2020-11-22 05:17:10 更新

概要

イチャラブものは、しばらくお待ちください。


前書き

幼馴染×白露という予想内のベストマッチ。


優斗「…」


白露「…」


優斗「どうすればいいんだ…」


白露「知らないよ…」


俺と茜は、なぜか閉じ込められていた。

俺は、不慮の事故で。茜は、なぜか部屋に突っ込んできて閉じ込められた。


優斗「んでさ、なんで茜が部屋に入って来たんだ?」


白露「えっとね…」



~~~~~~~~~~

(数分前)

白露「あれ? ここら辺にいるって言ってたの…」


倉庫周辺で、茜は優斗を探していた。

里奈曰く、この辺にいると聞いたのだがまったく見当たらない。いた形跡もない。


白露「おっかしいなぁ…。もしかして、入れ違いになっちゃったのかなぁ…」


どこを探してもいない。

仕方がないので、倉庫周辺から移動しようとした。

すると、後ろから誰かに突き飛ばされた。そのまま、頭から倉庫に突っ込んだ。


白露「いったぁ…」


~~~~~~~~~~


白露「こんな感じだよ」


優斗「誰だよ、茜をつっ飛ばしたの…」


白露「さぁ…?」


誰がつっ飛ばしたのかは分からない。それに加えて、出る方法も分からない。

ドアに向かって思いっきりタックルしてはみるけれども、こっちが痛くなっただけだった。

鍵穴に針金でも入れて弄ってみようかとしたけれども、そもそも鍵穴が見当たらない。

完全に詰んでしまっている。


優斗「どうすればいいんだ、この状況…」


白露「あれ、こんな所に何か通信機が…」


優斗「いや、なんでだよ!? どう考えてもおかしいだろ!?」


白露「まぁ、今使えそうなモノがこれしか無いから仕方ないよ…。私の携帯も電波入らないみたいだから」


優斗「そもそも、これも使えるのか?」


白露「電源入れてみないと分からないよ」


優斗「まぁ、うん。じゃ、電源スイッチオンっと」


通信機の電源をオンにしてみる。すると、やけにクリアな音質で声が聞こえてきた。


??「どうも、お二人さん。部屋の居心地はどうだい?」


優斗「死ね」


??「いきなり酷いなぁ…」


優斗「黙れ、そして死ね」


白露「ちょ、ゆーくん…。通信切られたらどうするの」


優斗「んだけれどもよぉ…」


??「まぁ、仲がよろしくて結構」


優斗「さっさとこの部屋から出せや、そして死ね」


??「死にはしないけれども、この部屋から出るための方法なら教えてあげるよ」


白露「どうすればいいの?」


優斗「金ならないぞ。あと、死ぬ気もないぞ」


??「命とか、お金は要求しないよ。捕まりたくはないから」


優斗「すでに監禁してるからアウトだろうが…」


??「…。それは置いておこう。じゃあ、この部屋から出るための条件を教えてあげよう」


優斗「はよ言えや、クソゴミ屑野郎」


??「ひどいね、君」


優斗「黙れ。んで、はよ言え」


??「一晩、一緒に過ごせば出してあげるよ」


優斗「は?」


??「それだけで別にいいよ? じゃあ、そろそろサヨナラー」


優斗「ちょ、おい!?」


ピー…


一方的に、通信を切られてしまった。

こっちから通信し返そうにも、どのボタンを押しても反応しない。


優斗「なんてこったい…」


白露「で、でも、一晩一緒に過ごせば出れるんだよ。だから、別に大丈夫でしょ?」


優斗「食い物とかがねぇだろ、あと風呂とかもねぇだろうし…」


白露「あ、お風呂あった」


優斗「え?」


茜が部屋の中をうろついている最中に、風呂らしきものを見つけていた。

しかも、割と広い。そして、綺麗だった。


白露「あ、冷蔵庫の中にも食材が…」


優斗「は?」


今度は、部屋の中にあった冷蔵庫を開けていた。

中には、食材が揃っていた。訳が分からない。


優斗「まぁ、流石に着替えとかはないだろ…」


白露「あったよ?」


優斗「えぇ…」


綺麗に畳まれた着替えが、風呂場の近くに置いてあった。

もはや、こっちが考えている事を全て分かっているかのように。

洗濯機もあるし、台所も完備してある。電気も通っているし、更にはテレビも置いてあった。

考えれば考えるほど、意味が分からなくなる。

犯人は、何がしたいんだ? 俺がここに閉じ込められたのは、完全に事故だけれども。


茜を閉じ込めるつもりだったんだろうけれども…。

本当に何が目的なんだ?



ーーどっかの部屋ーー

??「さて、閉じ込めたのは成功したけれども…。これからどうするのさ」


??「一晩だけ放っておけばいいっぽい」


??「明石さんと夕張さんに感謝ね」


??「けれども、なんで私が頼んだらあんなにすぐに作ってくれたんだろう?」


??「それにしても、茜姉さんを突き飛ばしちゃいましたけれども大丈夫だったでしょうか…」


??「たぶん、大丈夫だと、思う…」


??「まぁ、ンな簡単には怪我しねぇだろ」


??「それにしても、隠しカメラ気づかれないでしょうか…」


??「たぶん、そう簡単には気づかれないだろ」


??「さて、後は明日が来るのを待つだけだね…」


ーーーーーーーーーー


優斗「一晩を過ごすって…。あいつ、一言で言いやがったけれどもさぁ…」


白露「やる事がないよねぇ…」


優斗「もしかしたら、監視されてる可能性だってあるからな」


白露「それらしきモノは見当たらないけれどもね」


優斗「仕方がない、テレビでも見るか」


白露「そうだね。まぁ、何やってるかは分かんないけれども」


優斗「あぁ!!」


白露「うわっ、ビックリしたぁ…。急に大声出さないでよ…。それで、どうかしたの?」


優斗「今日から日本シリーズ開幕じゃねぇか!!」


白露 ヽ(・ω・)/ズコー


優斗「クッソ…。録画し損ねた…」


白露「何か大事な資料の提出期限とかかと思ったら…」


優斗「仕方がない、ここのテレビで見るしかない…」ピッ


実況『さぁ、あとワンナウトで試合終了です!』


優斗「ウソん…」


実況『空振り三振!! 試合終了です!! 最後は林が抑えました!!」


優斗「プレーボールから見ようと思ってたのに…」(´・ω・`)ショボーン


白露「仕方が無いよ、こんな事が起こるなんて誰も想像できないし…」


優斗「チクショーがぁ…」


白露「落ち込み方が凄い…」


優斗「あー、もうヤダー。もう嫌だー。早くこの部屋から脱出したーい」


白露「ゆーくんが壊れた!?」


優斗「壊れてはないぞ」


白露「いや、ほぼ崩壊してたじゃん…」


優斗「さて、そんな事は置いておきまして…」


白露「うん…」


優斗「どうするか、これから…」


白露「こんな状況だと、ゆっくり過ごせって言われても無理だよね…」


部屋の中では、何とも言い難い空気が流れていた。

話す事があるかと言われても、特にない。昼寝でもしようかと思っても、眠くもない。

昼飯はすでに食ったので、本当にやる事が無い。


優斗「やる事ねぇな…」


白露「うん…」


本当にやる事が無い。

あまりにも暇なので、通信機をいじってみる。そしたら、なぜか通信が繋がった。

まぁ、偶然だろうけれども。


優斗「あ、なんか繋がった」


白露「え?」


優斗「おーい、誰か反応しろー」


??「なんだい、急にそっちから連絡してくるなんて…」


優斗「やる事がないんだよ、やる事が」


??「知らないよ、そんな事…。久しぶりに、喋ってたら?」


白露「久しぶりに一緒になったから、何話せばいいのか分かんないよ…」


優斗「あ、そうなん?」


??「あーもう、知らないよ…。もう2人でイチャイチャしてなよ!!」ブチッ。ツーツーツー…。


優斗「まーた、一方的に切りやがった…」


白露「ホントに困ったね…」


優斗「だな…」


しかし、茜が言った通り久しぶりに2人きりになったので、話す内容がないのも、まぁ、事実だったりする。

茜はこっちから目を逸らしてモジモジしていた。


優斗「おーい、茜ー?」


白露「い、いや、うん…」


人差し指同士を突き合わせながら、こっちを見てきた。

恥ずかしいのかなんなのか…。俺にはよく分からない。

こうだから、女の子のことをよく分かってないって言われるのかな、俺。


優斗「ま、まぁ、久しぶりに一緒になるからなぁ…」


白露「う、うん…」


顔を合わせると、こっちもなぜか恥ずかしくなってくる。

意識すると、こっちもこっちでこうなる。


優斗「じゃ、じゃあ、俺こっちでテレビ見てるわ…」


ずっと顔を合わせているのも恥ずかしいので、テレビが置いてある方へと移動する。

茜は、何か言いたそうにこっちを向いていた。

俺も、茜の方を見ようとはしたが、あまりにも恥ずかしすぎるので顔を合わせられなかった。


優斗「…」


優斗(あれ? あんなに茜って可愛かったけ…?)


約半月ぶりに顔を真正面から見たせいか、いつもよりも可愛く見えてしまった。

気のせいなのかどうかは分からないけれども…。


白露「…」


白露(意識したら…。また恥ずかしくなってきちゃったよぉ…)


半月ぶり、たった半月なのにここまで気持ちが高ぶるなんて思いもしなかった。

顔を真正面から見るだけで、心拍数が更に上がっていく気がする。

結婚しているはずなのに、まだ付き合い始めて数日ぐらいの感じになってる。


白露(これ…。耐えられるのかなぁ…)


高まりつつある心臓を、抑えながら自分は優斗とは別の所に座った。

そのまま、数時間が経った。

外は太陽が沈んで、月が出てきている。


白露「ね、ねぇ…」


優斗「な、なんだ、茜…?」


白露「そ、そろそろご飯作らない…?」


優斗「そ、そうだな」


2人は無言のままキッチンに向かう。

茜が冷蔵庫から食材を取り出していく。それを見て、優斗は何を作ろうとしているのかを即座に理解した。

以心伝心と言っていいのか何なのか、よく分からないが。

無言のまま、2人は料理をしていく。

いつもなら、何かと話しながら行うはずなのだが。


優斗「…」


白露「…」


黙ったまま、調理を行う。

数分経つと、夕ご飯が完成した。


優斗「食べるか」


白露「…うん」


無言の時間はまだ続く。

2人で何も話すことなく、夕ご飯を食べ進める。

夕ご飯を食べ終わった後は、皿などを片づけていく。

片づけが終わると茜は無言のまま、お風呂に向かっていった。


優斗「…」


優斗(居づらいな、コレ…)


茜の後ろ姿を見ながら、優斗はソファーに座り込んだ。

テレビを点けて、茜が風呂から出てくるのを待つ。


優斗「…」


優斗(意識してんのか、俺…)


テレビを見る気にもなれない。

頭の中は、もうよく分からない事になってしまっていた。


優斗「どうするかな、ホントに…」


ソファーの上で体操座りになって、天井を眺める。

どうにもこうにもならない自分自身の感情を何とかして抑えようとはするけれども、どうにもならない。


優斗「どうすりゃいいんだ、ホントに…」


そのまま、動けずに茜を待っていると、後ろから茜の声が聞こえた。


白露「ゆーくん、上がったよ…」


優斗「りょ、了解…」


そう言って、茜とすれ違っていく。

今度は、茜がソファーに座り込んだ。


白露「…」


白露(頭、ボーっとしてる)


頭の中は、何を考えても上手く最後までまとまらない。

好きな人と一緒の空間にいれるという事が、久しぶりになるとこうなってしまうのか。

自分でも分からない。

好きって、想えば想うほど胸が苦しくなる。

抱きしめて欲しい、頭を撫でで欲しい、キスして欲しい、と色々な想いが止められなくなっていく。

一番好きな人に対しての想いってここまで強かったんだと、再び実感する。


優斗「上がったぞ、茜ー」


白露「あ、うん…」


優斗がいつの間にか、風呂から上がってきていた。

特に言いたい事も言えずに、ただ下を向いたまま何も出来なかった。


2人は、同じソファーに腰掛けてはいるけれども、少し間を空けて座っていた。

相変わらずの無言状態だけれども。


優斗「…」


白露「…」


何も話せず、何も出来ず。

そのまま、時間だけが刻々と過ぎていく。

いつの間にか、時間は夜の11時を過ぎてしまっていた。


白露「さ、先に寝るね、私…」


優斗「わ、分かった。じゃあ、俺も後で寝るわ…」


時間も時間なので、ベッドに向かった。

けれども、ベッドは1個しか無かった。どうしようもないので、左側に入って毛布を被る。

少し経った後に、優斗が右側に入ってきた。

互いに顔は逆向きになっている。


眠いけれども、心臓がバクバク鳴って眠れない。

なんとか、目を閉じて眠ろうとしてみる。けれども、眠りにつけない。

今日は、眠れないな、と思っていると茜が話してきた。


白露「ねぇ、ゆーくん」


優斗「…! な、なんだ?」


白露「久しぶり、だよね。こういうのは」


優斗「そ、そうだな…」


白露「ゆーくんは、嫌? こんなのは」


優斗「そ、そんな事はないぞ? 急にどうしたんだよ、そんな事聞いてきて」


白露「ちょっと、気になったから聞いただけ」


優斗「そっか…」


白露「ねぇ、そっち向いてもいい?」


優斗「…別にいいぞ」


茜がこっちを向く。俺も、茜の方に顔を向ける。

互いに顔は真っ赤になってしまっていた。


白露「ゆ、ゆーくん…。そ、その、ギュッってしても、いい?」


優斗「べ、別に大丈夫だぞ…」


白露「じゃ、じゃあ…」ムギュッ…。


茜が抱きついてくる。顔が目の前に来るほど近い。


白露「ね、ねぇ、ゆーくん…」


優斗「な、なんだよ…」


白露「私の心臓、ドキドキしてるの分かる…?」


茜の身体が身体に密着しているのもあってか、茜の心臓がとんでもないスピードでバクバクと鼓動しているのが分かる。

目の前にいる、茜の顔を見ると恥ずかしくなっているのか、涙目になっていた。


優斗「あ、茜…。なんで泣いて…」


白露「だって、だって…。ゆーくんとずっと一緒にいれなくてこんなに辛かったのに、久しぶりにゆーくんと一緒になれたのに何にも出来ないなんて…。嫌だもん…」


優斗「…」


無言で、茜を抱きしめる。

俺は、こんなに馬鹿だったのか。

こんな事、女の子にさせて。こんな思い、女の子にさせて。女の子を泣かせちゃって。

俺は、何にもできて無かった。馬鹿にも程がある。


優斗「茜…。ごめん」ギュッ…。


抱きしめたあと、茜に謝る。

抱きしめられた茜は、目から涙を数滴流しながら更に抱きついてきた。


白露「馬鹿ぁ…。謝っても、何にも思わないよぉ…」


もっと、強く抱きしめる。茜とハグなんてしたのは、何か月ぶりかは覚えてない。

けれども、身体は柔らかくて、甘い匂いで頭がクラクラしてくる。


白露「ねぇ、ゆーくん…」


優斗「なんだよ、茜」


白露「んっ…」


茜が、目をつぶってこっちを見てくる。俺は、そっと茜の唇に唇を重ねた。

甘い匂いと、キスの味が重なりあって大変な事になっていく。


白露「えへへ…。ゆーくんとキス、またしちゃった…///」


優斗「…」


白露「どうしたの? ゆーくん」


優斗「…何でもない」


白露「ホントに?」


優斗「本当だって…」


白露「嘘つき」


優斗「いや、だから、本当だってば…」


白露「へぇー…。じゃあ…」


茜が、手を俺の股関の部分に移す。そして、固くなったモノを触る。


白露「こうなってるのに?」


優斗「…うっせぇ。こうなっちゃったのは、仕方ねえだろうが…」


白露「じゃあ…。久しぶりに…。シちゃう?」


優斗「い、いや、それは…」


白露「じゃあ、いいや。おやすみー」


優斗「っ…」


白露「ゆーくんったら、素直に言えばいいのにー。別に、私は大丈夫だよ? ゆーくんの事…」


白露「世界でいっちばん大好きだから、ね?」


優斗「茜…」


(次回に続く)


後書き

咲 「久しぶりの次回予告担当っぽい」

愛海「本当だねぇー」

七海「けれども、この3人でやって欲しいって言われましたけれども、そうなると茜姉さんだけこの章では担当してないんですよね…」

咲 「わけが分からないっぽい」

愛海「作者さん曰く、最終回に任せるって言ってましたよ?」

七海「つまり、次回って事ですね」

咲 「じゃあ、最終回の次回予告っぽい」

愛海「次回は、『変な部屋に閉じ込められたけれども』に続きます!」

七海「若干タイトルを変える可能性があるので、そこだけはご了承お願いします」

咲 「そんなワケで、来週もよろしくお願いするっぽい!」

愛海「次回は、今章の最終回みたいなので、よろしくお願いします!」

七海「それでは、来週も…」

咲・愛海・七海「お楽しみに!(っぽい!)」


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