言う

大淀

「まあ昨日少し言い争いを見掛けて

気にはなっていたから…」メソラシ

嘘は言ってない、だって

"知らん振りした事が後ろめたくて"

気になっていた訳だから

明石

「けど、あんなに泣くのには引いたわ〜

由良への依存度高過ぎ…大丈夫かな?…夕張」

珍しく明石が夕張の心配をしている

そんな些細な注意と言えど

明石の心が他人に向くのはいい気がしない


明石

「!」

顔に出ていたのだろうか

明石が何かに気付いた様な素振りで

こっちに向き直った

明石

「ちょっと早いんだけど、まあいっか」

そう言うと奥から綺麗にラッピングされた

何かを持って来た

明石

「この前さ、何に使ったか聞かれたでしょ?

時間迄黙ってるつもりだったけど

夕張達の事もあるし誤解されるのも嫌だから

今渡すね」

そこで改めてこちらに向き直ると

明石

「…大淀、竣工日おめでとう!」

そう言って明石が

大きな包みをテーブルに置いた

テーブルの出した音を聴く限り

かなりの重さの様だ

大淀

「!!…あり…がとう…明石…」ぽろぽろ

中身が何かよりも身を削ってまで

私の為にプレゼントを用意してくれた

気持ちに感極まった

明石

「あ!?ちょ、やだな大袈裟だって…」

明石が戸惑っているのを見て

慌てて涙を拭う

大淀

「ごめんなさい

少し思うところが有ったものだから…」

明石

「まあ喜んで貰えたなら

苦労した甲斐もあるよ…ハハハ」





大淀

「…開けても?」

大淀が遠慮がちに聞いてくる

勿論、その為にプレゼントしたのだから

笑顔で肯くと大淀が丁寧に

ラッピングを剥がしていく

焦れったい…

そこはもっとビリビリーっと

一気に行けば良いのにと思っていると

大淀の動きが止まり

そしてしばらくすると

震え出した

そうか、そうか、そんなに嬉しかったのか

プレゼント選びに悩みに悩んだ

苦労が報われるというものだ





大淀

「明石…これは?」

包みを剥がして出てきた物について質問する

明石

「ん?ヨドってドイツ語駄目だったっけ?

そっか、えっとこれはねドイツの…

あ、私達が艦だった頃から在る工具メーカーの

限定ボックスレンチセットだよっ!!」

体が意図せず震え出した

明石はとても良い笑顔のままだ

恐らく喜びに打ち震えているとでも

思っているのだろう





大淀

「あ〜か〜し〜」

大淀に名前を呼ばれる

明石

「何何?」

嬉しくなって返事をする、が…

ん!?

なんか大淀の様子がおかし…

ガシっ

唐突に両肩を掴まれる

大淀

「あなたは…女性へのプレゼントに…

何を選んでいるのかしら?」

え?

え?

え?

だって

このメーカーの

このボックスレンチセット

2000セット限定で

ドイツ製で

頑丈で

高くて

スペシャルなのにーっ!

明石

「何が気に入らないのっ!?」

………

……


あれからというもの大淀は暇が出来ると

やれ服だの

化粧品だの

アクセサリーだの

インテリアだの

理由を作っては毎度ショッピングへ

連れ出しにかかってくる

当鎮守府の明石さんは

休日はダラダラ寝て過ごしたい派

だというのに…


今はアクセサリーを買ってきて

大淀の部屋で寛いでいる

台所でお茶を用意している大淀は機嫌が良い

あれだけ歩き回ったのにタフだよなぁ…

テーブルに突っ伏し

購入したアクセサリーを眺める

こんなチャチな物(ブツ)に

諭吉さん3.5人とは

もう金属だけのアクセくらいなら私が作るよ?

いやマジで…

心の中で愚痴っていると

大淀がお茶を淹れてテーブルに戻ってきた


大淀

「はい明石、お疲れ様」

良い笑顔だな

掛け値無しにそう思う

休日さえゆっくりさせてくれれば

非の打ち所が無いのにな

テーブルに伏しているので

胸に目がいく…訂正…1つ追加で

ギュッ

明石

「い、痛ゃい何するのヨド!?」

突然頬を抓られた

大淀

「今何か失礼な事考えた!…でしょ?」

明石

「ひょ、ひょんなほほ無ひひょー」

大淀

「いいえ!それぐらい判るわ!」

図星だったので為されるがままにする

その時アレが目に入る

使わないと意味無いだろうに…

部屋の壁にはボックスレンチセットが

上手くインテリアに収まっていた





おまけ1

とあるバイトのシフト目録編


白雪

「あ、あの初雪ちゃん

お仕事にはちゃんと出ないと駄目だよ?」

初雪

「ん〜モッチ(望月)に遊び誘われたから…

モッチがわr…ん?」

白雪が何かに怯えて?…いる

ガシッ

唐突に鷲掴みにされる初雪ヘッド

チャララーチャラリー(某任侠映画のBGM)

ギギギ

腕力で強引に顔の向きを変えられる

提督(女)

「仕事と遊び

どっちが大事なんじゃろーな?」

初雪

「し、し、仕事…で」ブルブル

初雪のシフトが倍になった





おまけ2

名前の違う同製品てあるよね編


夕張

「ふっふ〜ん聞きたい?聞きたいよね?

どうしよっかなぁ〜w」ニヤニヤ

またメロンが挑発してきた

この前の一件以降1週間程は静かだったのだが

(それはそれで気味が悪かったが)

喉元過ぎれば熱さ忘れる、とは

正にコイツの事だなと舌打ちする

だが振るうのが物理ばかりでは芸が無い

ワレハギジュツガウリノコウサクカンダー

はいボイスコレダー!テッテレー


説明しよう、ボイスコレダーとは

ボイスの衝撃(メンタル的な意味で)

で敵を倒す武器なのだ

本名:ボイスレコーダーさん


明石

「ポチッとな」

夕張

〈うぇ〜〜んあぁんまりだぁーーっ!〉

作業中の妖精達や工廠に訪れている艦娘が

一斉に振り返る

夕張

「!?!?くあふせfjk?!?!」

大パニックになる夕張にニヤリと笑う

そう、さっきのは脅し…

皆、何かは聴こえたろう…が

大小様々な音が入乱れる工廠では

それが何かまでは分かっていない

だが…


レコー…、コレダーの

音量ボタンに指を掛ける

夕張はすぐに意図を察し両手を上げた

明石

「ククク初めてやったが…

思ったよりも気持ちがいだっ!?」

突然頭を叩かれ

コレダーを取り上げられる

大淀

「あ〜か〜し〜」

明石

「ひぃっ!」

その後、工廠の入口で二人揃って

反省の正座をさせられた





おまけ3

酒匂 無理 と思う


〜食堂〜

酒匂

「ぴゃんっ!?」

阿賀野

「わ?どうしたの酒匂?」

酒匂

「期待してたらすごい肩透かし?された様な?」

阿賀野

「あははは何よそれ、怖すぎるー

どこかの軽巡改ニじゃないんだからさ〜」アハハハ

龍田

「あら〜どこの軽巡改ニの事なのかしら〜?」

アイツシンダナーナノデスショクドウデアバレナイデーフフコワグスツ

阿賀野・酒匂

「「ぴゃぁーーー!?」」

………

……


能代

「今…凄い殺気がした…様な?」クビカシゲ

矢矧

「奇遇ね私もよ…」

能代・矢矧

「SMT!(酒匂 見事 助かっていて!)」


……

………

阿賀野

「チーン」大破

酒匂

「阿賀野ちゃーん!」




艦?



後書き


ドーモミナサン
サクシャ・サンデス


今迄は照れ臭くて
ちゃんとした後書きからは
逃げていましたが
今回のお話しは
少し思い入れがあり
書く事にしました

まずは少し補足を

2度目の夕張が怒られてた理由が
少し分かりにくいかもしれないので

一括で購入
夕張:財布が軽くなったので相談

怒られる(1回目)

休刊になった分のパーツが届く
由良:怒ったばかりなのにまた
お金を使ったと勘違い

怒られる(2回目)
作中で上手く説明挟めなかったので
すいません


明石をドイツメーカー贔屓にしたのは
史実で艦内にドイツの工具(?)
があったらしいので
ボックスレンチセットなのは
使わない人が貰った場合
場所取る、重い、出番無いなので


何故か"あぶのーまる"の第1候補が
阿武ノーマルだったのです(本当)
阿武隈はノーマルなのか違うのか…
ちなみに"あぶのーまる"なんて
変換したの初めてですよ?


提督(女)のビジュアルイメージは
黒髪にしたガングートです
上着肩掛け女性の強者感よ


今回のお話しにはえらく時間がかかり…
具体的には
某アニメのイカ○マト△ンプの回を見て
隼鷹に巻き上げられる瑞鶴が浮かび
それを発表してみたいなぁという
欲求からロム専だったここで
アカウントを取り
その頃スタートしました


その時期(翔鶴サンのお話し作りより前)
では原題と出だしだけの試作でした


形が出来て来るにつれて
交互視点でやるのもいいか
勘違いで匂わせるけど全年齢に収めたい
等、縛りが増えて思う様に進まず
(おまけの阿賀野型のSMTの頭文字での
縛りとか段々辛くなってきましたw)
お蔵入りかなぁとも思っていたんですが
何とか出来上がりました
いやぁ感慨深いものですね


軽い気持ちで始めた明淀ですが
終わってみたらえらく
長い話になっちゃいまして驚いてます


長々と書きましたが
読んでもらいありがとうございます


そうそう
知らない間に過去3作が合計1000PV
越えてました
当初は100いけばいいなぁ程度だったので
これまた驚きです
こちらも感謝しております



さてさて

くくく…
このくらい偽装すればいいか…?
長々とした文に飽き
早々に立ち去った者には
ここはわかるまい…

という訳でこの後書きを書いた
もう一つの理由は

小ネタを隠し要素にしよう
(おもいつき)

と思ったのも有りマース
(寧ろこっちが本命の理由)
では最後にちょっとした小ネタをどうぞ



君の数値(ね)は

明石:鈍感系主人公
鈍感 99
勘違い99
悪ノリ55
推理 03
金銭 07

大淀
「ないわー」




別腹

明石
「ん?ヨドさぁこれ(本文)見ると
中身は何でもいいって言ってない?」
大淀
「それはそれ、これはこれ」




金銭感覚

大淀
「ところで、この工具いくらしたの?」
明石
「☓□万円」
大淀
「は?」キョウガク
明石
「え?」コンナモンデショ?


明石
「その(洗濯大変そうな)服おいくら?」
大淀
「☓○万円」
明石
「は?」イッチャクノネダンヨ?
大淀
「え?」ソーヨ?




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2019-04-16 01:50:41

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