2020-09-30 22:23:50 更新

前書き

八幡「また性犯罪者呼ばわりか……」その14の続き


八幡「待たせたな、小町も雪ノ下も」


小町「話はもう終わったの?」


八幡「一応な」ゲンナリ


結衣「小町ちゃん、急にごめんね? でも、もう大丈夫だから!」


小町「えっと、何かあったんですか?」


いろは「結衣先輩と多少やり合ったくらいだから、お米ちゃんは心配しなくてもいいですよー」


小町「やり合った……ほうほう、そういう事ですか。で、お兄ちゃんは何て?」


八幡「いや、返事はしていないが」


小町「これだからゴミぃちゃんは……」


雪乃「……」


雪乃(由比ヶ浜さんも一色さんも、どうやら比企谷君に告白したようね。私だけタイミングを逃してしまったのは痛手だわ)


雪乃(だけれど、小町さんと2人きりになれたお陰で、小町さんと仲直りする事は出来た……!)


小町「雪乃さん」ヒソヒソ


雪乃「何かしら?」


小町「雪乃さんは、うちの兄に何もしなくていいんですか?」ヒソヒソ


雪乃「わ、私は別にそういうのは……」


小町「まあ、雪乃さんがそれでいいのでしたら小町は構わないのですが。小町的には、いろはさんが最有力かなーっと思ってますし」


雪乃「一色さんが? でも、分かる気がするわ」


雪乃(さっきここの書店で会った時、小町さんも彼も、一色さんとの距離感が近いように見えた。現状では一色さんがリードしているのは間違いなさそうね)


小町「ただ、いろはさんって雪乃さんや結衣さんと比べてアレなところが多いので、そこだけは心配ですけどね」


雪乃「そんな事はないわ。一色さんのお陰で、小町さんも少しずつ本来の調子を取り戻せているのでしょうし。少なくとも、これは私には出来なかった事だわ」


いろは「ふっふっふ。悪いですけど雪ノ下先輩に勝たせてもらいますね♪」


雪乃「あら、もう勝った気でいるのかしら? 私、簡単に負けるつもりはないわよ?」


小町(さっきお兄ちゃんの事を「別に」って言ってたのと矛盾してますけどね、雪乃さんの今の発言。でも小町は突っ込みませんよ)


八幡「小町、参考書はもう買ったのか?」


小町「うん。雪乃さんに色々意見もらって、何冊か買ったよ」


八幡「なら、ここにはもう用はねぇな。帰るか」


いろは「ちょっと、何で帰る事になるんですかー!? お米ちゃんの気分転換のためのお出掛けなんですよ!?」


八幡「いや、当初の目的は一応果たしたんだし、帰ってもいいかと思ったんだが」


雪乃「小町さんも受験生なのだし、比企谷君の言う通り帰った方が良いかもしれないわね」


結衣「あたしはもうちょっと遊んでいきたい気分だけど……小町ちゃんはどうしたい?」


小町「え、えっと、小町はそろそろ帰りたいです。さっきから人に見られてますし……」ブルブル


いろは「あー……。確かに、結構注目を集めちゃってますね。こんなに美人揃いの集団がいたら、そりゃそうなるか」


八幡「そういう訳で、今から帰るぞ。また小町が調子を崩したら元も子もない」


雪乃「一色さんは、どうするの? もし良かったら、この後――」


いろは「わたしは、先輩達と一緒に行きますよ? まだ帰るには早いですし」


結衣「じゃあさ、小町ちゃんとヒッキーさえ良ければ、あたし達もヒッキーの家に今からお邪魔していいかな?」


八幡「え、お前らも来んの?」


雪乃「せっかく参考書を買ったのだし、小町さんの勉強を見てあげようと思うのだけど、駄目かしら?」


小町「す、すみません。さすがにちょっと限界かもしれないです……」ガクガク


八幡「だそうだ」


雪乃「分かったわ。無理を言って悪かったわね、小町さん」


結衣「ごめんね。小町ちゃんが調子良い時にまた誘ってくれたら、いつでも遊びに行くから!」


小町「はい。じゃあ、小町はこれで……」


八幡「帰るか」


いろは「しょうがないですねー。なら、わたしも行きます。結衣先輩も雪ノ下先輩も、またです♪」


結衣「ばいばーい!」


雪乃「さようなら。また来週学校で」


………………


雪乃「ふぅ。これは思った以上に劣勢ね」


結衣「あたしはもう告白しちゃったけど、いろはちゃんの方が有利っぽい感じだもんね……」ガックリ


雪乃「私達と違って、彼女は小町さんから拒否されていないようだし、状況は厳しいわ」


雪乃(特に、私だけまだ比企谷君に告白できていないというのが致命的過ぎる。このままでは、由比ヶ浜さんと一色さんの一騎打ちだけで決着がついてしまうわ。早急に次の手を打たなければ!)


雪乃(でも、ここから一体どうすればいいのかしら。私と彼のクラスは違うし、連絡先も交換していないから、部活以外で接点はない)


雪乃(小町さんの調子が回復し切っていない以上、比企谷君が奉仕部に来る事も当分はないでしょう。本格的に手詰まりね……)


プルルルル、プルルルルル……


結衣「ゆきのん、携帯鳴ってるよ?」


雪乃「……あっ。ごめんなさい、少し考え事をしていたわ」


結衣「あたしは待ってるから、電話出ていいよ?」


雪乃「ええ、ありがとう。そうさせてもらうわ。――もしもし?」


??「もしもし、ひゃっはろー!」


雪乃「……何かしら? 今忙しいのだけれど」


??「んー、雪乃ちゃんがそろそろ困ってるんじゃないかって思ってね。ちょっと話したい事があるんだけど、今から会える?」


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2020-10-02 19:27:11

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