2019-05-19 02:30:00 更新

概要

フィクションです。


 ある日の夕暮れ時のことだった。


特急電車に搖られながら明確な目的地へと赴いていた。


自らの確固たる意志で驛を通過し、目的地へと驅けていた。


腦が覺えている、あの榮えていた、あの人の居住地區へ。


曉をこの目で認知する迄に。


僕には懷古趣味はなかった筈なのに、舊友のことを考えていた。


あの人が見たらどのような反應をしただろうか。


微塵に裂かれた、あの樂しかった日々の經驗が僕を噬んだ。


あの人はいつでも聰明で、少し變わっていて、繪に描いた樣な人間だった。


鐵の道を蟲の樣に這った。


發車の合圖が鼓膜を叩いた。


其処に存在していた絲が灣で滅んだ。


尊ぶことすら許されなくなった。


僞りの戀慕は此処にて廣い所へ去った。


やはり、あの人には敵わない。


後書き

どうも、名前を変更致しました。これからはKさんとして活動していきます。今回はかなり遊んでみました。では、また次回の作品でお会いしましょう。


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