八幡「また性犯罪者呼ばわりか……」その11
八幡「また性犯罪者呼ばわりか……」その10の続き
土曜日午後13時、比企谷家。
いろは「こんにちは~、先輩っ!」
八幡「おう、来たか。上がってくれ」
小町「いろはさん、こんにちは。今日もよろしくお願いします」ペコリ
いろは「よろしく、お米ちゃん。で、今日は何をするの?」
小町「ん~、特に考えてはいないですけど……」
いろは「じゃあ、先輩は何かアイデアを考えてるんです?」
八幡「いや、別に。それよりも、俺は録画してたアニメを一気見するのに忙しいんだよ」ドヤァ
いろは「うわぁ……」ドンビキ
小町「ゴミぃちゃん……」ガックリ
八幡「冗談に決まってんだろ。本気で引くな」
いろは「本当ですかぁ? 先輩ならあり得そうな話だと思ったんですけど」
小町「そういう分かりにくい冗談は友達なくすよ、お兄ちゃん」
八幡「心配いらん。俺に友達なんぞいないからな」
小町「戸塚さんは違うの?」
八幡「戸塚はマイラブリーエンジェルだからな。友達なんかと一緒にするな」キリッ
小町「もう! バカ、ボケナス、八幡!」
いろは「あり得ねー……。ホント何なの、この先輩」
八幡「ちょっと? 君達ドン引きし過ぎじゃない?」
小町「引くような事を言ってるからだよ、ゴミぃちゃん」
いろは「そんなどうでも良い話より、今日何をするか考えましょうよー!」
八幡「まあ待て。やる事はちゃんと考えてある」
いろは「だったら最初からそう言えばいいのに……。で、何をするんです?」
小町「お兄ちゃん、もしかしていきなり昨日の手紙を見るの?」
八幡「一色がいるなら大丈夫かもしれないんだろ。さっさと心配事は片付けてしまった方が良い」
いろは「手紙って一体何の話ですか?」
八幡「昨日、雪ノ下と由比ヶ浜から謝罪されてな、その時にお詫びの手紙とお菓子を預かった」
いろは「あの2人がここで動いてきたかぁ……。で、その手紙を、今から読むんですか?」
八幡「小町が、自分宛の手紙を読むのが不安みたいだから、俺と一色が揃っている時に開封する事になったんだよ」
いろは「先輩はホントに過保護ですねー。でも、お米ちゃんが不安そうにしてるなら仕方ないか」
八幡「ああ、すまんが付き合ってくれ」
いろは「付き合ってくれってそれ告白ですかそういうのは2人きりの時に改めてしてくださいごめんなさい!」
八幡「……じゃあ、手紙を出すぞ」
いろは「ちょっと、スルーしないでくださいよ~!」プンプン
小町(いろはさん、冗談めかしてるけど割と本気っぽい? でもゴミぃちゃんは全然気付いてないみたいだね……)
八幡「ほれ、小町。雪ノ下と由比ヶ浜からの手紙だ」
小町「う、うん……」ビクビク
~~~~
小町「……」プルプル
八幡「小町!? 大丈夫か?」
小町「え? あ、その、うん……」
いろは「お米ちゃん、前髪が汗で額に貼り付いてない? どう見ても大丈夫に見えないけど?」
八幡「無理そうなら途中で読むのを止めても良かったんだぞ」
小町「そんな事、出来ないよ……。結衣さんも、ゆ、雪乃さんも、小町のために、多分一生懸命書いてくれたんだと思うから……」
いろは「結衣先輩達からの手紙、わたしも見せてもらってもいいかな?」
小町「は、はい、いいですけど……」
いろは「どれどれ~……ふむふむ、ほうほう……」ムムッ
八幡「一色、どうだ?」
いろは「ん~、まあ、普通ですかねー? 結衣先輩は当たり障りのない感じの文章ですし、雪ノ下先輩は凄く丁寧な字でびっしり書いてます」
八幡「内容に問題はないのか?」
いろは「別にないと思いますよ? ただ、お米ちゃんはあまり大丈夫じゃなさそうですけど」チラ
小町「……」ガクガク
八幡(やっぱり、まだ手紙を見せるのは早かったか? ズルズル後に引っ張れば余計に辛くなるだけだと思ったんだが……)
八幡「すまん、小町。俺の判断ミスだ」
小町「お兄ちゃんは、何も悪くないよ。小町が意固地になってただけだし……」
いろは「そういう頑固なところ、先輩によく似てますねー。さっすが兄妹ってカンジです♪」キャハッ
八幡「おい一色、茶化すな」
いろは「まあまあ、先輩、ここはわたしに任せてください! こういう時の作戦はちゃんと考えてありますから!」
八幡「作戦、だと?」
いろは「ふっふっふ……お米ちゃんにわたしからのアドバイスです!」
小町「へ?」
いろは「ストレスが溜まってる時はですねー、先輩の悪口を言いまくって発散すればいいんですよ!」
いろは「先輩って目が腐ってるし鈍いし頭も性格もアレじゃないですかー! だからサンドバッグに最適なんです!」フフン
八幡「お前、俺の事マジでどう思ってんの?」
いろは「目つきと性格が悪い便利な人、ですかね?」
八幡「ひでぇ……」
いろは「いいじゃないですか、先輩みたいな人でもサンドバッグとして人の役に立てるんですよ?」
八幡「お前何処の雪ノ下さんだよ、毒舌過ぎるだろ」
小町「ぷっ……ふふっ、あははっ……」プルプル
八幡「小町?」
小町「お兄ちゃんって、いろはさんからいつもそんな扱いを受けてるの? 2人共、面白過ぎだよ……」
八幡「まあな。ついでに、雪ノ下と由比ヶ浜からも散々言われてるぞ」
小町「うん、知ってる。ゴミぃちゃんだもんね」
八幡「小町が優しくしてくれれば、俺は人に幾ら悪口を言われたって耐えられるぞ。お、これは八幡的にポイント高いな」
小町「小町的にはポイント超低いよ……。うちのゴミぃちゃんが着々と危ない人になっていってる事に小町は危機感を感じるよ」
いろは「いやいや、先輩は元から危ない人でしょ。特に目なんて不審者だし」
八幡「俺そろそろ泣いていい?」
いろは「とまぁ、こんな感じで先輩を弄ればストレスなんてすぐに発散できるよ、お米ちゃん」
八幡「ちょっと? うちの純粋なエンジェルに変な事吹き込まないでくれる?」
いろは「お米ちゃん、言うほど純粋って感じでもなさそうですけどね……」
小町「しょうがないですよ。お兄ちゃんって彼女いた事ないですから、未だに女の子に幻想抱いてるところがありますし」
いろは「だったら、ここは先輩のために可愛い後輩が一肌脱いであげますよ♪」キャピッ
小町「うちの兄を貰ってくれるんですか?」
いろは「いやいらないから。何なら貰った瞬間粗大ゴミに出すまであるから」ナイナイ
八幡「君達、人の事ボロクソに言い過ぎじゃない?」
いろは「実はですねー、今日の予定、わたし一応考えてきているんですよ」
八幡「予定? 何をするんだ?」
いろは「わたしと先輩とお米ちゃんの3人で、お外にお出掛けしましょう!」
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