2022-05-12 04:18:04 更新

諸注意は第一作をチェック。

前作の提督がまた別の世界に飛ばされた…

が、其処は色々と狂った世界だった。

さて、生き残れるのか、それとも死ぬか……

漸く[普通の人間]になった諫田政一の、

新たな生活が今始まる…(またかよ……)


ー第零章 あの後…ー


ーとある場所 とある時間ー

?? 「このままだと、この世界の艦娘は……」

?? 「…仕方有りません、あの人を送りましょう。」

ーまた別の場所ー

政一 「……」zzz…

?? 「政一さん、起きて下さい。」ゆさゆさ

政一 「……んぁ?」

?? 「御願いが有るんです。」

政一 「…またどっか行けってか?」

?? 「御願いします…」

政一 「悪いが断る。もう二度と行かん。」

?? 「御願いします…艦娘の為に、どうか。」

政一 「……」

?? 「貴方しか変えられないんです。」

政一 「…………」

?? 「どうか、艦娘を助けて下さい。」

政一 「…あーもう分かったよ!!!!」

?? 「行ってくれるのですね?」

政一 「あぁ、行ってやるよ!!!!」タッ

?? 「援軍を送りますね!!!!」

?? 「…これで変わる筈……」

ーとある世界 二千年十月二十日 10:40ー

政一 「……ラバウル…此処か…」

政一 「はぁ…また面倒事引き受けちまったよ……」

?? 「政一様!!!!」抱きっ

政一 「ふげっ!?」ドサッ

?? 「勝手に消えた時辛かったんですよ!!!!もう!!!!」

政一 「…サリエルが居るって事は…そういう事か。」

暗闇 「察しが良い様で何よりよっ!!!!」ゴスッ

政一 「痛っ…」

サリエル 「勝手に消えないで下さい!!!!」

暗闇 「良い?もう二度と、勝手に、消えないで。」

政一 「…死神に殺られたんだがなぁ……」

早霜 「ですが貴方が勝手に消えたのも事実。」

ヤハウェ 「モウニガサナイ…ズットイッショ……」

政一 「……うわぁ…」

暁 「吃驚したのよ…あかつきは泣きっぱなしで。」

あかつき 「お父さん…」ギュッ

不知火 「私、後追いも本気で考えましたから。」

しらぬい 「御父様…」ギュッ

鳳翔 「…勝手に消えるのは変わらないのですね。」

龍飛 「これでもかなり説得して来たんだぞ。」

政一 「みたいだな……」

龍飛 「勝手に消える貴様の癖、何とかならんか…」

政一 「ならねぇよ…んな事より中入るぞ。」

不知火 「…そうですね。」

政一 「先ずは中の制圧からだ…行くぞ。」


ー第一章 鎮守府制圧ー


ー11:10 鎮守府内ー

政一 「鍵が合ったのは助かったな。」キィィ

あかつき 「…近くに誰か居るよ?」

政一 「だな…俺も遂に普通の人間、気を付けねば。」

?? 「あ…」

政一 「…何故何時も天龍が一番手なんだよ……」

天龍 「た、助けてくれ!!!!」ギュッ

政一 「どわぁ!?」ドサッ

天龍 「龍田が…龍田が殺されちまうんだ!!!!」

早霜 「え?」

鳳翔 「政一、急ぎましょう。」

政一 「だな…」

天龍 「あっ済まねぇつい…」

政一 「構わん、急ぐぞ。」

天龍 「おう!!!!」

ー11:50 鎮守府三階 執務室前ー

早霜 「酷いですね……」

鳳翔 「あんなに惨い死に方をさせるなんて…」

龍飛 「廊下で野垂れ死にとは…苦しかったろうに。」

政一 「此処を制圧したら水葬すればいいさ…」

天龍 「制圧?」

政一 「提督権限を剥奪した後に此処に着任する。」

天龍 「お前が提督になるのか?」

政一 「まぁな。」

天龍 「そりゃあ良い、龍田もきっと懐くぜ。」

政一 「突撃するぞ…」スッ

天龍 「おう。」

政一 「ノックしてもしもーし!!!!!!!!」バコォン!!!!

天龍 「蹴破った!?」

?? 「何者だ!?」

政一 「隙を見せるから死ぬんだよ!!!!」ズバッ

?? 「グア…」ドサッ

政一 「提督はお前にゃ荷が重い。俺がやってやる。」

天龍 「…待て、龍田は何処だ……」

政一 「探すか。」←白軍服

天龍 「何時の間に着替えたんだ!?」

早霜 「政一の早着替え…」

鳳翔 「矢張り早いですね…」

天龍 「何で普通にしてんだよ…」

政一 「…この部屋には来るな。」←隣室

天龍 「はぁ?何でだ?」チラッ

不知火 「あっ…」

天龍 「うぶっ…」

ー少女嘔吐中ー

ヤハウェ 「何で吐いたの!?」

政一 「…この世界は、完全に狂ってる……」

早霜 「惨い…何故こんな事が出来るの……」

ヤハウェ 「え?」チラッ

[龍田の惨殺体]

ヤハウェ 「…嘘でしょ……何で、こんな事…」

政一 「自身の部下にこの様な事を平気でするとは…」

早霜 「…兎に角、水葬を始めましょう。」

政一 「そう、だな。」

ー政一の提督人生は最悪な始まりを迎えたー


ー第二章 水葬ー


ー14:30 海岸ー

政一 「…潮の流れは問題無いか。」

早霜 「えぇ…」

天龍 「龍田…龍田ぁ……」

政一 「龍田は…お前に任せる。」

天龍 「あぁ…済まねぇ……」

政一 「…総員合掌、黙祷。」

早霜 「………」

政一 「………酷い程に簡素だが、許して欲しいな。」

?? 「見つけたっぽーい!!」ギュッ

政一 「夕立…」

夕立 「あれ…もしかして、水葬中っぽい?」

政一 「あぁ、そうさ…」

?? 「夕立、焦り過ぎだよ。」

政一 「兎に角黙祷をしなさい、時雨も。」

時雨 「うん…」

夕立 「御免なさいっぽい………」

死神 「お久しぶりです。」

政一 「貴方はあの時の…」

死神 「水葬された魂、私が引き取ります。」

政一 「あぁ、出来るならそうしてくれると有難い。」

死神 「では…おや?」

政一 「何か有りましたか?」

死神 「えっとですね…皆が貴方の元を離れたくは

無いと言って頑なに動こうとしないのですよ。」

政一 「…分かる範囲で名を教えて頂きたく。」

死神 「…最も思いが強いのは[龍田]と言う子です。」

天龍 「龍田…?龍田なのか?本当に龍田なんだな!?」

死神 「私は嘘を吐きたくは無いのです。」

政一 「…ならば、家を用意せねば……」

死神 「其の方が良いかと…皆喜んでいます。」

政一 「申し訳無いな…態々来て貰ったというのに。」

死神 「いえ、これが仕事ですから。」

政一 「そうか…有難う。」

死神 「また、用が有れば来ます。」スウッ

政一 「あぁ。」

早霜 「…どうします?」

政一 「祠でも建ててしまおうか…」

早霜 「そうですね…龍田さんの遺体は……」

天龍 「…埋葬と水葬、何方が良いだろうか…」

政一 「……船としては海、共に居たいなら陸だな。」

天龍 「…海の方が良い、のかな……」

死神 「一つ忘れてました。」

政一 「んぁ?」

死神 「彼女は[陸]を選んでます。」

政一 「そうか、助かる。」

死神 「では。」スウッ

政一 「…埋めるぞ、手伝え。」

天龍 「あぁ、提督。」

ー鎮守府近くの更地ー

天龍 「……」ザクッザクッ

政一 「…埋めて良いぞ。」スッ

天龍 「…龍田、明日も来るぜ。」ボサッボササッ

政一 「…[軽巡洋艦龍田此処に眠る]っと……良し。」

天龍 「其れは…墓石か?」

政一 「まぁ、な。字も軽くだが彫っておいた。」

天龍 「…有難う。」ゴスッ

政一 「土を寄せて…これで良いな。」

天龍 「御免な龍田…護ってやれなくて。」合掌

政一 「…さぁ、中に入ろう。」

天龍 「…あぁ、今行くよ提督。」


ー第三章 着任ー


ー執務室 17:50ー

政一→提督 「さて、着任書類も通ったし…」

夕立 「パーティー、しちゃうっぽい?」

提督 「いや、飯食って掃除掃除。」

天龍 「あー…確かに汚ぇからな。」

?? 「掃除ならお手伝い出来るよ!!」

天龍 「うおぉ…すっげぇ妖精だぁ…」

??→妖精 「天龍だけでも助かって良かったよ。」

天龍 「…あぁ、そうだな…俺だけでも、助かって…」

提督 「…少し工廠に寄る。」

天龍 「んぁ?お、おう…」

ー工廠 18:25ー

提督 「工廠は…生きてるか。」

?? 「…ヒッ!?」ささっ

提督 「…入渠も建造も四基…金は使ってたのか。」

?? 「嫌…嫌……もう殴られたくないよ…」ビクビク

提督 「……参ったな…建造用の資材が空だ…」

?? 「逃げないと…殺される……」ズリズリ

提督 「此処に居る奴に会っときたいが…無理か。」

?? 「…え?」ピクッ

提督 「先ずは資材、其れから人員拡充だな…」

?? 「……」ノソッ

提督 「…この世界を変える為にも、海軍を変える。」

?? 「あ、あの…」ビクビク

提督 「ん?」クルッ

?? 「ひぅっ!?」ビックゥ

提督 「…あぁ、妖精さん…居たんですね……」ほっ

??→工廠妖精 「あ…あの……」

提督 「一度帰ります。建造資材を調達しないと。」

工廠妖精 「あの、其れなら…此処に……」つ建造資材

提督 「あぁ…在庫有ったんですね。」

工廠妖精 「建造する度に、外れだって殴られて…

其れが怖くて隠したら、何で無いんだってまた……」

提督 「もう大丈夫、奴は死にましたから。」

工廠妖精 「へ?」

提督 「今は私が提督です…安心して下さい。」

?? 「いいや、信用出来ない。」

提督 「…そうですか……困りましたね…」

?? 「ほら、出て行け。二度と来るなよ。」

提督 「…分かりました。」ガシャン

工廠妖精 「追い出す事は無いと思います!!!!」

?? 「黙れ、奴もアレみたいになるだけだ。」

工廠妖精 「妖精長、私追い掛けます!!!!」タッ

??→妖精長 「おい待て…どうなっても知らんぞ。」

ー執務室 19:00ー

工廠妖精 「居るかな…」チラッ

提督 「何故認められないのですか?」

[これは規則だ、大本営は貴様には支援出来ん。]

提督 「…分かりました、失礼します。」チンッ

工廠妖精 「あ、終わったのかな?」

提督 「大本営…何時か必ず潰してやる…」グシャッ

工廠妖精 「あっ…受話器が潰れた…」

提督 「…屁理屈ばかり並べおってあの爺は……」

工廠妖精 「出直そう…」テテテー

提督 「…あの大将、決して許さんからな……」

提督 「叩き潰してくれる…」ギロッ


ー第四章 説得ー


ー十月二十一日 08:45 提督室ー

提督 「……」計算中

工廠妖精 「あ、あの…」

提督 「……」記録中

工廠妖精 「提督、さん……」

提督 「…ふぅ……何の御用でしょうか?」

工廠妖精 「いえ、あの…その……建造、ですけど…」

提督 「…あぁ、私は工廠に入れませんから。」

工廠妖精 「そんな…せめて一度でも……」

提督 「嫌う者が居る以上はもう行きませんよ。」

工廠妖精 「……分かりました…」

提督 「……」計算中

工廠妖精 「…失礼、します。」パタン

ー09:00 鎮守府二階廊下ー

工廠妖精 「…提督さん……」

早霜 「妖精さん、何か有ったんですか?」

工廠妖精 「実はかくかくしかしまで…」

早霜 「成程…私が向かいましょう。」

ー09:30 工廠ー

妖精長 「……」冷や汗ダラダラ

早霜 「貴方の一言で工廠は腐るんですよ。」ゴゴゴ…

妖精長 「は、はい……」

早霜 「提督…政一が怒ると本当に抑えられません。」

妖精長 「はい…」

早霜 「貴方から提督に謝らないと建造など夢の夢。」

妖精長 「はい…」

早霜 [早く行けよ糞妖精、ボサっとすんな。]ギロッ

妖精長 「は、はい!!!!」だっ

工廠妖精 「……」唖然

早霜 「…さて、暫く待ちましょうか。」

工廠妖精 「…怖い……」

ー11:00 提督室ー

妖精長 「誠に申し訳有りませんでした。」土下座

提督 「…何がでしょうか?」書類作成中

妖精長 「昨日は言葉が過ぎました。」

提督 「…私には身に覚えが有りません。」

妖精長 「……」冷や汗ダラダラ

提督 「お帰り下さい、仕事の邪魔です。」書類印刷中

妖精長 「……その、前任と貴方を重ねてしまって…」

提督 「お帰り下さい、これ以上は時間の無駄です。」

妖精長 「わ、悪気が有った訳では無いのです…」

提督 「[帰れ]と言ったのですよ、私は。」

妖精長 「あ、あの…」

提督 [まだ分からんか糞妖精…出て行け、邪魔だ。]

妖精長 「……失礼します…」パタン


ー第五章 [提督 諫田政一]ー


ー12:30 工廠ー

妖精長 「…」フラッ

早霜 「取り付く島も無かったようですね。」

工廠妖精 「最初から分かっていたのですか?」

早霜 「当たって砕ける方が言うより早いです。」

妖精長 「…優しいのに、怖い人だ……」

早霜 「冷酷非情、冷淡且つ無情…冷徹で残酷。

一度怒れば冷めるまで決して口を利かない上に、

これ以上無い程の戦闘狂…敵と看做せば平気で殺し

自身に着いて来る者にのみ愛情を注ぐ人間。

其れが提督…[諫田政一]という人間なんですよ。」

妖精長 「……」

工廠妖精 「…冷酷、無情……あの優しい人が?」

早霜 「あの人、建前上は優しく振る舞いますよ。

本心でどう思っているかは分かりませんが。」

妖精長 「……」

早霜 「私が説得してみます。」

工廠妖精 「御願いします。」

ー14:00 提督室ー

早霜 「…政一?」

提督 「…何だ、ノックもせずに……」

早霜 「妖精達の説得は終わったわ。」

提督 「…だから何だ?」

早霜 「建造しないと戦力が足りないままよ?」

提督 「……そうだな…戦力は大事だな。」ギィ

早霜 「…行きましょう。」

ー15:30 工廠ー

妖精長 「あ…昨日は済みませんでした。」

提督 「……」ギロッ

妖精長 「ヒィッ!?」

工廠妖精 「工廠に来て頂き、有難う御座います。」

提督 「構わん…気分は最悪だがな。」イライラ

早霜 「建造、しましょう。」

提督 「…そうだな。巡潜駆系で四回行くか。」

ー00:18:00ー

ー00:20:00ー

ー00:24:00ー

ー00:22:00ー

提督 「…見事に巡洋が外れたな。」

早霜 「二十二分は潜水の可能性が有りますね。」

提督 「…まぁ、気長に待ちますかね…」

?? 「…やっと、着きました……」

提督 「…弥生、来たのか。」

弥生 「えぇ、来ましたよ…他にもう二人居ます。」

提督 「二人?」

?? 「ウチを置いて行くとはええ度胸やな。」

提督 「…龍驤……」

龍驤 「ウチは永遠に着いてったるからな。」

提督 「はいはい…」

?? 「何で私まで…」

提督 「花音、お疲れ。」

花音 「えぇ、疲れてるわよ…何処かのお馬鹿さんの

所為で仕事が増えて大変だったんだから。」

提督 「そりゃ済まんな。」

工廠妖精 「…どうなってるの?」

早霜 「別世界から来てるので集まってるんです。」

工廠妖精 「成程…」


ー第六章 新造艦ー


ー15:49 工廠ー

提督 「一人目は誰だ?」

文月 「あたし、文月って言うの。よろしくぅー。」

提督 「文月か…宜しく。」なでなで

文月 「あったかーい…ふみぃ……」

ー15:51ー

提督 「二人目は誰だろうな…」なでなで

文月 「ふみぃ…」でろーん

曙 「駆逐艦曙よ…って、こっち見んな、糞提督!!!!」

提督 「……随分な物言いだな…駆逐艦…」ギロッ

曙 「ヒィッ!?」

提督 「貴様、上官に対し初対面で[糞提督]呼びとは…

一体何様の心算だ、駆逐艦曙……答えろ。」ガシッ

曙 「えっと、あの、其の、これは…」

提督 「調弄す心算なのか?」グイッ

曙 (駄目だ…凄い怒ってる……)

文月 「司令官、駄目だよ…離してあげて。」

提督 「……運が良かったな、駆逐艦。」パッ

曙 「うわっ!?」ドサッ

提督 「私は非常に機嫌が悪い。早く話せ。」

曙 「…私だって[糞提督]なんて言いたくないわよ。」

提督 「ほう?」

曙 「だけど…[曙]として建造されたから言うしか…

[糞提督]って呼ぶ事しか出来ないのよ…」グスッ

提督 「…大本営め、この胸糞悪い時に……」

曙 「……嫌いに、ならないで……御願いだから…」

提督 「…まぁ、事情は分かった。仕方無いし許す。」

曙 「本当に!?」パァァ

提督 「…糞大本営め、潰してやるからな……」ギロッ

文月 「……怖い…」

曙 「わ、私も……」

伊58 「……声を掛けるタイミングを失ったでち…」

提督 「あ?」クルッ

伊58 「ヒィッ!?ブラック鎮守府に来ちゃったでち!?」

提督 「…ゴーヤだな?もう二分経ってたのか。」

伊58 「あわわ…」

提督 「…何を慌ててる…この鎮守府はまだ一つも

仕事してない[死んだ鎮守府]状態だからな。」

伊58 「…へ?」

提督 「近海の制海権すら取れてない。」

伊58 「えぇぇぇぇえええ!!??」

提督 「…次の奴が来るな。」

伊58 「色んな意味でヤバい鎮守府でち…」

黒潮 「黒潮や、宜しゅうな。」

提督 「…[こっち]の黒潮は真面だな。」

黒潮 「…如何いうこっちゃ?」

提督 「[あっち]の黒潮は…まぁ、うん…」遠い目

黒潮 「…あぁ、そういう事…」遠い目

提督 「察しが良くて助かる…あぁはなるな。」

黒潮 「心配せんでもあぁはならんよ…」

文月 「司令官?」

提督 「…取り敢えず全員着任って事で。」

文月 「はーい。」


ー第七章 鎮守府始動ー


ー16:00 工廠ー

曙 「…糞提督、如何するの?」

提督 「…時雨夕立黒潮…曙文月と早霜で近海。」

曙 「え…時雨、夕立と…早霜?」

早霜 「呼びましたか?」スッ

曙 「ひゃあ!?」

提督 「時雨夕立と此処に居る駆逐艦で近海。」

早霜 「了解です。」

ー17:30 近海ー

ドーンドーン…

イ級 「……!!!!」ドーンドーン

早霜 「思い通りにさせるか!!!!」ドドドーン!!!!

夕立 「沈め沈め沈め!!!!」ドドーンドーン!!!!

時雨 「消えろ…目障りだ!!!!」ドドドドーン!!!!

曙 「…え?」

黒潮 「嘘やん……」

文月 「出る幕が無いの…」

ル級 「……エ?」←気紛れで来た

早霜 「…新手か。」ジャキッ

夕立 「潰す…戦艦も糞も無い。」ジャキッ

時雨 「目障りな奴がもう一匹…」ジャキッ

ル級 「ア…エト…コウサンデ。」お手上げ

夕立 「…鎮守府まで曳航するっぽい。」

早霜 「余計な事はしないで下さいね。」

時雨 「変な事したら、直ぐに撃つよ。」

ル級 「…ナニモシナイカラ……」

ー18:12 ラバウル軍港ー

提督 「…お前等……ル級を捕獲とか何してんのさ…」

早霜 「……済みません…」土下座

時雨 「御免なさい…」土下座

夕立 「…ぽい……」土下座

提督 「夕立…お前嘗めてんのか?」ギロッ

夕立 「ご、御免なさい!!!!」

ル級 「…エット……」

提督 「…如何すんだよ……報告書が増えんだろ…」

ル級 「…ナンカ…ゴメンナサイ……」

提督 「…いや、あの糞大本営には報告しない。」

ル級 「…エ?」

提督 「大本営にはうんざりさせられてるからな…」

ル級 (…コノチンジュフドウナッテルノヨ……)

提督 「お前等、客人をおもてなしするんだぞ。」

夕立 「はい…」

時雨 「分かったよ…」

早霜 「了解です…」

提督 「はぁ…不知火!!!!」

不知火 「はい?」ぬいっ

しらぬい 「何でしょうか、御父様。」ぬいっ

提督 「俺は疲れた…不知火サンドで癒してくれ…」

不知火 「成程、了解です。」

しらぬい 「分かりました御父様。」

提督 「…助かる……もう限界だ……」

不知火 「…御部屋に移動しましょう。」

しらぬい 「御父様、御部屋まで耐えて下さい…」

ル級 「…ココハアレガフツウナノ?」

早霜 「いえ、提督が極限まで疲れないとあぁは…」

ル級 「…ナンカゴメンナサイ。」

早霜 「いえ…此方こそ御免なさい…」


ー第八章 深海棲艦ー


ー十月二十二日 03:59 政一自室ー

提督 「……目が覚めたな…」

不知火 「…政一、お早う。」

提督 「起きてたか…」

不知火 「しらぬいは寝てますから静かに、ですよ。」

提督 「あぁ…深海棲艦、如何するべきか…」

不知火 「…一先ず保護という形で置いては?」

提督 「だな…向こうの御偉いさんが来るまでは。」

不知火 「…寝間着姿では風邪を引きます。」つ服

提督 「…着替えて来るわ。」パタン

ー04:20ー

提督 「…朝早いのも良いな。」←白軍服

不知火 「そうですね…」←私服

提督 「前はバラバラだったからな。」

不知火 「えぇ…」

提督 「そうだ…不知火サンド、良かったぞ。」

不知火 「…正直、恥ずかしかったです。」

提督 「…悪かった。」

コンコンコン

提督 「どうぞ…」つ珈琲

ル級 「ハイルワヨ…」チャッ

提督 「あぁ…ル級か。」

ル級 「…ソノ、ナンカメイワクカケタワネ。」

提督 「何故あんな近海に?」

ル級 「ソノ…オサンポノツモリデ…」

提督 「…散歩か……」

ル級 「ココガサワガシイッテクチクカラキイテ…」

提督 「偵察も兼ねて来た訳か…」

ル級 「…ココノクチクツヨスギナイ?」

提督 「俺達は元からこの世界に居た訳じゃない。」

不知火 「私達は他の世界から此方へ来ました。」

ル級 「…ムコウデハレキセンダッタノネ?」

提督 「そうだな…かなり強かったぞ。」

不知火 「レ級程度なら、私一人で[狩れます]よ。」

ル級 「…カリッテイッテルジテンデオカシイワ。」

コンコンコン

提督 「どうぞ。」

あかつき 「お父さん…」チャッ

ル級 「…エ?」

提督 「どしたあかつき…」

あかつき 「目が覚めちゃった。」ギュッ

提督 「…起きちゃったか。よいしょっと。」グイッ

あかつき 「…特等席。」むふー

提督 「甘えん坊は変わらんな。」なでなで

あかつき 「お母さん譲りだもん。」←政一の膝の上

ル級 「…ナニガオキテルノ?」

提督 「娘だ…暁と俺のな。」

不知火 「私にも娘は居ますが、今は寝てます。」

ル級 「…タラシネ、ソレモジュンスイナ。」

提督 「よく言われてる。」


ー第九章 アラタナライホウシャー


ー04:32ー

コンコンコン

提督 「んぁ?鍵なら開いてるぞ…」

大和 「……お久しぶりです。」チャッ

武蔵 「置いて逝くとは酷いな。」

ル級 「……」ジリッ

提督 「ル級、敵じゃない。」

ル級 「テキジャナクテモヤマトガタハコワイワヨ。」

ほっぽ 「ぽ!!!!」ヒョコッ

提督 「…来てしまったのか……」頭抱え

ル級 「アワワ…ホッポウセイキサマ……」

ほっぽ 「ほっぽ、今は偉くないよ!!!!」ギュッ

提督 「…仕方が無いな……」なでなで

ル級 「エット…コレハドウイウコトデスカ?」

提督 「向こうの世界で和平合意、味方になった。」

ル級 「エェ……」

提督 「…今は大事な娘、だな。」なでなで

ほっぽ 「はにゃ…」

ル級 「…ワタシ、ココデハタラキタイデス。」

提督 「…そうか……なら整備しないとな。」

ほっぽ 「政一…大好き……」だらーん

提督 「……あぁ、俺もだ。」

大和 「あ、艤装ですけど何とかなりました。」

提督 「そうかそうか…そりゃあ結構。」

天龍 「邪魔するぞ…うおぉ……」チャッ

提督 「どした?」

天龍 「なんか深海棲艦が居るんだが…」

提督 「行くわ。」ガタッ

ほっぽ 「ほっぽも行く!!!!」

ル級 「ワ、ワタシモ…」

ー04:40 ラバウル軍港ー

タ級 「……」

リ級 「…マダカ?」

ネ級 「リキュウ、タンキハヨクナイヨ。」

レ級 「……奴ガ行ッタ以上、モウ直グ来ル筈ダ。」

提督 「…レ級まで引っ提げるとは、豪華なこった。」

ル級 「ア…」

ほっぽ 「ぽ?」

リ級 「…ナンデホッポウセイキサマガココニ……」

レ級 「其ノル級、返シテ欲シインダヨ。」

提督 「あぁ…構わんぞ、ル級が良いなら。」

レ級 「ソンナニ簡単二許可スンノカヨ!?」

提督 「悪いのウチの駆逐艦だしな。」超ストレート

レ級 「ル級連レテッタノマサカノ駆逐艦カヨ!!!!」

ル級 「アノ、ワタシココニノコリタイデス。」

レ級 「ア、ル級自身ハ此処二残ル気ナノネ!?」

提督 「…タ級、黙りっ放しで如何した?」

タ級 「…ウチモココニノコリタインヨ。」

レ級 「タ級モ残ル気ナノカヨ!?戦力減ンジャンカ!!!!」

提督 「…一度話し合いするか?」

レ級 「…其ノ方ガ良サソウダナ……」ガクッ

提督 「お前の気持ち、俺には良く分かるよ。」


ー第十章 話し合いの場ー


ー05:00 執務室ー

提督 「気が済むまで話しな。」

レ級 「…タ級、此処二残ル気ナンダナ?」

タ級 「…ルキュウガノコルホドノモンガアルハズ。」

リ級 「ソンナコト、ユルサレルワケガナカロウ…」

ネ級 「…レイコクヒジョウ、レイタンムジョウ……」

提督 「……」ピタッ

タ級 「…エ?」

ネ級 「ソレガアノヒトノホントウノスガタ……」

提督 「…察しが良いな、深海棲艦。」ガタッ

タ級 「ア…」

ル級 「テイトク?」

提督 「はっきり言うと貴様等を信用していない。」

レ級 「……」

提督 「話し合いが済み次第出て行け。」バタン

ル級 「…イマノ、アノヒトノメハ…」

タ級 「マルデワタシタチノヨウナ、ツメタイメ…」

レ級 「感情ガ凍テツカナケレバ、アァハナラナイ…」

ネ級 「コレマデナンニンノヒトヲミオクッタノカ…」

リ級 「…モシヤ、ヤツハワケアリカ?」

レ級 「一度調ベタ方ガ良サソウダナ…」

リ級 「ダガ、ドウヤッテシラベルトイウノダ?」

レ級 「先ズハコノ鎮守府ノ艦娘二話ヲ聞コウ。」

ル級 「テイトク…ドウシテ…」

タ級 「ワカラナイケド、ナニカリユウガアルハズ。」

不知火 「…あの。」

タ級 「ウワッ!?」

不知火 「暗闇さんであればお話が聞けるかと。」

レ級 「ソウカ…案内ヲ頼厶、駆逐艦。」

不知火 「任せて下さい。」

ー05:22 食堂ー

暗闇 「成程、事情は分かったわ。」

レ級 「頼メルカ?」

暗闇 「良いけれど…相当重いから覚悟してね。」

ー暗闇説明中ー

レ級 「…ソンナニ酷イ過去ガ奴ニハ有ッタノカ。」

暗闇 「えぇ…これだけの理由が有れば、ね?」

タ級 「…ナオセナイノカ?」

暗闇 「難しいと思うわ…」

ル級 「………」

暗闇 「私達に表面上でも優しいのは、同じ過ちを

二度と繰り返させない…そんな想いが有るからだと

私は考えてるけど…本人は如何考えてるのかしら。」

レ級 「……」

ー同じ頃 政一自室ー

提督 「…また、人生が始まったな。」パタン

提督 「…もう親しい者の死は見たくないのに…」ギッ

提督 「…何を言っても意味は無いか。」コトッ

提督 「…この狂った世界に終止符を。」ガタッ

提督 「……この繰返す人生に終焉を。」バタン

ー彼の机の上には一本のナイフが置かれている。ー

ー…嘗て彼が投げナイフとして使っていた物が。ー


ー第十一章 新たな来訪者ー


ー06:00 ラバウル軍港ー

?? 「…此処か、奴が居る鎮守府は。」

?? 「……深海棲艦を匿っているとの情報か…」

??→大将 「裏切り者め…思い知らせてやる。」

ー06:10 鎮守府一階廊下ー

提督 「……」カツカツ…

大将 「見つけたぞ、裏切り者!!!!」

提督 「……」カツカツ…

大将 「えぇい、止まらんか!!!!」ガシッ

提督 「……何ですか?」←死んだ様な光の無い目

大将 「なっ…何だ其の目は…」ジリッ

提督 「用が無いならこれで。」カツカツ…

大将 「おい待て!!!!」ザッ

提督 「…来るな。」←光を戻す

大将 「何を止まって…隠れて様子を見るか。」ササッ

あかつき 「お父さん!!!!」ヒョコッ

提督 「ん?如何した?」

大将 「…一瞬で、性格が変わった……だと?」チラッ

あかつき 「見て見て、絵を描いたの!!!!」つ画用紙

提督 「…お父さんの絵か、上手いじゃないか。」

あかつき 「本当!?」パァァ

提督 「あぁ…部屋に飾るよ、有難うあかつき。」

あかつき 「えへへ…」ニマー

大将 「あかつき…暁だと!?どう見ても幼女だぞ!?」

あかつき 「…お父さん、後ろに誰か居るよ?」指差し

大将 「しまった!!!!」サッ

提督 「知ってる…ほら、お母さんと遊んでおいで。」

あかつき 「お父さんは?」

提督 「父さんはこれから仕事だよ…御免ね。」

あかつき 「ううん、良いよ。じゃあね。」

提督 「行ってらっしゃい。」

大将 「…こう見ると普通の父親だな……」

提督 「…行ったな。」←目から光が消える

大将 「また消えただと!?」

提督 「…あかつきも、何時か死ぬんだよな…」ボソッ

大将 「彼奴…今何と言ったんだ…」

提督 「早霜も暁も暗闇も、ヤハウェでさえも…」

大将 「……」

提督 「生き返りたくなんて、無かったのになぁ…」

大将 「なっ…」

提督 「向こうに着く前に、光と性格を戻さないと…」

大将 「奴は一体…」

提督 「…この狂った世界に終止符を。」スッ

提督 「この繰返す人生に終焉を。」カツカツ…

大将 「何を如何すればあの様な人間になるのだ…」

暗闇 「知りたい?」

大将 「なっ!?」

暗闇 「でも先ずは、侵入者として対処しないとね。」

大将 「待て、何をする気だ…」

暗闇 「少し寝てて頂戴!!!!」ゴスッ

ドサッ

暗闇 「…気絶したわね。」ググッ

暗闇 「…あの人の心は、治せるのかしら……」


ー第十二章 生と死ー


ー08:00 ラバウル鎮守府 海岸ー

提督 「……波が強いな。」ザパーン

暁 「此処に居たのね。」ザッザッ

提督 「……暁か。」

暁 「えぇ、貴方の大事な暁よ。」

提督 「……此処も同じなんだな。」

暁 「そうね…此処も徒桜も新宮も、漸橋も。」

提督 「……もう二度と見たくは無かったがな。」

暁 「えぇ…見たくは無かったわね。」

ー艦娘の死体が波打ち際に転がっているー

提督 「………」

暁 「貴方、目がどんよりしてるわ…声も冷たい。」

提督 「…戻す気になれん、諦めてくれ。」

暁 「そう…なら、こうすれば戻るかしら?」ギュッ

提督 「……お前も大分変わったな。」

暁 「昔は背は低くて胸も無くて、何より子供で。」

提督 「……[大人だから泣かない]とか言ってたな。」

暁 「[一人前のレディとして扱ってよね]ってね。」

提督 「……で、[大人だから暁はおやつ抜き]って。」

暁 「レディの設定無視して御強請りしてたわね。」

提督 「……偶には昔話も良いな。」

暁 「えぇ…でも、この子はもう出来ないわね…」

提督 「……此処も浜に打ち上げられるか…」

暁 「今日は波が強いからかしら…」

提督 「……かも知れんな…」

レ級 「オイ、アンタ等コンナ所デ何シテ…」ザッザッ

提督 「……何処の海で沈んだのやら…」

暁 「…大破進軍なんて、絶対に嫌だった筈よね。」

提督 「……だが、大破進軍をしない限り沈まない。」

暁 「…そう、よね……」

レ級 「…ン?オイ、俺此奴知ッテルゾ。」

提督 「……本当か?」

レ級 「アァ、確カ報告デハ[大破進軍艦撃沈]ッテ。」

提督 「……沈めたのは誰だ?」

レ級 「ヲ級ダヨ…[不本意乍沈メテシマッタ]ト。」

提督 「……確かに、遺体には爆撃痕があるな。」

レ級 「[旗艦二攻撃シタガ庇イ沈ンダ]ト聞イタ。」

提督 「……そうか。」

レ級 「如何スル?此奴ハ水葬スルカ?」

提督 「……するしかねぇだろうな。」

レ級 「…皆ト話シテ決メタンダ。」

提督 「……何を?」

レ級 「俺達ハ、此処デ働クッテ…コレカラ宜シク。」

提督 「……あぁ、任せろ。」

暁 「…貴方、南方3kmに海軍船の反応が有るわ。」

提督 「……到着予測は?」

暁 「早くて半、遅くとも九時。」

提督 「……先にそっちの対応だな。」


ー第十三章 引取り先ー


ー08:43 ラバウル軍港ー

憲兵 「提督は何処だ?」

提督 「遠路はるばる御苦労。」←光戻してる

憲兵 「ふむ、貴様が提督か…詳細だ。」ポイッ

提督 「…矢張り陸軍の犬か。」べシッ

憲兵 「ほれ、戦力不足だろ?使い古しをやるよ。」

提督 「……」

憲兵 「おい、連れて来い。」

下っ端 「もう終わりかよ…殴んの楽しかったのに…」

?? 「…漸く、解放されるであります……」ゲホッ

提督 「…貴様等には少し説教をせねばならんな。」

憲兵 「海の連中の話なんざお断りだよ!!!!」

提督 「そうか、其の言葉を待っていた。」スラッ

憲兵 「おい、何で刀を抜いて…」

提督 「斬捨御免!!!!」ズバッ!!!!

憲兵 「あ…が…」ドサッ

下っ端 「ヒッ…人殺し……」

提督 「人殺し…か。」←目が濁る

下っ端 「な…何なんだよお前!!!!」

提督 「昔は只管殺してたな…大義名分掲げて。」

下っ端 「まっ待て!!!!来るな!!!!」

提督 「来るな?其れが艦娘を殴る奴の言う事か。」

下っ端 「百か?二百か?金なら払う!!!!」

提督 「金で買える命は無い。」ズバッ!!!!

下っ端 「がっ…」ドサッ

暁 「…終わったわね。」

?? 「あ、あの…」

暁 「あきつ丸さんね…中で治療するわ。」

??→あきつ丸 「も、申し訳無いであります…」

提督 「…この海軍船、演習標的にするか。」ブンッ

暁 「レ級さんに潰して貰いましょ?」

提督 「……そうだな。」ふぅ…

ー09:10 執務室ー

龍驤 「…コッチも鎮守府に深海棲艦が居るんか。」

レ級 「…マァ、ナ。」

ル級 「ワタシハクチクガツヨスギテコウサンシタ。」

龍驤 「…あぁ、早霜とかバリ強いもんな。」

レ級 「然シ、此処二大和型ガ居ルトハナ。」

大和 「だって……提督ったら私達を修繕したのに、

運用する事無く勝手に逝っちゃったんですもの!!!!」

武蔵 「艤装の調整までしたにも関わらず彼岸へと…

許せる訳が無かろう。本当に酷い話だ、全く。」

提督 「…人の事を悪く言って、楽しいか?」スッ

大和 「提督!?」ガタッ

武蔵 「聞いていたのか!?」ガタッ

提督 「聞くも何も端から部屋の中に居たぞ馬鹿者。」

武蔵 「何だと!?」

龍驤 「ウチは知っとったよ。」

大和 「なら教えてよ…」(´・ω・`)


ー第十四章 処分ー


ー09:20 ラバウル沖ー

レ級 「アノ船、沈メテモ構ワナインダナ?」ジャキッ

提督 「あぁ、さっさと沈めてくれ。」←INボート

リ級 「…ナルホド、ショブンシロトイウノダナ。」

タ級 「…ハヤクシズメテ、ユックリシタイ。」

ネ級 「…リョウカイ。」

ル級 「…ヤクニタテルトイイケド……」

ほっぽ 「新しい旧式の艦載機に慣れないと。」

ル級 「エ?」

ほっぽ装備

九九式艦上爆撃機

九七式艦上攻撃機

九六式艦上戦闘機

零式水上偵察機

五十六糎四連装砲塔改二(副砲)

提督 「其の砲塔、今部品無いから壊すなよ…」

レ級 「桁外レノ副砲ダナ!?」

ほっぽ 「弾着観測射撃、御願い。」バルーン…

ドドドドン!!!!…ドドドドン!!!!

……ボカーン!!!!

レ級 「エ?……エ?」

ネ級 「…タイハシテル。」

タ級 「…フツウナラアリエナイイリョクダヨ……」

リ級 「……シゴトガナクナルジャナイカ。」

ル級 「…ヤッパリココハテキニマワシチャダメダ。」

ほっぽ 「艦載機、行っけぇ!!!!」バシュバシュバシュ

……ボカーンボカーン!!!!バコーーン!!!!

レ級 「…沈ンジマッタジャネェカ……」

提督 「…ほっぽ、砲塔の調子は如何だ?」

ほっぽ 「大丈夫だよ、有難う政一!!!!」

提督 「俺の使い古しを改造しただけだがな。」

レ級 「…ハ?使イ古シ!?」

提督 「元神様で元元帥で元最強の戦艦だったのさ。」

レ級 「…何ヲ如何スリャソンナ人生送レンノサ……」

提督 「…まぁ、[追放]の二文字だけで事足りるな。」

レ級 「追放…」

提督 「さ、帰るぞ。」

レ級 「…アァ。」

ネ級 「ハイ。」

リ級 「…リョウカイ。」

ル級 「…エェ。」

タ級 「…ウン。」

ほっぽ 「帰ろう!!!!」

ー10:00 執務室ー

大将 「…ぬぅ……」←取り押さえられ中

早霜 「大人しくしてて下さい。」←取り押さえ中

提督 「…貴方は私を殺しに来たとか。」

大将 「……もう殺す気は失せたわい。」

提督 「ほう、其れはまた如何して?」

大将 「貴様、随分と酷い生活をしていた様だな。」

提督 「…聞いたのですね。」

大将 「……あぁ。」

提督 「確かに酷く苦しい生活を強いられてました。

然し其れが貴方と如何関係すると言うんですか?」

大将 「…其れは……」

提督 「…所詮は他人、人の苦しみを知る由は無い。」

大将 「……」


ー第十五章 和解ー


大将 「…一つだけ頼みが有る。」

提督 「…聞くだけ聞こう。」

大将 「私を此処に配属して欲しい。」

提督 「……」

大将 「勿論階級は准尉で構わない。」

提督 「…………」

大将 「……頼む。」

提督 「…仕方無い……准尉に降格だからな。」

大将→准尉 「…助かる。」

提督 「…海岸にでも行くか。」ガタッ

准尉 「…行く前にこの縄を解いてくれないか?」

提督 「…解いてやれ早霜。」

早霜 「……」シュルッ

准尉 「助かった、有難う…」

提督 「構うか、行くぞ。」

ー10:35 海岸ー

提督 「……」ザザーン…

准尉 「…海は青いな。」

提督 「…あぁ。」

准尉 「…何か、来るぞ?」

提督 「……アレは…」

?? 「漸く…見つけた……」

?? 「うぅ……」

提督 「…瑞鳳、久し振りだな。」

瑞鳳 「…私を二度助けたのは、貴方なんだから。」

提督 「髪飾り、ボロボロだな。」

瑞鳳 「ボロボロでも、大事な髪飾りだよ。」

?? 「…惚気、ないで……助けて……」

提督 「阿武隈だな。」

阿武隈 「もう、限界かも…」

提督 「瑞鳳、入渠させるぞ。」

瑞鳳 「うん。」

ー13:48 工廠ー

工廠妖精 「阿武隈さんは状態が悪いよ…」

提督 「具体的には?」

工廠妖精 「腕は折れてて艤装はボロボロ。」

提督 「…身長もやけに低いな。」

工廠妖精 「食事を真面に摂れてないから…」

提督 「…療養生活だな。」

准尉 「…こんな、酷い事が…」

提督 「こんな酷い事が容易く行われるのさ。」

准尉 「……」

提督 「……」

?? 「クマー!!!!」

提督 「は!?」

球磨 「球磨を置いて逝くなんて酷いクマ!!!!」ポカポカ

提督 「あだだだだ…」

多摩 「多摩を放置するとは…酷いニャ。」ポコポコ

提督 「いでででで…」

北上 「北上さまはお怒りなのだー!!!!」ペシペシペシ

大井 「……ふん!!!!」ゲシゲシゲシゲシ

提督 「痛い痛い…」

木曾 「…………私、怒ってるんだぞ。」グ二ー

提督 「あーれー…」

准尉 「…何が起きているんだ?」

提督 「…お前達まで来ると戦力不足だろうに……」

木曾 「建造したから問題無い。」

提督 「そなの…妻がまた増えたな。」

准尉 「……」

球磨 「…漸く会えたクマ、会いたかったクマ。」

提督 「…そうだな。」


ー第十六章 療養生活ー


ー17:50 療養室ー

阿武隈 「……はぁ…」←絶対安静

瑞鳳 「…身体、痛い……」←安静

阿武隈 「…何で私、生き残っちゃったんだろ…」

瑞鳳 「多分皆が[生きて]って…そう言ったんだよ。」

阿武隈 「…かなぁ……」

提督 「邪魔するぞ。」ガラガラ…

瑞鳳 「あ、提督…」

提督 「夕飯だ…食える分だけ、食っとけ。」コトッ

瑞鳳 「うん…」

提督 「……阿武隈、食う気は有るか?」

阿武隈 「…食べたいけど……」

提督 「食欲は有るか。」サラサラ…

阿武隈 「提督さん?」

提督 「ほい。」つ匙

阿武隈 「へ?」

提督 「ほれ、口開けんか。」

阿武隈 「あ…あー……」

提督 「ん。」スッ

阿武隈 「あふっ…ん……」ムグムグ

提督 「味は悪くは無いと思うが。」

阿武隈 「…美味しい、です。」

提督 「そうか…ほれ。」つ匙

阿武隈 「あー…ん……」ムグムグ

提督 「…腕が潰れると如何しようも無いな。」

ー18:40ー

提督 「お休み。」パタン

瑞鳳 「……良かったね。」

阿武隈 「うん。」

球磨 「クマー。」チャッ

瑞鳳 「あ、球磨さん。」

阿武隈 「知ってるの?」

瑞鳳 「うん、前の世界で会った事が有るの。」

球磨 「阿武隈と瑞鳳、調子は如何クマ?」

阿武隈 「…悪くは無いです。」

瑞鳳 「良くも無いけどね。」

球磨 「それなりクマね。」

北上 「やほー、北上さまだよー。」

阿武隈 「えっ、嘘、北上さん!?」

北上 「あ、阿武隈じゃん。」

阿武隈 「嫌だ…また前髪弄られるぅ…」ガタガタ

北上 「そんな事しないって…大丈夫だよ。」

阿武隈 「嫌だ…嫌だ……」

球磨 「…トラウマになってるクマね。」

阿武隈 「…嫌だ……」

球磨 「北上、少し外に出てるクマ。」

北上 「その方が良さそうだね…じゃねー。」パタン

阿武隈 「……行った?」

球磨 「ウチの北上はそんな事しないクマ。」

阿武隈 「…良かったぁ……」ヘナァ

球磨 [……で、何処でやられたクマ?]ギロッ

阿武隈 「……A提督の所…」

球磨 […了解クマ……潰してやるクマ!!!!]ゴゴゴゴゴ

提督 「其の前に準備だ、早く支度しろ。」

球磨 [クマー。]パタン

提督 「…阿武隈。」

阿武隈 「えっ、何?」

提督 [俺達はA提督を潰す…待っててくれ。]

阿武隈 「…うん。」


ー第十七章 内部破壊ー


ー十月二十三日 07:50 ショートランド泊地ー

提督 「此処だな、奴の居る場所は。」

提督装備

黒刀黒鷺←引継装備

蒼刀青鷺←引継装備

M1911A1←新規装備

M1Garand←新規装備

四式自動小銃←引継装備

不知火 「…生身の人間とは思えない重装備ですね。」

早霜 「別に良いでしょ、持てるんだから。」

暁 「何時も通りね。」

球磨 「そんな事よりさっさと潰すクマ。」

北上 「酸素魚雷さっさと打ち込もうよ…ね?」

提督 「…行くぞ、潰す時だ。」

ー08:00 A提督鎮守府一階ー

提督 「……目標は二名、北上と提督。」

早霜 「あきつ丸さんも元は此処の所属だそうで。」

提督 「そうか…行くぞ。」

?? 「そうはさせないぞ!!!!」

提督 「ほう、長門が一番手か。」

長門 「駆逐艦だけ置いて消えろ!!!!」

提督 「……やっぱロリコンかよ…」

暁 「最っ低ね。」

早霜 「気持ち悪いです。」

不知火 「消え失せなさい。」

長門 「何でだぁぁぁ!!!!」

提督 「消えろ。」スラッ

ズバッ!!!!

提督 「…目障りだ。」ブンッ

長門 「何…だと……」ドサッ

不知火 「矢張り黒鷺はよく斬れますね。」

提督 「…次だ、次。」

不知火 「……下がって下さい、何か来ます。」スラッ

叢雲 「侵入者め…消えなさい!!!!」ブンッ

不知火 「甘いです!!!!」バキッ!!!!

叢雲 「なっ…薙刀が……」

不知火 「貰った!!!!」ズバッ

叢雲 「…強い……」ドサッ

不知火 「…経験の差ですよ。」ブンッ

提督 「…馴染んできたようだな。」

不知火 「えぇ、そうですね。」

不知火装備

翠刀不知火

提督 「……お前の名を付けたが、気に入ったか?」

不知火 「はい…一心同体、そんな気がします。」

提督 「…そうか。」

?? 「……誰?」

北上 「……アンタだね…阿武隈虐めしてたのは。」

A北上 「阿武隈…あぁ、あの埴猪口の事か。」

北上 「埴猪口だって?」ギロッ

A北上 「直ぐに大破する奴は唯の埴猪口だよ。」

北上 「こんの!!!!」ドドドーン!!!!

A北上 「アグァ!?」大破

提督 「北上!?」

北上 「この程度で大破して、埴猪口じゃないって?」

A北上 「…この……」

北上 「笑わせてくれるね!!!!」ドドドーン!!!!

A北上 「ギャアァァ!!!!」轟沈

提督 「……もう、いいや。」匙投げ

不知火 「ですね。」匙投げ


ー第十八章 内部崩壊ー


ー08:14 二階廊下ー

提督 「…此処までざっと三十人、か。」←血塗れ

不知火 「……ですね。」←血塗れ

北上 「さっさと提督潰しちゃおうよ…」←血塗れ

?? 「……」フラフラ

提督 「……武器を下ろせ。」ザッ

?? 「……ぁ…」フラッ

提督 「大丈夫か!?」ガシッ

?? 「……助け…るの、おっそーい…」ハァ…ハァ…

北上 「今の…もしかして、この子って島風!?」

提督 「あぁ…大破状態で放置されてる。」

島風 「………助けて…」

提督 「最低限の対処をしなければ此の儘死ぬ…」

北上 「早く入渠させないと!!!!」

提督 「だな…二手に分かれるか。」

暁 「島風ちゃんは私に任せて。」ググッ

島風 「…御免ね……」

提督 「…頼む。」ダッ

ー08:49 三階廊下ー

提督 「…誰か来るな。」

不知火 「…戦闘態勢。」

?? 「む…貴様等は敵なのか?」

提督 「…お前の行動次第、だな。」ジリッ

?? 「……頼む、助けてくれ!!!!」

提督 「…理由次第だ。」

?? 「島風も私も、大破放置で死に掛けなんだ!!!!」

提督 「島風…あぁ、今入渠中の彼奴か。」

?? 「何だと…島風が、入渠中!?」

提督 「あぁ。」

?? 「そうか…助かったのか。」ヘナッ

提督 「…日向、入渠して来なさい。」

日向 「…面目無い。」フラッ

提督 「…潰すぞ。」ギロッ

不知火 「了解。」

早霜 「…扉、吹き飛ばしますね。」ジャキッ

ドドドーン!!!!

早霜 「せいっ!!!!」バコッ!!!!

ボゴーン!!!!

提督 「…よう。」

A提督 「な、何だ貴様!!!!」

球磨 「阿武隈の代役として復讐に来たクマ!!!!」

A提督 「何だと…阿武隈?あぁ、あの役立たずか。」

球磨 「……球磨を怒らせたクマね…」ギロッ

提督 「球磨、よせ…」

A提督 「…球磨も阿武隈も役に立たん屑だ。」

提督 「貴様…俺の妻を屑呼ばわりだと!?」ジャキッ

A提督 「事実だろう?」

提督 「…この…屑野郎がぁ!!!!」バァンバァンバァン!!!!

A提督 「グァッ…き、貴様……」

提督 「役立たずの屑は貴様だ!!!!」バァンバァン!!!!

ドサッ

提督 「……俺を怒らせた、其れがお前の敗因だ。」

球磨 「…行くクマ。」

提督 「…あぁ。」


ー第十九章 最後の生存者ー


ー10:46 入渠場ー

提督 「もう一人居る!?」

暁 「えぇ、今は三番で修繕中よ。」

提督 「…そうか。」

暁 「怒らないの?」

提督 「どうせお前の[妹]がする事だ、構わんよ。」

暁 「…有難う。」

島風 「おっそーい!!!!」バッ

提督 「島風は治ってたか…あと二人だな。」

暁 「そうね。」

島風 「ねぇねぇ、島風速いでしょ!?」

提督 「……いや、彼奴の方が速いな。」

島風 「おうっ!?だ、誰が速いの?」

提督 「…其奴の名は、[段田]って言うんだがな。」

暁 (あぁ…あの人なら納得ね。)

早霜 (案の定ですか…)

球磨 (あの人なら納得クマ…)

北上 (まぁ、あの人速いからねぇ…)

不知火 (私でも置いて行かれたりします…)

提督 「…会ってみりゃ分かるさ。」

島風 「うん!!!!」

提督 「…んぁ?此奴は…バーナーだな。」つバーナー

不知火 「…高速建造用のバーナーですね。」

提督 「なら、近くに妖精が居ても可笑しくない。」

不知火 「……成程。」

提督 「………居たぞ、窓の所だ…怯えてるがな。」

不知火 「……確認出来ました。」

提督 「…不知火、バーナー届けてやれ。」

不知火 「了解。」

建造妖精 「…バーナー、要らない……」

不知火 「ですが、この鎮守府の備品です。」

建造妖精 「提督死んだから、もう意味無い。」

提督 「…そう来たか。」ガタッ

建造妖精 「…殺さないで……」プルプル

提督 「……怖い思いをさせたな、済まん。」なでなで

建造妖精 「へ?」

提督 「…そうだ、ラバウルに来ないか?」

不知火 「…建造妖精が多ければ休みも作れますね。」

提督 「勤務環境は良いとは言えんが…」

不知火 「此処で朽ちるよりは良いかと。」

建造妖精 「……なら、あの子も連れてって。」

提督 「…誰をだ?」

建造妖精 「…掃除ロッカーの所、一人居る。」

提督 「…誰かいなっと。」ガシャッ

?? 「…見つかった……」

提督 「…天津風か。」

天津風 「何で私の名前をアンタが知ってんのよ!!!!」

提督 「…提督業はもう何度もやってるんだ。」

天津風 「成程、経験って訳?」

提督 「まぁな。そんな事より、ラバウル行くぞ。」

天津風 「はぁ!?ラバウル!?」

提督 「此処で朽ちるな。お前はまだ生きられる。」

天津風 「嫌よ、私はもう此処で死ぬって決めたの!!!!」

提督 「死にたきゃラバウルで死ぬこったな。」グイッ

天津風 「ちょ、何してんのよ!!!!」

提督 「何と言おうが連れて帰るから覚悟しろ。」

天津風 「降ろしなさい!!!!」

提督 「…お前がラバウルで生きると言うならな。」

天津風 「分かった、生きるから!!!!」

提督 「よし、言質は取ったからな。」ポスッ

天津風 「はぁ…そんな事しなくても生きるわよ。」

建造妖精 「じゃあ、ラバウル行こうか。」

提督 「入渠中が二人居るんだがな。」

建造妖精 「御免なさい…」

提督 「……急いても事を仕損じるだけだ。」


ー第二十章 帰還準備ー


ー13:40ー

提督 「……」

日向 「…待たせた。」

提督 「構わん。」

日向 「……伊勢の事は知っているか?」

提督 「入渠中の奴がもう一人居る事は知っている。」

日向 「そうか…」

提督 「…伊勢ってのは彼奴の事か?」指差し

日向 「む?」クルッ

伊勢 「日向!!!!」ギュッ

日向 「おい、辞めないか…」

提督 「仲が良い様で。」

日向 「提督…」

伊勢 「え…提、督?」

提督 「…トラウマ持ちか。」

伊勢 「日向、逃げようよ…」

日向 「彼は彼奴とは違う…安心しろ。」

伊勢 「でも…でもまた日向があんな事されたら!!!!」

提督 「…何が有ったのか、詳しく聞きたいが……」

暁 「先ずはラバウルに帰りましょ?」

伊勢 「嫌よ、日向も私も貴方には着いて行かない!!!!」

日向 「伊勢…」

提督 「そうか…陸軍の犬に何かされても知らんぞ。」

伊勢 「えっ…今何て?」

提督 「陸軍の犬に殴られても慰み者にされても、

俺達は何もしない、其の儘朽ちろと言ったんだ。」

伊勢 「…う、嘘よね!?ね!?」

暁 「本当よ…あきつ丸さんが殴られて療養よ。」

伊勢 「……そんな…」

提督 「…俺達が救いの手を差し伸べるのは最初の

一度だけ。もう救いの手は差し伸べられない。」

伊勢 「そんな…そんな、嘘よ……」

日向 「……」

早霜 「御自身が選ばれた運命ですから。」

不知火 「慰み者にされ、朽ち果てる事ですね。」

日向 「待って欲しい。」

提督 「……何だ?」

日向 「私が責任を取る…伊勢も連れて行ってくれ。」

提督 「…其の責任、重いからな?」

日向 「大丈夫だ、私よりは軽い。」

提督 「言うじゃないか…分かった、共に来なさい。」

日向 「…感謝する。」

伊勢 「日向…」

不知火 「…良かったですね。」


ー第二十一章 帰還ー


ー15:40 とある海域ー

提督 「……半日掛かる帰路か。」←IN海軍船

不知火 「…ですね。」

提督 「眠くなったら乗りなさい。」

不知火 「はい。」

ー03:17 ラバウル軍港ー

提督 「ふぅ…」

大井 「北上さんは無事!?」

提督 「あぁ…大丈夫だ。」

大井 「そう…良かったわ。貴方も無事で何より。」

提督 「まぁ、そう簡単に死んで堪るかってね。」

大井 「…さぁ、北上さんを寝台へ。」

提督 「いや、起きる時天井が変わると焦るぞ。」

大井 「…そう言われると、そうね。」

提督 「…今はそっとしてやれ。」

大井 「…そうするわ。」

ほっぽ 「……政一、抱っこ。」よたよた

提督 「ほっぽ…こんな時間まで起きてたのか。」

大井 「貴方が居ないから寝れなかったそうよ。」

提督 「そうか…船で寝るか?」

ほっぽ 「うん…」

大井 「……私も寝ます。」

提督 「あぁ…お休み。」

大井 「お休みなさい、貴方。」パタン

提督 「……さて、少し仮眠でもするか。」

ー05:20 ラバウル軍港直ぐの小屋ー

提督 「……」zzz

ほっぽ 「……」zzz

あきつ丸 「……提督、殿。」チャッ

提督 「…あきつ丸か。」ムクッ

あきつ丸 「…起こして、しまいましたか。」

提督 「いや、構わない…最初から仮眠の心算だ。」

あきつ丸 「そうで、ありましたか。」

提督 「…横になるか?俺の布団なら使えるが…」

あきつ丸 「そうで、ありますな…」ボスッ

提督 「…体調はどうだ?」

あきつ丸 「…前よりは、マシであります。」

提督 「…そうか。」

あきつ丸 「…提督殿。」

提督 「…何だ?」

あきつ丸 「提督殿は、帰って来たでありますな。」

提督 「あぁ。」

あきつ丸 「…死なずに、戻って来たでありますな。」

提督 「…あぁ。」

あきつ丸 「…自分、昔大切な人を喪いました。」

提督 「……」

あきつ丸 「…その人は兎角御人好しでありました。」

提督 「…御人好し過ぎて死んでしまったと。」

あきつ丸 「えぇ…溺れた子を助け、其の儘…」

提督 「…そうなのか。」

あきつ丸 「ですが、提督殿なら…」

提督 「ん?」

あきつ丸 「提督殿なら、生きて帰って来てくれる。」

提督 「…」

あきつ丸 「…自分は、提督殿が好きであります。」

提督 「……そうか。」


ー第二十二章 陸軍船の恋路ー


ー05:30ー

あきつ丸 「…そうかの一言で終わらせる気ですか!?」

提督 「……あきつ丸、お前には愛すべき人が居る。」

あきつ丸 「……」

提督 「だが、其の人と俺は違う。」

あきつ丸 「…然し!!!!」

提督 「俺にはもう心なんてモノは無い。」

あきつ丸 「なっ…」

提督 「……だから、お前の好意は受け取れない。」

あきつ丸 「…提督殿……」

提督 「…他の男を探した方が、お前の為だ。」

あきつ丸 「…自分は、もう陸軍には戻りませんぞ。」

提督 「…海軍の提督にも幾つか種類が有る……」

あきつ丸 「…まさか……」

提督 「此処より良い所に送ってやるよ。」

あきつ丸 「なりませんぞ提督殿!!!!」

提督 「……」

あきつ丸 「自分が忠誠を誓うのは、後にも先にも

提督殿だけであります!!!!」

提督 「……あの人よりも、俺を選ぶのか…」

あきつ丸 「……彼は自分に[幸せになれ]と。」

提督 「…そんなに俺が好きか?」

あきつ丸 「無論、好きであります。」

提督 「そうか…」

あきつ丸 「提督殿、陸軍の船は嫌いでありますか?」

提督 「……嫌いじゃねぇな。」

あきつ丸 「……白粉の下は見たいでありますか?」

提督 「素肌を曝け出すのは良くないぞ。」

あきつ丸 「むぅ…」

提督 「第一、貴様はまだ病人だろう…」

あきつ丸 「そ、そうでありましたな…」

提督 「…此処に来てから随分と元気な様で。」

あきつ丸 「そう言われると、確かに元気ですな。」

提督 「…何か理由でも有るんかね?」

あきつ丸 「…恐らくアイジョウニウムが原因かと。」

提督 「……マジ?」

あきつ丸 「えぇ、提督殿から放射状に。」

提督 「…そうなのか……」

あきつ丸 「提督殿、この好意…受け取って欲しい。」

提督 「…まだ言うか……諦めの悪い奴だ。」

あきつ丸 「…提督殿。」

提督 「あぁ、分かったよ…ケッコンしてやる。」

あきつ丸 「本当でありますか!?」

提督 「俺も男だ、二言は無い…腹を括るさ。」

あきつ丸 「良かった…本当に良かった。」

暁 「まーた女の子誑したのね政一!!!!」バァン

提督 「…聞いてたのか。」

あきつ丸 「あ、暁殿!?」

暁 「政一は何時もそうやって増やすんだから!!!!」

提督 「…陸軍の奴が諦めねぇからな。」

暁 「何ですって!?」ギロッ

あきつ丸 「頑張って落としたであります!!!!」ビシッ

暁 「へぇ…そうなの……こっち来なさい。」ズルズル

あきつ丸 「お、御助け下さい提督殿!!!!」

提督 「…寝よ。」バサッ

あきつ丸 「あーれー!!!!」ズルズル

パタン


ー第二十三章 回復ー


ー08:00 執務室ー

提督 「……」←白軍服

暁 「……」ギロッ

ほっぽ 「……」ぷっくー

あきつ丸 「…提督殿、この状況は一体……」

提督 「お前が妻となる事に反対する者が二名。」

あきつ丸 「……へ?」

暁 「……信用出来ないわ。」

ほっぽ 「政一はほっぽの!!!!」ギュッ

提督 「コレの所為で執務に影響が出ている。」

あきつ丸 「……」

提督 「あきつ丸、ケッコンしたくば何とかしろ。」

あきつ丸 「自分がでありますかぁ!?」

提督 「お前が原因だ、お前が何とかしろ。」

あきつ丸 「理不尽であります…」

提督 「自分で蒔いた種だ、自分で刈れ。」

あきつ丸 「……」

准尉 「提督、今日の予定だが…」チャッ

提督 「准尉、できる範囲で先にやってくれ。」

准尉 「了解。」パタン

あきつ丸 「准尉!?」

提督 「あきつ丸、何とか出来れば指輪をやろう。」

あきつ丸 「自分、必ず提督殿を救出しますぞ!!!!」

提督 「うん、早くね…」

ほっぽ 「……」

暁 「この女誑し…」

提督 「其の女誑しを選んだのは何処の何奴だっけ?」

暁 「うぐっ…」グサッ

提督 「昔言ったよな?[他の男と幸せになれ]って。

其れ無視して[俺だから良い]って言ったよなお前。」

暁 「ぐふっ…」グサッ

提督 「なのに今になって文句言うとか何様よお前。

巫山戯るなら此処じゃなくて他所でやれ他所で。」

暁 「ガハッ…」グサグサッ

提督 「分かったら文句言うなこの馬鹿暁。」

暁 「はい…」ドサッ

提督 「勝った。」K.O.

あきつ丸 「言葉の刃で勝った!?」驚愕

ほっぽ 「…むー……」

提督 「…ほれ、何とかしろ。」

あきつ丸 「……了解であります。」

ほっぽ 「政一は渡さない!!!!」

あきつ丸 「妻でもない深海棲艦が文句を言うな。」

ほっぽ 「ガハッ!? 」K.O.

提督 「よし、指輪買いに行くぞ。」

あきつ丸 「然し、自分練度が…」←練度68

提督 「あ?指輪は指輪、結婚指輪だろうが。」

あきつ丸 「は!?結婚指輪!?」

提督 「指輪着けてりゃ男も寄らんわ。」グイッ

あきつ丸 「ま、待つであります!!!!心の準備がぁ!!!!」

提督 「煩い、行くぞ。」ズルズル

あきつ丸 「あーれー!!!!」バタン

暁 「…政一って時々不器用よね。」ムクッ

ほっぽ 「だから好きになったんだよ。」

暁 「…そうかもね。」


ー第二十四章 結婚指輪ー


ー17:00 食堂ー

あきつ丸 「……うふふっ…」キラッ

木曾 「ほう、結婚指輪か。」ガタッ

あきつ丸 「き、木曾殿!?」

木曾 「木曾でいい。堅苦しいのは嫌いだ。」

あきつ丸 「…そうで、ありますか。」

木曾 「政一の奴、また妻を増やしやがったな…」

あきつ丸 「あ、あの…コレは自分が……」

木曾 「あぁ、分かってる…政一も分かってる筈さ。」

あきつ丸 「…提督殿が、何を?」

木曾 「お前が傷付いていて、縋るモノを只管探して

この鎮守府に辿り着いたって事…だな。」

あきつ丸 「なっ…」

木曾 「大切な人…私達にとっての政一が死ぬ辛さは

私達も分かる…と言うか政一は死んで此処に来た。」

あきつ丸 「何ですと!?」

木曾 「私達はとある人に連れられて此処に来た。

其の人は政一を此処に案内した張本人だった。」

あきつ丸 「木曾…」

木曾 「…愛する人を喪う辛さは私達も理解してる。

だからこそ…縋るモノを追い求めたくなるのも、

私達には…政一が教えてくれたから分かるのさ。」

あきつ丸 「…そうで、ありましたか。」

木曾 「…政一は、お前の気持ちを汲み取って……

理解した上で結婚指輪をお前に贈ったんだ。」

あきつ丸 「……」

木曾 「大事にして、愛して貰え。」

あきつ丸 「…有難うで、あります…!!!!」ポロポロ

木曾 「…泣きたきゃ泣きな、誰も責めねぇよ。」

あきつ丸 「…そう、で…ありますな…」グスッ

暁 「…隣、良いかしら?」

木曾 「あぁ、空いてるぜ。」

あきつ丸 「暁、殿…自分は……幸せ、であります…」

暁 「…良かったわね、愛して貰えて。」

あきつ丸 「えぇ…えぇ……」

暁 「…あの人は、女誑しだけど…優しいから。」

あきつ丸 「…そうで、ありますな……」

ー17:30 政一自室ー

提督 「…あきつ丸…彼奴の傷は深い……」

提督 「如何にか治せんものか……」

提督 「…考える暇が有るなら行動に移すか。」

提督 「…抑、端から死ぬ気だからな。」


ー第二十五章 日常1ー


ー十月二十五日 07:30 談話室ー

文月 「司令官、鎮守府に居ないの?」

あきつ丸 「えぇ、本営に出張だそうで。」

曙 「へぇ…で、薬指に光る物に関して説明は?」

あきつ丸 「…提督殿が贈ってくれた物であります。」

曙 「えっ…糞提督が!?」

文月 「意外なの…」

伊58 「…練度が足りない筈でち。」

あきつ丸 「…あー……コレは結婚指輪であります。」

伊58 「だから練度が…」

あきつ丸 「…ケッコンカッコガチ用であります。」

伊58 「うぇぇぇええ!?」

黒潮 「何騒いどんのや…」

伊58 「提督とケッコンカッコガチしたでちか!?」

黒潮 「何やと!?其れホンマなんか!?」

あきつ丸 「…籍は入れてないであります。」

伊58 「そうでちか…」

黒潮 「なんや…吃驚したわぁ…」

あきつ丸 「…でも、結婚は結婚であります。」

黒潮 「やっぱ本気やないかい!!!!」

暗闇 「何で籍が入れられないか、分かる?」

黒潮 「あ、暗闇は…何しとんあきつ丸…」

あきつ丸 「…御初に御目に掛かります、暗闇殿。

何時も提督殿の御世話になっております。」土下座

暗闇 「…顔を上げて頂戴、土下座は見たくないわ。」

あきつ丸 「有難き御言葉…」スッ

暗闇 「話を戻すわ。籍を入れられない理由はね…」

黒潮 「何なん?」

暗闇 「提督…政一は既に私と婚姻関係だからよ。」

黒潮 「何やってぇ!?」

文月 「初耳なのぉ…」

曙 「糞提督が、アンタと結婚してる!?」

伊58 「その話、本当でち!?」

提督 「本当だぞ。」ヌッ

伊58 「うわぁぁ!?」

文月 「ふみぃ!?」

黒潮 「どわぁ!?」

曙 「きゃあああ!?」

あきつ丸 「こ、これはこれは提督殿…」

提督 「よぉ、お前等。」

暗闇 「政一、お早う。」

提督 「おうお早う。」

曙 「入籍してるって本当なの!?」

提督 「おう…つっても向こうの世界で、だがな。」

曙 「…詰まりコッチでも籍を入れられる……」

提督 「いや、抑俺はコッチの戸籍無いんだが…」

曙 「はい、戸籍作成証明書。」つ書類

提督 「…無理矢理戸籍作りやがったか。」

曙 「…私と結婚して欲しいの。」

提督 「……先にお前の[糞提督]呼びを治さないと。」

曙 「…名前で呼べば良いじゃない。」ボソッ

提督 「……指輪、買いに行くぞ。」グイッ

曙 「えっちょっ今直ぐなの!?ちょっと待ってぇ!!!!」

提督 「知るか、自分が蒔いた種だろ?」ズルズル

曙 「あーれー!!!!」バタン

あきつ丸 「…序に籍も入れてくるのですよ。」

文月 「…女誑しだけど、格好良い。」

暗闇 「あら、政一の良さに気付くなんて…脈有り?」

文月 「…何時かケッコンするのぉ。」

暗闇 「何時かなんて言わず早めに勝ち取りなさい。」

文月 「そうするのぉ。」


ー第二十六章 日常2ー


ー談話室 14:00ー

暁 「……」

あきつ丸 「うふふ…」キラキラ

曙 「…ふふふふ……」キラキラ

暁 「一瞬で二人も…まだ増えそうなのが怖いわ。」

曙 「良いわね…結婚指輪。」キラッ

あきつ丸 「曙殿も良さに気付いたでありますか。」

曙 「えぇ…良いわ、コレ。」

提督 「……」←新聞熟読中

文月 「司令官!!!!」ギュッ

提督 「ん?」バサッ

文月 「結婚指輪が欲しいの!!!!」ギュー

提督 「……行くか、買いに。」

文月 「やったー!!!!」ピョンピョン

提督 「…俺もかなり甘くなったな……」ギシッ

文月 「ほら、早く行くの!!!!」グイグイ

提督 「急がんでも逃げんわ、少し落ち着け。」

文月 「早く欲しいのー!!!!」ブンブン

提督 「はいはい分かったから…」バタン

暗闇 「…早めの方が良いとは言ったけれど……」

暁 「…直ぐに実行に移したわね。」

暗闇 「…文月ちゃん……ねぇ。」

暁 「流石にアウトじゃない?」

暗闇 「政一は、どんな子でも告白を受けるから…

アウトセーフの概念は政一には通用しないわよ。」

暁 「…私の告白も受けてくれたわね、そう言えば。」

暗闇 「確か、れでぃ(仮)の時からの付き合いよね?」

暁 「えぇ、そうね…って、(仮)は余計よ!!!!」

暗闇 「仕方無いでしょ…背伸びした御子様でしょ?」

暁 「…否定が出来ない……」

暗闇 「…でも、アウトセーフなんて通用しない。」

暁 「…そうね。」

伊58 「…ゴーヤにチャンスは有るでちか?」

暁 「無いわね。」断言

暗闇 「無いわ。」即答

伊58 「何ででちかぁ!?」

暁 「向こうでカッコカリ済よ。」

伊58 「…そう、でちか。」

暁 「…転属になるんじゃない?」

伊58 「…まぁ、本気じゃないでち。」

暁 「…みたいね、目に未練が無いわ。」

伊58 「言ってみたかっただけでちよ。」


ー第二十七章 日常と転属ー


ー談話室 21:50ー

文月 「……ふみぃ…」ぽわぽわ

暁 「なんて言うか…えっと……ぽわぽわしてるわ。」

暗闇 「…私にもぽわぽわしてる様に見えるわ。」

提督 「…指輪を買ってからずっとあぁだよ。」

暗闇 「……文月ちゃんって、不思議ね。」

提督 「あぁ…そうだ、伊58居るか?」

伊58 「何でち?」

提督 「はい、転属。」つ書類

伊58 「……え?舞鶴?」

提督 「俺達が居た方のだな。」

伊58 「…どうやって行くんでち?」

提督 「こんな時の為の[サモン死神]!!!!」パチン

死神 「…御呼びですが?」スッ

伊58 「ひぃっ!?」

提督 「この子向こうの舞鶴まで。」つ地図

死神 「…了解。」

提督 「序に妻の潜水艦三人連れて来て。」

死神 「…了解。」

提督 「あ、連れて来るのは明日でいいよ。」

死神 「…了解。」

提督 「じゃ、コレ御給料ね。」つ封筒

死神 「…有難く。」

提督 「それじゃ任せた。」

死神 「…了解。」シュンッ

提督 「…達者でな、伊58。」

暁 「…へぇ、輸送も出来るのね。」

提督 「死神召喚魔法は便利だろ?」

暁 「…そうね。」

提督 「したら寝るか。」

暁 「えぇ。」

ー十月二十六日 執務室 09:00ー

ゴーヤ 「…漸くでちね。」

イムヤ 「…待ってたんだよ?」

イク 「イク、ぷんすか状態なのね!!!!」

提督 「……俺はコッチで三人妻を増やした。」

ゴーヤ 「はぁ!?」ブチッ

イムヤ 「ちょっと其れ如何いう事なの!?」バァン

イク 「…詳しい説明を求めるのね。」ギロッ

提督 「…あきつ丸、精神をやられ安定を求め結婚。」

イク 「…後二人。」

提督 「曙、籍を入れられると知り自身の恋が暴走、

役所で婚姻届を提出し結婚関係まで持って行く。」

イク 「…後一人。」

提督 「文月、恋は早めに実らせた方が良いと聞き

アタックして来たので俺が折れて結婚した。」

イク 「…はぁ、女誑しは相変わらずなのね……」

ゴーヤ 「…まぁ、もう水に流すでち。」

イムヤ 「但し、私達も確り愛する事、分かった?」

提督 「あぁ。」

ゴーヤ 「…なら、早速ベッドに行くでち。」

イムヤ 「…三人相手でも、潰れないよね?」

提督 「今は生身の人間だが…まぁ、良いだろう。」

イク 「なら、ベッドに行くのね!!!!」

ーこの日は一日休みになった…とか。ー


ー第二十八章 玉藻前出現ー


ー十月二十七日 鎮守府正門前 07:00ー

?? 「…此処か、彼奴の居る処は……」

?? 「ふむ、活気が戻っておるな。」

?? 「…ここまで息を吹き返しよるとはな。」

?? 「さて、此処の頭に挨拶をしようかの。」

ー政一自室 07:30ー

暁 「政一、早く来て!!!!」

提督 「…何事だぁ……」ふわぁ…

暁 「九尾の狐が鎮守府に来てるの!!!!」

提督 「……あぁ、玉藻前が来てんのね。」ガタッ

暁 「え…玉藻前?」

提督 「白面金毛九尾の狐、知らんか?」

暁 「えっと…知らない……何それ?」

提督 「迚賢く其の上美しく、鳥羽上皇にも愛され…

然し周囲の者は病に伏し陰陽師に正体を見破られ、

逃亡するも武士に討たれて殺生石になった伝承。」

暁 「よ、よく覚えてるわね…」

提督 「覚えていて損は無いからな…つか、居たし。」

暁 「居たの!?」

提督 「伝承とは違って、天使に討たれたがな。」

暁 「そ、そうなの…」

提督 「コッチのは上手く生き残ったか…」パタン

暁 「……あ、待って!!!!」チャッ

ー正門前 08:00ー

提督 「…来客とは珍しい。」

玉藻前 「そうなのか…」

提督 「刺客は時々来るがな…まぁ、入ると良い。」

玉藻前 「では、有難く…」ギィィ…

提督 「…九尾の狐が来るとはな。」

玉藻前 「ふふふ…流石に此処だと変化は効かんか。」

提督 「放つ妖気でバレバレだぞ、少しは抑えろ。」

玉藻前 「これはこれは、痛い所を突いてくる…」

提督 「…大した茶は出せないが、構わんか?」

玉藻前 「構わんよ…ただ、熱いのは勘弁じゃ。」

提督 「だろうな…」

ー執務室 09:00ー

提督 「…で、何の用で此処に来た?」サラサラ…

玉藻前 「一度壊滅した鎮守府が復活したのでな。」

提督 「偵察か?」

玉藻前 「そうであるな。」

提督 「…嘘を吐くならもう少しマシなものにしろ。」

玉藻前 「はて、嘘とは?」

提督 「偵察なら下っ端の狐で良い筈…だが今日は、

九尾のお前が態々此処に来てる。何か有る筈だ。」

玉藻前 「…ははははは、流石に騙せぬか。」

提督 「騙される訳が無かろう。」

玉藻前 「まぁ、其れも其の筈…お主、神じゃろ?」

提督 「…気付いていたのか。」

玉藻前 「お主から神と妖の残り香を感じる。」

提督 「……流石は九尾、よく気付く。」

玉藻前 「ふふふ…」


ー第二十九章 玉藻前交渉中ー


玉藻前 「…さて、本題に移るとしよう。」

提督 「大体分かる…外に居る狐の受け入れだろう?」

玉藻前 「あぁ、其れも有る。」

提督 「…ほう?」

玉藻前 「率直に言おう…御主、妾の夫にならぬか?」

提督 「…狐を妻にしろと?」

玉藻前 「妾にはもう力が残っておらん。」

提督 「…で?」

玉藻前 「其の力を回復させるのは御主のアレじゃ。」

提督 「……なら、俺の[妻達]を説得する事だ。」

玉藻前 「…妻達とは?」

暁 「私達…」ザッ

暗闇 「結婚済の…」ザッ

曙 「艦娘の事よ!!!!」ザッ

玉藻前 「…御主、もしやロリコンか?」

花音 「一体誰が…」ザッ

あきつ丸 「ロリコンだと…」ザッ

北上 「言うのかなぁ?」ザッ

玉藻前 「…妾の枠は無さそうじゃな。」

提督 「枠が欲しければ説得する事だ。」ガタッ

玉藻前 「…御主、何処へ?」

提督 「煙草を吸って何が悪い?」

玉藻前 「いや…」

提督 「…お前達、外に居る狐を談話室に案内しな。」パタン

北上 「あいよー。」

玉藻前 「……彼奴も大変なのだな。」

暗闇 「えぇ、そうね…で、ロリコンって何?」ギロッ

玉藻前 「あ、謝る!!!!」

暗闇 「あの人は告白を断ろうとしないだけよ!!!!」

暁 「結果こんな大所帯なんだけどね。」

玉藻前 「…妾には力が残っておらんのじゃ……」

花音 「知ってるわよそん位の事…」

曙 「…政一は私達を説得しろって言ったんでしょ?」

玉藻前 「あ、あぁ…其の通りじゃ……」

曙 「…別に構わないわ。」

暗闇 「えぇ、気にしないわよそんな事。」

あきつ丸 「但し、吸い過ぎたら死にますからね。」

玉藻前 「分かっておる…感謝するぞ。」

暗闇 「ほら、指輪買って来なさい。」

玉藻前 「ゆ、指輪?」

あきつ丸 「結婚指輪であります。」

玉藻前 「なんと、そんな物が必要なのか!?」

曙 「あの人、変な所で頑固だから…」

暁 「結婚してて、合意してて、其の上でないと…」

玉藻前 「事には及ばんと…成程、彼奴は何処に?」

暗闇 「煙草って事は埠頭じゃない?」

玉藻前 「成程、感謝するぞ!!!!」ダッ

暗闇 「…ふふっ。」

あきつ丸 「こうして見れば唯の少女でありますな。」

暁 「可愛い所、あるじゃないの。」

花音 「ほら、狐の案内するわよ!!!!」

暁 「はーい。」


ー第三十章 狐の嫁入りー


ー談話室 17:00ー

八尾 「……玉藻前様が、御結婚された!?」

七尾 「其れは本当の事なのか!?」

暁 「えぇ、今は[魔力補給]をしてるわよ。」

多摩 「政一とならたっぷり補給出来る筈にゃ。」

八尾 「…俄には信じ難い事だ。」

暁 「そうでしょうね…でも、雨が降ってるわ。」

八尾 「…我々の結婚を祝う雨か。」

七尾 「動かぬ証拠、という事か。」

暁 「えぇ……空には雲一つとして無いのに。」

提督 「……はぁ…」スタスタ

暁 「あら、政一…如何したの?」

提督 「休憩だ休憩…風呂浴びたんだが逆上せた。」

暁 「そうなの…」

提督 「…死にそう……」

八尾 「御水を…恐らく水分不足です。」

七尾 「体温も少し下げた方が良いかと…」

提督 「済まん、助かる…」

玉藻前 「主よ、何をしておる…早う来い。」グイッ

提督 「……玉藻、お手。」

玉藻前 「…!?」ぽん

提督 「御代わり。」

玉藻前 「…」ぽん

提督 「御座り。」

玉藻前 「…!!??」ちょこん

提督 「誰が主人なのか、徹底的に分からせてやる。」

玉藻前 「は、はい!!!!」

提督 「……あー…暑っつい…」

八尾 「………」

暁 「政一…」

提督 「…寝る、お休み。」スタスタ

暁 「あ、お休み。」

八尾 「…不思議な人間だ。」


ー第三十・五章 戦う理由ー


ーラバウル軍港 20:30ー

提督 「……」カラン

龍驤 「何や、寝る言うとったのに酒かいな。」

提督 「偶には良いだろう?」

龍驤 「まぁな…って、何でグラス二個有るん?」

提督 「…誰かが来るのを待っていた。」

龍驤 「えらい難儀な性格しとんなぁ相変わらず。」

提督 「其の難儀な男を選んだのはお前だろう?」

龍驤 「アカン、痛いトコ突かれてもうたわ…」

提督 「…呑むか?」つグラス

龍驤 「ええよ。」ストッ

提督 「……海は穏やかだな。」

龍驤 「うん…今もどっかで戦っとるとは思えんわ。」

提督 「…戦いは終わらない、生き続ける限り。」

龍驤 「せやね…海が終わったら今度は陸や。」

提督 「……何の為に戦い、散るのか…」

龍驤 「ウチ等艦娘は[提督の為、国の為]ってな。」

提督 「…俺は違う。」

龍驤 「何よ?」

提督 「…[家族と仲間の為]だ。」

龍驤 「そんでええやん、気にせんでええよ。」

提督 「だと良いが。」グビッ


ー第三十一章 海戦後ー


ー十月二十八日 オリョール海域 09:00ー

曙 「……ギリギリ勝てたわね。」中破

文月 「被弾は無いの〜。」

ゴーヤ 「気合で避けたでち。」

黒潮 「……アカンわ…」大破

龍驤 「何やお前等被弾ばっかりやないか…」被害軽微

暗闇 「ほら、帰るわよ。」小破

提督 「…緊急警戒、深海棲艦の気配を察知した。」

暗闇 「了解。」ジャキッ

提督 「暗闇は黒潮を援護、沈めるな。」

暗闇 「えぇ、当然。」

?? 「……」バシャッ

提督 「…ほう、中々の大物じゃないか。」

?? 「…アナタガアノチンジュフノテイトクネ?」

提督 「……どの鎮守府かは分からんが…提督だ。」

?? 「…ホラ、フッカツシタアノチンジュフヨ。」

提督 「…ラバウルのか?」

?? 「ソウ、ソレ。」

提督 「なら、御探しなのは私だな。」

?? 「…ナラ、ワタシタチノトコロニキテ。」グッ

提督 「…何故行かねばならんのか、理由を言え。」

?? 「…ワタシタチ、カイメツスンゼンナノヨ……」

提督 「…なら海底歩いてラバウルに来い。」

?? 「…エ?」

提督 「受け入れてやる、気が変わる前に来い。」

?? 「…ワカッタワ。」チャポッ

提督 「ほら、帰るぞ。」

文月 「はーい。」

黒潮 「…あい。」

ーラバウル軍港 17:00ー

?? 「…キチャッタ。」

提督 「何人だ?」

?? 「途中で爆雷攻撃をされて残ったのは四人だ。」

提督 「…成程。」

?? 「ホントウニ、ウケイレテクレルノ?」

提督 「構わんよ。駆逐棲姫と戦艦棲姫だな。」

戦艦棲姫 「ほう、私の名を知っていたのか。」

提督 「別の世界で提督やってたんだよ。」

戦艦棲姫 「別の世界?」

提督 「そこらの人間とは訳が違うのさ…上がりな。」

駆逐棲姫 「ハーイ。」バシャッ

戦艦棲姫 「邪魔するぞ。」バシャッ

ヲ級 「ヲー。」バシャッ

空母棲姫 「……お邪魔します。」バシャッ

提督 「……少しでも命を救えれば、其れで良い。」

ー談話室 18:00ー

空母棲姫 「皆死んでしまったわね。」

戦艦棲姫 「…我々だけでも生き延びられるのだ。」

空母棲姫 「…そう、ね。皆の分も、生きないとね。」

戦艦棲姫 「あぁ…」

空母棲姫 「でも、彼に着いて行かなければこうは…」

戦艦棲姫 「そうなれば他の艦隊に全滅させられる。」

空母棲姫 「…まだマシな方って事ね。」

戦艦棲姫 「…今は生きる事を考えろ。」

空母棲姫 「…えぇ。」


ー第三十二章 日常3ー


ー十月二十九日 01:00 ラバウル軍港ー

提督 「……」

日向 「…提督、お悩みかい?」

提督 「…まぁ、な。」

日向 「…私で良ければ話を聞こう。」

提督 「…助かる。」

日向 「其れで…どんな悩みだい?」スッ

提督 「……私は、皆を幸せに出来ているのか…と。」

日向 「…成程、確かに貴方なら気にしそうな事だ。」

提督 「…気付かれていたか。」

日向 「だが、気にする事は無い。」

提督 「…何故だ?」

日向 「此処に居る子は皆貴方と居るだけで幸せさ。」

提督 「…だと良いのだが。」

日向 「そんなに心配なら、証明してやろう。」グイッ

提督 「おい、何をする気だ日向…」

日向 「ん…」kiss

提督 「!?」

日向 「……これで分かったかな?」ニコッ

提督 「…お前って奴は……」

日向 「これでも、愛する人を喪っているんだ。」

提督 「……何だって?」

日向 「…もう三年も前だな……深海棲艦の奇襲で。」

提督 「…そうだったのか。」

日向 「…キスの味はレモンと言うが、違うんだな。」

提督 「…さっきのがお前の初めてか。」

日向 「あぁ…あの人とは出来ず終いだったからな。」

提督 「…キスの味は思い出の味だ。」

日向 「…思い出の味?」

提督 「あぁ…相手の人生の味と言えば分かるか。」

日向 「……通りでこんなに複雑なのか。」

提督 「あぁ…俺の人生は複雑なんだよ。」

日向 「……」

提督 「…軽い気持ちでキスはするな。」

日向 「…まだ分からないのか?」

提督 「……」

日向 「私は[貴方と結婚したい]と思っている。」

提督 「…お前も、物好きなんだな。」

日向 「あぁ…まさか女誑しに恋をするとは。」

提督 「…良いんだな?」

日向 「勿論…でなければキスはしない。」

提督 「…お前も俺も、本当に物好きだな。」

日向 「物好きの瑞雲教教祖を受け入れるとは。」

提督 「…どうせなんだ、酒でも呑むか?」

日向 「…あぁ、頂こう。」

提督 「…今日は月が綺麗だな。」トクトク…

日向 「あぁ…私は死んでも構わない。」トクトク…

提督 「…まぁ、この位は知っているか。」グイッ

日向 「有名なやり取りだからな。」グイッ


ー第三十三章 電なのですー


ー工廠 08:00ー

提督 「…大破して流れ着いたか。」

工廠妖精 「うん…多分捨て艦だと思う。」

提督 「……下らんな。」

工廠妖精 「……治ると良いんだけど…」

提督 「…やれるだけやってみろ。」

工廠妖精 「うん。」

ー軍港 08:30ー

提督 「……」フゥ…

?? 「煙草は臭いから辞めろなのです。」

提督 「…悪いが、私の趣味を奪わないで貰えるか?」

?? 「こっちの事も少しは考えやがれなのです。」

提督 「……其の言葉、其の儘御返ししよう。」

?? 「はぁ…これだから喫煙者は糞なのです。」

提督 「……殺すぞ貴様、いい加減に黙れ。」

?? 「はわわ、喫煙者さんは気性が荒いのです。

そんなんだから結婚出来ないんですよ馬鹿。」

提督 「…結婚出来ない?はて、何の事やら。」

?? 「あぁ、抑付き合う事すら出来ないのですね。」

提督 「コレ見てもまだ言える?」つ指輪

?? 「持ってるだけじゃあ意味無いのです。」

提督 「そうかなぁ?」つ指輪×7

?? 「はわっ!?」

?? 「…何処で手に入れたのですそんな数……」

提督 「毎度毎度店を変えつつゆっくりと。」

?? 「…唯の自己満足ですか。」

暗闇 「政一、何か有ったの?」

提督 「ん?変梃駆逐二人に暴言吐かれてた。」

暗闇 「…私の大事な夫に暴言……許せない!!!!」ギロッ

?? 「えっ…もしかして、ガチ結婚なのです?」

提督 「カッコカリも含めれば…80行くかもしれん。」

?? 「………マジ済みませんでした。」土下座

?? 「煙草どんどん吸っちゃって下さい。」土下座

提督 「全く…あ、燃え尽きてる……短いからな…」

暗闇 「……」ギロッ

提督 「…取り敢えずぷらずまとまいなずまだな?」

ぷらずま 「…よく分かったのです。」

まいなずま 「……知っていたのですか。」

提督 「いや、2人に増えてるのと端子から推測。」

まいなずま 「…敵に回したのは失敗なのです。」

提督 「取り敢えず二人を一人のぷらずまに収束。」

まいなずま 「……まぁ、分かったのです。」

ぷらずま 「はっきり言うと電三人も要らんのです。」

提督 「言い切りおって此奴……」

ぷらずま 「……収束したのです。」

提督 「おう…取り敢えず艦籍は無しで。」

ぷらずま 「…は?」ジャキッ

提督 「電二人は制約出るから、悪いか?」

ぷらずま 「…納得出来なくはない理由なのです。」

提督 「…さて、日本酒でも空けるかねぇ……」

ぷらずま 「…呑ませろなのです。」

提督 「駆逐に酒は……まぁ、ぷらずまだし良いか。」

ぷらずま 「やったのです。」ニヤァ


ー第三十四章 酒の強さは千差万別ー


ー政一自室 11:00ー

ぷらずま 「お…可笑しい、のです……」クラクラ

提督 「…度数の高い酒を一気に呑めば早く回るのは

誰でも分かる事だと思ったが、君は違ったのか。」

ぷらずま 「な、何でお前も同じ位呑んでいるのに、

酔いが回っていないのです…可笑しいのです……」

提督 「水で薄めてるから。割れば大した事は無い。」

ぷらずま 「…アルコールの量は、同じ筈なのです…」

提督 「…抑酒に強い、と言うのも有るか。」

ぷらずま 「…どの位、強いのですか……」

提督 「昔の話にはなるが…」

飲み比べでВодкаVSチューハイで勝利(Водка側)

日本酒(一升瓶)十本空けてまだ素面同然の状態

ロシアで飲み比べして十人連続で潰す

提督 「…位には強いぞ。」

ぷらずま 「…最早酒の強さが化け物なのです。」

提督 「実際吸血鬼だったしなぁ…」

ぷらずま 「……本当に化け物だったのです。」

提督 「…肝は前と同じ様だな。」

ぷらずま 「…前?」

提督 「俺達はとある神にこの世界を救えと言われて

飛ばされた異界人だ…先の話は全部向こうの事だ。」

ぷらずま 「…肝臓引き継ぎとか笑えないのです。」

提督 「つっても雰囲気酔いなら普通にするぞ。」

ぷらずま 「ぷらずまと呑んで…酔わねぇか。」

提督 「……まぁ、三本空けたのは驚きだな。」

ぷらずま 「ぷらずまより響の方がヤバいのです。」

提督 「彼奴とも飲み比べしたぞ。」

ぷらずま 「はぁ!?」

提督 「十人潰した後に来て飲み比べようってな。」

ぷらずま 「何やってんだ彼奴。」

提督 「結果Водка三十二本で向こうが降参だ。」

ぷらずま 「而も負けてやがるのです。」

提督 「まぁ、強かったがな。」

ぷらずま 「へ?」

提督 「あの時はかなりギリギリで勝ったんだ。」

ぷらずま 「意外と善戦してたのです。」

提督 「…まぁ、いい思い出だよ。」

ぷらずま 「取り敢えず美味かったのです。」

提督 「おう。」

ぷらずま 「そろそろ帰るので…あっ…」ふらっ

提督 「危ないぞ。」がしっ

ぷらずま 「…少しキュンと来たのです。」

提督 「少しこの部屋で寝てろ、歩かない方が良い。」

ぷらずま 「…そうするのです、お休みなのです。」

提督 「お休み。」パタン

ぷらずま 「…彼奴なら、結婚しても良いのです。

これからアプローチ開始…絶対落とすのです。」


ー第三十五章 ボコす、絶対。ー


ー工廠 15:45ー

提督 「……だから、此処はラバウルだっての。」

電 「嫌なのです!!!!大湊は嫌なのです!!!!」バタバタ

提督 「……そこまで言うなら送り返すか?」

電 「捨てられるのはもっと嫌なのです!!!!」

提督 「…なら話を聞けよ……」

電 「大湊は嫌なのです!!!!」バァン

提督 「此処はラバウルって言ってんだろうが!!!! 」

電 「へ?ラバウル?」

提督 「漸く話が進んだ…此処はラバウルの鎮守府。」

工廠妖精 「貴女は大破漂着した保護艦扱いだよ。」

電 「…電なのです、大湊はもう嫌なのです。」

提督 「つぅ事は前所属が大湊の警備府か。」

電 「送り返さないで欲しいのです!!!!」

提督 「落ち着けってんだよ阿呆!!!!」

工廠妖精 「如何やっても二日は絶対安静だよ。」

電 「え?」

提督 「…右脚見てみろ阿呆。」

電 「……何で…何で無いのです!?」

提督 「戦艦タ級の砲撃が直撃した様だな。」

電 「…捨てられる…玩具にされて捨てられる……」

提督 「……」

電 「何でもするのです!!!!匿って欲しいのです!!!!

あんな事もこんな事も、全部全部するのです!!!!

だから、送り返さないで欲しいのです!!!!」ギュッ

提督 「…………」

電 「司令官さん!!!!」

提督 「あんの屑野郎、元から黒いとは思ってたが…

覚悟しろ、死んだ方がマシだと思わせてやる…」

電 「司令官さん?」

提督 「…電……お前、初期艦か?」

電 「ど、如何して其れを!?」

提督 「確認程度だ。」

電 「…しょ、初期艦なのです。」

提督 「…そうか。」

電 「…司令官、さん?」

提督 「…暁に、此処に来る様言っておく。」

電 「へ?」

提督 「第六駆逐隊が、揃いつつある…とな。」

電 「司令官さん……」

提督 「…急用が一つ出来た、行ってくる。」パタン

工廠妖精 「…着任だよ、電ちゃん。」

電 「本当なのです!?」

工廠妖精 「うん、絶対。」

電 「…良かったのです……」

工廠妖精 (…絶対帰って来てよ、提督。)


ー第三十六章 死神(仮)大暴れー


ー十月三十日 大湊警備府 06:00ー

提督 「…此処か。」ザッ

?? 「あ、あの…許可証を…」

提督 「許可証?」

?? 「入るには許可証が必要です…」

提督 「……成程、鎮守府の私有化か。面倒な…」

?? 「あの、無いなら帰って頂くしか…」

提督 「ノックしてもしもーし!!!!」バコォン!!!!

?? 「えぇ!?」

提督 「吹き飛ばしてくれるわ…」つM82A1

?? 「あ、あのあの!!!!」ヨタヨタ

提督 「何だ潜水艦、邪魔をするな。」

?? 「助けて下さい!!!!」ギュッ

提督 「…はぁ、分かったよ……」

??→はっちゃん 「あの、伊8です。」

提督 「あい、はっちゃんね…」

はっちゃん 「……」

提督 「人生二周目だ、お前達の名は分かる。」

はっちゃん 「そういう事でしたか。」

提督 「…行くぞ、潰しに。」死神の眼光

はっちゃん 「はい。」

ー警備府一階ー

提督 「誰も居ないな。」

はっちゃん 「今は皆出払ってます。」

提督 「成程…奴は?」

はっちゃん 「提督は三階です。」

提督 「了解。」

はっちゃん 「……オリョクルは嫌。」

提督 「しねぇよ、資源は余り腐る程に有る。」

はっちゃん 「…もう、行かなくて良いんだ。」

提督 「あぁ…ほら、階段だ。」

はっちゃん 「えぇ…潰しに行きましょう。」

ー警備府三階ー

龍田 「…あら?」

提督 「龍田とエンカウントするとは…」ジャキッ

龍田 「……貴方、電ちゃん知らない?」

提督 「…黒い一面が有った奴か?」

龍田 「えぇ、そうよ…知ってるの?」

提督 「右脚欠損、療養中だ。」

龍田 「生きてるのね?」

提督 「あぁ、そこは保証する。」

龍田 「…なら、私もそこに案内して。」

提督 「……移籍って事か?」

龍田 「えぇ…駄目かしら?」

提督 「いや、天龍が喜びそうだなと。」

龍田 「天龍ちゃんが、居るの?」

提督 「あぁ。」

龍田 「なら、尚更行かないと。」

提督 「…歓迎するよ、狂った鎮守府に。」

ー執務室ー

提督 「ノックしてもしもーし!!!!」バコォン!!!!

?? 「何だ貴様は!!!!」

提督 「彼岸行きの片道切符でーす!!!!」ガウゥン!!!!

はっちゃん 「おぉ、ヘッドショット。」

龍田 「永遠にさようなら。」

提督 「…帰るか、ラバウルに。」


ー第三十七章 なんやかんやで丸く収まるー


ーラバウル軍港 18:00ー

ぷらずま 「…遅いのです。」

提督 「悪いな、コレは土産だ。」つ白百合

ぷらずま 「……土産に免じて許すのです。」

提督 「有難う。」

ぷらずま 「…序に言うと何人かまた来たのです。」

提督 「あいあい。」

ー談話室東側 19:00ー

青葉 「………」プクー

衣笠 「………」プンスコ

提督 「……機嫌直してくれよ…頼むからさ……」

青葉 「…カメラ下さい。持って来るの忘れました。」

衣笠 「…万年筆を頂戴。名入の物が欲しいの。」

提督 「おう、明日纏めて買うか。」

青葉 「…なら許します。」

衣笠 「絶対だからね?」

ー談話室西側 同刻ー

ゴーヤ 「…オリョクル?此処じゃ有り得ないでち。」

はっちゃん 「なら…ちょっと、安心です。」

イク 「提督はオリョクル嫌いなのね。」

イムヤ 「確か[オリョクルとか阿呆だろ]って。」

はっちゃん 「…そんなに嫌いなんだ……意外。」

ー談話室南側 同刻ー

龍田 「天龍ちゃん…」ギュッ

天龍 「龍田…会いたかったぜ…」

龍田 「…もう一人の[私]のお墓、後で教えて?」

天龍 「あぁ…だが今は、今だけは一緒に居ようぜ…」

龍田 「勿論よ…会いたかったわ。」

ー談話室北側 同刻ー

ぷらずま 「…まぁ、丸く収まったのです。」

電 「はわわ、電がもう一人居るのです!!!!」

ぷらずま 「お前と一緒にするな、なのです。」

電 「はわっ…もしかして、ぷらずまなのですか?」

ぷらずま 「見りゃ分かんだろなのです。」

電 「はわわ……」

暗闇 「ぷらずまちゃん、そんな事してると……」

ぷらずま 「してると、何なのです?」

暗闇 「あぁ、遅かったみたいね…」チラッ

ぷらずま 「先から何を…」クルッ

提督 「……」←後ろで聞いてた

ぷらずま 「あっ…」

提督 「…………」ジィー

ぷらずま 「あ、あのこれはですね、えっと…」

提督 「………………………」

ぷらずま 「…ご、御免なさいなのです……」

提督 「何に対して謝ってんだ?」

ぷらずま 「え?えっと…」

提督 「唯謝れば済む話では無い、後相手が違う。」

ぷらずま 「…えっと、暴言を吐いて御免なさい。」

電 「べ、別に良いのです…」

提督 「……来い、少し説教してやる。」ガシッ

ぷらずま 「…なのです……」ズルズル

電 「…良いのですか?」

暗闇 「良いのよ…こういう時の[説教]は[お話]よ。」

電 「…お話……」


ー第三十八章 ぷらずま、逆に落とされる。ー


ー20:00 政一自室ー

ぷらずま 「……」

提督 「お前って奴は…仮にも電だろうが……」

ぷらずま 「…なのです……」

提督 「黒髪ロングでも他は同じだろうが…」

ぷらずま 「……なのです……」

提督 「なのに、電に対しあの暴言は何なんだ!!!!」

ぷらずま 「……御免なさい、なのです…」

提督 「人の眼ェ見て話さんかいぷらずまァ!!!!」

ぷらずま 「御免なさい、なのです………」ポロポロ

提督 「こん位の説教で泣くんなら端からすんなや

こんの阿呆駆逐艦が嘗め腐りおってェ!!!!」ギロッ

ぷらずま 「御免なさい!!!!御免なさい!!!!」ボロボロ

暗闇 「……まさかガチ説教とはね…」←覗き見

電 「はわわ…」←覗き見

提督 「そこで覗いとる二人!!!!見せもんちゃうぞ!!!!」

暗闇 「撤収よ、気付かれてたわ!!!!」ダッ

電 「御免なさいなのです!!!!」ダッ

提督 「油断も隙もありゃせんわ…ぷらずま!!!!」

ぷらずま 「…なのです……」ボロボロ

提督 「ほれ、開けてみ。」つ小箱

ぷらずま 「………」パコッ

小箱<中身は綺麗な指輪やで

ぷらずま 「…え?」

提督 「帰るのが遅くなったのはコレを買いに街に

寄ってから帰ったからだ…ほら、泣き止みな。」

ぷらずま 「…この、指輪は……」

提督 「お前の為に用意した結婚指輪だよ。」

ぷらずま 「…こんな性格の悪いぷらずまでも……

結婚してくれると、そう貴方は言うのですか?」

提督 「そう言うからこうして渡している。」

ぷらずま 「…嬉しいのです……もう、駄目かと…

本気でそう思って泣いていたのです…」ポロポロ

提督 「あ、本気で嫌いになると放っとくぞ。」

ぷらずま 「へ?」

提督 「其奴相手に説教する体力が勿体無い。」

ぷらずま 「……ぷらずまは、恵まれていたのです。」

提督 「ほら、着けてくれ…な?」

ぷらずま 「…なのです……」キラッ

提督 「あぁ…良かった、似合ってるよ。」

ぷらずま 「…今日は、寝かさないのです。」シュルッ

提督 「…もうその気になったのか?」

ぷらずま 「今日まで我慢してたのです…ほら。」

提督 「…本当に、仕方の無い駆逐艦だな。」


ー第三十九章 瑞雲と月と愛に酒ー


ー十月晦日 ラバウル軍港 02:00ー

提督 「……彼奴、体力が無いんだな…意外だった。

あの言い方の所為で一晩中かと思ったよ。」カラン

日向 「…また月見酒か?」

提督 「まぁな…」

日向 「あの子と一晩中部屋の中かと思っていた。」

提督 「俺もそう思っていたんだが、体力がな。」

日向 「そうか…彼女が耐えられなかったか。」

提督 「あぁ…で、呑むんだろ?」つグラス

日向 「あぁ、今日も呑むとしよう。」ストッ

提督 「…序だ、渡しておくよ。」つ小箱

日向 「…ムードも何も無いな。」

提督 「酒を呑んでいるからな…この方が良い。」

日向 「…そうだな。」スッ

提督 「ほう、直ぐに着けたか。」

日向 「一昨日答えは出している。」

提督 「あぁ、そうだったな。」

日向 「…どうせだ、この後するか?」

提督 「……いや、悪いが今日は呑んで寝るよ。」

日向 「ほう?」

提督 「今日は少し疲れてな…」

日向 「…瑞雲が飛ばせる程に明るい月だ。」

提督 「…愛を摘みに酒を呑む…良いな。」

日向 「……こっちを向け。」

提督 「ん?」クルッ

日向 「ん…」kiss

提督 「……」

日向 「…ふふっ……」

提督 「お前は本当に物好きだな…」

日向 「あぁ…キスばかりの物好きさ。」

提督 「…呑むか。」

日向 「口移し、やってみるか?」

提督 「断る…呑んで寝る。」

日向 「……そうか…」

提督 「……」グイッ

日向 「なら、仕方が無いか……」

提督 「…」ガシッ

日向 「ん?如何した?」クルッ

提督 「……」グッ

日向 「!?」ゴクッ

提督 「…満足か?」

日向 「あぁ…口移しだと思い出の味もするのだな。」

提督 「あぁ…其の思い出の味を楽しむんだよ。」

日向 「そうか……」グイッ

提督 「やる気だな?」

日向 「……」グッ

提督 「……」ゴクッ

日向 「…如何だ?」

提督 「…お前の思い出、確りと味わったよ。」

日向 「そうか。」

ぷらずま 「…やっと見つけたのです……」フラフラ

提督 「…漸く復活したか。」

ぷらずま 「寝かさないのです…」ギュッ

日向 「…彼は寝る気だぞ?」

ぷらずま 「そんなの、許さないのです。」ぽかぽか

提督 「……」zzz

日向 「…もう寝てるぞ?」

ぷらずま 「なーのーでーすーー!!!!」ぽかぽか

日向 「…運ぶか。」

ー夜はゆっくりと朝にバトンを渡すー


ー第四十章 パパラッチ青葉と編集者衣笠合流ー


ー食堂 06:00ー

提督 「………」ウトウト

ぷらずま 「……」zzz

青葉 「お久しぶりです青葉ですーー!!!!!!!!」

提督 「……っ!?」キーーン

ぷらずま 「……っは!?」ビックゥ

青葉 「私達を置いて逝った件についてお話を!!!!」

衣笠 「たっぷり聞かせて貰うわよ!!!!」

提督 「…寿命、以上だ。」

青葉 「……」

衣笠 「……」

提督 「まぁ、お前達が来てくれて良かったよ。」

青葉 「そう言われると嬉しいですぅ!!!!」ギュッ

衣笠 「もう…仕方無いから許したげる。」ギュッ

提督 「重巡も軽巡も足りないからな。」

青葉 「……そういう意味ですか。」

提督 「戦艦ばかりなのが悪い。」

青葉 「…あぁ。」納得

衣笠 「そう言われると確かにそうね。」納得

提督 「…で、如何する?」

衣笠 「如何する?じゃなくて一緒に考えてよ。」

提督 「つっても今日は非番だし、寝てねぇし…」

青葉 「なら、釣りしましょうよ!!!!」

ぷらずま 「釣りなのです!?」ガバッ

提督 「ぷらずまが釣れたぞ。」

青葉 「[あらまぁなんとも大きい魚]じゃなくて!!!!」

提督 「準備して埠頭に来い、ぷらずまも。」

ぷらずま 「なのです!!!!」ダッ

衣笠 「お化粧しないと!!!!」ダッ

青葉 「支度して来ます!!!!」ダッ

提督 「…元気なこった。」

曙 「…アンタ、釣りするの?」

提督 「サビキ釣り位は教えられるな。」

曙 「…一緒にしても良い?」

提督 「あぁ、準備して来な。」

文月 「あたしもするのぉ。」

提督 「あいあい、準備して来い。」

曙 「行きましょ。」

文月 「行ってくるのぉ。」

提督 「……支度しなければ。」

北上 「…面白そうな事するんだねぇ。」

大井 「釣りですか。」

提督 「…やるかい?」

大井 「いえ、私は…」

北上 「釣りの醍醐味と言えば待つ時間と釣った魚。

その魚をその場で食べればもう最高だよね。」

提督 「ほう、分かってるじゃないか。」

北上 「実は朝ご飯まだでさ、釣り序に朝ご飯よ。」

提督 「よし、漁師飯の準備だな。」

大井 「北上さんが釣りをするなら私も!!!!」

提督 「よし、任せろ。」

北上 「今は何が釣れるっけ?」

提督 「鰯と鯵…上手く行けば鯖も来るかな。」

北上 「ほほう、フルコースですな。」

提督 「まさかこっちでも釣れるとはな…」

大井 「驚きですね…」

ー注意 この世界が狂ってるだけですー


ー第四十一章 のんびり釣りー


ー08:00 埠頭ー

提督 「……」ポチャン

北上 「お、こりゃ鯵だねぇ。」ピチピチ

大井 「あ、鯖が釣れました。」バタバタ

ぷらずま 「なのです!!!!」ポチャン

曙 「……鰯、小さいわね。」パタパタ

文月 「鰯と鯖、ダブルヒットなのぉ。」ドタバタ

青葉 「やりました、石鯛です!!!!」バタバタ

衣笠 「鯵、トリプルヒットよ!!!!」ピチピチ

提督 「釣ったらナイフで頭落として放り込め。」

曙 「頭は如何するの?」サクッ

提督 「海に投げろ。」

曙 「はーい。」ポチャン

青葉 「提督、石鯛です石鯛!!!!」

提督 「…成魚は食中毒の可能性が有る、戻しな。」

青葉 「はーい。」

提督 「だが、其の大きさが来るなら三番叟も来る。」

青葉 「という事は…」

提督 「三番叟を使った海鮮丼なんかも作れる。」

青葉 「青葉釣りまくります!!!!」ビシッ

提督 「さて、コッチは何が掛かるかね。」クックッ

ぷらずま 「………鯵なのです。」ぷらーん

提督 「頭落としな。」

ぷらずま 「なのです。」ザクッ

提督 「……来た。」ググッ

ぷらずま 「なのです!?」

提督 「何だこりゃ…重てぇ!!!!」

北上 「手伝うよ政一!!!!」ググッ

大井 「お手伝いします!!!!」グイッ

提督 「…来たぞ……って、何だこりゃ!?」

北上 「誰か、タモ!!!!」グググ…

衣笠 「はい!!!!」グイッ

提督 「…何だこの魚……大きいな……」

青葉 「…コレは…鱸!?」

提督 「此奴一匹で十分賄えるぞ…」

青葉 「青葉、鱸狙いに変更です!!!!」

文月 「掛かったよ!!!!重たいの!!!!」ググッ

提督 「ありゃ青葉の竿か!?」

青葉 「確かに重たいですぅ!!!!」フグググ…

提督 「おい此奴先のより重くねぇか!?」

曙 「加勢するわ!!!!」ググッ

ぷらずま 「……居たのです。」パチチッ

提督 「ん?」

バツン!!!!

……プカー

提督 「ぷらずま!?」

ぷらずま 「魚が気絶する程度の弱電流なのです。」

提督 「助かった!!!!って…糸縒鯛!?ちょ、タモ!!!!」

青葉 「オオニベが掛かってます!!!!」

提督 「何なんじゃこん世界はァ!!!!」


ー第四十二章 食っても食ってもまだ余る程ー


ー09:30ー

ー御品書ー

糸縒鯛の刺身

オオニベの刺身

鰯の塩焼き

鯖の塩焼き

鯵の照り焼き

鱸の塩焼き

鱸の刺身

ほっかほかの御飯

アラ出汁の味噌汁

曙 「………ご馳走ね。」

文月 「美味しい〜!!!!」

ぷらずま 「気絶させた甲斐が有ったのです。」

北上 「美味しいねぇ…」

大井 「あぁ…最高……」

青葉 「美味しいですねぇ…」

衣笠 「今日は編集お休みしよっと。」

提督 「……絶対余るんだよなぁ…」

不知火 「…お魚ですか。」

提督 「おう…そうだ、瑞鳳と阿武隈連れて来て。」

不知火 「了解です。」

ー二十分後ー

阿武隈 「……お魚?」

提督 「おう、食って早く治しな。」

瑞鳳 「やったぁ!!!!」

不知火 「…では私はこれで。」

提督 「待て。」

不知火 「…何でしょうか?」

提督 「不知火も食いな、如何したって余る。」

不知火 「…では、私も御一緒させて頂きます。」

ー四十分後ー

提督 「……まだ余ってるな。」

天津風 「…何してんのよアンタ。」

提督 「釣った魚食ってた。食うか?」

天津風 「…そんなに食べられないわよ?」

提督 「構わん、捨てるよりはマシだ。」

ー十八分後ー

天津風 「まだ有るって可笑しいわよ…」

提督 「……如何したものか…」

暗闇 「……何なのよこの量の魚は…」

提督 「八人で釣ったらこれだけ釣れたぞ。」

暗闇 「…私の大食いの力、見せてあげるわ。」

ー五十分後ー

暗闇 「ご馳走様。」

提督 「…やっぱお前はよく食うよな。」

暗闇 「…どういう事?」

提督 「この前だって、店の在庫と俺の財布を…」

暗闇 「あーあー聞こえなーい!!!!」

提督 「すっからかんにしやがったからなぁ?」

曙 「えっ嘘そうなの!?」

文月 「ちょっとショックなの…」

阿武隈 「うっそそうなの!?」

瑞鳳 「あぁ、あの事件かぁ…」

ぷらずま 「その話詳しくなのです!!!!」

青葉 「あぁ、あの事件ですか…」

衣笠 「アレは流石にねぇ…」

北上 「アレの所為でお出掛け消えたんだよぉ?」

大井 「絶対ボコす絶対ボコす絶対ボコす…」

提督 「…外では少し控えろ馬鹿者。」

暗闇 「……はい。」

提督 「…もうこんな時間か。片付けるぞ!!!!」

文月 「はーい!!!!」

暗闇 「はい…」


ー第四十三章 加賀と段田合流ー


ー十一月朔日 軍港 05:00ー

提督 「……」

段田 「兄様!!!!」ギュッ

提督 「…遅かったな、妹よ。」

段田 「兄様が勝手に逝くから!!!!」

提督 「…そうか。」

加賀 「…私も居るのだけれど。」

提督 「……加賀も来たか。」

加賀 「私を放置してその子とばかり…」ジトッ

提督 「…来い。」

加賀 「……久しぶりですね、この感覚。」ギュッ

提督 「…だろうな。」

不知火 「あぁ、御二方も合流されましたか。」ぬいっ

提督 「戦力も妻も揃いつつあるな。」

加賀 「…赤城さんは?」

提督 「正規空母自体が居なかった様な…」

不知火 「ほっぽちゃんと空母棲姫さんだけですね。」

加賀 「…偏ってるわね。」

提督 「そんなもんだよ。」

島風 「おうっ!?誰か来てる!?」

提督 「島風、紹介しておこう…段田と加賀だ。」

段田 「兄様の段田です!!!!」

加賀 「一航戦の加賀です。」

島風 「段田って…あのいっちばん速い段田!?」

提督 「あぁ。」

不知火 「何ノット位出せますかね?」

段田 「確か最後の計測で四十七位でした。」

島風 「おうっ!?」←四十四ノット

提督 「…分かったか?」

島風 「……島風、本当に速くないんだ…」ずーん…

不知火 「…私から見たら十分速いです。」

提督 「不知火が改良して四十だったな?」

不知火 「はい。」

加賀 「…私、二十八しか出ないんですが…」

提督 「……長門の様子は如何だった?」

加賀 「陸奥さんが唯一の精神安定剤ですね。」

段田 「兄様が死んで大変なんだよ!!!!」

提督 「…困ったな……やる事が多過ぎる。」

加賀 「……[サモン死神]。」

提督 「あ、其の手が有ったか。」

死神 「…何でしょう、朝食中だったのですが。」

提督 「……長門と陸奥、頼むわ。」つ給料明細

死神 「…後払いですか?」

提督 「その分上乗せしてある。」

死神 「…林檎、箱で下さい。配りますから。」

提督 「おう、後輩の頼みは出来る範囲で聞くぜ。」

加賀 「えっ?後輩?」

提督 「俺は元神だったろ?」

加賀 「え、えぇ…」

段田 「兄様も私も元神ですね。」

提督 「後輩に役目譲る序に名前変えました。」

死神 「長いの嫌いなので[死神]の二文字です。」

提督 「うん簡潔。」

加賀 「謎が解けました。」

死神 「じゃあ、林檎頼みますよ。」スッ

提督 「よし、箱で買いに行くか。」

加賀 「一緒に行きます。」

段田 「序に蜜柑も!!!!」

不知火 「まだ蜜柑は早いと思いますが…」

提督 「着いて来る気満々かよ…」


ー第四十四章 買い物ー


ーとある商店街 08:00ー

商人 「いらっしゃい。」

提督 「……林檎が百四十?少し高いな。」

商人 「今年は少し不作でして。」

提督 「…何か有ったのか?」

商人 「深海棲艦に林檎の畑が三箇所襲われたんだ。」

提督 「…不知火、確認取れるか?」

不知火 「…確かに襲撃が三回有った様です。」

提督 「被害の規模は?」

不知火 「…約四千本が使い物にならない様です。」

商人 「これでも頑張って勉強した方ですよ…」

提督 「…この被害では致し方無しか。」

商人 「そう思ったなら買ってって下さい…」

提督 「そうだな…二箱程くれ、後蜜柑も。」

商人 「蜜柑はどの位?」ガサガサ

段田 「一箱頂戴。」

商人 「……二万と八百、端数切って二万だな。」

提督 「そうか、助かる。」つ二万

商人 「有難うな。」

提督 「…少し警戒を強めるか。」

商人 「警戒?アンタ、提督か。」

提督 「あぁ…今は戦力を整えている最中だ。」

商人 「…あの使い物にならん鎮守府のか。」

提督 「其処の役立たずを追い出しました。」

商人 「そうか…今度は期待してるぞ。」

提督 「えぇ…向こうも向こうの事情が有る筈。」

商人 「事情?」

提督 「何とかして和平に持ち込む心算です。」

商人 「…そうか。」

提督 「林檎と蜜柑、有難う御座いました。」

商人 「…アンタには期待してんだ、しくるなよ?」

提督 「善処致します、出来うる限りで。」

ー鎮守府 09:00ー

提督 「林檎の味は…」シャクッ

段田 「蜜柑如何かな?」かぷっ

提督 「…うん、甘い。」

段田 「ちゅっぱー!!!!」

提督 「ん?そんなに酸いのか?」はむっ

段田 「ちゅっぱいちゅっぱいちゅっぱ過ぎるぅ!!!!」

提督 「……これは、何とも酸い蜜柑だな。」

段田 「何なのこれぇ!?ちゅっぱいよ!!!!」

提督 「…説明書きだな?」

ージャムやジュースにすると美味しいよー

提督 「…加工用か。」

段田 「か、加工用!?」

提督 「だからまだ早いと言ったろ…」

段田 「…ジャム作ろ?」

提督 「ハイハイ…明日にでも作るか。」

段田 「…林檎甘い……」シャクシャク


ー第四十五章 長門型と提督ー


ー軍港 11:00ー

長門 「提督!!!!」ギュッ

提督 「…来たか。」

長門 「良かった…本物だ……良かった!!!!」

提督 「おいおい少し落ち着け…」

陸奥 「…貴方が死んでから、ずっと暗かったのよ。」

提督 「…反動って事か。」

陸奥 「貴方の顔をもう一度見れて良かったわ。」

長門 「提督…もう消えないでくれ……」ギュゥゥ

提督 「…こりゃ参ったな……」

死神 「…林檎くれ。」

提督 「…長門が離れてくれん。」

長門 「…離れたくない……」ギュッ

死神 「…何処に置いてるんだ?」

提督 「…確か厨房の方に持ってった筈。」

死神 「ちと見て来る。」スッ

陸奥 「…如何するの?」

長門 「…提督、こんな長門は嫌いか?」ウルッ

提督 「……もう少しシャキッとしてくれたらな…」

長門 「…そうか……」

提督 「駆逐艦に見られたら…如何するんだ?」

長門 「……済まない、確りしないとな。」

提督 「弱い姿は俺の部屋で、な?」

長門 「あぁ、そうだな…」

提督 「ほれ、行くぞ。」

長門 「あぁ!!!!」シャキッ

陸奥 「…姉さんの扱い、上手いわね。」

ー談話室 11:30ー

文月 「長門さんだぁ!!!!」

ぷらずま 「ロリコンか普通かで変わるのです。」

長門 「…私は普通だ……普通なんだ……」ズーン…

提督 「あー…長門は精神が弱いんだ…」

曙 「…あぁ、風評被害って有るわね。」

長門 「提督…私は、もう駄目かも知れない……」

提督 「精神以外は普通だから大丈夫だ、うん。」

電 「…だと良いのですが……」

ぷらずま 「ロリコンのながもんは嫌いなのです。」

長門 「嫌われた…無実の罪で嫌われた……」ズーン…

提督 「…長門、確りしろ……」

ぷらずま 「……矢張りロリコンなのですか?」

提督 「ぷらずま、黙れ。」

ぷらずま 「……なのです…」

提督 「長門、大丈夫だ…確りしろ、俺が居る……」

長門 「提督…有難う……」

提督 「…まぁ、取り敢えず長門型の二人だ。」

陸奥 「…長門、大丈夫よ……」

長門 「…心が折れそうだ……」

提督 「…以上、顔合わせだ。」

ぷらずま 「…御免なさいなのです。」

提督 「…気を付けろ。」

長門 「…提督、もう駄目だ……心が……」ぐずっ

提督 「…部屋、行くぞ……」


ー第四十六章 政一と長門ー


ー12:00 政一自室ー

長門 「……提督!!!!」ギュッ

提督 「…二人きりの時位は、名前で良いさ。」

長門 「…政一……私は駄目だ…欠陥品だ……」

提督 「自分の事を悪く言うんじゃない…」

長門 「…解体してくれ……迷惑を掛けたくない…」

提督 「……解体?巫山戯んなよお前…」

長門 「だって、私は…私は……」

提督 「お前の為に俺は命削って動いたんだろうが…」

長門 「……だが、私は…」

提督 「お前が大事だから命削ったんだろうが!!!!」

長門 「……」

提督 「簡単に解体とかほざくな!!!!」

長門 「…御免なさい……御免なさい……」

提督 「……長門、結婚するぞ。」

長門 「な、何だって!?結婚!?」

提督 「二度と解体しろとか言えなくしてやる。」

長門 「…私の様な欠陥品でも、良いのか?」

提督 「…行動に移さんと分からんか。」グイッ

長門 「な、何をする!!!!」

提督 「其の口を塞いでくれるわ…」Kiss

長門 「!?」

提督 「…分かったか?」

長門 「……あぁ…分かったよ。」

提督 「…早霜を知ってるか?」

長門 「あぁ、あの優しい子だろう?」

提督 「彼奴も最初は俺に依存してたんだよ。」

長門 「…今の私と同じか。」

提督 「いや、似て非なるものだな。」

長門 「……似て非なるもの?」

提督 「彼奴、極度のヤンデレだったんだよ。」

長門 「そうだったのか?」

提督 「直ぐに殺気散撒くから大変だったぞ。」

長門 「…俄には信じ難い話だ……」

早霜 「……」ジッ

長門 「うわっ!?」ビクッ

提督 「…早霜か。」

早霜 「昔話ですか。」

提督 「…早霜、昔のあの顔出来るか?」

早霜 「…こうですか?」ハイライトオフ

長門 「ひぃっ!?」

提督 「…昔を思い出すな、其の目は。」

早霜 「…貴方が居たから変わる事が出来ました。」

提督 「…そうか。」

早霜 「では、私はこれで。」ハイライトオン

提督 「おう。」

長門 「……」

早霜 「…長門さん、元気を出して下さいね。」バタン

提督 「…長門、指輪買いに行くぞ。」

長門 「…あ、あぁ。」

ー19:00ー

死神 「…おめでたいこった。」

長門 「…恥ずかしいな。」キラッ

提督 「林檎は有ったか?」

死神 「あぁ、約束通りだな。」

提督 「助かったよ。」

死神 「林檎御馳走さん。」スッ

提督 「…長門、気分は如何だ?」

長門 「…最高だ。」


ー第四十七章 鬼神と初期艦ー


ー十一月二日 埠頭 07:00ー

提督 「………」喫煙中…

叢雲 「……また煙草?寿命縮むわよ?」

綾波 「綾波、煙草の香りは好きですよ。」

提督 「…来たか。」グリグリ

綾波 「消してしまうのですか…」

提督 「お前達に煙を吸わせる訳にはな…」

叢雲 「んな事よりも!!!!何で先に逝くのよ!!!!」

提督 「死神に言え、死神に。」

綾波 「叢雲?流石に言い過ぎですよ?」ニッコー

叢雲 「……辛かったんだからね。」

綾波 「……少し、一緒に居てくれますか?」

提督 「構わんよ…少し暇だったからな。」

ー08:00ー

長門 「こんな所で寝ていたのか…」

提督 「……長門か。」

叢雲 「……すぅ…」zzz

綾波 「……ん…」zzz

提督 「見て分かる通り二人に挟まれて動けん。」

長門 「…私も、少し甘えたい気分だ……」スッ

提督 「…長門……」

長門 「少し、寝たい……」zzz

提督 「…仕方の無い子達だよ……」はぁ…

ー08:30ー

段田 「兄様…」ふらっ

提督 「…段田か。」

段田 「酔ってしまいましたぁ…」ぽすっ

提督 「おい、段田!?」

段田 「暖かいです……」zzz

提督 「…夢ならばどれ程良かったか……」

ー09:00ー

早霜 「…何ですかこの状況……」

提督 「前に長門後ろに段田、右に叢雲左に綾波…」

早霜 「……何とかして起こしましょう。」

提督 「頼む、もう辛い…」

早霜 […起きろ!!!!寝坊助!!!!]ギロッ

長門 「は、はい!!!!」ガバッ

段田 「済みませぇん!!!!」ガバッ

叢雲 「御免なさい!!!!」ガバッ

綾波 「お、起きました!!!!」ガバッ

提督 「…早霜、助かった。」

早霜 「……少し訓練しましょう。」

綾波 「はい…」

叢雲 「了解…」

段田 「そんなぁ!!!!」

長門 「…手厳しいな。」

提督 「…執務、有ったか?」

早霜 「私達で処理出来ます、実質休暇ですよ。」

提督 「…済まないな、何時も。」

早霜 「その分迷惑掛けてますから。」

提督 「…そうか……迷惑、か。」

早霜 「これでも自覚していますよ?」ニコッ

提督 「…そう、なのか。」

早霜 「ほら、着替えて下さい。」

提督 「…あぁ、寝間着の儘だったか……」

早霜 「……行きましょうか。」

長門 「あぁ…」


ー第四十八章 地獄の訓練ー


ーラバウル沖 09:38ー

早霜 「…少し先に的を立てました。」

的<寸法十糎四方、距離四粁。

早霜 「当てた人から上がりです、始め。」

長門 「四粁先の的だって!?」

叢雲 「見えないわよ!!!!」

綾波 「…これは…もしかすると……」

段田 「……酸素魚雷なら…」バシュッ

……………………ボカーン!!!!

早霜 「魚雷には魚雷です。」

ゴーヤ 「…潜水使いが荒いでち……」バシャッ

段田 「…嘘でしょ……」

綾波 「…物は試しですね。」すぃー

長門 「当たらない!!!!」ドドン!!!!ドドン!!!!

綾波 「えい。」バンッ

カァン!!!!

早霜 「綾波さん上がりです。」

叢雲 「アレ有りなの?」

早霜 「誰も[此処から撃て]とは言っていません。」

叢雲 「…あぁ。」納得

長門 「こんのぉ!!!!」砲弾ぶん投げ

……ガァン!!!!

長門 「あ、当たった…?」

早霜 「投擲で当てるとは予想外でした…」

長門 「上がりで、良い…のか?」

早霜 「…一応当てたので、上がりで良いです。」

長門 「……何処か腑に落ちないな。」

早霜 「私もです…」

叢雲 「せいっ!!!!」バンッ

カァン!!!!

早霜 「叢雲さん三上がりです。」

叢雲 「…昔やってた訓練ね……思い出したわ。」

早霜 「狡賢ければ狡賢い程早く上がれる訓練です。」

段田 「……」バァン!!!!

カァン!!!!

早霜 「終わりですね。」

段田 「……もっと早く気付けば良かった…」

提督 「…いとも容易く行われる過酷な訓練よ……」

早霜 「最初にしたのは貴方ですよ。」

提督 「…まぁ、手っ取り早く仕上げられるからな。」

早霜 「どうせですし貴方もどうぞ。」つHK416

提督 「……仕方無いか、一発だけだぞ。」チャキッ

長門 「…当たるのか?」

叢雲 「当たるわよ。」

綾波 「[一発だけ]って、そういう意味ですから…」

段田 「兄様…」

提督 「…」パァン!!!!

………カァン!!!!

早霜 「…矢張り当たりますか。」

提督 「風が強くて調整が難しかったぞ。」

早霜 「横殴りの風ですからね。」

ゴーヤ 「…やっぱり化け物級の命中精度でち。」

提督 「おい、俺の時はこんなに小さくなかったぞ。」

早霜 「態と小さくして難易度上げました。」

提督 「…お前って奴は……」


ー第四十九章 普通(仮)の人間ー


ー工廠 11:00ー

提督 「……」作業中

工廠妖精 「あっ!!」ボカン!!!!

提督 「よっと…」ぽすっ

工廠妖精 「あ…済みません……」

提督 「………あぁ、薬品間違えてます。」

工廠妖精 「えっ!?嘘!?」

提督 「その組合せならコレです。」つ薬瓶

工廠妖精 「あっ…御免なさい、私ったら…」

提督 「間違いは誰にでも有ります。私にも…」

工廠妖精 「え?」

提督 「いえ、何でも。」

妖精長 「しまった!!!!」バァン!!!!

提督 「おっと。」スッ

キュイン!!!!

提督 「…弾薬を入れた儘ですか……」

妖精長 「あぁ…誰のだ?」

提督 「…その使いの荒さは早霜ですね。」prrr…

[もしもし、早霜です。]

提督 「弾入れっ放しにしやがったな?」

[…あっ……抜き忘れてました…御免なさい。]

提督 「誤射で殺されそうになったぞ。」

[…以後、気を付けます。]

提督 「次は無いぞ。」

[…はい……]ブツッ

提督 「……ふぅ…」

工廠妖精 「…提督さん、本当に人間ですか?」

提督 「だと思いますが。」

工廠妖精 「…検査しましょうか?」

提督 「…そうしますか。」

ー13:00ー

工廠妖精 「…えぇぇ……」

提督 「…どう見ても普通じゃないですね。」

妖精長 「これは人間と言うより…」

工廠妖精 「…艦娘?」

提督 「…の様ですね。」

妖精長 「…という事は、男で艦娘で提督なのか……」

工廠妖精 「もう訳分かんないよ…」

提督 「…血液検査もしておきますか。」

ー17:00ー

提督 「…この反応……吸血鬼の血ですね。」

工廠妖精 「…銀に凄い反応してる……」

妖精長 「…もう何も言えんぞ……」

提督 「……少し纏めましょう。」

提督の特徴

見た目は人間

艦娘として戦える

吸血鬼なので普通の攻撃では死なない

寿命は不明だが数百年は生きると思われる

提督 「…こんな感じですね。」

工廠妖精 「もしかして、海を歩けるのでは?」

提督 「やってみましょう。」

ー埠頭 18:00ー

提督 「…普通に立てますね。」←海上

工廠妖精 「なら歩けますね!!!!」

提督 「……昔の様に動く必要が有りそうですね。」

妖精長 「だろうな…」

提督 「…さて、夕飯でも食べましょうか。」

妖精長 「私が準備しよう。」

提督 「助かる。」


ー第五十章 装甲空母襲来ー


ー十一月三日 埠頭 08:00ー

提督 「……普通じゃなかったな。」

暗闇 「普通じゃなかったわね。」

ぷらずま 「可笑しいのです。」

提督 「……これから如何すべきか…」

?? 「漸く会えた…」

提督 「……随分と久し振りだな、大鳳。」

?? 「もう…勝手に置いて行くし死んでるし!!!!」

提督 「ははは…許してくれよ。」

?? 「…怒る気にもならないよ……」

提督 「…お前、本名まだ言ってなかったな。」

?? 「…そうだったね……私の本名は…」

提督 「待て、俺から言おう…俺は諫田政一だ。」

??→美穂 「…私は遠矢美穂、美穂って呼んで。」

提督 「……遠矢、か…懐かしい名だな。」

美穂 「え?」

提督 「俺が水野と名乗る前…遠矢を使っていた。」

暗闇 「あ、其の話知ってる!!!!」

美穂 「…共通点、見つかったね。」

提督 「……然し、大鳳なのに美穂呼びはな…」

暗闇 「ややこしいわね。」

ぷらずま 「改造して別艦娘にしてしまうのです。」

提督 「ぷらずまナイスアイディア。やるか。」

ぷらずま 「…初めて普通に採用されたのです……」

ー工廠 12:00ー

工廠妖精 「完成しましたよー。」

美穂 「装甲空母、美穂改四だよー!!!!」キラッ

提督 「具体的な改造内容は?」

美穂 「搭載機数増加、耐久値上昇に装甲板改良…

パラメーターも上がったし速力も確保済よ。」

提督 「…一番の変化は外観だな。」

美穂 「嘗ての姿に戻ったよー!!!!」

提督 「キャラも変わったな…色物寄りに。」

美穂 「これは予想外なのよ…」

提督 「色物は段田とヤハウェで十分だっての…」

美穂 「二人はどんな感じなの?」

提督 「ブラコンヤンデレとスーパーヤンデレ。」

美穂 「其の二人よりはマシでまだ良かったわ…」

ー同刻 談話室ー

段田 「ふぇっくしょん!!!!」

ヤハウェ 「へっくちょん!!」

天龍 「二人共如何したんだ?冷えたか?」

段田 「兄様が私の事を話してるんですよ。」

ヤハウェ 「…政一、早く帰って来ないかなぁ…」

天龍 「…心配した俺が馬鹿だった。」

ー同刻 工廠ー

提督 「…まぁ、お前の本名を知れて良かったよ。」

美穂 「私も。」

提督 「…お前とはもう会えないと思っていた。」

美穂 「ふっふっふ…美穂ちゃんは不滅なり!!!!」

提督 「…悪い、少し引いた。」

美穂 「私もやって自己嫌悪しました…」


ー第五十一章 敵襲1ー


ー十一月四日 執務室 08:30ー

不知火 「赤字脱却には少し時間が必要ですね。」

提督 「…削れる経費は削るぞ。」

暗闇 「はいはーい…って、お茶も!?」

提督 「500で買うなよ…」

暗闇 「…はい……」

段田 「兄様、敵襲です!!!!」バァン

提督 「情報は有るか?」

段田 「敵の指揮者は白軍服、兵は艦娘です!!!!」

提督 「…兵装使用を許可する、迎え撃て。」

段田 「了解です兄様!!!!」バタン

不知火 「……」チャキッ

暗闇 「……」ジャコッ

提督 「…殺るぞ。」スラッ

ー埠頭 08:36ー

B赤城 「何でそんなに強いの…」中破

B加賀 「軽空母四隻に私達が押されて…」大破

B蒼龍 「やだやだぁ!!!!死にたくないよぉ!!!!」大破

B飛龍 「だから私嫌だって言ったのにぃ!!!!」中破

B翔鶴 「…私が被害担当だから……こんな……」大破

B瑞鶴 「何で五航戦の私達が負けてるのよ!!!!」大破

龍驤 「ウチの大事な夫に手ェ出そうとすんなァ!!!!」

龍飛 「…貴様等我々だけで事足りるわ。」

鳳翔 「……リハビリにすらなりませんよ。」

瑞鳳 「此方人等二回死んどんじゃ!!!!嘗めんなや!!!!」

B日向 「……お前達、何をしているんだ…」

B伊勢 「中破したら意味無いでしょ…」

B日向 「グハッ…」バスッ

B伊勢 「日向!?」

ズガァン…

瑞鳳 「銃声…狙撃?」

ー同刻 鎮守府屋上ー

不知火 「…ヒット。」チャキッ

青葉 「……」ズガァン!!!!

不知火 「……」ズガァン!!!!

青葉 「…ミス。」チャキッ

不知火 「…ヒット。」チャキッ

青葉 「……」ズガァン!!!!

不知火 「装填。」カチャチャッ

青葉 「…ヘッドショット、無力化。」チャキッ

不知火 「……」ズガァン!!!!

青葉 「…提督、聞こえますか?」

[おう、聞こえてんぞ。]

青葉 「青葉と不知火さんで狙撃します。」

[おし、地上の乱戦は任せろ。]

青葉 「頼みます。」ブツッ

不知火 「…ヘッドショット、死亡確認。」チャキッ

青葉 「相変わらず狙撃の腕が凄いですね…」

不知火 「殺れないと守れませんよ。」

青葉 「其の通りですね…」ズガァン

不知火 「…外しましたね?」

青葉 「何で分かるんですかぁ!?」チャキッ

不知火 「勘と経験です。」

青葉 「そんなぁ…」


ー第五十二章 敵襲2ー


ー軍港 08:50ー

B龍驤 「…何でや…何で敵が味方しとんや……」中破

タ級 「イヤ、ココノテイトクサンヤサシイカラ…」

レ級 「俺達ヲ受入レテクレタ恩人ノ為二戦ウンダ!!!!」

B鳳翔 「…なら、其の提督も消しましょうか。」

暗闇 「何処を見てるの?」バァン!!!!

B鳳翔 「ぐはっ…伏兵、ですか……」中破

暗闇 「…死なないか…少しは楽しめそう。」ジャコッ

B天龍 「……お前、強ぇな。」大破

天龍 「まぁな…命の恩人が居るからな。」

龍田 「天龍ちゃん、伏兵よ。」グサッ

B龍田 「きゃあああ!!!!痛い、痛い!!!!」

天龍 「…これは見過ごせないな。」

B天龍 「…殺してくれ、覚悟は出来てる。」

天龍 「……その潔さ、俺は好きだぜ。」ズバッ

B天龍 「…運が、悪かったな……」ドサッ

B龍田 「天龍ちゃん!!!!助けて!!!!」

龍田 「…其の天龍ちゃんは死ぬ道を選んだわよ?」

B龍田 「そんな…助けて!!!!誰か!!!!」

提督 「……」

B龍田 「あ…提督!!!!助けて!!!!」

提督 「貴様に出す救いの手は…」スッ

B龍田 「へ?」←首に刀

提督 「斬首の二文字だ。」ガッ!!!!

ゴシャッ!!!!

天龍 「…おわぁ……刀踏んで圧し斬りやがった…」

龍田 「…ちょっと、可哀想ねぇ……」

提督 「…天龍、龍田……敵に情けは無用だ。」ギロッ

龍田 「…えぇ、そうよね。」

天龍 「俺達がやってんのは戦争…殺らねぇと死ぬ。」

提督 「…味方と敵を見分けろ、敵だけを殺れ。」

天龍 「おう!!!!」

龍田 「任せて。」

段田 「兄様、正門前にも敵軍です!!!!」

提督 「天龍、龍田…此方側は任せる。」タッ

龍田 「…えぇ、任せて。」

段田 「…港を頼みます。」タッ

天龍 「…おう。」

B熊野 「余裕と慢心を…」

天龍 「其の二つの差も分からねぇなら…」ガシッ

龍田 「勇敢と無謀を履き違えてるわよ?」チャキッ

B熊野 「なっ!?」グイッ

バァンバァン!!!!バァン!!!!

天龍 「おし、一人撃破。」

龍田 「この調子ね。」つHK45

B鈴谷 「…熊野……」

天龍 「おい、鈴谷が居るぞ。」

B鈴谷 「……もういいよ、戦いたくない。」

天龍 「こりゃあ…」

龍田 「[戦意無き者敵に非ず]…ね。」

天龍 「……中に入って大人しくしてろ。」

龍田 「武器は置いて行ってね。」

B鈴谷 「うん……」ドチャッ

天龍 「…仕方ねぇ、よなぁ……」


ー第五十三章 敵襲3ー


ー正門前 08:58ー

提督 「…市民暴動まで巻き込みやがったか……」

市民1 「奴等を許すな!!!!」

市民2 「税金食いを追い出せ!!!!」

提督 「……人員も足らず、武器も無く…」

市民3 「女囲むだけの無能は消えろ!!!!」

市民4 「名ばかりの海軍め!!!!」

提督 「此の儘では多勢に無勢、か…」

江津 「私達を!!!!」ズバッ

ミズノ 「忘れるなんて!!!!」ドドン!!!!

白野 「御主は酷い奴じゃな!!!!」バシュッドカーン!!!!

提督 「……久し振りだな…装備、変えたか?」

江津 「私は航空巡洋艦ね。」

ミズノ 「…私、名前も艦種も変えました。」

白野 「妾は重雷装じゃ、北上大井と同じじゃの。」

提督 「…ミズノ、何処を変えたんだ?」

ミズノ→水野 「艦名の漢字変更と艦種を戦艦に。」

提督 「そうか、助かる。」

長門 「…増えたな。」

提督 「昔、共に過ごした妻達だ。」

長門 「そうか…私は戦艦長門、彼の妻となった。」

水野 「そうなんですね…宜しく御願いします。」

白野 「えぇい、此の儘では限が無いわ!!!!」ドドン!!!!

提督 「阿武隈は怪我、殆どが南の湾岸側…」

長門 「物量で力押しとは…いけ好かん!!!!」ドドドン!!!!

市民5 「黙れ!!!!どうせ全裸で誘ったんだろ!!!!」

市民6 「何が妻だこの変態野郎が!!!!」

提督 「……お前等…今なんて言いやがった……」

市民7 「何だ今更!!!!変態は痴女と出て行け!!!!」

市民8 「毎日毎日ヤってんだろ!!!!この変態!!!!」

提督 「俺が変態はまだ許す…俺の妻が痴女だと?

俺の愛する大事な妻達が痴女だと!?」ゴゴゴゴゴ…

水野 「あっ…」

江津 「これマズイんじゃ…」

白野 「見て分かる程に大きな逆鱗を剥がしたの。」

長門 「た、退避!!!!」

提督 「んな訳有るか反逆者共がァ!!!!」ピシャッ!!!!

ズガガァァァァァァン!!!!!!!!!!!!

不知火 「おぉ、電圧二千V電流五十A…」←合流

長門 「…普通の人間であれば死ぬな。」

段田 「これが兄様の[天の雷]の恐ろしさです…」

白野 「敵に回したくはないのう…」

提督 「……この反逆者共が…妻達を貶しおって…」

長門 「…惚れ直したな。」

段田 「えぇ、格好良いです。」


ー第五十四章 敵襲4ー


ー09:06ー

死神 「先輩、落としましたよね?」

天照 「ちょっと、お話しましょう?」

提督 「…何故力が残っているのか此方が聞きたい。」

天照 「確かに、少しおかしいわねぇ…」

死神 「…そう言われると確かに……」

閻魔頭 「政一、真実が分かった!!!!」

提督 「…何です?」

閻魔頭 「お前を此処に送る前、女神が居ただろう!?」

提督 「…えぇ、其の人に頼まれましたが。」

閻魔頭 「其奴がお前に力を渡したんだ!!!!」

提督 「…あぁ。」

死神 「いやいやいや、これ大事ですよ!?」

天照 「何を[あぁ]で済ませてるのよぉ!!!!」

提督 「いや、まぁ大体想像出来てたから。」

閻魔頭 「で、其の神の名は[イリアス]だ。」

提督 「あぁ、妹か。」

閻魔頭 「妹ォ!?」

段田 「妹ですね。」

天照 「妹ね。」

死神 「先輩っすね。」

閻魔頭 「何この状況…」

提督 「…彼奴大きくなったなぁ……」

段田 「でしょう!?」

提督 「見ても分からんかったからなぁ…」

天照 「貴方が最後に見たの、二千年は前よね。」

提督 「……あ、だから此処に俺を寄越したのか。」

死神 「今更気付いたんすか…」

閻魔頭 「……あー、まぁ、そういう事だ。」

提督 「…妹の力、フルで使ってやりましょうか。」

B最上 「……やぁー!!!!」ガサッ!!!!

提督 「……」スッ

ピシャッズガァン!!!!

B最上 「…きゅう……」ドサッ

提督 「…微調整可ですね。」

段田 「……兄様、もう一人。」

B三隈 「…よくももがみんを……やぁぁ!!!!」ダッ

提督 「……」パッ

B三隈 「流され…!?」

ピシャッズガァン!!!!

B三隈 「クマ…」ドサッ

提督 「…終わりだ。」

段田 「兄様…」

提督 「…おい、出て来い!!!!どうせ居るんだろ!!!!」

?? 「……兄さん…どうか怒らないで…」スッ

提督 「お前何でゆっくり休んでる時に限って!!!!」

?? 「…御免なさい……どうか許して…」ポロポロ

提督 「お前には罰として此処に居てもらうぞ!!!!」

?? 「…はい……」グスッ

閻魔頭 「あの子誰?」

段田 「あの子がイリアスちゃんです…」

??→イリアス 「…御免なさい兄さん……」ポロポロ

閻魔頭 「…泣いてるし謝ってばかり……」

段田 「…普段からあんな調子です……」

ーこの辺りで海側でも勝利し防衛は成功したー


ー第五十五章 イリアスとヤハウェと政一とー


ー談話室 10:00ー

提督 「お前あの時俺の事続柄で呼べや!!!!」

イリアス 「御免なさい、兄さんだとは思わなくて…」

段田 「確かに、大分変わってるもんね兄様。」

提督 「そうだな俺もお前だと気付かなかったよ!!!!」

ヤハウェ 「…どうしたの?」

提督 「…ヤハウェ、妹のイリアスだ。」

ヤハウェ 「…あぁ、政一を此処に縛り付けた元凶。」

イリアス 「うぅ…御免なさい……」

提督 「お前くらいだよな、仕事を持たない神は。」

段田 「本当に吃驚したよ、仕事が無いなんて。」

イリアス 「はい…ニートで御免なさい兄さん……」

提督 「俺はお前を養うために生きてんじゃねぇよ!!!!」

イリアス 「…御免なさい……」

ヤハウェ 「そうよ働きなさいニート神。」

提督 「手前もちったあ家事手伝え金食い虫!!!!」

ヤハウェ 「御免なさい…」

段田 「あはは…」

提督 「何奴も此奴も…真面なのは段田だけだぞ!?」

段田 「兄様、今日も戦果は上々です!!!!」

提督 「何で俺の妹と幼馴染はこんなに駄目なんだ!?」

ー同刻 部屋の南側ー

ウガァァァァァァァァ!!!!

暗闇 「…政一、限界みたい……」

時雨 「みたいだね…」

夕立 「……ぽい…」

鳳翔 「致し方有りませんよ…」

龍飛 「政一はこの後降伏した鈴谷の対応だ。」

暗闇 「…壊れないといいけど……」

ー同刻 政一達の所ー

イリアス 「…兄さん、結婚って出来ますか?」

提督 「…出来ん事は無いが……」

政一が最後に見たイリアス

身長138

当然お胸はぺったんこ(B55)

活発で可愛い妹←コレ大事

今のイリアス

身長169

なんか胸だいぶ出てる気が…(B89)

大人しくお淑やかな女性←何を如何すればそうなる

提督 (昔と今で違いすぎる!!!!)

段田 (なんて事、兄様は思ってんだろうなぁ…)

イリアス 「…兄さん……こんな私は嫌いですか?」

提督 「そんな事は無い寧ろ好きだ。」即答

イリアス 「そうですか…少し、安心しました。」

提督 「……」

イリアス 「…兄さん、会いたかった。」ギュッ

提督 「あぁ、俺もだ。」

ヤハウェ 「…良かったね、また会えて。」


ー第五十六章 [元神]の昔話ー


ー十一月五日 政一自室 07:00ー

政一 「…疲れたな……休みだし寝る、お休み。」

ヤハウェ 「お休みなさい…ねぇ、イリアス?」

イリアス 「何ですか?」

ヤハウェ 「政一とはどんな関係だったの?」

イリアス 「…兄さんとは仲の良い兄妹でしたよ?」

段田 「うんうん、兄様と私達は仲良かったよ。」

ヤハウェ 「やっぱりそうだったんだ…」

段田 「…なのに、兄様は無実の罪で追放……」ギュッ

イリアス 「……私達は、何も出来なかった…」ギリッ

ヤハウェ 「……」

イリアス 「…私は、兄さんを助けたかった……」

ヤハウェ 「追放したの、誰?」

イリアス 「……須佐之男命です…」

ヤハウェ 「…やっぱりそうだ!!!!彼奴だ!!!!」

段田 「…彼奴を知ってるの?」

ヤハウェ 「ウチで酒呑んで大暴れして行った奴!!!!」

イリアス 「…確かに酒癖は兎角悪かったです。」

ヤハウェ 「二日後に月読命が弁償してったけど。」

イリアス 「月読命は唯一反抗してくれた人だよ!!!!」

段田 「…神殺し、してしまいましょう。」ギロッ

イリアス 「…えぇ、そうしましょうか。」ギロッ

ヤハウェ 「…殺してしまおう。」ギロッ

提督 「…殺るなら準備をしろ。」ガサッ

ヤハウェ 「政一、聞いてたの!?」

提督 「寝るに寝られんで起きてた。」つ黒刀黒鷺

イリアス 「これは、兄さんの刀…」

提督 「俺は無理だがお前達は行ける…任せた。」

イリアス 「…兄さん……はい!!!!」チャキッ

ヤハウェ 「…政一……」

提督 「…月読命に、[有難う]と伝えてくれ。」

ヤハウェ 「…うん。」

提督 「…愛されていたんだな、俺は。」つ蒼刀青鷺

ヤハウェ 「当たり前でしょう?」

提督 「…お前に此奴を預ける……任せた。」

ヤハウェ 「…任せなさい!!!!」チャキッ

提督 「…神殺し、頑張って来い。」

ヤハウェ 「うん!!!!」

イリアス 「はい!!!!」

段田 「勿論よ兄様!!!!」

提督 「…天界への門は私にも開けるだろう……」スッ

ゴゴゴゴゴ…

提督 「…此処から先は俺は行けない……頼んだ。」

段田 「行ってくるわ兄様!!!!」ダッ

イリアス 「行ってきます、兄さん!!!!」ダッ

ヤハウェ 「…待っててね、政一。」ダッ

提督 「…済まない。」


ー第五十七章 神殺しー


ー天界ー

イリアス 「…須佐之男命を探さないと……」

月読命 「…貴女達、よく無事で!!!!」

段田 「月読…良かった、生きてたんだ!!!!」

月読命 「……何故、今此処に?」

ヤハウェ 「…神殺しよ、須佐之男命を殺しに。」

月読命 「神殺しは大罪の筈!!!!其れでも殺ると!?」

ヤハウェ 「…政一は奴に追放されたのよ?」

月読命 「…政一?」

段田 「…貴方と私の兄様です。」

月読命 「兄様…殺兄さんですか!?」

段田 「兄様は彼奴に無理矢理追放されたんです!!!!」

月読命 「分かりました…私も其の罪、背負います。」

段田 「そんな、月読まで巻き込む訳には…」

月読命 「殺れば間違いなく追放…でも……」

イリアス 「兄さんに会えるなら構わない…よね?」

月読命 「あはは…イリアスには御見通しかぁ……」

段田 「…来ました、暗殺対象です。」

須佐之男命 「何だぁ?お前達戻ったのかぁ?」

段田 「えぇ、貴方を殺す為にね。」ジャキッ

イリアス 「…兄さんの恨み、此処で晴らさん。」

ヤハウェ 「…覚悟しなさい。」スラッ

須佐之男命 「ほう…神殺しか?面白い!!!!」

月読命 「…須佐之男、随分と久し振りですね。」

須佐之男命 「月読か、あの時俺に刃向かった奴…」

月読命 「殺兄さんの為に、貴方を殺す。」ギロッ

須佐之男命 「…殺れるなら殺れよ、兄をなぁ!!!!」

天照 「…天の雷〜。」ピシャッ

ズガァァァァン!!!!

須佐之男命 「な…ぁ…」ドサッ

天照 「ほら、首を落とすのよ!!!!」

イリアス 「…消えろ、邪神め。」ガッ!!!!

ザンッ!!!!

天照 「…殺れたわね。」

月読命 「天照姉さん…」

天照 「…神殺しは貴女達の独断にしておくわ。」

月読命 「じゃあ、天の雷は…」

天照 「そんなの、[裏切り者を無力化しようとして

間違えて須佐之男命に落としてしまった]って言えば

どうとでもなるわよ…一発だけなら誤射よ。」

月読命 「…有難う、天照姉さん!!!!」ダッ

イリアス 「…御免なさい姉さん!!!!」ダッ

段田 「有難う、姉様…御元気で!!!!」ダッ

ヤハウェ 「…政一も喜ぶわ。」

天照 「そうね…ほら、早く行きなさい。」

ヤハウェ 「…有難う、さようなら!!!!」ダッ

天照 「…まだまだ、詰めが甘いわねぇ……」

天使 「天照さん!!!!って、何ですかこの状況…」

天照 「如何やっても間に合わないから天の雷を

落としたら須佐之男に当たっちゃってねぇ…

其の儘あの子達に首を落とされて死んだわ。」

天使 「…犯人も逃げた様ですね。」

天照 「これ以上は如何もならないわ、帰りましょ。」

天使 「…そう、ですね。」


ー第五十八章 帰還ー


ー政一自室 10:00ー

提督 「…月読も来ちゃったのかぁ……」

月読命 「…殺兄さん……」ギュッ

提督 「……俺はもう神じゃない。」

月読命 「私、兄さんが追放されるって聞いた時…

本当に、本当に悲しかったんですよ……」

提督 「…御免な。」

月読命 「…兄さん……」ギュウウ…

提督 「……」

イリアス 「兄さん、結婚しましょう…」

提督 「…仕方無い、二人共来なさい。」

ーラバウル市街 11:50ー

商人 「よう、襲撃されたんだって?」

提督 「おう、何とか防いだぜ。」

商人 「これからもこの街を頼むぜ。」

提督 「おう、任せろ。」

ー12:10 ランジェリーショップー

提督 「…てな訳だ、悪いが出来るか?」

店員 「あはは…両手に花ですね、お任せ下さい。」

ー15:50ー

店員 「如何でしょうか?」

イリアス 「…綺麗……」キラキラ

月読命 「…こんなに綺麗な物、初めて……」キラッ

提督 「…二人共満足している様ですね。」

店員 「御会計此方になります。」¥1675000-

提督 「カード。」つクレカ

店員 「……有難う御座いました。」つ領収書

提督 「済まないね。」

イリアス 「行くの?」

提督 「あぁ、行くぞ。」

ー食堂 17:50ー

段田 「…これで兄様の妹の神様がみんな妻に……」

ヤハウェ 「え、そうなの?」

月読命 「私が末の妹ですよ。」

イリアス 「私は三女。」

段田 「私が次女で天照姉さんが長女よ。」

ヤハウェ 「…あ、そっか。」

提督 「…須佐之男は、もう兄弟でも何でもない。

神殺しをさせて悪かったな、イリアス……」ギュッ

イリアス 「…兄さんの為なら、私は……」ギュッ

月読命 「…天照姉さんが、神殺しを知った上で……

私達が殺そうとしている事を知った上で天の雷を

須佐之男に落としてくれたから、殺れたんです。」

提督 「…天照が、か。」

ヤハウェ 「えぇ、あの人が。」

提督 「…そうか……あの姉が、手助けしたのか…

そうだったのか…姉も俺も考える事は同じか。」

ヤハウェ 「…きっと、そうだよ。」


ー第五十九章 治療ー


ー十一月六日 医務室 06:59ー

電 「……治るのですか?」

提督 「…入渠しても治らんって事は……アレか。」

工廠妖精 「…心当たりが有るの?」

提督 「…人間としての怪我は入渠でも治らん。」

工廠妖精 「え…初耳なんだけど……」

提督 「……仕方無い、この方法は嫌なのだが…」

電 「司令官さん?」

提督 「……我が血を以て駆逐艦電を治さんとす。」

電 「……司令官さん?」

工廠妖精 「これ…詠唱?」

提督 「全ての怪我を、病を此血を以て治し給え…」

工廠妖精 「…まさか……」

提督 「…万物を癒し、治す神の血を今此処へ……」

電 「……司令官…さん…」

提督 「治し給え、清め給え、癒し給え…」ザシュッ

ポタッ…ポタポタッ…

提督 「我が神の血を以て駆逐艦電を治さんとす…」

ポタッ…ポタッ…

提督 「…飲み給え、悪い事は起きん。」スッ

電 「…分かったのです……」ゴクッ

工廠妖精 「提督、腕の傷は!?」

提督 「この程度、直ぐに治る。もう塞がるさ。」

電 「……変わらないのです…」

提督 「神の血は即効性が有る訳では無い。」

工廠妖精 「…と言うと?」

提督 「唯でさえ効果が出るのに時間が掛かる上、

私は血が薄いからな…早くとも一時間。」

電 「…じゃあ、寝てるのです……」

提督 「お休み。」

ー08:00ー

電 「……」ムクッ

電 「……腕、治ってるのです…」

提督 「……」カチャカチャ

電 「司令官さん、電…」

提督 「…検査だけするぞ……何が有るか分からん。」

電 「なのです…」

ー18:50ー

提督 「…マジかぁ……」

電 「何が有ったのです?」

提督 「…血液の吸血鬼化と神の力を確認した……」

電 「…其れって、もしかして……」

提督 「俺の血でお前を俺と同じ状態に…済まない…」

電 「き、気にしないで良いのです!!!!」

ぷらずま 「どうせだから引き取って貰えなのです。」

電 「はわっ!?」

提督 「…電が、構わないのなら……」

電 「…司令官さん……電を幸せにしてくれますか?」

提督 「…あぁ、必ず。」

電 「なら、これからも…宜しく御願いします。」

提督 「…あぁ。」

ぷらずま 「ほら、誓いのキスをするのです。」

提督 「…」クイッ

電 「…司令官さん……」Kiss

提督 「…幸せにする。」

ぷらずま 「さて、邪魔者は消えるのです。」パタン


ー第六十章 日常3ー


ー十一月七日 談話室 09:00ー

電 「…なのです♡」キラッ

ぷらずま 「…あの指輪は?」

提督 「一応仕入れてた指輪。」

ぷらずま 「…そういう所が有るから誑しなのです。」

提督 「…そう、なのか?」

ぷらずま 「なのです。」

提督 「……そうか。」

ぷらずま 「…昨日は何回戦までシたのです?」ニヤッ

提督 「…八回で潰れてたな。」

ぷらずま 「…ぷらずまが…電に負けたのです……」

提督 「…いや、お前の方が強いぞ。」

ぷらずま 「へ?」

提督 「電、八回で気絶する様に寝て其の儘朝よ。」

ぷらずま 「…終わった後で勝ってたのです……」

電 「司令官さーん♡」ギュッ

提督 「ん?」

電 「…昨日の続き、するのです♡」

ぷらずま 「喧しいのです電。」

提督 「…今日はのんびりしてぇなぁ……」

雲龍 「…政一。」スッ

ぷらずま 「なのです!?」

電 「はわわ!?」

提督 「…来たか。」

雲龍 「……勝手に消えるなんて、酷い人。」ギュッ

提督 「…済まない。」

雲龍 「…許さない……」ギュムッ

提督 「…悪かったよ……」

ぷらずま 「…ぷらずまは、ぷらずまは……」ぐずっ

電 「……大っきいのです…」

雲龍 「……私だけを見て。」グイッ

提督 「……雲龍…俺は疲れてんだよ、分かるか?」

雲龍 「ツカレテルトカウソツカナイデ。」

提督 「…嘘じゃねえんだが?」

雲龍 「アナタガメヲソラスノハウソヲツクトキ。」

提督 「……」

雲龍 「…ワタシダケヲ、イマハミテ。」

提督 「…分かったよ……」

雲龍 「…なら良いけど。」←後天性ヤンデレ

提督 「……で、何をするんだ?」

雲龍 「…二人目、欲しくないの?」

提督 「……そう来たか。」

雲龍 「良いでしょ?」

提督 「………仕方、無いか…」

雲龍 「……なら、部屋に行きましょ?」

提督 「はいはい…」

ー十一月八日 談話室 09:54ー

雲龍 「…吃驚。」

提督 「…本当だよ。」

うんりゅう 「…ママ、パパ。」ギュッ

提督 「………何でこうなったの?」

工廠妖精 「…多分向こうと同じ状態なのかと。」

提督 「…あー、成程。」

段田 「…可愛い……」

月読 「本当だぁ…」

イリアス 「…良いなぁ……」

うんりゅう 「……怖い…」

雲龍 「…実は、私も怖いの……」

提督 「俺の妹だ、性格以外は普通の筈だ。」

段田 「酷い!!!!」

イリアス 「性格以外は…」ズーン…

月読 「…私は含まれてない筈……」


ー第六十一章 学力テスト1ー


ー談話室 11:00ー

提督 「突然ですが学力テストをします。問題は全て

常識範囲内だと思われる物です。少し難しい物も

含まれていますので頑張って解くように。基準点は

四十点、二百点満点のテストですが…質問は?」

天龍 「…得点は公表するのか?」

提督 「公表するのは上位十名と補習者のみです。」

龍飛 「教科は?」

提督 「国語数学と…後は家庭科と一般常識も少々。

数行程コメントを残す事も有るので気を付けて。

質問は他に無さそうなので十二時より開始です。」

ー十一月九日 政一自室 07:00ー

提督 「採点するか…珍解答も出て来る筈だ。」

第一問 以下の字の読みを答えよ。(一問一点)

一、[漸く]

二、[浪速]

三、[然し乍ら]

四、[態々]

五、[諫田政一]

(送り仮名も含めて記入する事。)

提督 「…私の名は正答して欲しいのだが…」

電の解答

一、[ようやく]

二、[なにわ]

三、[しかしながら]

四、[わざわざ]

五、[いさだまさいち]

提督のコメント

[流石、全問正解です。私の名も覚えてくれたのは

此方としても嬉しいです。問題にはしてませんが、

[此方](こちら)や[流石](さすが)も覚えておくと

本が読み易いかも知れませんね。]

龍飛の解答

一、[ようやく]

二、[なにわ]

三、[しかしながら]

四、[わざわざ]

五、[女誑しの我が夫]

提督のコメント

[…女誑しの夫で済みません……]

ぷらずまの解答

一、[ようやく]

二、[なにわ]

三、「しかしながら」

四、[わざわざ]

五、[ロリコン]

提督のコメント

[今夜お話しましょうか。]

段田の解答

一、[ようやく]

二、[なにわ]

三、「しかしながら」

四、[わざわざ]

五、[兄様]

提督のコメント

[名前の読みを答えろと言ったのであって普段の

呼び方を答えろとは書いていません。問題文を

確り読みなさい馬鹿妹。]

月読の解答

一、[ようやく]

二、[なにわ]

三、「しかしながら」

四、[わざわざ]

五、[殺兄さん]

提督のコメント

[お前もか…普段の呼び方ではなく名前の読みを

答えろと書いた筈ですがね私は…]


ー第六十二章 学力テスト2ー

第二問 以下の計算をしなさい。但し、計算式は

解答に含まないものとする。(一問一点)

①40×38-20÷4

②26+89+75+19+43

③27×40×63

④549+421+782

⑤28×59×47

暗闇の解答

①1515

②252

③68040

④1752

⑤77644

提督のコメント

[全問正解です。流石に簡単過ぎましたね…]

電の解答

①375

②252

③68040

④1752

⑤77644

提督のコメント

[四則演算の法則を覚え切れていませんね。

掛け算割り算は足し引きよりも優先されます。

なので小問一は1520-5で1515になります。

覚えておきましょう。]

長門の解答

①360

②252

③68040

④1752

⑤77644

提督のコメント

[あぁ…そう来ましたか……確かに掛け算割り算は

足し引きよりも優先されますが、移動させると

答えが変化するのは当然です…1520を4で割ると

式が成り立ちません。気を付けましょう。]

第三問 以下の式を簡単にしなさい。但し、式は

解答に含まないものとする。

また、割り切れない場合は小数点第二位迄とする。

(一問二点)

①(20+45-39+45)+(24×8÷5)

②(54-53+72+94)-(546-354-158)

③(89×264)-(79×258)

④(84-52)×(26-17)

⑤(94×64)÷(84+89)

木曾の解答

①109.4

②133

③3114

④288

⑤34.77

提督のコメント

[全問正解です。第五問は電卓で割り切れそうに

なかったので小数点第二位迄と付けましたが、

問題文を良く見ている事がこれで分かりました。]

イリアスの解答

①109.4

②133

③3114

④288

⑤34.774566474…

提督のコメント

[私は[小数点第二位迄]と付けた筈ですがねぇ…]

長門の解答

①109

②133

③3114

④288

⑤35

提督のコメント

[誰も切り上げろとは言っていませんし切り捨てろ

とも言っていないのに何故四捨五入をするのです…]

電の解答

①109.40

②133.00

③3114.00

④288.00

⑤34.77

提督のコメント

[小数点第二位迄とは書きましたが、全て第二位迄

書けという意味では有りませんよ…]


ー第六十三章 学力テスト 結果ー


ー十一月十日 政一自室 04:50ー

妖精さん 「…問題のデータ飛んだから割愛するよ。」

提督 「……保存を忘れて寝たら消えていた…」

妖精さん 「てか、貴方と話すの初めてだね。」

提督 「…俺の専属妖精か?」

妖精さん 「そだよー。」

提督 「そうか…さて、一覧表を作らないと……」

ー談話室 11:00ー

ーテスト上位十名ー

同率一位 加賀 暗闇 満点

同率三位 龍飛 鳳翔 百九十九点

同率五位 球磨型五名 百九十五点

同率十位 不知火 文月 百九十二点

最下位の人は四十一点でした。

補習にならなくて良かったですね。

電 「…危なかったのです……」四十二点

ぷらずま 「……やばいのです…」四十一点

提督 「ぷらずま、部屋に来い。」

ぷらずま 「なのです…」

ー政一自室 11:20ー

提督 「ロリコンって何なの?」

ぷらずま 「知らないのですか?」

提督 「何故ロリコンって書いたの?」

ぷらずま 「……其れは…駆逐艦ばっかりだから…」

提督 「…お前夜戦で潰してやろうか……」

ぷらずま 「…御免なさい……」

提督 「…お前、あのテストで四十一点は酷いぞ。」

ぷらずま 「………」

提督 「…お前、俺が死んだら如何するんだ?」

ぷらずま 「…御免なさい。」

提督 「…昼飯でも食って来い。」

ぷらずま 「…はい。」パタン

妖精さん 「……どんな事書いてたの?」

[ロリコン]

妖精さん 「…うわぁ……」

提督 「…酷い奴だ。」

加賀 「貴方。」チャッ

提督 「ん?」

加賀 「…御褒美は、有りますか?」

提督 「…無いな。」

加賀 「そう…なら、良いわ。」

提督 「済まないな。」

加賀 「いえ、良いの。御免なさいね。」パタン

提督 「…煙草でも吸うかなぁ……」つショートホープ

妖精さん 「…提督さん、ホープ吸うんだ。」

提督 「まぁ、な。」シュボッ

妖精さん 「…ずっと吸ってるの?」

提督 「あぁ…まぁ、少しずつな。」ふぅ…

妖精さん 「……机の上のナイフ…どんな意味なの?」

提督 「…俺も何時か死ぬ時が来る……」

妖精さん 「え?」

提督 「俺が居なくても問題無い様にして、俺は

この繰り返す人生に幕を下ろす…分かったか?」

妖精さん 「分かったけど…そんな未来は、きっと

来ないと思うよ…皆、貴方を愛しているから。」

提督 「…そうか。」


ー第六十四章 面倒事ー


ー十一月十一日 07:00 軍港ー

提督 「……眠たいな…」なでなで

あかつき 「……」ぐずっ

提督 「俺は死なんよ…ほら、泣き止んで。な?」

あかつき 「嘘吐き…絶対死ぬ気だもん……」ギュッ

提督 「死なん死なん、死のうにも死ねんよ。」

あかつき 「嘘だもん…部屋見たもん……」

提督 「もう死のうにも死ねん状態よ…」

あかつき 「…嘘吐き。」

提督 「嘘吐き嘘吐きって…嘘じゃねぇよ……」

あかつき 「……」シュルッ

提督 「おい、服を脱いで何をする気だ…」

あかつき 「嘘を本当にしてあげる…」ギュッ

提督 「待て、外は駄目だ。抑俺達は親子なのに…」

あかつき 「…駄目なの?」

提督 「せめて屋内でだな…」

あかつき 「…外も良いよ?」

提督 「何処で覚えた其の言葉…」

あかつき 「…お父さんが悪いんだよ?」

提督 「…暁に殺されるな俺……」

暁 「誰に誰が殺されるって?」ニコッ

提督 「…今日が俺の命日か。」

あかつき 「またそうやって死のうとする…」グイッ

暁 「…取り敢えず二人とも小屋に入りなさい。」

ー07:50 小屋ー

提督 「……」

あかつき 「…御免なさい……」

暁 「…政一はまぁ良いとして……貴女は駄目よ。」

あかつき 「……」

暁 「貴女は私の娘、そんな事許さないわ。」

あかつき 「…でも、お父さんが死んだら……」

暁 [其の時は彼岸から強制的に連れ戻すわ。]ニヤァ

提督 「…鬼も逃げ出す恐ろしさだな。」

暁 「何ですって?」ジッ

提督 「ほら、仕事の時間だぞ。」

暁 「……騙されないわよ、一時間後でしょう?」

提督 「時計ズレてるぞ。」つ08:00

あかつき 「あ、本当だ…」

暁 「え、今七時じゃないの!?」

提督 「もう八時だぞ。」

あかつき 「…御免なさいお父さん……」

提督 「もう死のうにも死ねない状態なんだよ。」

暁 「死のうとしても死なせないわよ。」

あかつき 「……」

提督 「…誰か来たな。」チャッ

暁 「え?」

ー軍港 08:12ー

?? 「……」ボロッ

提督 「…大破艦か。」

?? 「…!?」ビクッ

提督 「…修繕準備をしないといけないな。」

?? 「……」アタフタ

提督 「……聞こえないのか?」

?? 「……」フルフル

提督 「なら、話せない?」

?? 「……」コクコク

提督 「…なら、中に入りな。構わねぇから。」

?? 「……」コクコク


ー第六十五章 補修と改装ー


ー工廠 09:24ー

?? 「………」

提督 「…装甲空母大鳳、練度廿四か……」サラサラ…

??→大鳳 「……」しゅん…

提督 「……在籍が…B提督………か。」キッ

大鳳 「……」ペコペコ

提督 「…潰すか。前科者に容赦は無用だ。」

大鳳 「……!?」ビクビク

工廠妖精 「提督、怯えちゃってるよ!!!!」

提督 「…如何やって消すか……銃殺か、斬殺か……

撲殺も出来るが、其れなら毒殺の方が楽だな…」

妖精長 「……これは、君の提督を殺す方法をずっと

考えているな…君を殺す方法じゃないよ。」

大鳳 「……!!」ペコペコ

妖精さん 「…提督さん、頑固だったりするから……」

大鳳 「……!!」アタフタ

提督 「……鎮守府潰して存在を消すか。」サラサラ…

大鳳 「……」

提督 「…計画は潰れる物……綿密に練ったとしても

結局は潰れて水の泡となる…大まかに決めればいい。

連れて行くのは…多くとも四人、多過ぎる人員は

寧ろ枷となり邪魔になる…誰を連れて行くか……」

妖精さん 「…凄い考えてる……」

提督 「…先に大鳳の喉を治すか。」

大鳳 「…!?」

提督 「……まぁ、手っ取り早いのは俺の血か。」ピッ

ポタッ…ポタッ…

大鳳 「…!?」

提督 「…其の身に鋜を付けるか、其の儘生きるか。

何方か好きな方を選ぶと良い。」ポタッ…

大鳳 「……」スッ

提督 「…呪われた血を飲む気か。」

大鳳 「……!!」コクッコクッ

提督 「…もういい筈だ。」

大鳳 「……」スッ…

提督 「…若干貧血気味になったぞ……」フラッ

大鳳 「…えっ、と…有、難う。」ペコッ

提督 「……矢張り少し詰まるか。」

大鳳 「…はい……少、し…」

妖精さん 「これは一体?」

提督 「誰にでも起こり得る事だ。人と話す機会が

無ければ人は声を出さない。声を出さなければ

必然的に声帯が弱る。声帯が弱れば声は出ない。

これが幾つか有る負の連鎖の一つだな。」ガサガサ

妖精さん 「そんな…」

提督 「別に死ぬ訳じゃねぇし、数日誰かと話せば

声量は戻るし詰まりも消える。取り敢えず今は

素早く治す為にもコレを飲む方が良いな。」つ薬

妖精さん 「これは?」

提督 「ん?昔俺が調合した薬。今でも確り効くぞ。」

大鳳 「……有、難う。」ゴクッ

提督 「…さて、潰す準備だ。」

大鳳 「…うん。」

提督 「いや、大鳳は…まぁ、良いか。」


ー第六十六章 雑魚潰しー


ー十一月十二日 B提督鎮守府 07:00ー

提督 「……」

大鳳 「…怖、い……」

加賀 「怯えてしまうのも無理は有りませんね。」

大和 「…武蔵を置いて来て良かったのかしら……」

不知火 「片方は残らないと火力不足です。」

提督 「…何か来たぞ。」

?? 「…貴方がAdmiralか?」

提督 「…一応そうだが。」

?? 「…こんな腑抜けた人間がAdmiral……」

提督 「…腑抜けた人間で悪かったな。」

?? 「こんな人の下で働くなんて…不幸ね。」

提督 「…俺は此処の提督じゃねぇよ阿呆。」

?? 「へ?」

提督 「俺はラバウルの提督…此処の提督じゃねぇ。」

?? 「え、ちょ、其れは本当なの!?」

大鳳 「そぅ…だよ……」

?? 「…其の、御免なさい。私、失礼な事を……」

提督 「…構わんが、此処の提督は潰すぞ。」

?? 「へ!?」

提督 「俺達は此処を潰す為にラバウルから来てる。」

加賀 「…帰った方が良いわよ。」

?? 「…貴方達に着いて行った方が良さそうね。」

提督 「…受け入れよう、名前は?」

??→グラーフ 「私はGraf Zeppelin…空母よ。」

提督 「…そうか、君はドイツ艦か。」

グラーフ 「…Admiral呼びで分かると思うけど。」

提督 「……私は[此方に来てから]はドイツ艦とは

一度も遭遇していないのでな…Admiral呼びだけで

判断出来る様な状況では無かったんだ。」

グラーフ 「…貴方、色々闇を抱えてるのね。」察し

提督 「まぁな…さて、潰すぞ。」

グラーフ 「えぇ、任せて。」

ーB提督鎮守府一階廊下 07:22ー

提督 「…斬れど斬れど限が無い。」ズバッ

グラーフ 「…偵察機から通信、まだまだ来るわ。」

加賀 「…まだ二百人程居ます、大丈夫ですか?」

大和 「限が無いですぅ!!」ドドォン!!!!

大鳳 「こ…撃……開、始…!!」バウーン!!

不知火 「返り血で服が紅くなりますね…」ズバッ

提督 「…えぇい……」バチバチッ

加賀 「あっ…」

提督 「執拗いわ雑魚共がァ!!!!」バシュゥゥ!!!!

バゴゴゴォォン!!!!!!

不知火 「レールガン…まさか提督が撃てるとは。」

加賀 「百人位今ので死んだわね。」

グラーフ 「えっ!?Admiralは化け物なの!?」

不知火 「政一は…天変地異を起こせる殺しの神、

でしょうか…まぁ、見ての通り普通では無いです。」


ー第六十七章 救命ー


ーB提督鎮守府二階 08:00ー

提督 「漸く二階か…」バチバチッ

不知火 「…アレから政一が帯電し続けてますね。」

提督 「……電圧2000V、電流20A…交流だな。」

不知火 「…交流送電万歳ですね。」

大鳳 「…あの、子……助け、て…」

提督 「…電圧降下、電流調整……放電。」バツツッ!!

?? 「…!?」ドサッ

提督 「…気絶確認、其の部屋を使うか。」

加賀 「…器用ですね。」

大和 「……何であんな事が出来るんですか…」

ーとある部屋ー

提督 「…初春型、初霜か。」

??→初霜 「……」気絶

大鳳 「……この、子…私を、守ろうと、して…」

提督 「…で、この仕打ちか。」つ釘

大和 「え…まさか!?」

提督 「釘打ちとはまた残酷な事を…」ズボッズボッ

加賀 「…気絶しているからか、痛くなさそうね。」

提督 「…この子にも私の血が必要だな……」

グラーフ 「…この子、内臓が滅茶苦茶じゃないか!!!!」

提督 「…此の儘では死んでしまうからな……」ピッ

ポタッ…ポタッ…

シュワー…

グラーフ 「傷が、治っていく…まさか!?」

提督 「身体が吸血鬼に変わっているんだ。」

大鳳 「そん、な…大丈、夫…なの?」

提督 「放置すれば死ぬ、治すにはコレしか無い。」

初霜 「……ん…あれ?」パチッ

提督 「気が付いたか。気絶させて済まない。」

初霜 「あ…釘が無い!!昨日刺された筈なのに!!」

提督 「あぁ、廿八本…身体に刺さっていた。」

初霜 「…貴方が、抜いてくれたんですか?」

提督 「単に抜いただけではお前は死ぬ。」

初霜 「え?」

提督 「入渠すれば全て治る、なんて事は絶対無い。

抜かれたが最後、痛みに苦しみ最期を迎える。」

初霜 「…じゃあ、治っているのは……」

提督 「…其の身体を、吸血鬼に変えたからだ。」

初霜 「……」

提督 「…助ける方法が其れしか無かった。」

初霜 「…構いませんよ。」

提督 「…良いのか?」

初霜 「貴方に一生愛して貰いますから。」ニコッ

提督 「…何とも重い願いだ……」

大鳳 「…私、も…」ギュッ

提督 「…此処では辞めてくれ。」

初霜 「…確り愛して下さいね?」ニコッ

提督 「…あぁ。」


ー第六十八章 下衆消し作業ー


ーB提督鎮守府三階 08:44ー

提督 「…此処で終わりか。」

初霜 「…消しましょう、あんな下衆なんか。」

不知火 「迚初霜とは思えない程の暴言ですね…」

提督 「其れだけ苦しめられたという事だ。」

初霜 「…扉を吹き飛ばします。」ジャコッ

ドドンドン!!!!

初霜 「せいっ!!!!」バコッ

ドゴォン!!!!

B提督 「な、何だ!?」

提督 「…よう、あの時は世話になったなぁ?」ギロッ

B提督 「なっ…貴様は、ラバウルの!!!!」

大鳳 「何が…有ったの?」

不知火 「我々は先日彼奴の率いる暴徒軍に襲撃

されました。幸いにも防衛には成功しましたが。」

大鳳 「そう、だった…んだ……」

B提督 「……殺しに来たのか。」

提督 「其の通り、下衆の癖に勘だけは良い。」

B提督 「…端から今日死ぬ心算だ、殺してくれ。」

提督 「…ほう、自ら死に向かうか。」

B提督 「…私は提督には向いていない。」

提督 「あ?」

B提督 「私はあの時味方を沢山殺めてしまった…

この罪は消えない…どうか私を殺してくれ。」

提督 「…初霜、砲撃用意。」

初霜 「…」ジャコッ

B提督 「…味方を殺めた私が元味方に殺られる、か。

因果応報だな…さぁ、其の引鉄を引いてくれ……」

初霜 「…さようなら。」ドドン!!!!

ドサッ

提督 「……帰るか。」

ー埠頭 17:40ー

初雪 「…待ってた。」

霞 「…貴方、久し振りね。」

提督 「…お前達、本当に久し振りだな。」

初雪 「…ゆっくり、しよ?」

霞 「名前、変わったんでしょ?教えて。」

提督 「…もう全員部屋に来い。」

ー政一自室 18:20ー

初霜 「……ふふっ。」キラッ

大鳳 「…綺、麗……」キラッ

初雪 「……部屋、綺麗…」

霞 「…どんな名前にしたの?」

提督 「諫田政一、だな。」パチパチッ

初霜 「…帯電してますね。」

提督 「何故か帯電出来る様になった。」

初霜 「…ね、子供、欲しい。」

提督 「…無理だ、流石に厳しい。」

霞 「…ねぇ、政一…私、大きくなったの。」

提督 「あぁ…初雪も大きくなったな。」

初霜 「…少し、羨ましいです。」すとん

大鳳 「…羨ましい……」すとん

初雪 「むふー。」ぽいん

霞 「えへへ…如何かな?」ぽいん

提督 「…皆綺麗だ。」

大鳳 「…嬉、しい。」

初霜 「有難う御座います。」

初雪 「…まぁ、政一はそう言うよね。」

霞 「…好き。」ギュッ

提督 「…さて、飯でも食うか。」


ー第六十九章 日常4ー


ー十一月十三日 政一自室 04:00ー

提督 「……まだ四時か…」

初霜 「お早う御座います…」ウトウト…

加賀 「…お早う御座います。」

提督 「…何でお前達がこの部屋に居るんだ?」

加賀 「何故か深夜二時に海軍船が着港しまして。」

提督 「…面倒な事を……」スタスタ…

ー軍港 04:55ー

憲兵 「…遅いぞ。」

提督 「時間を考えてくれ…で、要件は?」

憲兵 「追放処分だ、受け取れ。来い!!!!」

利根 「ぐうっ!?」ドサッ

筑摩 「きゃあっ!?」ドサッ

提督 「……終わりか?」

憲兵 「当たり前だろう、出せ!!!!」

ブオーン…

提督 「…距離二海里、射程圏内か。」ジャキッ

利根 「お、お主…何を…」

ドドドォォン!!!!!!!!

…バゴゴゴォォン!!!!

利根 「なっ…」

筑摩 「海軍船が…」

提督 「…下衆は焼却処分だ。」

利根 「お主、アレは流石に…」

筑摩 「味方を撃つなんて…」

提督 「女を突き飛ばす様な奴が味方なのか?」

筑摩 「なっ…」

提督 「俺はそうは思わんよ。」カツカツカツ…

筑摩 「ま、待って下さい!!」

利根 「お主、待たんか!!!!」

提督 「…追放処分か。」

利根 「……」

筑摩 「あの…」

吹雪 「司令官!!!!」

提督 「…吹雪か、久し振りだな。」

吹雪 「…勝手に消えて、勝手に死んで……なのに、

なのに貴方は[久し振り]の一言で済ますんですか!?」

提督 「……其れは…」

吹雪 「必死に探したんですよ!?必死に探したのに…

なのに、貴方は何故そんなに冷たいんですか!?」

提督 「…済まない。」

吹雪 「ちゃんと私の顔を…私を見て下さい!!!!」

提督 「………」

吹雪 「如何して…如何して見てくれないんですか!?」

利根 「…お主、女を泣かせるのは男ではないぞ。」

提督 「…見せないんじゃない、見られないんだ。」

吹雪 「何でなんですか!?」

提督 「…お前に見せられる顔が無いんだよ……」

吹雪 「構いません!!!!見て下さい!!!!」

提督 「……」

吹雪 「私を見て、安心させて下さい!!!!司令官!!!!」

提督 「…吹雪……済まないな…」クルッ

吹雪 「…漸く、司令官と会えた……」グスッ

提督 「…御免な、吹雪……」

利根 「むぅ…」

加賀 「…私が案内するわ、提督は忙しいから。」

筑摩 「……」


ー第七十章 日常5ー


ー談話室 06:20ー

吹雪 「……」ギュー

提督 「…悪かったって……」

吹雪 「許しません…安心出来ません……」

早霜 「…困りますね……」

加賀 「何故この様な状況に…」

暗闇 「吹雪ちゃんはずっと離れ離れだったし…

気付いた時には政一は死んでいたし……色んな事が

重なって、限界突破しちゃったのよ。」

ゴーヤ 「…取り敢えず今は放っとくでち。」

大鳳 「…可哀、想……」

雲龍 「…吹雪ちゃん、来たんだ。」

龍驤 「なぁ、自分娘大丈夫なんか?」

雲龍 「今、暁が見てくれてる。」

龍驤 「あぁ、彼奴今も子供居るもんな。」

提督 「…頼む、もう離れてくれ……」

吹雪 「嫌です!!!!離れた隙に死ぬ気でしょう!?」

提督 「死なんから…」

吹雪 「絶対に嫌です!!!!」ギュー

提督 「……」諦め

利根 「…お主の下で働く利根じゃ。」

筑摩 「筑摩と申します。」

提督 「あぁ…提督の諫田政一だ。」

吹雪 「私だけを見て下さい!!!!」グイッ

提督 「おわっ!?」

利根 「…むぅ……」

暗闇 「…私が対応するわ。」

利根 「彼奴は一体何なのじゃ!!!!」

暗闇 「女誑しの馬鹿よ。」

利根 「…彼奴はロリコンか?」

暗闇 「ロリコンなら私を正妻にしないわよ!!!!」

曙 「彼奴は単に寄せられた好意を受け止め続けて

こうなってるだけで、肝心な指揮の腕は一流よ。」

利根 「…なら、少し安心じゃな。」

暁 「あ、吹雪!!!!」

吹雪 「暁、久し振り!!!!」

提督 「仏説摩訶般若波羅蜜多心経観自在菩薩…」

利根 「おい、般若心経を唱え始めたぞ!?」

暁 「政一、帰って来なさい。」ペシペシ

提督 「ん、暁か。首が痛い気がするが何か用か?」

暁 「吹雪、貴方の所為で政一が変になってたわよ。」

吹雪 「御免なさい司令官…」

提督 「…何やってたんだっけ……」

暁 「貴方般若心経唱えてたわよ。」

提督 「…いやお経唱えてたのかよ……」

吹雪 「…私反省して来ます……」

暁 「ほら、仕事するわよ!!!!」

提督 「おう…」

利根 「大丈夫かのう…」

筑摩 「心配です……」

加賀 「取り敢えず執務室へ。」

利根 「う、うむ…」

筑摩 「はい…」


ー第七十一章 日常6ー


ー執務室 07:13ー

提督 「…ここは削る…こっちは増やして……アレは

少し溜まってきてるから輸出開始だな…レートが…

あまり悪くは無いな…下がらん内に出すか。後は…

この任務はここじゃ出来んから他所に委託っと…

大本営に出す書類は清書済か。なら…」テキパキ

利根 「…吾輩は幻覚を見ておるのか?」

筑摩 「なんか凄い仕事早い人が見えるんですが…」

暗闇 「あれがこの鎮守府の最終兵器よ…」

利根 「最終兵器じゃと?」

暗闇 「最強執務マシン[MASAICHI]、処理速度は

実に毎分廿枚を誇りこの鎮守府内では最速よ。」

提督 「…明石、捜す必要有るな。」サラサラメモメモ

筑摩 「…両利きですか……」

提督 「曙ー暁早霜日向で対潜組んで1-5行ってくれ。

そうそう明石捜し…工廠に対潜兵装有るからさー…

済まんけど頼むわ、そろそろ明石が要るんだわ…

そうそう、頼むよー。うん、宜しく…」カタカタ…

利根 「電話しながらタイピングとは…恐ろしいの。」

提督 「…戦果報告は…細いの切捨で……大雑把に…

四十で良いか…後は姫級二体撃退と…暴動鎮圧…

大体こんなモンかねぇ…よし、送信っと…」カタカタ

利根 「…戦果報告書は大体何枚になるのじゃ?」

暗闇 「大体五、六枚位は必要ね。」

利根 「…通常ならば一時間程必要じゃな?」

暗闇 「えぇ、そうね。」

利根 「…彼奴、ものの一分で仕上げおったぞ。」

暗闇 「…最強の所以、分かった?」

利根 「うむ、痛い程に理解した。」

筑摩 「はい…」

提督 「…さっきからずっと何してんだ?仕事しろ。

暇人に食わせる飯は準備してねぇぞ。」トントン

暗闇 「えぇ、確りとしてるわよ?」チャッチャ

利根 「なんと!?」

提督 「書類整理だけが仕事じゃねぇ、処理もやって

初めて仕事になるんだ。俺に押し付けていねぇで

自分で処理しろ自分で。」テキパキチャッチャ

暗闇 「…ねぇ、これなぁに?」つ旅行券

提督 「あぁ、其れはお前と行こうかと思ってな。」

暗闇 「…大阪?此処から行けるの?」

提督 「相当乗り継ぐがな。記念日もへったくれも

ない状態だ、偶には良かろう。」カタカタテキパキ

暗闇 「…そう、良いけど。」テキパキチャッチャ

提督 「…誰か来てるな。」ガタッ

暗闇 「行きましょう。」ガタッ

利根 「何故分かるのじゃ…」

筑摩 「最早超能力ですね…」


ー第七十二章 記憶喪失と兄妹関係ー


ー08:20 軍港ー

提督 「…大破艦か!?」

?? 「……」ドサッ

暗闇 「ちょっと、これヤバいんじゃ!?」

提督 「…まだ息をしている、入渠だ!!!!」

ー16:44 入渠場ー

?? 「…ん?」パチッ

工廠妖精 「あ、起きた!!!!」

妖精さん 「提督呼んで来る!!!!」ふわー

?? 「…何処だろう、此処……」むくっ

工廠妖精 「あ、起きちゃ駄目だよ!!!!」

?? 「…何このちっさいの……可愛い。」

工廠妖精 「え?」

建造妖精 「…これって……」

?? 「…私って、何でこんな所に居るんだろう……」

工廠妖精 「やっぱり、記憶喪失だ!!!!」

建造妖精 「これは…かなりヤバいね……」

妖精さん 「連れて来たよ!!!!」

提督 「ん、目が覚めたか。」

?? 「え…お兄ちゃん!?」

提督 「…お兄ちゃん?」

?? 「お兄ちゃん、こんな所で何やってんの!?」

提督 「え…いや、提督だけど……」

?? 「提督!?何馬鹿な事言ってんのよ!!!!お父さんも

お母さんも皆心配してたんだよ!?勝手に出てって

漸く会えたのに開口一番が[お兄ちゃん?]は流石に

酷いよお兄ちゃん!!!!何で連絡くれなかったの!?」

提督 「……何で俺が兄に…妹はもう居なかった筈…」

?? 「…てかお兄ちゃん[ハーレム作る]とか言って

出てったけど…女の子居ないね?」キョロキョロ

提督 「何その発言!?いやでも強ち間違ってない…」

暗闇 「如何したの政一?」

?? 「…其の人は?」

提督 「…正妻。」

?? 「正妻?」

早霜 「政一さん、入渠を…この方は?」

??→祥鳳 「私は祥鳳…で、この人は?」

提督 「…妻です。」

祥鳳 「はぁ!?本気でハーレム作っちゃったの!?」

不知火 「何事ですか?」

暁 「何か有ったの?」

文月 「どうしたのぉ?」

曙 「ねぇ、さっさと入渠したいんだけど。」

日向 「何か問題でも起きたか?」

加賀 「…騒がしいですよ。」

祥鳳 「…この人達は?」

提督 「皆俺の大事な妻です…」

祥鳳 「お兄ちゃんの馬鹿ぁ!!!!」バッチィン!!!!

提督 「……」ヒリヒリ

祥鳳 「何人囲ってんのよ!!!!而も黙っててさ!!!!」

提督 「……済まん。」

祥鳳 「…お兄ちゃん、説明してよ。」

提督 「あぁ…分かった…」


ー第七十三章 祥鳳の記憶ー


ー政一自室 21:44ー

祥鳳 「…まだ信じらんないよ……」

提督 「だろうな。」

祥鳳 「私とお兄ちゃんは兄妹じゃなかったんだ…」

提督 「俺に妹は居るには居るがお前は違う。」

祥鳳 「…でも…だったら私は何でお兄ちゃんって…」

提督 「お前が此処に辿り着いた時倒れてな…其の時

頭を打って記憶を失ったってのが有力だな。」

祥鳳 「…でも、お兄ちゃんが居るもん……」

提督 「……意地でも兄で通す気か。」

祥鳳 「…お兄ちゃん?」

提督 「……来たな。」

祥鳳 「へ?」

鳳翔 「失礼します…あぁ、この子が例の…」チャッ

祥鳳 「お兄ちゃん何で来るって分かったの!?」

提督 「足音と重心、床に掛かる圧と特有の匂い。」

祥鳳 「…お兄ちゃん怖いよ?」

鳳翔 「…祥鳳ちゃん?」

祥鳳 「ちゃん!?」

鳳翔 「貴女は、本来であれば軽空母として戦線に

立って艦載機を操って戦う筈だったのよ。」

祥鳳 「え?」

龍飛 「だが、今のお前は記憶と共に艦娘適性を

失ってしまっている…戦力化は厳しい様だ。」スッ

祥鳳 「同じ人がもう一人!?」

提督 「矢張りか…済まない龍飛、非番なのに仕事を

押し付けてしまって…今度何か奢るよ、何が良い?」

龍飛 「そうだな…肉でも奮発して二人で食うか。」

提督 「了解、良い肉を仕入れておく。」

龍飛 「期待しているぞ…ふふっ。」パタン

提督 「…さて、今龍飛が話した通り、君は軽空母

祥鳳としての適性を失い、唯の頑丈な女性へと

変わってしまっている訳だが…」

祥鳳 「……そんな…」

提督 「記憶を取り戻せとは言わない。ゆっくりと

この鎮守府で療養するといい。」

鳳翔 「…貴方、其れで良いのですか?」

提督 「無理をさせれば彼女が潰れる。結局の所、

打つ手等無いんだ…何も出来ないなら何もしない、

其れだけだ。ほら、寝るぞ。部屋に戻りな。」

鳳翔 「…貴方、今晩は……」

提督 「…酒か。」

祥鳳 「お酒?飲みたい!!!!」

提督 「お前が思っている様な酒は無いぞ。」

祥鳳 「祥鳳二十歳だもん!!!!飲めるもん!!!!」

鳳翔 「…連れて行って酔い潰した方が早いのでは?」

提督 「…潰れた後が大変なんだがなぁ……」

祥鳳 「飲みたい!!!!飲みたい!!!!飲みたい!!!!」

提督 「分かったから駄々を捏ねるな!!!!もう…」

鳳翔 (傍から見ると本当に兄妹の様ですね。)


ー第七十四章 酒と祥鳳ー


ー鳳翔自室 22:10ー

鳳翔 「政一、私の部屋は初めてでしょう?」

提督 「そうだな…綺麗じゃないか、君も部屋も。」

鳳翔 「あらまぁ、お上手ね。」

提督 「永く生きれば、ね。」

鳳翔 「あぁ、そうでしたね。」

祥鳳 「…凄いすっきりしてる……」

鳳翔 「政一の部屋には仕事道具を沢山置いていて、

少し狭くなっているんですよ。」

祥鳳 「へぇー…あ、弓だ。」

鳳翔 「私の仕事道具ですよ。」

祥鳳 「へぇ…」

鳳翔 「…廿年物の梅酒でも出しましょうか?」

提督 「其の必要は無いと思うが。」つ碧

鳳翔 「あら、ではグラスと氷ですね。」

祥鳳 「へぇ…初めて見た……」

提督 「とあるルートで仕入れたんだ。」

祥鳳 「へ?とあるルート?」

提督 「俺は[少し]特殊な生き方をしているからな。」

鳳翔 「…本当に[少し]ですか?[相当]の方がしっくり

来ますけど…其の辺りは如何お考えで?」カラン

提督 「…ははっ……鳳翔には敵わないな。」

鳳翔 「いえいえ、貴方には負けます。」ストッ

プシュッ

祥鳳 「飲みたーい!!!!」スッ

提督 「これはお前が思っている酒とは違うからな。」

鳳翔 「そうですね。」トクトクッ…シュワァァ…

提督 「まぁ呑めば分かるさ。」カラカラカラッ

祥鳳 「わぁ…頂きまーす!!!!」グビッ

提督 「あ。」

祥鳳 「…味がしない!?何で!?」

提督 「あぁ、矢張り其の反応か。」

祥鳳 「え?」

提督 「ウィスキーは香りを楽しむ物だよ。」カラン

鳳翔 「お摘み、如何しましょうか?」

提督 「…要らん。偶には素を楽しむとするよ。」

鳳翔 「そうですか…」

祥鳳 「…美味しくない……」グビグビ

提督 「だから言ったろう…お前が思っている酒とは

違うと、何度も何度も執拗い程に繰り返して。」

祥鳳 「…美味しいの、無いの?」

提督 「…梅酒、出すか?」

鳳翔 「えっと…梅酒花梨酒桃酒杏露酒…」ゴトゴトッ

提督 「ワインに日本酒Водкаに翠、知多に明石か。」

鳳翔 「それなりには有りますよ?」ゴトゴトッ

提督 「…クライナーと蜜柑酒、茘枝酒……」ゴトッ

祥鳳 「……多いよぉ…」

提督 「…蜜柑酒でも呑んでろ。一番飲み易い。」

鳳翔 「炭酸割りで飲むとジュース感覚ですよ。」

祥鳳 「…美味しい。」

提督 「世話の焼ける妹だ…」

鳳翔 「其れは禁句ですよ…」


ー第七十五章 酔いと祥鳳ー


ー23:29ー

祥鳳 「おにいた〜ん…」だら〜

提督 「早速潰れおったわ…」グビッ

鳳翔 「……其のお酒の度数って…七度でしたっけ?」

提督 「あぁ…炭酸割りだから半分程に下がるが。」

鳳翔 「…この子、体質的に弱いんじゃ?」

提督 「多分な。」グイッ

鳳翔 「…ペース、上がってませんか?」

提督 「…呑む時は呑むさ。」グイッ

鳳翔 「…お漬物、出しましょうか?」

提督 「頂こうか…日本酒に合いそうだ。」

龍飛 「…呑んでいるのか。」チャッ

提督 「まぁな。」

祥鳳 「あ〜、いらっひゃい〜。」

龍飛 「…潰れたか。」

提督 「あぁ、どうも弱い様で。」

龍飛 「…摘みを作ってやろう、何が良い?」

提督 「…出汁巻きをお願い出来るかな?」

龍飛 「成程、火を使えるのは呑んでいない私だけ…

分かった、少し時間をくれ…最高の物を作ろう。」

提督 「助かる。」

鳳翔 「胡瓜と白菜しか有りませんが。」コトッ

提督 「ほう、シンプルで良いじゃないか。」コリッ

鳳翔 「胡瓜は今年の夏に漬けた物ですが…」

提督 「ふむ…少し浅めではあるが、美味しいな。」

鳳翔 「年明け頃が食べ頃ですね。」

提督 「…白菜は去年の物か?」

鳳翔 「えぇ、去年の師走に漬けた物です。」

提督 「…美味い、米にも合いそうだな。」

鳳翔 「あらあら、これは今年も漬けないと。」

提督 「…私は皆を幸せに出来ているのか?」

鳳翔 「幸せだから皆貴方に着いて行くんですよ。」

提督 「…そうか。」

ー十一月十四日 00:02ー

龍飛 「出汁巻きだ、熱いから気を付けてな。」コトッ

提督 「…あぁ、美味い。」もきゅもきゅ

鳳翔 「龍飛と私では使う出汁が違いますからね。」

提督 「私は両方好きだぞ。」

龍飛 「ほう?」

提督 「龍飛はアゴ出汁、鳳翔は鰹と昆布の出汁…

私は両方好きだし、本当に幸せだよ。」ニコッ

鳳翔 「…こんな時に口説きますか。」

龍飛 「…油断も隙もない奴だ……全く。」

祥鳳 「おにいた〜んかまってぇ…」ギュッ

提督 「……」なでなで

祥鳳 「えへへ…しょーほーおにいたんだいすきぃ…」

提督 「…あぁ、俺もだ。」

祥鳳 「……」zzz

提督 「…寝たか。」

鳳翔 「…仮初の兄妹、ですか……」

龍飛 「悲しいが、これが現実だからな…」

提督 「…祥鳳の兄で居るよ、記憶が戻るまでは。」


ー第七十六章 祥鳳の行く先ー


ー00:19ー

龍飛 「…一体何が有ったんだ?」

提督 「軍港で倒れた時に頭を打ってこうなったか、

或いは此処に辿り着いた時にはこうだったのか…

真相はまだ分からんが、ゆっくり調べる他無いと

私は考えている…他に打つ手等無いからな。」

龍飛 「…そうか。」

提督 「さて、食べて呑んで寝ようか。」

鳳翔 「えぇ、そうしましょうか。」

龍飛 「どうせだ、一本貰うぞ。」

提督 「あぁ、持ってけ。」

ー執務室 09:55ー

提督 「……少し呑み過ぎたか?」

鳳翔 「えぇ…御免なさいね。」←寝坊

提督 「いや、構わんよ。」

不知火 「…提督、速達郵便です。」つ手紙

提督 「…速達?」ペリッ

ーC提督鎮守府在籍軽空母祥鳳が行方不明である。

轟沈はしていないとの見込みであり、

何処かの鎮守府に流れ着いた可能性が高い。

よって貴殿の鎮守府にも憲兵団を派遣する。

仮に当該艦を保護していた場合には速やかに

憲兵団に引渡す事。尚、これは命令である。

大本営 元帥

追伸 到着予定は十一月十五日06:00であるー

提督 「…明らかに彼奴の事だな。」

祥鳳 「…お兄ちゃん何読んでるの?」←寝坊

提督 「…祥鳳、お前が元々居た鎮守府からお前を

探しているって来たが、お前は如何する気だ?」

祥鳳 「…え?何其の鎮守府って?」

提督 「…そうか、お前は記憶が無かったな。」

祥鳳 「何かは分かんないけどお兄ちゃんとは絶対

離れたくないから行かないって返事して!!!!」

提督 「…なら、着替えるか。」

祥鳳 「え?」

提督 「其の服、其の儘着てると連れてかれるぞ。」

祥鳳 「えっ嘘!?」

提督 「ちょっと待ってろ…」

[瑞鳳と阿武隈、序に暁。執務室に来てくれ。]

提督 「…多分コレで……」

暁 「何か有ったの?」チャッ

瑞鳳 「何ですか?」

阿武隈 「はい?」

提督 「お前達三人で祥鳳の服買って来てくれ。」

暁 「分かった、行って来るわ。」

祥鳳 「え?」

提督 「三人に着いて行け。」

祥鳳 「う、うん!!!!」タッ

暁 「じゃあね。」パタン

鳳翔 「…宜しいんですか?」

提督 「艤装が使えないなら服と髪型変えて[妹だ]

って言ってれば問題ねぇよ。偶には騙しも必要、

人生は狡賢く生きる物さ。特に提督はな。」ニヤッ

鳳翔 「…そうですね。」ニコッ


ー第七十七章 憲兵団と提督とー


ー十一月十五日 05:52ー

祥鳳 「お兄ちゃん、寒くないの?」←コートにズボン

提督 「相手は格上、最低限の身嗜みは必要不可欠…

寒さに耐え、危機を凌ぐ必要が有る。」←白軍服

祥鳳 「…そっか。」

憲兵 「…其方の子は?」

提督 「妹だ。探してるのは軽空母祥鳳だな?」

憲兵 「うむ。」

提督 「在籍も保護も記録無しだ、無駄足御苦労。」

憲兵 「…一応、執務室を調べさせて貰う。」

提督 「構わんが、此処に軽空母祥鳳は居ない。」

ー07:20 執務室ー

憲兵 「…むぅ、此処には流れ着いていないか。」

?? 「憲兵殿。」

憲兵 「む?」

?? 「軽空母祥鳳の制服です。」つ服

提督 「……」

憲兵 「…詳しく聞かせて貰おう。」

提督 「浜に遺体で流れ着いた軽空母祥鳳の服だ。

本来05:30頃に焼却処分をする予定だったのだが、

三十分後には憲兵団が来るとの事だったので処分を

明日に延期したまでだ、別に隠す事は無い。」

祥鳳 「…お兄ちゃん、お腹空いた……」

提督 「食堂行って来い、今日は龍飛の当番だ。」

憲兵 「…龍飛とは?」

提督 「此処には鳳翔が二人居る。先に来た方は

通常通り鳳翔を名乗っているが、後から来た方が

少し曲者でな…龍飛を名乗って活動している。

龍飛は言動や行動、攻撃に服装…全てが異なる。」

?? 「…」

憲兵 「……そうか。」

提督 「…其れで、お探しの物は見つかりましたか?」

?? 「……憲兵殿、先に帰って頂きたい。」

憲兵 「む?」

?? 「私は少し彼に聞きたい事が有ります故。」

憲兵 「…そう、だな。では我々はこれにて失礼。」

パタン

?? 「…提督殿、少し場所を変えたいのですが。」

提督 「…お前は気付いたか。煙草は?」

?? 「頂きたい。」

提督 「なら、浜に御案内しましょう。」

ー海岸 08:44ー

提督 「…普段は埠頭で吸うのですがね。」

?? 「…護岸工事が施工されている彼処ですか。」

提督 「えぇ…此方には[流れ着く]ので…」

?? 「……あぁ、成程…」

ーやっぱり遺体だらけの砂浜ー

提督 「…最近は流れ着く量が多過ぎる。」

?? 「一航戦に長門型、雲龍型に大和型も…」

提督 「…命を軽視する者は、命に嫌われる。」

?? 「…迚心に響く、重い言葉ですね。」


ー第七十八章 提督と謎の人物ー


提督 「…で、お前は誰なんだ?」

??→浅葱 「…名乗れる名が有りませんから、今は

浅葱とお呼びください…」

提督 「…分かった。」

浅葱 「其れで…先程提督殿が妹と呼んだあの子……

あの子が件の祥鳳だと、私は考えています。」

提督 「…よく分かったな。」

浅葱 「何故提督殿はあの子を匿うのですか?」

提督 「彼女は…もう軽空母祥鳳として海に出る事は

二度と無い可能性が高い状態なんだ。」

浅葱 「何ですって!?」

提督 「彼女が流れ着いた時、目の前で倒れたんだ。

直ぐに入渠させて検査したんだが…其の時にはもう

彼女には艦娘適性が残っていなかったんだ。」

浅葱 「…そうだったんですか……」

提督 「この事は他言無用だ。」

浅葱 「えぇ…分かっています。」

提督 「……なぁ、彼奴生きてないか?」

浅葱 「…動いてますね。」

提督 「急ぐぞ!!!!」タッ

浅葱 「何故そんなに速いのですか提督殿!?」タッ

響 「……痛い…」

提督 「…暁型二番艦か!!!!」

浅葱 「提督殿、此方にも生存者二名!!!!」

提督 「入渠場までの距離は短い、走るぞ!!!!」タッ

浅葱 「だから何故そんなに速いのですか提督殿!?」

暁 「雷は私が運ぶわ!!!!」

グラーフ 「其の軽巡洋艦は私が背負いましょう。」

浅葱 「た、助かります…」

暁 「…提督と貴方じゃ比べ物にならないわ。」タッ

グラーフ 「…あのAdmiralは化け物よ。」タッ

浅葱 「…えぇ、実感しましたとも。」タッ

ー入渠場 09:00ー

提督 「響に雷、それと五十鈴か…水雷だな。」

浅葱 「一体何が…」

提督 「…交戦記録、残ってるぞ。」ピージージジジー

浅葱 「……相当古いプリンターですね…」

提督 「…まぁ、あまり経費が降りないからな。」

暁 「…これは駄目ね。無謀過ぎるわ。」つ書類

提督 「…残りはレ級に殺られたか。」

浅葱 「…この三人は、運が良かったと?」

提督 「あぁ、まだマシな方だ。」

ぷらずま 「…馬鹿な事を言うななのです。」

浅葱 「うわぁ!?」

提督 「…命が有るだけマシだろ。」

ぷらずま 「沈んだ時点でマシもクソも無いのです。」

浅葱 「…この子、電ちゃん…だよね?」

ぷらずま 「ぷらずまと電を間違えるな、なのです。」

浅葱 「ぷ、ぷらずまぁ!?」

提督 「此処は色々特殊なんだよ。」


ー第七十九章 ブラック鎮守府ー


ー12:44ー

響 「…んぅ………ん?」むくっ

提督 「…起きたか。」

響 「……司令、官…司令官!?」ビクッ

提督 「…矢張り黒か、面倒な事になった。」カタカタ

響 「に、逃げなきゃ…痛っ!?」

提督 「大人しく寝てろ…前例が殆ど無い大怪我だ。

それにまだ治り切ってない。無理はするな。」

響 「…此処は、一体……」

浅葱 「えっと…ラバウル、でしたっけ?」

提督 「あぁ、ラバウル軍港併設鎮守府だ。」サラサラ

ぷらずま 「電の奴、寝やがったのです。」

電 「……」zzz

暁 「仕方無いわ、疲れてたんだもの。」

響 「…じゃあ、また周回するんだね……」

浅葱 「周回?」

提督 「練度上げ周回か、資源回収周回か…」

響 「資源回収!?嫌だ…嫌だ……」

提督 「…はぁ、通りで駆逐ばかり沈んだのか。」

浅葱 「駆逐艦にドラム缶で資源回収ですか…」

提督 「…下らん真似を。」ギロッ

響 「……!?」

提督 「…さて、残り二人の話も聞かないとな。」

響 「…あの、司令官……」

提督 「ん?」

響 「私は、何をされるんだい?」

提督 「何って…精密検査済ませて着任、終わり。」

響 「…え?出撃は?演習は?遠征は?」

提督 「演習はしない、資源は余ってるし出撃なら

人員過剰気味で週一回有るかどうかレベルだ。」

響 「…じゃあ、私は要らないんだね……」

提督 「誰が要らんと言ったよ。」

暁 「解体も移籍も、お姉ちゃんが許さないからね。」

ぷらずま 「此処に来たからには身の安全だけは

保証されるのです、有難く思えなのです。」

提督 「お前が居た鎮守府には三行半でも叩き付けて

縁切りすれば良いからよ。全部俺に任せな。」

響 「…有難う、司令官……」ぐずっ

提督 「泣きたけりゃ泣けば良いさ。」

響 「……有難う…うぐっ……」

提督 「辛かったろ…もう大丈夫だ。」なでなで

響 「司令官……うぐっ……」

暁 「…一度出ましょう。」

ぷらずま 「電はぷらずまが背負うのです。」

浅葱 「…君達の提督は優しいんだな。」

ー14:28ー

響 「…有難う、もう大丈夫さ。」

提督 「そうか…」

響 「…暁と電は助からなかったのかい?」

提督 「流れ着いた中で息をしていたのはお前含め

三人だけだ…傷も治った様だし浜を見に行くか?」

響 「…うん。死んでいたとしてもせめて弔いたい。」

提督 「分かった、新しい服を準備しよう。」


ー第八十章 冷徹で残酷、優しさの欠片すら…ー


ー海岸 15:19ー

提督 「…多少増えたか。」

響 「……こんなに流れ着くものなのかい?」←私服

提督 「いや…最近になってから増えた。」

響 「そうなのか…あ…あれは……」

提督 「……時雨か。」

C時雨 「…死にたい……殺して…誰か殺して……」

提督 「…」ジャキッ

響 「えっ…司令官、何をしてるんだい!?」

提督 「死にたがりを助けられる程の余裕なんて、

ウチは持ち合わせてないし助けようとも思わない。」

響 「司令官!?」

提督 「死にたがりは斃れ。」ドドォン!!!!

C時雨 「ギャッ…」ドサッ

提督 「…処分完了。」ジャコッ

ボスボスッ

響 「…司令官は残酷だね。」

提督 「優しさの欠片も無い冷徹な人間、というのが

周囲からの評価の様だ。端から興味は無いが。」

響 「……司令官…」

玉藻前 「む…御主、其の子は確か流れ着いた…」

響 「駆逐艦の響だよ。」

玉藻前 「ふむ、響か。覚えておくとしよう。」

提督 「…で、九尾のお前が何故此処に?」

玉藻前 「うむ…此奴から強い念を感じてな。」

提督 「んぁ?」

?? 「……」ぐったり

提督 「此奴は……宗谷?何故此処に灯台補給船が…」

玉藻前 「…此奴は生に対する執念が強過ぎる。」

提督 「…まだ生きてるか。ならば救う他無いな…」

響 「え?」

提督 「宗谷なんて初めて見たが…此奴、軽いな。」

響 「そんなにかい?」

提督 「あぁ…恐らく二日は食ってないだろう。」

響 「なら…なら、早く入渠させないと!!!!」

提督 「……まぁ、そうだな。」タッ

響 「速い!?」タッ

玉藻前 「…此処は本当に面白い場所じゃの。」

ー入渠場 16:01ー

提督 「……まぁ、命だけは助かる筈だ。」

響 「そうか、良かった…」

雷 「響…良かった!!!!」ギュッ

響 「うわっ…雷、如何したんだい?」

五十鈴 「アンタが居ないから不安だったのよ。」

響 「…そうか、死んだと勘違いしていたのか。」

暁 「私達が何度も説明したんだけどね…」

雷 「響…私達、生き延びられたんだよ!!!!」

響 「…うん。」

提督 「仲良き事は美しきかな…」カタカタッカタッ

浅葱 「何を調べているんですか?」

提督 「灯台補給船宗谷の轟沈記録。」

浅葱 「…え?」


ー第八十一章 宗谷と提督ー


ー16:08ー

提督 「…見つけた、最新の記録…今月十日だ。」

浅葱 「五日前…五日前ですか!?」

提督 「五日間もよく生き延びられたものだ…」

浅葱 「在籍は?」

提督 「…D提督、か。」

浅葱 「…其の提督、有名ですよ。中々見つからない

艦娘ですら容易に沈めてしまう無駄提督だって。」

提督 「…だからこんな事になったのか。」

?? 「…煩いよ、君達……」

提督 「…起こしたか、済まないな宗谷。」

??→宗谷 「…僕、君には名前を教えてないのに

どうしてもう僕の名前を知っているんだい?」

提督 「…昔、資料で見たんだよ。」

宗谷 「…何か隠してるよね?迚大事な何かを。 」

提督 「…何が言いたい?」

宗谷 「君と二人だけで話したい…二人きりで。」

提督 「…暁は浅葱さんを大本営に。ぷらずまと電は

響雷五十鈴を談話室に御案内しなさい。」

浅葱 「あ、どうも。」

暁 「軍用船の操縦は任せて。」

響 「漸く四人揃ったね。」

雷 「本当に良かったわ!!!!」

五十鈴 「…良かったわね。」

電 「談話室はこっちなのです。」

ぷらずま 「さっさと来ないと置いて行くのです。」

提督 「…宗谷、何処で話す?」

宗谷 「君の部屋なら誰も居ないんじゃないかな?」

提督 「…分かった。」

ー政一自室 17:16ー

提督 「…で、何が聞きたい?」

宗谷 「…君が隠している秘密だよ。」

提督 「……仕方が無いか。」

宗谷 「話してくれるんだね?」

提督 「…他言無用だぞ。」

宗谷 「うん。」

提督 「……俺は元々神として天界に居た。」

宗谷 「え?」

提督 「天界を追放され地上で過ごす事になったが…

特殊体質で拷問を繰り返されたり、罠に嵌められ

追放されたりと散々な生活だったよ、本当に。」

宗谷 「…そんな事が……」

提督 「その上死んでも送り返されてもう一度…

死ぬ事さえ許されない生活は苦痛だったよ。」

宗谷 「……」

提督 「剰えこの世界に飛ばされて艦娘を救えと…

私はもう地上で何年過ごしたのか全く分からん。」

宗谷 「……そんな経験を君は…」

提督 「…最初の頃は死ぬ事を見据えていたがな……

最早死ぬ事は許されない状況になってしまった。」

宗谷 「…そうなのかい?」

提督 「あぁ…私は最低限の事はする。」

宗谷 「…僕も貴方に着いて行くよ。」

提督 「そうか…分かった。」


ー第八十二章 鎮守府解体屋ー


ー執務室 19:44ー

提督 「…承認されたか。」つ書類

祥鳳 「お兄ちゃん、あの人女の子だよね?」

宗谷 「…女子が[僕]を使うって、そんなに変かい?」

提督 「いや?時雨も僕っ娘だからな。」

宗谷 「ほら。」

祥鳳 「うーん…」

提督 「一人称は人によって違うからな。」

時雨 「政一、速達だよ!!!!」バァン

提督 「何やいきなり…」

時雨 「大本営から速達で書類が来たんだよ。」

提督 「また速達でか?軍事書類は機密書類やろ?」

宗谷 「うん、そうだね。」

提督 「如何して機密書類を速達便で寄越すかねぇ…」

宗谷 「さぁ…分からないよ。」

提督 「お前さんは分からんで当然やろ…」ペリッ

ー極秘司令ー

提督 「極秘なら速達使うなや!!!!」

祥鳳 「おぉ、ツッコミ…」

ーD提督鎮守府の轟沈報告が百を超えた。ー

提督 「どんだけ沈めとんねん此奴!!!!」

宗谷 「…関西弁はツッコミに最適だね。」

ーよって貴殿に潜入捜査を頼みたい。ー

提督 「何でウチなんよ!?憲兵送れや!!!!」

時雨 「確かに変だね。」

ーこれは命令である、守らねば死刑とする。ー

提督 「極端過ぎるやろ!?何や死刑て!?」

祥鳳 「お兄ちゃんの連続ツッコミ…」

ーまぁ、期待はしないでおくよ。(笑)ー

提督 「機密文書に[笑]って付けんなや!!!!お前これ

ネットのスレとちゃうんやぞ!?阿呆やろ此奴!!!!」

宗谷 「…スレ、ねぇ……」

ー期間は十一月十五日から十一月三十日迄。ー

提督 「何で今日からやねん!!!!絶対阿呆やろ此奴!!!!」

時雨 「…大本営、割と馬鹿なんだね。」

ー大本営 元帥ー

提督 「元帥がこれじゃ不安しかねぇよ!!!!」

宗谷 「…で、行くのかい?」

提督 「あぁ…捜査序に解体もしてしまおう。」

宗谷 「なら僕も行くよ。」

提督 「…良いのか?」

宗谷 「彼奴には恨みしか残ってないよ…」

提督 「…時雨、武器庫から狙撃銃と機関短銃を。」

時雨 「序に拳銃も、だよね?」

提督 「よく分かったな、流石は俺の妻だ。」

時雨 「えへへ、行ってくるよ!!!!」ダッ

宗谷 「…僕は狙撃をするのかい?」

提督 「する事になる可能性は否定出来ない。」

宗谷 「…分かったよ。」

提督 「…久し振りに此奴を使うな。」つ蒼刀青鷺


ー第八十三章 虐めと自沈ー


ー十一月十六日 D提督鎮守府執務室 08:00ー

D提督 「…貴様等が今日から泊まる研修生か。」

提督 「はい、お世話になります。」通常版軍服

宗谷 「宜しく御願いします。」私服

D提督 「…君は私服で来たのか?」

宗谷 「僕には軍服がまだ無くて…」

提督 「彼の軍服は今回の研修を修了してからの支給

との事です…この場はどうか御容赦頂きたく。」

D提督 「…まぁ、構わん。ほれ、部屋の鍵だ。」

提督 「有難く。」

D提督 「この鎮守府では余計な事はするなよ。」

提督 「肝に銘じておきます。」

D提督 「ほれ、用は済んだろ?出てけ。」

提督 「…失礼します。」チャッ

宗谷 「…失礼します。」パタン

D提督 「…今日は誰を嬲ろうか……」ニヤァ

ーD提督鎮守府廊下 08:11ー

提督 「…黒だな。」

宗谷 「もう分かったのかい?」

提督 「分かるさ。」

D睦月 「この屑!!!!」ゲシッ

D卯月 「役立たずっぴょん!!!!」ゲシッ

D吹雪 「本っ当に使えないですね。」ゲシッ

択捉 「…痛い…辞めて……」ボコボコ

宗谷 「あ…あれは……」

提督 「海防艦択捉だな。」カツカツ…

宗谷 「…酷い。」タッ

提督 「そこの駆逐艦三名、何をしている。」

D睦月 「此奴使えないにゃし!!!!」ゲシッ

D卯月 「直ぐに大破するっぴょん!!!!」ゲシッ

D吹雪 「潜水艦の一隻も落とせないなんて…」ゲシッ

提督 「…成程、君達はそういう人種か。」スラッ

D睦月 「…何で刀を抜いてるの?」

提督 「そりゃあ…」

提督 [お前達を斬る為だろうが。]狂化

D吹雪 「ひっ…」

提督 [お前達がしているのは虐めだ。暴行だ。

迫害だ。殺人だ。ならば私が人斬りとなり貴様等を

斬ったとしても貴様等がしている事と何ら変わりは

しない…さぁ、覚悟せよ。楽に逝けると思うなよ。]

D卯月 「ぼ、暴論だっぴょん!!!!」

提督 [貴様等の言い分の方が暴論だ…]チャキッ

D吹雪 「相手は人間…なら、撃ってしまえば…」

提督 [遅いわ。]ズバッ

D吹雪 「ぎゃあああ…」ドサッ

提督 [残り二人…]ブンッ

D卯月 「く、来るなっぴょん…」ショワァァ

提督 [漏らしたか…恐怖は役に立たんぞ。]ズバッ

D卯月 「ぎゃあああぁぁぁ…」ドサッ

提督 [後一人…]ブンッ

D睦月 「…どうせ死ぬなら……」チャキッ

バンッ

提督 「…自害したか。」狂化解除


ー第八十四章 彼女の本意ー


択捉 「……」

提督 「大丈夫か?」キンッ

択捉 「…何で……」

提督 「ん?」

択捉 「私が虐められてれば、先輩は助かるのに!!!!」

提督 「…先輩……占守型か。」

択捉 「何でこんな事をしたの!?」

提督 「……お前達を助ける為だ、択捉。」

択捉 「えっ…」

宗谷 「僕達は君達を助けに来たんだ。」

択捉 「…御免なさい、そうとは知らずに……」

提督 「構わない。先輩思いの良い子じゃないか。」

択捉 「御願いです、先輩を助けて下さい!!!!」

提督 「…何処に居るか、目星は?」

択捉 「地下牢に監禁されています。」

提督 「…案内しろ。」

択捉 「此方です!!!!」タッ

ー地下牢 09:00ー

択捉 「此処です。」ギィィ…

提督 「…これは、酷い臭いだ。」

宗谷 「…もしかすると、アレの被害者がまた……」

提督 「…そういう事か…急ぐぞ。」タッ

ー101号牢ー

提督 「此処は空か。」

宗谷 「隣に居る!!!!」

ー102号牢ー

占守 「……」放心

提督 「これは酷い…」

択捉 「先輩…そんな……」

宗谷 「遅かったみたいだ……」

提督 「…宗谷、拳銃。」

宗谷 「えっ…うん……」つUSP40

択捉 「えっ…提督!?」

提督 「……」バァンバァン!!!!

宗谷 「戸の鍵を壊してる…」

提督 「ノックしてもしもーし!!!!」バコォン

ガシャーン!!!!

占守 「……!?」ビクッ

提督 「…魂は戻ったか?」

占守 「嫌っす…もう無理矢理は嫌っす……」ポロポロ

提督 「…お前に二つ選択肢をやる。」

占守 「へ?」

提督 「一つ目、此処で銃殺処分を受ける。」

択捉 「提督!?」

提督 「二つ目、俺達や択捉と共に此処から逃げる。」

占守 「……」

提督 「何方を選ぶか…お前に任せる。」

占守 「…妹や後輩も、助けてくれるっすか?」

提督 「あぁ、端から其の心算だ。」

占守 「…こんなので良ければ、宜しくっしゅ。」

択捉 「先輩…」

提督 「分かった、生きて此処から脱出するぞ。」

占守 「了解っしゅ!!!!」

択捉 「良かったぁ…」

宗谷 「…提督、隣に死体が。」

提督 「……身元確認、するか。」

択捉 「えっ…身元確認?」

占守 「まさか…」

宗谷 「うん…」

提督 「まだ海防艦と決まった訳では無いがな。」


ー第八十五章 生きる海防死ぬ海防ー


ー103号牢ー

提督 「…海防艦、八丈だな。」

占守 「八丈…そんな……」

提督 「…襲われた痕跡と首に絞められた跡。」

宗谷 「…最悪のパターンだね。」

提督 「……潰したら運び出すぞ。」

占守 「…どうして?」

提督 「…せめて墓には入れてやりたいんだよ。」

択捉 「…お墓に?」

提督 「弔いたいんだ…此奴が悪い訳じゃない。」

占守 「…そうっすね。」

択捉 「…分かりました。」

提督 「…南無阿弥陀仏。」合掌

宗谷 「…隣、見ようか。」

ー104号牢ー

占守 「あっ…国後!!!!」

国後 「占守お姉ちゃん…助けて。」ジャラッ

提督 「下がれ、今扉を蹴破る!!!!」バァンバァン!!!!

国後 「うん。」

提督 「ノックしてもしもーし!!!!」バコォン!!!!

ガシャーン!!!!

提督 「今鎖を外す…」カチャカチャ…

占守 「良かった、無事だったっすね!!!!」ギュッ

国後 「お姉ちゃん…」

択捉 「先輩…」

提督 「外れた!!!!」カチャッ

占守 「隣も見るっす!!!!」

提督 「あぁ。」

ー105号牢ー

提督 「此処は空か!!!!」

宗谷 「106も空だった…他を当たる他無いよ。」

提督 「…一旦外に出るか。」

?? 「待て!!!!」

提督 「…何の心算だ、長門。」

D長門 「其の海防艦三人を此方に渡せ…然もなくば

此奴を目の前で殺す。さぁ早く渡せ侵入者め。」

対馬 「…うぅ……」

択捉 「対馬!?」

対馬 「お姉ちゃん…」

提督 「…海防艦を人質に使うとは…汚いぞ長門。」

長門 「何とでも言え!!!!」

提督 「…だからロリコンだって言われんだろうが。」

長門 「なっ…誰がロリコンだ誰が!!!!」

提督 「お前以外に誰が居る。」

長門 「何だと!?」パッ

提督 「隙を見せたなロリコン!!!!」バァンバァン!!!!

長門 「グアッ!?」

提督 「貴様は彼岸で後悔するんだな!!!!」バァン!!!!

択捉 「対馬、大丈夫!?」

対馬 「お姉ちゃん…怖かった……」

宗谷 「僕達が護るから。」

対馬 「…宗谷のお姉ちゃん……」

択捉 「あっ…言われてみれば確かに宗谷さんだ!!!!」

宗谷 「漸く気付いたのかい?」

国後 「あたし達沈んだって聞いたもん…」

提督 「…宗谷はラバウルの浜に流れ着いたんだ。

話すと長くなるから外でゆっくりと話すよ。」


ー第八十六章 暗殺者と海防艦ー


ー11:20 D提督鎮守府内の小部屋ー

提督 「…という経緯があって此処に来た。」

国後 「…大本営からの刺客……」

占守 「吃驚っしゅ。」

対馬 「…司令官は嫌い…貴方は好き。」

択捉 「…殺りましょう、司令官を。」

宗谷 「うん、彼奴を殺って帰ろう。」

提督 「…現状未確認の海防艦は石垣、松輪、佐渡…

後平戸と福江の五名か。急いで探しに行くぞ。」

択捉 「はい!!!!」

ー11:45ー

提督 「…此処が怪しいな。」ゴンゴン

宗谷 「此処だけ材質が違うね。」

提督 「…蹴破るぞ。」

択捉 「え?」

占守 「下がるっす!!!!」

提督 「ノックしてもしもーし!!!!」ボコォン!!!!

ガシャーン!!!!

提督 「隠し牢…探すぞ!!!!」

ー107号牢ー

提督 「牢番は続き番号か。中は…空だな。」

宗谷 「こっちだ!!!!」

提督 「居たか!!!!」ダッ

ー108号牢ー

宗谷 「此処に二人居る!!!!」

提督 「ありゃあ…日振と佐渡じゃないか!!!!」

択捉 「佐渡!!!!無事!?」

提督 「ノックしてもしもーし!!!!」バコォン!!!!

ガシャーン!!!!

提督 「こりゃ酷いな…二人共衰弱してる。」

宗谷 「もしかしたら、何も食べてないのかも…」

提督 「兎に角択捉と国後は此処に残れ!!!!」

国後 「何で!?」

提督 「衰弱している以上は連れ出せない!!!!」

択捉 「成程、分かりました!!!!」

国後 「重湯を作って待ってるわ!!!!」

提督 「急いで他の生存者探しだ!!!!」

ー109号牢ー

提督 「…居る!!!!」

占守 「石垣!!!!大丈夫っすか!?」

提督 「ノックしてもしもーし!!!!」バコォン!!!!

ガシャーン!!!!

占守 「石垣!!!!石垣!!!!」

提督 「まだ息は有る、少し落ち着け!!!!」

大東 「…あたい、助かるのかい?」

提督 「あぁ、大丈夫だ。」

大東 「…そっか……あの提督から、逃げられる…」

提督 「遅くなって済まない…兎に角、二人を108に

移さないと。占守、石垣を頼めるか?」

占守 「任せるっしゅ!!!!」

提督 「急ぐぞ!!!!」

ー108号牢ー

宗谷 「…残りの牢は空だったよ。」

提督 「当たりは二つだけか。」

宗谷 「…四人を治さないと。」

提督 「…あぁ。」


ー第八十七章 敵兵出現ー


ー13:10ー

提督 「…容態は安定、意識は戻らずか。」

択捉 「多分入渠させないと起きないよ…」

大東 「…あたい、まだ恵まれてたんだね……」

宗谷 「…誰か来る。」

提督 「…宗谷は武装して戦闘態勢。俺は見に行く。」

宗谷 「了解。」

択捉 「司令、危険ですよ!?」

提督 「お前達の命も護れない奴は提督じゃない。」

宗谷 「…!?」

提督 「行って来る。」タッ

占守 「…格好良いっしゅ……」

ー牢通路 13:17ー

提督 「…何者だ。」スラッ

D武蔵 「其れは此方の台詞…貴様、何故此処に。」

提督 「大本営から令状だ。」

D武蔵 「駆逐艦三人の死体が転がっていたが…成程、

貴様の仕業か。ならば今此処で葬ってくれるわ。」

提督 「口に出す前に行動に移せ。」背後

D武蔵 「なっ!?」

提督 [斬捨御免。]ズバッ

D武蔵 「なっ…この武蔵が…遅れた……だと…」ドサッ

提督 「…もう一人…いや、二人か……」

D時雨 「…察したのかい?大したものだね。」スッ

D夕立 「覚悟するっぽい……」スッ

提督 「忠犬と狂犬か。相手してやる…来い。」

D夕立 「行くっぽい!!!!」ダッ

提督 [斬捨御免。]ズバッ

D夕立 「ギャンッ…グルルルル…」ヨロッ

提督 [流石は狂犬、この程度では死なんか。]ブンッ

D時雨 「二人居る事、忘れてないかい!?」ダッ

D夕立 「ポイ!!!!」ダッ

提督 [打刀はもう一振有るんだが?]スラッ

D時雨 「えっ!?」

D夕立 「ぽいっ!?」

提督 [斬捨御免。]ズババッ

D時雨 「僕の…判断、ミス……」ドサッ

D夕立 「そん…なぁ……」ドサッ

提督 「…世の中、そう甘くは出来てない。」ブンッ

提督 「二振持ちである事を最後まで見抜けなかった

お前達の負けだ…諦めて彼岸に行く事だな。」

提督 「…戻るか。」カツカツ…

ー108号牢 13:33ー

提督 「…起きたか。」

佐渡 「…司令、助かったぜ。有難う。」

日振 「あの、日振、助かりました…司令、有難う。」

石垣 「提督、其の…有難う、助かったわ。」

提督 「…其の言葉は私より択捉達に言いなさい。

私は救う切掛を作ったに過ぎないのだから。」

択捉 「そんな、司令!!!!謙遜が過ぎます!!!!」

占守 「占守は捕まってたっす!!!!司令が居なかったら

今頃は死んでたかもっす!!!!謙遜し過ぎっしゅ!!!!」

提督 「…そうだろうか……」

宗谷 「そうだよ。」

提督 「…そうか。」


ー第八十八章 最後の海防艦ー


提督 「この辺りで聞いておきたいんだが…姉妹艦で

まだこの場に居ないって子は居るか?」

占守 「居ないっしゅ…八丈は…もう……」

提督 「…済まないな……択捉は如何なんだ?」

択捉 「えっと…この鎮守府に居たのは私と佐渡、

其れと対馬に松輪…って、松輪が居ない!!!!」

提督 「まさか…奴に連れて行かれたか!?」

日振 「日振と大東…司令、昭南が居ない!!!!」

提督 「…そうか、空き牢の一つに二人が居て、既に

連れて行かれたとすれば辻褄が合う…急ぐぞ!!!!」

ーD提督鎮守府執務室 14:29ー

昭南 「むぅ!!!!むー!!!!」拘束

松輪 「むぅー!!!!」拘束

D提督 「クックック…さて、ロリの身体を楽しむと

するか…大本営からの研修生などお構い無しだ…

さぁ、先ずは服を脱がさねばならんなぁ…」ニタァ

…ノックしてもしもーし!!!!

D提督 「ん?」クルッ

バコォン!!!!

D提督 「なぁっ!?特注の極厚防音扉がぁ!?」

昭南 「むぅ!?」

松輪 「むー!!!!」

提督 「…おい糞キモロリコンデブ爺……手前なァ…

ケッコンも糞もねぇ海防艦に手ェ出すたァよォ…

一体如何いう了見だァ?言ってみろよ…」ブチ切れ

D提督 「貴様は、大本営からの研修生…何故!?」

提督 [先に質問に答えろや糞野郎!!!!]スラッ

D提督 「なっ…刀!?」

提督 [質問には真面に答えろ…でなくば貴様の首は

胴体に別れを告げる事になるからな…早く言え。]

D提督 「ひっ…私の艦娘だ!!!!私の好きにして何が

悪いと言うんだ!!!!言い給え!!!!何処の何が悪い!!!!」

提督 [ケッコンもしてねぇ様な未成年に手ェ出して

タダで済むわけねェだろうがこの阿呆がァ!!!!]

D提督 「何だと!?」

提督 [手前がしたのは強姦、セクハラ、拉致監禁、

殺人、殺人未遂、軍規違反、鎮守府の私有化……

そして未成年への性行為。以上の犯罪行為によって

手前は死刑処分だ。首を落としてやる、喜べ。]

D提督 「証拠は…証拠は有るのか!?」

青葉 「ども、天井裏から青葉ですぅ!!!!」カポッ

D提督 「何っ!?」

提督 「首尾は?」

青葉 「ガッツリ撮れてます!!!!これだけ証拠が有れば

一発死刑間違い無しです!!!!」

提督 「上々だ、後で何か奢ろう。」

青葉 「有難う御座います!!!!では!!!!」パタン

提督 「…さぁ、終わらせよう。」


ー第八十九章 提督暗殺ー


D提督 「…貴様……」

提督 [さぁ…年貢の納め時だぞ。]チャキッ

D提督 「…来い!!!!」

昭南 「むぅ!?」

提督 [何の心算だ…悪足掻きは辞めろ。]

D提督 「さぁ、斬れるのなら斬ってみるが良いわ!!!!」

昭南 「むぅ!!!!むー!!!!」

提督 […人質か、姑息な真似を。]

D提督 「さぁ斬れ!!!!刺せ!!!!昭南も巻き添えだ!!!!」

提督 […宗谷。]

宗谷 「うん。」チャキッ

D提督 「へ?」

提督 [残念だったな…狙撃手も居るのだよ。]

宗谷 「…死ね。」バァン!!!!

ドサッ

昭南 「むぅ!?」ボテッ

提督 「大丈夫か?今解く…」カチャカチャ

択捉 「もう大丈夫…」

松輪 「むぅ…」

提督 「よし、解けた。」

昭南 「ぷはっ…提督さん、有難う御座います。」

択捉 「ほら、解けたよ!!!!」

松輪 「お姉ちゃん、有難う。司令も有難う。」

提督 「…あぁ。良かった。」

宗谷 「…帰ろう。」

提督 「おう。」

ー海路 15:49ー

提督 「……」

宗谷 「…提督。」

提督 「ん?」

宗谷 「僕は…灯台補給船で良いのかな?」

提督 「…お前は如何したいんだ?」

宗谷 「…僕は……やっぱり雑用輸送艦かなぁ…」

提督 「…二段改装で行けるぞ。」

宗谷 「…有難う。」

提督 「……少し速めに帰るか。」

宗谷 「うん。」

ー軍港 18:44ー

提督 「ただいま。」

雲龍 「お帰りなさい。」

大鳳 「待ってました。」

提督 「お、大鳳…喉の調子は?」

大鳳 「かなり良くなりました…有難う御座います。」

提督 「そうか、良かった。」

霞 「そんな事より、アンタ返り血浴び過ぎよ!!!!」

曙 「洗濯するから早く中に入って!!!!」

提督 「急かすな…海防艦が十人居るんだから。」

霞 「はぁ!?十人!?」

曙 「何を如何すればそんな人数になるのよ!!!!」

提督 「D提督、強姦、救助。」

霞 「御免なさい…」

曙 「…早く中に入りなさい。」

提督 「疲れた…」

宗谷 「…君は、僕の秘密を知ったら…どんな反応を

するんだろうか…僕は少し、心配だな。」ボソッ


ー第九十章 宗谷の秘密ー


ー十一月十七日 工廠 08:43ー

提督 「…報告はこれで良しっと……」カタカタッ

宗谷 「…来たよ。」

提督 「ん…じゃあ、一段階目…やるか。」

宗谷 「うん…けど、何が起きても…驚かないでね?」

提督 「あぁ…大丈夫だ。」

ー10:22ー

宗谷(南極観測船) 「南極観測船、宗谷よ。」

提督 「…服はオレンジ基調か。」

宗谷 「えぇ。」

提督 「…性格も変わるのか。」

宗谷 「えぇ…私の、誰にも話してない秘密。」

提督 「…さて、もう一度、だな。」

宗谷 「うふふっ、分かったわ。」

ー12:01ー

宗谷(雑用輸送艦) 「…雑用輸送艦、宗谷。」

提督 「…青基調、十四年式拳銃持ちか。」

宗谷 「うん。」

提督 「…クーデレ、僕っ娘、通常版のループか?」

宗谷 「多分、そう。詳しくは、知らないけど。」

提督 「…良いじゃないか。」

宗谷 「そうかな?」

提督 「あぁ。」

宗谷 「…そっか。」

提督 「……可愛いよ。」

宗谷 「……!?」///

提督 「君は可愛い。其れに仕事もしてくれる。」

宗谷 「提督!?」

提督 「絶対君を沈めさせはしない。約束する。」

宗谷 「……提督の、部屋に行きたい…」

提督 「…分かった。」

ー政一自室 13:27ー

宗谷 「提督、今日の昼御飯は美味しかったね。」

提督 「あぁ。龍飛の作る飯は美味い。」

宗谷 「龍飛?」

提督 「向こうで出会った。鳳翔の原型らしい。」

宗谷 「……そうなんだ。」

提督 「演習で攻撃したら腕の骨折っちまってな……

傷物にした責任を取って結婚したんだよ。」

宗谷 「…結婚したの?」

提督 「あぁ。籍までは入れられなかったが。」

宗谷 「…!?」///

提督 「…本当に良い妻だよ。」

宗谷 「…なら、私も…其の輪に、混ざっても良い?」

提督 「…あぁ。良いよ。」

宗谷 「良いんだ…駄目だと思ってた。」

提督 「…どうせなら、性格も変えられればな……」

宗谷 「…出来るかも。」

提督 「え?」

宗谷 「ケッコン出来れば…可能性、有るかも。」

提督 「…マジ?」

宗谷 「…提督の好きな色に、私を染めて頂戴。」

提督 「……」

宗谷 「…提督?」

提督 「破壊力が、凄い……」ドサッ

宗谷 「て、提督!?」

提督 「僕っ娘も良いけど、クーデレも良い…」ガクッ

宗谷 「提督!?確りして!!!!提督ー!?」


ー第九十一章 提督と愛する宗谷ー


ー13:50ー

提督 「…済まん。」

宗谷 「…良いけど……」

提督 「…行くぞ。」

宗谷 「え…何処に?」

提督 「ランジェリーショップ。」

宗谷 「えっ…」

提督 「専用品を用意する。」

宗谷 「…!?」///

提督 「行くぞ。」

宗谷 「…うん。」

ー政一自室 21:44ー

提督 「…似合ってるよ。」

宗谷 「……サファイア…今の服と同じ青だね。」

提督 「此の前偶掘り当てた天然物だ。」

宗谷 「…提督って、運が良いんだね。」

提督 「あぁ…こんなに綺麗で可愛い妻がまた一人

増えたんだからな。本当に運がいいんだろうな。」

宗谷 「…綺麗なの?可愛いの?」

提督 「両方。」

宗谷 「あはは…提督らしいや。」

提督 「…そうだ、俺の名前まだ教えてない。」

宗谷 「あ…確かに。」

提督 「…俺の名は諫田政一だ。」

宗谷 「…なら、政一って呼ぼっかな。」

提督 「良いんじゃないか?皆そう呼ぶしな。」

宗谷 「…政一、僕を大切にしてね?」

提督 「当然だ。」

宗谷 「…あははっ!!」

提督 「…いきなり如何した……」

宗谷 「最初はあんなに険悪だったのにね。」

提督 「…あー、確かに。」

宗谷 「何が切掛だったんだろうなぁ…」

提督 「…何でも良いじゃないか。」

宗谷 「…そうだね。」

提督 「…酒が呑みたくなったな。」

宗谷 「…僕がお酌しようか?」

提督 「いや、一緒に呑みたい。」

宗谷 「え…僕と?」

提督 「正確には[宗谷を味わいながら]呑みたい。」

宗谷 「…あはは、僕も勉強不足って事かぁ……」

提督 「日本人は暈して伝える人種なのさ…」

宗谷 「…じゃあ、飲もっか。」

ー十一月十八日 00:16ー

宗谷 「………」zzz

提督 「…はぁ……私のこの酒の強さだけでも何とか

ならんもんかね…如何にもならんか。」トクトク…

加賀 「…貴方、一人で晩酌中なの?」

提督 「いや、宗谷と共に夜を過ごしていたのだが…

宗谷が先に寝てしまってな。一人になったのさ。」

加賀 「…お酌、しましょうか?」

提督 「いや、共に呑んで欲しい。」

加賀 「…御付き合いします、貴方の為なら。」

ー02:49ー

加賀 「……」zzz

宗谷 「………」zzz

提督 「さて、また一人になった訳だが…」トクトク…

提督 「…一人で月見酒も、悪くは無いな。」グイッ


ー第九十二章 性格と個人差ー


ー談話室 08:22ー


曙 「…だから、第一印象は最悪だったのよ。」

提督 「…そんな事も有ったな。」

霞 「でも、政一と今こうして暮らせてる訳でしょ?」

曙 「えぇ…本当に、私は幸せよ。」

提督 「…なら、良いんだが。」

霞 「…でも、貴方は本当に長生きね。」

提督 「長生きじゃない、死のうにも死ねんのさ。」

霞 「…あぁ、死んでも送り返されるんだっけ。」

提督 「…面倒な事さ。彼岸に嫌われるとはな。」

加賀 「貴方、ちょっといいかしら?」

提督 「…ん?」

加賀 「昨日…私、如何なったの?」

提督 「潰れて寝た。だから一人で月見酒さ。」

加賀 「そう…残念だわ、襲ってくれないなんて。」

提督 「何を言うかこの阿呆は…」

宗谷 「…頭が痛い……」フラッ

提督 「水飲んで中和しとけ。」

霞 「…ねぇ、昨日お酒呑んでたの?」

提督 「あぁ。」

曙 「…貴方、凄いお酒に強かったわね。」

提督 「こればかりはなぁ…この頃雰囲気酔いすら

しなくなってしまったからな…如何しようもない。」

宗谷 「…提督、噂で聞いたんだけど…普通、僕は

こんな性格じゃないって…これは一体如何して?」

提督 「性格には個人差が有る。早霜は最初精神が

不安定でな…私に依存する様になったし、長門も

精神が脆くて依存状態。霞はツンが抜けてるし…

加賀はデレデレ暁は大人。この状態ならばお前が

僕っ娘でも変ではない…まぁ、この鎮守府に居る

者は私含めて皆変わり者って事だ…気にするな。」

宗谷 「…そう、かな?」

早霜 「そうですよ。」スッ

宗谷 「うわっ!?」

早霜 「…政一、海防艦をあんなに増やして……」

不知火 「此方の仕事が増える一方です。」ぬいっ

宗谷 「何時の間に!?」

提督 「最初から居たぞ。」

占守 「…お早うっしゅ。」

提督 「遅よう、だろ?」

占守 「うっ…寝坊したのは謝るっす…」

提督 「工廠に向かいなさい。精密検査をするから。」

占守 「…了解っしゅ……」

提督 「怒ってないから、行きなさい。」

占守 「…有難うっす。」タッ

提督 「…占守と昭南、松輪は要観察だな。」

不知火 「…ですね。」

暁 「政一、電報よ。」つ電報

提督 「ん?」ガサッ

ーカイボウワタセ デナクバコロス ジュウクニチジュウジチョウドニヒキトルー

提督 「…なら、逆に殺してやりますか。」ギロッ

暁 「ふふっ…手伝うわ、最近イライラしてたもの。」


ー第九十三章 反撃暗殺ー


ー十一月十九日 墓場 09:56ー

国後 「何してるの司令?」

提督 「…八丈を弔う。」ザクッ

国後 「え…嘘だ……八丈が、死ぬ訳が……」

提督 「…奴に殺されたんだ。」ザクッ

国後 「…彼奴に……殺された?」

提督 「今日、漸く木箱が届いたからな。」ガタッ

提督 「…嘘だと思うなら、自分で確認しな。」

国後 「…嘘…何で、こんな……八丈……」

提督 「…占守と石垣も弔いに来たのか?」

国後 「へ?」

占守 「…司令、八丈は…此処に眠るっすか?」

提督 「あぁ…少しでも近くに、な。」

石垣 「…私も手伝うわ。」

提督 「……穴を掘ってくれ。箱を埋める。」

石垣 「分かったわ。」ザクッ

占守 「…八丈、ゆっくり眠るっす……」ザクッ

国後 「…八丈……御免なさい……」ザクッ

提督 「…もう少し早く向かう事が出来れば……きっと

誰も死ぬ事は無かったのだろう…済まない。」ザクッ

占守 「…もう良いっす。こうして皆で生きられる…

其れだけで占守は幸せだし皆も幸せな筈っす…」

提督 「そうか…埋めるぞ。」グゴゴッ

占守 「……」

国後 「八丈…」

石垣 「……」

提督 「……土を被せるぞ。」ゴスッ

占守 「…安らかに眠るっす。」バサバサッ

国後 「…八丈の分も生きるわ。」バサバサッ

石垣 「…八丈、御免なさい。」バサバサッ

提督 「…遅くなって済まない。」バサバサッ

占守 「…墓石を置いて、艤装も置くっす。」

提督 「……合掌、黙祷。」

占守 「……」

国後 「……」

石垣 「……」

提督 「………せめて寂しくない様に…な。」

?? 「…漸く見つけたぞ!!!!」

提督 「…あぁ?」

?? 「貴様、電報を読まなかったのか!?」

提督 「…あぁ、お前が例の。」

?? 「例の、だと……貴様、一体何様だ!!!!」

提督 「…葬儀中に何の用だ?」

?? 「…ほう、占守型か。よし、寄越せ。」

提督 「やらん、帰れ。」即答

??→E提督 「なっ…貴様、この私がE准将であると

知っての無礼か!?海防艦を渡せ政一少佐!!!!」ブチッ

提督 […煩いぞ。]スラッ

E提督 「なっ…刀!?」

提督 [斬捨御免。]ズバッ

E提督 「…!?」ガクッ

提督 「喉を斬れば肺に血が入る上血が足らなくなり

声も出せなくなる…諦めろ、貴様は死ぬ。」ブンッ

E提督 「……」ドサッ

提督 「…彼岸への片道切符、受け取れ。」キンッ

占守 「…やっぱり格好良いっす……」


ー第九十四章 闇準急と後始末ー


ー10:17ー

准尉 「…これは一体……」

提督 「…ボートに載せろ……外洋で沈める。」

准尉 「あ…あぁ……了解。」

占守 「司令…」

提督 「…彼奴、呼ぶか。」

?? 「そう言うと思って先に来たぜ…表。」

提督 「…来たか、裏。」

?? 「ん?こっちも流れ着くのか?」

提督 「あぁ。」

占守 「司令、この人は誰っすか…」

?? 「よぉ占守、俺は闇準急ってんだ。」

占守 「や、闇!?」

提督 「表と裏…分離した魂は片方に特化する。」

?? 「俺は裏に、此奴は表に。」

提督 「…俺は諫田政一と名乗っている。」

?? 「はぁ?また名前変えたのか?」

提督 「どうせだ、お前も変えれば如何だ?」

?? 「…マジか……なら、変えるか。」

提督 「…で、如何するんだ?」

??→白鷺 「お前が昔使ってた名を貰う事にする…

[白鷺]という名を。どうせ使わねぇだろ?な?」

提督 「…もう使わねぇから良いけどな……」

占守 「えぇっと…如何いう事っしゅ?」

提督 「補佐官兼戦艦、白鷺って事だ。」

白鷺 「昔は空母艤装も有ったが、解体しちまった。」

占守 「ほえー…凄いっす…」

国後 「ちょっと、この人は信頼出来るの!?」

提督 「分離したとは言えども一応は俺だ。」

白鷺 「馬鹿な真似はしねぇから安心しな。」

石垣 「何だか話し方が違いますね。」

提督 「まぁ、昔は今よりは明るい性格を[演じてた]

からな。其の時の口調が強く残っているのさ。」

准尉 「…私の負担が少し軽くなりそうだな。」

提督 「だな。」

不知火 「政一、電報で…何故貴方まで此処に?」

白鷺 「向こうが多少安定してな、戦力過多で左遷…

で、此処に送り込まれたって訳だ。何ともなぁ…」

不知火 「…そうなんですか。」

提督 「一応白鷺と改名したからな…青葉、拡散。」

青葉 「了解です!!!!」ガサッ

占守 「ひょわっ!?」

白鷺 「…相変わらず潜んでんなぁ……」

提督 「…白鷺、どうせだから今夜呑むか?」

白鷺 「…酒か…どうすっかなぁ……お前は死ぬ度に

酒に強くなるから付き合い切れねぇんだよなぁ…」

提督 「…えっマジ?」

白鷺 「マジ。」

提督 「…知らんかった。」驚愕

白鷺 「知っとけよ…」呆れ


ー第九十五章 提督手製の刃物ー


ー政一自室 20:48ー

提督 「…」スラッ

白鷺 「…また新しく鍛造してたのか。」

提督 「人斬りには斬る為の打刀が要るからな。」

白鷺 「…不知火にも一振やったんだって?」

提督 「あぁ…何故か翡翠の色になったが。」

白鷺 「…それで翠刀って付けたのか。」

提督 「あぁ…私が鍛造すると何故か色が着く。」

白鷺 「…何でなんだぁ?」

提督 「此方が聞きたい。」

白鷺 「…あぁ、確かミズノも色着いてたな。」

提督 「彼奴改名したぞ。」

白鷺 「あ、マジで?」

提督 「片仮名を漢字にな…」

白鷺 「おぉ、マジか。」

提督 「後は大鳳が美穂に改名…した後に大鳳着任。」

白鷺 「マジで!?」

提督 「あぁ…三日空いていたかどうかも分からん…」

白鷺 「…うわぁ……割と限だったんだなぁ…」

提督 「着任数も限界限限ではあるがな。」

白鷺 「あ、そうだ…包丁も造ってんだって?」

提督 「あぁ…柳葉に出刃と三徳だな。」

白鷺 「刀身の色は?」

提督 「……出刃は綺麗な紅に染まりました。」

白鷺 「何で!?」

提督 「三徳は蒼に…柳葉は黒に。」

白鷺 「だから何でなのさ!?」

提督 「コレガオレニモワカラナイ…ダカラフシギ、ウン…」

白鷺 「えぇ…」

提督 「普通の金属使ったんだけどなぁ…」

白鷺 「…お前ヤバいな。」

提督 「……で、もう一振鍛造してみたんだ。」

白鷺 「え、マジ?」

提督 「マジ。で、其れがこれ。」つ打刀

白鷺 「お、マジか…どれどれ…」

提督 「……」

白鷺 「…なぁ、これ…何で紅いのさ?」

提督 「…血を浴び過ぎて刀が染まったっぽい。」

白鷺 「…いや……いやいやいや…何でだよ!!!!」

提督 「俺が聞きてぇわ!!!!」

白鷺 「…で、何て名を付けたんだ?」

提督 「…[紅刀紅魔]…紅い魔物は血を吸いたがる。」

白鷺 「…マジか。」

提督 「お前にやるよ。」

白鷺 「はぁ!?」

提督 「…其奴にはまだ主人が居ない…お前がなれ。」

白鷺 「…お、おう……」

提督 「…さて、遅くなってしまったな……呑むか。」

白鷺 「…あぁ。摘み、用意するよ。」

提督 「なら私は秘蔵の酒でも持って来ようかね…」

白鷺 「ほう、楽しみだな。」


ー第九十六章 宵闇型の未成艦ー


ー十一月廿日 工廠 10:50ー

白鷺 「表は本当に酒に強過ぎるんだよ…」二日酔い

提督 「……諦めろ、神の悪戯だ。」

白鷺 「…本物の神が其れを言うかっての。」

提督 「だな。」

白鷺 「…なぁ、宵闇型の未成艦、覚えてるか?」

提督 「…[常闇]と[夜闇]だな。」

白鷺 「あぁ…死神って奴から聞いたんだが、どうも

あの二人はお前との繋がりをよく覚えてなかった

らしく、其れが原因で建造出来なかった様だ。」

提督 「月日が経てば記憶も薄れる…無理もないか。」

白鷺 「…まぁ、今は思い出しているらしいが…表、

彼奴等の建造って、如何にか出来ないのか?」

提督 「…可能だが、練度関係がな。」

白鷺 「…可能なら、建造して欲しい。」

提督 「…仕方無かろう。」

建造妖精 「…任せて。」

ー8:00:01ー

ー8:00:02ー

提督 「…大和型クラスか…寝るか。」

白鷺 「…あぁ……糞が、二日酔いで吐きそうだ…」

提督 「…寝ろ。」

ー18:53ー

?? 「……えっと…」キョロキョロ

?? 「…此処……何処?」

工廠妖精 「此処はラバウル、君達は建造艦。」

?? 「……そっか。」

?? 「あ、あの人…あの人だよ、恩人さん。」

提督 「……」ガッチャンコンガッチャンコン

?? 「……何、してるの?」

工廠妖精 「アレね…金網織ってる。」

?? 「え…金網?」

提督 「……」ガッチャンコンガッチャンコン

工廠妖精 「茶漉の網が壊れちゃったから。」

提督 「……これで茶漉に使う分の網は足りるな…

ならそろそろ切るか…」ジャキッジャキッジャキッ

?? 「………」

?? 「あの、此処の提督さんですか?」

提督 「……そうだが?」ジャキッジャキッジャキン

??→常闇 「えっと…私、常闇です。」

提督 「…そうか、建造が終わったのか。」ジャキッ

?? 「………」

提督 「宵闇型ではなく、常闇型になったとか。」

常闇 「はい…常闇型戦艦一番艦です…で、この子が

妹の夜闇…二番艦です。これからこの拙い姉妹を

どうか宜しく御願い致します、提督さん…」

??→夜闇 「……宜しく。」

提督 「…あぁ、宜しく…よし、茶漉は出来たな。」

夜闇 「……何、してるの?」

提督 「茶漉と灰汁取りの修理…面倒な仕事さ。」

夜闇 「……大変そう。」

提督 「大変さ。」ガッチャンコンガッチャンコン


ー第九十七章 常闇型ー


ー談話室 20:14ー

宵闇 「……私達の未成艦ねぇ…」

薄闇 「…何か実感湧かないなぁ……」

暗闇 「…聞いた事も無かったよ……」

夜闇 「………仕方無い。」

常闇 「私達は当時提督さんの事を殆ど忘れていて…

其の所為で想いが具現化出来なかったと。」

薄闇 「へぇ…」

暗闇 「姉妹艦かもしれなかった縁で教えてあげる…

提督の名前は[諫田政一]って言うの…階級は少佐。」

常闇 「…諫田政一少佐?」

暗闇 「あの人直ぐに死ぬし名前変えるし別の世界に

勝手に消えてくし敵と看做せば容赦無く殺すし

根っからの戦闘狂だし深海棲艦でもボコせるし

其の割には凄い優しいから直ぐに女連れて帰るし…」

夜闇 「……凄い、矛盾…」

常闇 「そんな人に、奥さんなんて居ないよきっと。」

暗闇 「何ですって?」キラッ

宵闇 「今の言葉、もう一度言って?」キラッ

薄闇 「…手前今何つったおい……」キラッ

夜闇 「……御免なさい…」

提督 「…確か七、八割位とケッコンしてるぞ。」

常闇 「嘘でしょ?」

不知火 「本当です。」ぬいっ

常闇 「ふぇっ!?」

不知火 「不知火は勿論の事、暁や曙、加賀さんに

長門さん、宗谷さんやあきつ丸さん…更に言えば

早霜時雨に夕立文月、日向さんや大鳳さん…後は

球磨型の五人に龍驤さん、鳳翔さんと龍飛さん。」

提督 「其の他多数の艦娘とケッコン…一部は結婚。」

常闇 「……普通じゃ有り得ない…何でなの?」

提督 「告白を断らずに受け入れ続けてこうなった。」

夜闇 「………誑し…」

不知火 「えぇ、誑しです…が、其の誑しを好いて

こうして着いて行く物好きが多数…なので、この

鎮守府では変な事をしない方が良いですよ。」

常闇 「…はい。」

占守 「司令!!!!」ぴょこっ

提督 「ん?」

占守 「其の…えっと……結婚したいっす!!!!」

提督 「練度上げな…お前の見た目では流石にな……」

占守 「……でも!!!!」

提督 「……頼むから。」

占守 「…じゃあ、婚約で良いっす。」

提督 「…分かった、明日な。」

国後 「…司令、あたしも!!!!」

提督 「…明日だ、明日…」

石垣 「提督、私も御願い。」

提督 「……明日な…」ぐたっ

常闇 「…もしかして、政一さんって苦労人?」

不知火 「えぇ…苦労人です。」

夜闇 「………苦労、してるね。」


ー第九十八章 愛情と資金ー


ー十一月二十一日 政一自室 08:00ー

提督 「…そろそろ行くか。」←シャツ+長ズボン

占守 「司令!!!!」バァン!!!!

提督 「分かってる分かってる…行くぞ。」

ー談話室 20:30ー

占守 「占守がお嫁さん…にひひ……」キラッ

国後 「あたし、八丈の分も幸せになるわ…」キラッ

石垣 「…幸せに、なるんだから。」キラッ

提督 「……金が消えるな…」

不知火 「政一、あの時の電報です。」

提督 「ん…」ガサッ

ーニンムゴクロウ ホウシュウトシテカンムスヲイセキスル ウケイレジュンビヲセヨー

ートウチャクハジュウイチガツニジュウニニチゴゼンハチジデアルー

提督 「……面倒な…」

ー十一月二十二日 軍港 08:30ー

提督 「…まだ来ねぇ……」

准尉 「どうやら一時間程遅れるそうだ…」

ー09:15ー

提督 「まだ来ねぇのか…」

暁 「十時に着く予定だって。」

ー10:11ー

提督 「待ってられっかァ!!!!」バコォン!!!!

早霜 「…約四時間遅れの様です。」

ー12:10ー

海兵 「済みません遅れちゃって…あれ?」

提督 「…………[遅れちゃって]、だと?」ギロッ

海兵 「あっ…」

提督 「人を四時間待たせた上での一言目が其れか!?

人を嘗めんのも大概にせぇや糞野郎共がァ!!!!」

海兵 「申し訳有りません!!!!」

提督 「…で、艦娘は?」

海兵 「この子です。」

?? 「……」

提督 「……U-511か。」

海兵 「この子だけではないのです。」

提督 「は?」

?? 「………」

?? 「…はぁ……」

提督 「…明石と夕張……工廠組か。」

海兵 「…御願い出来ますか?」

提督 「…引き取ります。」

海兵 「どうも…出港!!!!」

提督 「……さて、如何するか……」

ー工廠 13:00ー

工廠妖精 「三人共問題点は無いですね。」

提督 「だろうな…」

??→ゆー 「…あの……私は、ゆー…です……」

??→明石 「…工作艦、明石。」

??→夕張 「あの、えと、其の、夕張です…」

提督 「…提督の諫田政一、少佐だ。」

明石 「うわ…少佐が上司とか…うわぁー……」

提督 「…今着ている軍服は新しい物だ。」

ゆー 「…新しい?」

提督 「古いのはこんなだ。」つ勲章塗れの白軍服

明石 「はぁ!?」

提督 「少佐だからと甘く見ないように。」

明石 「…はい……」


ー第九十九章 この先もずっとー


ー13:20ー

提督 「…さて、明石君…君は不服の様だな?」

明石 「当然ですよ…大将から少佐とか……」

暁 「政一は元々元帥よ?」にゅっ

明石 「ひゃぁっ!?」

提督 「…一月持たずに死んだろう……関係無い。」

暁 「あら、なら元神様って言えば良いのかしら?」

提督 「…追放されたんだが。」

明石 「え…え?」

不知火 「では頼りになる旦那、でしょうか?」ぬいっ

明石 「うわっ!?」

提督 「誑しだって分かってる癖に頼りになるって?」

暁 「えぇ、そうよ?」

不知火 「少なくとも感謝はしています。」

提督 「…馬鹿だな、お前達は。」なでなで

暁 「貴方に愛されるのなら馬鹿で良いわ。」

不知火 「着いて行くのには理由が有るんです。」

提督 「…そうか。」

明石 「…えっと……」

暁 「明石さん…でしたっけ?」ギロッ

明石 「ひっ…」

暁 「あまり政一を馬鹿にしないで頂けるかしら…

最悪の場合貴方を殺して他の明石を雇うから。」

不知火 「政一をあまり嘗めるなよ…」ギロッ

明石 「…ぁ……ぁぁ…」

提督 「不知火、御座り。」

不知火 「はい。」ストッ

明石 「!?」

提督 「暁、下がれ。」

暁 「…分かったわ。」スッ

明石 「!!??」

提督 「…明石、此処は他とは違う。地元の人の為に

和解と交渉を行う鎮守府だ…分かったか?」

明石 「…はい……」

提督 「今後は装備の修繕と改修を主軸に一部装備の

修理用部品の生産を頼みたい…出来るか?」

明石 「…あ、はい……」

提督 「夕張は訓練して部隊に編入するから。」

夕張 「あ、はい。」

提督 「で、ゆーは……ゆー、如何すべきなんだろ…」

ゆー 「……オリョクル、ですか?」

提督 「オリョクルはさせないあんなのは意味無い。」

ゆー 「…そうですか。」

ゴーヤ 「…ゆーでちね、ゴーヤが面倒見るでち。」

提督 「お、ゴーヤか…頼む わ。」

ゴーヤ 「その分、今日の夕飯…期待しとくでち。」

提督 「あいあい…」

ゴーヤ 「ゆー、行くでち。」タッ

ゆー 「あ…うん……」タッ

提督 「…さて、仕事するか……」

暁 「ねぇ、政一?」

提督 「ん?」

暁 「この先もずっと、宜しくね?」

提督 「…あぁ。」

ー続編に続く…ー


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SS好きの名無しさんから
2021-12-18 20:06:04

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2021-12-09 03:37:42

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