八幡「また性犯罪者呼ばわりか……」その18
八幡「また性犯罪者呼ばわりか……」その17の続き
――夜、比企谷家
小町「た、ただいまー……」
八幡「小町! 無事だったか!?」
小町「うん、見ての通りだよ」
雪乃「こんばんは、比企谷君。夜遅くに申し訳ないわね」
結衣「やっはろー……って、夜なのに『はろー』は変か。こんばんやっはろー、ヒッキー!」
八幡「お、おう。つーか、結局ハローって言ってんじゃねえか」
結衣「うぇっ!? ま、まあそれはもうどうでもいいじゃん!」
八幡「へいへい。さっき電話でも聞いたけど、小町を助けてもらったみたいだな」
雪乃「私は自分の為すべき事を為しただけよ」
八幡「それでも、助かった。感謝する」ペコリ
雪乃「ふふっ。小町さんの事になると本当に素直になるわね、あなたは」
結衣「こういうヒッキーって滅多に見られないから、新鮮かも」
八幡「さっき警察にいるうちの親から電話で聞いたが、小町を襲った奴の処遇に、お前の家も噛むらしいしな。何から何まで頼り切りになっちまったから、お礼を言うのは当然だろ」
雪乃「私のせいで小町さんを傷つけてしまったのだし、このくらいは当然よ。あなたが気にする事ではないわ」
結衣「うんうん。でも、さっきのゆきのん凄かったよ。相手の男の子を、こう、グワーッとやって、ブンッってやっちゃったんだから!」
八幡「なるほど、全然分からん」
結衣「とにかく、凄かったんだよ! ゆきのん、こんなに細いのに男の子を投げ飛ばしちゃうし!」
雪乃「あれは合気道の技よ。姉さんから散々仕込まれたから、それなりに腕に覚えはあるつもりなの」フフン
八幡「雪ノ下さんに鍛えられたんなら、まあそうなるだろうな。あの人、妹に対しても容赦なく技を掛けてそうだ」
雪乃「ええ、本当に容赦なかったわ。だけど、今回はそれが役に立ったのだから、あまり文句を言うのは憚られるわね」
八幡「話は変わるが、小町、明日から学校には行けそうか?」
小町「うん、多分大丈夫。お兄ちゃんは心配しなくてもいいよ」
八幡「本当か? 厳しいなら無理をしなくてもいいんだぞ」
小町「もう、大丈夫だってば。それよりお兄ちゃん、奉仕部にはまだ戻らないの?」
雪乃・結衣「!」
八幡「お前が落ち着くまでは、部活に出ずに直帰するつもりだったんだが」
小町「あの男子なら、雪乃さんのお陰で今度こそ何とかなると思うし、小町1人でも家にいられるよ」
小町「そんな事よりも、お兄ちゃんには考えなきゃいけない事があるでしょ? お兄ちゃんが誰を選ぶのか、小町も楽しみにしてるね」キャハッ
八幡(思いの外、小町はいつも通りだ。むしろ以前よりも調子が良くなっているまである。雪ノ下達のお陰だな……)
八幡(雪ノ下や雪ノ下の家が今回の騒動で味方についてくれるなら、小町が言うように今度こそ問題は解決するだろうし、確かにもう心配はいらなそうだ)
八幡「ところで、お前らはまだ帰らなくても大丈夫なのか? 結構遅い時間だが」
結衣「確かに、すっかり遅くなっちゃったね。明日も学校があるし、そろそろ帰った方がいいかも」
雪乃「そうね、雑談はこのくらいで切り上げましょうか。では、これでお暇させてもらうわね、比企谷君」
八幡「おう。2人で歩いて帰るのか?」
雪乃「迎えの車を頼むつもりだから大丈夫よ。由比ヶ浜さんも一緒に送るわ」
結衣「ありがと、ゆきのん」
小町「えっ? あ、あの……」
八幡「どうした、小町?」
小町「ええっと……もし良かったらですけど、今度、また遊びに来てください」
結衣「うん! もちろんだよ! またすぐに遊びに来るね、小町ちゃん!」
雪乃「私も楽しみにしているわ、小町さん」
小町「はいっ!」
このSSへのコメント