白露型vs白露型(交流編、第2話)
戦闘シーンがガバガバにも程がある。
今回は、白露型の2人が被る影響で、途中から名前表記を変更しています。
(白露→茜 時雨→優香 村雨→由衣 夕立→咲)
ーー演習場ーー
優斗「…」
演習開始時間の5分前になる。しかし、モヤモヤが晴れない。
確かに、何もかもが同じ艦娘なんか存在しない。だから、性格が全然違う艦娘が存在しても可笑しくはない。
けれども、同じ白露型全員がこんなにも性格が違うのはいくらなんでもおかしい。
全員が大人すぎる白露型…。それに対して、こっちの白露型は…。
白露「みんなー! いっくよー!!」
時雨「お姉ちゃん、もう少し落ち着いた方が…」
村雨「まぁ、久しぶりの演習だからテンションが高いのは仕方ないんじゃ…」
夕立「全員、練度が上だったとしても、ブッ倒せば問題ないっぽい」
春雨「咲お姉ちゃん、言葉が物騒すぎます!」
五月雨「演習でもドジらないようにしないと…」
海風「里奈、無茶な事はしないようにね」
山風「うん、分かった…」
江風「よっしゃー! 暴れまくってやるぜー!!」
涼風「最初に轟沈判定喰らわないといいけれどもな、姉貴」
優斗「…」
優斗(いつも通りだな。うん)
演習相手の大人しすぎる白露型を見た後に、こっちの白露型を見ると何故かは分からないが、安心する。
見慣れているからなのか、なんなのかは分からんが。
色々と考えていると、演習開始の時間になっていた。
考えていた事を一旦忘れて、演習場の方に移動する。
演習場に着いた頃には、演習が既に始まっていた。
しかし、まだ始まったばかりだったので何も戦況に変化は無かった。
優斗「しかし…。練度差をどう埋める気だ? というか、勝てるのか?」
そもそも、こっちは茜以外は練度は99で止まっている。茜も練度は100を越えてはいるけれども、1人だけじゃどうにもならない気がする。
相手の白露型は、平均練度が105程度。いけそうな気もするけれども、たぶん無理だ。
動きが全然違う。
茜たちに言っては悪いが…。勝てる気が、しない。
ーー演習場内ーー
茜 「くっ…」
白露「…」
目の前にいる相手に標準を定める。けれども、まったく当たらない。
それどころか、相手の放つ砲撃しか当たってない。私が撃った砲撃は、かすりもしていない。
時雨「これで…。終わりだ」
優香「はは…。まさか、こんなにもあっさりと、ね…」
こっちは、ほぼ全壊の状態。けれども、相手は小破もしていない。
目の前には、主砲を顔の前に構える時雨がいた。
もう、抵抗する気もない。たとえ抵抗したって、勝てないって分かってるから。
周りを見渡すと、由衣と咲もほぼ同じ状態だった。春香たちは姿が見えないけれども、ほぼ同じ状態だと思う。
こっちが降参すると、今さっきまで戦っていた時雨は別の所へと向かっていった。恐らく、お姉ちゃんの所だろう。
僕たち白露型の中で唯一の練度100越えは、お姉ちゃんだけだし。
優香「はは…。まさか、こんなにもあっさりと負けちゃうなんて、ね…」
由衣「優香お姉ちゃーん…。動ける?」
由衣が、ボロボロになった状態で近づいて来る。咲も同じようについてきていた。
優香「一応、動けるけれども…」
由衣「あっさりと負けちゃったわね…」
咲 「たった5ぐらいしか練度差がないのに、強すぎるっぽい」
由衣「それにしても、茜お姉ちゃん1人で大丈夫なのかしら…」
咲 「春香とかも、たぶん同じ状態っぽい」
演習場から3人がゆっくりと退場していく。
そのすぐそばから、演習相手の他の白露型の娘が追い抜いていく。
こっちの鎮守府の白露型の娘は、誰一人として茜の所には向かえなかった。
茜 「こんのぉ!」
白露「…」
なんとかして、攻撃を当てようとする。けれども、どうやっても当たらない。
全部、かわされてしまう。相手の白露と交戦していると、周りがいつの間にか見えなくなってしまっていた。
茜 「あ、あれ? な、なんで、囲まれてんの…?」
周りには、妹たちが戦っていたはずの他の白露型がいた。
一方、妹たちは誰もいなかった。負けてしまった、という事だろう。
白露「そろそろ…。終わりにしましょう」
相手の白露が、そう言った後に周りにいた白露型の娘が主砲を構える。
なんとかして回避しようとしてみるけれども、周りを完全に囲まれてしまっているのでどう足掻いてもかわせない。
茜 「いった…。このままじゃ…」
10人対1人。もう、どうしようもない。
意地で抵抗するけれども…。無理だ。
こんな状態になってしまったら、勝てるわけがない。
結局、そのまま負けてしまった。10対0のボロ負けだ。
何一つもいい所を見せる事も出来ずに、ただ一方的にやられてしまった。
練度の差があったから仕方ないとは言っても、誰も倒す事が出来なかったのは大問題だ。
しかも、こっちが与えたダメージはほぼ0に近いのに対して、相手側は各自1人ずつ倒している。
その事実を受け止めて見ると、練度の差という話にもならない。
茜 「…」
優香「完敗、どころじゃないね。コレは…」
茜 「だよねぇ…。アハハ…」
由衣「何やっても、ダメージを与えるどころかかすり傷さえもつけられなかったのは、ちょっとね…」
咲 「ボロボロにも程があるっぽい」
互いに反省点を挙げながら話していると、優斗が苦笑いしながら歩いてきていた。
優斗「お疲れ様ー。…って、それどころじゃねぇわな」
茜 「うん…」
優斗「まぁ、だからといってあーだこーだ言う気は俺はねぇ。そもそも、練度の差もあったしな」
咲 「でも、練度の差どころの話じゃないっぽい」
優斗「確かにねぇ…。それにしても、動きとかが全然違う理由がさっぱり分からん」
由衣「練度の差以外にも、何か原因があるのかも…?」
優斗「あー、もう! 考えれば考える程、訳が分からん!! 頭がぶっ壊れるわ!!」
ひたすらに頭の中をフル回転させても、あんなにも動きとかが違う理由が思いつかない。
…いや、待てよ?
もしかして、相手の白露型全員があそこまで大人しかったのに関係しているとか…?
俺の考えすぎか? いや、それ以外の原因が思いつかない。
茜 「おーい、ゆーくん? おーいってば!!」
優斗「うわっ、急に耳元で叫ぶんじゃねぇ!! 耳が壊れるわ!!」
茜 「あ、ゴメン」
優斗「まぁいい。俺は用事があるんでお先にー。あ、バケツは勝手に使っていいからなー」
そう言うと、優斗は別の場所に歩いていった。
茜らは、バケツを取りに行くために倉庫の方へと歩いていった。
ーー演習場の近くの部屋ーー
優斗「あー。それにしても、ホントになんでこんなにもあっさりと…」
今さっきの結果を見返すと、やっぱり異常だ。
練度の差どうこうで、どうにかなるのか、コレ?
??「お隣、よろしいですか?」
いきなり、横から声をかけられて驚いた。
声をかけてきた相手は、対戦相手の提督だった。
優斗「あ、どうぞ」
提督「では、失礼します」
優斗(…俺に何か用でもあるのか?)
提督「それにしても…。まさか、ここまでとは思いませんでした」
優斗「…ここまで?」
提督「なぜ、あなたは練度が99になった娘に指輪を渡していないんですか? もしかして、艦娘の娘と結婚済みだからですか?」
優斗「…色々とあるんだよ、色々と」
提督「私は、この指輪は戦力強化のために必須と考えているんですが」
優斗「…その指輪は、能力向上とかだけのためには使いたくないからな」
提督「しかし、それではいつまでたっても、弱いままでは?」
優斗「…強い弱いとか、そんなものは関係ねぇよ。愛のないケッコンカッコカリなんか…。意味なんて存在しない」
提督「名ばかりじゃないですか、カッコカリなんですから」
優斗「ちょっと…。黙れ」
提督「何故ですか? 事実じゃないですか」
優斗「…っ」
提督「では、私も帰る準備があるので失礼します」
優斗「…」
何も、言い返せなかった。
指輪をそういう形で使う人間がいるのは知っていた。けれども、ここまで事実を述べられてしまったら…。
言い返しようがない。
視線を相手の方に向けると、相手の方の白露型が揃って迎えに来ていた。
提督「迎え、ありがとうございます」
白露「別に問題はないです」
時雨「このぐらいなら、当たり前です」
やっぱり、違和感しか感じない。
こんなにも落ち着いている白露型がいてたまるか。と、勝手に考えてた。
優斗(なんなんだかな、本当に…)
天井を見上げながら、息を吐く。
もう、考えるのも嫌になる。
そうだ、美味いモノでも食って忘れよう。
そうだ、そうしよう。うん、それがいい。
こうして俺は、焼肉店に予約を入れるのであった。
茜 「あれ? ゆーくん何してんの?」
優斗「!?」
茜 「これって…? 予約サイト?」
優斗「いいいや、コレはだな、ちょっと暇だから見てただけで…」
茜 「でも、この画面ってあとは人数入力するだけだよねぇー」
優斗「ななな、何のことかな!?」
茜 「えっと、12人で予約っと」ピッ。
いつの間にか、予約ボタンを押された。よりによって、俺プラス白露型全員、心音の人数で予約しやがった。
優斗「何やってんだ、茜ー!!」
茜 「まぁ、たまには奢ってもいいじゃん」
優斗「だからと言って、12人分て…」
茜 「じゃ、皆に知らせてくるねー」
優斗「はぁ…。もういいよ、勝手にしてくれ…」
抵抗するのも疲れるし、今さら予約を取り消しても文句しか言われないので諦めた。
予約を取り消して自分だけ食ったら、絶対みんなに文句しか言われないだろうからな…。
それにしても、この時期にこの出費は…。
優斗「財布に痛すぎるよなぁ…」
今度は、ため息を吐いて下を向くはめになってしまった。
(次回に続く)
優斗「次回予告だオラァ!!」
優香「うるさいよ、優斗」
優斗「すいませんでした。はい」
由衣「それにしても、本当にドンマイとしか言えないわね。今回」
優斗「財布がぁ!!」
由衣「うるさいわよ、優斗」
優斗「すいませんでした。黙ります」
優香「次回は、皆で焼肉に行くよ」
由衣「まぁ、それだけなんだけどね」
茜 「呼ばれてないけども、登場ー!」
優香・由衣「一番うるさい」
茜 「ごめんなさい」
由衣「次回のタイトルは、『なんだアレ?』に続きまーす」
優香「タイトル変じゃない?」
茜 「確かに」
由衣「まぁ、いいんじゃない? じゃあ、最後の挨拶いくわよ」
優香「今回もここまで読んでいただきありがとうございます」
茜 「次回もよろしくお願いします!」
茜・優香・由衣「では、また次回ー!!」
優斗「…」
優斗(完全に話すタイミングを逃してしまった…)
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