K 「ちょっと唐突なんやけど……」 U「ふんふん、どないしたん?」
ミルクボーイが、『天気の子』でネタを作ったら?
はい!そのまんまです。
「コーンフレーク」と「もなか」しか知らない私が、ミルクボーイの公式チャンネルに立ち寄り、完コピ、とまではいかないまでも、そこそこに仕上げさせてもらいました。
2020.1.27 ミルクボーイ動画などを参照に大まかな骨組み仕上げる。
2020.1.28 ツッコミが言いそうな文言を開発しつつ、文章作成。
2020.1.29 某社長の言質を取り込むことに決定。
2020.2.1 完成。先行してpixivに掲載。AM2時過ぎ本サイト上梓。2430字
K 「いやな、オレの知ってる会社の社長さん、最近、映画鑑賞にはまっているんやけどな」
U 「ああ、映画ねえ。あれも見始めたらやめられなくなるらしいからなぁ、それでどないしたん?」
K 「その社長が言うにはな、見た映画のタイトルがわからんようになったって言うんよ」
U 「ほーほー。映画のタイトルがわからない?ほな、オレが、社長さんの忘れた映画のタイトル、一緒に考えてあげるから、どんな特徴があるか、教えてみてよ」
K 「その社長が言うにはな、2019年公開で……」
U 「え?去年の映画?タイトル忘れたって言うから、もっと古い映画やと思てたわ。ホンホン、それで?」
K 「アニメーション映画で……」
U 「あー、確かに2019年はアニメーション映画も一杯やってたからねえ、分からんようになっても仕方ないわね。それから?」
K 「去年のナンバーワンヒット映画やって言うねん」
U 「……『天気の子』やないかい。その特徴は完全に「天気の子」やんか。2019年のナンバーワン映画言うたら、天気の子以外にないやないか。これですっきりしたやろ?」
K 「それがわからへんねんなぁ」
U 「なにがわからへんの? 2019年140億円も売り上げたナンバーワンは天気の子で決まり、なにがわからへんの?」
K 「そうやねん。俺も「天気の子」やと思てたんやけどな……」
U 「そうやろ?」
K 「社長が言うにはな、みんな拍手喝さいやったって言うねんな」
U 「……ほな『天気の子』と違うか……新海監督自ら賛否両論分かれますってはっきり言うてたしね。まあ、オレは楽しめた方やけど、そうじゃない人も結構おるって言うてるしね。そしたら「天気の子」やないわなぁ」
K 「でも、東京が海に沈むらしいねん」
U 「『天気の子』やないかい!刑事の青島さんが封鎖できんかったレインボーブリッジを、新海さんは海に沈めてしまいよったからね。最初見た時「僕と彼女だけが知っている世界の秘密」がこれやとは思わんかったけどね。やっぱり「天気の子」やないかいっ」
K 「それがわからへんねんなぁ」
U 「なにがわからへんの?そんな特徴「天気の子」以外にないやないかい」
K 「いや、俺も「天気の子」やと思てたんやけどな……」
U 「そうやろ?」
K 「社長が言うにはな、登場人物が歌ったり踊ったりするって言うてたわ」
U 「……ほな『天気の子』と違うかぁ……「ライオンキング」とか、「美女と野獣」みたいなミュージカルって言うほどの内容じゃなかったしなぁ」
K 「ラブホテルの中でなんやけど……」
U 「ほな、『天気の子』やないかい!!ちょっとびっくりした展開やったけど、天真爛漫で踊ったり歌ったりしてたもんな、なかなかああいう使い方はせんもんやけど、それやったら「天気の子」に間違いないわ」
K 「それがわからへんねんなぁ」
U 「なにがわからへんの?ここまで来たら「天気の子」以外に絶対ないやろうよ、何がわからへんの?社長さん、もうちょっとなんか、言うてなかった?」
K 「俺も「天気の子」やと思てたんやけどな、社長が言うにはな、凄いカーチェイスのシーンがあるって言うてたんよ」
U 「……ほな、『天気の子』と違うか。いうても主人公は運転できへんし、免許もあれへん。大体車も持ってないしなぁ。「天気の子」やないなぁ」
K 「スーパーカブとパトカーらしいんやけど」
U 「『天気の子』やないかい!夏美さんをして、自分のドラテクに惚れこんだあまり、「白バイ隊員になろうかしらぁ」と言っておきながら後ろの帆高に「もう雇ってくれませんよぉ」なんて言う寒い掛け合いがあったあのシーンやないかい!! ここまで来たら、もう完全に「天気の子」やわ」
K 「それがわからへんねんなぁ」
U 「なにがわからへんの?これだけ情報があるのにまだ「天気の子」とちがうの??社長さん、ほかになんかいうてなかった?」
K 「社長が言うにはな、お風呂に入っている女子が書かれているって言うねんな」
U 「……ほな、『天気の子』と違うか。お風呂に入っている女子っていうたら、猫型ロボットが主人公のあの漫画に出てくる源さん以外思い浮かばんわ。そら「天気の子」やないわ」
K 「15歳の陽菜さんって言う子が……」
U 「『天気の子』やないかい。もう答え言うてしもてるんやけども、陽菜なんて名前のかわいらしい15歳の女の子が出てくるのは「天気の子」以外にないからね。ほかになんか言うてなかった?」
K 「8月に雪降ったりするんやけど」
U 「『天気の子』やないかいっっ!!アニメーションでやっているからあの演出が許されるわけであって、8月に雪降るなんて、東京が南半球にでも瞬間移動せん限り無理やからね。やっぱり「天気の子」やないかい、間違いないわ」
K 「それがわからへんねんなぁ」
U 「これだけ言うて、まだなにがわからへんの?社長さん、もっと他に何か言うてなかった?」
K 「記者会見の場でな、『さわやかで抜けるような明るさ』って言うたらしいんよ」
U 「……ほな、『天気の子』と違うか。確かに青春モンやけどそこまではっきりとした明るさはなかったもんなぁ‥‥…でもちょっと待って?その発言って、ついこの間のことやろ?」
K 「そうやけど?」
U 「もしかして、社長の名前って、島谷さん?」
K 「そう、東宝の社長なんや」
U 「ほな『天気の子』のことを言うてるんやないかいっ!ファンからは「見てないんちゃうんか」って突っ込みあったけど、発言しているのが島谷さんやったら、天気の子に間違いないわ、これではっきりしたやろ?」
K 「いや、社長はな、別の席で「新一に早く100億の男になってもらいたい」って感想を漏らしてたみたいなんや」
U 「それ、コナンの映画やないかい。もうええわ。」
KU 「どうも、ありがとうございましたぁ」
漫才のネタを作ったのは、当然初めて。とは言うものの、プロット/フォーマットが固まっているミルクボーイさんは、バリエーションが少ない代わりに変異しないからこそ楽しめる「予定調和」が醍醐味だと考えました。時々映画ネタもぷっこんでくるツッコミ。ただ、モノではないだけに、話の膨らませには苦労しました。
大ブレーク前の本来のネタは、4分弱のものがほとんど。つまり、そこまで文章も必要ない、とわかって完成後、自身でも演じてみたんですが、3分程度であっさり仕上がりました。
粗削りなところはご容赦ですし、いくらでも思いつけば加筆も可能。これは面白い創作を手に入れたものです。
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