2022-07-07 08:03:13 更新

これは「とある世界に飛ばされた男[諫田政一]」の

続編です…まさか続編を出すとは……

諸注意は取り敢えず一番古いの見て下さい。

殆どの注意点は其処に書いてます。

(コピーアンドペースト?面倒です。)

今回は最初からアレなシーンかも?


ー第一章 部屋の中で…ー


ー十一月二十三日 政一自室前 04:40ー

白鷺 「…起きてるかな……入るぞ。」チャッ

提督 「…あ、鍵掛けてなかったか。」←下脱ぎ状態

白鷺 「…な……何で下に何も履いてねぇんだよ!!!!」

提督 「シャワー室でシャワー浴びてその後トイレ

行ってその後飯作って食ってるから履いてない。」

白鷺 「可笑しいだろ!!!!せめて下は履けよ!!!!」

提督 「トイレ行く時上着ないと寒いから上は着た。

けどトイレに下履いたまま入りはしないだろ?」

白鷺 「確かにトイレでは脱ぐけど!!!!履けよ!!!!」

提督 「腹減ったらさっさと食わねぇと体力消耗して

動けなくなったりするからよ。今食ってる。」

白鷺 「下を履くのなんて朝飯前だろ!!!!」

提督 「言ってなかったけど俺基本寝る時は肌着と

パンツで寝るからよ。誰か来たら別だけど。」

白鷺 「知りたくなかったぜ表のそんな情報!!!!」

提督 「…あ、食う?」つフライパン

白鷺 「食わねぇよ!!!!つか如何やって調理した!?」

提督 「簡易コンロでちょちょいのちょいと。」

白鷺 「よく有ったなガス缶使う奴!!!!」

提督 「お前、少し煩いぞ。何時だと思ってるんだ?」

白鷺 「おめーに言われたかねぇわ下脱ぎ野郎!!!!」

提督 「…あまり煩くすると不知火辺りが来るぞ。」

白鷺 「そん時にゃお前の其の姿が見られるだけだ!!!!」

不知火 「…提督……また其の様な御姿で御食事を?

控えて頂きたいと以前御話しましたが…」ぬいっ

白鷺 「うわぁ!?」

提督 「…面倒でな。」

不知火 「提督の御尊厳に関わります。」

提督 「…深夜早朝の僅かな時間だけの姿だ……」

不知火 「重々承知の上で、です。」

提督 「…全く、不知火は頑固だな。」

不知火 「…提督。」

提督 「……あいあい、分かったから扉を閉めろ。」

白鷺 「…え?」

提督 「……見られてるから、俺の下半身。」指差し

宗谷 「…!?」タッ

加賀 「…!?」クルッ

不知火 「…あ。」

白鷺 「…しまった。」

提督 「さっさと閉めろよ…」


ー第二章 在籍確認ー


白鷺 「今何人居るんだ?」

提督 「えっとだな…」

戦闘要員

戦艦

◎暗闇

○花音

大和

武蔵

○長門

陸奥

○段田

○水野

白鷺

○薄闇

○宵闇

常闇

夜闇


航空戦艦

伊勢

○日向


正規空母

○加賀

○雲龍

グラーフ・ツェッペリン


装甲空母

○美穂

○大鳳


軽空母

○鳳翔

○龍飛

○龍驤

瑞鳳


重巡洋艦

○青葉

○衣笠

利根

筑摩


航空巡洋艦

○江津


軽巡洋艦

天龍

龍田

阿武隈

○球磨

○多摩

○木曾

五十鈴

夕張


重雷装巡洋艦

○北上

○大井

○白野


駆逐艦

○暁

○不知火

○時雨

○夕立

○弥生

○文月

○曙

黒潮

島風

天津風

○ぷらずま

○電

○綾波

○叢雲

○初霜

○初雪

○霞

○吹雪



○早霜


潜水艦

○伊58

○伊19

○伊168

伊8

U-511


海防艦

択捉

対馬

佐渡

松輪

▽占守

▽国後

▽石垣

日振

大東

昭南


其の他

○あきつ丸

○宗谷

明石

ー以上 計七十九名ー

深海棲艦

ル級

タ級

リ級

ネ級

レ級

ヲ級

北方棲姫

戦艦棲姫

駆逐棲姫

空母棲姫

ー以上 計十名ー

非戦闘員

サリエル

○ヤハウェ

あかつき

しらぬい

うんりゅう

○白面金毛九尾の狐

○イリアス

○月読命

祥鳳(記憶喪失)

ー以上 計九名ー

ー総計 九十八名ー

備考 ◎…正妻 ○…ケッコン又は結婚済 ▽…婚約済

提督 「…多いな……って、宵闇と薄闇は何時来た?」

宵闇 「自力で来たわよ、十日位前に。」

提督 「…そうですか。」

?? 「…ねぇ、夜戦しない?」

提督 「しません…久しぶりの開口一番が其れか。」

?? 「ねぇ!!!!夜戦!!!!夜戦したい!!!!」

提督 「煩いぞ川内。」

川内 「……酷い。」

提督 「今はまだ五時だ。」

川内 「…はーい……」

神通 「姉さんは何時も夜戦第一ですね。」

那珂 「那珂ちゃんちょっと引くなぁ…」

提督 「…よく来たな。」

那珂 「皆のアイドルよりも、貴方と一緒がいいの。」

提督 「…そうかい。」

神通 「……今日はゆっくりしましょう?」

提督 「ゆっくりねぇ…出来そうにないねぇ……」

川内 「え?」

提督 「何故こうも面倒事を…」

ー十一月二十三日午前八時に其方に到着する。ー

ー君は大和型を譲り渡す準備を進め給え。ー

ー大本営 F中将ー

提督 「…大本営の連中は阿呆ばかりだな。」


ー第三章 死人と返り血ー


ー軍港 08:00ー

F中将 「何なんだこの鎮守府は…小さ過ぎるぞ。」

F吹雪 「ラバウルなんてこの程度ですよ。」

F中将 「…奴の姿が見えんな。」

F吹雪 「…客人を待たせるなんていい度胸ですね。」

提督 「…こんな所で何してるんだ?」←海上

F吹雪 「ひゃうっ!?」

F中将 「な、何故君は海の上に!?」

提督 「何故って、狩りに行っていたからですよ……

近頃はレ級の出現頻度が上がっていますからね…

定期的に狩らないと増える一方です。」←血塗れ

F中将 「…手紙は読んだかね?」

提督 「手紙?そんな物届いてませんよ。」

F中将 「何だと!?」

提督 「…もしかして、通常郵送で出しました?」

F中将 「当然だろう?」

提督 「ウチ速達じゃないと日数掛かりますよ。」

F中将 「はぁ!?」

提督 「通常郵送だと四日位掛かりますが…」

F中将 「そんなの聞いてないぞ!?」

F吹雪 「だから速達で出そうって言ったでしょ!?」

吹雪 「…何してんですか。」

提督 「吹雪、二体狩ったぞ。」

吹雪 「…報告しときます。」

提督 「後伝言頼む。」

吹雪 「何ですか?」

提督 「[最近増えてるから気を付けろ]って。」

吹雪 「…了解です。」タッ

提督 「吹雪、イライラしてんな。」パシャッ

F吹雪 「あ、ちょっと何処行くんですか!?」

提督 「風呂だ、風呂…こうも血塗れだと書類にまで

血が付いちまうからな…何とかして落とさねぇと。」

暁 「政一、また一人で出撃したのね!?」

提督 「お前達が傷付くよりはマシだ。」

暁 「貴方が死んだら元も子も無いでしょ!?」

提督 「はいはい…」

川内 「あー!!!!勝手に夜戦してる!!!!」

提督 「夜戦じゃねぇよ!!!!どう見ても朝だろ!!!!」

川内 「狡い!!!!」

提督 「狡かねぇだろ!!!!夜戦馬鹿!!!!」

川内 「あー!!!!夜戦馬鹿って言ったー!!!!」

提督 「実際そうだろ夜戦しか頭にねぇ馬鹿が!!!!」

川内 「夜戦だけじゃないもん!!!!」

提督 「開口一番[夜戦してる]のお前が夜戦だけじゃ

ねえってか!!!!笑わせてくれるわ夜戦馬鹿!!!!」

川内 「夜戦だけじゃなくて政一も好きだもん!!!!」

提督 「何時も夜戦夜戦で言葉に重みがねぇわ!!!!」

川内 「酷い!!!!」

F中将 「…私達は何を見ているんだ?」

F吹雪 「夜戦馬鹿とその旦那の惚気ですよ…」


ー第四章 死人と妻ー


ー談話室 08:46ー

吹雪 「…司令官、私…主人公の筈なのに……」ぐずっ

提督 「……今は泣け、誰も咎めはしない…」なでなで

F中将 「…一体彼奴は何なんだ!?」

加賀 「私達の提督で、頼れるけど女誑しの夫よ。」

F吹雪 「それ、矛盾してませんか?」

加賀 「矛盾している様で、合っているのよ。」

川内 「はぁ…提督と夜戦したいなぁ…」

F吹雪 「ちょっ!?」///

暁 「貴女じゃ絶対政一には勝てないわよ。」

川内 「えー?魚雷で一発でしょ?」

暁 「…最近の政一、帯電してるわよ。」

川内 「…え?」

暁 「政一に迂闊に近付けば電圧2000V、電流50Aの

交流電気で一瞬で気を失うし最悪死ぬわね。」

川内 「…夜戦怖い……政一怖い……」ぷるぷる

暁 「諦めなさい、今の貴女じゃ勝てないわ。」

川内 「…怖い……」

暁 「……薬が効き過ぎたみたいね。」

宗谷 「…ねぇ、政一…借りたいんだけど。」

暁 「…今は無理じゃないかしら……」

提督 「宗谷、何か有ったか?」

暁 「…あぁ、政一は地獄耳だったわね。」

宗谷 「装備に重篤な故障が起きたんだ。」

提督 「あぁ、明石はまだ慣れてないからな…」

川内 「……」

提督 「川内、起きろ。工廠に来い。」

川内 「え、あ、うん…」

提督 「何が潰れた?」

宗谷 「四十主砲。」

提督 「…長門のか。」

宗谷 「うん。」

提督 「行くか。」

宗谷 「うん。」

川内 「待って…」タッ

F中将 「…惚気おって……」

大和 「…もう少し慣らしが必要かな……」

武蔵 「……制御をもう少し学ばねばな…」

F中将 「なっ…大和型だと!?」

加賀 「貴方に此処の大和型の運用は無理よ。」

F中将 「何故無理だと決めつけられる!!!!」

加賀 「二人共[普通の大和型の艤装]が合わないの。」

F中将 「…へ?」

加賀 「一人は普通のだと脆くて、もう一人は普通の

物だと大き過ぎて使えないの。あの人が調整をして

漸く運用出来ているのよ…貴方では無理だわ。」

F中将 「…諦める他無いのか……」

吹雪 「…司令官……ニガサナイ……」ユラッ

F吹雪 「ひっ…」

吹雪 「……モウニドトニガサナイ…ズットイッショ…

ゼッタイニニガサナイ…」←後天性ヤンデレ

F吹雪 「怖い…」

加賀 「…吹雪もなってしまったのね。」

F吹雪 「…すっごい冷静……」


ー第五章 死人と工廠ー


ー工廠 09:05ー

提督 「…砲身の歪みで亀裂が発生したか。」ガチャッ

提督 「薬室にも亀裂…総取替しか無さそうだ。」

長門 「そ、そうなのか?」

提督 「幸いにも四十は予備がまだ有る…使え。」

長門 「済まない…」

提督 「…大切に使った証拠さ……これはバラすぞ。」

長門 「あぁ。」

川内 「……」

提督 「川内、雷管見せろ。」カタカタッカタッ

川内 「う、うん…」つ四連装魚雷発射管

提督 「…空圧異常、亀裂三箇所……経年劣化だな。」

川内 「えっ嘘!?」

提督 「…この調子だと神通のもヤバいな。」

川内 「あれ?那珂のは?」

提督 「彼奴は彼奴で少し前に交換して行ったよ。」

川内 「…マジ?」

提督 「記録有るぜ。」カタッ

ー雷管交換 十一月廿日 徒桜工廠ー

川内 「…えぇ……何で有るのさ…」

提督 「元神に不可能は殆ど無いも同然なのさ。」

川内 「…ほえー……」

提督 「取り敢えず神通呼んでくれ。」

川内 「はーい…」

ー09:38ー

神通 「…雷管の点検ですか?」

提督 「あぁ…実際お前が三姉妹で一番使いが荒くて

正直心配なんだよ…敵に刺して其の儘発射とか…」

神通 「……御免なさい…あの方が早くて…」

提督 「良いから出せ。」

神通 「どうぞ…」つ雷管

提督 「…ボロボロじゃねぇか……ひん曲がってるし…

穴だらけだし…そら当たらねぇよ…馬鹿だな……」

神通 「…御免なさい。」

提督 「新造品と取っ替えしかねぇよ…馬鹿……」

白鷺 「おいおい、えらく厳しいじゃねぇか。」

提督 「安全保障上大事な事だ。川内も新品取替な。」

川内 「はーい…」

提督 「…雷管製造、しないとな。」

明石 「四連装管ですか?」ヒョコッ

提督 「おう…設計図これな。」つ図面

明石 「えっ…何ですかこの設計…」

提督 「俺が調整した改良型雷管だ。」

明石 「…確かにこっちの方が便利かも…」

提督 「其の図面で五基程宜しく。」

明石 「やってみます。」タッ

占守 「司令、御電話っす!!!!」タッ

提督 「あいもしもし?」

[F中将が其方に居ると聞いたが?]

提督 「勘違いでしょう、用が無いならこれで。」ピッ

占守 「司令、占守と遊ぶっす!!!!」

提督 「ポーカー?ブラックジャック?株札か?」

占守 「賭けじゃないっしゅ…」


ー第六章 占守と提督ー


ー10:12 娯楽室ー

提督 「…で、何するんだ?」

占守 「国後石垣、司令と占守…四人で麻雀っす。」

提督 「…結局賭けかい。」

占守 「おやつの争奪戦っす…昔、八丈とやってて…」

提督 「……そうだったのか。」ガタッ

占守 「ほら、やるっしゅ!!!!並べるっすよ!!!!」ガタッ

提督 「一応先に言っておくが…もしかすると勝負

にならんかも知れん……其の時は済まん。」

占守 「了解っしゅ。」ジャラジャラ…

国後 「麻雀なんて久しぶり…まだ出来るかな……」

石垣 「うーん…私あんまり強くないんだけど……」

提督 「……天和、16000ALL。」バタッ

占守 「…へ?」

国後 「嘘でしょ!?」

石垣 「うわぁ…」

提督 「…な?だから俺は言っただろ?」

占守 「も、もう一度…今度こそ!!!!」ジャラジャラ

提督 「まぁ構わんが…」ジャラジャラ

石垣 「……如何様はしてないのね。」チャッチャッ

提督 「する訳なかろう…」チャッチャッ…チャラッ

国後 「…3の8よ。」

提督 「…此処からか。」チャッチャッ

占守 「…それなりっすね。」チャッ

国後 「…あっ……」

石垣 「…良い感じね。」

提督 「……悪い、もう一遍天和だ。」バタッ

占守 「えっ…」

国後 「……」絶句

石垣 「…飛んだわね。」

提督 「箱点で終了だな。」

占守 「うー…なら、ババ抜きで勝負っす!!!!」

提督 「良いぞ。」シャッシャッシャッシャッシャッ

国後 「…七枚よ。」

石垣 「五枚です。」

占守 「九枚っす…司令は?」

提督 「無いぞ。」

占守 「…へ?」

提督 「だから、十四枚全部揃ったから無いぞ。」

占守 「ええぇぇぇぇ!?」

石垣 「…もう強過ぎて訳が分からないよ。」

国後 「…これは降参ね。」

占守 「なら、ならなら!!!!七並べで勝負っす!!!!」

提督 「良いぞ。」

ー十分後ー

提督 「はい上がり。」つスペードの6

占守 「…スペードを止められて負けたっす……」

国後 「あー!!!!あたしスペードの5持ってたのに!!!!」

石垣 「…流石策士……」

提督 「…他に何かやるか?」

占守 「…なら、TETRISで勝負っす!!!!」

提督 「TETRIS…よし、やるか。」

石垣 「負ける未来しか見えないんだけど…」

国後 「奇遇ね、あたしもよ…」


ー第七章 提督とゲームー


ー政一自室 11:38ー

提督 「狭いのと散らかってるから注意してな。」

占守 「…銃と刀…機械も沢山……凄いっす…」

国後 「…あ、あの時の刀が有る。」

石垣 「あの時は格好よかったね。」

提督 「えっと確かこの辺に…有った。」つPS2

占守 「ふ、古いっすよ……」

提督 「まだまだ動くから問題無い、あと古いのにも

名作は割と有るもんだぜ…ほれ、TETRISの円盤。」

石垣 「…三色ケーブル、使えるの?」

提督 「娯楽室に噛ましが有るぞ。」

占守 「噛ましっすか?」

不知火 「変換器、と言えば分かりますか?」ぬいっ

占守 「ひゃわっ!?」

提督 「不知火、何か用か?」

不知火 「うんりゅうちゃんが転けました。」

提督 「行くわ、悪いけどセッティング宜しく。」

不知火 「えぇ、お任せ下さい。」

提督 「悪いけどちょっと不知火とやってて。」パタン

石垣 「…貴女って強いの?」

不知火 「そうですね…あの人には負けますけど。」

占守 「えっ…そんなに強いっすか?」

不知火 「えぇ、相当…T-spin Tripleを二連TETRISで

返された時は目の前が真っ白になりましたよ……」

占守 「……」

不知火 「なので特訓しましょう。私が相手します。」

占守 「了解っしゅ!!!!」

ー娯楽室 17:55ー

提督 「…疲れた。」

占守 「提督、やるっす!!!!」

提督 「おう。」

ー五分後ー

占守 「……」LOSE

提督 「済まん手加減ミスった。」WIN

国後 「…え?」

不知火 「言い忘れていました…私は手加減されても

勝てないんです…一応二番目には強いのですが…」

石垣 「…ほら、やっぱり負けた。」

占守 「なら、ぷよぷよで勝負っす!!!!」

提督 「おう。」

ー十分後ー

占守 「……ぁ…」LOSE

提督 「占守…せめて連鎖は組もうぜ……」WIN

国後 「十一連鎖とか普通組めないわよ…」

不知火 「…ぷよぷよだと強さは跳ね上がります。」

提督 「これでも世界ランカーには負けるんだぜ?」

国後 「嘘ランカー怖い…」

提督 「一瞬で判断して一瞬で十二連鎖…あれはもう

人間じゃねぇ、最早そういう機械だよ…」

不知火 「で、政一の世界ランクは何位程ですか?」

提督 「確か20辺りだな…直ぐ叩き落とされたが。」

石垣 「…諦めようよ……」

占守 「…勝てないっしゅ……」


ー第八章 実はずっと居た艦娘ー


ー12:33ー

提督 「……くっ…」カチャカチャ

国後 「負けない…」カチャカチャ

提督 「ぐぁー負けたー!!!!」

国後 「むふー。」

提督 「しまったな…置きミスしちまった…」

鈴谷 「あ、あのー…」

提督 「あい?」

鈴谷 「元B提督鎮守府所属、重巡洋艦鈴谷です…」

提督 「…えっもしかして十一月四日の襲撃の時の!?」

鈴谷 「は、はい…」

提督 「えっ…着任の書類回って来てたっけ!?」

不知火 「いえ、何も。」

鈴谷 「あはは…その……報告に行きそびれて…」

提督 「あぁ…成程……」

国後 「…提督、何か有ったの?」

提督 「…粗廿日放置されてた艦娘が居た……」

国後 「…やばい。」

鈴谷 「あの…今からでも大丈夫ですか?」

提督 「…取り敢えず書類は事務してる奴に回して…

艤装から調整するか、工廠行くぞ。」

鈴谷 「あ、はい…」

ー工廠 13:14ー

提督 「…汎用の物では入らんか……」

鈴谷 「…なんか、御免なさい……」

提督 「他の鈴谷の平均値に比べ身長が高く、良い物

を沢山食べたのか胸が他より大きいと来たか…」

鈴谷 「…あはは……」

提督 「参ったな…調整に苦労しそうだ……」

鈴谷 「…御免なさい。」

提督 「構わん、個人差が有るのは知っている……

取り敢えず、今日は部屋に戻って良いよ。」

鈴谷 「はーい…」パタン

提督 「姉妹艦を一度に喪ったダメージは大きいか…」

妖精さん 「え?」

提督 「…メンタル調整もしなければ……はぁ…」

妖精さん 「……」

提督 「熊野は天龍と龍田が殺ったし…最上と三隈は

俺が電気で気絶させたんだよな…」

妖精さん 「…て事は、最上達は生きてる?」

提督 「まだ居たかどうかが分からん。」

妖精さん 「でも探せば居るかも?」

提督 「可能性は有るが…」

妖精さん 「なら探そう!!!!」

提督 「…妖精、任せた。」

妖精さん 「うん!!!!」ふよよ〜

提督 「…艤装、作るか。」

ー鈴谷自室 14:00ー

鈴谷 「…熊野、漸く新しい提督に会えたよ。」

鈴谷 「大丈夫だって最上ん…あの人は優しいよ。」

鈴谷 「もう…三隈も心配し過ぎだって…」

鈴谷 「今日はもう寝よっか…お休み。」バサッ

ー机の上に三枚の写真が飾られている。ー

ー…最上、三隈、熊野の写真が。ー


ー第九章 探し物は何ですか?ー


ー食堂 15:28ー

最上 「…提督さんに会わないね。」

三隈 「あんな帯電提督は嫌いですわ。」

最上 「でも僕達は生きてるでしょ?」

三隈 「生きては…いますけど……」

妖精さん 「あ、居た!!!!」ふよ〜

最上 「ん?」

妖精さん 「あ、お茶会中?」

三隈 「えぇ、そうですわよ?」

妖精さん 「良かった…まだこの鎮守府に居た……」

三隈 「い、一体如何いう事ですの!?」

妖精さん 「鈴谷が大変なんだ!!!!」

最上 「えっ…鈴谷が?」

三隈 「鈴谷…言われてみれば確かに襲撃以来一度も

会っていませんが…鈴谷に何か有ったんですか?」

妖精さん 「詳しい事は提督から聞いて!!!!」

最上 「えっ…提督から?」

三隈 「嫌ですわあんな帯電提督!!!!」

妖精さん 「今は帯電してないよ!!!!」

三隈 「…なら……」

ー工廠 16:22ー

三隈 「…此処ですわね。」

最上 「お邪魔しまーす…」

パチチチッ…パチチチチッ……

三隈 「へ?」

提督 「……」←放電溶接中

パチチチチチチッ!!

三隈 「や、やっぱり帯電提督ですわ!!!!」

提督 「……誰だ?一体…大声を出してるのは…」

最上 「提督…僕は最上、こっちは三隈。」

提督 「あぁ、襲撃の時に気絶させた…まだ居たか。」

三隈 「で、鈴谷が何ですって?」

提督 「熊野に加えお前達も死んだと思い込んで、

精神が崩れ始めている…危険な状態だ。」カパッ

最上 「そっか…鈴谷達とは別行動だったから……」

三隈 「勘違いをするのも無理は有りませんわね。」

提督 「…俺は艤装調整で動けん、会って来てくれ。」

最上 「…部屋は?」

提督 「加賀か不知火に聞け、合鍵も持ってる筈だ。」

最上 「はーい…で、何してんの?」

提督 「放電溶接、鈴谷の艤装を調整してる。」

最上 「そっか…提督、鈴谷の事……御願いね?」

提督 「任せろ。」カポッ

パチチチチチチッ!!パチチチチッ!!

最上 「…行こっか。」

三隈 「…えぇ。」

ー食堂 17:03ー

最上 「…って事が有ったんだよ、鳳翔さん。」

龍飛 「成程…其れは大変だな。後私は龍飛だ。」

最上 「え?」

龍飛 「今日は鳳翔が仕入に出ている。」

三隈 「…訳が分かりませんわ……」

龍飛 「ふふっ…大概はそうであろうよ…」

最上 「…まぁいっか。」

龍飛 「あまりそうやって片付けるのは良くないぞ。」


ー第十章 鈴谷と最上達ー


ー17:11ー

加賀 「何でしょうか?」

龍飛 「鈴谷の部屋を探している様だ。」

加賀 「…御案内します。」

最上 「御免ね。」

加賀 「構いませんよ。」

ー鈴谷自室 17:44ー

加賀 「鍵は開いてますね、其の儘どうぞ。」

三隈 「有難う御座います。」

加賀 「いえ。」

最上 「鈴谷、入るよー。」チャッ

鈴谷 「…何?」ゴロッ

最上 「ほら、シャキッとして!!!!」

三隈 「提督が見たら何と言われるか…」

鈴谷 「…最上ん?三隈?本物!?」ガバッ

最上 「僕達は生きてるよ…」

三隈 「熊野は…残念でしたわね。」

鈴谷 「…やっぱり熊野は……」

最上 「熊野が死んだ理由、提督に聞こうよ。」

鈴谷 「……うん。」

三隈 「もう大丈夫ですわ…私達が居ますもの。」

最上 「辛かったね…もう心配は要らないよ。」

鈴谷 「…うん……」ポロッ

最上 「泣いたって良いんだよ…」

鈴谷 「最上ん…うぁぁ……」

三隈 「…もう離れ離れにはなりませんわ。」

ー18:22ー

最上 「落ち着いた?」

鈴谷 「うん…有難う。」

三隈 「落ち着いたのなら、行きましょうか。」

不知火 「御案内します。」ぬいっ

最上 「うわっ!?」

三隈 「い、何時から其処に!?」

不知火 「鈴谷さんが泣き出してからです。」

最上 「…気配薄いね。」

不知火 「これは私の長所であり短所でもあります…

一応自覚はしているのですが……」

最上 「…まぁ、良いよ。行こっか。」

不知火 「此方です、どうぞ。」

ー訓練所 19:11ー

パァン!!!!チャキッ…カチャッ……パァン!!!!チャキッ

最上 「誰か居るの?」

不知火 「青葉さんが狙撃銃訓練、白鷺さんが砲撃

訓練、提督は小銃訓練ですね。」

三隈 「…白鷺?」

不知火 「提督の分身、と聞いております。」

三隈 「そんな事が有り得るのですか?」

不知火 「提督は[有り得ない]を[有り得る]にする事に

長けている御方です…三番訓練枠です、どうぞ。」

鈴谷 「…うん。」

ー三番訓練枠 19:14ー

提督 「……」チャキッ

バババン!!!!ババババン!!!!…バババン!!!!バババン!!!!

提督 「…こんなもんか。」バババン!!!!ババババン!!!!

鈴谷 「…提督。」

提督 「…鈴谷か、待ってくれ…先に片付けないと。」


ー第十一章 鈴谷と提督とー


ー政一自室 20:11ー

提督 「少し仕事道具で散らかっているが…」

最上 「三隈見て見て、本物の日本刀だよ!!!!」

三隈 「なっ…銃刀法違反では!?」

提督 「…其奴はもう十八体の深海棲艦を斬ってる。」

三隈 「なっ!?」

提督 「白鷺が鍛造した無銘の刀だが斬れ味は良い。」

鈴谷 「……」

提督 「さて、あの日に何が有ったのか…だったな。」

三隈 「……」

提督 「鈴谷達が居たのは天龍や龍田の居る軍港側、

最上達は俺が居た正門側…此処までは良いな?」

最上 「うん。」

三隈 「えぇ。」

鈴谷 「……うん。」

提督 「で、最上達は俺が放電したから気絶した。」

最上 「そうだっけ…」

三隈 「そうでしたわ…」

提督 「これに関しては俺が放電ミスっただけだ。」

最上 「え?」

提督 [当時俺は殺す気で放電した筈だったんだが…

電流も電圧も足らなかった様で気絶止まりだ。]

最上 「…て事は……」

提督 「単に運が良かった、以上。」

三隈 「…あっさりですわね。」

提督 「…で、鈴谷達の方、こっちが厄介だ。」

最上 「え?」

提督 「天龍からの報告だがな…」

熊野が襲い掛かる

→天龍が捕まえる

→龍田が銃殺する

→鈴谷が見てた

→鈴谷が降伏

→其の儘保護

提督 「…という事らしい。」

鈴谷 「………」

提督 「…熊野は慢心して敵の戦力を見誤った。」

最上 「…だから殺された?」

提督 「あぁ…上の判断とは言えども襲撃したのは

他ならない君達だ…襲撃された以上は敵だろう。」

鈴谷 「…熊野の馬鹿……」ぐずっ

提督 「敵に情は不要…違うか?」

三隈 「…いえ、その通りですわ。」

提督 「…まぁ、お前達だけが生き残った訳だ。」

鈴谷 「……提督、私死にたい…」

提督 「…死にたけりゃ死ね。俺は知らん。」

最上 「提督!?」

提督 「ウチも余裕が無い、死にたがりに割く時間は

一切無い。死にたければ死ねば良いんだよ。」

三隈 「提督……」

提督 「生きたい奴になら最低限はする。」

鈴谷 「……」

提督 「熊野ならそこらを探せば居ると思うがな。」

三隈 「本当ですの?」

提督 「…もしかすると今砂浜に居るかも知れんな。」

鈴谷 「!?」ガバッ

提督 「見に行くか?」

鈴谷 「うん!!!!」

提督 「…準備しろ、行くぞ。」ガタッ


ー第十二章 大規模作戦の後ー


ー砂浜 21:00ー

提督 「足元注意な。」夜戦装備+探照灯

三隈 「これは…まさか……」

提督 「…また出たか。」

最上 「…大規模作戦が有ったんだ。」

提督 「大物狩りの犠牲か…」

鈴谷 「……熊野?何処?」キョロキョロ

提督 「…熊野が必ず居るとは限らん……ん?」

金剛 「……」

提督 「金剛か…戦艦を捨ててまで……」

鈴谷 「熊野!!!!熊野!!!!」ゆさゆさ

熊野 「……」

提督 「月が出ていない以上は厳しい…一度戻るぞ。」

ー入渠場 21:44ー

提督 「…一命は取り留めたか。」カタカタッカタッ

鈴谷 「…提督。」

提督 「艤装の所属表記はG提督…か。」

鈴谷 「……提督!!!!」

提督 「ん?」

鈴谷 「鈴谷、死ぬとか言って…御免なさい。」

提督 「…構わん。」

鈴谷 「…提督?」

提督 「……今来ているF提督…奴の上司なのか。」

鈴谷 「…へぇ、こんなの調べてんだ…」覗き

提督 「…別に面白い物は無いぞ。」

鈴谷 「…ねぇ、提督……」

提督 「ん?」

鈴谷 「鈴谷の事…如何思ってるの?」

提督 「…質問の意図が掴めん。」

鈴谷 「…じゃあ……鈴谷の事、好き?」

提督 「……ラブとライクで変わるが?」

鈴谷 「うん。」

提督 「どっちが聞きたい?」

鈴谷 「…ラブの方。」

提督 「返答はNOだ。」

鈴谷 「……そっか。」

提督 「…お前は如何なんだ?」

鈴谷 「…鈴谷は好きだよ、提督さんの事……」

提督 「……そうか。」

鈴谷 「絶対に実らないって、分かってるんだけど…」

提督 「………」

暗闇 「政一。」チャッ

提督 「…お前か。」

暗闇 「まさか、また女の子を泣かせるの?」

提督 「……」

暗闇 「泣かせて帰って来たら扱くからね?」

提督 「あいあい…お前にゃ敵わんわ。」

暗闇 「鈴谷ちゃん?」

鈴谷 「へ?」

暗闇 「政一を落としたいなら素直に言いなさい。」

鈴谷 「…うん。」

暗闇 「じゃ、私はコレを取りに来ただけだから。」

提督 「おう…」

暗闇 「頑張ってね。」パタン

鈴谷 「……提督!!!!」

提督 「ん?」

鈴谷 「私は提督が好きです!!!!」

提督 「おう…」

鈴谷 「だから、あの…結婚、して下さい!!!!」

提督 「おう…」

鈴谷 「……え!?」

提督 「明日かは分からんが、指輪買いに行くぞ。」

鈴谷 「…うん!!!!」


ー第十三章 金剛と提督ー


ー十一月二十四日 入渠場 04:22ー

吹雪 「…司令官……」ベッタリ

鈴谷 「……」ウトウト

提督 「……鈴谷、寝て来い。」

鈴谷 「ふぇ?」

提督 「寝不足は健康の敵だ。寝て来い。」

鈴谷 「…うん……」フラッ

吹雪 「司令官、大好きです…大好き……」ギュッ

提督 「……吹雪、何か有ったのか?」

吹雪 「司令官が悪いんです…私を放っとくから……」

提督 「…参ったな……」

金剛 「……惚気んな、デス…痛っ…」

提督 「……起きたか。惚気てない、一方的に愛を

押し付けられてるだけだ。一方的にな。」

金剛 「…あっそ。」

提督 「吹雪、加賀呼んで来い。後ゴーヤ。」

吹雪 「はーい。」タッ

パタン

提督 「…さて、これで誰も居なくなったぞ。」

金剛 「…人払い、御苦労デス。」

提督 「構わん…で、お前の事は軽く調べた。」

金剛 「…もう分かってるデショ?私は志願兵……

元の人格が色濃く残る、欠陥戦艦ヨ…」

提督 「…らしいな。煙草を吸う点も嫌われたと。」

金剛 「抑私は三十路の女ヨ…他の若い子に比べて

魅力が無いのは百も承知なの。なのにあの人は……」

『お前みたいなヤニ臭いオバサンは要らんわw』

金剛 「ヤニ臭いまでは分かるワヨ!!!!でもサ!!!!何で

オバサンって言われなきゃならないのヨ!!!!」ポロッ

提督 「……」

金剛 「私だって頑張って禁煙しようと思ったのよ!!!!

酒だって断ったわ!!!!なのに!!!!私は彼奴に笑われて

追い出されたのよ!!!!あの海域に!!!!何で私だけこんな

酷い目に遭うの!?何で私だけなの!!??」ボロボロ

提督 「金剛…」

金剛 「もう私は限界なの!!!!あんな酷い人は嫌い!!!!

御願いだから私を此処で雇ってぇ…」グスッ

提督 「…辛かったな……もう大丈夫だ。」なでなで

ー丁度其の頃 入渠場前ー

<うわぁーん!!!!

加賀 「…今は入らない方が良さそうですね。」

ゴーヤ 「…志願兵、でちか。」

加賀 「志願兵は元の人格が色濃く残ると政一から

聞いてはいましたが…まさかこうなるとは。」

ゴーヤ 「…ゴーヤ達は酒でも呑んで待つでち。」

加賀 「お酒は辞めた方が良いですよ。」

ゴーヤ 「…そう、でちね。」

加賀 「…提督相手なら、溜まったモノを全て吐いて

スッキリ出来ると思います…あの人は優しいから。」

ゴーヤ 「…でちね。」


ー第十四章 金剛と本名ー


ー入渠場 07:01ー

金剛 「……えっと…その、御免なさい…」

提督 「謝らなくていい、君は悪くない。」

金剛 「…私、本当は常世田神奈って言います。」

提督 「…人間時代の名前か。」

金剛 「はい…これでも珍しい苗字だったんですよ?」

提督 「…苗字の読みは?」

金剛 「えっと…[とこよだ]です。」

提督 「とこよだねぇ…俺は[諫田政一]だ。」

金剛 「諫田政一…良い名前ね。」

提督 「まぁ、これは仮の名だがな…」

金剛 「へ?」

提督 「追放された時に名を捨て、拷問から逃れる為

身を隠し、晩年は海軍にて艦娘を率い死に至り、

転生を繰り返し今に至る…分かったか?」

金剛 「…えぇ。」

提督 「……さて。」ガタッ

金剛 「如何したの?」

提督 「金剛、キャラ付けとけよ。」チャッ

加賀 「…気付いていたのですね。」

ゴーヤ 「やっぱり負けたでち。」

提督 「馬鹿な事しとらんで早よ入らんか。」

金剛 「Good morning.」

加賀 「……えっと、お早う御座います。」

ゴーヤ 「Good morning.」

金剛 「随分英語が上手デスネ。」

ゴーヤ 「遠征で外国にとか、普通だからでち…」

金剛 「Oh my……」

提督 「…お前達を呼んだのは金剛の件だ。」

加賀 「把握しております、志願兵だとか。」

提督 「お前達には在籍各員に説明を頼みたい。」

ゴーヤ 「了解でち。」

提督 「金剛、もうキャラ付けなくても良いぞ。」

金剛 「…そう、気が楽になるわね。」

加賀 「これから宜しく御願いしますね。」

ゴーヤ 「気楽に行くでち。」

提督 「…序に言っとくか……金剛、煙草と酒だが。」

金剛 「…どっちも無いんでしょ?」

提督 「いや、戦艦空母の飲酒は許可してる。」

金剛 「…マジ?」

提督 「おう、種類も色々有るぞ。」

金剛 「……じゃあ、煙草は?」

提督 「外でなら吸えるぞ。俺も時々吸ってる。」

金剛 「…じゃ、禁煙も断酒もしなくて良いの!?」

提督 「おう。」

金剛 「…あぁ……私の趣味が復活したわ……」

提督 「良かったな。」

金剛 「…それで、何時まで安静にしてれば良いの?」

提督 「今日は安静、明日検査で問題無ければ。」

金剛 「本当?そう…楽しみね。」

加賀 「…さて、私達はこの辺りで。」

提督 「おう。」


ー第十四章 生存は時に苦痛となるー


ー08:44ー

提督 「……チッ…」カタカタッ…カタタッカタッ…

金剛 「…何を調べてるの?」

提督 「あの熊野…逃げて来たと言う方が正しいか…

これでは逃げたくもなる……」カタカタッカタッ…

金剛 「えぇっと………ちょ、これ皆死んでんの!?」

提督 「あぁ…提督に殺られてる……」

金剛 「あぁもう!!!!提督ってのは何奴も此奴も!!!!」

提督 「あの場で奴に殺られるよりは海で沈みたい…

其の願いも届かずにこの鎮守府に……ん?」

金剛 「…如何したの?」

提督 「…願いってのは其の国々の神が叶える物だ。」

金剛 「……其れが何か?」

提督 「…天界には姉、地には俺と妹…まさか……」

金剛 「…本当に如何したのよ……」

提督 「……[サモン死神]。」

死神 「何か用か?」ズルズル…

提督 「なぁ、もしかして此奴をこの浜にやったの

お前らか?違うなら違うで良いんだが…」

死神 「あぁ、其奴は俺が此処まで運んだ。」ズルズル

提督 「やっぱりお前らか…」

死神 「何か天照が[殺の所に運んだら?]って。」

提督 「……天照の奴、あの時のお返しってか?」

死神 「らしいぜ、まぁ頑張れ。」ズルズル

提督 「…仕方ねぇな。」

死神 「じゃ、俺は飯に戻る。」スッ

提督 「…トラウマ治療頑張れってか……」はぁ…

金剛 「…貴方、何者?」

提督 「…追放された元神様だよ。」

金剛 「あぁ…納得したわ……」

提督 「ご理解頂けて何より。」

ー10:22ー

熊野 「……」ガバッ

提督 「…起きたか。」

熊野 「……ぇ…」

提督 「願いを叶える神がお前の願いを俺に全投げ

してきやがった…だからお前の身柄は俺が預かる。」

熊野 「……嘘…何で、生きてるの!?」

提督 「…神はお前を生かす事にしたそうだ。」

熊野 「…嫌だ……死にたかったのに……」

提督 「…神はお前を生かし俺に預けた、以上。」

熊野 「……そんな…」

提督 「…同室の患者とは仲良くする様に。」パタン

熊野 「…へ?」

金剛 「…貴女の過去は聞きました……」

熊野 「…ぁ……」

金剛 「この鎮守府ならあんな事は起こりません。」

熊野 「…本当?」

金剛 「えぇ、あの提督はあぁ見えて優しいんです。

其れに元神様ですし、安心ですよ。」

熊野 「……」

金剛 「もう大丈夫ですよ。」

熊野 「…うん……」


ー第十六章 大概漏れは有る、修正すればいい。ー


ー政一自室 11:20ー

提督 「…しまったな、早霜を入れるの忘れてた。」

妖精さん 「あぁ、本当だ…早霜が抜けてる。」

提督 「…また今度纏める時で良いか。」

妖精さん 「今修正しなさい。」

提督 「あいあい……」

妖精さん 「後で良いやはずっとやんないんだから。」

提督 「…寝るか、修正終わったし。」

妖精さん 「その前に鈴谷と買い物でしょ!?」

提督 「……あ、そうだった…」

妖精さん 「ほら、行った行った!!!!」

提督 「おう……」

ー談話室 19:22ー

鈴谷 「…綺麗。」キラッ

龍驤 「おぉ、おめっとさん。」

鈴谷 「あ、りゅーじょーさん。」

龍驤 「りゅーじょーって何やねん!!!!球場みたいに

言いよって!!!!ウチの名前は龍驤やっちゅうねん!!!!」

鈴谷 「あ…御免なさい……」

龍驤 「ウチこれでもアンタの先輩やで…」

黒潮 「龍驤ハーン!!!!」

龍驤 「何や龍驤ハーンて!!!!ウチはチンギスハーンと

ちゃうわ!!!!抑モンゴルに海あらんやろがい!!!!」

提督 「いや、昔は中国よりも大きかったからな…

海軍は無いにしても海は有ったそうだ。」

龍驤 「有ったんかいな…」

曙 「重量さん。」

龍驤 「重量って何や!!!![り]と[じ]が逆や!!!!」

提督 「おい喧しいぞ龍鳳。」

龍驤 「其れは別人やっちゅうねん!!!!」

天龍 「なぁ龍驤券。」

龍驤 「入場券みたいに言うなや!!!!」

龍田 「龍驤料さん、聞きたい事が有るのだけど。」

龍驤 「だから入場料みたいに言うなや!!!!思いっ切り

ボケ被っとんがな!!!!ツッコミ難いわ!!!!」

早霜 「龍角散。」

提督 「其れは薬だ。」

龍驤 「ウチのツッコミ取らんといてや!!!!」

利根 「のう硫酸よ。」

龍驤 「其れ唯の酸性液体やないか!!!!」

利根 「濃硫酸よ。」

龍驤 「出よったわ強化したんか弱体化したんかが

よう分からん奴!!!!ほんで大して掛かっとらんわ!!!!」

筑摩 「友情さん。」

龍驤 「友情は大事やけども!!!!ウチは龍驤や!!!!」

阿武隈 「表情さん?」

龍驤 「今は怒りの表情しかあらんわ!!!!」

提督 「病状?」

龍驤 「ばちこり健康や!!!!」

提督 「…この辺で終わりにするか。」

龍驤 「ツッコミで疲れたわ……」


ー第十七章 回復ー


ー十一月二十五日 入渠場 06:44ー

金剛 「……煙草吸いたいわ…」

熊野 「……御煙草は身体に毒ですわ。」

金剛 「…んな事は言われなくても分かってるわよ。」

提督 「……精密検査、やるか。」

金剛 「ん、分かったわ。」

ー工廠 10:22ー

提督 「……熊野は一週間絶対安静ね。」

熊野 「へ?」

提督 「気付いてないでしょ?骨折れてるよ。」

熊野 「……」

提督 「日常的に殴られた跡も残ってるからね…」

金剛 「マジなの?」

提督 「見てみ?」

金剛 「……うわ…」

提督 「自覚が無いって事は神経死んでるかもな。」

熊野 「…神経が?」

提督 「明日その辺を調べるからな。」

熊野 「あ、はい…」

提督 「んで…金剛は煙草と酒解禁するわ。」

金剛 「あ…て事は何も無かったの!?」

提督 「……何も無いって事は無くてな…」

金剛 「え?」

提督 「……身体年齢が24なんです…」

金剛 「……え?」

提督 「もしかすると艦娘化改造で身体年齢が固定化

されるのかも…その艦娘の身体年齢に……」

金剛 「……じゃあ、提督!!!!」

提督 「ん?」

金剛 「思いっ切り呑むわよ、付き合いなさい!!!!」

提督 「……あい。」

熊野 「……」

不知火 「熊野さん。」ぬいっ

熊野 「ひゃうっ!?」

不知火 「入渠場に戻りましょう、私が押します。」

熊野 「あ、はい。」

ー政一自室 12:49ー

金剛 「…クライナーって手軽よねぇ……」グイッ

提督 「まぁな。」シュボッ

金剛 「…煙草?」

提督 「いや、御香。」

金剛 「…随分と洒落た趣味ね。」

提督 「…昔から、香木の香りが好きでな。」

金剛 「…私にはそんな御洒落な趣味は無いわよ。」

提督 「趣味は押し付ける物じゃねぇよ。」

金剛 「…かもねぇ……」

提督 「……窓は開けてあるな。換気扇回すか。」

金剛 「政一さん、もっと呑みましょう?」

提督 「えぇ…」

ー14:25ー

金剛 「抑あの時から可笑しいと思ってたんですよ!!!!

何で金剛型で私だけが使われていないのかって!!!!」

提督 「うん…」カラン

金剛 「したらアレよ!?こっちの気持ちなんて考えも

しないであんな暴言吐かれたんですよ!?」バァン!!!!

提督 「分かってる…」

ーどうも金剛は酔うと愚痴を吐く様だー


ー第十八章 金剛と政一と酒ー


ー15:44ー

金剛 「…私だって…頑張っていたのに……」グスッ

提督 「知ってるよ、よく頑張った。」

金剛 「何で皆は幸せになって私だけ…」

提督 「……」

金剛 「…本当の幸せって何なんだろ……」

提督 「本当の幸せは、親しい者に何も遠慮せず全て

話せる環境…そんな環境を持てる事では?」

金剛 「…かもね。」カラン

提督 「……私も時折思うのです、[私は本当に皆を

幸せに出来ているのか?]とね。」

金剛 「…へぇ、案外考えてんじゃん……」

提督 「……然しですね…この質問をすると皆が口を

揃えてこう言うのです。[幸せだから皆着いて行く]

のだと。私は調弄されている様に思えてしまう…」

金剛 「…あー……多分それ皆の本心よ。」

提督 「…本当にそうでしょうかね……」

金剛 「きっとそうよ…調弄してるんじゃないわ。」

提督 「……だと良いのですがね。」

金剛 「…だって、今の私も幸せなんだから。」

提督 「…そうなんですか?」

金剛 「えぇ…貴方以外に着いて行くなんて考えは、

私には一切無いもの……皆も同じ筈よ。」

提督 「…本当にそうなら良いんですが。」

金剛 「……何だか眠たいわ。呑み過ぎたのかしら…」

提督 「話し相手が居ると酒も減り易いと聞きます…

想定以上に呑んでいるのではないでしょうか?」

金剛 「かもね…ベッド借りるわ、お休み。」

提督 「…お休みなさい。」

ー16:29ー

提督 「……」カラン

暁 「…昼から呑んでるみたいね。」チャッ

提督 「…金剛もお前達と同じ考えだとさ。」

暁 「何が?」ストン

提督 「…[幸せだから着いて行く]ってよ。」グイッ

暁 「…当たり前でしょう?」

提督 「…矢張り私には調弄されている気がしてな。」

暁 「…あのねぇ、私達が調弄す訳無いでしょ?」

提督 「…あの不幸から逃げて、幸せを追い求めて……

結局何が変わって何が変わらず残ったのか……」

暁 「…何が起きても、必ず私達は居るわ。」

提督 「…だな。」

暁 「…もう寝た方が良いわ、酔いが酷いもの。」

提督 「……かもな…」

暁 「…私達は貴方が居ないと駄目なんだから。」

提督 「…随分と嬉しい言葉だな。」

暁 「ほら、御布団敷いたから。」

提督 「あぁ、有難う…お休み、暁。」

暁 「…お休み、政一。」パタン


ー第十九章 面倒事は増え続けるー


ー十一月二十六日 工廠 01:43ー

提督 「……」

日向 「如何したんだ?」

提督 「日向か…少し考え事をな。」

日向 「…そうか。」

提督 「…この鎮守府はもう直ぐ改築するんだが……」

日向 「改築する土地が無い…違うか?」

提督 「…御見通しか。」

日向 「まぁな。」

提督 「…海を埋める訳にはな……」

日向 「然し陸は近くまで民家が有る…」

提督 「…この面倒事は長引きそうだな。」

日向 「かもな。」

ー08:44ー

提督 「…神経、死んでねぇな。」

熊野 「……」

提督 「でも、骨は折れてんな。」

熊野 「……」

提督 「何で、こうなったんだ?」

熊野 「分かりませんわ。」

提督 「…妖精、分かるか?」

妖精長 「…恐らくだが、脳が書き換えられてる。」

提督 「…そっち系かぁ……」

妖精長 「…我々では何も出来んぞ?」

提督 「だろうよ。」キンッ

熊野 「提督、何を?」

提督 「…荒療治だし可能性は低いが我慢しろよ。」

熊野 「へ?」

シャッ

提督 「…相変わらずココは痛えな。」ポタッポタッ

熊野 「ててて提督!?いい一体何を!?」

提督 「あぁ、飲んでもらうから。」

熊野 「何を!?」

提督 「この血を。」

熊野 「は?」

提督 「ほい。」グッ

熊野 「ちょっ!?」

提督 「頼むから面倒事を増やさないでくれ…」ググッ

熊野 「もごぉ!?」カポッ

提督 「はーい飲んで下さいねぇ…」

熊野 「もごごぉ!?」ゴクッ

提督 「こんで様子見っか、お疲れ様。」

熊野 「な、何を…」

妖精長 「不知火でも呼ぶか。」

ー執務室 10:21ー

提督 「…久し振りに仕事すっか……」チャッ

?? 「だから何で信用しねぇんだよ!!!!」

早霜 「信用出来る訳が有りません。」

?? 「糞が!!!!」

早霜 「言いたい事は言えましたか?」

?? 「んだと!?」

早霜 「要件が済み次第御帰り下さい。」

?? 「手前…このっ!!!!」ぶんっ

ガシッ

?? 「あ?」

提督 [面倒事を増やすだけならまだ許す、まだな。

だが、俺の大切な妻を殴ろうとするとは……手前

一体何様の心算だ…]ブチ切れ

?? 「何だ手前?」

早霜 「提督、落ち着いて下さい!!!!」

?? 「え?は?提督?」

早霜 「貴女は馬鹿なんですか!?」

?? 「…うぉ!?提督!?」

早霜 「今気付いたんですか…」頭抱え


ー第二十章 提督の怒りー


ー10:32ー

提督 [……で、お前誰?]明確な殺意

??→摩耶 「あ、えっと…摩耶です……」

提督 [あっそ…で、殴ろうとした事について何か

言う事って有る?有るなら聞くけど。]

摩耶 「…其の……済みませんでした。」

提督 […相手違うよな?其れとそんだけか?]

摩耶 「……」

提督 [阿呆に割ける時間なんて無いんだわ。]

摩耶 「……本当に、済みませんでした。」

提督 […消えて。]

早霜 「提督、私は大丈夫ですから。」

提督 [……]

早霜 「…私の事、嫌いなんですか?」

提督 「…いや……好きだし、愛している。」殺意消滅

早霜 「…なら、もう許してあげて下さい。」

提督 「…仕方無い。」

摩耶 「……助かった…」

暗闇 「何を安心してるの?」

摩耶 「へ?」

暗闇 「貴女の経歴…調べさせて貰ったわ。」

摩耶 「……あっ…」

暗闇 「貴女、随分と暴力的みたいね?」ピラッ

摩耶 「……」

暗闇 「志願兵で元暴走族総長、過去には殺傷事件も

引き起こして海軍入り…着任後提督に発砲……」

摩耶 「うっ…」

暗闇 「こんなので、よく生きてられるわね。」

摩耶 「……」

暗闇 「…政一は優しいけど、怒ると怖いわよ……

其れに、政一は貴女よりも強いから負けるわよ。」

摩耶 「…以後、気を付けます……」

提督 「…で、名前は?」

摩耶 「…高雄型重巡、三番艦の摩耶です。」

早霜 「先も聞きましたよ?」

提督 「…こっちの書類だと鳥海も来る筈なんだが。」

摩耶 「…あぁ……鳥海ね。」

提督 「…何か有ったろ。」

摩耶 「脱走して足取りが掴めてねぇんだ。」

提督 「…面倒事を……」カチカチッ

[加賀と天龍、暁に宵闇、川内、長門で編成を組め。

脱走兵鳥海を見つけ次第連れ帰れ。場合によっては

殺害も許可する。以上、提督。]ブツッ

提督 「…良い報せが聞ける事を祈るばかりだ。」

摩耶 「…済まない、姉の私が確りしてれば……」

提督 「…自分の非を認められるのは良い事だ。」

摩耶 「…兎に角、あたしは摩耶。宜しく。」

提督 「……おう。」

摩耶 「…先は、御免な。」

提督 「…許したくは無いが、許す事にする。」

摩耶 「…そらそうだよな。」

早霜 「…提督、工廠から連絡です。」

提督 「……あ?駆逐艦漣が建造された?」

早霜 「…提督。」

提督 「…見に行く他ねぇな。」

摩耶 「…あたしも行く。」

提督 「…仕方ねぇな、行くぞ。」


ー第二十一章 漣ー


ー工廠 11:24ー

妖精長 「あぁ、来たか…其の艦娘は?」

提督 「摩耶だ。今日からこの鎮守府に着任する。」

摩耶 「宜しく。」

妖精長 「…そうかい。」

提督 「で、漣ってのは何処に?」

建造妖精 「あの、こっちです…」

提督 「ん?」

建造妖精 「この子なんですけど…」

漣 「……」ちょこん

提督 「……この子が漣?」

漣 「…お兄ちゃん、誰?」

提督 「……あー…俺は諫田政一、此処の提督だ。」

漣 「…提督?提督って何?」

提督 「…皆を護る仕事だよ。」

漣 「…そうなの?」

提督 「あぁ…漣ちゃんも護ってあげるから。」

漣 「…うん。」ギュッ

提督 「…大丈夫だよ。」なでなで

摩耶 「…凄い……」

妖精長 「我々には懐かなかったのに…」

建造妖精 「…矢張り、提督だからでしょうか……」

漣 「お兄ちゃん、お腹空いた…」

提督 「…あぁ、もう直ぐお昼か……」

漣 「…ご飯、食べたい。」

提督 「分かった、食堂に行こう。」

漣 「うん…抱っこ。」

提督 「分かった。」ギュッ

漣 「…暖かい。」ギュッ

提督 「行くぞ。」カツカツ…

摩耶 「…提督って、凄いんだな。」

ー食堂 12:11ー

漣 「…」

龍飛 「……成程、この子が漣なのか。」

提督 「おう、何か良い物無いか?」

漣 「……ハンバーグ…」ボソッ

提督 「ハンバーグ無いか?」

龍飛 「挽肉は有るから作れるが…時間は掛かるぞ。」

漣 「…待つ。」

提督 「との事だ、出来るだけ早く頼むぞ。」

龍飛 「あぁ、任せろ。」

摩耶 「鳳翔さん、肉じゃがをくれ。」

龍飛 「…鳳翔と龍飛の差も見分けられんか?」

摩耶 「へ?」

提督 「龍飛、肉じゃがとコロッケ追加で頼む。」

龍飛 「あぁ、分かった。」

提督 「追加分は後からで良いぞ。」

龍飛 「あぁ、助かる。」

摩耶 「あ、えっと…其の、肉蕎麦で。」

龍飛 「あぁ。」テキパキチャッチャ

摩耶 「……」ギギッ

提督 「…此処は他とは違うからな。」

暁 「…隣良いかしら?」

提督 「おう。」

暁 「…私の枠は不知火ちゃんと交代したわ。」

提督 「だろうな。」

暁 「…其の子が漣ちゃん?」

提督 「おう。」

漣 「お姉ちゃん誰?」

暁 「私は暁よ。」

漣 「…暁お姉ちゃん。」

暁 「……可愛いわね。」

提督 「あぁ。」


ー第二十二章 報告ー


ー12:49ー

漣 「…ごちそうさま。」

提督 「御馳走様。」

暁 「御馳走様。」

提督 「さて、報告を待ちますか。」

暁 「私下げて来るわ。」

提督 「あぁ、助かる。」

漣 「…お兄ちゃん、遊ぼ?」

提督 「遊びか…今出来るのって何だ?」

暁 「…トランプと花札なら其処に置いてあるわ。」

提督 「…花札は賭けになる、トランプにするか。」

暁 「分かったわ。」

漣 「賭けって何?」

提督 「大人が自分の金を使って遊ぶ事。」

漣 「…楽しそうだね。」

提督 「勝てばな。」

漣 「え?」

提督 「負ければ負ける程金は減る。」

漣 「…漣は賭けしたくない。」

提督 「だろうな。」

暁 「持って来たわ。」つプラスチックトランプ

提督 「ババ抜き…いや、ジジ抜きの方が良いか。」

暁 「そうね…三人だもの。」

提督 「ジジ抜きで良いな。」スッ

漣 「ジジ抜きって何?」

提督 「何が無いか分からないババ抜き。」

漣 「…ババ抜きは分かる。」

提督 「ババが二枚残ってるかも分からないんだ。」

漣 「…面白そう、やる。」

提督 「よし、配るぞ。」シャシャシャッ

漣 「…八枚。」

提督 「七枚だな。」

暁 「八枚よ。」

提督 「…俺からか?」

漣 「うん。」

提督 「よっと…揃った。」つ2

漣 「よいしょ…揃った。」つ8

暁 「私ね…揃ったわ。」つJOKER

提督 「…矢張り二枚居たか。」

漣 「楽しいね。」

ー五分後ー

提督 「…負けた……」つ♤の7

漣 「勝った。」むふー

暁 「な、何とか抜けれたわ…」

ピピーッピピーッ

提督 「来たか。」チャッ

[此方不知火、脱走兵鳥海を確保。帰還します。]

提督 「了解。」チン

暁 「…見つかったのね。」

提督 「みたいだな。」

漣 「…もう一回。」

提督 「よし。」シャッシャッシャッ

ー十分後ー

漣 「また勝った。」むふー

提督 「強いな漣。」

暁 「何で…何でコレが残るのよ…」つJOKER

龍飛 「…ババ抜きか?」

暁 「ジジ抜きよ…」

龍飛 「…運が悪かったな。」

提督 「龍飛、今日はもう上がりか?」

龍飛 「いや、深夜に備えて寝るのだ。」

提督 「そうか、其れは済まない。」

龍飛 「いや、構わない…ではな。」

提督 「おう。」

漣 「…花札、やりたい。」

提督 「…賭けになるから好かんのだがな……」

暁 「良いじゃない、やりましょう?」

提督 「…あぁ。」


ー第二十三章 帰還ー


ー軍港 14:22ー

提督 「…花札、楽しかったな。」八十二点勝ち

漣 「うん、楽しかった。またやろう?」六十四点勝ち

暁 「……何故こうなるの…何故…」百四十六点負け

提督 「暁は大物札を狙い過ぎだ。」

漣 「其の分短冊が手薄。」

暁 「うぐっ…精進します……」

不知火 「提督、帰還しました。」

提督 「で、脱走兵は?」

鳥海 「…私です。」中破

提督 「一度全員入渠して来い、バケツも使え。」

不知火 「了解。」

鳥海 「…分かりました。」

提督 「…さて、工廠に行くか。」

暁 「え?えぇ…」

ー工廠 15:11ー

提督 「……身長122.3cm、体重が22.1kg…」

暁 「ねぇ、あまりにも小さ過ぎない?」

提督 「あぁ…粗七歳児だな。」

漣 「…どうしたの?」

提督 「…でも艤装は使えるから間違い無く漣で、

漣だからこそ可笑しい数値が出てるんだよ。」

暁 「…ねぇ、身長は伸びるの?」

提督 「…分からんな。」

工廠妖精 「…改造してみます?」

漣 「…改造?」

提督 「…やってみるか。」

ー18:44ー

提督 「…終わったか。」

漣 「……あの…」←168.3cm、体重56.1kg

提督 「…目線がかなり近くなったな。」←174.2cm

暁 「…そうね。」

漣 「えっと…ご主人様、で良いんですよね?」

提督 「呼び難く感じるのなら無理にとは言わん。」

漣 「…お兄ちゃん、漣です。」

提督 「おう、大きくなったな。」

漣 「…前と同じ様に、甘えても……良い、ですか?」

提督 「構わないよ、別に強要はしないから。」

漣 「…お兄ちゃん。」ギュッ

暁 「…貴方を慕っている証拠よ。」

提督 「…だな。」なでなで

不知火 「提督…其の子は?」

提督 「漣だよ。」

不知火 「…入渠、完了致しました。」

提督 「あぁ、行こうか。」

漣 「うん、お兄ちゃん。」

不知火 「…微笑ましいですね。」

暁 「そうね。」

ー入渠場 19:00ー

鳥海 「提督、此の度は御迷惑を…どうか御許しを。」

摩耶 「提督、私が悪いんだ。どうか…」

提督 「……脱走兵の信用は無いに等しいからな。」

鳥海 「…提督、誠に申し訳有りませんでした……」

摩耶 「提督、本当に済まない。」

提督 「…謝る前に手を動かせ。」つ書類

摩耶 「あ、あぁ…」

鳥海 「分かりました。」


ー第二十四章 F提督の処遇ー


ー十一月二十七日 談話室 04:48ー

熊野 「…神経が治った分、痛さが……」←車椅子

鈴谷 「あー…其れは仕方無いんじゃないかな?」

最上 「多分治ったからだと思うよ。」

三隈 「荒療治とは聞きましたけど、ここまでとは…」

F中将 「な、何をする!?」

最上型 「!?」ガタッ

提督 「お前が大和型を強請りに来た事、こっちは

キッチリ覚えてんだよ…忘れたとは言わせねぇぞ。」

F中将 「た、確かに最初はそうだった上に長居も

してしまったが、流石にコレはあんまりだろう!?」

提督 「喧しい、中将が喚くな。」つ散弾銃

F中将 「私が悪いのは自覚しているからどうか其の

散弾銃を下ろしてくれ!!!!頭なら幾らでも下げる!!!!」

提督 「こっちは大本営に恨み持ってんだ、お前を

態々此処から逃がす訳が無いに決まってんだろが…」

F中将 「まだ、まだ吹雪に告白出来ていないんだ!!!!

心残りがあまりにも大き過ぎるんだよ!!!!」

提督 「他所の規模が小さいからって人攫いに来た

阿呆に御情けなんてやれる訳が無かろうて…」

F中将 「辞めてくれ!!!!せめて吹雪に告白を!!!!」

F吹雪 「少佐、其の銃を下ろして下さい。」チャキッ

提督 「…汚いぞ。」スッ

F吹雪 「直ぐに終わります。」

F中将 「吹雪…良かった、助かったよ…」

F吹雪 「司令官、私は貴方とケッコンする気は微塵も

有りませんので悪しからず、これにて失礼。」

F中将 「なっ…吹雪、何故だ!?」

F吹雪 「御自身で御考えになられては?少佐、もう

用件は済みましたので撃って下さい。どうぞ。」

提督 「…お前は随分蘞い事をするな。」チャキッ

F中将 「待ってくれ…どうか…どうか……」

提督 「吹雪には振られたろ?心残りは無いだろ?

なら死んだって何も無い筈だ、違うか?」

F中将 「私は中将だぞ!?其れも大本営の!!!!」

提督 「大本営は貴方を切捨てた様ですよ。」つ書類

F中将 「何だって?」

ーF中将、貴様は大本営には不要と看做した。

以上の事から貴様の居るラバウルの少佐に貴様の

殺害命令を下した。ではさらばだ。ー

ー大本営 元帥ー

F中将 「そんな…馬鹿な…」

提督 「…彼岸へ行け、外道者。」バァン!!!!

ドサッ

提督 「…掃除するか。」

F吹雪 「えぇ、御手伝いします。」


ー第二十五章 転籍問題ー


ー10:44ー

提督 「…転籍拒否が全てか。」

F吹雪 「私は吹雪、初期艦として配られる艦。」

提督 「…其処が足引っ張ってんだよな……」

F吹雪 「…あの、私は志願兵ですが。」

提督 「…やたら達観しているなとは思っていたが、

お前も志願兵だったのか……ん?志願兵?」

F吹雪 「…仮に、艦種を変更出来るとすれば?」

提督 「…やっちまうか、改造。」

F吹雪 「宜しく御願いします。」

ー工廠 11:08ー

提督 「適当にやるか。」

F吹雪 「変に変えないで下さいよ。」

ー17:27ー

提督 「…起きろ。」

?? 「…艦種は?」

提督 「…駆逐の儘変わってない。」

?? 「…この艤装は見た事が有りませんが。」

提督 「…済まない、既存艦へのコンバート改造は

不可能だったんだ…吹雪適性があまりに強過ぎて。」

?? 「…詰まる所私は唯一無二の艦娘と。」

提督 「整備、保守に関しては私に任せてくれ。」

?? 「…となれば艦名を決めなければ、ですね。」

提督 「…だな。」

??→稲田 「……[稲田]とでもお呼び下さい。」

提督 「稲田ね。」

稲田 「私の元の名です…昔に捨てましたが。」

提督 「私も昔に名を捨て、偽名だけで生きていた。

まぁ、死んだ後神に叩き起されて此処に無理矢理

放り込まれるとは思っていなかったがねぇ…」

ー同刻 娯楽室ー

イリアス 「ヘックション!!」

ヤハウェ 「大丈夫?」

イリアス 「はい…きっと兄さんが私の噂を……」

段田 「兄様が貴方の噂をする時は悪い噂よ。」

イリアス 「そんなぁ…」

月読 「あ、天和です。」バタッ

イリアス 「ゑ…」

段田 「16オール…」

ヤハウェ 「と、飛んだ…」

月読 「箱点で終わりですね。」

ヤハウェ 「も、もう一回よ!!!!」ジャラジャラ

ー時は戻り工廠ー

提督 「まぁ、取り敢えず歓迎するよ。」

稲田 「…えぇ、貴方の様な元敵と仲良く出来るかは

今の所全くと言って良い程に分かりませんが。」

提督 「…言う様になったじゃないか。」

稲田 「貴方に染まったんですよ。」

提督 「もう染まったか。」

稲田 「貴方に会うまでは唯の白糸でしたから。」

提督 「…そうかい?」

稲田 「そうですよ。」ニコッ


ー第二十六章 仕事に追われてー


ー執務室 22:58ー

提督 「……」サラサラ…

龍驤 「何や、コレ…」

利根 「むむむ…」

筑摩 「えぇっと、コレは……何でしょう…」

稲田 「…この書類は…えっと……」

不知火 「暗闇さん、コレを工廠に。」

暗闇 「了解、任せて。」

宵闇 「…薄闇、少し席を離れるわ。何か要る?」

薄闇 「……珈琲、牛乳割りで。」

宵闇 「分かったわ。」

常闇 「……娯楽室のゲーム導入?」

夜闇 「…却下。」

提督 「見せろ。」ピラッ

夜闇 「あっ……」

提督 「…確かに利益にならんな。良い判断だ。」

夜闇 「…えへへ……」

提督 「然し、全て却下しては勿体無い。」

常闇 「…と言いますと?」

提督 「両替機と筐体二台であれば認可しよう。」

常闇 「…了解しました。」

夜闇 「……これは?」ピラッ

提督 「…コレは全却下だな。」

夜闇 「分かった。」

常闇 「何を却下したの?」

つ[鎮守府鉄道線建設計画]

常闇 「…あー……」

提督 「悪いがこの鎮守府に鉄道は要らん。」

夜闇 「…当然。」

ー十一月二十八日 03:44ー

龍驤 「……」気絶

利根 「……」気絶

筑摩 「……」気絶

稲田 「……」気絶

不知火 「ふむ…コレは流石に厳しいですね。」徹夜

暗闇 「……」zzz

宵闇 「暗闇は寝てしまったのね。」徹夜

薄闇 「珈琲飲んでないから仕方無いでしょ?」徹夜

常闇 「……」zzz

夜闇 「……」zzz

提督 「……全く終わらんな。」徹夜

加賀 「えぇ、本当に。」支援組

龍飛 「何故こうも書類ばかり…」支援組

鳳翔 「糞政府の頭が悪いからですよ……」支援組

白鷺 「鳳翔、口が悪いぞ。」支援組

提督 「…此の儘進めても終わらん、寝る。」パタン

白鷺 「…お休み。」

ー仮眠室 09:40ー

提督 「…ん?」

漣 「……」zzz

提督 「…甘えん坊なのは相変わらずだな。」なでなで

漣 「…ん……」ギュッ

提督 「……もう少し寝るか。」

ー11:20ー

提督 「……ん?」

漣 「…起きた?」チュッ

提督 「…起きたよ、お早う漣。」

漣 「うん、お早うお兄ちゃん。」

提督 「…あまりチューはしない様にな。」

漣 「何で?お兄ちゃんは漣が嫌いなの?」

提督 「……嫌いじゃないけどな…周りの目とかが…」

漣 「お兄ちゃん、漣はお兄ちゃんが大好きだよ?」

提督 「……」


ー第二十七章 告白の行方ー


ー11:23ー

漣 「ねぇ、お兄ちゃん……お兄ちゃんは漣の事、

どう思ってるの?教えてお兄ちゃん…」

提督 「…俺は漣が好きだ。」

漣 「なら、チューしよう?」

提督 「…周りの目がな。」

漣 「…良いじゃん……」

提督 「……仕方無い、そこまで言うなら結婚だ。」

漣 「ふぇ?」

提督 「結婚指輪買いに行くぞ、もう我慢ならん。」

漣 「え、あ…うん。」///

ー談話室 19:44ー

龍驤 「…て事は何や、好きかどうか確認しよ思うて

詰め寄ったら結婚指輪買って貰った訳か?」

漣 「うん…」

龍驤 「そんでええやないか。誇りぃや。」

暗闇 「あの人を落とせるのは一握りよ。」

漣 「……うん。」

提督 「漣、ちょっと来い。」

漣 「あ、うん!!」タッ

龍驤 「…えぇなぁ、初心で。」

暗闇 「まだ恋人感覚なのかもね。」

ー工廠 20:24ー

工廠妖精 「…済みません、またなんです……」

提督 「書類には潮と朧とだけ書いていたが。」

曙 「其れで私も呼ばれたの…寝たかったのに。」

提督 「そりゃ済まん。」

曙 「良いの…これで第七駆逐隊が揃うんだから。」

提督 「あぁ、言われてみれば。」

漣 「…曙だ。」

曙 「漣、アンタ随分大きいわね。」

漣 「お兄ちゃんが良くしてくれたから。」ギュッ

曙 「……詳しくは聞かないわ、貴方の事だから。」

提督 「助かる。」

建造妖精 「あ、ちょっと!?」ずてっ

?? 「お姉ちゃーん!!!!」ギュッ

曙 「うぇっ!?」

朧 「……朧です。」ちょこん

提督 「提督の諫田政一だ。隣に居るのが漣。」

漣 「朧姉ちゃん、宜しく。」

朧 「……姉には見えないと思うけど。」

提督 「…身長差の関係ね。」

曙 「んな事より助けてぇ!!!!」

?? 「お姉ちゃぁぁん!!!!」

提督 「…曙、今大泣きで抱き着いてんのが潮だぞ。」

曙 「んな事は分かってるわよぉ!!!!」

??→潮 「怖かったよぉぉぉ!!!!」

曙 「分かったから離れなさいよ!!!!」

提督 「…朧も潮も[身体は]平均的だな。」

朧 「うん…私は何か大人びてるとか言われてる。」

提督 「だな、何か大人と話してる気分になる。」

潮 「うわぁぁぁぁん!!!!」

曙 「ちょ、本当に…もう、辛いから……」

提督 「で、潮は幼児退行と…」

漣 「お兄ちゃん、これから大変だね。」

提督 「…おう……」


ー第二十八章 提督の休日ー


ー十一月二十九日 政一自室 04:22ー

提督 「…皆様、本日は私の休日……の筈です。」

潮 「……」zzz

提督 「そして潮が抱き着いて寝てますが身に覚えが

全く有りません。ほんの一欠片すらも。」

漣 「……」zzz

提督 「…漣は漣で何故かソファで寝てます。」

提督 「……何故こうなったよ…」

潮 「…お兄ちゃん……」ギュッ

提督 「……たった今休日が潰れた気がしました。」

ー06:28ー

潮 「お兄ちゃん……」ギュッ

漣 「お兄ちゃん、朝御飯作ったよ。」コトッ

提督 「お、おう…」

潮 「お兄ちゃん、これ食べる?」つ砕けたクッキー

提督 「…後で食うから離れてくれ……」

潮 「やだ。」

提督 「…あぁ……休日が……潰れる……」

漣 「お兄ちゃん、大丈夫?」

提督 「……もう、如何でも良いや。」自棄

漣 「お兄ちゃん!?戻って来て!!!!」

提督 「あはは…あはははは……」

漣 「誰かー!!!!」

夕立 「ぽい?」チャッ

提督 「あははは…」政一故障中

夕立 「あちゃー…政一壊れちゃったっぽい。」

漣 「お兄ちゃん、如何したら治るの!?」

夕立 「…政一の場合休日は休ませないと壊れるよ。」

漣 「そんな…」

夕立 「取り敢えず潮を引き剥がすっぽい!!!!」ググッ

漣 「うん。」ググッ

潮 「ヤダー!!!!」スポッ

夕立 「政一、兎に角寝とくっぽい!!!!」

提督 「あははは…」ボスッ

夕立 「はぁ…潮を外に連れて行くっぽい。」

漣 「了解…」グイッ

潮 「ヤダー!!!!」パタン

提督 「あはは…ふぅ……」

夕立 「…壊れたフリ、お疲れ様っぽい。」

提督 「久々の休日、邪魔されたくはないな。」

夕立 「時雨を呼んで花札するっぽい!!!!」

提督 「よし、やるか。」

ー11:35ー

提督 「そろそろ飯にするか。」二百八十七点勝ち

夕立 「つ、強過ぎ…ぽい……」百三十点負け

時雨 「僕、弱いのかなぁ…」百五十七点負け

提督 「札は運だぞ。」

夕立 「一人呼んで麻雀するっぽい?」

不知火 「麻雀と聞いて。」チャッ

夕立 「ぽい!?」

提督 「相変わらず耳が良い様で。」

時雨 「ご飯!!」

提督 「おう…賄いで良いよな?」

夕立 「ぽい。」

不知火 「えぇ。」

時雨 「うん。」

提督 「任せろ。」


ー第二十九章 潮と常闇ー


ー談話室 12:17ー

潮 「お兄ちゃん…」ぐずっ

常闇 「…如何したの?」

潮 「お兄ちゃんに嫌われちゃった…」

常闇 「…今日は提督がお休みの日でしたね。」

潮 「如何しよう…」

常闇 「潮ちゃん、私と遊ぼ?」

潮 「…うん……」

ー娯楽室 14:22ー

曙 「…随分懐いてるわね。」

潮 「あ、お姉ちゃん。」

曙 「…確かに姉だけども。」

漣 「今はトランプやってるんですね。」

朧 「…混ざっていい?」

常闇 「皆でやった方が面白いですね。」

ー15:38ー

夜闇 「…何してるの?」

漣 「ダウト。」

曙 「何でバレるのよ!!!!」5と8

潮 「8。」

朧 「9。」

常闇 「10二枚。」

漣 「11三枚。」

曙 「ダウト!!!!」

漣 「残念だったな。」11二枚とJOKER

曙 「何でよ!!!!」

夜闇 「…ダウトか。」

曙 「12二枚!!!!」

常闇 「ダウト。」

曙 「何でや!!!!」10と13

ー食堂 18:20ー

提督 「……御馳走様。」

鳳翔 「有難う。」カチャカチャ

龍飛 「如何だ?この後。」クイッ

提督 「…乗った。」

潮 「あ、あの…」

提督 「ん?」

潮 「…私の事、嫌いですか?」ぐずっ

提督 「……お前の直ぐに泣く所は嫌いだ。」

潮 「…うっ……」

提督 「泣き止んでからもう一度来な。」なでなで

潮 「……はい。」

提督 「龍飛、行くぞ。」

龍飛 「…貴様は時に恐ろしい判断を下すな。」

潮 「…嫌われてなかった。」

常闇 「そうね…」

潮 「…良かった。」

常闇 「…そうね。」

早霜 「…通っても?」

常闇 「あら、御免なさい。」

早霜 「…長話は談話室で御願いしますね。」

常闇 「…怒られてしまったわね。」

不知火 「…政一は酒ですか。」

暁 「えぇ、確かな情報よ。」

不知火 「なら混ざりますか。」

暁 「えぇ、久し振りに呑みたいわ。」

不知火 「行きましょう。」

早霜 「私も行きます。」つ弁当

不知火 「えぇ、歓迎します。」

鳳翔 「私も混ざっても?」

不知火 「良いですけど、食堂は?」

鳳翔 「…提督に頼んで間宮さんをお呼びしました。」

不知火 「なら問題ないですね。」

鳳翔 「さぁ、今宵は呑みますよ!!」

不知火 「えぇ、呑んでしまいましょう。」

早霜 「今日は提督と呑んでしまいましょうか。」


ー第三十章 普段呑まん奴程如何酔うか分からんー


ー十一月三十日 政一自室 01:44ー

龍飛 「…潰れたな。」

不知火 「……」zzz

早霜 「…うへへ……」全裸

暁 「……」グビグビグビ

鳳翔 「…貴方……」グデッ

提督 「………」グイッ

龍飛 「…私も少し回ってきたな。」

提督 「……」ポイッ

暁 「……」ガシャン!!

提督 「……」キュポン

暁 「……」スパン!!

龍飛 「…お前達、少しは呑むのを止めんか。」

提督 「…龍飛、煩い。」グビグビ

暁 「…黙れ軽空母。」グビグビグビグビ

龍飛 「政一は雰囲気酔いとして…暁は意外だな。

暁も無言で呑むタイプだったのか……」

早霜 「政一さん…ほら、美女が目の前ですよぉ?」

提督 「……煩い、寝ろ。」グビグビグビ

早霜 「そんなぁ…」

龍飛 「早霜が脱ぐとは思わなかったな。」

鳳翔 「貴方、私の相手をして下さい……」

提督 「…お前も寝ろ。」グビグビグビ

龍飛 「…鳳翔は酔うと甘えるのか。」

提督 「……」グビグビグビグビグビグビグビグビ

龍飛 「政一、流石に呑み過ぎだぞ!?」

暁 「……」くかー

龍飛 「こっちは寝てる…」

提督 「……」ガシャン…キュポン

龍飛 「もう呑むのを辞めろぉ!!!!」

提督 「……」グビグビグビグビグビグビ

鳳翔 「…」zzz

龍飛 「鳳翔も寝た…」

提督 「……」ガシャン

龍飛 「頼む、もう呑まないでくれ…」

提督 「…龍飛、布団頼む。」

龍飛 「あ、あぁ…」

ー05:25ー

提督 「……」グビグビグビ

龍飛 「……ぅお…ぁ……」

長門 「…呑み過ぎだよ。」←途中参加

提督 「…」ガシャン

長門 「もう…御掃除大変なんだよ?」

提督 「……」キュポン

長門 「…まだ呑むの?」

提督 「……埋まらないんだよ、心の穴が。」グビグビ

長門 「……政一…」

北上 「どしたの?って酒臭っ!?」

提督 「……」グビグビグビグビグビ

北上 「うわ…一升瓶喇叭飲み……」

提督 「………」ガシャン

北上 「……寝なよ、きっと疲れてるんだよ。」

提督 「…」

バタッ

北上 「政一!?どしたの!?」

長門 「…寝てるみたいだ。」

北上 「…やっぱり疲れてたんだよ。」

長門 「…有給、消化しようか。」

北上 「うん、そうだね。」

長門 「何でこんなになるまで…」

北上 「政一は色んなモノを溜め込んじゃうから…」

長門 「…政一……」


ー第三十一章 疲労困憊ー


ー19:44ー

提督 「……!?」ガバッ

宗谷 「起きた?」

提督 「…俺は……呑んで倒れたのか。」

宗谷 「きっと疲れてるんだよ。」

提督 「…かもな。」

宗谷 「ゆっくりしてね。」

提督 「…麻雀でもするか。」

宗谷 「お仕事は僕達でしておくから。」

提督 「済まないな。」

宗谷 「良いよ。」

提督 「……別に無理する必要は無いぞ?」

宗谷 「……僕達は政一にしか着いて行かないし、

無理なんてしてないから大丈夫だよ。」

提督 「…そうか。」

宗谷 「…行ってらっしゃい、政一。」

提督 「…あぁ。」

ー娯楽室 22:55ー

提督 「七短赤短青短四光、全部で…何点だ?」

不知火 「……百七十、です。」

暁 「何故こうも良い札ばかり……」

不知火 「…全ての役を潰されましたね。」

暁 「粗基準点の払いって何なの!?」

不知火 「…あっ……足りません……」

暁 「私も……」

提督 「…株札でもやるか?」

不知火 「負ける未来しか見えません。」

暁 「…うむむ……」

曙 「…ねぇ、UNOしない?」

提督 「構わんぞ。」

漣 「人数揃った!!」

朧 「多過ぎる気もするけど…」

潮 「……」

提督 「手札は七枚だな?」シャッシャッシャッ

ー23:44ー

提督 「……上がり。」

漣 「何でお兄ちゃんばっかり!?」

潮 「ふぇぇ…」

曙 「泣かないで、まだ負けてないから!!」

暁 「……上がったわ。」

不知火 「くっ…ドロー4を隠し持っていたとは…」

朧 「…上がり。」

漣 「何でぇ!?」

曙 「…無いわね。」

潮 「やった、上がり!!」

漣 「嘘でしょ…」

不知火 「…くっ……」

漣 「UNO!!」

曙 「UNOよ。」

不知火 「…緑で。」

漣 「上がり!!」

曙 「有難う、上がりよ。」

不知火 「…何故……」

提督 「BLACKJACKでもやるか?」

不知火 「…やります。」

提督 「…俺が入ると勝負にならんから俺はdealer

でもするよ。さぁ、今宵は私と勝負だ。」

ー十二月一日 03:44ー

提督 「…済まん、結局勝負にならんかったな。」

不知火 「…何故……」

暁 「…私は……限限黒字ね。」

漣 「…お兄ちゃん強過ぎ……」

潮 「ふぇぇぇん!!お姉ちゃぁぁん!!!!」ギュッ

朧 「…泣きたくなる気持ちは分かる。」なでなで


ー第三十二章 息抜き賭博ー


提督 「…まだやるか?」

曙 「…続けるわ……序に賭けましょう。」

提督 「…賭けるのか。」

潮 「…チップ頂戴?」

提督 「…千円で五十枚な。」

暁 「スロットと同じレートね。」

暗闇 「…参加させて貰うわ!!」

宗谷 「僕も。」

夕立 「やるっぽい!!」

時雨 「やるさ。」

早霜 「やります。」

龍驤 「混ぜてー。」

提督 「五十枚千円な。」

龍驤 「金取るんかい…」

ー07:22ー

提督 「…どうも。」ピラッピラッピラッピラッ

龍驤 「…腹立つわ……」-45000

早霜 「ふぅ……黒字ですね。」+2000

潮 「お姉ちゃぁぁぁぁぁん!!!!!!」-48000

朧 「…負けたね、がっつり。」-28000

曙 「…深追いしてたら負けてたわね。」+1000

漣 「…お兄ちゃん強過ぎるよ……」-35000

不知火 「……馬鹿な…」-58000

暁 「…危なかったわ。」+4000

暗闇 「…ふっ。」+28000

宗谷 「…勝てた。」+12000

夕立 「ぽいぃ…」-26000

時雨 「…止まない雨は無い筈なのに……」-33000

提督 「……偶には賭けても良いかもな。」+226000

金剛 「敵襲よ。」チャッ

提督 「状況は?」

金剛 「押されてないけど押してもないわね。」

提督 「敵の頭は?」

金剛 「敵主将はG提督よ、見覚えが有るもの。」

提督 「…暗殺指令書は届いている、殺れ。」

金剛 「分かったわ。」ニヤッ

提督 「……行って来い。」

金剛 「えぇ。」パタン

提督 「…仕事の時間だぞ。」

暁 「狙撃銃を出さないとね。」

宗谷 「…殺ろうか。」

ー敵陣 09:22ー

G提督 「状況は?」

G五月雨 「無理です、攻め込めません!!」

G提督 「何?こんなに小さな鎮守府なんだぞ?」

G五月雨 「其れが、人員が飽和状態の様で…」

G提督 「え…飽和状態?」

G五月雨 「相部屋が多いみたいで…武器も沢山…」

チュイン!!

G提督 「な、何だ!?」

バァン!!

G五月雨 「そ、狙撃です!!」

G提督 「一体何処から…」

ー鎮守府屋上 同刻ー

不知火 「…至近弾。」チャキッ

青葉 「……」バァン!!!!

不知火 「弾薬クリップを。」

青葉 「どうぞ。」ゲシッ

ズザザァ!!

不知火 「どうも。」パシッ

青葉 「ヒット。」

不知火 「…迎撃は退屈ですね。」バァン!!!!


ー第三十三章 迎撃戦ー


ー正門前 11:40ー

G長門 「…手強い。」ギリッ…

長門 「…こう見えて近接戦闘の手解きを提督から

受けている……其れなりには扱える様になったぞ。」

G陸奥 「…近接戦闘なんて何時使うの?」

長門 「今に決まっているだろう。」ザッ!!

G陸奥 「早っ…」

長門 「貰った!!」ズバッ!!

G陸奥 「…そん…な……」ドサッ

長門 「…貴様等はこの鎮守府を嘗め過ぎている。」

G加賀 「あら、本当にそうかしら?」バシュッ!!

長門 「あぁ。」キィン!!

G加賀 「なっ…矢が、斬られて……」

長門 「この鎮守府は他とは違う鎮守府だ。」

G加賀 「は?」

長門 「死人が死人を率いて戦う…彼岸に最も近い

鎮守府と言っても過言では無かろう。」

G長門 「死人が…死人を?」

提督 「あぁ、其の通りだ。」スッ

長門 「提督、今は出て来るべきでは…」

提督 「構わん。お前達だけに戦わせる訳にはな。」

G加賀 「…提督が前線に出るとはね。」

提督 「…俺は彼岸から神に連れ戻された死人だ。

此処に居る艦娘は糞提督に殺された奴が大半だ。

そして鎮守府を何度も落として来た猛者達だ。

さて、君達に落とせるだろうか…元元帥の率いる

この鎮守府を…元神であった私とこの鎮守府を!!!!」

G加賀 「…言わせておけばいけしゃあしゃあと!!」

長門 「事実である事に違いは無い。」

暗闇 「ショット!!!!」バシュウ!!

バコォォン!!!!!!

G加賀 「なっ!?」

暗闇 「…貴方と同じ放電体質になっちゃったわ。」

提督 「……其れは済まん。」

暗闇 「構わないわ。」

G長門 「何が起きた…」

提督 「レールガンだ…そこらに落ちている石でも

鉄さえ混ざっていれば撃てるからな。」

暗闇 「後で電流と電圧、交直も見ておかないとね。」

G加賀 「……油断している…今なら!!」

提督 「油断では無い、強者故の余裕だ。」バァン!!

G加賀 「ぐっ…」

提督 「…提督だからと甘く見るな。」バァンバァン!!

G加賀 「…慢心、していたのね……」ドサッ

G長門 「……」

長門 「降伏するのであれば移籍先位は探そう。」

G長門 「……どう見ても私に勝ちの目は無いな。

分かった、降伏するよ…貴方達は強過ぎる。」

提督 「…客観的に見られる事は良い事だ。」

暗闇 「そうね。」


ー第三十四章 戦闘狂ー


ー市街地 12:25ー

提督 「……」

G高雄 「…通しませんわ。」

G愛宕 「先に行きたいなら私達を倒しなさい。」

提督 「……重巡か。」ジャキッ

G高雄 「…何?そんな物で私達が倒されると?」

提督 「慢心は死を招く。」ズガァン!!!!

G高雄 「うぐっ…」バスッ

提督 「流石は重巡、装甲だけは厚いな。」

G愛宕 「…これは、そういう事で良いのね?」

提督 「言う前に行動しろ。」ズガァン!!!!

G愛宕 「ぎゃっ!?」バスッ

G高雄 「…貴方、一体……」

提督 「唯の戦闘狂だ。其れ以上でも以下でも無い。」

G愛宕 「…手加減は不要のようね。」フラッ

提督 「…御託を並べる暇が有るならさっさと来い。」

G高雄 「…このっ!!」ダッ

提督 「甘いぞ。」ズバッ!!

G高雄 「ぐっ…」ドサッ

提督 「…来ないのか?」

G愛宕 「…よくも高雄を!!」ダッ

提督 「無謀にも程が有るぞ。」ズバッ!!

G愛宕 「あぁっ!?」

提督 「少しは考えて動け。」ズガァン!!!!

ドサッ

提督 「…この程度か。」

由良 「……」スッ

提督 「…新手か。」

由良 「…ねぇ、長良姉さん知らない?」

提督 「…五十鈴と阿武隈なら居るが。」

由良 「…そう。」

提督 「…伏せろ!!」

G夕立 「ぽい!?」

提督 「殺気でバレバレだ!!!!」ズガァン!!!!

G夕立 「ギャン!?」バスッ

ドサッ

提督 「…で、如何したいんだ?」

由良 「私は…私も、お邪魔しようかな。」

提督 「…これを持って行け。」つ散弾銃

由良 「え?」

提督 「……鎮守府の奴に渡せ。」

由良 「…分かったわ。」

提督 「…さて、次は誰だ?」

赤城 「……御願いが有ります。」

提督 「あ?」

赤城 「…私の鍛錬の相手をして下さい。」

提督 「…構わんが、手は抜かんぞ。」

赤城 「えぇ、貴方の強さは知っています。」

提督 「…死んだとしても、責任は取れんからな。」

赤城 「…死ぬ気で行きます。」スラッ

提督 「お前も日本刀を扱うのか。」

赤城 「えぇ。」

提督 「…ならば此方も合わせねばな。」スラッ

赤城 「有難う御座います。」

提督 「…行くぞ。」

赤城 「…御願いします。」

提督 「…」ダッ!!

赤城 「速い!!」

提督 「其処だ。」ガキィン!!

……ドスッ

赤城 「…負けました。」

提督 「今ので分かった…素質は有るが経験不足だ。」

赤城 「…まだまだですね。」


ー第三十五章 敵陣侵入ー


ー敵陣 15:29ー

G提督 「……何故、こうも殺られるんだ…」

G五月雨 「敵の戦力を見誤ったんです!!」

提督 「ノックしてもしもーし!!!!」バゴォン!!

G提督 「だ、誰だ!?」

提督 「よう、G提督…金剛の件で御話だ。」

G提督 「金剛?…あぁ、あのヤニ臭いオバサンか。」

G五月雨 「ちょっと、提督さん!?」

提督 「…今何つったワレ、もっぺん言ってみぃ……」

G提督 「…へ?」冷や汗タラリ

提督 [今何つったかもっぺん言ってみぃやワレェ!!!!]

G提督 「怖い怖い怖い!!何でこんなに怒ってるの!?」

G五月雨 「提督が変な事言ったからですよ!!もう!!」

提督 [おい、どないした…早よ言えやもっぺん!!]

G提督 「ひぃっ!?」

提督 [……もうええわ、死んでまえ。]ジャキッ

G提督 「や、辞めてくれ!!」

提督 […ワレは提督にゃ向かんよ…]ズガァン!!!!

G提督 「ガッ…」ドサッ

G五月雨 「提督!?提督!!!!」ゆさゆさ

提督 「…五月雨。」

G五月雨 「ひゃい!?」

提督 「……これを読め。」つ書類

G五月雨 「……」ガサッ

ー諫田政一少佐にはG提督の殺害を依頼したい。ー

ー其の際に駆逐艦五月雨を保護して欲しい。ー

ー迷惑なのは百も承知なのだがどうか頼みたい。ー

ー大本営 元帥ー

G五月雨 「…私を、保護?」

提督 「まさか君達の方が此方に攻めて来るとはな…」

G五月雨 「…殺して下さい……」

提督 「無理だ。」

G五月雨 「御願いだから、殺して…」

提督 「命令書通りに保護させて貰う。」

G五月雨 「…殺してくれないなら、自分で!!」ジャキッ

提督 「させない。」パシッ

G五月雨 「嫌…離して……死にたい……」

提督 「死なせない…命令だ。」

G五月雨 「嫌…嫌だ……何で…何で提督だけ…」

提督 「…済まない。」

G五月雨 「…うぅ……」

提督 「…此処から離れよう。」

G五月雨 「…うん……」

ー工廠 17:22ー

G五月雨 「あ…金剛さん!!」

金剛 「あら、五月雨じゃない。久し振りね。」

G五月雨 「あ、あの…」

提督 「暫くは此処で保護するから。」

金剛 「私は貴方の護衛よ。」

夕立 「あ、五月雨っぽい。」

G五月雨 「…夕立姉ちゃん。」

提督 「…邪魔者は消えるか。」パタン


ー第三十六章 度の過ぎた悪戯は時に…ー


ー十二月二日 路地裏 06:22ー

友人 「おい、本当にやるのか?」

投稿者 「当たり前だろ…数字の為だ。」

友人 「だからって、[強盗ドッキリ]って…」

投稿者 「お前はもう黙ってろ!!」

友人 「…分かった。」

投稿者 「お前は黙ってカメラで撮ってろ。」

ー町外れ 21:24ー

投稿者 「次で最後にするか。」

友人 「心臓に悪いよ…」

投稿者 「お、あれは…」

ーー

提督 「…済まないな、付き合って貰って。」

暁 「良いわよ、貴方の為なら何処へでも。」

提督 「嬉しい事を言ってくれるな。」

ーー

投稿者 「二人居るし…あの感じはカップルか。」

友人 「…なぁ、あの二人には手を出さねぇ方が……」

投稿者 「煩いぞ!!女を襲って男の反応を見てやる…」

提督 「…この辺りは暗いな。」

暁 「街灯が無いわね。」

投稿者 「動くな!!」つナイフ

暁 「きゃあっ!?」

提督 「ん?」

投稿者 「金目の物を置いて行け!!」

提督 「…おい、何してんだ?」

投稿者 「このナイフが見えねぇのか!?」

友人 「やっぱりそうだ…早く止めないと!!」

投稿者 「さっさと金目の物を置いて行け!!殺すぞ!!」

提督 「…殺す?」

投稿者 「何だ?怖気付いたか?」

提督 「殺すって単語はな…」ザッ

投稿者 「な…何だよ……」ジリッ

提督 「殺す覚悟と…」ザッ

投稿者 「おい、何をする気だ!?」

提督 [殺される覚悟の有る奴が使う単語だ。]ガシッ

投稿者 「なっ…この、離せ!!」

友人 「あの!!!!」

提督 […あ?]

友人 「本当に済みませんでした!!」土下座

提督 [……頭下げて如何した?]

友人 「これは実はドッキリでして…」

投稿者 「あっおい!!」

提督 「…私の妻の喉元にナイフを突き立てておいて

今更ドッキリだと言われても信用出来ないぞ。」

友人 「そう仰るのも当然の事ですが、ここはどうか

穏便にと御願い出来ませんでしょうか!?」

提督 「…貴方は何もしていない筈だが?」

友人 「全てを話しますからこの場だけでもどうか…

私の頭だけでは足りないのは百も承知です!!」

提督 「…ナイフを退けろ、話は其れからだ。」

友人 「有難う御座います!!おい、其れを仕舞え!!」

投稿者 「え?あ、おう…」


ー第三十七章 最悪の事態を招く…ー


提督 「…詰まり、動画の再生数を稼ぎたくてこんな

真似をしていて、私達が最後の獲物という事か。」

友人 「はい…大変申し訳有りませんでした!!」土下座

投稿者 「おい、何を下手に出て…」

友人 「まだ分からねぇのか!?この方々は鎮守府で

指揮を執る提督様と其の部下の艦娘なんだぞ!?」

投稿者 「提督?あぁ、あの無能か。」

暁 「あ?」イラッ

友人 「お前何逆鱗に触れてんだよ馬鹿野郎!!」

投稿者 「事実だろ。深海棲艦を四度も陸に寄越して

畑を駄目にした屑で阿呆で鈍間な役立たずだろ。」

暁 [手前巫山戯んなよおい…]ギロッ

友人 「ほら思いっ切り怒ってるじゃないか!!」

投稿者 「あ?何睨んでんだよ。」

友人 「何でまた逆鱗に触れる様な真似すんだよ!?」

提督 「暁、落ち着け。」

暁 「…そう、ね。」

投稿者 「どうせ艦娘だって役に立たねぇんだよ。」

提督 「あ?」ギロッ

友人 「今度は提督様の逆鱗に触れてやがる!?」

投稿者 「あんなの唯の女だろ?どうせ遊び呆けて

迎撃出来なかったとか、そんな理由なんだろ?」

提督 [貴様…私の部下を侮辱するか……]

暁 「政一、落ち着いて…」キラッ

投稿者 「あ?何だ結婚してんのかよ…下らねぇな。

結婚してなけりゃ其の儘持って帰って襲う気で居た

のによ…あーあ、興醒めしちまったなぁ……糞が。」

友人 「お前もう黙れよ!?」

提督 […貴様……もう一度言ってみろ…]

暁 「政一、抑えて!!」

投稿者 「お前等毎晩ヤリまくりなんだろ?淫乱女は

こっちから願い下げだっての…あぁ、詰まんねぇ。」

友人 「何でそういうこと言うかなぁ!?」

投稿者 「女引っ提げて何様よ。男も女も糞だな。」

友人 「本当に辞めろって!!」

投稿者 「何でお前あの糞男と糞女の味方なんだよ…」

友人 「あの方々は前の無能の後任なんだぞ!?」

投稿者 「は?後任?」

友人 「無能な前任から指揮権を奪ってから、ずっと

このラバウルと海を護ってくれている方々だぞ!?」

投稿者 「…え、それマジ!?」

友人 「マジだよ!!何でお前は知らねぇんだよ!!」

投稿者 「…え、て事は……さっきの暴言……」

友人 「全部御門違いなんだよ!!この馬鹿!!」

投稿者 「…やべぇ、やっちまった……」

友人 「気付くのが遅せぇよ!!馬鹿!!」


ー第三十八章 気付いた頃にはもう遅い。ー


提督 […話し合いは終わったか?]

投稿者 「す、済みませんでしたぁ!!」土下座

提督 […今更謝っても遅い。]

友人 「本っ当に済みませんでした、この通りです!!」

提督 「……仕方無い、許してやる。」

投稿者 「本当なのか!?」

提督 「あぁ、許したくは無いが…もう疲れた。」

投稿者 「へっ…チョロいぜ。」ボソッ

提督 [誰がチョロいって?]ギロッ

投稿者 「ひっ!?」

友人 「だから何で逆鱗にベタベタ触んだよ!!」

提督 [俺は俺自身が何と言われようと構わねぇ…

何を言われようが何をされようが何も言わん……

だがな、俺の愛する妻と大切な部下が悪く言われる

事に関しては何事よりも大きな怒りを覚える!!!!]

投稿者 「この…嘗めやがって……」グッ

友人 「お…おい、何する気だ?」

投稿者 「素手相手にナイフが負ける訳がねぇ!!」ダッ

暁 「政一!!」

友人 「うわぁぁぁ!?」

ガキィン!!!!

投稿者 「…へ?」

提督 […誰が素手だって?]つ蒼刀青鷺

友人 「…蒼い、刀……」

提督 […私は幾度と無く戦に巻き込まれ、其の度に

生き延びてきた死人だ…貴様の動きはあまりに鈍く

欠伸が出る程だ……まだ紛争地帯の子供の方が良い

動きをしていたがな…素人はこの程度か。]

投稿者 「この…喰らえ!!」ダッ

提督 [遅い!!]ズバッ

投稿者 「ぎゃあああ!!腕が!!俺の腕がぁ!!」ジタバタ

提督 [腕の皮が多少切れた程度で大袈裟な…]

暁 「貴方、もういいわ。」

提督 [ん?]

暁 「後は私に任せて。」

提督 「…おう。」

暁 「ねぇ、大丈夫?」

投稿者 「…痛てぇ……」

暁 「御免なさいね、あの人私達の事になると只管

相手を追い詰めてから[殺してしまう]人なの…」

投稿者 「こ、殺す!?」

暁 「えぇ…」

投稿者 「…恐ろしい……」

暁 「で、何か勘違いしてない?」

投稿者 「え?」

暁 「あの人は私達の事になると怒るけど…」

暁 [私はあの人の事になると怒るのよ。]ギロッ

投稿者 「ひっ!?」

暁 [手前、政一に対し何て言ったか覚えてんのか?

無能で屑で阿呆で鈍間で役立たずっつったんだよ!!]

投稿者 「そ、其れは…」

暁 [彼岸で悔いろ屑男が!!!!]ドドドンドドン!!

友人 「あぁ…」

提督 「…暁の方が限界だったか。」


ー第三十九章 投稿者の友人ー


暁 [……糞野郎が…]

提督 「…暁、落ち着け……もう奴は死んだ。」

暁 「…御免なさい、私貴方の事になるとつい……」

友人 「…えっと……この子は一体…」

提督 「海軍の駆逐艦暁だ。俺の大切な妻だぞ。」

友人 「やっぱり艦娘…って、駆逐艦?」

提督 「ん?」

友人 「確か駆逐艦って十代前半とかじゃ?」

提督 「おう、[普通の奴]ならな。」

友人 「え?」

提督 「俺達は[異常な奴の集まり]だ。」

友人 「……そう、だったのか…」

提督 「…君は元の生活に戻りなさい。」

友人 「え?」

提督 「次は容赦しないからね。」

友人 「…は、はい。」

提督 「行くぞ。」

暁 「えぇ。」

友人 「…恐ろしい人達だ。」

ーBAR テーブル席 23:39ー

友人 「…て事が有ってよ……」

知人 「マジか…彼奴も馬鹿だな。」

友人 「はぁ…海軍は敵にするなって、聞かなかった

のかなぁ…何でこんなに早死にしちまうんだよ……」

<おいゴラァ!!

友人 「な、何だ!?」

知人 「アレだ!!」

ーカウンター付近ー

赤の他人 「手前何処に目ェ付けてんだよ!!」

提督 「…煩いな……騒ぐなよ。」

早霜 「酒が不味くなります。」

赤の他人 「んだと!?」

提督 「唾を飛ばさないで貰えますかね…」

早霜 「ゆっくり呑みたいのですけど。」

赤の他人 「嘗めやがって!!」

ーテーブル席ー

友人 「げ…あの人だ……」

知人 「ん?何だ?」

友人 「あの酔っ払いに絡まれてる男の人…彼奴が

死んだ原因になった人だよ……海軍の提督さん…」

知人 「はぁ!?」

友人 「彼奴はあの人にドッキリを仕掛けたんだよ…」

知人 「あぁ…って、殺される様な奴をか?」

友人 「うん…強盗ドッキリ……」

知人 「そら死ぬわな。」納得

友人 「止めて来る!!」タッ

知人 「お前が止めるなら俺もだ!!」タッ

ーカウンター付近ー

友人 「ストップ!!」

赤の他人 「あんだァ?」

知人 「あんたが例の提督さんか…あの時は友人の

あの馬鹿が済まなかったな、謝るよ。」

提督 「もう水に流したさ…其れに殺したのは暁だ。」

知人 「暁…あぁ、彼奴から聞いたよ。」

提督 「そうか…で、何をしに来たんだ?」

知人 「あの酔っ払いを止めに来た。」

提督 「そうか、其れは済まんな。」

知人 「あの馬鹿が迷惑を掛けたからな。」


ー第四十章 酒は飲んでも飲まれるなー


友人 「これ以上騒がないで下さい!!」

酔っ払い 「んだと?部外者が口出すんじゃねェよ!!」

提督 「其処迄にしておけよ。」ズイッ

酔っ払い 「あんだァ?」

提督 [いい加減に腹が立ってきた頃だ…]ギロッ

酔っ払い 「うるせェな!!」つ酒瓶

友人 「や、辞めろ!!」

ガシャーン!!

知人 「……とんでもない奴だ…」

友人 「提督様!?大丈夫ですか!?」

提督 […別に様とか付けなくても良いぜ。]ポタッ

知人 「なっ…無傷だと?」

提督 [俺は提督…其れ以上でも以下でもねぇよ。]

酔っ払い 「あぁ?提督だ?」

提督 [表出ろ…一分で終わらせてやるよ。]

酔っ払い 「上等だァ表出ろ!!」

早霜 「…死にますね、あの酔っ払い。」

店員 「…お代を貰っていないのですが……」

早霜 「死んだら代わりに払いますよ。死なないと

思いますけどね…政一は私達より強いから。」ニコッ

店員 (如何いう意味だ?)

ー店の外 23:49ー

酔っ払い 「へへっ…お前は終わりだ。」

提督 「…如何いう意味で言っているんだ?」

酔っ払い 「俺はこの町で一番の武闘家だぞ?」

提督 「誰であろうと酔っていては唯の酔っ払いだ。」

酔っ払い 「んだとゴラァ!?」

提督 「私は酔う酔わないでは無く[酔えない]んだ。」

酔っ払い 「は?」

提督 「…夜風に当たって身体が冷めてしまったか。」

酔っ払い 「この…余裕かましやがって!!」

提督 「さぁ、来なさい…一分と持たんよ。」

酔っ払い 「この!!」フラフラッ

提督 「阿呆だな。」ズバズバッ

酔っ払い 「ぎゃあああ!!」

提督 「呑み過ぎて飲まれたか。」

酔っ払い 「腕が!!腹が!!痛てええええええ!!!!」

提督 「終わりだ。」ズバッ!!

ボテッ

…ドサッ

提督 「…せめて二分は持って欲しかったものだ。」

店員 「…凄い……」

友人 「…提督様には逆らえないな。」

知人 「おう…俺も実感した……」

提督 「…お代は幾らかな?」

店員 「い、いえいえお代は結構です!!」

提督 「…と、言いますと?」

店員 「彼奴はツケ払いばかりで困っていたのです。」

提督 「ほう…」

店員 「今回のお代はこの功績で相殺と致します。」

提督 「…なら、また来ます。」

店員 「はい、またのお越しをお待ちしております!!」

友人 「…格好良いな。」

知人 「…おう。」


ー第四十一章 負の連鎖ー


ー十二月三日 談話室 07:00ー

提督 「…落ち着いたか?」

潮 「ひぐっ…うぐっ…」

龍飛 「…攫われそうになったのか。」

時雨 「夕立は連れて行かれてしまったんだ…」

提督 「この頃悪い事ばかり起こるな…」

龍飛 「あぁ…」

提督 「…負の連鎖を断ち切らねばな。」

龍飛 「そう、だな。」

提督 「至急奴等から取り戻すぞ。」

龍飛 「然し、奴らの本拠地は分からんぞ?」

提督 「…夕立の他に被害者が二名。」

龍飛 「鳳翔と宗谷だったな…」

提督 「宗谷の服にはGPSを付けてある。」

龍飛 「…成程、追えるな。」

提督 「反応は此処から北東十三粁地点だ。」

龍飛 「…向かうか。」

提督 「我々の恐ろしさ、思い知らせてやる…」

ー廃工場 07:44ー

夕立 「……」

鳳翔 「こんな事が許されると?」

H提督 「ほう、上物じゃないか。」

人攫い 「当たり前だ…で、ヤるのか?」

H提督 「あぁ…だが、先に此方から頂こうか。」

宗谷 「…何?」

H提督 「ふふふ…宗谷か。これはレアだな。」

人攫い 「あんな小さな鎮守府にこんなにレアな奴が

居たとはな…見つけた時は俺でも吃驚したぜ。」

H提督 「そうだろうな…では早速。」グッ

宗谷 「僕の身体に触るな!!」

H提督 「…ふはははは!!聞いたか!?僕だとよ!!」

人攫い 「変わった奴も居るんだな。」

H提督 「貴様の上官はこの私になるのだ、この程度

別に良かろう?其れとも…奴と何か有るのか?」

バコォォン!!

H提督 「何事だ!?」

提督 「おい…お前等俺の大切な妻達に何してんだ?」

宗谷 「提督!!」

夕立 「待ってたっぽい!!」

鳳翔 「助けて下さい!!」

提督 「ほう…これはこれは……」

H提督 「貴様、何故此処が分かった!?」

宗谷 「僕の服にはGPSが仕込んであるんだ。」

人攫い 「何だと!?」

提督 「で、これは何だと思う?」つ爆弾

人攫い 「爆弾だな…まさか!?」

提督 「この建物には今私が持っているこれと全く

同じ物が十二個仕掛けてあるんだが…起爆させれば

この建物は粉微塵になってしまうだろうな。」

人攫い 「おい、まさか…」

H提督 「辞めろ!!」ダッ

提督 「今更止めてももう遅い。」ポチッ

ボゴォォォォォォォォン!!!!!!!!


ー第四十二章 頑丈だからね…しょうがないね。ー


ガラガラッ

宗谷 「…痛い……」

鳳翔 「……生きていますね。」

夕立 「政一は大丈夫っぽい!?」

提督 「…痛ぁ……破片刺さった…」

宗谷 「…建物自体を爆破するなんて……」

鳳翔 「随分と横着な事をされるんですね。」

提督 「この方が手っ取り早いからな。」

夕立 「…政一、帰るっぽい。」

提督 「おう、破片抜いてから帰るわ。」

鳳翔 「…手伝います。」ズボッ

提督 「思ったよりは少ねぇな。」スボッ

宗谷 「…ねぇ、アレ……」

提督 「ん?」

積まれた高速修復材

提督 「…拝借しよう。」

バシャッ

提督 「ふぅ…」

鳳翔 「よく死なずに生き残りましたね。」

提督 「身体が艦娘と同等のモノらしいからな…」

夕立 「…誰か来るっぽい。」

提督 「ん?」

榛名 「……」大破

提督 「…榛名か?大破しててよく分からんが……」

榛名 「…貴方は、提督ですか?」

提督 「おう…一応な。」

榛名 「…助けて下さい……」

提督 「分かった…一度鎮守府に案内するよ。」

榛名 「…分かりました。」

ー談話室 12:40ー

榛名 「入渠させて頂き有難う御座います。」

提督 「あんな姿では話も出来ないからな。」

榛名 「…私はI提督の鎮守府に在籍しておりました。」

提督 「…横須賀か。」

榛名 「はい…I提督はH提督と共に悪事に手を染め、

其の結果皆が苦しんでいるんです。」

提督 「…H提督ならさっき爆破したぞ。」

榛名 「…あの瓦礫ですか。」

提督 「おう。この鎮守府から三人攫われてな。」

榛名 「…御願いします、どうか皆を助けて下さい!!」

提督 「…横須賀か……分かった、向かおう。」

榛名 「有難う御座います…」

提督 「君はこの鎮守府で保護させて貰うから。」

榛名 「分かりました。」

G五月雨 「あの…」

提督 「五月雨、どうかしたか?」

G五月雨 「私はどうなるんでしょうか…」

提督 「…今は大人しくしてて。」

G五月雨 「…分かりました。」

提督 「…で、誰を助けたいの?」

榛名 「比叡お姉様と霧島です!!」

提督 「…比叡霧島…後は?」

榛名 「…睦月ちゃんが、私を庇ってくれました。」

提督 「睦月…成程、分かった。」

榛名 「…御願いします。」

提督 「…あぁ、任せろ。」パタン

榛名 「……あの人なら、きっと大丈夫…」


ー第四十三章 カチコミじゃあ!!!(彼は本気です)ー


ー十二月四日 横須賀第八鎮守府 10:22ー

提督 「…此処か。」←コマンドー状態

?? 「……貴方は誰?」←中破

提督 「…ラバウルの提督、君は?」

?? 「…私、名前をまだ知らないの。」

提督 「…分かった、保護しよう。」

?? 「有難う…」

提督 「離れてろ。」つロケラン

バシュウ!!

ドゴーーン!!!!

提督 「よし、開いたな。」

I長門 「な、誰だ貴様は!?」

提督 「保護暗殺依頼を受けたラバウル提督じゃ!!」

I長門 「何だと!?」

提督 「カチコミじゃあ!!!!覚悟せぇやァ!!!!」

I長門 「曲者だ!!迎撃しろ!!」

I川内 「え…何あのコマンドー……」

I熊野 「ランボーより乱暴なのは確かですわ!!!!」

I龍驤 「阿呆な事抜かしとる場合ちゃうやろ!!」

提督 「喰らえ!!」バシュウ!!

I長門 「なっ!?」

ドゴーーン!!!!

I長門 「ぎゃあああ!?」大破

I川内 「きゅう…」戦闘不能

I熊野 「きゃあっ!?」中破

I龍驤 「何してくれんねん!!」中破

提督 「まだ分かんねぇか!?これは戦争だ!!」

I長門 「相手はたったの一人だ!!数で押せ!!」

提督 「ん?」つヘヴィマスィンガン!!

I長門 「あっ…」

提督 「吹っ飛べオラァ!!!!」ズガガガガガガガガガ!!!!

I長門 「た、退避!!」

I龍驤 「何や彼奴人間武器庫なんか!?」

I熊野 「と、トンズラですわ!!」

提督 「よし、移動するぞ。」つヘヴィマスィンガン!!

?? 「は、はい…」(絶対50kg有るよねあの機関銃…

後何でメタスラのボイスが流れるんだろう…)

ー横須賀第八鎮守府 一階廊下ー

提督 「カチコミじゃあ!!!!」ズガガガガガガガガガ!!!!

ぶっ!?べっ!?らっ!?がっ!?ぎっ!?ぐっ!?げっ!?ごっ!?

?? 「うわぁ…次々に撃たれてく……」

提督 「ふはははは!!!!」ズガガガガガガガガガ!!!!

ぐべっ!?おごっ!?あばっ!?ぎゃっ!?もっとぉ!!いっ!?

?? 「今ドM居なかった!?」

提督 「ふははは…弾切れだ。」ズガガガガガン!!

?? 「へ?」

提督 「.30-06Springfieldの生産って大変なんだよ…」

?? 「知りたくなかったよそんな裏情報…」

提督 「まぁ…他に武器有るしこれは此処に置くか。」

?? 「御荷物は後で回収、ですね。」


ー第四十四章 突撃他所の鎮守府さん!!(アポ無し)ー


ー横須賀第八鎮守府 二階廊下ー

提督 「……」

しーーーーん…

提督 「片っ端からノックしてくぞ。」

?? 「はい。」

提督 「ノックしてもしもーし!!!!」バコォン!!!!

I暁 「……!?」

提督 「ハズレか。」

?? 「…貴方暴力的だって言われた事無いですか?」

提督 「迫害された分をお返ししただけだ。」

?? 「…へ?」

提督 「ノックしてもしもーし!!!!」バコォン!!!!

比叡 「…!?」

霧島 「あ、貴方は一体!?」

提督 「…当たりを引いたか。」

比叡 「来ないで…虐めないで…」

?? 「この反応って…まさか!?」

提督 「…矢張り奴は殺すべきか。」

霧島 「…何を言っているんですか?」

提督 「貴女の姉から保護依頼だ。」

霧島 「…榛名が?」

比叡 「……榛名?」

提督 「おう、榛名はラバウルで生きてる。」

比叡 「…行く。」

霧島 「お姉様、良いのですか!?」

比叡 「榛名が生きてるなら…私は生きられる。」

提督 「…着いて来い。面倒なら見てやる。」

比叡 「うん…」

霧島 「…分かりました。」

提督 「で、一つ聞きたいんだが。」

比叡 「何…ですか?」

提督 「榛名を庇った駆逐艦…分かるか?」

霧島 「分かります。睦月と如月。後皐月です。」

提督 「よし、保護するぞ。」

ーこの階には居なかった模様。ー

ー横須賀第八鎮守府 三階廊下ー

提督 「…」

?? 「……居ましたね。」

睦月 「…ぁ……」

比叡 「…おいで。」

睦月 「会いたかった…」バタッ

霧島 「睦月!?」

提督 「…栄養失調で気絶したんだ。」

比叡 「…そんな……」

提督 「………これだな。」つ注射器

霧島 「…其れは一体……」

提督 「栄養失調状態の患者に打つ点滴だ。」プスッ

比叡 「…点滴?」

提督 「…食えないなら直接って事だ。」

霧島 「分かり易い表現をどうも。」

提督 「何処か安静に出来る場所に運ぶぞ。」

霧島 「分かりました。」

ー休憩室ー

提督 「…霧島、比叡。君達は此処で睦月を頼む。」

比叡 「…うん。」

霧島 「分かりました。」

提督 「…奴を殺して終わらせてやる。」

?? 「何をですか?」

提督 「…負の連鎖を断ち切って終わらせる。」

?? 「…負の、連鎖…ですか。」


ー第四十五章 負の連鎖、断ち切られる。ー


ー廊下ー

皐月 「…如何しよう……」

如月 「…耐えるのよ……」

提督 「…よう。」

皐月 「うわっ!?」

如月 「きゃあっ!?」

提督 「お前達、睦月が待ってるぞ。」

如月 「…へ?」

提督 「比叡も榛名も待ってるぞ。」

皐月 「…貴方は?」

提督 「ラバウルの提督だ。」

皐月 「ラバウル…」

提督 「如何するんだ?来るか残るか。」

如月 「…選択肢は一つよね。」

皐月 「うん…此処に残る意味は無いよ。」

提督 「…分かった、睦月の居る部屋に案内するよ。」

ー休憩室ー

皐月 「睦月!?」

如月 「如何いう事!?」

提督 「栄養失調だ…応急処置は済ませた。」

霧島 「死にはしないと思いますけど…」

提督 「俺は此処の提督を殺して来る。」

皐月 「そんな!?無茶…でも、ないか。」

如月 「見た目がコマンドーだもの…」

提督 「…君も残るんだ。」

?? 「え?」

提督 「…向こうで騒がしくなったら先に此処を出て

急いでラバウルに向かうんだ…君が旗艦になれ。」

?? 「何でそんな事を言うんですか?」

提督 「私が死ぬ可能性が僅かだが有る…」

?? 「そんな…」

提督 「…頼む。」

?? 「…分かり、ました……」

提督 「…済まない。」タッ

?? 「…脱出の準備です!!」

ー執務室ー

提督 「カチコミじゃあ!!!!」バコォン!!

I加賀 「なっ!?」

I提督 「…来たか。」

I加賀 「提督!?何故冷静なのですか!?」

I提督 「…私がこうなる事は分かっていた。」

提督 「ほう?」

I提督 「…罪を償う時が来た、其れだけだろう?」

提督 「おう、随分と従順だな。」

I提督 「…もう諦めているだけだ……」

提督 「で、如何するよ?」

I提督 「…殺してくれ。自決する勇気が私には無い。」

提督 「…分かった。」チャキッ

I提督 「…済まなかった。」

パァン!!

I加賀 「…ぁ…ぁあ……」

提督 「…お前は如何する?」

I加賀 「…提督!?提督!!」

提督 「…さようなら。」

パァンパァン!!パァン!!

提督 「…逃げるか。」

ー軍港 22:40ー

提督 「…」大破

卯月 「…お帰りなさい。」

提督 「…徒桜から遠路遥々来たのか。」

卯月 「えぇ。」

提督 「…よく来たな。」

卯月 「えぇ、疲れましたけど。」

提督 「だろうな。」


ー第四十六章 睦月型交流会ー


ー談話室 23:44ー

提督 「…」←バケツ使用

卯月 「……」

睦月 「…にゃしぃ……」

如月 「…えっと……」

弥生 「…何ですか?」

皐月 「…僕に何か用かな?」

文月 「ふみぃ…」

提督 「睦月型駆逐艦のうち、半数が此処に集った。」

卯月 「えぇ、そうですね。」

提督 「だが、出身や経歴はバラバラである。」

皐月 「そう、だね…」

提督 「そこで、交流会を開こうと思ってな。」

睦月 「…こんな夜中に?」

提督 「殿を務め大破し帰還後バケツで回復して直ぐ

こうして交流会を開こうと思い付いたものでな。」

卯月 「…この人は悪い人ではないんです。」

弥生 「ほんの少し変わっているだけ…です。」

文月 「とっても優しいのぉ〜。」ぽわわ〜

提督 「…外野の意見は以上だ。」

皐月 「…で、何をするの?」

提督 「此処で取り出したるは株札!!」テッテレー!!

睦月 「にゃし?」

提督 「さぁ、勝負をしようではないか!!」つ小銭

如月 「賭け事はちょっと…」

提督 「安心せよ、この小銭は一円ばかりだ。」

卯月 「…本当ですね。」

提督 「他に五円と十円が有り、額面が其の儘点に

変換される、麻雀で使う点棒の様な物だ。」

如月 「成程…」

提督 「初期は百円、一人四回まで投資出来るぞ。」

文月 「ルールは大事なの…」

提督 「一度に賭けられるのは一軒、十円までだ。

一軒につき一人まで、早い者勝ちだからな。」

皐月 「分かった。」

如月 「やりましょう。」

提督 「株の後はUNOにトランプ、花札も有るぞ。」

卯月 「…これは徹夜ですね。」

ー十二月五日 06:20ー

提督 「…終わりだな。」

卯月 「…矢張り貴方の考える事が分かるというのは

良い事ですね…黒字に抑えられましたね。」つ百二円

弥生 「…ふぅ、黒字です。」つ百五円

文月 「ちょっとだけ負けたの…」つ八十六円

睦月 「……言葉も、無い…にゃし……」負債百二十八

如月 「…酷いわ……」負債百八十六

皐月 「……僕、弱いんだね…」負債百九十八

提督 「…さて、皆で楽しんでいた訳だが。」

卯月 「…確かに、気付けば朝ですね。」

提督 「皆で仲良く、頼むよ。」パタン

卯月 「…私はこれにて。」

弥生 「……告白ですか?」

卯月 「なっ!?」

弥生 「押さないと効きませんよ。」

卯月 「…うん。」


ー第四十七章 徒桜から来た元悪戯兎ー


ー政一自室 07:40ー

提督 「…少しでも仲良くしてくれると良いのだが。」

卯月 「…あの。」チャッ

提督 「ん?」

卯月 「…貴方の事が、ずっと気になっていました。」

提督 「お前はあの時…嘗て俺が副司令官だった時に

流れ着いたのが最初だったな。」

卯月 「えぇ、悪戯で裸の儘出て来ましたよね。」

提督 「で、私が自殺と。」

卯月 「アレ、今でもトラウマですよ…」

提督 「その後に私の鍛錬に巻き込んだな。」

卯月 「如月に謀られるとは思いませんでしたよ…」

提督 「一時的に精神が不安定になったな。」

卯月 「えぇ、キャラ崩壊と言うのでしょうか…」

提督 「準急と名乗っていた時、徒桜に戻ったな。」

卯月 「思えばあの時には既に恋していたのかと…」

提督 「…随分と待たせたな。」

卯月 「えぇ、本当に。」

提督 「…悪戯兎じゃなくても良いのか?」

卯月 「貴方が嫌いでしょう?」

提督 「…そう、だな。」

卯月 「…貴方の今の名を、教えて下さい。」

提督 「諫田政一だ。」

卯月 「…迚良い名ですね。」

提督 「そうか…で、卯月は如何したいんだ?」

卯月 「…私はずっと焦らされて来ました。」シュルッ

卯月 「もう我慢出来ません。」ギュムッ

提督 「…朝だぞ?」

卯月 「我慢出来ないと言ったでしょう?」

提督 「…だからってな……」

卯月 「もう待てません…」

提督 「…仕方が無い。」

ー16:44ー

提督 「…寝ていたのか。」

卯月 「……みたいですね。」

提督 「…これから如何するんだ?」

卯月 「…私、まだ指輪貰ってないんですよ?」

提督 「…今からは無理だぞ?」

卯月 「官給品でも構いませんよ。」

提督 「…官給ねぇ……」

卯月 「私は貴方の為に尽くし戦うのですから。」

提督 「…あの頃は悪戯ばかりだったのにな。」

卯月 「最早見る影も無いですね。」

提督 「…仕方無いな、シャワー浴びて来い。」

卯月 「ではお先に。」パタン

提督 「……如何説明すべきか…」

ー談話室 20:44ー

白鷺 「漸くか。」

卯月 「……」

白鷺 「長かったなお前。」

提督 「おい煩いぞ裏。」

白鷺 「あ?何だよ表こんだけ好意無視してた癖に。」

提督 「あ?頭に来たぞ手前表出ろ!!」

白鷺 「上等だ手前ぶっ飛ばして殺るかんな!!」

卯月 「……」///

暗闇 「…また一人増やしやがったな彼奴。」


ー第四十八章 金剛型ー


ー十二月六日 談話室 07:44ー

金剛 「…お帰りなさい、妹達。」

霧島 「金剛お姉様!!」

比叡 「…ただいま。」

榛名 「全員集合、ですね。」

金剛 「政一は凄いわね…皆集めちゃうもの。」

霧島 「政一とは?」

金剛 「あら、知らないの?提督の名前よ。」

霧島 「えっ!?」

金剛 「まぁ、本名は捨てちゃったらしいけど。」

比叡 「…何で?」

金剛 「追放されたらしいわ。拷問もされたとか。」

榛名 「そんな…なんて酷い事を……」

金剛 「だからこそ私達に優しいのよ。」

比叡 「…成程。」

祥鳳 「お茶と和菓子だよ。」カチャッ

金剛 「あら、美味しそうよな御抹茶。」

祥鳳 「お兄ちゃんお茶を点てるの上手なんだよ。」

比叡 「…お兄ちゃん?」

金剛 「あぁ…提督の事よ。この子は妹(仮)なの。」

祥鳳 「(仮)じゃないよ!!」プンスカ

霧島 「……(仮)とは?」

祥鳳 「…私、祥鳳って言うんだけど……」

榛名 「祥鳳って、軽空母の?」

金剛 「大破して流れ着いた後、記憶を失くしてね…

艦娘適性も無くなってたらしいわ。」

祥鳳 「お兄ちゃんは[無理に思い出すと潰れるから

ゆっくり此処で過ごしなさい]って言ってたよ。」

金剛 「本当に、あの人は優しいからねぇ…」

提督 「冷めるぞ、さっさと飲め。」スッ

比叡 「!?」

霧島 「吃驚しましたよ…」

榛名 「て、提督!?」

金剛 「あら、御免なさいね…本当だ、美味しい。」

提督 「昔から抹茶は好きでな…」

金剛 「私も点てられる様になれるのかしら…」

提督 「コツは[素早く小刻みに]だぞ。」

金剛 「卵を混ぜる様な感じ?」

提督 「おう、其れに近いぞ。」

金剛 「成程ね…」

比叡 「…なんだか、違和感を感じる。」

霧島 「確かに。」

金剛 「私が流暢に話すからじゃない?」

榛名 「あぁ、確かにお姉様が普通の日本語ですね。」

金剛 「あんなキャラで男が寄る訳無いでしょ?」

霧島 「うっ…た、確かにそうかも……」

金剛 「此処では素を出せるから有難いのよね。」

提督 「無理強いはしない方針だ。」

祥鳳 「お兄ちゃん、買い物行こ?」

提督 「まだ仕事が残ってるからな…不知火は確か

昼上がりだった筈だから不知火と行け。」

祥鳳 「はーい。」

金剛 「…ほんわかするわね。」


ー第四十九章 馬鹿と言われる筋合いは無いー


ー外洋 10:44ー

提督 「…雑魚に用は無い。」ドドドーン!!!!

ほっぽ 「発艦!!」バシュウ!!!!

ドカーン!!

龍飛 「…この辺りではもう居ないな。」

提督 「…制海権は我等の手中に有り、か。」

満潮 「…あんた、誰?」中破

提督 「ラバウルの提督、階級少佐。」

満潮 「何で提督が艤装持って海の上に居るのよ…」

提督 「普通じゃねぇからだ。」

満潮 「…馬鹿ね。」

提督 「馬鹿と言われる筋合いは無い筈だが。」

満潮 「本っ当に馬鹿よ、あんたは…そんなに心配?」

提督 「当たり前だろう。」

満潮 「…そう……あんたの所に行きたかったわ。」

提督 「そう言うお前は落伍したのか?」

満潮 「えぇ…J提督の部下よ。」

提督 「…佐世保か。」

満潮 「あら、御存知?」

提督 「奴は黒いと噂されているからな。」

満潮 「…私を見れば分かるでしょ?」

提督 「あの噂は本当の様だな。」

満潮 「……私は、あんたみたいな馬鹿提督と一緒に

働きたかったわね…もう叶わないけど。」

提督 「お前達、満潮を中心に円形陣。鎮守府まで

護送しろ。俺は周囲を警戒しておく。」

龍飛 「分かった。」

満潮 「…良いの?」

提督 「お前みたいな不幸な奴を助けろと言われて

この世界に派遣されてるからな…帰るぞ。」

満潮 「…本当に馬鹿ね。」クスッ

ー入渠場 20:22ー

霞 「…満潮が来たそうね。」

提督 「おう、もう直ぐ来ると思うが…」

曙 「ツンデレ三銃士ってね…」

霞 「そう言うあんたはデレデレじゃない。」

曙 「そう言う貴女も屑って言わなくなったわね。」

霞 「言う訳が無いでしょう?政一が居ないと私達は

如何にもならないんだから…尊敬してるわよ?」

提督 「…そうかい。」

満潮 「…終わったわよ。」

曙 「お疲れ様。」

満潮 「…で、羅針盤が壊れたわ。」針グルグル

提督 「あぁ…お前、除籍されたんだな。」

満潮 「はぁ!?除籍!?私まだ落伍しただけよ!?」

提督 「おう…切るにはあまりに早過ぎるな……」

曙 「普通他の鎮守府に保護してないか聞くわよね?」

提督 「おう…思っていたよりも黒いな、此奴。」

霞 「…殺るんでしょ?」

提督 「当たり前だ…地獄を見せてやる。」

満潮 「…私、あんたの所にお邪魔するわ。」

提督 「おう、処理しとくわ。」


ー第五十章 謎の子の正体ー


ー十二月七日 工廠 06:44ー

提督 「……」ペラッ

?? 「あのー…」

提督 「来たか…まぁ座れ。」

?? 「済みません…」ギギッ

提督 「…お前見たいな奴は俺は見た事が無い上に、

大本営の確認艦娘一覧表にも記載は無かった……」

?? 「え?」

提督 「変なんだ…前代未聞の事が起きてる。」

?? 「じゃあ、私は一体……」

提督 「長身で蒼い長髪に蒼い瞳…青髪の奴は確かに

居はするが蒼龍なら俺は何度も見ているし、他の

奴は皆揃って低身長…噛み合わないんだ。」

?? 「……」

提督 「…君は一体何者なのだろうか。」

?? 「…もう偽るのは辞めましょうか。」

提督 「……」

?? 「髪は兎も角目の色には苦労したわ。」

提督 「…正体偽装か……何か有ったな?」

?? 「…ソ連の艦と言えば分かる筈よ。」

提督 「ソ連…ロシア艦か。」

?? 「えぇ…日本語だけを話すのは疲れるわね。」

提督 「母国語を捨てるのは容易では無い。」

?? 「…そうよね……」

提督 「…で、お前の本当の名は?」

??→ガングート 「私は戦艦ガングートよ。」

提督 「ガングート…あぁ、確かに面影が有るな。」

ガングート 「知っているの?」

提督 「普通の奴なら。」

ガングート 「そう…私の眼は如何にもならないわ。

無理矢理染めたから戻せないのよ。」

提督 「…無茶をしたんだな。話し方も相当違う。」

ガングート 「えぇ…畳化と言うのかしら……」

提督 「其れでこれから如何する気だ?これから革命

でも起こしてこの鎮守府を乗っ取るのか?」

ガングート 「そんな事はしないわよ…」

提督 「ほう…」

ガングート 「…私は貴方の為に動くわ。」

提督 「わかった。」

ガングート 「…貴方は如何するの?」

提督 「佐世保のJ提督とやらを消す。」

ガングート 「あら、粛清?」ニヤッ

提督 「おう、お前等御得意の粛清だ。」ニタァ

ガングート 「良いわね…行くわ。」

提督 「なら装備を変えな。其れは火力が足らん。」

ガングート 「…手持ち無いわよ?」

提督 「ほれ。」つ四十主砲

ガングート 「…日本の410mm……」

提督 「四の五の言うと置いて行くぞ。」

ガングート 「文句は無いわ…良い主砲じゃない。」

提督 「さっさと装備しろ、行くぞ。」

ガングート 「えぇ…同志である提督の為に。」

提督 「……同志、か…」


ー第五十一章 佐世保襲撃ー


ー十二月八日 佐世保第九鎮守府 05:44ー

提督 「…殺るか。」

ガングート 「…えぇ。」

卯月 「…消しましょうか。」

文月 「…早く行こ?」

満潮 「あの馬鹿を消しましょう。」

提督 「ノックしてもしもーし!!!!」バコォン!!

望月 「…マジ…死にそ……」フラッ

三日月 「大丈夫…きっと助かるから……」

提督 「…卯月、文月。」

卯月 「はい。」

文月 「保護するのぉ。」

提督 「さて、如何するか…初動が大事だぞ。」

満潮 「ねぇ、あれ…朝潮姉さんよ。」

提督 「……保護。」

満潮 「分かったわ。」

朝潮 「…満、潮?満潮なの?」ハイライトは遅刻中

満潮 「えぇ、そうよ…」

朝潮 「…良かった……生きてたんだ…」ギュッ

満潮 「…御免なさい、迷惑を掛けて……」

提督 「……」

ガングート 「…先に行く?」

提督 「いや、先にドックを落とす。」

ガングート 「成程、拠点を作るのね。」

提督 「あぁ…おい、行くぞ!!」

卯月 「はーい。」

ー入渠場 06:27ー

提督 「物資が乏しいな。」ガラガラ…

朝潮 「…あの……」

提督 「何?」

朝潮 「満潮を保護して頂き、有難う御座いました。」

提督 「…構わない……が、先に入渠しなさい。」

朝潮 「…分かりました。」ピシャッ

提督 「……」スラッ

卯月 「…打刀、黒いですね。」

提督 「……まぁ、な…」

ガングート 「……疲れた。」

提督 「だろうよ…ゆっくりしなさい。」

J北上 「…こんな所に居たんだね~……」

提督 「……」チャキッ

J北上 「刀?そんなので勝てっこないよ?」

提督 「…試してみるか?」

J北上 「…やる?」ジャコッ

提督 「遅いぞ。」←J北上の後ろ

J北上 「なっ!?」

提督 「さらばだ。」ズバッ!!

J北上 「あぐぅっ…大井っち……」ドサッ

提督 「…少しは考えて動くべきだ。」

ガングート 「…貴方は容赦が無いな。」

提督 「容赦も情も、此奴には必要無い。」

ガングート 「…そう、か。」

提督 「武装の整備…いや、食糧が先か。」

ガングート 「……この国の料理には疎い。」

提督 「…漁るか。」

J阿武隈 「えっ…やだっ北上さん!?」

提督 「……」スッ

J阿武隈 「はっ!?」クルッ

提督 「気付くのが遅い。」ズバッ!!

J阿武隈 「…やだ……」ドサッ

提督 「…移動が先か。」

ガングート 「…其の様ですね。」


ー第五十二章 怒りと壊滅ー


ー一階廊下 07:22ー

提督 「……大丈夫か?」

三日月 「は、はい…」

望月 「…有難う。」

朝潮 「司令官、朝潮は問題有りません!!」

提督 「…朝潮は元気だな。」

J長門 「ん?」

提督 「…長門か。」

J長門 「其処に居るのは使えない駆逐艦か。」

提督 「…は?」

J長門 「あの程度で沈む軟弱者は要らん。」

提督 […殺ス。]スラッ

J長門 「殺す?私を?貴様が其の刀でか?」

提督 [覚悟シロ…コノ刀ハ深海棲艦スラモ一斬リデ

彼岸送リニスル刀ダ……行クゾ…]ザッ

J長門 「…やれるのならやってみろ。」

提督 [斬捨御免。]ズバッ!!

J長門 「はっ…がっ……」ドサッ

提督 […無様二死ネ、長門。]ブンッ!!

朝潮 「…司令官?」

卯月 「…逆鱗に触れましたか……」

文月 「司令官、激おこなの…」

提督 […行クゾ、コノ鎮守府ヲ潰シニ。]キンッ

ガングート 「…えぇ。」

ー二階廊下ー

提督 「……この程度か。」

ガングート 「…この扉、厚いわね。」

提督 「…執務室か?」

朝潮 「はい、そうですけど…何か?」

提督 「…この感じは……」バコォン!!

朝潮 「司令官!?」

J提督 「…遂に迎えが来たか。」

提督 「…やっぱ手前か。」

J提督 「…大本営以来だな。」

提督 「手前、あの時は随分やってくれたな?」

J提督 「…結果左遷されたがな……」

提督 「………」

朝潮 「如何いう事ですか!?」

提督 「…此奴はラバウルの前任の同期だ。」

朝潮 「えっ…」

望月 「ラバウルって…確か司令の居る所だよね?」

三日月 「其処の前任の同期さんが、司令官?」

J提督 「…お前に殺されるとは思っていたが……」

提督 「こんなに早いとは思ってなかったか?」

J提督 「あぁ…もうそんなに力を蓄えたか……」

提督 「…見逃してやる。」

J提督 「…何だと?」

提督 「だが、三つ約束しろ。」

J提督 「…何だ?」

提督 「一つ、満潮、朝潮、三日月と望月のラバウル

への移籍…二つ、ラバウルとの同盟…三つ、今迄の

行いを悔い改める事……出来るなら見逃してやる。」

J提督 「…分かった、もう一度最初から始めるよ。」

提督 「…なら良い、帰るぞ。」

卯月 「はい。」

J提督 「…済まない。」


ー第五十三章 人間戦艦本領発揮ー


ー海上 10:44ー

提督 「もう少しすれば陸が見える…か?」

卯月 「そうですね…」

朝潮 「新しい鎮守府は直ぐ近くなんですね。」

提督 「…敵反応、近い!!」ジャキッ

装甲空母鬼 「アラアラ、オサンポチュウ?」バシャッ

装甲空母姫 「ウミノモクズニシテクレル。」バシャッ

南方棲鬼 「…マトメテシズメテヤル。」バシャッ

提督 「ボスクラス三隻とは…厳しいな。」

朝潮 「司令官、此処は撤退を!!」

提督 「……いや、奴等が俺を逃がすとは思えない…

仕方無い、お前達は鎮守府に増援を呼びに行け。」

朝潮 「然し!!」

提督 「…此処で全員死ぬよりはまだマシだ!!」

朝潮 「…そうですね、分かりました!!」ザァァ…

装甲空母鬼 「ヨカッタノ?カエシテ…」

提督 「…犠牲は十より一の方がマシだ。」

装甲空母姫 「…キサマノカンガエハキライダ。」

提督 「犠牲を減らすのは提督の基本だぜ?」

南方棲鬼 「…ウルサイ。」ジャキッ

提督 「煩い?心外だな。」

装甲空母鬼 「ソウイエバ、ミタコトノナイホウネ。」

提督 「小型軽量乍威力は折り紙付の主砲だ。」

南方棲鬼 「……コウケイ、オオキスギルゾ。」

提督 「六十一糎三連装軽量主砲…昔の方が圧倒的に

馬鹿馬鹿しい主砲だったぞ。コレはまだマシだ。」

装甲空母姫 「フザケテテイイノカ?」バウーン

提督 「…時間稼ぎは此処迄か。」ドドドーン!!!!

南方棲鬼 「グッ…」中破

提督 「…硬いな。」ジャコッ

バチャチャッ!!

装甲空母鬼 「ナカオレカ…ナカナカミナイナ。」

提督 「…あまり私を嘗めない方が良いぞ。」

装甲空母姫 「ソレハコチラノセリフダ!!」

提督 「…艦載機…艦爆か!!」

バココーン!!

装甲空母姫 「フハハハハ!!コウモマトモニアタレバ

タトエヤマトガタデアッテモブジデハアルマイ!!」

装甲空母鬼 「…マサカコロシタノカ?」

装甲空母姫 「アタリマエダロウ!!」

提督 […随分な事をしてくれる……]

装甲空母姫 「ナッ…ナゼブジナンダ!?」

南方棲鬼 「…ソレヨリモ、アレ……」

提督 […またか……だが、悪くは無い。]←銀髪赤目

装甲空母姫 「……キュウケツキ!?」

提督 [さぁ、仕切り直しだ…掛かって来い。]

装甲空母姫 「…コノ……ウアアアア!!」ダッ


ー第五十四章 増援ー


ドゴゴォン!!

装甲空母姫 「ギャアアアア!?」中破

提督 […ん?]

?? 「貴方は本当に…勝手に消えるんだから。」

提督 […悪いな、中枢。]

??→中枢 「探したんだから…もう……」

装甲空母姫 「ナニガオキテルンダ!?」

中枢 「…堕ちたわね、装甲空母姫。」

装甲空母姫 「チュウスウセイキサマ!?ナゼココニ!?」

中枢 「私の旦那を追って来たの、悪い?」ニコッ

装甲空母姫 「ダンナ!?コイツガ!?」

中枢 「私の旦那を此奴呼ばわり?随分偉いのね…」

装甲空母鬼 「…アナタハコノヨノヒトジャナイ。」

中枢 「そうよ…悪い?」

装甲空母鬼 「イヤ…アイスルヒトガイルノカ。」

中枢 「羨ましいの?」

装甲空母鬼 「…オソラクハソウナノダロウナ。」

提督 [そんな事より…お前達、如何する気だ?]

装甲空母鬼 「…コノママダトジリヒン、イッタン

テッタイスル……オイ、カエルゾ。」

南方棲鬼 「ア、ハイ…」バシャッ

装甲空母姫 「…オボエテナサイ……」バシャッ

装甲空母鬼 「…ラバウルニスムテイトクサン……

マタアウヒマデ、ゴキゲンヨウ。」バシャッ

提督 […耐えたか。]←実は中破

中枢 「大丈夫?」

提督 [何とかなる…其れより、帰るぞ。]

中枢 「…そう、ね。」

提督 […お帰り、中枢。]ニコッ

中枢 「…ただいま、貴方。」ニコッ

ー談話室 12:44ー

白鷺 「ほう、中枢も来たか。」

中枢 「…久し振りね。」

提督 「何とか耐えて帰って来たぞ。」

白鷺 「良かったな…で、髪と眼……如何した?」

提督 「…死に掛けて本領発揮って所か。」

白鷺 「なんだそりゃ…」

提督 「吸血鬼は吸血鬼だろ。」

白鷺 「…あぁ、成程な……日光大丈夫か?」

提督 「何故か平気だ。」

中枢 「…其処が不思議よね。」

提督 「異常だろうな。」

白鷺 「海を走れて艤装使えてタダでは死なずに且つ

提督としての指揮の腕は完璧と来たか…」

提督 「スペックだけ見れば最強だな。」

中枢 「でも欠点が…」

提督 「冷酷無情で戦闘狂…」

白鷺 「…でもコミュ障の雲龍があれだけ懐いてる。」

提督 「何か有るんだろうな…」

中枢 「でも其れが分からない…」

白鷺 「……」

提督 「……で、損益計算大丈夫か?」

白鷺 「……しまった忘れてたぁ!!!!」

中枢 「ドジね…」


ー第五十五章 提督の翼ー


ー14:22ー

提督 「……」読書中

?? 「あの、てーとくしゃんでしゅか?」

提督 「…ん?俺に用か……君は誰だ?」

??→後輩 「今日付で此処に着任する少尉でしゅ。

今日から宜しく御願いしましゅしぇんぱい。」

提督 「…おう。」

後輩 「しぇんぱい、何を読んでるんでしゅか?」

提督 「…[蜘蛛の糸]だな……[杜子春]も有るぞ。」

後輩 「…[杜子春]でしゅか?」

提督 「先日本屋で仕入れた新書だ…正直に言うと、

まだ一度も読んでいないから内容は分からん。」

中枢 「…ねぇ、其の子は誰?」

提督 「今日付で着任した後輩、階級少尉だと。」

後輩 「宜しく御願いしましゅ。」

中枢 「…私は中枢棲姫、彼の妻よ。」

後輩 「中枢棲姫…って、敵の親玉っしゅか!?」

中枢 「えぇ、[元]だけど…今はこの人の為に戦う

唯の哀れな女よ?あんまり強くないしね……」

提督 「自分の事を悪く言うな。」パタン

中枢 「あら、御免なさい。」

提督 「案内しよう、この鎮守府は狭いが広いぞ。」

後輩 「…矛盾してるっしゅ……」

ー工廠 15:20ー

提督 「此処は工廠…主には装備品の開発整備だな。」

後輩 「…そうっしゅか……」

後輩 (思ってた三倍は多いっしゅよ…)

明石 「…こんにちは。出来てますよ。」

夕張 「…本当に銀なんだ…目も紅いし……」

提督 「見ても面白くは無いと思うが。」ジャキッ

明石 「中折式である事を除けば普通の主砲です。

性能も標準の物と殆ど差は有りませんね。」

提督 「…上々だ、後十基程量産を頼む。」

明石 「分かりました…所で、背中の翼は?」

提督 「ん?」バサッ

後輩 「…何か生えてるっしゅよ……」

提督 「…あぁ、翼か。」バシュウ!!

明石 「飛んだ!?」

後輩 「しぇんぱーーい!?」

提督 「ふむ、以前と変わらんな。」スタッ

明石 「…着地が綺麗……」

提督 「…左右で違う翼か…半神半妖がこんな所で

表に出るとは思わなんだわ……つかまたこの姿か。」

明石 「…また?」

後輩 「しぇんぱい如何いう事っしゅか!?」

提督 「…嘗て別の世界線でこの姿で居ただけだ。」

明石 「えぇ…」

提督 「…人間から艦娘へ、艦娘から半神半妖へ……

この人生、本っ当に碌な事が無いな。」

明石 「…みたい、ですね……」

後輩 「しぇんぱい……」

提督 「…翼は邪魔なんだがな。」


ー第五十六章 提督、振り回される。ー


ー十二月九日 談話室 06:22ー

ガングート 「ねぇ、提督?」

提督 「ん?」

ガングート 「私って違和感の塊…よね?」

提督 「何方かと言えば個性じゃないかな?」ニコッ

ガングート 「…そう?」

提督 「だと思うよ。」

望月 「…うぁー……司令、マジダルい…」

提督 「無理しないで、寝てて良いよ。」

望月 「……そ?じゃお休み…」

三日月 「あの、司令官……えっと…」

提督 「如何したの?」

三日月 「私達、此処に居ても良いんですか?」

提督 「勿論、居て良いよ。」

三日月 「…有難う御座います。」

満潮 「あんた、コレは如何いう事?」

提督 「ん?」

満潮 「何で深海棲艦が普通に働いてんのよ…」

提督 「あぁ、雇ったんだよ。」

満潮 「や、雇った…」

提督 「うん、雇ったよ。彼女達の御蔭様で近海の

制海権も取れたしね…感謝してるよ。」

満潮 「…そう。」

朝潮 「司令官!!」

提督 「何?」

朝潮 「何か御手伝い出来る事は有りますか?」

提督 「無いよ、有難う。」

朝潮 「…そうですか……」

提督 「今はゆっくりしてね。」

朝潮 「はい…」

雲龍 「…また増えた。」

提督 「雲龍、お早う。」

雲龍 「お早う…」

提督 「娘は?」

雲龍 「卯月が見てる…」

提督 「卯月…なら大丈夫かな?」

朝潮 「大丈夫なんですか?」

弥生 「大丈夫…です……」スッ

提督 「お早う。」

弥生 「お早う御座います…」

Prrr…Prrr…

提督 「暁からか…如何した?」ピッ

[しらぬいちゃんが転んだわ、直ぐに来て!!]

提督 「分かった、何処だ?」

[私の部屋よ!!]

提督 「了解。」ピッ

提督 「じゃあね。」ダッ

望月 「あーい…」

朝潮 「…大変なんですね。」

ー暁自室 06:38ー

しらぬい 「御父様…」ぐずっ

提督 「…大丈夫か?」

暁 「コードに足を引っ掛けたみたいね。」

提督 「そうか…痛かったろ?」

しらぬい 「…痛い……」

提督 「…大丈夫だからな……」

しらぬい 「…うん……」

不知火 「政一!!」ばぁん!!

提督 「おう、怪我は無いから安心しろ。」

不知火 「そうですか…良かったです。」

提督 「不知火、一緒に居てやれ。」

不知火 「勿論です…大丈夫ですよ。」

しらぬい 「御母様…」ギュッ

提督 「…仕事に戻るか。」


ー第五十七章 深海追放棲艦ー


ー執務室 07:22ー

初霜 「あの…」

提督 「…何?如何かしたの?」

初霜 「コレを…」つ書類

提督 「…ん?」

ー戦闘派確認、至急対応せよー

提督 「…面倒な……」ギギッ

後輩 「しぇんぱい?」

准尉 「…敵艦隊か。」

提督 「暫く席を外す、執務は任せる。」

准尉 「分かった。」

後輩 「漸くしぇんぱいと会えたのに…」

提督 「…必ず此処に帰って来るから。」なでなで

後輩 「…じぇったいっすよ!!」

提督 「あぁ。」パタン

ー外洋 09:40ー

提督 「…またお前達か。」

南方棲鬼 「ア…オマエハアノトキノ……」

装甲空母姫 「ナンデマタキサマガココニ!!」

装甲空母鬼 「…ワタシタチデハカテソウニナイワ。」

提督 「…また殺るのか?」

南方棲鬼 「…モウタタカウキハナイゾ?」

装甲空母姫 「ワレワレハタタカウタメニキタノデハ

ナイ…ヨウケンハベツニアル。」

装甲空母鬼 「モウキガイハクワエナイワ。」

提督 「じゃねぇと困るっての…」

防空棲姫 「…オマエハアノトキノオトコカ。」

提督 「おや新顔、防空棲姫かな?」

防空棲姫 「アァ…コンカイココニキタノニハフカイ

ワケガアッテダナ…ハナシヲキイテクレルカ?」

提督 「此処で良いならな。」

防空棲姫 「…タスカル……ハナシトイウノハダナ、

チュウスウサマガコノサンニンヲキッタンダ。」

提督 「切った…雇用契約か。」

防空棲姫 「ソウダ…ワレワレシンカイセイカンハ、

ソノカイイキノオカシラデアルカタトケイヤクヲ

ムスブコトデソノカイイキデセイカツガデキル。」

提督 「だが、あの日の無断出撃で契約を打ち切られ

海から追放され行く宛も無く途方に暮れていると…」

防空棲姫 「ソウダ…ソコデ、ラバウルノテイトク二

サンニンヲヒキトッテモラオウトオモッテナ…」

提督 「…襲って来た奴等を味方にしろと?」

防空棲姫 「モチロンムチャナノハワカッテイル…

ダカラ、ワタシモドウコウスルコトニナッタ。」

提督 「…御目付役か?中間管理職は大変だな。」

防空棲姫 「ソウオモウナラヒキトッテクレ…」

提督 「…分かった、少しでも暴れたら消すからな。」

防空棲姫 「…スマナイ、テイトク。」

提督 「分かったから早く来い、置いて帰るぞ?」

防空棲姫 「ワカッタ、オイ、ハヤクコイ!!」

提督 「…大丈夫か?これ…」


ー第五十八章 海域封鎖ー


ー談話室 15:44ー

白鷺 「あはははは!!そりゃ良いな、傑作だ!!」

防空棲姫 「…笑わないでくれ……」入渠済

白鷺 「だってよ…くくっ……無断出撃で追放とか…

くはっ!!駄目だ笑っちまうぜ!!あはははは!!」

南方棲鬼 「…お前、他人事だと思ってるな?」入渠済

装甲空母姫 「…貴様が笑うと腹が立つ!!」入渠済

白鷺 「お頭から切られたって…くははは!!」

装甲空母鬼 「…この人笑い過ぎよ……」入渠済

白鷺 「あー笑った笑った…さて、仕事…に……」

提督 「……」仁王立ち

白鷺 「あっ…」

提督 「……」ギロッ

白鷺 「えと、其の…こ、これはですね……」

提督 「何油売ってんだ?」

白鷺 「はへ!?いや、其の…」

提督 「さっさと仕事に戻れ役立たずが!!」

白鷺 「イェッサー!!」ダッ

提督 「はぁ…おいお前等仕事だぞ。」

防空棲姫 「…どんな仕事なんだ?」

提督 「とある海域が深海棲艦の手で封鎖された。」

装甲空母鬼 「…詰まり交渉って事?」

提督 「あぁ、出来るなら仲間にしてくれ。」

装甲空母姫 「…仕方無い、やるぞ。」

南方棲鬼 「…はい。」

ーショートランド沖 21:44ー

南方棲鬼 「…此処ですね。」

防空棲姫 「…誰か居ませんか?」

港湾水鬼 「……はい?」

南方棲鬼 「あ…港湾の妹さん……」

港湾水鬼 「あ、南方さん。」

南方棲鬼 「如何してこの海域を封鎖してるの?」

港湾水鬼 「…ラバウルに居る提督さんを連れて来て

下さい……御話はラバウルの提督さんとします。」

南方棲鬼 「…訳有り?」

港湾水鬼 「えぇ…[湾港]と言えば分かるかと。」

南方棲鬼 「湾港?港湾じゃないの?」

港湾水鬼 「昔はそう呼ばれていたと姉が…」

南方棲鬼 「…分かった。」

港湾水鬼 「御願い致します…では私はこれで。」

チャポン

南方棲鬼 「…伝えましょう。」

ー十二月十日 執務室 05:22ー

提督 「湾港…成程、海域封鎖は呼出の代わりか。」

南方棲鬼 「如何いう事ですか?」

提督 「…昔、港湾棲姫に対し[湾港]と呼んでいた。」

南方棲鬼 「…て事は……」

提督 「彼奴だな…回り諄い真似を……」

ほっぽ 「ほっぽも行く!!」

提督 「よし、準備だ。」

ほっぽ 「うん!!」ダッ

提督 「…追い掛けて来たのか、態々此処まで。」


ー第五十九章 奇襲ー


ーショートランド沖 10:14ー

港湾棲姫 「…探したわ、其れに待ってたわよ。」

提督 「…久し振りだな……向こうは何年だ?」

港湾棲姫 「…もう覚えても無いわ。」

提督 「そうか…」

港湾水鬼 「…初めまして、妹の港湾水鬼です。」

港湾棲姫 「…妹も宜しく。」

提督 「おう。」

港湾棲姫 「…伏せて!!」

ドゴゴォン!!

港湾水鬼 「敵襲!?何で今!?」

港湾棲姫 「…私が人間側なのがバレたのね。」

提督 「……」つm202

港湾水鬼 「…ロケットランチャー……まさか!?」

提督 [吹き飛べ。]バシュウ!!

バコォォォン!!!!

港湾棲姫 「…何処で使い方を習ったの?」

提督 「説明書きを読んだ、以上。」

港湾水鬼 「…コマンドーじゃん……」

提督 「…」バシュウ!!

バコォォォン!!!!

提督 「…よし、帰るぞ。」

港湾棲姫 「…まだ誰か残ってる?」

提督 「死体だけだ。」

港湾棲姫 「もう一度第四勢力を結成したい。君さえ

許可してくれれば。」

提督 「あの日が最後です。」

港湾棲姫 「貴方の艦隊に入れてくれるかしら?」

提督 「あぁ。」

港湾水鬼 「…帰ろうか。」

提督 「先に言っておく、ラバウルは狭いぞ。」

港湾棲姫 「えぇ、知っているわ。」

提督 「…余計な心配だったか。」

港湾棲姫 「…貴方に恋して無残に散った花よ?」

提督 「ならば実を結ぶ手伝いをしてやろう。」

港湾棲姫 「あら、散らせた貴方が其れを言うの?」

提督 「…男はそんなモンさ……我儘で自己中心的。」

港湾棲姫 「…そう。」

提督 「…居る。」バシュウ!!

バコォォォン!!!!

港湾水鬼 「…貴方野蛮だって言われた事無い?」

提督 「何度も。」

港湾水鬼 「…其処は[行くぞ、急げ。]じゃないの?」

提督 「知らん、うだうだ言うと置いて帰るぞ。」

港湾水鬼 「御免なさい置いて行かないで下さい!!」

ー談話室 17:50ー

白鷺 「はっはっはっは!!遂にお前も後を追ったか!!」

港湾棲姫 「…笑わないでよ。」

白鷺 「其の薬指に光る物を着けて何を言うか!!」

港湾棲姫 「……」キラッ

白鷺 「そんな事より俺はあの手が艤装だった事に

驚いたぜ!!まさか外せるとはな!!あっはっはっは!!」

港湾棲姫 「…政一!!」

提督 「手前彼岸に送ってやろうか!?」バァン!!

白鷺 「済みません…」

提督 「次は容赦しないぞ。」パタン


ー第六十章 昇格ー


ー執務室 18:22ー

提督 「……昇格ねぇ…」少佐→准将

電 「…一気に将官……凄いのです!!」

ぷらずま 「…まぁ褒めてはやるのです。」

提督 「…階級なんて意味ねぇよ。」

宗谷 「…確かにそうかもね。」

提督 「んな事より近海は如何なんだ?」

宗谷 「現状深海棲艦の人達が哨戒中だよ。」

提督 「…そうか。」カタカタッ

港湾水鬼 「あの。」

提督 「はい?」

港湾水鬼 「姉が出ているのですが、救難信号が…」

提督 「何処だ?」ガタッ

港湾水鬼 「此処から十五粁地点です。」

提督 「…行って来る。」ダッ

ーラバウル沖 19:01ー

港湾棲姫 「…何故、こんな事をするの?」大破

泊地棲鬼 「…アナタハワレワレヲウラギッタ。」

泊地棲姫 「コノジジツニユルギハナイハズヨ?」

港湾棲姫 「……」

泊地棲鬼 「ズボシノヨウネ?」

提督 「…何やってんだよ、お前。」バシャッ

港湾棲姫 「あ、貴方…」

バチン!!

港湾棲姫 「…っ!?」パシャッ

提督 「戦場で単騎は自滅するだけだと…お前なら

分かっていたと思っていたが……失望したよ。」

港湾棲姫 「…御免なさい……」

提督 「…お前も彼奴等も、一人とて死なせない。

今こんな所で、死んでいい奴等じゃない。」

港湾棲姫 「……」

提督 「分かったら今直ぐ帰れ、今のお前は荷物だ。」

港湾棲姫 「…はい。」チャポン

提督 「…待たせたな。」

泊地棲鬼 「ズイブンタイセツニシテルノネ。」

泊地棲姫 「ナラアナタヲコロソウカシラ…」

提督 […殺れるなら殺ってみろ、私は甘く無いぞ。]

泊地棲鬼 「…フンイキガカワッタ?」

泊地棲姫 「…コイツマサカラバウルノテイトクカ?」

提督 [お前達には海の藻屑になって貰うぞ。]

泊地棲鬼 「……クッ…マケラレナイ。」

泊地棲姫 「…ヤッテヤル。」

提督 [さぁ来いやぁ!!!!]ジャコッ!!

ー20:34ー

提督 「…ふん。」

ー血と鉄の海ー

提督 「増援は無駄だと気付けなかったのか。」

提督 「……帰るか…彼奴等の待つ鎮守府に。」

ー談話室 22:18ー

提督 「……」zzz

港湾棲姫 「……」

ほっぽ 「港湾、無茶しちゃ駄目!!」

港湾棲姫 「御免…」

ほっぽ 「政一も心配するから!!」

港湾棲姫 「うん…」

白鷺 「親子逆転かな?」

暗闇 「見た目は親子でも実際は姉妹関係ですって。」

白鷺 「えっマジ?」

暗闇 「本当ですよ。」

白鷺 「…合法ロリ!?」

暗闇 「一遍死んどくか?あ?」

白鷺 「すんません黙ってます…」


ー第六十一章 北方棲姫の妹ー


ー十二月十一日 ラバウル沖 07:42ー


提督 「……こんな朝に呼び出しとは…」

北方棲妹 「……来たか。」

提督 「…ほっぽの妹か。」

北方棲妹 「姉貴を返せ。」

提督 「……困ったな…」

北方棲妹 「何がだ?」

提督 「ほっぽを返せば港湾棲姫も着いて行くし…

何よりほっぽが俺から離れてくれるのか……」

北方棲妹 「なっ…姉貴を誑かしたのか!!」

提督 「誑かした…いや、懐かれた?誑したか?」

北方棲妹 「…殺してやる!!」ジャキッ

ほっぽ 「九七、突撃!!」バウゥゥン!!

北方棲妹 「なっ!?」

バコココォォン!!!!

北方棲妹 「…くっ……」中破

提督 「ほっぽ、何故此処が分かったんだ?」

ほっぽ 「え?勘だよ?」キョトン

提督 「女の勘程恐ろしい物は無いな。」

北方棲妹 「…姉貴、何で……」

ほっぽ 「…政一を攻撃する妹は妹じゃない。」

北方棲妹 「そんな、姉貴…」

提督 「…此処まで言われると梃子でも動かんぞ。」

北方棲妹 「……そんな………嘘、だ…」フラッ

バシャッ

提督 「…仕方が無い、回収するぞ。」

ほっぽ 「…うん。」

ー入渠場 10:49ー

北方棲妹 「…ん……此処は…」

龍飛 「貴様は本当に馬鹿だな。」

北方棲妹 「…鳳翔!!」ザッ

龍飛 「…私は龍飛だ、間違えるな。」

北方棲妹 「龍飛…だと?」

龍飛 「姉が何故我々に味方するのか…其の理由を

先に調べてから呼び出しをするべきだったな。」

北方棲妹 「…そう、だな……」

龍飛 「…姉に見捨てられては終わりだぞ?」

北方棲妹 「……」

龍飛 「…貴様は暫くの間此処で保護するそうだ。」

北方棲妹 「何だと!?」

龍飛 「一種の謹慎だ、諦めろ。」

北方棲妹 「……」

ほっぽ 「ボーキ下さい。」チャッ

龍飛 「あぁ、持って行きなさい。」つボーキ

ほっぽ 「有難う。」パタン

龍飛 「…これからだぞ。」

北方棲妹 「…はい。」

提督 「……」チャッ

龍飛 「起きたぞ。」

提督 「あぁ、看病を頼む。俺は五月雨を大本営に

送って来るから、帰りが遅くなると思う。」

龍飛 「分かった。」

提督 「じゃあな。」パタン

龍飛 「…大人しくしておけ。」

北方棲妹 「…はい。」


ー第六十二章 元帥と提督ー


ー十二月十二日 大本営 09:22ー

提督 「……」

G五月雨 「大っきい…」

後輩 「しぇんぱい!!」てててー

提督 「…何故此処に居る……」

後輩 「しぇんぱいに着いて行きましゅ。」

提督 「…はぁ、誰に似たのか我儘な奴だ。」なでなで

後輩 「むぅ…」

提督 「分かった、一緒に行こう。」

後輩 「やったー!!」

提督 「仕方の無い奴だ…行くぞ。」

ー元帥室 09:58ー

元帥 「ほう、成程…此奴が例の五月雨か。」

提督 「えぇ、一応顔合わせをと。」

G五月雨 「えっと…」

元帥 「…君に其の子は任せよう、大事にしなさい。」

提督 「ファッ!?」

元帥 「…信用していた奴が黒くてな。」

提督 「…左様ですか。」

元帥 「序の元帥司令じゃ。」つ書類

提督 「えっ…岩川を落とせと?」

元帥 「……第八じゃな、真っ黒との報告じゃ。」

提督 「…分かりましたよ。」

元帥 「…話は変わるが娘とは如何なんじゃ?」

提督 「娘さん?何の話でしょうか…」

元帥 「……後ろに居るじゃろ、儂の娘が。」

提督 「えっ…」クルッ

後輩 「……」にぱー

提督 「…元帥、まさかこの子は…」

元帥 「あぁ…儂の妻が遺した大切な愛娘じゃ。」

提督 「…私に如何しろと言うのですか……」

元帥 「貴様には儂の娘を嫁に貰って欲しいのじゃ。」

提督 「あぁ、成程…って嫁ぇぇぇ!?」

元帥 「…断るのか?」ギロッ

提督 「私は周囲から[女誑し]と言われ続けているん

ですよ!?私に嫁入りさせて大丈夫なんですか!?」

元帥 「構わん、他所の阿呆より身内の誑しよ。」

提督 「まるで名言ですね。」

元帥 「そうかの…まぁ、娘を頼むよ。」

提督 「…分かりました。」

元帥 「其れから一つ補足なんじゃが、娘は貴様には

及ばんが海を走り深海棲艦を撃破するぞ。」

提督 「……」

元帥 「まぁ一応は人間じゃ、安心せい。」

提督 「………そうですか、分かりました。」

G五月雨→五月雨 「…提督?」

提督 「では、御暇させて頂きます。」

元帥 「まぁ待て、貴様には大本営で働いて貰う。」

提督 「……はい?」

元帥 「指輪なら用意してやろう。」

提督 「…仕方が無いですね。」

元帥 「済まんな。」


ー第六十三章 大本営勤務ー


ー大本営客室 10:22ー

後輩 「しぇんぱい、改めて宜しく御願いしましゅ。」

提督 「…まさかお前が元帥の娘だったとは……」

五月雨 「…なんか元帥様が若かった様な。」

提督 「御歳六十四らしい。」

後輩 「私が十八っしゅ。」

提督 「…四十五、六でか……」

五月雨 「あの、何をするんですか?」

提督 「深海棲艦の迎撃と新人の育成だな。」

コンコン

提督 「鍵なら開いてるぞ。」

チャッ

蒼龍 「え、えっと…今日付で着任した蒼龍です。」

飛龍 「同じく飛龍、今日から貴方に従います。」

提督 「……て事はラバウル在籍になるのかな?」

蒼龍 「はい。」

飛龍 「大本営での研修後はラバウルに転籍するとの

事です…研修は一週間を予定していると。」

蒼龍 「提督…御指導御鞭撻、宜しく御願いします。」

提督 「うん…まぁゆっくり教えていくよ。」

ー大本営弓道場 11:20ー

提督 「弓は兎に角射法八節を叩き込め。この基礎が

無ければ応用など夢のまた夢、覚えておけ。」

蒼龍 「はい!!」

提督 「まぁ慣れればこの程度は出来る。」つ矢五本

飛龍 「…連射ですか?」

提督 「いや、散弾撃ちだ。」キリキリッ

バシュウ!!

カカカカカッ!!

飛龍 「そ…束中…」

提督 「…後はこんな事も出来る。」つ矢四本

バシュウ!!バシュウ!!バシュウ!!バシュウ!!

カン!!カン!!カン!!カン!!

飛龍 「…皆中……何故…四百米は有るのに…」

提督 「…弓に確り慣れれば八節が曖昧でもこうして

[中りは]する。勿論威力や精度は落ちるがな。」

飛龍 「…頑張らなければ。」

提督 「…八節を叩き込め、只管に弓を射れ。」

飛龍 「はい!!」

蒼龍 「了解!!」

後輩 「しぇんぱい、これなら私でも撃てるっしゅ!!」

つ半弓

提督 「…撃てるだろうな。」つ四寸伸

後輩 「…大きいっしゅね。」

提督 「…昔扱っていたからな……如何してもな。」

後輩 「昔?」

提督 「死んでは戻り死んでは戻り、死ぬ度に身長は

変わり身体も変わり…其の途中で四寸伸をな。」

後輩 「成程…」

提督 「今も扱えるのは有難いな。」バシュウ!!

カカカカカン!!

後輩 「束中っしゅ!!」

提督 「唯、矢張り弓から離れ銃を扱っていた所為で

昔より精度は劣るな…仕方が無い面も有るが。」

後輩 「今でも充分凄いっしゅよ…」


ー第六十四章 大本営勤務其の二ー


ー沖合 14:20ー

提督 「…戦闘では空母の索敵が重要だ。」

蒼龍 「はい!!」

提督 「だが彩雲にも限りが有る以上限界が来る。

そうなれば発見出来ぬまま戦闘になる。」

飛龍 「成程…」

提督 「只管飛ばせ、只管慣れろ。慣れれば幾らかは

マシになる。飛ばしに飛ばして兎に角慣れろ。」

蒼龍 「はい!!」

提督 「敵艦隊と戦闘になれば艦載機で攻撃する。

其の際に攻撃を受け中破すれば終わりだ。」

蒼龍 「…然し、速力が……」

提督 「そう、足りない。だから砲艦と水雷艦が敵を

引き付け的をズラした隙を狙い撃つのが空母だ。」

飛龍 「…参考になります。」

提督 「これでも空母として戦闘していたんだ。」

蒼龍 「そうなんですか!?」

提督 「大昔だがな…敵艦隊捕捉、戦闘準備。」

飛龍 「はい!!」

蒼龍 「やります!!」

後輩 「…殺って良いっしゅか?」ひょこっ

提督 「…四匹残せ。」

後輩 「了解っしゅ!!」ダッ

蒼龍 「そんな、駄目です!!」

提督 「艦載機を飛ばして敵の標的を我々に向けろ。」

飛龍 「りょ、了解!!」バウゥゥン!!

提督 「さて、何処まで耐えてくれるのか…」

北方棲妹 「…あの馬鹿共は……」バシャッ

飛龍 「おわぁ!?」

蒼龍 「ひゃあ!?」

提督 「…あれはお前の部下か?」

北方棲妹 「…部下だった奴等だ。」

提督 「お頭が消えたのを機に反乱を起こしたか。」

北方棲妹 「…処分は任せる。」

提督 「おう、ほっぽとは如何だ?」

北方棲妹 「…まだ許して貰えてない。」

提督 「だろうな…」

北方棲妹 「だけど、貴様は良い奴だと分かった。」

提督 「そうかい。」

北方棲妹 「…謝るよ。」チャポン

提督 「……」

飛龍 「今のは…」

提督 「ウチで保護してる北方棲妹。」

蒼龍 「保護!?」

提督 「色々有ってな…戻って来たか。」

後輩 「…後は任せるっしゅ。」

蒼龍 「…艦攻発艦!!」バウゥゥン!!

飛龍 「艦攻、御願い。」バウゥゥン!!

ドドドドドン!!

提督 「…初めてにしては上出来だ。」スラッ

ズバズバッズバッ!!

提督 「…だが、二隻しか落とせないのは少しな。」

後輩 「…もう少し頑張って欲しいっしゅね。」

飛龍 「…スパルタですね……」

蒼龍 「そんなぁ…」

提督 「…さて、帰るぞ。」


ー第六十五章 大本営勤務其の三ー


ー大本営食堂 19:20ー

提督 「…」モグモグ

後輩 「カレーっしゅ!!」モグモグ

五月雨 「美味しい…」モグモグ

飛龍 「特盛四皿オカワリお願いします!!」ガツガツ

蒼龍 「私は特盛五皿!!」ガツガツ

提督 「…少尉、空母並びに戦艦は大飯食らいだ。」

後輩 「そうみたいっしゅね。」

提督 「ならんとは思うが…お前はアレにはなるな。」

後輩 「私は元から少食っしゅ。」

提督 「…なら良いが。」

ー入渠場 22:40ー

提督 「ふぅ…」

後輩 「しぇんぱい!!」ガララ!!

提督 「…何故お前が此処に……」クルッ

後輩 「だってもう夫婦っしゅよ?」ピシャッ

提督 「…半ば強引にだがな。」

後輩 「夫婦なら問題無いっしゅよ。」チャポン

提督 「…仕方の無い奴だな。」

蒼龍 「おっ風呂ー!!」ガララ!!

飛龍 「今日はゆっくり…」

提督 「…此処は俺の専用だった筈だが?」

蒼龍 「……隣と間違えました…」

飛龍 「……御免なさい。」

提督 「…何で一人で入れないんだろうな…」

元帥 「…貴様これは一体……」

提督 「アンタの娘は夫婦だからと強引に来てな…

二航戦は隣と間違えたとさ……笑えんわ。」

元帥 「…騒ぎは起こすな。」ピシャッ

蒼龍 「…もう此処で洗っちゃおっか。」

飛龍 「何で!?提督に素っぴん見せたくないよ!!」

提督 「心配なのそっちなの?」

後輩 「身体はもう見られてるけどしゅがおはまだ

見られてないっしゅ…だからっしゅよ。」

提督 「あぁ…」

後輩 「あ、私はずっとしゅがおっしゅよ。」

提督 「そうかい…」

蒼龍 「飛龍は何で化粧しちゃうかなぁ…」

飛龍 「だってアレだけは…アレだけは!!」

提督 「…思えば銀髪赤眼は紛う事無き不審者だな。」

蒼龍 「良いから化粧落としなよ!!」ジャバババ!!

飛龍 「あぁっ!?」バシャシャッ

後輩 「おぉ、飛龍しゃんのしゅが…お……」

提督 「ん?」

飛龍 「…見ましたね……私の知られたくない秘密。」

提督 「…傷跡か……形から見て斬られた物か。」

飛龍 「えぇ…二年程前に出来た傷ですよ……」

蒼龍 「序に言うと私も背中に有るんだよね。」

提督 「…そうか、俺と同じなのか。」

蒼龍 「え?」

提督 「…俺の過去は部屋で話す。」バシャッ

提督 「正直話したくは無いが…」ガララ

提督 「…聞く時迄には覚悟しておけ。」ピシャッ

後輩 「しぇんぱい…」


ー第六十六章 大本営勤務其の四ー


ー大本営客室 23:44ー

(政一の過去は既出の為割愛)

提督 「…以上。」

蒼龍 「…酷い……」

飛龍 「……そんな事が…」

後輩 「しぇんぱい…」

五月雨 「…提督さん……」

提督 「正直捨てたい過去ではあるが…まぁ、これも

運命なんだろうな。さて、寝るぞ。」ゴソゴソ

飛龍 「…寝るって、何処で?」

提督 「布団敷いてさっさと寝るぞ。」

蒼龍 「えっ…まさか雑魚寝!?」

提督 「贅沢を言うな。」

Prrr…

提督 「諫田政一、用件を。」

[もう直ぐ其方に着くわ。]

提督 「…随分と久し振りだな…新宮以来か。」

[えぇ…赤城さんと青いのと一緒に行くから。]

提督 「お前って奴は…青いのって言うな。」

[あら、これでも仲は良い方よ?]

提督 「ほう…」

[じゃあね、御出迎え宜しく。]プツッ

提督 「…先に寝てろ。」パタン

後輩 「…寝るっしゅよ。」

飛龍 「…はい。」

ー十二月十三日 大本営軍港 00:20ー

瑞鶴 「…久し振りね。」Kiss

提督 「おう。」

瑞鶴 「…会いたかったわ。」

提督 「俺もだ、会いに行けなくて済まなかった。」

瑞鶴 「其の分愛してね。」

提督 「分かってる。」

加賀 「…惚気はもう十分です。」

赤城 「……何時かは私も…」

提督 「二人も良く来たな、雑魚寝になるが良いか?」

加賀 「愚問ね、問題は無いわ。」

赤城 「勿論です。」

瑞鶴 「別に良いわよ。」

提督 「…なら案内しよう。」

ー大本営客室 01:00ー

加賀 「…意外と狭いのね。」

提督 「適当に布団敷いて寝てくれ、じゃ。」

赤城 「お休みなさい。」

瑞鶴 「…布団敷くわよ。」

加賀 「えぇ。」

ー05:00ー

起床喇叭<朝五時であります!!!!

加賀 「…朝?」ムクッ

瑞鶴 「ふわぁ…まだ眠いわね。」

提督 「…起きたか。」←徹夜で仕事

蒼龍 「…起きてたの?」

五月雨 「みたいです…私も御手伝いをしてました。

意外と御仕事が多くて驚いてます。」←朝三時起き

飛龍 「…私達の為にそんな事もするの?」

提督 「戦力化を一週間で成し遂げなければな…」

加賀 「訓練は私が受け持ちましょう。」

提督 「なら実践は俺だな。」

瑞鶴 「私も鍛錬しよっと。」

提督 「分かった、手配する。」


ー第六十七章 大本営勤務其の五ー


ー大本営弓道場 07:22ー

提督 「……」バシュウ!!

カカカカカン!!

後輩 「…中れ!!」バシュウ!!

カン!!

後輩 「おぉ、ど真ん中っしゅ!!」

提督 「…ほう、上手いじゃないか。」

後輩 「えへへ…」

加賀 「姿勢が少し悪いわ、もう少し背を伸ばして。」

飛龍 「はい!!」

瑞鶴 「せいっ!!」バシュウ!!

カン!!

瑞鶴 「あっちゃー、ズレちゃったか…」

蒼龍 「せい!!」バシュウ!!

ドスッ

蒼龍 「……逸れた…」

提督 「……」バシュウ!!バシュウ!!バシュウ!!バシュウ!!

カン!!カン!!カン!!カン!!

後輩 「…んー……せいっ!!」バシュウ!!

カカカカカン!!

後輩 「…束中っしゅ……」

提督 「…束中か、やるじゃないか。」

後輩 「ふへへへ…」

提督 「…少し気になったんだが、さ行は苦手か?」

後輩 「…ちょっと苦手っしゅ。」

提督 「…ちょっと弄るぞ。」くにくに

後輩 「しぇんはいなにやっへんふは?」

提督 「………よし、これで治った筈…」

後輩 「…先輩何するんすか!?……あれ?」

提督 「治ったな。」

後輩 「……先輩、せめて説明は欲しいっす。」

提督 「済まんな。」

後輩 「でも、これで遠慮無く甘えられるっす!!」

提督 「……」

後輩 「にひひ…先輩、大好きっす!!」ギュッ

提督 「…俺もだ。」バシュウ!!

カカカカカン!!

加賀 「…惚気乍も束中とは……」

赤城 「……気を引き締めないと。」

蒼龍 「うわっ!?」バツン!!

ドスッ

蒼龍 「…あれ?矢は?」

加賀 「足元ですよ。」

蒼龍 「うわっ!?」

赤城 「弓の弦が切れましたか。」

提督 「…ほれ。」つ弦

蒼龍 「あ、済みません…」

後輩 「先輩、この後は出撃っすか?」

提督 「…いや、元帥の所に寄る。」

後輩 「了解っす。」

瑞鶴 「よっほっせいっ!!」バシュウバシュウバシュウ!!

カカカン!!

瑞鶴 「よっしゃ!!」

加賀 「…」チャリッ

瑞鶴 「ちょ、十条纏め撃ちは流石に…」

加賀 「……」バシュウ!!

ドスドスッ

カカカカカカカカン!!

瑞鶴 「…正直八条中ったのには吃驚したわ。」

加賀 「…くっ……」

瑞鶴 「十条なんて無理に決まってるでしょ!?」

提督 「加賀、巫山戯るな。」

加賀 「済みません…」

瑞鶴 「ほら怒られた。」


ー第六十八章 大本営勤務其の六ー


ー大本営娯楽室 10:20ー

提督 「ぷよぷよにテトリス…コラムスも有るのか。」

後輩 「コラムス…って何っすか?」

提督 「コラムスは、宝石を縦横斜めに三つ並べると

消す事が出来る落ち物パズルだな…難しいぞ。」

後輩 「へぇ…」

大鈴谷 「お、総司令の娘と其の旦那じゃん!!」

提督 「…何か用か?」

大鈴谷 「うーん…あ、そうだ!!ぷよぷよ出来る?」

提督 「出来るが…何か?」

大鈴谷 「本当?じゃあ対戦しよ?」

提督 「…構わんが。」

大鈴谷 「ルールはぷよ通、二本先取ね。」

提督 「分かった。」

ー十分後ー

大鈴谷 「そんな…」ばたんきゅ〜

提督 「…割と下手だったぞ。」やった!!

大卯月 「あの鈴谷がやられてるっぴょん!?」

大望月 「えっ…大本営で一番強いのに?」

提督 「…ビリヤードが有るな。」

後輩 「やるっす!!」

提督 「よし、エイトボールでやるか。」

ー二十分後ー

提督 「…しまったな……」LOSE

後輩 「か、勝てちゃったっす…」WIN

提督 「あのショットをミスしたのが大きかったな。」

後輩 「…にひひ……」

提督 「…おい、行くぞ。」

後輩 「はーい!!」てててー

大金剛 「…迚夫婦には見えないデスネ……」

大熊野 「噂では元帥様直々の御命令だとか…」

大金剛 「て事は政略結婚デスカ!?」

大熊野 「恐らくは…次期元帥にする心算なのかと。」

大金剛 「あの御爺様は怖いデスネ…あ、ロンデス。」

大利根 「なぬっ!?この牌は一枚しか無いのじゃぞ!?」

大加賀 「…飛びましたね。」

大利根 「むぅ…もう一度じゃ!!」

大加賀 「私は出撃が有るのだけれど。」

ー大本営食堂 12:00ー

提督 「…よう爺。」

元帥 「せめて元帥と呼ばんか…」

提督 「六十過ぎた年寄りを爺以外でどう呼べと?」

元帥 「…せめて元帥と呼べ。様も何も要らんから。」

提督 「そうかい。」

元帥 「…で、あの後如何なんじゃ?」

提督 「何がだ?」

元帥 「娘との生活じゃよ…子作りとかじゃな。」

提督 「してる訳ねぇだろ。」

元帥 「儂は早めに孫の顔が見とうてな。」

提督 「俺達の他に六人も居る部屋では無理だな。」

元帥 「むぅ…其れもそうじゃな。」

提督 「然し彼奴はちっこいな。」

元帥 「其れは儂も同感じゃな。」

後輩 「何の話っすか?」←154cm

提督 「ん?少しな。」

元帥 「気にせんでもええわい。」

後輩 「逆に気になるっすよ…」


ー第六十九章 大本営勤務其の七ー


ー13:00ー

元帥 「…成程、其れならば説明が出来るな。」

提督 「面倒だよ本当に…」

Prrr…Prrr…

提督 「ん?暁からか…おう、如何した?」

[今大本営の正門の前に居るの、今直ぐ来て頂戴!!]

提督 「おう。」ピッ

元帥 「如何した?」

提督 「呼出だ、行って来る。」ダッ

元帥 「…彼奴は速いのぅ。」

ー正門前 13:18ー

提督 「如何した!?」

暁 「其れが…」

?? 「ひぐっ…えぐっ……」

提督 「…翔鶴?でもちっこいな。」

暁 「駆逐艦建造で何故かね…」

??→翔鶴 「…お兄ちゃん……」ギュッ

暁 「…政一、迷惑なのは分かってるけど……」

提督 「大丈夫、この子は護るから。」

暁 「御願いね。」タッ

提督 「…中に入るか。」

翔鶴 「うん…」

ー大本営客室 14:20ー

後輩 「うわぁ…可愛い…」

翔鶴 「…?」

提督 「…翔鶴、俺の…妻?の後輩だ。」

後輩 「名前で呼ぶっす!!」

提督 「お前の名前聞いてねぇぞ。」

後輩 「…あ……先輩の名前も知らないっす…」

提督 「俺は諫田政一、まぁこれは偽名だがな。」

後輩 「へ?」

提督 「名を捨て世を捨て今此処に居る。」

後輩→早紀 「成程…私は古市早紀っす。」

提督 「古市…あまり聞かんな。」

早紀 「…そうかもっすね。」

翔鶴 「…早紀お姉ちゃん?」

早紀 「はわっ…すっごい可愛いっすね。」

提督 「そんなに可愛い子が正規空母だぞ。」

早紀 「世の中残酷っすね…」

翔鶴 「お兄ちゃん、抱っこ。」

提督 「おう。」

翔鶴 「…えへへ……」ギュッ

瑞鶴 「ふぅ…お昼食べたわ…よ……」

加賀 「何を部屋の前で止まって…」

赤城 「加賀さんまで何を見て…」

翔鶴 「…お姉ちゃん達、誰?」

提督 「おう、お帰り。」

瑞鶴 「えっ…おめでた?」

加賀 「御祝儀をお渡ししないと。」

赤城 「御赤飯炊かないと…」

提督 「勘違いしてる様だが、この子は翔鶴だぞ。」

瑞鶴 「へ?て事は私のお姉ちゃん!?」

提督 「おう、建造したらこうなったとよ。」

加賀 「…意味が分かりません。」

提督 「其れが正常だろうよ。」

赤城 「…本当に翔鶴なんですか?」

提督 「おう…翔鶴なんだよ……」

早紀 「可愛いんすよ。」

加賀 「えぇ、可愛らしい子ですね。」


ー第七十章 大本営勤務其の八、そして…ー


ー17:00ー

蒼龍 「可愛い!!」

飛龍 「…この子が翔鶴……信じられない。」

提督 「だろうなぁ…」

早紀 「先輩、書類っす。」チャッ

提督 「おう、さっさと終わらせるぞ。」

加賀 「…提督、其の書類は?」

提督 「出来る仕事は有るからな。」

加賀 「…雑用ですか。」

提督 「まぁな…早紀、アレ。」

早紀 「了解っす。」ガサゴソ

加賀 「提督、名前呼びですか?」

提督 「…一応はな。」

早紀 「…有ったっす。」つ指輪

加賀 「え?」チラッ

[婚姻届]

加賀 「……提督?」

提督 「元帥の命令だ……どうも重婚の許可が天皇様

直々に出されたそうで…[ラバウル並び我が国の

改革、海軍将校の粛清に貢献した件の礼]との事。」

加賀 「………」

提督 「国の頭が考える事は分からん。」

早紀 「でも、これで正式な夫婦っす。」

提督 「…まだ承認されてない。」

早紀 「そんな事言わないで欲しいっす!!」

提督 「はいはい。」

加賀 「…提督。」

提督 「如何した…」

加賀 「大切にして下さい。鳳翔さんも龍飛さんも、

曙ちゃんも暗闇さんも。勿論早紀さんもです。」

提督 「分かっている。」

早紀 「其れじゃ早速報告っす!!」グイッ

ー元帥室 20:00ー

早紀 「…だから、御父さんとはお別れっす。」

提督 「永遠の別れでは無かろうに…」

元帥 「…いや、儂とはもう会えんじゃろうな。」

提督 「あ?何故?」

元帥 「…儂はもう直ぐ死ぬ、死刑じゃ。」

提督 「は?」

元帥 「…問題を放置したと、そう言われてな。」

提督 「…冤罪か。」

元帥 「じゃが、娘の嫁ぎ先も元帥の椅子を譲る奴も

生きている間に見つかった…其れだけで幸せじゃ。」

提督 「…要するに?」

元帥 「貴様は大本営で勤務をする事になる…此処で

元帥として活動する事となるの。」

提督 「…ほう。」

元帥 「…鎮守府に准尉が居たじゃろ?」

提督 「おう…」

元帥 「この大本営から…三十人、艦娘を引き抜いて

向こうに連れて行け。儂の最期の元帥権限じゃ。」

提督 「……分かった…三十人だな。」

元帥 「今居るラバウルの連中は全員この大本営に

向かわせるんじゃ…この大本営、そして海軍を…」

提督 「えぇ、任せて下さい。」

元帥 「…その返事、頼りにするぞ。」パタン

ー続くー


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2022-06-10 23:57:36

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