黒い海(第6章,1話)
新章開幕。今度は、何が起こる…?
新章開幕です。さて、今度は、何が起きてしまうのか…?
…ここは何処だ?
目が覚めると、俺は海の上にいた。
ただ分かるのは、どこかの海の上という事だけ。
優斗「なんなんだよ、これ…」
俺は。
茜は。
白色と黒色だけの世界の中にいる。黒い海の上で、2人きりだ。
白露「こ、ここはどこなの…?」
優斗「俺も分かんねぇ…」
ここに来るまで、あった事を思い出す。
そうだ。
俺たちは…。
(数時間前)
優斗「なんでこんな事しなきゃなんねぇんだよ…」
祐樹「まぁ、仕方ねえよ。その海域だけおかしいんだから。もし、その海域に深海棲艦がいたらどうすんだよ」
優斗「そうだけどもさ…」
俺と祐樹、そして茜たちはとある海域の調査を行っていた。
祐樹に聞いた話によると、その海域に近づくと急に霧が出てきて、水の流れがおかしくなるらしい。しかも、連絡手段である通信機も使えなくなるというおかしな海域だ。
深海棲艦の策略かもしれないと、祐樹は言うがそれはないだろう。そもそも、敵側に残っている深海棲艦がそんな事をしたらすぐさま対策されて袋叩き喰らって終いだ。
けども、深海棲艦がやっていないとしたら一体、なんでそんな事が起きるんだ…?
と、重い話はここで置いといて。海域調査ついでに、明石の発明品の検査も兼ねてるんだよなぁ…。
この調査。
明石曰く、俺たち艦娘にはなれない人間が海の上を歩けるようになる靴だそうけども…。
何やら、スケートを参考にしたらしいんだけども。
まぁ、もし仮にそれが上手くいったとしたら大きなプラスなんだけども。
祐樹「どしたー? なんか考え事してるみてーだけども。例の靴の事か?」
優斗「まぁ、そうだな。例の海域の近くにいったら調査するついでに使ってみるよ」
祐樹「無茶だけはするなよ…?」
優斗「分かってるって。ヤバいと思ったら、全員で急いで退却するよ」
ちなみに、この調査に祐樹が参加してる理由としては、主に2つある。
・深海棲艦の影響なのかどうか。
・もし原因が深海棲艦以外だった場合、何故その現象が発生してしまっているのか。
また、俺も何故か急に参加させられた。
ホントに急だった。
なんせ、調査予定日の3日前だからな!?
いつもの俺だったら、参加させられたと祐樹に聞かされたら問答無用で祐樹の顔面にグーパンチしてた。
何で、俺の自由が奪われるんだよ!! …みたいな感じで。
祐樹「そろそろだぞ。…。例の海域までは」
優斗「ああ」
…けども、祐樹の口からとある事を聞いた時に、俺の考えは参加する方へと一気に変わった。
この海域は、俺の両親が最期に指揮を執った場所だという事を。
普通なら、俺の両親がこの異変に関係してるって聞いた瞬間にやっぱり祐樹の顔面にグーパンいってたな。うん。
けれども、数日前に見たあの夢が脳裏にこびりついて離れない。
茜たちが海に引きずり込まれていく、あの夢を。
関係ない事を望んでいるけども、何故か嫌な予感が、話を聞いた時にした。
なので、俺はこの調査に参加する事を決めた。
謎の胸騒ぎがしたまま。
俺と祐樹が乗っている船は、例の海域にどんどん近づいていく。
そして。
例の海域のすぐ近くまで来た。
祐樹「…。行くぞ」
優斗「ああ」
俺と祐樹。そして、茜たち10人と祐樹が連れて来た長良型の3人は、例の海域へと近づく。
すると次の瞬間。
謎の海流が発生した。
けども、海流と霧には対策をしている。そもそも、艤装の機能を使えば海流については楽に対策出来るはずだ。
霧については、全員の艤装に霧が出てきたら自動的に霧をはらってくれる機械をつけたから大丈夫なはずだ。
そう思っていた。
が。
白露「あ、あれ!? 艤装の機能が発動しない!? ちゃんとメンテナンスもしたのに!!」
時雨「ぼ、僕のも動かない!! こ、このままじゃ水流に飲まれちゃうよ!!」
優斗「んなっ…。祐樹!! この船、俺たちが動かしても問題ないよな!?」
祐樹「当たり前だ…。優斗。ちょっと、荒い運転になるけど船酔いすんなよ!!」
祐樹はそう言い残すと、船の操縦席へ向かった。
祐樹「このまま飲みこませるかよ…!!」
船を一気に茜たちに近づける。けども、あまりにも近づけすぎると船がやられてしまう。
祐樹「クッソ!! これ以上近寄れんねぇ!!!」
優斗「だったら、俺が行く!!」
優斗は、明石に渡された靴を履くと荒れる海に飛び込んでいった。幸いにも、今回の発明品は大丈夫そうだ。
優斗「早くつかまれ!!」
優斗は水流に足をとられて動けなくなってしまっている奴らを、引っぱっていく。
優斗「これで大丈夫な…。はずだ!!」
全員を海流の影響を受ける範囲から出たのを確認すると、優斗も船に戻ろうとした。
優斗(あの夢って、この事を表してたのか…?)
完全に夢で見ていた事と同じだ。けども、茜たちを逃がすことができたから、夢のようにはならないはずだ。
優斗「これで大丈夫…。ん?」
茜たちを逃がしたのはいいが、優斗は助ける事に夢中で自分自身の事を考えてなかった。
優斗「んなっ…」
今度は、優斗が水流につかまってしまっていた。水流から脱出しようとするが、出来ない。どんどん吸い込まれていく。
優斗「や、ヤバっ…」
よりにもよって、明石が作ってくれた靴も壊れてしまっていた。どんどん息が苦しくなっていく。
白露「提督!!」
優斗「来るな!!」
茜がこっちにきそうだった。けども、茜を巻き込むわけにはいかない。それでも、茜はこっちにきそうだった。
優斗がもう一度、来るなと言おうとしたその時。
優斗は、急に強くなった水流に飲まれていった。
白露「え…? そ、そんな…。嘘だ…。嘘だ嘘だ嘘だ嘘だぁっ!!」
気がつくと。
来るなと言われていたのに、優香たちの静止を振り切って、水流に向かって突っ込んでいた。
突っ込むと同時に、茜も飲み込まれていく。
時雨「ちょ、お姉ちゃん!?」
何とか止めようとしたが、間に合わなかった。優香たちの目の前で、茜と優斗は水流に飲み込まれていってたしまった。
2人の姿が見えなくなると、急に霧が晴れてきた。
けども、そこには。
茜と優斗はいなかった。
時雨「そ、そんな…。お、お姉ちゃんと優斗が…」
祐樹「今すぐ探せ!!」
祐樹たちが探し始める。けども、姿どころかあんな水流に巻き込まれているのなら、何かしらの痕跡は残っているはずだ。
けども、何も残っていない。
祐樹「嘘、だろ…」
祐樹たちは、太陽に照らされている、青い海をただ眺めることしかできなかった。
ーー??--
優斗「そっか…。俺、水流に巻き込まれて…。って、なんで茜が…」
白露「だって、だって…」
茜が泣き出してしまいそうになる。優斗はただ慰めてやることしかできない。
優斗「お、落ち着けって!! ほら、俺はここにいるから!!」
白露「だって、だってぇ…」
茜を慰める優斗だったが、少し先を見ると謎の人影が見えた。
その人影は、9つあった。
優斗「ま、まさか…な…?」
白露「ふえ…? え…? あ、あれって…」
泣き止んだ茜がその人影を見た瞬間、言葉が口から出なかった。
それは何故か?
そこに見えたのは、優香たちに見えたからだったからだ…。
(次回へ続く)
優斗「次回予告、ここでするのか…?」
茜 「じ、次回予告…。「逃げろ」へと続きます…」
何やら不穏な空気が流れてきました。
イチャイチャしている暇はありません!
頑張れ優斗
と、言うより、
ブラックコーヒーと激辛料理を準備しないで読める日が来るとは。
※1
優斗「頑張るしかねぇ!!」
※2
けども、イチャついていないssを書くと何か変な感じがするんだよなぁ…。
憲兵さん「提督が大変な事になっているだと?」
憲兵さん達「ブラックコーヒー飲んで寛いでいる場合じゃない!」
果たして彼らに、
輝ける場面はやって来るのか?
※5,6
白露「残念だけども、憲兵さんの出番は無いよ…」
優斗「そもそもここはどこだー!?」
海の上…某デビルメイクライ3の最終ステージの魔界の海みたいな場所を
提督達が長々と彷徨ってるんだとしたら本気で怖いやろな
※8
優斗「出る方法が分からないぞ…」
白露「助けて…」
今の状況を楽しめばいい。
きっと何か見えて来る。
……多分。
※10、11
優斗「楽しめる状況じゃねぇよ…」
白露「だれかー!」