2020-08-11 00:10:55 更新

概要

五月雨編、諸事情により1話で終了です。


「また、お前かよ…。もうどっかに行ってくれ」


「使えないよ、お前」


「邪魔だよ。消えろ」


こんな事をどこに行っても言われる。いくらどう頑張っても、こんな目に会うぐらいなら消えてしまいたい。

そう思ってた。



ーーどこかの施設ーー

愛海「これは、これでよし、と…」


洗濯物を籠から洗濯機に入れ、洗剤を入れていく。

全て終わった後に、ボタンを押して洗濯機を動かし始める。


愛海「さてと、今度は…」


別の部屋に移動しようとした、その時だった。

洗濯機から変な音がなり始めた。どう考えても、普通に洗濯していたら聞こえるはずはない音だ。


愛海「あ、あれ…?」


愛海が戸惑い始めると同時に、洗濯機から聞こえてくる音が更に酷くなる。

そして、洗濯機が急停止した。


愛海「だ、大丈夫だよね…」


恐る恐る、洗濯機に近づく。

そっと、洗濯機に触れた瞬間、洗濯機は爆発した。


愛海「いったたた…。また、やっちゃった…」


これで何度目か分からない。

ボロボロになった洗濯機を見ながら、その場に座り込む。


爆発音を聞いたのか、数人の大人が部屋に入ってきた。


愛海「あ…」


男1「またやったのか、お前…。これで何度目だ!?」


男2「洗濯機に触んなと何度も言ったよな!? なんで、そんな事をした!」


愛海「お、お手伝いをしようと思って…」


男2「黙れ!! 俺たちに迷惑をかけたいだけだろ!!」


愛海「そ、そんな事は…」


男1「もういい。こいつを追い出せ」


愛海「え…?」


男1「言うことも聞けねぇガキなんか、いらねぇよ」


愛海「そ、そんなぁ…」


男1「ほら、早く行けよ」


愛海「…はい」


また、これだ。前の所も。その前も。

もはや、呪われてるいるんじゃないのかと疑うぐらいに自分は、ドジを踏んでしまう。


もう、私に居場所はないんじゃないのかな…。


そして、別の施設に移ることになった。それが、自分にとっては最高の場所になるともこの時は知らなかったけれども。



ーー例の施設ーー

愛海「ここ、かぁ…」


連れてこられたのは、前の施設と比べると一回り小さな施設だった。

着いたと同時に、中から女の子が数人出てきた。


優香「どうも…。初めまして、とでも言った方がいいのかな?」


愛海「え? あ、ど、どうも…」


黒髪の女の子が、話しかけてきたので戸惑いながらも反応する。


咲 「また、家族が増えるっぽい?」


由衣「そういう事でしょ、普通に…」


春香「私が来てからまだ3週間ぐらいしか経ってない気がしますけれども…」


茜 「とりあえず、中に案内するね!」


最後に出てきた、女の子に連れて行かれるように部屋の中に連れていかれた。

着いた部屋には、男の子が1人いた。


優斗「zzz…」


茜 「起きろー!!」


優斗 ((^ω^≡^ω<ギャアアアアアアア ミミガァァァァ!!


茜が、耳元で大声で叫んだせいで優斗が悶絶していた。


優斗「あ、ああ…。まだ耳がキンキンする…」


茜 「そこで寝てるゆーくんが悪いよ?」


優斗「理不尽にも程がある」


由衣「そもそも、昨日の夜遅くまで起きてる優斗が悪いんでしょ…」


優斗「せやな」


由衣「あっさりしてるわね…」


優斗「じゃあ、部屋に戻って寝るわ」


茜 「いや、なんでそうなるの!?」


優斗「眠い」


茜 「じゃあ、もう少し我慢して!!」


優斗「ったよ…。どうせ、また誰か新しく家族が増えるって感じだろ?」


茜 「いや、そうだけどもね…」


愛海「え、えっと…」


愛海が、目の前でコントのような何かを見せられて困惑している。


優香「あ、いっつもこの2人はこんな感じだから、気にしないでいいよ」


愛海「は、はい…?」


何だかよく分からない感じで初日が終わってしまった。

問題は、翌日に起きたが。



(翌日)

優斗「あー、よく寝た…」


優斗が、いつもの時間に起きてくる。

部屋の外では、いつも通り茜が「今日もいっちばーん!」と言っている。


優斗「今日もやってんのか…。早起きするのはいい事だけどもさぁ…。声を自重しろよ…」


そのまま、朝食をとるために移動した。

朝食の時間に、大事件が起きてしまうのだが。


全員「いただきまーす」


優斗と、茜たち6人が朝食をとり始める。


優斗「ホットミルクでも飲もうかな…」


愛海「じゃあ、私が持ってきます!」


優斗「あ、じゃあ、よろしく」


愛海が、電子レンジから温めた牛乳を取り出し、優斗の元に持っていこうとした。


愛海「あっ…」


が、自分の髪の毛を踏んでしまいスっ転んだ。


茜 「うわっ、危なっ!?」←トーストを口に咥えたまま避ける


優香「あ…」←コーヒー牛乳を両手で持って後ろにかわす


由衣「回避っと…」←お皿を持ちながら回避行動


咲 「危ないっぽい!?」←自分が食べてるモノのお皿をもってかわす


春香「あれ…? このままじゃ…」←飛んでいく牛乳を見ながら言う


そのまま、温められた牛乳は、綺麗に弧を描いて優斗の頭に着弾した。


優斗 ((^ω^≡^ω<ギャアアアアアアア アタマガァァァ!!


愛海「ご、ごめんなさい!!」


優斗「アアァァァァァ!! あづいぃぃ!!」


茜 「ゆーくーんー!!」


優香「水ー!! 水をー!!!」


由衣「ありゃりゃ…」


咲 「とりあえず、水持ってきたっぽい!!」


愛海「じゃあ、私がかけまっ…」←水が入ったバケツを持ったままスっこける


春香「あ…」


優斗 ((^ω^≡^ω<ギャアアアアアアア コンドハ ツメテェェェ!!


愛海「ごご、ごめんなさい…!!」


優斗 _(:3 」∠)_瀕死


茜 「ゆーくん!?」


優斗「あ…ああ…。死ぬかと思った…」


優香「いや、その程度で死んだら人間としてヤバいと思うよ」


由衣「けども、反応が面白かったよね」


咲 「笑いそうになっちゃったっぽいwww」


春香「もう笑ってますよね、咲お姉ちゃん」


愛海「え、えっと…」


優斗「俺の運が悪いのか…? これって…」


愛海「ご、ごめんなさい!! 私、どんな事をしてもドジしちゃって…」


茜 「まあ、ドジっ子なんて初めてだけどもね。けども、まぁ、これから色々あるんだろうけども…」


優斗「次からは自分の身を守れるモノを用意しておくか…」


愛海「こ、今回はたまたまですからー!」


なんやかんやで、いつもとは違う1日が今日も始まる。

どうやら、しばらくの間はこんな日常が続いていきそうな気がした。


どこに行っても、嫌われて必要ないと言われて。

手伝いをしようと思っても、最悪の結末にしかなってしまわなかった自分が唯一、一緒にいても大丈夫な場所。


ドジは治らないけども…。


ドジを踏んだとしても、ここのみんなはいっつも笑って済ませてくれる。

みんなと笑いながら、ずっと一緒にいられるそんな最高の場所に来れて本当に良かった。


これからも、ここに居続けたいなぁ…。



(例のごとくお風呂事情編)

茜 「ゆーくん、今日こそは…」


優斗「だが断る」


優香「お姉ちゃん…。まだ言ってたの…?」


由衣「いい加減折れたらいいのに…」


咲 「どうでもいいところで粘り強すぎるっぽい」


春香「これで何度目でしたっけ」


愛海「私がここに来てから、5回目ぐらいですね」


茜 「なんでよー!?」


優斗「なぜ一緒に風呂に入らなねばならんのだ?」


優香ら(ド正論だなぁ…)


茜 「だって、昔は背中流しあったりしてたじゃん!」


優斗「昔は昔、今は今だ」


茜 「ぐぬぬ…」


優斗「じゃ、風呂行ってきまーす」


愛海「あ、優斗さんこれ忘れてま…」


いつも通り、愛海がスっ転んだ。愛海の手から離れた石鹸は優斗の頭に直撃した。


優斗「痛ぇ!?」


愛海「あ、また…」


優斗「どうしようもないな、こればかりは…」


苦笑いしながら、優斗は風呂に向かうのであった。


(過去編、五月雨 終)





(おまけ)

五月雨の設定

○愛海(白露型6番艦「五月雨」)


本名 雨崎 愛海


親は既に他界。

そのため、様々な施設に入っていたがドジをしまくってしまい色々な施設から別の施設に送られていた。

本人は、誰かの手伝いをしたいと思っているのだが持ち前のドジを起こしてしまう性質から中々うまくいかない。


艦娘になっても、そのドジは治らなかった。

なお、愛海がドジると優斗に被害がいくのがもはや恒例行事。


優斗がいない時は単独事故になるが、優斗がいると優斗に何かしら起きる。

(石鹸が直撃したり、熱々のコーヒーが優斗に直撃したり) 


後書き

どうも、作者です。まとめ過ぎました。
本来だったら、次回に五月雨編終了なんですけどもね…。

次回は、海風たち4人の過去編です。


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