白露「私の一番なモノ」(番外編 その3)
彼女の一番なとこ。 それは…?
皆さん、お久しぶりです。番外編が番外編になってないような気がするけども。
今回の話は、時系列的には第3章最終回と第4章0話の間に当たる話です。
また、この話は、一部の方には不快感を与えるかもしれません。
ただ、ムカついたとしても、目の前のスマホだったりタブレット端末を殴って粉砕しても、責任は負いません。
優斗「あー、暑い…」
白露「そうだねー。けども、大事な会議だから…」
優斗「あぢぃ…」
俺と、茜たち、白露型の全員は祐樹の鎮守府へと向かっていた。何故かというと、結構重要な会議が祐樹の鎮守府であるからだ。しかも、重要な会議だから、俺は制服だ。暑すぎる。(鎮守府で仕事している時は優斗は私服である)
また、会議が終わった後に演習をするらしいので茜たちも一緒に来ている。何故か、演習期間が2日間もあるのだが。
優斗「さて、と…。まぁ、暑いって言い続けても涼しくなるわけねぇから、さっさと歩きますか」
白露「とは言っても、もう近くなんだけどね」
優斗「キツイ…」
時雨「暑いじゃなくて、キツイになっただけじゃん…」
こんな事をぐうたら喋りながら、祐樹の鎮守府へと歩いていった。祐樹の鎮守府へ入った後は茜と別れ、俺は会議室へ。茜たちは演習場へと向かった。
優斗「さて、会議めんどいけど頑張りますか…」
祐樹「あ、お前もう来てたのか」
優斗「あ、祐樹。会議室ってココであってんのか?」
祐樹「優斗、そこ、会議室じゃなくて掃除用具入れだぞ…」
優斗「マジかよ」
祐樹「ったく…。こっちだ、ついてこい」
俺は、祐樹についていく。少し歩くと、会議室に着いた。
祐樹「まぁ、ココで少し待ってろ。あと三十分ぐらいで会議始めっから」
優斗「りょーかい」
この後、約2,3時間ほど会議が行われた。各自で昼食を採った後、演習が行われるため茜たちと合流した。
白露「あ、ゆーくん、会議終わったの?」
優斗「ああ。しっかし…、ずっと座ってるのはキツイわ…」
時雨「まぁ、2,3時間も座ってたらそうなるよ」
優斗「じゃ、飯行くか」
俺たちは、食堂で昼食を済ますと演習場へと向かった。
優斗「うわー。広ーい」
白露「ほんとだねー」
時雨「まぁ、僕たちにとっては見慣れた光景だけどね」
優斗「それよりも、艤装のチェックは大丈夫なのか?」
白露「大丈夫だよ! ちゃーんと、確認したから」
村雨「そんな時に限って、何か抜けてるのが茜お姉ちゃんなんだけどね」
白露「言うなー!」
優斗「まぁ、おしゃべりはこの辺にして。そろそろ演習の時間だ。今回の演習はいつもと違って、10人対10人だから気をつけろよ」
白露「分かってるって! じゃあみんな、頑張るよー!」
白露型「おー!!」
優斗「大丈夫だといいんだけども…」
(数分後)
白露「さて、と…。一番目指して、今日も頑張っていくよー!」
私は、優香たち9人の初期位置を確認する。今回の演習は、駆逐艦限定だから連携プレーが大事だもんね!
しばらくすると、演習開始を告げるアラームが演習場に鳴り響いた。アラームが鳴ると同時に、私たちみんなが動き出す。
まずは、相手がどこにいるかを確認しなくちゃ…。
そんな時だった。私の方めがけて、相手の砲撃が飛んできたのは。
白露「え、なんで相手はみんな私を狙ってんの!?」
相手の娘の砲撃は、全部私を狙っていた。優香たちが近くにいるのにどうして!? もしかして、私がリーダーか何かと思っているのかな? まぁ、いいや。このまま、かわしまくって優香たちが攻撃しやすくしよっと。
今回の演習は、魚雷は使用禁止だから砲撃だけを警戒すればいい。しかし、1人でたくさんの砲撃を全部かわせるわけない。茜は上手くかわしてはいるが、どんどん被弾していく。ただ、茜が逃げ回っている間に優香たちが相手と交戦していったため、砲撃の数は減っていた。けれども、砲撃は止まない。茜の被弾数は減っているものも、ほぼ大破状態だった。
白露「ヤバい…。このままだと、轟沈判定喰らっちゃう…。みんなが頑張ってるのに、私だけ逃げ回ってるだけじゃん…。よーし、こうなったら、思い切って敵陣に突っ込んでやる! そして一発喰らわせてやる!」
茜は、一気に加速して砲撃を行っている相手へ向かって突っ込んでいく。そして、砲撃を行おうとしたその瞬間だった。茜に砲撃が直撃したのは。
白露「痛っ…。あ、これで轟沈判定じゃん…。何にも出来なかったなぁ…」
私は、轟沈判定になってしまったので演習場を後にした。私がいなくなってから数十分経つと、演習が終わった。どうやら、私たちの方が勝ったみたい。咲と愛香が、暴れ回ったらしい。まぁ、あの2人は私たちの中でも結構武闘派だもんね。
とりあえず、ゆーくんの所に移動しよっと。反省会もしなきゃいけないし。
白露「あれ? ゆーくんの声がする…。けども、怒っ…てる?」
ゆーくんの声がする方を見る。そこには、ゆーくんが、相手の男の人の胸ぐらを掴んでいた。
白露「え…?」
(演習が始まってからすぐにて)
優斗「さて、ゆっくりと見学しますか」
俺は、ソファーに腰掛けて茜たちの演習を見ていた。ところが、少し経つとおかしな事に気がついた。相手が、茜だけを狙っていたからだ。確かに、リーダー的役割の茜を退場させれば優香たちは混乱させられるだろう。けども、だからといって茜だけを狙う必要あんのか!?
??「どうかしましたか? 白露型の提督の方」
優斗「!?」
声がした方を向く。そこには、軍服を着た男がいた。
優斗「た、確かに俺は白露型の提督だけども…。まさか、演習相手側の提督か?」
男 「はい。そうです」
優斗「そ、そうか…」
男 「いやー、それにしても…」
優斗「?」
男 「一番最初にやられる娘は可哀想ですねぇ…」
優斗「…は?」
相手の男がその言葉を口に出した瞬間、俺の中で何かが切れる音がした。
男 「いやー、『一番』とか言ってるはずが、妹達に何もかも抜かれてしまうそんな娘が今は一番ですね! 『一番』に轟沈判定を受けるなんて! 流石、妹達に劣る『一番艦』ですね!」
優斗「おい…。今なんつった」
男 「え? 『一番』とか言っている娘が、『一番』に轟沈判定を受けるなんて! 『一番』って口にする割には何もかも妹達に劣る『一番艦』…と」
優斗「もういい、今…ココでテメエをぶっ潰す!!」
俺は、ソイツの胸ぐらを掴む。思いっきりぶん殴ってやろうとしたその時だった。茜がそこにいるのが目に入った。
優斗「あ、あか…。白露…」
白露「な、何やってるの…?」
男 「あ、『一番』に轟沈判定を受けた白露さんじゃないですかー。どうでした? 『一番』に轟沈判定を受けて、『一番』に退場した気分は?」
白露「え…?」
優斗「テメエ!! 黙れって言ってんだろ!!」
男 「いやー、何か事あるごとに『一番』って言ってる割には、あなた、何もかも妹さんに劣ってますよね? どうなんですか? 妹達に、『一番』を奪われる気持ちは」
優斗「この野郎…。いい加減に…」
白露「ゆーくん、もうやめて!!」
優斗「な…。お前、こんな事言われて…」
白露「私は大丈夫だから、ね? もう行こっ?」
優斗「お、おい…」
俺は、茜に手を引かれて男の元を離れた。茜に連れていかれる時、茜に声を掛けるも何も反応してくれない。ただ無言で俺の腕を引いて歩いている。けども、顔は下を向いたままだ。
優斗「あ、茜…?」
白露「…」
優斗「何か、答えてくれよ…」
白露「ゆーくん、私…。『一番』じゃないのかな?」
優斗「は? お前、何言って…」
俺は、茜の顔を見た瞬間、口に出かけていた言葉を失った。
茜は…。
泣いていた。大粒の涙を流して。
優斗「茜…」
白露「私、あの人が言ってた通り、優香たちにも『一番』奪われちゃってるし…。みんなからも絶対…頼られてもいないし…」
優斗「お、おい…」
白露「ゴメン、ちょっと、1人にして…」
優斗「ちょ、ちょっと!?」
茜は、そのままどこかに走っていってしまった。俺は、追いかけようとしたが…無理だった。
今の俺には、茜に掛ける言葉なんて見つけられないから。
俺は、恐らく優香たちがいるであろう場所へと移動した。そこでは、優香たちが心配そうな顔をしていた。
時雨「あ、優斗…。お姉ちゃん、どうかしたの?」
優斗「…なんで、その事を?」
村雨「えっと…。今さっき、そこを走って行っちゃったから…」
夕立「茜お姉ちゃん、泣いてた…ぽい…」
春雨「何があったんですか? 茜お姉ちゃんに…」
優斗「実は…」
俺は、優香たちにここまで起きた事を話した。優香たちは、ただ黙って聞いていた。
江風「その野郎、今どこにいるか分かるか? 優斗」
優斗「おい、待て。今行ったとこで、何も起きないぞ。むしろ、お前が大目玉喰らうだけだ」
江風「でも、茜姉貴を馬鹿にしてきたンだぞ!!」
海風「愛香、落ち着いて…。私も、茜姉さんを馬鹿にしてきたのは許したくありません」
江風「じゃあ、なンで!!」
海風「私たちが、今その人を見つけて何しようとするのは勝手です。けども、その責任は優斗さんと長女である茜姉さんに問われるんですよ…」
江風「…クソッ!!」
山風「愛香、落ち着いて…。今怒っても、何も解決しないよ…」
江風「じゃあ、どうしろってンだよ!!」
涼風「っていうか、茜姉貴はどこ行ったんだよ!」
優斗「それは…」
時雨「とりあえず、手分けして探そう。見つけたら電話して!」
優斗ら「OK!」
俺たちは、各自分かれて茜を探し始めた。けども、いくら探しても茜が見当たらない。それどころか、茜の姿を見た人さえいない。
一瞬、俺の頭に不吉な考えが、頭をよぎった。
けれども、それが無いと信じたい。時間は、もう8時になろうとしていた。茜の姿が見えなくなってからもう2時間が過ぎようとしている。
優斗「早く見つけねぇと…」
そんな時だった。とある公園のベンチで、俯いている少女を見つけたのは。
優斗「茜…」
白露「ゆーくん…」
俺は、茜の横に座った。茜は、ずっと泣いていたのか目が赤くなっていた。
優斗「お前、ずっと泣いてたのか?」
白露「うん…。ゴメンね、迷惑かけちゃって」
優斗「別に、大丈夫だって。あと…。ゴメンな、何もできなくて」
白露「大丈夫だよ…。ただ、私のせいでゆーくんが罰を受ける事にならなくて良かったよ…」
優斗「…。そういえばさ、お前が思う『一番』って何だ?」
白露「もういいよ、『一番』なんて。私は、『一番』になんかなれないから…」
優斗「そうか? 俺は、お前の『一番』。今日、見つけたけどもな」
白露「え…?」
優斗「まぁ、今日のを合わせて俺は今、茜の3つの『一番』を知ってるけどな」
白露「み、3つ…?」
優斗「じゃあ、お前の3つの『一番』を言ってやるよ。1つ目は、前から知ってた、『一番』努力してること」
白露「ど、努力…? そんな事してないよ…」
優斗「バカ言え。お前、改二になるために『一番』努力してたらしいじゃん。しかも、昔は料理も洗濯も全然出来なかったお前が、今は全部できるようになってんじゃねーか。ここまで、努力してきたからだろ?」
白露「…」
優斗「じゃ、2つ目。これは、今日見つけたものだけども…。『一番』妹達に慕われてること」
白露「み、みんなに…?」
優斗「まぁ、お前らが仲良くしてるのは知ってたけども、今日、お前がいなくなった後、必死で探してたぞ。しかも、お前が悪口が言われたこと言ったら今にもアイツらやばかったし…」
白露「え、ええ…」
優斗「んで、3つ目は…」
優斗は、急に茜に近づくと首元にキスした。跡がついてしまうぐらい強く。
白露「ちょ、ちょっと、ええ!?」
優斗「『一番』俺のこと好きって言ってくれるじゃねーか…」
白露「そりゃ、そうでしょ…。だって、私、ゆーくんの彼女だもん…。あ、あと、何で首にキスマークつけちゃってるの!? このままじゃ、優香たちの所帰れないよ!?」
優斗「あ、やっべ…」
白露「もー! じゃあ、こっちだって…!!」
今度は、茜が優斗の首にキスした。もちろん、キスマークがついている。
白露「これで、おあいこでしょ?」
優斗「まぁ、うん…」
白露「あ、でも…」
茜が、追撃と言わんばかりに腕にキスした。もちろん、キスマークがついている。
白露「こっちの方がいいかもね♪」
優斗「ちょ、何増やしてんだよ!?」
白露「じゃあ、ゆーくんもキスしたらいいじゃん!」
優斗「何でそうなる…。まぁ、するけども」
優斗は、茜の腕にキスマークをつけた。ただ、問題が発生した。2人とも、目立つ所にキスマークをつけてしまっていた。
白露「じゃあ、そろそろ戻ろうよ。みんな探してるんでしょ?」
優斗「ああ…」
優斗(茜が元気を取りもどしてくれて良かった…)
この後、2人で手を繋いだまま戻ったのは言うまでもない。
(翌日 演習2日目)
俺たちは、あの演習場へ戻ってきた。相手は、アイツだ。
男 「あーあ、またあなたたちとですか? まぁ、いいですよ、『一番』に白露さんを轟沈判定させてやりますから」
優斗「…」
白露「…」
男 「おや、無視ですか? まぁ、いいですよ…」
アイツは、俺たちをバカにして笑いながら歩いていった。
優斗「茜、アイツの話なんか無視しとけ。さて、作戦会議といきますか…」
白露「うん」
演習開始数十分前。俺たちは、最後の作戦会議を終えて演習場へと向かった。
優斗「じゃあ、お前ら頑張れよ!」
白露型「了解!」
俺は、再びあのソファーに腰掛けて演習開始を待つ。もちろん、アイツもいた。
男 「あ、『一番』最初に白露さんを轟沈判定させてやるんで、よろしくお願いします」
優斗「…勝手に言ってろ」
そうこうしてるうちに、演習開始の1分前になっていた。
白露「…」
白露(相手の娘たちは、私を狙うはず。だったら…)
そして、演習開始を知らせるアラームが演習場に響き渡った。 それと同時に、茜は、敵陣に突っ込んでいった。
白露「最初から突撃だぁぁぁ!!」
相手の艦娘は、驚いていたのか動き出すのが一瞬遅れた。けれども、茜はこの一瞬の隙を見逃さなかった。
茜が、砲撃する。相手の艦娘にどんどん当てていく。昨日とは打って変わって攻めまくっている。相手は、まさかの茜の突撃には対応出来ず混乱していた。
数十分もすると、決着がついた。茜たちが最初から最後まで押しまくって勝った。結果は、昨日と比べると圧倒的に差がついていた。
男 「は? いや、何で…? おかしいだろ…」
優斗「残念だったな。どうやら、『一番』最初にやられたのはお前の秘書艦みてーだぜ。早く行ってやったら?」
男 「このぉ…。覚えてやがれ!!」
アイツは、逃げるように走り去っていった。俺は茜の元へ急ぐ。
優斗「茜ー!」
白露「ゆーくん!!」
茜が、俺に抱きついてくる。俺も、思いっきり抱きしめ返す。
優斗「まさか、本当にやるとは思ってなかったけどもな…」
白露「まぁ、相手に一泡吹かせられただけましでしょ!」
時雨「あのー、2人で盛り上がっているところ悪いんだけども…。お姉ちゃんと優斗同じ所にテーピングしてるけども、昨日何かあったの?」
優斗&白露「い、いや、なんでもないよ…」
時雨ら(怪しい…)
夕立「なんでもないなら、このテーピング外してもいいっぽい!」
白露「ちょ、ちょっと、咲! 勝手にテーピング外さないでよ!」
村雨「じゃあ、はがしまーす♪」
白露「ちょ、由衣まで何してるの!?」
村雨「えーっと、これでっと…。はがし終わりっと。さて、何が…」
白露「み、見るなぁ!」
春雨「え、こ、これって…」
五月雨「き、キスマーク…」
時雨「ということは、優斗にも…」
優斗「おい、待てやめろ」
夕立「優斗のテーピングをはがしてやるっぽい!」
優斗「ちょ、ホントにやめろ!」
海風「あ、ここ引っ張ればほどけますね」
山風「はがしちゃえー」
江風「よっしゃ、剥がれた! ンで、やっぱりキスマークは…」
涼風「これじゃねーか?」
優斗「やっちまった…」
白露「ほんとだね…」
江風「じゃあ、この証拠写真、鎮守府にいる青葉さんに送ってやろうぜ!」
優斗&白露「それはやめろ!!」
江風「やーだね。じゃ、私はこれで…」
白露「あ、待てー!!」
優斗「ちょ、待てって…」
時雨「じゃあ、僕たちも行こうか」
村雨「そうね」
こうして、俺たちの演習は終わった。茜は、自分の『一番』を見つけられた。俺は、やらかした。
けども…。
白露「ほら、早く追いかけるよ! ゆーくん!」
優斗「ああ」
俺たちの物語は、まだ終わらない。
いかがだったでしょうか。よろしければ、コメント等お願いします。
本来は、この話を書く予定は無かったです。ただ、Twitterで投票したら2票投票数があり1票は「見たい」に入っていたので書きました。
武勲も人気も妹が有ろうが改二が妹より遅かろうが構わんけどソレを
引き合いにやたら白露を馬鹿にする輩の気持ちは本当で理解できない。
圧倒的優位な位置で見下したいのかな、ああいう人達
※1
本当にそうですよね…。なんで、そんな事するんだろう…。
分かります。
そういう人達は、逆に自分の好きなキャラを馬鹿されたら、どんな気持ちなるのかわかない人達なのでは?
※3
発言する前には、気をつけた方がいいですね…。