縮まる逃げ場、そして変わりだす世界。(第5話)
なんか、艦これから話それてね? 俺が書いてるss。
今回は、ちと短めです。
優斗「…もうこんなに経ったのか」
白露「そうだね…」
鎮守府から遠く離れたとある駐車場で、2人は車内にいた。
自分がこれまでいた鎮守府から逃げて、すでに2週間が経っていた。
茜は、深海棲艦化が進んでいくこともなく、人格とかにもなにも影響はない。
むしろ、元気過ぎるぐらいだ。
優斗の方も、特に何も起きておらずに至って普通の状態だ。
優斗「祐樹たち、今頃どうしてんだかな」
白露「さぁね…。意地でも見つけるつもりだろうけれどもさ」
優斗「優香たちに、何も影響がなきゃいいんだけれどもな…」
白露「うん…」
車内で、今日も行く場所を考える。
2人は、春香の与えてくれた僅かな情報を頼りにして、春香が行ったと思われる病院を探し続けていた。
警察などが捜索してくると思ったが、特にそんな事もなく、茜は深海棲艦化している所を隠せば特に問題もないので、2人は制限などはあまりない状態で動いていた。
しかし、海軍では優斗たちを巡り、今日も会議が開かれていた。
ーー祐樹の鎮守府内にある会議室ーー
祐樹「これからは、深海棲艦を連れて逃げているアイツを、指名手配犯として国民全員に知らしめる必要があると思う」
祐樹が、ホワイトボードにこれから行おうと考えている事を書いていく。
その中で、一番上に書いた件について議論しようとしていた。
実際、今は優斗を追うのには警察との協力は行っておらず、海軍のみで行っている状態だった。
理由として、警察に協力してもらうとなると名前を公表しなければならなかった。
公表して情報収集を行うにしても、海軍関係者が何か重大事件を起こしたと国民に知られたら、海軍は批判が殺到する事は目に見えていた。
ただでさえ、パンク寸前状態の今に、海軍批判への対象も加わるとなると、パンクするどころか海軍自体が機能しなくなってしまう。
それを防ぐため、今は海軍のみで捜索していた。
しかし、祐樹が提案したこの案は優斗と茜を確保するためにパンクしろと言っているような案だった。
男1「ちょっと、待ってください! そんな事をしたら、海軍は終わってしまいます」
祐樹「じゃあ、いつ暴走するかも分からない深海棲艦を放っておけと?」
朱里「けれども、暴走するって決まったワケじゃないみたいじゃない」
祐樹「可能性が0ではないなら、速攻排除するべきだろ。あんな危険分子を放っておけるか」
男2「だからと言って、コレは…」
祐樹「さっさと実行に移すぞ。犠牲者が出る前に」
朱里「…」
朱里(いつもなら、優斗がストッパーとして動いてくれるけれども…。優斗がいなくなったら、祐樹はこうなっちゃうのが唯一の弱点だなぁ…。まぁ、祐樹がこんなに茜と優斗を捕まえようとする気持ちも分かるけれども…)
祐樹「今度は、絶対に…」
過去にも、似たような事があった。俺の近くで。
とある深海棲艦が、逃げてきた。その深海棲艦を、俺の家族は保護した。
けれども…。思い出すだけで嫌になる。
俺の親父を傷つけ、母親を殺して…。
俺の家族を滅茶苦茶にしやがった深海棲艦を、俺は許さない。
それに似たような状態に、今度は俺の友人がなっている。
俺が、今度は助けるんだ。アイツが死なないように。俺の仲間を守り抜くために。
祐樹「じゃあ、警察に協力してもらえるように連絡するか…」
会議室を後にし、外に出ようとした時、とある男が会議室に入ってきた。
??「おーい、お邪魔するぜー」
祐樹「だ、誰だ…。って…」
朱里「え、あ、あなたは…」
その男が入ってきた瞬間、部屋にいる全員に衝撃が走った。
その人物は、全員が知るあの人物だったからだ。
(会議があってから数日後)
優斗「なんか、変だな」
白露「うん…」
車でいつも通り、何でもない道を走っているはずなのに、おかしい。
真っ昼間の街中なのに、車どころか人もいない。
優斗「どうなってんだ、コレ…。もしかしたら、変な世界にでも入っちまったのか!?」
白露「そんな事分からないよ…」
優斗「とりあえず、この街から出よう。気味が悪ぃ」
街から出るために、カーナビを操作する。しかし、電波が急に悪くなる。
優斗「ど、どうなってるんだ…?」
白露「わ、分からないよ…」
焦っていると、街にあるスピーカーから何か音が聞こえてきた。
優斗「な、なんだ…?」
スピーカー「君たちは包囲されている! 諦めて出てこい!」
優斗「な、なんでバレたんだ!?」
白露「ど、どうしよう…。コレって、この街に閉じ込められたって事?」
優斗「まぁ、そうなるだろうな…。けども、ここの近くに鎮守府は無いはずじゃ…」
白露「ね、ねぇ、コレ…」
茜が、こっちにスマホを見せて来る。そこには、とある掲示板の画面が映っていた。
しかも、写真付きで。
:001 ?? 12:12:16
そういや、○○県の○○ってところに深海棲艦と逃げてるヤバいヤツいるらしいよ
:002 △△ 12:12:19
は? 嘘つくなって
:003 ?? 12:12:29
はい証拠。
掲示板には、俺と茜の写真が載っていた。
どこからも撮られないように、警戒していた。しかも、茜の深海棲艦化した部分も隠してたハズだ!
なのに、なんで…。なんで…。
優斗「嘘だろ…。じゃあ、この街に人がいなかったのは…」
白露「私たちを閉じ込める、ため…」
優斗「茜、逃げるぞ!」
白露「う、うん!!」
車のアクセルを踏み込む。どこから追っ手が出て来るかは分からない。
だから、車外に出て逃げる事はせずに車に乗って逃げる事にした。
けれども…。なんで、俺らは撮られたんだ。
もしかしたら、海軍のヤツらか…? というか、この掲示板を見ただけでどうして深海棲艦だと分かる!?
色々な考察をするが、思いつくのは、たった1点だけだ。
優斗「もしかしたら、あのバケモノが仕組んだのか…?」
あのバケモノは、電子機器に影響を及ぼす事は分かっている。
けれども、人間にまで影響を及ぼ能力はないはずだ。じゃあ、やっぱりコレは…。
優斗「海軍の、仕業なの、か…?」
??「いたぞ!」
??「捕まえろー!!」
そんな事を考えていると、街の所々から声が聞こえてくる。
優斗「ゲッ、もう見つかった」
白露「ど、どうするの!?」
優斗「逃げるだけじゃー!!」
アクセルを更に踏み込む。けれども、逃げれたのは数分間だけだった。
この街は封鎖されている。だから、逃げれば逃げるほど、逃げ場が無くなる。
優斗「こうなったら…。茜! 海の上って今は動けるか?」
白露「い、行こうと思ったら行けると思うけど…」
優斗「じゃあ、ちょっと力借りるぞ!」
白露「わ、分かった!」
何とか、海の近くまで来れた。
今の茜は、深海棲艦のように何もなくても海上を動くことができる。
茜に担がれるのは、正直言って申し訳ないけれども…。今は仕方ない。
優斗「スマン、茜…」
白露「仕方ないよ、今回ばかりは…。ホラ、早くのって」
優斗「スマン…」
茜に背負われ、海上を移動する。
何とか、この街は出れたが…。これからどうすればいいんだ…。
白露「あ、アレ…?」
優斗「茜? どうかしたのか?」
白露「ゴメン、なんか身体が…」
優斗「まさか、深海棲艦化が進み始めたのか!?」
白露「いや、その、急に…。痛くなって…。ッ!!」
優斗「茜!?」
白露「や、ヤバい…。これ…。い、っ…」
茜が急に苦しみ始めた。近くに、洞窟のようなものが見えたので、そこに向かうように言おうとしたが、茜は少しずつ動きを緩めてきていた。
白露「ゴメン、ゆーくん…。もう…」
そう言うと、茜は気を失った。茜も俺も海へと沈みそうになる。
優斗「クッソ…」
今度は茜を俺が背負うような状態になった。洞窟が近くにあったから良かったものも、海のど真ん中とかだったら死んでしまっていたのかもしれない。
優斗「何がどうしてこうなったんだ…。茜は急に苦しみだすし、俺らの情報が漏れてるし…」
洞窟の中で、茜を寝させながら考える。
けれども、頭が混乱しまくっていてまったく考えがまとまらない。
優斗「もう、どうすればいいんだよ…」
1人で、洞窟内で座り込む。逃げ場が、また、無くなっていく…。
ーー??ーー
バケモノ「見つケたゾ、クソガきがよォ…」
怪物が、画面を見ながら言う。
バケモノ「マサか、監視カメラを操っテたトハ、あイつも思いつカなカッたようダナ…」
バケモノ「そシて、恐怖心を煽れば人間なンテ簡単に操れるとイウ事だ…」
怪物は、笑いながら言い続ける。優斗を追い詰める策を、楽しみながら作成していく。
バケモノ「サテ、ソろソロ食事を採ルか…」
部屋の奥に向かって、怪物は歩き出す。そこには、深海棲艦化した艦娘がいた。
怪物が、艦娘の身体を掴む。
そして、握りつぶした。
グチャッ…バキィ…。グチャァ…。
臓器や血か飛び散る。そして、その臓器と血を怪物は食し始めた。
深海棲艦化した艦娘は、感情が無い。だから、悲鳴をあげることもなく殺されていく。
そして、怪物の胃に入っていく。怪物は、食すればするほど、身体が変貌していく。
バケモノ「ハはァ…。さァ、今度はアの女を喰っテヤロうかナぁ…。アイツのダメージもそロソろ、限界ダろうしナぁ…」
悪魔は、今度は茜を狙いに定めた。
恐怖が。絶望が。優斗たちに迫りきていた。
(次回に続く)
七海「茜姉さん…。優斗さん…」
里奈「2人とも、無事だよね…?」
愛香「大丈夫だろ。…大丈夫、だよな」
鈴奈「また、みんなで居られる日が来るといいな」
愛香「…だな」
七海「いつか、その日がくるまで…。私たちは願い続けます」
里奈「また、みんなで色々したい…」
(次回、「最悪の再開」に続く)
久しぶりに作者のss読みました。
昔は、コーヒーが手放せ無い。
と言いながら読んでいたあの頃が懐かしいです。
※1
懐かしいなぁ…。
このssを読んでいると思い出します。
友達と酢豚のパイナップルを入れる、入れないで、熱く議論をした事を。
※3
ちなみに俺は入れない派です。