八幡「また性犯罪者呼ばわりか……」その20
八幡「また性犯罪者呼ばわりか……」その19の続き
八幡「……由比ヶ浜」
結衣「ひゃ、ひゃいっ!? あ、あたし!?」アタフタ
結衣(もしかして、ヒッキー、あたしを……!)
八幡「それと、雪ノ下」
結衣「えっ?」
雪乃(……やっぱり、ね)
八幡「悪い。俺は、お前達の気持ちに応えられない」
結衣「あ……」
雪乃「……」
八幡「一色。今回は、お前に色々と助けられた。小町がここまで早く立ち直れたのは、お前のお陰でもあると思う」
いろは「それは、純粋に好意だけでやった訳じゃないですよ? 先輩が少しでもわたしの事を意識してくれたら良いな、って下心ありきでしたし」
八幡「人間、誰でもそんなもんだろ。むしろ、そういう思惑は一切ない、と喧伝する人間の方が信用できないまである」
いろは「先輩らしい発言ですね」
八幡「一色の良いところも、腹黒いところも含めて、まあ、悪くないと俺は思ってる」
八幡「だから、一色。俺と、付き合ってくれ」
いろは「……」ホエー
八幡「一色?」
いろは「いえ、少し驚いてしまって。正直、先輩は他のお2人のどちらかを選ぶんだろうなと思ってたので」アワアワ
八幡「正直、迷わなかったと言えば嘘になる。だけど、俺なりに色々考えて、答えを出したつもりだ」
いろは「なら、ちゃんと先輩の気持ちを言葉にして欲しいです。わたし達だけに言わせるなんて、ひどいですよ?」
八幡「……分かってる。お前らの気持ちを聞いておきながら、俺だけ言わない訳にはいかねぇしな」
八幡「……」
いろは「先輩?」
八幡「何でもない。ただ、ちょっと恥ずかしいなと思っただけだ」
いろは「もー、こういう時は男の人の方がしっかりしないと駄目ですよ?」
八幡「そう言われてもな……」
いろは「はあ、本当に先輩は仕方ない人ですねー。今回はこれで勘弁してあげます。他の人の目もあるところで、っていうのはキツイでしょうし」
いろは「でも、今度必ずちゃんと言ってもらいますからね、先輩?」
八幡「ああ、善処する」
雪乃「……」
結衣「……どうしよっか、ゆきのん?」
雪乃「ふふっ……」
結衣「ゆきのん?」
雪乃「――いえ、何でもないわ。ところで、一色さん。少しいいかしら?」フフフ
いろは「な、何でしょう?」
いろは(雪ノ下先輩、何故か笑ってるんだけど。何これ、もしかして先輩にフラれたせいで壊れちゃった? ちょっと怖いんですけど……)
雪乃「以前にも言ったと思うけれど、私、負けず嫌いなの」
いろは「は、はぁ」
いろは(うわー、もう嫌な予感しかしない。っていうか、絶対ヤバいじゃん、これ)
雪乃「比企谷君」チラッ
八幡「何だ?」ビク
八幡(この流れ、まさか)
雪乃「私は、あなたの事を諦めるつもりはないわ。あなたが例え一色さんと付き合い始めたとしても、ね」
八幡「……は?」
いろは「ちょ、ちょっと、そんなの反則じゃないですかー!」
雪乃「あら? あなたと比企谷君は別に夫婦ではないのだから、私が手を出そうと、別に法に触れる事にはならないはずよ?」
八幡「いやいや、法に触れなければ何をしてもいいって訳ねぇだろ。雪ノ下、マジでどうしたんだ?」
雪乃「どうしたも何も、私がこうなったのは誰のせいだと思っているのかしら?」ニッコリ
八幡「ええー……」
結衣「あ、ヒッキー。今思い出したんだけど、あたしと一緒にハニトー食べに行く約束、まだだったよね?」ニッコリ
いろは「って、結衣先輩もですか!?」
結衣「今度の土日なんてどうかな、ヒッキー?」グイグイ
八幡「お前も参戦してくるのかよ……」ゲンナリ
いろは「もう、2人共いい加減にしてくださいよ! 先輩は、わたしの物なんですからね!」
雪乃「今は確かにそうね。でも、いずれは私の物になるのよ?」
結衣「ダメーっ! ヒッキーは、あたしが貰うんだから!」
八幡(ちゃんと1人を選んだはずなのに、どうしてこうなった。ぼっちにまともな恋愛など到底無理だったという事なのか)
八幡(やはり俺の青春ラブコメは間違っている)
本作はこれで完結となります。
ご愛読ありがとうございました。
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