東方宴会劇 3章 まだら雲の上で
あらすじ
みんなで宴会しようぜ
注意点
東方Projectの二次創作です。原作設定との乖離やキャラ崩壊が見受けられるかと思いますがご了承ください。以上の点をご理解頂いたうえで読んでいただけると幸いです。
一言
神作です。(神が出てるので)
では、参りましょう。
〜妖怪の山・湖〜
諏訪子「準備よし、と。適当に始めますか。」
神奈子「どう、釣れた?」
諏訪子「あれ、神奈子。まだに決まってるじゃん。釣り始めてもないよ?」
神奈子「なんだ、まだ始めてないのかい。」
諏訪子「って神奈子は山菜採りどうしたのさ。明日の宴会に間に合わせないといけないんだから早く取りに行きなよ。」
神奈子「そんな焦らなくてもいいじゃないか。2人で魚釣って、2人で山菜採っても問題ないだろう?」
諏訪子「え、キモっ。」
神奈子「なにさ、たまにはいいじゃない。」
諏訪子「…まぁいいけど。」
神奈子「じゃ、隣失礼するよ。」
神奈子「それにしても、早苗ってば明日の宴会本当にはしゃいじゃって。」
諏訪子「本当にね。あの新聞を持って来た時の早苗の目!」
・
・・
・・・
~守矢神社~
早苗「神奈子様!諏訪子様!」
諏訪子「ん~?」
神奈子「どうしたのさ、そんなに慌てて。」
早苗「見てくださいよ、この新聞!」
神奈子「ん?『満月の夜に宴会開かれる』…。これがどうかした?」
早苗「これって信仰を集めるチャンスですよ!」
神奈子「…え?どういうこと?」
早苗「ですから、この記事だけだとどこで宴会開かれるかわからないんですよ。」
神奈子「あぁ、確かにそうだねぇ。」
早苗「ということは、私たちが宴会を開いてもいいんですよ!」
神奈子「え?え~と…」
諏訪子「つまり早苗が言いたいのは、どこで宴会を開くか言ってないなら私たちが宴会を開いてもいいだろ、っていうこと?それで、ここ守矢神社で宴会を開けば信仰の獲得になるってことね。」
早苗「そうです、そういうことです!」
神奈子「なるほどねぇ…。でもここで宴会を開いた所で人なんて来るかい?人が来なきゃ信仰の獲得にはつながらないと思うけど。」
早苗「普通に宴会を開くだけでは信仰の獲得にはなりませんね。おそらく他の所も宴会を開くと思うので。でも、山の妖怪の力を借りれば話は別ですよ。」
神奈子「山の妖怪ねぇ…。」
諏訪子「早苗、何か考えがありそうだね。」
早苗「はい!この新聞を見た瞬間ビビビッっときました!」
諏訪子「そっか。じゃあ私たちは邪魔しないように見守ってるよ。」
早苗「ありがとうございます!では、行ってきます!」ダッ
神奈子「ちょっ、早苗!」
諏訪子「はいはい、老害さんは邪魔にならないように行った行った。」
早苗「神奈子様と諏訪子様はいつも通り宴会の準備していてくださーい!」
ダッダッダッダッ
・・・
・・
・
神奈子「本当に、早苗の元気にはついていけないよ。」
諏訪子「おぉ、さすが婆さん。」
神奈子「あのねぇ…、諏訪子、あんたの方が年上でしょ?」
諏訪子「えー、わかんなーい。」
神奈子「まったく…。」
諏訪子「それにしても山の妖怪に協力を求めるって、誰に協力してもらうつもりなんだろうね。」
神奈子「そうだねぇ…、まず天狗は絶対にないな。」
諏訪子「だね、あいつは絶対にない。というより今回の事の発端はあの天狗だし。」
神奈子「となると…、まずは河童かね。」
諏訪子「あぁ、あいつらね。確かに発明を頼むならあいつらしかいないね。」
神奈子「あとは、誰かねぇ。」
諏訪子「厄神は?」
神奈子「厄神に何を頼むっていうのさ。私なら絶対に頼まないね。」
諏訪子「いや、そこは早苗だからさ。厄神とかそんな細かいこと気にしないって。」
神奈子「確かに。あとは…、あ、そういえば豊穣の神がいたね。」
諏訪子「あぁ、あの二人ね!あの二人なら宴会にうってつけだね。それにこの時期ならそろそろ力を蓄えててもいい頃合いだしね。」
・
・・
・・・
~河童の住処~
早苗「…なんですけど、どうですか?」
にとり「…それ本気で言ってる?」
早苗「えぇ、本気も本気です。にとりさんの発明力があればできますよね?」
にとり「いや、宴会は明日なんでしょ?これを一日でって…。」
早苗「いえ、大丈夫です!なせば成ります!」
にとり「いや、ならないよ!」
~妖怪の山・入口~
雛「私が宴会のお手伝い?」
早苗「はい!」
雛「いいわよ。私、宴会の準備とかあまりしたことないから楽しみだわ。で、何をすればいいの?」
早苗「とにかく食材を集めてください!では!」
雛「…」
雛(雑…)
~妖怪の山・麓~
早苗「…っていう計画なんですけど、どうですか?」
静葉「なかなか面白いことを考えましたね。」
早苗「それにこれが成功すれば私たちの信仰だけでなくあなた方二人の信仰が増えること間違いなしです!悪い話じゃないと思いますよ?」
静葉「確かに、そうね。」
穣子「いいんじゃない、お姉ちゃん?なにより面白そう!」
静葉「ええ、そうね。では、こちらからもぜひお願いします。」
早苗「ありがとうございます!」
・・・
・・
・
神奈子「まぁ早苗ならとにかくいろんな人に頼んでる気がするね。目的のためなら手段を選ばないというか…。」
諏訪子「なんかその言い方だと早苗が悪者じゃない?」
神奈子「じゃあどう言えばいいのさ。」
諏訪子「えっとね…、夢に向かって一直線!とか。」
神奈子「なんだいそれ。ちょっと意味合い変わってる気がするんだけど。」
諏訪子「でもなんか聞こえは良くない?」
神奈子「確かに。」
諏訪子「でも早苗なら妖怪の山にとどまらず…」
ピンッ
神奈子「ん?」
諏訪子「あ、きた。よいしょっと。」
ザバァ
神奈子「お、記念すべき一匹目だね!」
諏訪子「ん。」
神奈子「…なにさ、無感動だねぇ。」
諏訪子「明日は宴会だよ?魚いっぱいいるんだよ?」
神奈子「いいじゃないか、一匹目ぐらい喜んだって。」
諏訪子「慣れてくると一匹ぐらいじゃ喜ばなくなるなるの。」ヒョイ
神奈子「慣れは神をも駄目にする。」
諏訪子「うまいこと言ってないよ~。」
神奈子「で、さっき何を言いかけたのさ。」
諏訪子「え?」
神奈子「だから、さっき早苗が妖怪の山にとどまらずとか言ってたじゃないか。」
諏訪子「あぁ、それね。だから、妖怪の山だけじゃなくて人里とかにも行きそうだなーって。」
・
・・
・・・
〜人里〜
早苗「明日、宴会がありますよー!ぜひ、皆さん守矢神社に!!さぁさぁ、皆さんどうですかー!!」
里の人「守矢神社?遠いなぁ…」
早苗「はい、そういう声もあると思います。そこで革新的な提案をさせていただきます!」
里の人「提案?何かするんだ。」
早苗「はい!ですが、まだ秘密です。明日の宴会で発表させていただきます!」
里の人「お、そうすか。じゃあ、明日を楽しみにしてるよ。」
早苗「はい、よろしくお願いします!」
早苗「みなさーん、どうですかー!」
魔理沙「お、やってるやってる。」
早苗「あ、魔理沙さん。」
魔理沙「見た感じ、守矢神社でも宴会を開くんだな。」
早苗「はい!こんな絶好な機会を逃すわけにはいきません!信仰のためにも!」
魔理沙「出たよ早苗の怪しい宗教勧誘…。」
魔理沙「にしてもこの気合いの入れようだと相当な宴会を開くんだな。明日は紅魔館以上のご馳走でも出るのか?」
早苗「いえ、料理はおそらく普通ですよ。取り立てて面白い芸をするわけでもありません。」
魔理沙「え、じゃあ他に何が…。」
早苗「まぁ明日は宴会なので、楽しみにしててください!」
魔理沙「お、おう…。」
・・・
・・
・
神奈子「正直人里のことは私たちが下手に手出しするよりあの子に任せちゃった方がいいとは思うけどね。」
諏訪子「まぁね。こんなおばさん神様、人里にいるだけで迷惑だって。」
神奈子「…」
諏訪子「あれ、神奈子どしたの…?」
神奈子「…」
諏訪子「いやいや、そんなちょっとしたいじりじゃん。そんな本気で落ち込まないでよ。」
神奈子「……」
諏訪子「ごめんってばぁ…。」
神奈子「……ぷっ」
諏訪子「え?」
神奈子「いや、落ち込んだ振りしたらどうなるかと思ったけど、こうも簡単に引っかかるとはねぇ。」
諏訪子「うわ、神奈子のくせに…!」
神奈子「あー、面白かった。いつもはいじられっぱなしだから、たまにはいじるのもありだねぇ。」
諏訪子「この…、おばさん、おばさん!」
神奈子「はいはい、おばさんで結構。好きなだけ言ってな。」
諏訪子「ぐぬ…。」
神奈子「話しを戻すけど、早苗は大丈夫かね。」
諏訪子「早苗が?大丈夫でしょ。早苗に変なことする人なんていないって。」
神奈子「それは心配してないよ。その辺の人が早苗を襲ったって早苗が返り討ちにするだろうし、なんなら…」
神奈子「私がその身を粉々にしてくれるわ。」
諏訪子「うわ、出たよゴッドモンスターペアレント。」
神奈子「心配してるのはそっちじゃなくて妖怪とかの方。変な奴に絡まれてないかなーって。」
諏訪子「あ、そっち…。」
・
・・
・・・
~人里~
早苗「みなさーん、どうですかー!」
女苑「ねぇ、お姉ちゃん。あれ見てよ。」
紫苑「え?」
女苑「だから、あれだって。ほらあそこの巫女。」
紫苑「あれが、どうかしたの…?」
女苑「ったく、察しが悪いなー。今幻想郷全体が宴会ムードなんだよ?あの巫女だって宴会の宣伝してるに決まってるじゃん。」
女苑「これは、コバンザメのチャンス!」ダッ
紫苑「あ、待ってよ…!」ダッ
早苗「明日は宴会ですよー!」
女苑「へぇ、あんたのとこでも宴会やるんだ。ねぇ、私たちも行ってもいい?」
早苗「はい、もち…」
早苗「って、あなたたちは…!」
女苑「ども、依神女苑です!」
紫苑「依神紫苑です…。」
・・・
・・
・
諏訪子「まぁでも早苗なら何とかなりそうだけどね。あの子タフだし。」
神奈子「言いくるめも得意そうだしね。うちの神社の巫女やってるだけあって。」
諏訪子「うちの神社ってどんな神社なのさ…。」
・
・・
・・・
早苗「噂には聞いてますよ、ろくな姉妹じゃないって…。ダメです、私たちの宴会に来ないで下さい。っていうかあっち行ってください。」シッシッ
女苑「そんな会っていきなり邪険に扱わないでよ。最ッ低。」
早苗「好きなだけ言ってください。富を奪われるぐらいならごみ屑人間でいる方がマシですよーだ。」
女苑「あー駄目だ。この人優しさのかけらも無い最低人間だ。」
紫苑「宴会のごちそう…。」
女苑「ほら、このみすぼらしい子が食べ物ほしいって言ってるんだよ?同情の気持ちとか湧かないの?」
早苗「えぇまったく。博麗神社にでも行っててください。」
紫苑「…」
女苑「あーそこまで言うならわかったわ。宴会に誘ってくれないならあんたの隣にずっと張り付いてるから。二人で。」
早苗「はぁ!?やめてください!本当に迷惑ですから!」
女苑「なら宴会に誘って。」
早苗「はぁ…。」
早苗「わかりましたよ、宴会に参加していいですよ。」
女苑「よっしゃ!」
紫苑「やった…!」
早苗「ただし!」
紫苑・女苑「?」
早苗「働かざる者食うべからずです。なので私たちの宴会の準備、手伝ってください。」
女苑「えー、めんど。」
早苗「これは譲れません。でなければ神奈子様と諏訪子様に出ていただいて、あなたがた二人をけちょんけちょんにしますから。」
女苑「…わかったよ。」
紫苑「で、何をすればいいの…?」
早苗「今、妖怪の山の入口で厄神様が私たちの宴会の準備をしてくれてます。それを手伝ってください。」
紫苑「わかった…!」
女苑「はーい。」
・・・
・・
・
神奈子「そういえば、早苗は信仰のことばかり気にしてるけど、普通に妖怪が来ることは考えられないかい?」
諏訪子「考えられるね。とはいっても大体は他の会場に行ってそうだけど。」
神奈子「そういえば他はどこが宴会開くんだろうねぇ。」
諏訪子「知らないよ。でも、妥当なところで言ったら博麗神社とか?」
神奈子「あとは紅魔館とかかね。」
諏訪子「あぁ、そこもあった。あと、私たちと同じ考えで命蓮寺とか。」
神奈子「いいのかい。あそこは仏教だろう?酒は飲めないんじゃないのかい。」
諏訪子「どーせ戒律守ってる妖怪なんてほとんどいないって。」
神奈子「指導者はまじめなのに、悲しいものだね。まぁ命蓮寺は置いといて、他の所もいくつか宴会開くとなると、うちに来る妖怪はほとんどいないか。」
諏訪子「いや、意外な妖怪が来るかもよ~。」
・
・・
・・・
~妖怪の山・麓~
お空「お燐~、疲れたよ~。もう歩けな〜い。」
お燐「もう、しっかりしてよ。もう少しで着くんだから。」
お空「あれ、あそこに誰かいるよ。」
お燐「あれは、秋の神かな…。あ、ひょっとして宴会の準備かもね。」
お空「宴会!私、行ってくる―!」ダッ
お燐「あ、ちょっと!」ダッ
穣子「ふぅ、材料集めも大変だね。」
静葉「でも、偶然だけど前もってお酒の準備はしておいたからよかったんじゃないかしら。これに加えてお酒の準備となると大変よ。」
穣子「本当にね。明日に間に合いそうだし、よかったね。」
穣子「ただ、あれが…」
お空「どうもー!!」
穣子「…え?」
静葉「えっと、どちら様?」
お空「私、えと…、あ、霊烏路空です!」
静葉「えっと…」
お燐「はぁ…、はぁ…、ごめんなさい、急に。お空、あんたさっき歩けないって言ってたじゃん!なんで急に走るのさ…。」
お空「うにゅ?そんなこと言ったっけ?」
お燐「言ってたよ、もう…。」
静葉「あ、思い出した。古明地さんのところのペットさんね。空さんと…」
お燐「あたい、火焔猫燐です。」
静葉「そうそう、お燐さんね。」
穣子「なんで地底の二人がこんなところに?」
お燐「さとり様が、明日の宴会は守矢神社に行こうって言ったのよ。それで、守矢神社にあいさつしに行きなさいって言われて。」
穣子「なるほどねぇ。よく守矢神社が開くってわかったね。」
お燐「さとり様にわからないことはないからね。」
穣子「あぁ、はいはい。」
静葉「ねぇ、二人とも。もしよければでいいのだけど、宴会の準備手伝ってくれないかしら。2人だけじゃ大変で…。」
お燐「宴会の準備?あたい達は挨拶が…」
お空「宴会の準備?やるー!」
お燐「え、ちょっとお空!」
穣子「いいじゃん、挨拶は後からだって行けるし。ちょっとだけ、ね。」
お燐「まぁ、いいけど…。」
穣子「よし、決まり!じゃあ二人とも、よろしくね。」
お空「よろしくー!」
お燐「よろしく…。」
穣子「ラッキー、だね。」
静葉「えぇ。」
・・・
・・
・
神奈子「まぁ誰が来てもいいんだけどさ。特に選り好みはしないつもりだよ。」
諏訪子「私も、特にこだわりはないなぁ。」
神奈子「それにしても、宴会ねぇ…。」
諏訪子「なに、急にどしたの。」
神奈子「ほら、いつもは博麗神社で宴会やっているから開く側の実感がわかなくてさ。」
諏訪子「あ、それはわかる。準備とか久しぶりでどうしたもんかなって感じだよ。」
神奈子「まぁ、他の妖怪が手伝ってくれるから大丈夫かね。」
・
・・
・・・
~妖怪の山・入口~
女苑「ここねー、厄神のいるところ。」
紫苑「…大丈夫、かな…。」
女苑「なに心配してるのさ。適当に手伝っておけば大丈夫だって。」
雛「あら、あなたたちは…?」
女苑「ども、依神女苑です!」
紫苑「依神紫苑です…。」
雛「はじめまして、鍵山雛です。あなたたちはどうしてここに?」
女苑「早苗に手伝えって言われたから来たんだよね。」
雛「あら、そうなの。じゃあキノコ狩りしてるから手伝ってくれないかしら?」
女苑「やだ、魚釣りがいい!!」
紫苑「えっと、私はどちらでも…」
雛「…」
雛「じゃ、じゃあ魚釣りにしましょっか。確か、にとりから竿をもらってた気がするから、ちょっと待っててね。」
・・・
・・
・
神奈子「…大丈夫、かね。」
諏訪子「え?」
神奈子「いや、自分で言ってて不安になってきてさ。手伝ってくれる妖怪が妖怪だから…。」
諏訪子「まぁ、なんとかなるでしょ。」
神奈子「…本当にそう思ってるかい?」
諏訪子「いや、なーんにも考えてない。」
・
・・
・・・
お燐「ちょっ、お空!火強すぎ!」
お空「うにゅ?」
お燐「ほら、止めてって!!」
お空「あ、うん!」
シュゥゥゥ…
穣子「あー…」
静葉「芋、燃えちゃったね…」
お燐「やっぱり無理なんじゃ、あたい達にお手伝いなんて…」
静葉「いや、まだいっぱいあるから、だ、大丈夫よ!」
穣子「うん、ドンマイドンマイ!最初なんてこんなもんだって!」
お空「お燐、まだ大丈夫だって!」
お燐「いや、ミスったのお空じゃん…」
雛「…」
女苑「…」
紫苑「…」
雛・女苑・紫苑・(釣れない…)
女苑「なんでこんなに釣れないの!!」
紫苑「私のせいかも、周りを不幸にしちゃうから…」
女苑「もう、池に飛び込めよ。」
紫苑「ごめん…」
雛「あ、でも私も厄を溜め込むせいで周りを不幸にしちゃうから、気にしな」
女苑「あんたも池に飛び込めば?」
雛「えー…」
紫苑「でも、女苑ちゃんだって周りを不幸にするでしょ…?」
女苑「まぁ…」
雛「…飛び込む?」
女苑「…嫌。」
・・・
・・
・
諏訪子「よし、大漁大漁。」
神奈子「結構釣れたねぇ。」
諏訪子「でも、まだ宴会には少ないんじゃない?」
神奈子「だから山菜採りに行くんじゃないかい。」
諏訪子「あぁ、すっかり忘れてた。」
神奈子「ほら、早くしないと日が暮れちゃうよ。」
諏訪子「えー、私も行くの?めんどいなぁ。」
神奈子「なんだい、魚釣り手伝ってあげたじゃないか。」
諏訪子「それは神奈子が勝手に手伝っただけでしょ?」
神奈子「まぁまぁ、固いこと言わさんな。ほら、行くよ。」
諏訪子「仕方ないなぁ。」
~妖怪の山・山の中~
諏訪子「あ、やった。松茸見つけた。」
神奈子「え、本当かい!?やった!」
諏訪子「…あ、違う、香りしない。これ松茸もどきだ。」
神奈子「なんだい、せっかく期待したのに…。」
諏訪子「そんな私に文句言われても。キノコに言ってよ。」
神奈子「でもこの時期山菜よりもキノコの方が主流だったね、忘れてたよ。」
諏訪子「だね。良さげな山菜なんてほとんど無いよ。まぁいいじゃん、キノコ狩りってことで。」
神奈子「私はキノコあんまり詳しくなくてねぇ、毒キノコと区別がつかないんだよ。」
諏訪子「あぁ、その辺は大丈夫。私結構得意だから。」
神奈子「そうかい、じゃあ任せるよ。」
諏訪子「まぁここでキノコ採って、それで十分かな。」
神奈子「そうだね、後は手伝い組みがなんとかしてくれるさ。」
・
・・
・・・
お燐「お空、駄目だよ!まだ気抜いたら駄目だからね!!」
お空「ふー、ふー!」
静葉「………」
静葉「…ストップ!」
お燐「お空、ストップ!」
お空「はい!!」
穣子「で、できた…」
穣子「できた、飲む焼き芋!」
お空「やったー!」
お燐「これが…」
静葉「ほら、さっそく飲んでみましょ。」
穣子「うん、そうだね。」
静葉「ほら、二人も。」
お燐「あ、ありがとう…。」
お空「いっただっきまーす。」
お燐「あにゅっ!!あっつ、ふーっ、ふーっ…」
お燐「ゴクッ」
お空「ゴクッ」
お空「甘い~。けどちょっと飲みづらい~。」
お燐「ちょっと粒が残ってるかも…。でもあたいは全然気になら」
静葉「駄目ね。」
穣子「うん、駄目。」
お燐「厳しい…」
穣子「もうちょっとトロトロにしたいよね。飲みやすさを考えるなら。」
静葉「味の濃さは丁度いいから水の量はこのまま。あとは最初の潰しを丁寧に。それと火力を少し下げて煮込む時間を増やせばいいと思う。」
穣子「うん、でも気を付けないと芋が溶けない温度になっちゃうからね。」
静葉「そうね。」
穣子「よし、じゃあ二人とも。もう一回!」
お空「えー!?」
お燐「うぅ…」
・・・
・・
・
神奈子「これは?」
諏訪子「クサウラベニタケ、毒キノコ。」
神奈子「これは?」
諏訪子「ツチカブリ。食べれなくはないけど処理がめんどくさい。」
神奈子「じゃあこれは?」
諏訪子「ドクツルタケ。こんなの食べさせたら早苗死んじゃうよ。」
神奈子「もう、なんでこう毒キノコばっかり!」
諏訪子「神奈子の見る目が無いんじゃないの?」
神奈子「そんなこと言われても、片っ端から聞いてるだけなんだけど…。じゃあそこのは?」
諏訪子「ん?あれは…」
諏訪子「柄も黄色、つぼもあるし、いぼも無い…。やった、大当たり!」
神奈子「そんなに興奮して…、なんてキノコ?」
諏訪子「タマゴタケ、すごく美味しいキノコだよ。」
神奈子「へー、そんなに毒々しい色をしてるのに。」
諏訪子「なんなら私は松茸よりも好きだよ。ただ気を付けないとね。似てる毒キノコ結構あるから。」
神奈子「…それは大丈夫かい?」
諏訪子「大丈夫だと思うよ。あ、でも、毒味しておく?」
神奈子「…遠慮しておくよ。」
・
・・
・・・
紫苑「…つまんない。」
女苑「ねぇ、飽きたんだけど〜。」
雛「私に言われても…。」
?「あれ、紫苑〜。」
女苑「ん?」
紫苑「あ、天子ちゃん…。」
天子「ねぇ、何してんの?」
紫苑「釣り…。」
天子「へぇ、そうなんだ。私もやろっかなー。」
紫苑「釣れない…。」
女苑「…」
天子「なんだ、そうなの。」
雛「あ、でももしやるんだったら竿を…」
天子「いや、いいや。別に釣れないんだったらやる意味…」
コケッ
天子「え…」
ザブーン!!
紫苑「天子ちゃん!?」
雛「だ、大丈夫!?」
女苑「ざまぁwww」
天子「いっつ…、なんで…」
衣玖「厄神、疫病神、貧乏神などの不幸が全て降りかかりましたね。」
女苑「うわ!」
紫苑「いつの間に…」
衣玖「これだけ不幸を担う神がいたら、その不幸が身に降りかかるのも無理はないでしょう。」
天子「じゃあこいつらが悪いんじゃん…」
女苑「は、ここに来るあんたが悪いんでしょ?馬鹿なんじゃないの?」
天子「はぁ!?」
紫苑「や、やめてよぉ…」
雛「とりあえず、水からあがってきたらいいのに…」
・・・
・・
・
諏訪子「ヒラタケ、マイタケ、タモギタケ…いい感じいい感じ。」
神奈子「諏訪子~、松茸は無いのかい?」
諏訪子「それは運次第でしょ。」
神奈子「にしても諏訪子と二人でこうやってキノコ狩りするなんていつ以来だろうね。」
諏訪子「さぁね。でも早苗が来る前だから十数年ぐらい前?」
神奈子「そんなもんかい。早苗が来る前はもっとお互い険悪だった気がするんだけど。」
諏訪子「そりゃそうでしょ、あんなことされて。」
神奈子「ごめんって。」
諏訪子「でもさすがにお互い揉めることも減ったよね。お互い丸くなったんでしょ。」
神奈子「そうだねぇ。」
諏訪子「あと神奈子は年取って丸くなったって感じで。」
神奈子「まだそれ言う…」
・
・・
・・・
天子「…」
女苑「…」
紫苑「ふ、二人とも…」
雛「あの、あの二人は仲悪いんですか…?」
衣玖「総領娘様は先ほどの挑発を気にしてるのでしょう。疫病神の方は姉と総領娘様の仲がいいことに嫉妬しているのでしょう。」
雛「あ、そうなんですか…。」
紫苑「あ、ね、ねぇ…その、天子ちゃんはどうしてここに…?」
天子「なんか下界が盛り上がってて面白そうだったから。聞いた話によると色んなところで宴会が開かれてるらしいから私もどこか行こっかなーって。輝針城でも何もしないみたいだし。」
紫苑「そ、そうだったんだ…」
天子「で、ぶらぶらしてたら紫苑がいたから来てみただけ。まさかこんなひどい目に合うとは思ってなかったけど。」
紫苑「…ごめん…」
天子「でも特に行く場所も無いし、紫苑について行こっかなー。」
紫苑「うん、ぜひ…。」
女苑「チッ…」
天子「なに、あんた。なんか文句あるの?」
女苑「別に。お前みたいなやついてもいなくても変わんないし。」
天子「…」
天子「…宴会中は揉め事を起こさないって決めてるから、今は見逃すけど…。」
天子「宴会終わったら、殺すよ?」
女苑「できないくせに、何言ってんの。」
紫苑「やめてよ、本当に…」
雛「あの、ほっといて大丈夫なんですか…?」
衣玖「あなたは大丈夫ですよ。困るのは私なので。」
雛「お疲れ様です…。」
・・・
・・
・
諏訪子「よし、こんなもんでいいんじゃない?」
神奈子「そうだね。これならそこそこ来ても大丈夫だね。」
諏訪子「じゃあ、戻ろっか。」
・
・
・
~守矢神社~
諏訪子「さて、と。食料は揃ったとして、下ごしらえしとく?」
神奈子「そうだね。あと、軽く夕飯も作っておこうかい。」
諏訪子「そうだね。早苗も疲れてるだろうし。」
神奈子「早苗、うまくやってるかね。」
諏訪子「どうだろうねぇ。」
・
・・
・・・
お空「はぁ…、はぁ…」
お燐「やっと、できた…」
穣子「お疲れ様!」
静葉「おかげさまでいい物ができたわ。」
早苗「皆さーん!お疲れ様です!」
穣子「あれ、早苗。」
早苗「あれ、お燐さんにお空さんもいたんですか?」
お燐「うん。あたい達、明日守矢神社に行こうと思っててね。」
早苗「あれ、そうなんですか。なんでわざわざ守矢神社に…。」
お燐「さとり様にもいろいろ考えがあるみたい。あたいも詳しくは聞いてないんだよね。」
早苗「そうなんですか。多分、大丈夫ですよ。」
お空「私も行くんだー!」
早苗「わかりました、神奈子様と諏訪子様にも伝えておきますね。」
早苗「それで、穣子さん、静葉さん、どうですか調子は?」
穣子「うん、順調、順調!」
静葉「頼まれてたものは大体準備できたわ。明日には十分間に合うと思いますよ。」
早苗「ありがとうございます!」
・・・
・・
・
諏訪子「まぁでも、早苗なら大丈夫かな。」
神奈子「だね、いつも明るいし。」
諏訪子「失敗してもめげないっていうか。」
・
・・
・・・
にとり「zzz」
早苗「お疲れ様です、調子はどうですか!?」
にとり「うっ、ふぁぁ…。あ、早苗。うん、頼まれてたものはできたよ。」
早苗「ありがとうございます!これが本当に欲しかったんですよ!」
にとり「まぁ、喜んでくれて何よりだよ。今晩河童を総動員して大量生産するから、もう少し待ってて。」
早苗「はい!」
・・・
・・
・
神奈子「早苗の明るさにはいつも助けられてるしね。」
諏訪子「本当、神奈子と二人だけだったらどうなってたことやら。」
神奈子「そこまで言わなくても…。」
神奈子「でも、早苗がいたから仲良くなれたってのもあるかもね。」
諏訪子「絶対にあるって!あ、もちろんいい意味で。」
神奈子「わかってるよ。」
・
・・
・・・
早苗「お疲れ様です!皆さん…」
天子「本当あんたさぁ…!」
女苑「だから!」
紫苑「や、やめてよぉ…!」
早苗「うわー…」
雛「あ、お疲れ様…」
衣玖「お疲れ様です。」
早苗「お疲れ様です。…大丈夫、でしたか?」
雛「ま、まぁ、なんとか…。でも、釣りをしてたんだけど、全然釣れなくて…。」
早苗「いや、大丈夫ですよ。…むしろ、あの三人を抑えてくれてありがとうございます。」
衣玖「明日はおそらく総領娘様含め三人ともそちらに伺うと思いますが。」
早苗「まぁ、それはなんとか…。神奈子様と諏訪子様もいますし。」
雛「あの、私も行ってもいい、かしら…?」
早苗「はい、もちろんですよ!手伝っていただいたお礼です。」
雛「ありがとう…!」
天子「死ね!」
女苑「あんたこそ消えて!」
紫苑「…」
早苗(あの三人は、嫌だな…)
・・・
・・
・
諏訪子「明日の宴会、楽しみだね。」
神奈子「そうだね。早苗が頑張ってくれてるし、どんな宴会になるかね。」
諏訪子「それは、早苗に聞いてみないとね。」
ガラッ
早苗「神奈子様、諏訪子様、ただいま戻りました!!」
諏訪子「あ、噂をすれば。」
神奈子「早苗、おかえり。どうだった?」
早苗「はい、バッチリです!必要な準備は全部整いました!」
神奈子「そうかい、良かった良かった。」
諏訪子「早苗、せっかくだしその計画、聞かせてよ。」
早苗「あれ、まだ話していませんでしたっけ。」
神奈子「うん、早苗ってば話す前に行っちゃったから。」
早苗「そういえばそうでしたね。えっとですね…」
神奈子「まぁまぁ、焦らないでさ。疲れてるでしょ?まずは夕飯にして、そこで聞かせてもらうよ。」
早苗「あ、わかりました。夕飯は…」
諏訪子「作ってあるよー。早苗が疲れてると思ってね。」
早苗「本当ですか!?ありがとうございます!」
神奈子「さて、じゃあご飯にしよっか。」
早苗「はい!」
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