中村提督「私達は」村雨「第2鎮守府諜報班でーす♪」
海軍諜報部部長にして第2鎮守府提督、中村蓮次とその秘書官村雨を始めとする艦娘達の1日
皆さんこんにちは!はじめましての方ははじめましてメットールといいます!
今回はスピンオフの2回目でほのぼのテイストでお送りします。
駄文長文、誤字脱字あると思いますがどうぞよろしくお願いします。
諜報……相手の情勢などを秘密に探って知らせる事
ここ、第2鎮守府は大本営と第3鎮守府の中間地点に存在し、旧第1補給鎮守府を改修して利用されている。
第2鎮守府は諜報活動や強行偵察等を主な仕事としている。が、この日の朝は……
中村提督「村雨はどこだぁぁぁぁーーーー!!」
非常に珍しい事が起きていた。
衣笠「も~、どうしたの提督?朝っぱら大声だして、夜勤明けで寝てる娘もいるんだからさ~」ガリガリ
と、衣笠が出てきた。彼女は諜報活動の他に青葉と海軍の民間向け広報活動をしており、この日は通常通り鎮守府にいたようだった。
中村提督「それはすまなかった」
衣笠「村雨ちゃんならまだ情報収集から帰ってないよ?どうしたの?まだ6時前だよ?」
中村提督「それがだな「アノ、ゴ迷惑ヲスイマセン。衣笠サン」」
衣笠「あ、アメちゃんおはよう」
と、衣笠は蓮次の影に隠れていた人物気が付いた
アメ(深海雨雲姫)「オハヨウゴザイマス!」E白露姉妹制服
アメと呼ばれた深海雨雲姫(シンカイニムブスキ)は元気に挨拶をした。そして衣笠はそのアメの両手に持っている物に気が付つくと思わず不可解な表情をしてしまった。
衣笠「…ねぇアメちゃん、なんでマラカス持ってるの?」(´・ω・`; )
アメ「エーット、ソレハ「ここは私がお話します」」
衣笠「あっ浜風ちゃんいたの?おはよ」
と、衣笠はいつの間にかいた同僚に挨拶をした。その浜風もどうやら蓮次の大声で目を覚ましたようでまだパジャマ姿だった。
衣笠「って浜風ちゃん寝癖凄いよ」
浜風「それは気にしないで下さい」///
アメ「ハリネズミミタイwww」
浜風「アメちゃん笑わないで下さい」///
中村提督「話が進まない。浜風、何か知っているのか?」
浜風「はい、衣笠さんにも分かるように今青葉さんにその映像を確認してもらってます」
そう説明してると青葉が来た。普通に笑っているが。
青葉「皆さん、おはようございますw、今持って来ましたwこちらにww」
衣笠「どしたの青葉?笑いまくってるけど?」
青葉「見れば、分かります、プッwww」
衣笠「?」
そして、蓮次に何があったのか。衣笠は青葉が持ってきた携帯式の再生機を視聴した。
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映像が始まった。それは提督の部屋でどうやらちょうど提督が起きようとしている所だ。
そこに突如シャカシャカとマラカスの音が部屋の外からし、いきなりドアが開かれたようだ、そしてそのシーンが始まった
アメ「オッハヨウオッハヨウボンジュール♪オッハヨウオッハヨウボンジュール♪」
「蓮次様、蓮次様、オハヨウ蓮次様♪ンッ!」
「早クオキテヨボンジュール♪今日モ元気ニボンジュール♪」
「クルクル♪クルクル♪クルクル回ッテ♪」
「ボンジュール♪ボンジュール♪ボンジュール♪ボンジュール♪オハヨウ蓮次様♪」
「ヘイッ!!」ドヤァ
アメちゃんがなんか見たことある踊りを朝っぱらからしてる映像だった。思わず私は声を出して笑ってしまった。ちなみに映像の中の提督は固まっていた。
中村提督「アメ、おはよう」
アメ「オハヨウゴザイマス!蓮次様!」ニコニコ
中村提督「…今のは?」
アメ「村雨御姉様カラ教ワリマシタ!」ドヤァ
中村提督「そうか……」
そして、提督はおもむろに部屋から出たと思ったら……
中村提督「村雨はどこだぁぁぁぁーーーー!!」
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衣笠「あっはっはっはっはっwwwwwwもうダメwwwwww」
中村提督「……衣笠笑い過ぎだ」
浜風「くくくっwww」
中村提督「お前もか浜風」
「朝っぱらから何騒いでんだ?」
と提督の後ろから気だるそうな声がした。セーラー服に眼帯をし艤装を身に付けた凛々しい女性だった。
名前は木曾、この鎮守府でNo.2の艦娘であり主に内偵調査をしている人物だ。艤装を装備したままのようでどうやら調査から帰って来た所のようだった。
衣笠「あっ、木曾おはよー、今帰り?」
木曾「ああ、悪いんだが俺は徹夜明けでなこれから寝るから。蓮次、午後に報告する」
中村提督「了解した。木曾お休み」
「司令かーん」「蓮次様ー」
木曾「ああ、騒がしくなる前に寝るよ」
木曾はそう言うとヒラヒラと手を振り自室に向かった。それと入れ替わりで2人程提督達の所にやって来た。
「司令官、どうしたんですか?いきなり大声を出して…」
「蓮次様怒ッテルンデスカ?」
そう言ったのは並ぶと双子の様に見える女の子2人だった。
片方は所属艦娘の春雨、もう片方は所属海軍棲艦の駆逐棲姫のクー(義足装備)の鎮守府きっての仲良しコンビだった。この2人は潜入調査と強行偵察を主な任務としている。
衣笠「そうじゃないのよ、春雨ちゃん、クーちゃん。ちょっとね……」
と、衣笠が言いかけた時に2人はアメが持っていたマラカスに気付いたようで状況を察したようだった。
春雨「大体分かりました。はい」
クー「御姉様、ソレハ一緒ニヤリマショウッテ言ッテタジャアリマセンカ」E白露姉妹制服
アメ「ゴメンネ、ドウシテモヤリタカッタノ」
テヘペロコツーン☆
クー「モ~、仕方アリマセンネ」
浜風「それはそうと2人共…」
浜風は何か言おうとしたが
春雨「あっ、ハリネズミ」ユビサシ
クー「ハwリwネwズwミw」ヾ(≧∀≦*)ノ〃
浜風「指を指さないで下さい、クーちゃん笑い過ぎです」///
春雨「すいません、つい。浜風さん司令官の部屋のお風呂沸いてますから直す次いでに入ったらどうですか?」
浜風「やっぱり入ってたんですね」
クー「分カルンデスカ?」
衣笠「だって2人共髪の毛乾いてないじゃない」
青葉「あや?本当ですね、駄目ですよ風邪引いちゃいますよ」
春雨「はい、私達がお風呂に入ってたらいきなり司令官が大声を出されたので何事かと思い」
クー「急イデ着替エテ来マシタ」
青葉「おやおや?司令官の部屋風呂に入ってたって一体ナニをしてたんですか?」ニヤニヤ
春雨「もう!青葉さんも意地悪です」
クー「蓮次様ノオ部屋デネテマシタ」
青葉「えっ」
春雨「春雨もクーちゃんもカッコカリしてますからね」///
クー「オ嫁サント旦那様ガ夜ヲ共ニスルナラヤルコトハヒトツダケデスヨ」///
春雨クー「「ねー♪」」(≧▽≦)(≧▽≦)
青葉「……わーお」///
衣笠「青葉、この娘達は別に隠さないわよ」
青葉「じゃ、ガサは司令官とどんな顔でキスを!?」
衣笠「あんたシバくわよっ!?」///
中村提督「やめとけ衣笠、練度的に見てもダブルスコア以上差があるお前がやったら青葉が死ぬ」
青葉「ホントですよ!?司令官とカッコカリしてる村雨さんを始めガサや皆さんと事構えようものなら死を覚悟しますよ!?」
春雨「そんなに大袈裟に言わなくても……」(^^;)練度 測定不能
クー「ヒトヲ化物ミタイニー」練度 測定不能
中村提督「事実だがな、さて今日の朝食の準備は私がしようか」
春雨「あっ、春雨もお手伝いします!クーちゃん行こ」
クー「ウン!」
そう言うと2人は蓮次の後を追いかけて行った。
衣笠「提督の朝ごはんかぁ、久々ね」
青葉「ガサ、司令官って料理出来るんですか?」
衣笠「そっか、青葉知らないか。提督の料理の腕前クーちゃん以上よ」
青葉「え゛、それ滅茶苦茶すごいんじゃ…」
衣笠「まあ、この鎮守府来てから皆忙しかったからね。ぼちぼち食堂行くわよ。皆起きはじめると思うから」
青葉「衝撃的ですね…あっガサ待ってよ~」
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そして0730、朝食の時間がやってきた。メニューはたっぷりの生野菜とベーコンのオープンサンドと卵サンドにポタージュスープ(共に提督製)にデザートはフルーツと朝から豪華なメニューだった。
「「頂きまーす!」」
中村提督「是非、ご賞味を」
朝から賑やかに始まった食事の時間。今回のメニューは野菜が多い為蓮次的にも少し不安はあったが今日のメニューは思っていた以上に好評だった。
イムヤ「ん~♪美味しい!司令官が作ってくれるご飯はやっぱり美味しいわ!」
ゴーヤ「コーンポタージュ美味しいでち♪」
中村提督「今回のポタージュは春雨の案で無塩バターにして生クリームを少し入れてみたんだ。上手くいってよかったな春雨」
春雨「はい。頑張りました」
クー「マシター」
ハチ「オープンサンドも美味しいですね」モグモグ
イク「パンも自家製なのね!」モグモグ
ニム「このパンも提督が作ったの!?」モグモグ
中村提督「何、下拵えは先日の内に全てやっていたからな、今日はただ焼いただけだ」
シオイ「そうだけど、その割りにはオーブン内の温度管理がすごかったよ……」
シオン「まあまあシオイちゃん」
「それは『諜報の下調べと料理の下拵えは綿密に』は第2部隊時代からの鉄則だからよー」
アメ「アッ!村雨御姉様!」
村雨「アメちゃん、皆さんおはようございまーす♪村雨、帰投しました」
と、アメが村雨の元へ掛けていって抱きついた。春雨とクーではないが本当によくなつかれたものだと蓮次は思ったがふと今朝の出来事を思い出した。
中村提督「村雨ご苦労。報告は後で聞くがそれよりもアメに変なことを教えるんじゃない」
村雨「あらあらアメちゃん、おはようダンスやったのね?どうだった?」
アメ「ハイ!蓮次様オキテ下サイマシタ!」
村雨「あらあら、よかったわね」ナデナデ
アメ「エヘヘ♪」///
青葉「もうすごかったですよ。いきなり『村雨はどこだぁぁぁぁーーーー!!』って。あれで起きてないの川内さんくらいでしたよ」
衣笠「しょうがないわよ、川内は大本営の少将達の事案での背後関係の調査でずっと動いてたんだから。まっ、お腹が空けば起きてくるわよ」
そんな事を言っていたらけたたましく走っている音が聞こえ力強く食堂のドアが開かれた。
川内「みんなおはよー!提督お腹空いた!ご飯!!」
衣笠「ねっ?」
青葉「本当ですねぇww」
中村提督「朝で夜でも賑やかなやつだ。今準備する。リクエストは?」
と、蓮次は川内に聞いた。その川内は皆が食べているのを見て
川内「具の量1.5倍で!」
村雨「あっ、私は皆と同じでー♪」
と、村雨も便乗しオーダーした。蓮次はすぐにキッチンへ向かい手際良く準備を進める。そんな中
村雨「川内さん、どうなりそうですか?」小声
川内「龍生少将のおかげで元帥も老害を一掃出来るって。残って不満をもってる連中にもいい見せしめになるってさ」小声
浜風「流石ですね、あっ提督。私卵サンドおかわりで」
中村提督「だろうと思って持ってきたぞ。こっちが川内の、これが村雨のだ」
川内「やったー!いっただきまーす♪」
村雨「頂きまーす」
と2人も蓮次が持ってきた朝食を食べ始めた。
川内「ん~!美味しい!特に野菜はトマトがいいね!甘味が強い!」
クー「ソノトマトハミキチャンノトコデ穫レタノデスヨ」
春雨「はい。飛鳥大佐が予想以上に収穫出来たからってお裾分けしてもらったものです」
「えっ、収穫って鎮守府で作ってるんですか?」
「たしかそうだったと思いますよ。皆さんが第3鎮守府にいた時から飛鳥大佐達が菜園をやってるってお姉ちゃんも言ってたような」
質問を飛ばした峯雲に答えたのはイムヤやゴーヤ達潜水艦娘達のサポートをしている潜水母艦娘の大鯨だった。
当時第3鎮守府の総司令で現在の海軍元帥、大堂元帥直属艦娘の1人である龍鳳を姉に持つ大鯨は姉から聞いた話を峯雲に話していた。
中村提督「その通りだ大鯨。飛鳥のところの山雲が好きでな、第3鎮守府の菜園でやっていたのをそのまま第14鎮守府に持っていったからな。飛鳥も言っていたがトマトやきゅうりを始め、葉菜類。今はブドウの栽培も始めたそうだ」
峯雲「それもう農家ですよね……」(・・;)
中村提督「…否定は出来んな。ただ面白い事があるんだ」
大鯨「面白い事、ですか?」
中村提督「深海棲艦達が強い興味を持った事だ。今の第3鎮守府では飛鳥達が菜園として使っていた場所は1面じゃがいも畑になっている」
ろー「じゃがいも!ですって!でっち」
ゴーヤ「なんでじゃがいもでち?」
中村提督「適切な保管状況を守れば長期の保存が効くからだろう。それに栄養価も悪くはなく調理方も楽なものでもあるからな。さて今日の予定を確認しよう。まずイムヤ!」
イムヤ「はい!イムヤを始めゴーヤ、ロー、ヒトミ、イヨ、まるゆの以下6名は南鳥島海域の海底調査です!」
中村提督「うむ、まだかかりそうか?」
イムヤ「もう終わるわ。サルベージポイントが多いから特定作業に手間取っちゃって」
ゴーヤ「後2、3箇所で終わりでち」
ヒトミ「でもこの時期は潮の流れが不規則になりがちですから安全を考えないと……」
イヨ「姉貴は慎重過ぎだよ!なんとかなるって!」ケラケラ
まるゆ「でも、まるゆ達の調査で海も綺麗になるって考えたら嬉しいです」
青葉「でも元帥も考えましたね~沈めた深海棲艦や量産型艤装を回収してそこから燃料や弾薬、鋼材とボーキサイトを使うなんて」
中村提督「これは義母上の案さ、あの方が艦娘と深海棲艦の艤装の互換性を教えてくれたのと海軍棲艦達のサルベージ技術があったからこそのものだ」
浜風「そうですね、かつてあった遠征も今では海軍の民間へのアピールで補給の主流も第3鎮守府等の海軍棲艦のサルベージ部隊が引き揚げてくれる資源が主ですから」
春雨「ホントにすごいねクーちゃん」
クー「私達ハ戦ウノ嫌イダッタカラ生キル為ニ身ニ付ケタノガヤクニタチマシタ」
大鯨「それで本土に近いのは民間と繋がりが強い深海棲艦達が引き揚げてるんですね」
中村提督「その通りだ。民間人は復興の為の資源と安全が欲しい。穏健派の深海棲艦は安全に暮らせる場所が欲しい。海軍は脅威と戦う為の資源が欲しい。これらを解決したのがこのサルベージになった訳だ」
村雨「それに穏健派の人達も海上護衛にも協力してくれるから民間人の信頼も取れたのよね」
中村提督「好戦派の軍人達が離反してくれたのが功をそうした結果になっただけだ。人手不足のところに海軍棲艦達が民間人の護衛や復興協力をしてくれたおかげで今では海軍棲艦もほとんど受け入れられている。話が逸れてしまったな。次はイク」
イク「はーい!イクとハチ、シオイ、シオン、ゴッちゃんとニムは補給艦の護衛なの」
中村提督「了解だ。皆時間になったら行動を開始。何かあったらその都度報告、指示を仰ぐように」
潜水艦娘チーム「「「了解!(でち!)(ですって!)(なの!)」」」
中村提督「さて、青葉と峯雲と大鯨だが今日は?」
青葉「本日、青葉達は民間向けの広報活動の為鎮守府にて作業になります!」
中村提督「了解だ。では皆今日も頼むぞ」
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時は進み1535。執務室には蓮次を始め村雨、木曾、衣笠、川内、浜風、春雨、クーの諜報班の面々と青葉、そしてもう1人の姿があった。
中村提督「……川内報告を」
川内「うん。龍生少将に喧嘩売った大淀のおかげで大本営で左遷されてた将校達の5/3は始末出来たよ。残った連中はすっかりびびってるね」
中村提督「…監視を続けておけ。また尻尾を出すだろう」
川内「了解。元帥とこの潮にも協力してもらうけどいいよね?」
中村提督「この件は川内に任せている。好きにやっていい」
川内「オッケー♪じゃ浦風にも手伝ってもらお」
青葉「でもそれってかなりの人数を懲戒免職にしたってことですよね?大丈夫なんですか?」
中村提督「問題ない。まだ未配属の海軍棲艦達がいる。そこに充てるのだろう」
青葉「えっ!?でもそれは機密としては…」
衣笠「心配ないわ。海軍棲艦の人達ってみんなカイン中佐の庇護を受けてる人達だけだから恩を仇で返すのはまずいないわ」
春雨「むしろクーちゃんのお兄さんが抑止力になってますから今までで穏健派の深海棲艦達の軍規違反や犯罪ってゼロなんですよ」
木曾「重要だった『住処』と『食料』が安定した形で手に入るからな。わざわざそれを投げ捨てる馬鹿はいねぇよ」
青葉「持ちつ持たれつな関係が出来上がってるんですね」
中村提督「木曾。どうだった?」
木曾「艦娘の離反者がいるな。完璧に黒なのが……だ。グレーのやつもいるがそいつらは釘刺しとけばいいだろ」
中村提督「……狙いは、大川夕禅だな?」
木曾「間違いないだろうな」
中村提督「浜風」
浜風「好戦派に動きが有ります。どうやら好戦派の深海棲艦達とのイザゴサが頻発してますね」
中村提督「危険性は?」
浜風「本土より離れている所でした。まず無いかと」
中村提督「こちらも監視をしておけ、状況によっては君も頼む」
「了解だよ」
と、その場にいるのが不釣り合いな白い帽子少女が返事を返した。
この少女は響、かつて沖久保前元帥の部隊で第6駆逐隊の1人、今は3人から離れ諜報部に出向している。
中村提督「最後に村雨」
村雨「好戦派の背後関係が分かったわ。将校達を通して反深海棲艦、反艦娘団体と通じてるわ」
中村提督「やはりな、その様子だと他国とも繋がりが有るのは明白か」
村雨「間違いないわ、離反者のことを考えると欧州の方は確実ね」
中村提督「成る程な、引き続き情報を集めるぞ。状況によっては私も動く」
響「司令官自らかい?」
中村提督「上に立つ者が動かず誰が動く。人と深海棲艦が手を取り合い始めることが出来た時期だからこそだ。焦らずじっくりと行こう」
9人「了解」
我ら諜報班の戦いはまだまだ続くだろう。本当なら私1人でやりたかった。皆に手間を掛けるつもりはなかった。だがあの時村雨が
村雨『重い荷物は皆で持てば軽くなります。だから、お願いします。私達にもその荷物を持たせて下さい』
村雨に言われて気付かされた。私は部下を信用していなかった事を、いや信用していた。しかし彼女達から見ればそう捉えられても仕方なかった事をしてきた。村雨も木曾も衣笠も川内も浜風も春雨も皆私を信じていたのにもかかわらずだ。
自分で不甲斐なかった。自分を殴ろうとしたところを木曾に艤装を展開されて止められた。
木曾『ふざけるな!そんな事誰が望んでると思ってやがる!!』
今思えば木曾は悔しかったのだろう。信用されてなかった自分が、信用たるに得なかった自分が。私は自分が幸せ者だと自覚出来た瞬間だった。
村雨「提督?どうしましたか?」
中村提督「……いや、なんでもないさ。皆は?」
村雨「もう、さっき解散したじゃないですか」
中村提督「そうか。そうだったな」
蓮次が席を立とうとした時に村雨が目の前に来た。座っている蓮次にかがんで目線を合わせた。そして
中村提督「どうした村さ……っ!?」
蓮次の口に人差し指を当てた。
村雨「何考えてたか当ててあげましょうか?」
と、村雨はイタズラをする子供の様な笑顔を浮かべて蓮次に話かけた。
村雨「私達を巻き込んだ事でしょ?」
中村提督「…大雑把に言えばそうだな」
その言葉を聞いた村雨は少し呆れた様に溜め息をついた。
村雨「全く、相変わらずね。古鷹の苦労が少し分かるわ」ハァ
中村提督「?なぜそこで古鷹が出てくるんだ?」
村雨「自分に無頓着な夫を持つもの同士ってことよ!」ズイッ
村雨「はっきり申し上げて、まだ夕禅中将の方がその点に関しては全然ましよ。あっちはとっくに腹くくってますからね」
中村提督「ぐっ……」
蓮次は痛いところを突かれてしまい黙ってしまったが、
村雨「確かに蓮次さんは諜報と言う軍の中でも重要な役割ですし一歩間違えれば最悪国を敵に回します。それ故私達を巻き込んだリスクを考えての行動だと皆理解してます」
さらに村雨は続ける。
村雨「それに加え蓮次さんの『能力』を使えば私達がこうしてリスクを犯す必要もなく情報を集める事が出来るのも重々分かっています。が」
ここまで言い村雨は再び蓮次に目線を合わせて
村雨「生憎私は大切な人を1人危険な目に合わせるような薄情な女ではありません」
中村提督「村雨」
村雨「無論、私も木曾さんも衣笠さんも川内さんも浜風も春雨もクーちゃんも同じですよ」
中村提督「そうか……そうだったな」フフッ
村雨「そうですよー。じゃないと私達は指輪を受け取りませんよ」
中村提督「すまなかった。…自分は幸せ者だと思ってしまってな」
村雨「うんうん。そうですよ蓮次さん。こんな可愛い女の子達に慕われるなんてこの果報者♪」
中村提督「ありがとう。村雨」
村雨「どういたしまして♪さて今日の晩ご飯はどうしましょうか?」
中村提督「なら久しぶりに2人で作ろうか」
村雨「いいわね。なら皆が喜ぶメニューにしましょう」
中村提督「ならハンバーグにしようか。材料はあったからな」
村雨「流石蓮次さん」
そうして蓮次と村雨は執務室を後にし食堂へ向かった。
提督と艦娘、上司と部下と言う括りになってしまうがそこにいるのは互いに支え合い信じあっている『ヒト』の姿だった。
最後までお付き合いありがとうございました!
どうしようほのぼのを目指したはすがいつの間にかシリアスになってしまった( ノД`)
次も頑張りますのでよろしくお願いします。
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