深海棲艦〔いぇーい〕
ある輸送船への襲撃から始まった事件に纏わるお話です
伊58が好きな方は
ブラウザバックをお願いします
それ以外は大丈夫…そう思います
今回はツイッターが題材です
提督は顔が厳つくて表情が硬いので
誤解され易いタイプです
今更ですがおもいつきのSSでは
「」:肉声
「()」:心中
[]:紙や物質に書かれた文字等
〈〉:電子音や機械が発する音
〔〕:画面等に電子的に表示される文字列
↑な感じでおおまかに括弧を分けております
*必ず括弧付きとは限りません
それではどうぞ
比較的浅い大陸棚
浅いと言ってもやはりそこは水底
暗く闇がただ、ただ広がる
唐突に蒼い光が産まれる
それは連鎖的に増えていく
光が一斉に海上(空)を向く
1つ、また1つと光達が浮上を始める
光
「アア…ヤットキタ…
コレデワタシタチモ、アノセカイヘ…」
海へと零れ落ちる太陽光(煌き)が
少しずつ闇の形を浮かび上がらせていく
それらは一様に頭上へとその手を伸ばしていた
………
……
…
その頃、海上では1隻の船が
希望(願望)を載せて航海(走って)いた
提督
「おすすめに何かないかな?ん?」
執務の間に一息つく
お茶を飲みながらスマホを手に取る
依存症では無い、今は休憩中…そう休憩中
大事な事なので2回だ
提督
「名前が…深海棲艦…?
全く、こっちが必死に戦ってるのに
平和ボケの連中は…」
どんな時代にでもいるものなんだなと
ある意味、感心していると
ピロン
深海棲艦
〔鎮守府沖〇〇kmなう
嫌がらせに砲撃しちゃお(キャハ〕
………
……
…
提督
「下らん、何処ぞの馬鹿のつ…」
ドカーン
ウーウーテキシューカー?ウーウーホウゲキナノ?ウーウー
提督
「なん…だと?」
サイレンと喧騒の中
暫し我を忘れてしまった
………
……
…
着弾箇所の調査が終わり
哨戒を厳とする事で
鎮守府は平静を取り戻した…が
提督
「調査結果と照らし合わせて
例の○イッターの発言とタイミングが
一致してしまった…」
提督
「深海棲艦にもゆとり世代とかいるのか?」
口で冗談を言いつつも
頭では考えを纒める、そんな時だった
摩耶
「提督、今いいか?」
提督
「ん?どうかしたのか摩耶?」
何やら顔がヤン…、憤懣遣る方無い摩耶が
執務室へやって来た
摩耶
「こんな事されて黙ってるなんざ
舐められるだけだっ!」
摩耶
「やられた事は"倍返し"
愛宕姉ちゃんが"いつも"言ってるだろ?」
嘘〜ん、愛宕って
ゆるふわなイメージなんだけど?
実際は武闘派だったの?
ちょっと、いや、かなりSHOCK!
提督
「その意見も分からんでもない…」
だが襲撃を受けて間もない
守りを疎かにする訳には…
摩耶
「人員の事なら心配いらないぜ
高雄姉ちゃんが守備に穴の出ない様に
面子を見繕ってくれたからな!」
高雄もか!この流れだともしかして鳥海も…
摩耶
「責任はアタシが取る
だから提督、頼む!」
珍しく頭を下げてまで頼んでくる摩耶を
無下にする事等出来ようか?
摩耶
「…」
ギロッ
…いや無理
断ったら後が恐いとかでは決してない
あくまでにら…、真剣な眼差しの求めに
応えるだけなのである
…違うからな?
提督
「いいだろう…目に物見せてやって来い」
出された書類にサインだけすると
摩耶は直ぐに出撃しに執務室を後にした
静けさを取り戻した執務室で
再びツイ○ターに目をやる
提督
「確証はまだ無い、でもまあ一応
何時でも見れる様にしておくか」
提督
「ん?リプがついてるな何何…」
イ級
〔マジワロタ〕
ワ級
〔スカッとしますた〕
提督
「…なりきり……だよなぁ?
イ級に至っては入力できんだろうし…」
提督
「そういえば…」
ポワポワ(回想表現)
〜回想…1週間程前〜
睦月
「うう、ごめんなさい護衛失敗しちゃったの」
輸送船護衛任務に着いていた睦月達が
ボロボロの状態で報告に来た
提督
「そうか、まぁお前達や船員が
無事だっただけ僥倖としておこう
…積荷は何だった?」
睦月達には悪いが
被害額に内心ガクブルな訳でして
如月
「目録を取り寄せないとそこまでは…」
提督
「それもそうだな
お前達は報告書を出しておいてくれ
俺は上にお叱りを受けてくる」
席から立ち、出かける準備をする
三日月
「申し訳ありません、司令官…」
提督
「かまわん、その為の上官だ」
とは言え上官殿のお小言長いんだよなぁ…
長月
「司令官、1つだけいいか?」
提督
「どうした?」
まだ何かあるの〜?重いのは勘弁してよ?
長月
「気のせいであればいいのだが
異様な迄にしつこい連中だった
そう、まるで欲しい物でもあるかの様な…」
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
〜現在〜
提督
「まさかな、ハハハ」
ピロン
提督
「!更新された!」
口で否定しつつも目を離す事が出来ない
くやしい、でも見ちゃう
深海棲艦
〔当番回って来た待つのだるい〕
スッ
戦艦水鬼
〔わかるー〕
スッ
タ級
〔来るなら来るで、さっさと来い。つーの?〕
提督
「…なら邪魔してんじゃねーよっ!」
帽子を机に叩きつける
提督
「こっちが準備を重ねて、道中どれだけ
お祈りしてるかわかってんのか?えぇオイ!」
スマホに対して怒鳴りつけている事に気付き
思わず辺りを見回してしまう
こんなところ誰かに見られでもしたら
危ない人のレッテルを貼られてしまう
提督
「…と、いかんいかんこれはなりすましだ
そう、呟く深海棲艦などはいない…
いてたまるか…ハハハ」
胸に手を当て深呼吸をして笑い飛ばし
自身にそう言い聞かせるも
呟きは続くのであった
今現在、鎮守府襲撃を受けて
やる気マンマンな連中(ウーマンだがな)が
御礼参りに向かっているのだが
何やら嫌な予感がする
提督
「報告通りならそろそろ
敵主力に会敵する頃だろうか…?」
スマホ
〔ピカピカピカピッカー〕
提督
「ん?スマホが…まさか?」
ピロン
深海棲艦
〔たった今追い返し龍田www〕
スッ
カ級
〔ザマァwww〕
スッ
ロ級
〔ばんじゃ〜い(/・ω・)/〕
スッ
小鬼
〔キキキw〕
提督
「ギギギ…」
大淀
「提督、失礼します」
大淀が急いだ様子で執務室へとやって来た
大淀
「報告します、中破艦が出たのですが…
撤退で宜しかったでしょうか?」
当鎮守府では余程の事が無い限り
中破撤退を徹底している
提督
「うむ、それでいい…時に大淀
艦隊に龍田はいたか?」
大淀
「…はい、中破したのは龍田ですが
もうお耳に入っていましたか…?」
♫問うと答えが 直ぐに くるYO 大淀有能
深海棲艦 呟く OH! Do you know? HO HO HO♫
提督
「ん、ああ、ちょっと…な」
深海棲艦がそう呟いていました
何て言ったら信じるかな?
無理だろーな!ハハハ
大淀
「それとこの前の積荷の件ですが
被害額が最も大きかったのは
スマートフォンだったそうです」
目録を受け取ると
確かにスマートフォン○00台とあった
大淀を下がらせ1人になると
天を仰ぎ目を閉じる
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
長月
「まるで欲しい物でもあるかの様な…」
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
提督
「本物…だったのか…」
途轍もない脱力感が全身を襲う
とりあえず小鬼共は□ね
提督
「これは1士官には手に余る案件だな
上に報告せねば」
提督
「上官達に一蹴されてしまった…
そりゃそうだよなぁ
俺だって上官殿の立場なら
取り合ってすらいないだろうし」
徒労に終わった報告を孤独に嘆いていると
ピロン
深海棲艦
〔いぇーい〕
輸送船?の冷蔵庫内で敷き詰めた缶詰を
ベッド代わりに寝そべる写真
提督
「…悩みなんて無さそうだなーコイツ…」
疲れた心にこれは堪える…
っと、いかんいかん
スッ
ホ級
〔炎上案件キター〕
スッ
ヲ級
〔物資にイタズラは流石に引く〕
スッ
集積地
〔集めたブツの評価下がるからマジやめろ〕
提督
「ヲ級も筆談(?)なら出来るのか…」
目から鱗である
提督
「それにしても深海の奴等に
良識(?)があったとは意外な発見だ…」
炎上後、少しの間だけ
深海棲艦は大人しかったが
またすぐに呟きを再開
叩きまくっていたフォロワー達も
綺麗さっぱり忘れたのか
3日ですっかり元通りの呟きへと戻った
提督
「お前等全員、鶏頭かっ!」
提督
「今日の書類終わりー、あー疲れた」
大きく1つ背伸びをする
提督
「これからはプライベートタイムだから
大丈夫、大丈夫…っと」
2回言い、スマホを取り出す
スマホ
〔(どうぞ、○イッターに御座います)〕
ピロン
深海棲艦
〔本日のオシゴトおわりー〕
スッ
ハ級
〔おつかれー〕
スッ
浮遊要塞
〔おつかれチャン〕
提督
「コイツ等この前あんなに叩いていたのに
何でこんなに普通なんだ?」
余りの変わり振りに頭を撚っていると
執務室のドアが乱暴に開かれる
ガチャッ
伊58
「オラッ!報告書でち」バサッ
唐突に入って来て報告書を机に投げ置き
ゴーヤは直ぐに出て行った
提督
「ゴーヤの奴今日は大人しかったな…」
ビクビク
嵐(嵐じゃないよゴーヤの事だよ)
が過ぎ去ったのを確認すると
ツイッ○ーに視線を戻す
提督
「それにしても労いのリプが結構あるな…
羨ましいこった」
先程のゴーヤを思い出し自然と溜息が出る
提督
「スマンな潜水艦の皆よ…」
重労働をさせているのは分かってはいる
だがしかし
提督
「資源はそこにあるのだ、行け艦娘よ!」
星の屑の様な数を消費する連中が
問題なのであって
断じて俺が悪い訳では無い
提督
「俺は悪く無い、俺は悪く無い…!」
ブツブツ
提督
「食堂はゴーヤと会うのが恐いし
今日はカップラーメンでも食うか…」
年頃の娘を持つとこうなるのかと
世の親父の心中を察する
湯を注ぎ終え、スマホを手に取ると
最早生活の一部となつつある
アレの確認をする
提督
「タイマーをかけて…と
ツイッタ○の方はどうかな?」
ピロン
深海棲艦
〔コンビニ寄ったら
異様な色香の店員ハケーン〕
鹿島の店員姿の写真
提督
「これはっ!…保存っと」
キョロキョロ
ピロン
深海棲艦
〔も1人追加のゲキ☆シャ〕
加賀の店員姿の写真
スッ
タ級
〔ボインボインw〕
スッ
レ級
〔何歳だよお前(藁〕
スッ
タ級
〔藁とか使ってる化石に言われたくねーよ〕
スッ
スッ
スッ
提督
「レスバトルが始まったか…
いいぞそのまま、又炎上してしまえ!」
ヒャッハー
スッ
スッ
…
提督
「チッ、ブロックしやがった
…今回は反応早かったな」
熟れてきた対応に思わず毒づいてしまう
提督
「とは言え、2度目の騒ぎだ
これで少しは大人しくなるだろう…ザマァ」
スマホ
〈ピピピ(お時間に御座います)〉
提督
「お?出来たか、いただきます」
ズルズル
ピタッ!プルプル…ブルブルっ
提督
「…し、しまったァーーっ!!」
迫真
バンッ!
箸
「(ギャッ!?)」
乱暴に箸を置くと大慌てでスマホを取る
提督
「加賀の写真の保存…と」
キョロキョロ
提督
「あれからツ○ッターを見続てはいるが
戦闘に役立ちそうな発言は流石に無い」
提督
「ん?おすすめにあるこれは…?」
羅針盤娘
〔本店から当たり入れ忘れってメール来た
しょうがないので暫く外れさせる〕
提督
「お前もかっ!」
おまけ1
周囲の目編
伊168
「最近の提督…スマホ見てばかりだね」
伊58
「独り言をブツブツ言ったり
突然キレたり笑ったりかなり"キテる"でち」
伊401
「確か、輸送船の件で
上から叱られたあたりからだよね…」
伊8
「まさか提督がパワハラを受けてる!?」
………
……
…
提督
「最近ゴーヤ以外の潜水艦達が
俺に優しい…一体どうしたんだ?」
おまけ2
間違い電話編
提督
「ツイ○ターは、と…」
ピッ
提督
「特に更新は無いな」
スマホ
〈プルルル(お電話にございます)〉
提督
「ん?知らない番号だな…もしもし」
港湾
〈△ハンテンサン?ラーメン6ツ、
チャーハン6ツ、レバニライタメ5ツ、
カラアゲ10オネガイシマス〉
ほっぽ
〈オネーチャン、ギョーザ!〉
港湾
〈スイマセンギョーザ10ツイカデ〉
提督
「…電話番号間違えてますよ」
港湾
〈アラヤダ、ゴメンナサイ///〉
スマホ
〈ツーツー…〉
提督
「…」
提督
「2人分…だと?」
おまけ3
酒匂 まだ ツイッターやってない編
能代
「ぴゃんっ!?」
ピョン
阿賀野
「どしたの?能代」
キョトン
能代
「な、何でも無いわっ!
きき気にしないでね?阿賀野姉!」
ソソクサ
阿賀野
「?」
クビカシゲ
〜台所〜
能代
「(ゃやゃやぁばい!出来心で上げた
イタズラ描きした阿賀野姉の
寝顔写真がバズってる!)」
アワワワ
能代
「すす直ぐに消さないと!」
アセアセ
〜茶の間〜
阿賀野
「矢矧…さっきから
何こっち見て笑ってるのよ?」
ムスッ
矢矧
「ぷぷっだって…阿賀野姉よね?これ」
スマホ見せ
阿賀野
「「「 ! 」」」
阿賀野
「能代ォーーッ!?」
台所の戸ガラッ!
酒匂
「ぴゃあっ!阿賀野ちゃん?」
ビクッ
阿賀野
「SMT!
(さっき まで 確かにここに居たはず!)
酒匂!能代知らない?」
般若顔
酒匂
「能代ちゃん?ならさっき凄い勢いで
走って出て行ったよ?」
ブルブル
阿賀野
「能代ォー!逮捕だァアッー!」
ダダダッ…
酒匂
「何があったの?」
ボーゼン
矢矧
「ぷぷ、これ見てよ酒匂」
スマホ見せ
その日、鎮守府中を駆け巡った
阿賀野と能代の追撃戦は苛烈を極めた
アークロイヤル
「ハハハ、昔を思い出すな?ビスマルク」
ニッコリ
ビスマルク(天然)
「背後(後ろ)につくなって
いつも言ってるでしょーがっ!?」
ビクビクッ!
艦?
ピロン
ヲ級
〔キャラ作りとは言え、普段
"ヲ"しか言えないのはとても不便〕
提督
「キャラ作りなのかよっ!!」
ピロン
ヲ級
〔でも今更喋り出したら
総スカン喰らいそうで言い出せない〕
ピロン
ヲ級
〔毎日が辛い…(´;ω;`)〕
提督
「…」
スッ
権力の犬
〔ありのままの自分を受け容れてくれる
誰かを見つけて下さい
きっと何処かであなたを待っていますよ〕
………
……
…
暫く後、海辺を共に歩く
色白な女の子と提督似の男性が噂になった
提督
「ん?姉"ちゃん"?」
摩耶
「忘れろっ!/// 」
潜水艦のとこは1期仕様で
補正しておいてくだちい
深海棲艦は軽巡棲姫のイメージです
なんとなく、そう、なんとなく
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