2022-06-26 03:39:23 更新

強くなる一方の深海棲艦、腐った海軍…

最早愛想も尽きた。

私は私と家族を護る為に寝返る。

仮に世界を敵に回そうとも家族だけは護り抜く。


諸注意は第一作に記載

諫田政一は深海棲艦を指揮する事に。

深海棲艦と共に海軍、そして国を敵に戦う。

先に待つは全滅か、或いは幸せか…


ー第零章 逃亡ー

ー一月十九日 執務室 0:29ー

提督 「……此処は陥落した事にするのか。」

中枢(深) 「エェ、アナタハシンダコトニスルワ。」

提督 「…なら、血を残そうかねぇ……」シャッ

ポタポタッ

暁 「…引越し準備、終わったわ。」

中枢(深) 「ソウ、ナラスグニデテチョウダイ。」

暁 「分かったわ。」

提督 「…これから世話になる。」

中枢(深) 「カマワナイワ、アナタノタメナラ。」

パタン

提督 「…悪いが私は海軍を捨てる。」

不知火 「…行きましょう、提督。」

提督 「…あぁ。」

ー一月十九日 01:28 深海棲艦大本営襲撃ー

ー一月十九日 08:44 大本営陥落ー

ー一月十九日 14:49 元帥行方不明 死亡と判断ー

ー一月十九日 18:42 元帥配下艦娘捜索打切ー

ー一月十九日 20:22 ラバウルー

准尉 「…海軍の愚行に愛想も尽きたか……」

准尉 「…ゴーヤ、至急居場所を突き止めてコレを。」

准尉 「…政一、私は貴方と共に海軍と戦おう。」

ー一月廿日 04:48 深海棲艦本拠地ー

北方棲姫 「…オイ、コイツヲツカマエタゾ。」

ゴーヤ(ラバウル) 「…コレを渡しに来ただけでち。」

提督 「…手紙だけ受け取って返しなさい。」

北方棲姫 「…テガミハアズカル、カエレ。」

ゴーヤ(ラバウル) 「…返事、待ってるでち。」

提督 「さて、手紙の中身は…」ガサッ

提督 「………北方棲姫、ラバウルに使者を出せ。」

北方棲姫 「ハ?」

提督 「[貴殿と其の配下を快く迎え入れる]と。」

北方棲姫 「…シッテルノカ?」

提督 「嘗て勤務していたラバウルの提督からだ。

元大本営の大将だった奴だな。信用出来るぞ。」

北方棲姫 「…ホントウニカ?」

提督 「大本営から態々私の配下になる様な男だ。

今も善戦しているとの事だから早めに迎え入れて

戦力確保をしておきたいんだ。頼めるか?」

北方棲姫 「…アナタガソコマデイウナラ。」

提督 「そうか、頼む。」

ほっぽ 「政一、早く!!」

提督 「おう、今行く!!」

北方棲姫 「……シンヨウデキルノダナ、ヤツハ。」


ー第一章 深海棲艦との生活ー


ー本拠地内 10:42ー

電 「…怖いのです……」

叢雲 「昨日迄姫級と生活してたのに何を今更…」

ぷらずま 「…イ級が多過ぎて邪魔なのですが……」

中枢(深) 「コロサナイデ、タイセツナナカマヨ。」

ぷらずま 「分かってるのですが…」

武蔵 「然し全く姫級が居らんな。」

中枢(深) 「ヒメキュウトカオニキュウトカ、ゼンブ

アノヒトガヒッコヌイテイッタカライナイワヨ。」

武蔵 「むぅ、其れは済まない事をしたな…」

中枢(深) 「イイノヨ、アナタタチガコウシテココニ

キテクレタカラミンナモドッテキテクレタシネ。」

武蔵 「そうか…」

中枢(深) 「タダ、ワタシノチョクゾクノブカニハ

ヒメモオニモイナイワ…ダカラアノヒトニイッテ

センセンニダスコトニナルワネ。」

提督 「だろうな…」

武蔵 「……話は変わるのだが、深海棲艦は我々と

あまり変わらない生活をしているのだな…」

中枢(深) 「ソウネ…ウミニイラレナクナッタカラ。」

大和 「……」

提督 「人間は只管に我儘で理不尽を無理に通す様な

生物だからな…蟹が食いたい鯨が食いたいと言って

海を汚し生態系を崩し自然を壊し尚飽き足らず。」

中枢(深) 「…ダカラニンゲンハキライナノヨ。」

提督 「だろうよ…」

中枢(深) 「…コノワタシガナカヨクスルニンゲンハ

アナタダケダカラ、ワスレナイデネ。」

提督 「…そうか……まぁ、そうだな。」

早紀 「先輩!!」

提督 「ん?」

早紀 「浴場がヤバイっす!!」

提督 「風呂場がか?」

早紀 「兎に角来るっす!!」

ー浴場 11:00ー

提督 「…檜風呂かよ。」

中枢(深) 「モリノモクザイデテヅクリシタノヨ。」

提督 「あぁ…そういう……」

中枢 「ねぇ…私をジロジロ見ないでくれない?」

中枢(深) 「ワタシヨリムネガオオキイノネ…」

中枢 「何処を見てるのよ!?」バシャッ

提督 「…ソコには触れないでおく。」

天龍 「女のココは男がとやかく言うモンじゃねぇ、

触れねぇってのは良い判断だと思うぜ。」パシャッ

提督 「…天龍、お前早速適応してんな。」

天龍 「どうせ寝返ったんなら寝返ったで受け入れて

自由に過ごすってのが私のスタンスなんでな。」

提督 「そん位が丁度良いんじゃねぇのかね?」

照月 (…何か恥ずかしい、提督が来てる。)パシャッ

提督 「…あぁ、一つ聞きたいんだが男風呂ねぇか?」

中枢(深) 「シンカイセイカンニハオンナシカイナイ

トイウノニオトコブロガアルトオモウノカ?」

提督 「…混浴か……」ガクッ

照月 (あれ…嬉しそうには見えない……)

提督 「仕方無いか…暑い。」バサッバサッ

中枢(深) 「オイ!?」

提督 「…シャワーがきっちり出るのは有難いな。」

大和 「私も入ろっかな。」バサバサッ

武蔵 「丁度汗を流そうと思っていた。」ファサッ

早紀 「檜風呂初めてっす!!」バサッ

中枢(深) 「……ナゼテイコウガナインダ…」

大和 「私達は提督の御蔭様で出撃出来るのですよ。」

武蔵 「裸を見られる程度、大したモノでは無い。」

早紀 「私政一と結婚してるっすよ、勝ち組っす!!」中枢(深) 「…ドオリデテイコウガナイノネ。」

提督 「…ふう……」ザバァ…

中枢(深) 「…シバラクハキュウカトオモッテ。」

提督 「ほーい…」


ー第二章 鹵獲ー


ー外洋 14:58ー

レ級 「……」

磯風 「…私を如何する気だ。」大破

レ級(深) 「ドウカシタノカ?」

レ級 「いや、大破艦が一名…恐らくは落伍。」

レ級(深) 「…ソーイヤチカクデセントウアッタナ。」

ル級(深) 「…ドウスルノ?」

磯風 「…戦艦が三隻、私もここまでか……」

レ級(深) 「…オイ、アイツアキラメハジメタゾ。」

レ級 「…仕方無い、連れ帰る。」

ル級(深) 「…ホンキ?」

レ級 「提督なら、恐らく殺しはしない。」

磯風 「…私を何処へ連れ行く気だ。」

レ級 「ウチの提督の所、陸だから安心しろ。」

磯風 「…従うが吉か。」

ー本拠地内政一自室 16:44ー

磯風 「……」←入渠済

提督 「…磯風ね……所属が大本営か。」←風呂上がり

磯風 「貴方は死んだと聞いていたのだが…」

提督 「……大本営と海軍に愛想尽きちゃってね…

逃げる為に死を偽装したのさ。」

磯風 「…そうだったのか。」

提督 「二つの選択肢が有るよ。」

磯風 「…何?」

提督 「一、此処に着任する。二、ラバウルに行く。

何方か好きな方を選ぶと良いよ。」

磯風 「…帰るという選択肢は無いのか?」

提督 「戦闘報告が上がっててね…君の居た艦隊は

大破進軍で三人死んでる。君が落伍したのは正に

神の救いとしか言い様が無い。恐らく姉が…いや、

何でもない……兎角君が仮に戻っても大破進軍で

死ぬ確率が迚高い状況だから帰す訳にはね…」

磯風 「成程、理解した…ならば私は此処の御世話に

なろうと思う。不束者だが宜しく頼む。」

提督 「分かった。じゃあこの書類に名前と前所属と

艦種、其れから練度と今の装備書いて執務室に。」

磯風 「…面倒だな……」

提督 「鉛筆で良いよ…これ鉛筆ね、後消しゴム。」

磯風 「鉛筆で良いのか?」

提督 「向こうで清書と処理はしてくれるから。」

磯風 「…分かった。」

提督 「…君みたいな不運な子が少しでも幸運になる

様にするのが私の役目だから、安心してね。」

磯風 「…所で提督は何故此処に来たんだ?」

提督 「昔からやり取りが有ってね…温和派と仲が

良かったりしたからさ、向こうの御偉いさんが

「良ければ指揮を執って欲しい」ってね。」

磯風 「…其の時には愛想が尽きていたと。」

提督 「そういう事…大本営の仲間は皆引越して来た

からあの時蛻の殻だったんだよ。」

磯風 「成程…書けたぞ。」

提督 「うん、執務室は出て左、隣の部屋だよ。」

磯風 「感謝する。」パタン

提督 「……落伍ねぇ…」

ー執務室 17:00ー

磯風 「……」

加賀 「…書類の方、受理しました。では今日から

宜しく御願いします、磯風さん。」

磯風 「あぁ、宜しく頼む。」

あきつ丸 「加賀殿、書類上がったであります。」

加賀 「分かったわ、タイムカードだけ切って頂戴。」

あきつ丸 「では失礼。」ピーッガシャッ

加賀 「政一が「終わったら部屋に来い」って。」

あきつ丸 「成程、では行って参るであります。」

加賀 「御疲れ様、明日も宜しくね。」

あきつ丸 「任せるであります、では失礼。」パタン

磯風 「…あの人は?」

加賀 「元陸軍船のあきつ丸ね。」

まるゆ 「戦闘報告、置いて行くぞ。」チャッ

加賀 「纏めとくわ、有難う。」

まるゆ 「構わん、どうせ戦闘以外に能は無い。」

磯風 「へ?」

まるゆ 「では失礼。」パタン

加賀 「…あの人はちょっと変わったまるゆさんよ。」

磯風 「何故男物の服を…」

加賀 「政一と寸法が同じなのよ。」

磯風 「…摩訶不思議だな。」


ー第三章 一手間違えれば戦況は変わるー


ー政一自室 18:40ー

あきつ丸 「…むむむ……」

提督 「…戦況は私が不利か。」

あきつ丸 「…こうであります。」パチッ

提督 「…王手。」パチッ

あきつ丸 「ぬっ…させませんぞ!!」パチッ

提督 「ほいありがとさん。」パチッ

あきつ丸 「なっ…詰んだであります……」

提督 「此処で飛車を動かしたのが間違いだな。」

あきつ丸 「…と言いますと?」

提督 「飛車は前後ろと横に睨みを利かせて初めて

役に立つ駒だ…此処では前にしか睨みが利かない。

故に此処に角を打たれると如何しようもない。」

あきつ丸 「…勉強になったであります。」

グラーフ 「…然し、私の方も詰ませるとは……」

提督 「まだチェックすらしてないが?」

グラーフ 「…最短三手、長くとも十七手で詰む。」

提督 「ほう、分かるのか。」

グラーフ 「あぁ…本国では相当強かったのだがな。」

暁 「…而も私の分も同時進行で一色にされたわ。

四十八しか置いてないのに全部黒よ…真っ黒。」

提督 「お前は角を狙い過ぎだな。」

暁 「…悔しいわ。」

グラーフ 「…どうせだ、麻雀でもしよう。」

あきつ丸 「そう言えば丁度四人でありますな。」

暁 「負ける未来しか見えないけど、やるわよ。」

ー18:55ー

提督 「ロン…清一色海底撈月ドラ三、倍満。」

グラーフ 「なっ…四枚待ちだと!?」

あきつ丸 「萬子を止めて正解であります。」

暁 「親倍満だから二万と四千ね。」

グラーフ 「…八百しか無いぞ……」

提督 「四暗刻は流石に無理かね…」

あきつ丸 「其れは最早神の怒りであります。」

ー19:27ー

提督 「ツモ、大三元。」

あきつ丸 「…箱であります。」

グラーフ 「と、飛んだぞ…」

暁 「…私一位だったのに……」

ー19:54ー

提督 「ロン、四暗刻単騎。」

あきつ丸 「ま、まさか倍役満を放銃するとは…」

暁 「而も白…たった一枚しか無かったのに……」

グラーフ 「…これは未来が暗いな。」

ー20:22ー

提督 「……ん、天和。」

暁 「…無双ね。」

あきつ丸 「…最早神の悪戯でありますな。」

グラーフ 「…ゲームを変えないか?」

提督 「…ならダーツでもやるか、01。」

ー20:38ー

提督 「上がり。」triple19!!Winner!!

暁 「……私、ビリ…」194

グラーフ 「…ダーツでも敵無しか……」85

あきつ丸 「ハットトリックまで決められては我々は

唯の賑やかしであります…」19

ー四人の夜は長いー


ー第四章 石の上にも三年とは言うが…ー


ー一月二十一日 02:44ー

提督 「…ツモ。」バタッ

グラーフ 「なっ…石の上にも三年だと!?」

提督 「役満だな。ローカルだが。」

あきつ丸 「初めて見たであります。」

提督 「…さて、寝るぞ。」

暁 「私は今日此処に御邪魔するわ。」

ー08:55ー

夕立 「ぽいぽいぽい!!大変ぽい!!」

提督 「如何したんだ?」

夕立 「あかつきちゃんが艤装を装備したっぽい!!」

提督 「………はぁ!?」ガバッ

ー工廠 09:12ー

あかつき 「……」ムフー

提督 「…マジだ、而も空母だ……」

暁 「…間違い無く貴方の子だからね。」

あかつき 「…名前欲しい。」

提督 「…名前……何か良いのは無いか?」

暁 「…何も思い付かないわ。」

提督 「…青龍。」

暁 「え?」

提督 「蒼龍って居るだろ?」

暁 「えぇ、まぁ…」

提督 「其の蒼を青銅の青に変えるんだよ。」

暁 「…良いかも。」

あかつき 「…やだ。」

提督 「そうか…」

あかつき 「……」

提督 「あ、早百合。」

暁 「え?」

提督 「早百合って如何だろうか。」

あかつき 「…良いね。」

提督 「今日から早百合だな。」

あかつき→早百合 「うん。」

暁 「…原型無いわね。」

提督 「親子で同じ名は流石にな…」

暁 「…そうね。」

ー執務室 09:33ー

早百合 「……」

加賀 「艤装展開、御願いします。」

早百合 「はい。」ガシャッ

加賀 「…上から28、38、20、20ですね。」

提督 「…上から艦戦、艦攻、艦爆、彩雲で頼む。」

加賀 「分かりました。」

提督 「…大きくなったな。」

早百合 「お父さんがあんな事しなければ…ね?」

提督 「お前だってあんな事しただろ、相殺だ。」

早百合 「…お父さんの意地悪。」

提督 「意地悪で結構、提督業は意地悪でなければ

上には立てんよ。まだまだお子様だな。」

早百合 「…石の上にも三年ってね。」

提督 「……だな。」

暁 「さ、訓練よ!!」

早百合 「え?」

加賀 「二航戦は出撃なので五航戦に頼みましょう。」

ー弓道場 10:22ー

早百合 「えい!!」バシュウ!!

カン!!

翔鶴 「…やぁっ!!」バシュウ!!

カン!!

瑞鶴 「お姉ちゃんも早百合ちゃんも上手いなぁ…」

提督 「……」バシュウ!!バシュウ!!バシュウ!!バシュウ!!

カン!!カン!!カン!!カン!!

提督 「少し鈍った。」バシュウ!!バシュウ!!バシュウ!!

カン!!カン!!カン!!

鳳翔 「あらあら…鍛錬ですね。」

提督 「だな…」

ー談話室 15:48ー

提督 「……」←仮眠中

磯風 「…仮眠中か。」

早百合 「……あぁ…疲れた……」

磯風 「早百合さん、何が有ったんだ?」

早百合 「鳳翔さんに扱かれたんだよ…」

磯風 「成程、其れで…」

加賀 「…レーションが届きました。」ドサッ

提督 「…御苦労。」ムクッ

磯風 「なっ!?」

早百合 「…やっぱりお父さんは何か変だよ。」

提督 「寝ようにも寝付けん、故に起きていた。」

磯風 「…驚いたぞ。」

加賀 「…レーションは流石に不要では?」

提督 「いや、試験をしろと言われてな。」

加賀 「へ?」

提督 「実は深海棲艦の新開発レーションだそうで。」

加賀 「…そうですか……」

提督 「味見だけすれば良いとの事。」

加賀 「分かりました。」

提督 「開発に二年か…よく続けたな。」

加賀 「石の上にも三年ですね。」


ー第五章 製造継続ー


ー工廠 17:44ー

提督 「…割と美味いな。」もちゃもちゃ

ガッチャンコンガッチャンコンガッチャンコン

…チャリン………チャリン………カッチャン……

南方棲戦鬼(深) 「…ナニシテンダ?」

提督 「…弾薬の製造……ラバウルに輸出する。」

南方棲戦鬼(深) 「…ナゼ?」

提督 「民間に千梃回してる…流石に製造を止めると

迷惑が掛かるのでね……まぁ、仕事は仕事さ。」

南方棲戦鬼(深) 「…ワタシガシヨウカ?」

提督 「…頼もうか。」

南方棲戦鬼(深) 「…ワレワレガツカウホウダンノ

ツクリカタトカワラナイナ……アンシンシタ。」

提督 「五十で箱に詰めてくれ。二十箱で一組だ。」

南方棲戦鬼(深) 「ワカッタ。」

ー政一自室 20:11ー

川内 「…ふぅ……」キラキラ

提督 「…夜戦馬鹿め。」

南方棲戦鬼(深) 「…アガッタゾ。」つダンボール

提督 「ん?」

弾薬×16000

提督 「……へ?」

南方棲戦鬼(深) 「テッコウトフツウノヤツ。」

提督 「…よし、採用。明日からも頼むわ。」

南方棲戦鬼(深) 「オウ、マカセロ。」ニヤッ

川内 「ねぇ、夜戦!!続き!!」

南方棲戦鬼(深) 「トリコミチュウカイナ…マゼロ。」

提督 「へ?いや混ぜろって…」

南方棲戦鬼(深) 「オマエノコトガズットスキダッタ

ノダカラモウガマンナンテデキナイ、マゼロ。」

提督 「いや倫理観とか周囲の目とか中枢さんとか

色々と問題が有ってですね!?」

南方棲戦鬼(深) 「シルカ!!マゼロ!!」ガバッ

提督 「ちょっと待って!?」

ー一月二十二日 執務室 05:44ー

提督 「誠に申し訳有りませんでした。」土下座

中枢(深) 「…アナタッテヒトハ……」

南方棲戦姫 「悔いは無いわ。」←元南方棲戦鬼(深)

中枢(深) 「ナンナノ?アナタノアレニハイッタイ

ナニガアルトイウノ?モウワケガワカラナイワ。」

提督 「私もあぁなるとは思いもせず…」

中枢(深) 「…ソノコハアナタニアゲルワ。」

提督 「……」

中枢(深) 「シッカリアイシテアゲナサイネ?」

提督 「了解…」

南方棲戦姫 「指輪はくれないの?」

中枢(深) 「アナタノタメニトクチュウデツクルワ。」

南方棲戦姫 「本当!?」

提督 「…セイキュウダケマワシテクダサイ。」

中枢(深) 「トウゼンマワスワヨ。」

ー工廠 08:44ー

提督 「…中二病か?」

木曾 「いや、大正浪漫だろ。」←改二

提督 「まぁ、雷巡改造おめでとう。」

木曾 「…なぁ、ずっと御無沙汰で欲求不満なんだ。」

提督 「…俺にお前を襲えと?」

木曾 「良いだろ、どうせ暫く休みなんだから。」

提督 「…仕方無い、漸くの改二だからな。」

ー球磨型自室 14:49ー

木曾 「ただいま…」へにゃ

大井 「お帰りなさイカ臭っ!?」

木曾 「シャワー浴びなきゃ…」

北上 「お、やったね?」

球磨 「改二序で子作りクマ?」

多摩 「随分元気にゃ。」

北上 「…んふふ。」

大井 「ちょっと御手洗い行ってきます。」

球磨 「行ってらっしゃい。」

多摩 「気を付けてにゃー。」

北上 「…あー……」

ー21:44ー

大井 「…彼奴、体力化け物よ……」

木曾 「だよな…本当に化け物。」

球磨 「クマァ!?」

多摩 「にゃっ!?」

大井 「…イカ臭いわね、シャワー浴びないと。」

北上 「…やっぱり行ってたね……明日行こっと。」

ー時は戻り17:44当時の政一自室ー

大井 「ひぐぁっ!?」

提督 「いきなり来てヤるとか意味分からんわ。」

大井 「痛い痛い痛い痛い!!」

提督 「お前はいきなりせずに先ず身体を解せ。」

大井 「待って待って痛い痛い痛い痛い!!」

提督 「木曾もお前も本当に物好きだな…」グググ

大井 「あがぁぁぁぁぁ!?」

ー政一自室 22:49ー

提督 「……」zzz

暁 「臭いが抜けないわ…」

早百合 「お父さん強いんだね…はい、消臭剤。」

暁 「有難う…」シュッシュッシュッ

早百合 「…お父さん大丈夫?」

暁 「この程度では死なないわよ。」


ー第六章 夜戦馬鹿と夜戦ー


ー一月二十三日 07:00ー

提督 「…馬鹿みたいに眠い。」

川内 「だねー…」ググッ

提督 「…何故お前がこの部屋に……」

川内 「だって夜戦まだだもん。」

提督 「お前は犬か?」

川内 「違うよ!!忍者だよ!!」

提督 「あっそ…」

川内 「冷たいな…」

提督 「さて、仕事仕事…」

川内 「ふっふーん、これなーんだ?」ピラッ

提督 「…俺の有給、其れも三日分……」

川内 「さ、時間はたっぷり有るよ?」ファサッ

提督 「……」

川内 「提督、夜戦馬鹿と夜戦しよ?」

提督 「…仕方の無い奴だなお前は……」

ー12:47 川内型の部屋ー

川内 「ただいまぁ…」ヘナッ

神通 「姉さん!?」ガタッ

川内 「やっぱり勝てなかったよ…」

那珂 「……」チラッ

神通 「……」コクッ

那珂 「やっぱり…予想はしてたけどさ……」

川内 「あはは…」

那珂 「…アイドル、攻め込みます。」パタン

神通 「那珂!?」

ー13:00 政一自室ー

北上 「まさか被るとはねぇ…」

那珂 「でも、三人ってのも有りだと思うなぁ?」

提督 「…これは一対一だから愛を伝えられるんだが。」

北上 「あはは…そりゃあねぇ…」

那珂 「でも、那珂ちゃんも北上も提督のお嫁さんで、

大好きだから無問題!!ほら、始めようよ!!」

提督 「…物好きだな。」

ー23:44ー

木曾 「…北上姉……」

川内 「あはは…那珂もやられちゃったかぁ…」

提督 「もう、持たねぇよ…」

木曾 「…連れて帰るよ。」

川内 「御免ね、提督。」

提督 「ちっとは休ませろ馬鹿…限界だっての……」

ー一月二十四日 08:07ー

提督 「……」

文月 「来たよぉ?」

提督 「何故お前達が此処に…」

卯月 「愛情確認ですよ。」

弥生 「最近、やってないから。」

提督 「明日じゃ駄目か?」

弥生 「怒りますよ?」

提督 「…怒る程なのか……」

ー22:49ー

提督 「…俺の部屋が俺の部屋じゃない。」

龍飛 「…だな。」

提督 「寝る、お休み。」

龍飛 「あぁ。」


ー第七章 磯風と提督ー


ー一月二十五日 07:44ー

磯風 「…散々やった挙句に寝坊か。」

提督 「三人相手は流石に体力がな…」

磯風 「で、飯を作ってやったぞ。食え。」

提督 「……」

ゲテモノ<一応普通の食材だったんですよ…

提督 「…これは何だ?」

磯風 「味噌汁と米だが?」

提督 「……料理を教えねばならんか。」

磯風 「そ、そんなにか!?」

提督 「見た目は兎角悪い上味もかなり悪いぞ…」もぐもぐ

磯風 「…私は料理が下手でな、隠していた。済まない。」

提督 「取り敢えず厨房行くぞ…」

ー厨房 08:00ー

提督 「お前は基礎から学び直せ。」テキパキちゃっちゃ

磯風 「……最早分からんぞ…」

ー12:44ー

提督 「…うん、これなら人前で恥はかかないな。」

磯風 「本当か!?」

提督 「保証しよう。」

磯風 「やったぞ!!」

鳳翔 「何とかなりましたね。」

提督 「あぁ、俺の胃袋が中破したが。」

ー19:23ー

金剛 「…美味っ!?誰の料理?」

磯風 「私DA☆」

金剛 「磯風、貴女料理が出来る様になったのね!?」

磯風 「あぁ、提督と鳳翔さんの御蔭様でな。」

金剛 「あぁ、美味しい…体調は崩さないわよね?」

磯風 「平気DA☆」

金剛 「なら安心DANA☆」

ー政一自室 22:49ー

磯風 「今日はどうも有難う。」

提督 「構わん。」

磯風 「で、話は変わるが…私の身体に興味は無いか?」

提督 「無い。」断言

磯風 「私は貴方が好きになった様でな。」

提督 「ほう、また物好きが増えたか。」

磯風 「……この辺りで一発夜戦、如何だ?」

提督 「…ほう、準備と覚悟は出来てるんだろうな?」

磯風 「当然だろう?」

ー一月二十六日 03:49ー

磯風 「…良いな、こうして愛を伝えるというのは。」

提督 「まぁな。」

磯風 「酒を飲みつつ二人で話すのも又良いものだな。」

提督 「だな。」

磯風 「私は貧相で魅力は少ないが…愛してくれよ?」

提督 「大丈夫だ。其の綺麗な黒髪が俺は好きだ。」

磯風 「嬉しい事を言ってくれるな。」

提督 「世辞や処世術は如何しても必要でな。」

磯風 「…私は貴方の其の眼が好きだ。」

提督 「これがか?」

磯風 「数々の惨状や悲劇…そして恨みや怒りを秘めて

我々にだけでも優しくあろうとする其の眼が好きだ。」

提督 「…嬉しい事を言ってくれる……」

磯風 「…貴方は一体何故提督に?」

提督 「妹に頼み込まれてな。」

磯風 「…其れ以上は聞かないでおこう。」

提督 「気遣い助かる。」


ー第八章 奴隷商人ー


ー09:22 日本 裏街道ー

奴隷商人 「…兄さん、ココらじゃ見ないな。」

提督 「久々に日本に戻ってな…」

奴隷商人 「へっ…そりゃ良かったな。」

提督 「話は変わるが、奴隷を見たい。」

奴隷商人 「……本来一見御断りなんだが…良いだろう。」

ー奴隷倉庫ー

奴隷商人 「近頃は奴隷も入らなくてな、此奴で最後だ。」

提督 「…店を畳むのか。」

奴隷商人 「仕入れても売れねぇし仕入れられねぇしな。」

?? 「……」

奴隷商人 「あんたが最期の客だ、割引しとくぜ。」

提督 「…千あれば足りるか?」

奴隷商人 「ほう、千か。もう少し値切ると思ってたぜ。」

提督 「生憎金だけは有るからな。」

奴隷商人 「じゃあ千、前払いで頼む。」

提督 「小切手で渡す、換金して来い。」ピッ

奴隷商人 「ほう…毎度有り。」

提督 「…序に服を頼めるか?」

奴隷商人 「あんたのか?」

提督 「いや、此奴のだ。」

?? 「!?」

提督 「流石に全裸で外を歩かせる訳にはな。」

奴隷商人 「…言い分は分かるが金がな……」

提督 「お前、小切手の額面見たか?」

奴隷商人 「は?」

つ[¥11,000,000]

提督 「服代と給料、合わせて百乗せてある。」

奴隷商人 「…一着で良いか?」

提督 「構わん、成る可く早目で頼む。」

奴隷商人 「了解。」

ー10:29ー

奴隷商人 「済まん、道が混んでな。」ガサッ

提督 「構わん…おい、着替えろ。」

?? 「……」

奴隷商人 「…然しあんた白軍服って事は提督かい?」

提督 「あぁ…其れが何か?」

奴隷商人 「この頃深海棲艦の動きが活発でな…而も艦娘が

其の深海棲艦と一緒に艦隊を組んでたりするとか。」

提督 「…変わった艦隊だな。」

奴隷商人 「而も其の艦隊は元帥が死んだ後に出て来たって

言うんだから、何か関係してんのかと思ってな。」

提督 「…元帥の死は謎が残る。」

奴隷商人 「ん?」

提督 「死体が無いし、痕跡は数滴の血の跡だけ。」

奴隷商人 「…其れが何なんだ?」

提督 「私は其の元帥が生きていると睨んでいる。」

奴隷商人 「ほう?」

提督 「其の元帥は敵である筈の深海棲艦を味方に付け、

深海棲艦との和解を目的にしていたとの噂だ。」

奴隷商人 「…そんな事出来るのか?」

提督 「出来たからこそ姿を消したのだと思っている。」

奴隷商人 「成程な。」

?? 「あの…」

提督 「よし、靴も履いたな。行くぞ。」

?? 「はい……」

奴隷商人 「俺も足を洗う時だな…じゃあな、提督。」

提督 「もう会う事は無いと思うがな。」

ー本拠地 談話室 15:44ー

?? 「えっと…あの……」

提督 「…奴隷扱いされると思った?」

?? 「はい…」

提督 「悪いけど私はそういうのが嫌いでね…」

?? 「…じゃあ何で私を買ったの?」

提督 「…奴隷扱いは嫌いだと言ったが?」

?? 「…私を助ける為に買ったの?」

提督 「そうだよ。」

暁 「貴方、如何したの其の子…」

提督 「奴隷商人から買った。」

暁 「…貴方って人は……」

提督 「…さて、君の名前は?」

?? 「…名前なんて無いよ。」

提督 「……なら名前を付けないとな。」

暁 「変な名前は付けないでね?」

提督 「…苗字は俺のを付けるとして名を如何するか……」

暁 「……ねぇ、美咲って如何かしら。」

提督 「…良いな、其れ。」

?? 「……」

提督 「今日から君は[諫田美咲]だ。」

??→美咲 「うん…」

暁 「無口ね…」

提督 「仕方無いさ…奴隷として売られた者は皆無口だ。」

暁 「…そうだったの……」

美咲 「……」

提督 「もう大丈夫だぞ。」なでなで

美咲 「…有難う。」

暁 「…おやつ、持って来るわ。」パタン


ー第九章 逃亡提督ー


ー呉軍港 22:48ー

?? 「もう嫌…もう嫌!!」バルルッバルルル!!

憲兵 「居たぞ、大佐だ!!」

中将 「抑えろ!!」

?? 「嫌!!」バウゥゥン!!

憲兵 「なっ…ボートで逃げただと!?」

中将 「…外は暗闇、もう助かるまい。」

ー一月二十七日 本拠地海岸 09:44ー

提督 「…白い軍服……階級章は大佐だな。」

不知火 「…!?提督、まだ息が!!」

提督 「医務室に運んで暖かくしてあげなさい。」

不知火 「了解!!」

ー医務室 17:22ー

?? 「……此処は…」

提督 「起きるな、まだ完治してないんだ。」

?? 「…貴方は?」

提督 「この基地の指揮官だ。」

?? 「…此処は何処ですか?」

提督 「日本から遠く離れた深海棲艦の本拠地だな。」

?? 「…今、何と?」

提督 「お前が敵として戦っている深海棲艦の本拠地。」

?? 「…詰まり私は敵の本拠地で目が覚めた……」

提督 「不知火と共に見つけた時は驚いたぞ。」

?? 「…私は呉からボートで逃げて来て、其れで……」

提督 「ボート…あぁ、あの粉微塵になった木片か。」

?? 「えっ!?」

提督 「お前は見つけた時に仰向けで倒れていた。」

?? 「…如何しよう……」

提督 「身元確認だが、君は[上野真衣]大佐だね?」

??→真衣 「あ、はい…」

提督 「呉軍港でO中将の指揮下に居た様だね。」

真衣 「はい。」

提督 「君はここで雇うから今後宜しく。」

真衣 「……へ?」

提督 「追われ逃げて此処に来たならもう戻れないよ。」

真衣 「…分かりました。」

提督 「よし、なら明日以降見張りが来るから仲良くね。」


ー第十章 救助と対価ー


ー一月二十八日 外洋 09:57ー

提督 「……ん?」

ほっぽ 「如何したの?」

提督 「陽炎と親潮を見つけたんだが…隣は誰だ?」

ほっぽ 「…あぁ、早潮だよ。最近発見されたって。」

提督 「逃げて来たか、或いは落伍か…」

不知火 「私が声を掛けます。」

提督 「頼むわ。」

ーー

不知火 「こんにちは。」

早潮 「ひっ!?」

親潮 「ど、どうか見逃して下さい!!」

陽炎 「逃げたのは謝るから沈めないで!!」

不知火 「…これは盛大に勘違いをしていますね。」

早潮 「か、勘違い?」

不知火 「提督の所へ案内します。」

陽炎 「お、送り返す気なの!?」

不知火 「まさか、逆ですよ。」

親潮 「えっ…逆?」

ーー

不知火 「三名、連れて来ました。脱走兵です。」

提督 「助かる…で、君達の所属は?」

陽炎 「…P大将。」

提督 「成程、黒いと噂の彼処から…道理で早潮が……」

早潮 「わ、私達を殺さないでぇ…」

提督 「何を言うかと思えば…殺さんよ、着いて来い。」

ー談話室 12:29ー

提督 「さて、多少は落ち着いたか?」

早潮 「はい…」

陽炎 「ま、まぁ…ちょっとは……」

親潮 「なんか、御免なさい…」

提督 「構わない…で、磯風と天津風、後黒潮を呼んだ。」

陽炎 「…皆私の妹ね。」

提督 「あぁ…不知火は執務、舞風は訓練中だな。」

陽炎 「…執務?」

提督 「[私がすると皆との時間を取ろうとして倒れるから

我々に任せて貴方は皆とゆったり過ごしなさい]と皆から

言われてしまってね…今となっては御飾り上司さ。」

親潮 「…御疲れ様です……」

提督 「私も少し席を外すから、姉妹で話をしてくれ。」

ー12:48ー

黒潮 「御免、遅れてもうたわ。」

磯風 「成程、今回の新人は姉三人か。」

天津風 「いらっしゃい姉さん、ゆっくりして頂戴。」

陽炎 「有難う…」

黒潮 「早速やけど此処の裂織りした説明しとくわ。」

親潮 「有難う黒潮。」

黒潮 「先ず言うとくけど此処は深海棲艦の本拠地や。」

早潮 「へ?」

陽炎 「ちょ、其れ大丈夫なの!?」

黒潮 「ほんでもってウチらの敵は大本営や。」

陽炎 「…そんな……信じられないわ…」

黒潮 「せやろな…今まで味方やったんが敵なるんやもん。

スッと入るモンとちゃうわな。」

早潮 「て事は、あの人は…」

黒潮 「深海棲艦とウチらを束ねる提督はんや。」

親潮 「いやいや、水と油よ?」

黒潮 「水と油は乳化させたら混ざるやろ?そゆ事や。」

親潮 「…納得出来ちゃった……」

陽炎 「…大体は分かったわ。」

黒潮 「ほんで、提督はんは嫁さん多いから執務には殆ど 入らんのよ…で、ウチらに当番来るから覚えとって。」

早潮 「分かったわ。」

黒潮 「したら、裏切り生活スタートやね。」

陽炎 「ちょっと、元の鎮守府に戻れないの!?」

黒潮 「アンタ等の移籍は多分無理やわ。」

陽炎 「何でよ!?」

黒潮 「深海棲艦の側に一度でも寝返ったら、戻れば直ぐに

死刑一択やと思うで…敵に情報渡した言うてな。」

陽炎 「…!?」ゾワッ

黒潮 「冤罪は幾らでも作れるさかい…な?」

磯風 「私も御勧め出来ない、後此処の方が良い環境だ。

私なんて美味しい料理が作れる様になった。」

天津風 「この前の料理美味しかったわ、またお願いね。」

磯風 「と、強請られる程だ。」

陽炎 「…損はしないみたいね。」

黒潮 「ようこそ、深海棲艦の側へ。歓迎すんで。」


ー第十一章 何だかんだで戦闘中ー


ー一月二十九日 外洋 08:46ー

真衣 「深海棲艦の方々は左舷を、艦娘の方々は右舷を。」

磯風 「了解。」

早潮 「分かりました!!」

親潮 「やります!!」

陽炎 「任せて!!」

黒潮 「やったるわ!!」

天津風 「戦闘は久々ね…上手く動けるのかしら……」

ほっぽ 「了解、出る!!」

北方棲妹 「…姉貴、気を付けろ。」

北方棲姫 「…ソウネ、キヲツケナイトネ。」

レ級 「…あんまり活躍出来そうに無いなこりゃ……」

南方棲戦姫 「…あの人の為に戦果を稼ぐのよ!!」

中枢 「えぇ、頑張らないと。」

ーー

真衣 「…皆行ってしまったわね。」

美咲 「……そうだね…」

ー10:27ー

戦果

五十隻撃沈

十八隻大破

十隻中小破

提督 「…ほう、やるな……」

早紀 「中将の指揮は一流っすね。」

真衣 「そんな…まだまだです……」

提督 「さて、帰ろうか…」

ー談話室 14:28ー

美咲 「…あ……」

提督 「…帰れ、屑共。」

?? 「そんな事言わずに…ね?千五百積むわよ?」

提督 「千も億もへったくれも無い、とっとと帰れ。」

?? 「もう、頑固ね!!私はあの子の母親よ!?」

提督 「黙れ!!奴隷商人に娘を売り払う奴は親では無い!!

そんな事も分からん様な屑に美咲は渡さん!!帰れ!!」

??→美咲母 「まぁ野蛮な事!!」

提督 「野蛮で結構!!心を閉ざし喋らなくなった彼女の

苦しみ!!恨み!!そして怒りが分かるのか!?」

美咲母 「なっ…貴方こそ分かってないのではなくて!?」

提督 「私は分かる!!拷問され殺され掛け其れでも死ねず

今まで生き延びた!!苦痛は十二分に分かっている!!」

美咲母 「なっ…」

美咲 「…!!」

提督 「彼女の…美咲の親として貴様に美咲は渡さん!!」

美咲母 「この分からず屋め!!」

提督 「分からず屋で結構!!朴念仁で結構!!貴様の様な

娘を金蔓としか見ん様な奴に我が娘の美咲は渡さん!!」

美咲 「…提督さん……」

美咲母 「…もう良いわ、やっておしまい!!」

警護 「…御覚悟を。」シャッ

提督 「其の言葉其の儘貴様に返却しよう…」スラッ

美咲 「…其れは……」

美咲母 「に、日本刀!?」

警護 「…くっ……」

提督 「…来るか?一斬りで終わるぞ?」

警護 「…降参だ、頼むから鞘に収めてくれ。」

提督 「…貴様は真面か。」キンッ

美咲母 「何故なの!?何故戦わないの!?警護でしょ!?」

警護 「流石に死にたくは有りませんので。」

提督 「如何する気だ?」

美咲母 「…くっ……アンタはクビよ、クビ!!」

警護 「命が有れば其れで良し、ですよ。」

美咲母 「このっ…勝手にしなさい!!」バタン!!

美咲 「…良かった……」ドサッ

警護 「美咲さん!?」

提督 「自分を捨てた筈の者が取り戻しに来た…となれば

身体に掛かるストレスは相当な物になるからな……

単なる疲労蓄積が原因の気絶だな。寝かせれば治る。」

警護 「ず、随分詳しいのですね…」

提督 「この手はかなりの数を見ているからな。」

警護 「…私はこの辺りで、失礼します。」

提督 「御疲れ様、また逢う日まで。」


ー第十二章 襲撃ー


ー一月三十日 政一自室 02:19ー

美咲 「…あれ…此処は……」←ベッド

提督 「……」←畳の上

美咲 「…そっか…護ってくれたんだ……」

不知火 「奇襲です!!」バァン!!

提督 「…数は?」

美咲 「お、起きてたの?」

不知火 「総数二千、三大隊です!!」

提督 「…内訳は?」

不知火 「上位個体が十、内指揮個体三!!」

提督 「残りが雑魚…陣営は?」

不知火 「深海棲艦と艦娘、海自も居ます!!」

提督 「それぞれで一大隊…面倒な…」

不知火 「兵装使用許可を!!」

提督 「…全ての兵装の使用を許可する、この本拠地を

落とされると厄介だ、死守しろ。夜戦馬鹿も起こせ。」

不知火 「其れが、川内さんは先に出られまして、現在は

敵艦隊と交戦中、優勢との事です…」

提督 「…彼奴はよく分かってるな……お前も出ろ。」

不知火 「はい!!」バタン

提督 「…て事で指揮を執ってくる。」

美咲 「うん。」

提督 「もう少し寝てていいよ。」パタン

美咲 「…提督さん、優しいな……」

ー02:37 海上ー

海自 「…糞、落とせねぇぞ!!」

海自 「んな事分かってんだよ!!」

海自 「攻撃しねえとこっちが死んじまう!!」

川内 「やぁやぁ、元気だねぇ?」

海自 「うわぁ!?」

川内 「…死ね。」ポイッ

ボカーン!!!!

川内 「いやぁ、やっぱ海自の船は爆雷処理に限るね。」

神通 「そうですね…其処!!」ブンッ!!

メキョッ

ヲ級(敵) 「ヲ"ッ"!?」

ボカーン!!!!

那珂 「魚雷は投げる物じゃないよ…」

神通 「こっちの方が確実に沈みますから。」

那珂 「怖いよ…其処だよ!!」ガンッ

ボカーン!!!!

川内 「水雷を蹴って当てるのも如何なものかと。」

那珂 「…皆一緒だね。」

川内 「…だね。政一の事好きだしさ。」

神通 「そうですね。」

那珂 「あ、政一から通信だ。」

川内 「何て何て!?」

那珂 「えっと…[早期迎撃感謝する、引き続き頼む。]

ってさ……政一らしいね。」

川内 「頑張るぞー!!」

神通 「姉さん…」

那珂 「あっはは…効果覿面だね。」

海自 「…嘗めやがって……」チャキッ

ドスッ

海自 「グアッ!?」

ズガァン…

那珂 「あ、狙撃始まってる…政一が起きたみたい。」

ガウゥン…

那珂 「というか政一が撃ってるよ…」

赤城(敵) 「慢心中が好機…」キリキリ…

バツン!!

赤城(敵) 「きゃっ!?弓の弦が!!」

ガウゥン…

赤城(敵) 「銃声…狙撃!?」

長門 「余所見する程の余裕は無いぞ!!」

赤城(敵) 「しまっ!?」

長門 「吹き飛べ!!」ドドドォォン!!!!

北上 「おぉ、飛んだねぇ…」

大井 「推定四十米ですね。」

木曽 「あんなデカくて重い奴も吹き飛ぶのか…」

球磨 「余裕ぶってないで、殺るクマ!!」

多摩 「早くしないと戦果奪っちゃうニャ。」

大井 「任せて、本領発揮よ!!」

ーー

提督 「お前達は下で狙撃しろ。狙撃手は分散すべきだ。」

不知火 「了解。」

文月 「分かったのぉ。」

青葉 「了解、御武運を。」

提督 「お前達もな。」

ガウゥン!!

提督 「三大隊…よく集めたものだ……」

ガウゥン!!

提督 「然し連携に差が有る…寄せ集めか。」

ガウゥン!!

提督 「烏合の衆では勝てんぞ、さぁ如何動く?」

ガウゥン!!

提督 「生半可な攻撃は通用せんからな…」ジャコッ

ジャキッガシャン!!

提督 「精々踏ん張る事だな…」

ガウゥン!!

ー応戦は続くー


ー第十三章 飛ばされた男ー


ー06:27ー

提督 「…空が白んできやがったな……もう朝か……」

ガウゥン!!

提督 「敵総数は粗方半分、此方は中大破四十か…」

ドサッ!!

提督 「ん?」

?? 「…此処は……」

提督 「あんた、こっちじゃ見ないな…ドイツ系か。」

?? 「…貴方は?」

提督 「見ての通り軍人だ、狙撃中だよ。」

?? 「…私は、一体……」

提督 「あんたは飛ばされたのさ、爆発に巻き込まれて。」

?? 「…何故爆発だと?」

提督 「あんたの傷は爆弾の爆発に巻き込まれて出来る物、

其れもテロリストとかが使う鉄片入りの簡易爆弾。」

?? 「……」

提督 「こっちも場数は踏んでるんだ、見りゃ分かる。」

?? 「…私は名前も、何をしていたのかも分からない。」

提督 「あんたは単に飛ばされたんじゃない。[彼岸]から

[この世界]に飛ばされてんだよ、記憶を失ってな。」

?? 「…彼岸から……」

提督 「恐らくあんたは其の戦場で死ぬ予定じゃなかった…

他の奴が死ぬか、或いは全員生きて戻ったか……だが、

悲運にもあんたは死んじまった、故に死人の集う此処に

あんたを飛ばして俺に託した、という事になるな。」

?? 「…死人の集う?」

提督 「俺は死人だ…死のうにも死ねず、仮に死んでも

直ぐに彼岸からこっちに送り返される。」

?? 「…そうなのか?」

提督 「あぁ…他にも複数死人は居るぞ。」

?? 「…故に私は飛ばされたのか……」

提督 「おう…あんたは不運と踊っちまったのさ。」

?? 「…私にも手伝わせてくれ。」

提督 「無理だな。右眼右腕左脚に欠損、真面に戦うにゃ

ちと荷が重すぎるな…これを持っとけ。」つHK45

?? 「…USPではないのか。」

提督 「…あんたやっぱりドイツ人だね。」

?? 「…これを見て少し記憶が戻ったんだ。」

提督 「そりゃ良いな、名前は思い出したか?」

?? 「…私は施設生まれで、識別番号で呼ばれていた。」

提督 「…そりゃ災難だな。で、其の識別番号は?」

?? 「…A-11……[アーエルフ]とでも言えば良いのか?」

提督 「日本発音に寄せりゃそうなるな…アーエルフ……」

?? 「…正直この識別番号は好かない。」

提督 「だろうな……何か良い名は無いものか…よし、君は

今から[ハインリヒ・フォン・ヴァインシュタイン]だ。」

??→ハイン 「…ハインリヒ?」

提督 「私は[ハイン]と呼ばせてもらうよ。」

ハイン 「…其れは構わないんだが、何故この名を?」

提督 「ドイツの知り合いにラルフって言う奴が居てな…

其奴がヴァインシュタインって所の産まれらしくて、

そこから頂戴した。後は本国で違和感の無いように。」

ハイン 「…そうか、感謝する。」

提督 「構わん…後であんたの治療をしないとな。」

ハイン 「…血は止まっているが……」

提督 「色々する事が有るのさ…」

ハイン 「…分かった。」

ガウゥン!!

提督 「…あんたは此処で何がしたい?」

ハイン 「…貴方に恩を返したい。」

提督 「そりゃ嬉しいな。」


ー第十四章 飛ばされた二人とハインの関係ー


ー10:22ー

提督 「…まだ一割程残ってるな……」

ハイン 「…この少数でよく守れますね……」

提督 「ウチは変梃と邪魔者と逃亡者と死人だからな…

流石に攻め難い部分は有るだろうな……」

ドサッ

バタッ

ハイン 「今のは何の音ですか!?」

提督 「人間、二人だな…」

ガウゥン!!

提督 「今度は誰だ?」

?? 「痛ってぇな…何処だ此処……」

?? 「随分と雑ですね…」

提督 「…知り合いか?」

ハイン 「えぇ、一応…」

?? 「あー!!A-11!!手前こんな所に!!」

?? 「まさか探し人がこんな所に居るとは…」

提督 「…二人がハインを知っているということは君達も

ドイツ軍の出身なのかな…君達の名前は?」

?? 「…あ?手前何様だコラ!!」ガシッ

提督 「…あまり海軍兵を嘗めない方が身の為だぞ。」

?? 「はぁ?」

ハイン 「彼の言う通りです、離して下さい。」

?? 「うるせぇな…手前何様だっつってんだよ!!」

ブンッ

ピトッ

?? 「ひっ!?」

提督 「今直ぐに離せば何もしないが、此の儘掴み続ける と君が言うのなら…君の首は胴体に別れを告げる事に

なるだろうな……賢明な判断を頼むよ、陸軍兵君。」

?? 「…わ、分かった……」パッ

提督 「…君達の名前を聞こうか。」

?? 「…M-5だ。」

?? 「S-4です。」

提督 「…となれば君達も施設の出だね……」

?? 「…何で分かんだよ?」

提督 「其処に居るハイン君…A-11君から話は聞いたよ。」

?? 「成程、前例が有ったのですね。」

提督 「…君達が此処に辿り着く迄の話を聞きたい。」

?? 「……俺達が其処に居るA-11…ハインだったか?

其奴を探しに爆発現場に行ったんだが、其処には一人の

マントを着た奴一人と腕と脚しか無かったんだよ。」

提督 「…間違い無くハイン君の無くした腕と脚だね。」

?? 「其れで、其のマントを着た方に話を伺った所、

ハインさんの所に案内して頂けると聞き、後を追ったら

急に足元の床が無くなり、気付けばこの場所に。」

提督 「マントを着た…顔とか、特徴は?」

?? 「顔はよく見えなかったんだよ、逆光でよ…あ、

そういやマントが風も無いのに揺れてたんだよ。」

?? 「其れから私には其の方が若干浮いている様にも

見えましたが、恐らく幻覚ではないかと…」

提督 「揺れるマント、浮遊、そして送り先…彼奴か。」

?? 「こ、心当たりあんのか!?」

提督 「君達、そしてハイン君を此処に飛ばした張本人は

間違い無く[死神]だね、私の後輩の子だよ。」

?? 「死神!?嘘だろ!?」

提督 「いや、本当さ…事実、私も[死神]に相当する様な

神として不要な命を間引く仕事をしていたからな。」

?? 「驚きましたね…まさか本物の神に会えるとは。」

提督 「…彼奴昔から変わんねぇな本当に……補佐の時から

ずっと思ってたけどよ、何で事前連絡も無しに勝手に

行動するんだよ全く…こっちの都合完全無視かよ……」

?? 「…あー、怒ってるのは分かんだが、あんたは誰で 此処は何処なんだ?見当が付かねぇんだ。」

提督 「私は今は提督をしている。君達に分かり易く言えば

[指揮官]や[司令官]に相当する業種だね…艦隊を指揮し

勝利に導くだけで無く書類仕事や所属員の体調管理も

同時に行うかなり仕事量の多い役職だよ。」

?? 「…成程、分からん!!」

提督 「何故!?」ずこっ

?? 「だ、大丈夫ですか?」

提督 「あぁ…今のは日本の関西地区でよく見掛ける物で [ボケ]と呼ばれる物に対する[ツッコミ]の一種だ。」

?? 「…御免なさい、理解が出来ません。」

提督 「アンタもかい!?」ずこっ

ハイン 「…成程、理解出来ました。」

提督 「ハインは分かるんかい!!」ずこっ!!

ハイン 「…ふふっ。」

?? 「…手前が笑う所、初めて見たぞ……」

提督 「…場所についてだが、此処は一つの海軍拠点…… では無く、海軍から見て敵になる[深海棲艦]の拠点だ。」

?? 「はぁ!?て事はあんたは同士討ちをやってんのか!?」

提督 「同士討ちでは無い。私はもう海兵では無いんだ。」

?? 「…然し先程は海軍兵と……」

提督 「便宜上は海兵だが実態は死人や裏切り者を集め

敵と共に戦う[第三勢力]と呼ばれる様な物だ。」

?? 「…何だそりゃ、て事は今沈めてんのは……」

提督 「海軍大本営から送り込まれた刺客だ。」

?? 「もうわっかんねぇよ!!」

提督 「そうだろうな…」

?? 「あの…貴方の名前は?」

提督 「[諫田政一]…死人で神で吸血鬼で殺し屋な元海軍。」

?? 「…凄い経歴ですね……」

提督 「今までの人生を合わせれば三千年は行くか…」

?? 「…神と仰ってましたね。」

提督 「で、君達の所属は?」

?? 「…俺達は戦闘部隊だ。」

?? 「ハインさんが爆弾処理をしていた場所も私達が

先に突撃してテロリストを壊滅させたんですよ。」

提督 「で、死なば諸共で簡易爆弾を設置、解除に失敗し

彼岸経由でハインは此処へ、其の後に君達は死神に直接

此処へ送り込まれたという事になるな…」

?? 「…みてぇだな。」

提督 「…君達にも名前を付けないと。」

?? 「名前、ですか?」

提督 「あぁ、ハインの様にね。」

ハイン 「…そうですね。」

?? 「…ハイン、手前何て言うんだ?」

ハイン 「ハインリヒ・フォン・ヴァインシュタイン。」

?? 「あ?」

ハイン 「長ったらしいのは流石に面倒なのでハインと。」

?? 「…良い名前ですね。」

提督 「で、君達の場合、S-4君の方が厄介だ。」

?? 「あ?」

提督 「だって、君は女性だろう?私はどうも女性には

疎い様でね…良い名前を思い付けるかが分からない。」

?? 「…良く女だと分かりましたね。」

提督 「流石に女性に囲まれる職場では見分けられるよ。」

?? 「あ?女塗れの職場?」

提督 「後に分かるよ…さて、先ずはM-5君からだな。」

?? 「おう。」

提督 「君は今から[ハンス・フォン・オットー]だ。」

??→ハンス 「…名前は兎も角苗字まで変えんのか?」

提督 「君達の親が同じであると言えるのか?」

ハンス 「…そういう事か。」

提督 「そういう事だ、次にS-4君だが…」

?? 「…私は別に良いですよ……」

提督 「そういう訳には…よし、これで如何だろうか?」

?? 「…もう思い付いたんですか?」

提督 「あぁ、[シャルロッテ・フォン・フリードリヒ]だ。」

??→シャル 「…素敵ですね。」

提督 「思い付かなければ腹を斬る所だったよ。」

シャル 「そんな事する気だったんですか!?」

提督 「まぁ、未遂で良かったじゃないか。」

ハンス 「いや、良かねぇだろ。」

提督 「まぁ、私は死に抵抗が無いし死んでも戻されるし

如何やっても彼岸には居続けられないんだがな。」

シャル 「…羨ましいですよ、逆に。」

提督 「さて、君達は五体満足の様だから、迎撃に参加

して貰うよ…これを使ってくれ。扱いはG3A3と大して

変わらんからな、ガンガン撃ってくれたまえ。」

つ政一式半自動準対物狙撃銃零一型

ハンス 「…装弾十発かよ……」

シャル 「……距離が遠いんですが…」

提督 「載せてあるサイトで中心に敵が来たら撃て。」

ハンス 「んな事で当たる訳ねぇだろ…」ズガァン!!

<ウバァァァ!?腕がァァァ!?

ハンス 「…当たった?」

提督 「レティクルをズラしてんだ、来りゃ当たる。」

シャル 「成程…」ズガァン!!ズガァン!!ズガァン!!

提督 「反動も小さいから当て易いだろ、軍人よ頑張れ。」

ガウゥン!!

ハンス 「…手前のだけ音が違うな。」

提督 「私のは君達が使っている量産品の試作型だ。」

シャル 「成程…」

提督 「…さて、最後の仕上げだ。敵を殲滅するぞ。」


ー第十五章 新艦娘着任ー


ー12:48 軍港ー

提督 「…大丈夫か?」

ハイン 「大丈夫です。」←車椅子

ハンス 「…エリートの手前が車椅子とはな……」

シャル 「まぁ、現実は非情なモノですから…」

不知火 「提督、迎撃完了致しました。死者居りません。」

提督 「防衛戦御苦労、大破艦から優先して入渠を。」

不知火 「既に手配済みです。」

提督 「よし、ならば君は上がりなさい。」

不知火 「了解。」

シャル 「…今のは?」

提督 「駆逐艦不知火、ウチの一軍さ。」

ハイン 「…駆逐艦?」

ハンス 「そりゃ可笑しいぜ、船はもっとでけえ筈だ。」

提督 「言っただろう、[海軍]で[女に囲まれる]と。」

ハイン 「…成程、軍艦が女性になったと。」

提督 「理解が早くて助かる。」

ハンス 「…まだ信じらんねぇな。」

卯月 「…保護艦娘、合計三隻……駆逐艦のみです。」

提督 「駆逐艦…量産ゆえの遭遇率か……」

卯月 「如何されますか?」

提督 「……応接室に、其処で顔合わせをする…」サラサラ

卯月 「了解。」

シャル 「…今のは?」

提督 「駆逐艦卯月、彼女は準一軍だね。」

ハンス 「…基準が分かんねぇよ。」

提督 「基準は応接室で話すよ。」

ー応接室 13:11ー

提督 「…一人ずつ自己紹介を。」

萩風 「萩風です、P大将の所から来ました。」

浜波 「浜波…O中将の所。」

朝霜 「…あたいは朝霜、Q准将のトコからさ。」

提督 「…了解、大体分かったよ。」

ハンス 「…本当に軍艦なのか?」

浜波 「はい。」

萩風 「私でも人の骨なら折れますよ?」

ハンス 「…おっそろしいなおい……」

提督 「挑発するなハンス…提督業は死者も多いんだ。」

ハンス 「す、済まねぇ…」

提督 「…此処の仕組みを教えておこうか。」

ハイン 「…一軍や二軍についてですね?」

提督 「あぁ…一軍は各艦種二名、固定だな。」

ハンス 「二人…て事はあの不知火ともう一人居んのか。」

提督 「あぁ、其のもう一人が暁だ。」

ハンス 「暁?」

シャル 「…あ、知ってます。特型駆逐艦の最終型。」

提督 「そう、特Ⅲ型の暁…暁型一番艦とも言えるな。」

浜波 「…一軍は私達でもなれますか?」

提督 「無理だな…練度は兎も角其の射撃精度は五粁先の

十糎四方の的を射抜く程だ。君達では到底勝てないよ。」

ハンス 「…五粁先だって?」

提督 「あぁ、私でも今は無理だな。昔は射抜けたが。」

シャル 「あ、貴方も出来たんですか…」

提督 「まぁな…で、一軍補欠。通称準一軍だな。」

ハンス 「あぁ、卯月。」

朝霜 「はぁ!?卯月が準一軍!?」

提督 「彼女は兎角其の速力で敵を翻弄する。其の能力のみ

ならば彼女を超える者は私は今の所知らない。」

萩風 「そ、そんなにですか!?」

提督 「彼女が本気を出せばル級やタ級は敵ではないな。」

浜波 「そんなに…」

提督 「で、準一軍も定員二名…故に入れ替わらん。」

ハンス 「…何で二人なんだ?」

提督 「出撃固定人員で同艦種は四人で充分なんだ。」

ハイン 「…過ぎたるは及ばざるが如し、ですね。」

提督 「よく知ってるな。で、次の二軍が一番多い。」

シャル 「これまでの流れを見るに、出撃の補佐ですか?」

提督 「そうだな、他に遠征も担当する。」

ハンス 「遠征ねぇ…」

提督 「で、次が準二軍。ココが出撃出来る最低線だ。

準二軍は遠征専属になるが、戦闘にもなるからな。」

浜波 「…先ず目指すは準二軍、ですね。」

提督 「あぁ、そうだな…で、三軍が訓練中の人員、四軍が

君達の様な新入りの初期状態だ。で、他に非戦闘要員の

輸送艦や事務員が居る。君達は兎に角皆と仲良くなって

色んな話を聞くといいよ。じゃ、書類渡して部屋割りだけ

此処で決めちゃおうか…希望有るなら聞くよ?」

浜波 「あの、夕雲姉さんは…」

提督 「ん、居るけど…彼女は二軍だから遠征中だね。」

浜波 「あの、夕雲姉さんと同じ部屋が良いです…」

提督 「…聞いてみようか……」ザザッ

[…此方夕雲、何か御用?]

提督 「夕雲、今浜波が着任して、君と相部屋が良いって

聞いてるんだけど、君は如何なのかと思ってね。」

[…別に構わないわ、家具は搬入しといてよね。]

提督 「分かった。」

[じゃ、切るわ。]ブツッ

提督 「…との事だ。直ぐに手配するよ。」

浜波 「あ、有難う御座います…」

萩風 「…私、不知火と同じ部屋が良いわ。」

不知火 「私は別に構いませんよ?」ヌイッ

萩風 「きゃあっ!?」

ハンス 「どわっ!?」

シャル 「おっと!?」

ハイン 「一体何処から…」

提督 「不知火、萩風を部屋に。家具の搬入を頼む。」

不知火 「お任せ下さい、では。行きますよ萩風。」

萩風 「ちょ、まっ、不知火力強いって!!」ズルズル

バタン

ハンス 「…吃驚したぜ……」

シャル 「突然現れましたね。」

提督 「…彼奴は気配がとことん薄い奴なんだよ。本人も

気にしてる様だから優しく接してやってくれ。」

ハンス 「お、おう…」

提督 「…で、朝霜は?」

朝霜 「…うーん……あ、早霜の所行きたいぜ。」

提督 「…彼奴の所か……何日持つか見物だな。」

朝霜 「ぜ?」

ハンス 「如何いう事だ?」

提督 「彼奴の部屋…俺の写真とか人形とか、煙草の吸殻に

俺の飲んだ後のペットボトル、空の酒瓶とかまで有るから

マジで相部屋が二日と持たないんだよ。」

朝霜 「へ?」

提督 「彼奴の俺に対する好感度振り切って三周してるから

俺でも重たく感じたりする程だぜ?元ヤンデレで俺の為に

即断で前髪バッサリ切ったりする位の子だからな…」

朝霜 「や、やっぱりあたい一人部屋が良いんだぜ!!」

提督 「…そら、こんな[作り話]聞いたら辞めるわな。」

朝霜 「作り話なんだぜ!?」

提督 「おう、[写真の件を除き]だが。」

朝霜 「…ぜ?」

提督 「此処に引越し早十日。さて、何枚貼ってあるか…」

朝霜 「も、もう怖いんだぜ!!」

提督 「私は磯風との相部屋を強く推奨する。」

朝霜 「そ、そうさせて貰うんだぜ!!じゃ!!」バタン

ハンス 「…相当怖ぇな、其の早霜って子は。」

提督 「こんな子でも私は愛しているし、準一軍だぞ。 」

シャル 「え…卯月さんと同列ですか?」

提督 「俺への愛故に強くなる…とでも言っておくか。」

シャル 「えぇ…」

提督 「…こんな子でも結婚してるんだぞ?」

ハンス 「は?結婚!?」

提督 「相手は勿論私な訳で…はは…」

シャル 「…大丈夫ですか?」

提督 「大丈夫さ、着任当時こそ危なかったが、今では

優しくて強い良い子だよ。写真の件さえ無ければね…」

ハイン 「…あの、早霜さんってあの扉の所に居る……」

早霜 「……」ジトッ

ハンス 「うばぁ!?」

シャル 「ひっ…目に光が無いんですが!?」

提督 「…早霜、おいで。」

早霜 「……」ギュッ

提督 「大丈夫、早霜の事も大好きだからさ。」

早霜 「…政一さん、愛してます。此の世の何よりも。」

提督 「うん、分かってるから…ね?」

早霜 「…なら、今夜夜戦で証明して下さい。」

提督 「分かった、気が済むまで夜戦しような。」

早霜 「…愛してます……」ギュッ

提督 「……とまぁ、こんな子だよ。確り面と向かって

接すれば心を開いてくれるから大丈夫だよ。」なでなで

ハイン 「いや、其れは…」

ハンス 「多分だけどよ…」

シャル 「貴方だからこそ出来る事だと思います…」

提督 「いや、君達でも面と向かって話せる様になるよ。」

ハイン 「……」

ハンス 「うん、多分無理だぜ。」

シャル 「初期好感度が低すぎますよ…」

早霜 「…愛してます……」←邪魔すんなオーラ発動中

提督 「…まぁ、ウチはこの程度で音を上げてたら何も

出来ない魔境だからさ…頑張ってね、ドイツ兵さん。」ハイン 「…了解。」

ハンス 「お、おう…」

シャル 「分かり、ました…」

提督 「君達三人は一旦相部屋で、浴場は混浴だから何も

気にせずに入って良いよ。トイレは地図見てね。」

ーこうして三大隊迎撃戦は幕を閉じたー


ー第十六章 シャルロッテと響ー


ー浴場 17:24ー

シャル 「ふぅ…」

暁 「お邪魔するわね。」

響 「御免ね。」

シャル 「良いですよ…貴女達は?」

暁 「私は暁、貴女がシャルロッテさんね。初めまして。」

響 「響だよ…暁型二番艦で、最後まで生き残った数少ない

駆逐艦の一隻として数えられたんだ…其の後、ロシアに

賠償艦として引き渡されて皆と別れちゃったけどね。」

シャル 「成程…暁さんは一軍だそうですね。」

暁 「えぇ…響も二軍になって、出撃が増えてるわ。」

響 「姉さん、私は戦いは好きじゃないって…」

暁 「その割には[提督と夜戦してみたい]とか言ってたけど

其の点は如何説明するのかしら?教えて頂戴?」

響 「あれは戦闘じゃなくて…あっ!?」///

暁 「あら、貴女にそんな感情があったなんてね…じゃ、

私は上がるわ。お先に失礼。」

響 「あわ、あわ、あわわわわ…」///

シャル 「…夜戦とはどんな意味なのでしょうか……」

龍飛 「ほう、響は政一と子を成す気で居るのか…」

シャル 「子を、成す…っ!?」///

龍飛 「お前まで赤くなって如何するんだ…」

響 「あの、えっと、其の…」ぼしゅー

龍飛 「完全に過熱状態だな…ん?」

提督 「…今日はえらく混んでるな。」ピシャッ

龍飛 「…些か都合の悪い時に来たな……」

提督 「…シャル、お前も入ってたのか。」

シャル 「な、何故貴方が此処に!?」

提督 「混浴っつったろ…男風呂が無い上人数が人数…

深夜閉鎖も相まって同時に入らざるを得ない。」

シャル 「然し、然し流石にこれは…っ!?」///

龍飛 「…政一、此奴過熱で爆発寸前だぞ。」

響 「……夜戦…提督と、夜戦……」ぼしゅー

龍飛 「此奴に至っては貴様との夜戦で頭が一杯だ。」

提督 「…んなバカスカ夜戦出来りゃ少子化問題なんざ

蚊帳の外だっつの……こっちの体力と都合考えやがれ…」

龍飛 「其れもそうだな…で、今日は早霜と夜戦をする

そうだが…身体は持ちそうか?」

提督 「仮に壊れようと満足はさせるさ…」

龍飛 「宜しい。」

早霜 「政一さん…夜戦しましょう。」

提督 「せめて部屋でだな?」

早霜 「待ち切れません、今直ぐにしましょう。」

提督 「手前はちったァ…」ガシッ

早霜 「へ?」アタマツカマレ

龍飛 「…南無。」合掌

提督 [我慢シヤガレェ!!!!]グッ

早霜 「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!御免なさーい!!」

ぷらずま 「…ざまーみろなのです。ケッ…」ゴシゴシ

電 「…ぷらずま、頭を流したら交代なのです。」

ぷらずま 「あいあい…洗いっこも久々だな。」ゴシゴシ

電 「なのです…昔は人格交代だったのです。」

ぷらずま 「懐かしいもんだな…ほれ、交代。」バシャァ

電 「なのです。」

ー響自室(暁型共有部屋) 19:24ー

シャル 「…振り向かせたい?」

響 「そうなんだ…提督は私に見向きもしないんだよ…」

シャル 「…なら魅力的にならないとね。」

響 「…そうだけど……」

シャル 「私も頑張って落とさないと…」

響 「…同盟を組もうか。」スッ

シャル 「そうね、形振り構ってられないわ。」ガシッ

龍飛 「おい。」チャッ

響 「なんだよ!?」

シャル 「は、はひっ!?」

龍飛 「政一から君達に手紙だそうだ。本文の他に付属品に

目を通しておくべきだな。では失礼。」パタン

シャル 「…付属品?」ガサッ

ーこんな形になって申し訳無い。

もし私の事を好いてくれているのなら

明日朝八時、執務室に来て欲しい。

其の時は私も君に愛情を注ぐ決意を固めるよ。

シャルロッテ・フォン・フリードリヒへ

諫田政一よりー

シャル 「…私の名前、長いのに…態々全部……」

響 「…シャルロッテさん、明日、突撃しよう。」

シャル 「…うん……」


ー第十七章 恋は盲目になるー


ー一月三十一日 執務室 08:00ー

シャル 「……」

響 「……」

提督 「…この様な状態で済まない……」

早霜 「……」zzz

提督 「力が強くて引き剥がせないんだ…」

シャル 「…昨日は激しかったんですね。」

提督 「あぁ…命が消え掛けたよ……」

響 「…其れで……」

提督 「分かっている、昨日の手紙の件だろう?」

シャル 「…良いんですか?」

提督 「私はもう何人増えても動じんよ…」

シャル 「えっ…一人じゃないんですか?」

不知火 「お早う御座います。」

提督 「お早う。」

シャル 「あ……指輪…」

不知火 「はい、ケッコンならしておりますが。」

暁 「ちょっと貴方、洗濯物!!」

提督 「済まない、御覧の通りで…」

暁 「あら…早霜ったら、普段大人しいのは我慢してたって

事なのね、意外だわ……じゃあ、後でまた来るわ。」

提督 「済まないな。」

暁 「良いのよ、貴方の為なら妻として何でもするわよ?」

シャル 「つ、妻!?」

暁 「あら、政一がケッコンしてばかりの女誑しって事、 貴女に言ってなかったかしら…」

シャル 「お、女誑し!?この人が!?」

龍飛 「おい、政一…朝食も食わずに何をしているんだ?」

提督 「コレで如何食えと?」

龍飛 「そんなの、私が食わせてやる…私だって一人の

男に惚れた女だ、其れ位は容易いモノだ。」

提督 「そうかい…」

シャル 「あ、貴女もケッコンを!?」

龍飛 「ん?私は籍を入れてないだけで結婚(ガチ)だぞ?」

シャル 「えぇ!?」

曙 「煩いわね!!私昨日今日と夜勤なのよ!!寝させて頂戴!!」

提督 「済まん、臨時ボーナス出しとくから…」

曙 「あ、あんた…昨日やたら激しいとは思ってたけど…

改めて見るとヤバいわね……御疲れ様。」

提督 「おう、曙も御苦労様。」

シャル 「あ、貴女はケッコンしてるの?」

曙 「は?あぁ、政一と?勿論、籍も入れたわよ?」

シャル 「ギャァァァァアアアア!!」

響 「まさかこの人、籍を入れられると思ってたのかい?」

提督 「見る限りは其の様だな。」

暗闇 「あーもう何なのよ…政一、何が起きてるの?」

提督 「かくがくしかしまさんぱちまるゆ。」

暗闇 「あー、成程。」

シャル 「あぁ…何でこんなにケッコンしてるの……」

暗闇 「落ち着いてシャルロッテさん…」

シャル 「あ…貴女は?」

暗闇 「私は暗闇、政一の[正妻]よ。」

シャル 「…正妻……」ドサッ

暗闇 「…これで良いかしら?」

提督 「おう、取り敢えず非番の奴は寝るなり遊ぶなり

好きにしてくれ、仕事の有る奴は仕事に戻れ。」

龍飛 「ほれ、サンドイッチを作ってみたんだ。」

提督 「おう、美味そうだな…」

龍飛 「食べさせてやる、ほら口を開けろ。」

提督 「待て待て、早霜を先に引き剥がしてだな!?」

龍飛 「ほれ!!」ガボッ

提督 「もごがっ…」

龍飛 「御託はいいからとっとと食え。」

提督 「……美味い。」

龍飛 「そうか!!」ニコッ

提督 「…このツンとくるのは山葵か?」

龍飛 「あぁ、試しに使ってみたんだが。」

提督 「…矢張り山葵は肉と合うな。」

龍飛 「そうか。」

響 「…提督。」

提督 「響、申し訳無いが机の引き出しを開けてくれ…

二段目の少し小さい奴…頼むわ……」もぐもぐ

響 「うん……こ、これは…」

提督 「シャルの分も有るから、持って行ってくれ。」

響 「…提督、ムードも何も無いね。」

提督 「こんなもんさ、場数を踏み過ぎたからな。」

響 「…でも、嬉しいよ。」

提督 「そうか…そう言ってくれると有難い。」

響 「…じゃあね。」

ー暁型共有部屋 10:27ー

シャル 「…此処は?」

ぷらずま 「手前は馬鹿なのですか?結婚してるかを安易に

聞きまくるとか手前は馬鹿なのですか?」

シャル 「え?あれー?私は執務室に居た筈…」

ぷらずま 「ぷらずまが運んでやったのです、有難く思え

なのですこの馬鹿女…まぁ、ブーメランなのですが。」

シャル 「ちょっと、馬鹿女って…」

ぷらずま 「政一に迷惑を掛けたら馬鹿女と相場が決まって

いるのです。手前は馬鹿女、私も馬鹿女なのですよ。」

シャル 「……」

ぷらずま 「政一とケッコンしている先輩としてアドバイス

なのですが、がっつき過ぎると嫌われるのですよ。」

シャル 「へ?」

ぷらずま 「なので程々にがっつく事なのです。逆に、

がっつかなさ過ぎも政一が離れる要因になるのです。」

シャル 「…どうも……」

ぷらずま 「…とっとと左薬指を見るのです鈍感馬鹿女。」

シャル 「ど、鈍感って…ゆ、指輪!?」

ぷらずま 「響が持って来たのを手前の指に通したのです。

寝てばかりの鈍感だから気付かないのですよ。」

シャル 「…え?て事は……」

ぷらずま 「手前も政一の妻なのです。大所帯の一員として

これから家事に育児、勿論執務も手伝って貰うのです。 覚悟をしておくのです、元ドイツ陸軍の軍人さん。」

シャル 「…なんか嬉しいのに怖くなってきた。」

ぷらずま 「やる事の詳細は暁か暗闇に聞くのですよ。」

シャル 「あ、はい…」


ー第十八章 提督の今の仕事ー


ー医務室 13:44ー

ハイン 「…腕と脚が、元に戻る?」

提督 「眼も治るぞ。」シュッ

ハンス 「そりゃ如何いう原理なんだ?」

提督 「見た方が早いぞ。」ポタッポタッ

ハンス 「…血を出して何になるんだよ……」

提督 「さて、飲んで貰おうか。」

ハイン 「……え?」

ハンス 「血を飲んで何になるんだよ!!」

提督 「…化物の血は最高の薬となる。」

ハンス 「…は?」

提督 「良いからさっさと飲め。」

ハイン 「……」ゴクッ

ハンス 「飲むのかよ!?」

ハイン 「……ふぅ…」

提督 「効果が出るのは一時間後…暫く待ちな。」

ハンス 「…おう……」

ー14:57ー

ハンス 「…よう、具合は……」ガララッ

ハイン 「…こんにちは。」

ハンス 「お、お前…立てるのか……治ったのか!!」

ハイン 「えぇ、腕も脚も…眼も見えます。」

ハンス 「彼奴の言ってた事は本当だったのか…」

提督 「…治ったね。」

ハイン 「あ、提督さん…」

提督 「じゃ、これからはガッツリ働いてね。」

ハイン 「はい!!」

ハンス 「おう。」

ー軍港 15:49ー

提督 「…偶にはゆっくりするのも良いな……」

ザザァン…

提督 「……ん?」

山風 「…死にそう……」

海風 「待って…彼処、人が居るよ。」

提督 「…」チャキッ

ポンッ

パシュゥゥ…

山風 「…信号弾?」

提督 「…気付いて此方に来ると良いのだが。」

海風 「…行こう。」

山風 「う、うん…」

提督 「…来るか。」

ー16:00ー

海風 「…貴方は……」

提督 「説明は後で、先に入渠しておいで。」

山風 「…でも……」

提督 「良いから、早く。大破してるんだからさ。」

山風 「…御免なさい。」

海風 「…資材、お借りします……」

ー17:48ー

提督 「…白露型、海風と山風だね……」

山風 「は、はい…」

提督 「P大将の艦隊から落伍したみたいだね…」

海風 「提督を、知ってるんですか?」

提督 「陽炎と早潮、其れと親潮が居るからな。」

海風 「…あの三人が?」

山風 「本当なの?」

提督 「あぁ、親潮が訓練中で陽炎と早潮が非番だな。」

海風 「…提督さん、三人を此処に呼んで下さい。」

提督 「親潮の訓練が六時上がりだから其れに合わせて

此処に呼ぼうか…ちょっと待っててね……」

ー18:12ー

親潮 「済みません、訓練が長引いてしまって…」

陽炎 「夕飯を食べてて遅くなっちゃったわ…」

早潮 「皆さん御久し振りですね…」

山風 「皆、生きてたんだ…良かった……」

陽炎 「ちょ、勝手に殺さないでよ!!」

海風 「…良かった、此処の提督は信用出来そう……」

陽炎 「…二人は知らないのね…知らなくて当然よね……」

山風 「な、何の事?」

早潮 「御二人共落ち着いて聞いて下さいね…」

海風 「え?」

親潮 「貴女達は此処に来た事によって、もう二度と素の

艦隊には戻れなくなってしまったのよ。」

山風 「えぇ!?」

海風 「嘘…じゃ、無いのよね?本当に、戻れないの?」

時雨 「うん、本当に戻れないよ。」

山風 「あ、時雨姉さん…」

時雨 「此処は深海棲艦の本拠地、仮に戻ればスパイだと

疑われて殺されると思うよ。敵に情報を渡したってね。」

海風 「そんな…」

夕立 「もし生きたいなら此処に着任すると良いっぽい。

政一、優しいっぽい。」

山風 「…良いの?」

時雨 「勿論、大歓迎さ。」

山風 「…じゃあ、此処に住もうかな……」

海風 「…そうだね。」

時雨 「分かったよ。夕立、加賀さんに報告お願い。」

夕立 「ぽいぽーい。」パタン

陽炎 「…駆逐艦も大所帯だね。」

時雨 「政一が優しいからね。」

ー執務室 21:22ー

提督 「…終わったぞ。」

赤城 「御疲れ様です。」

加賀 「タイムカード切って残業付けて下さい。」

提督 「おう、お休み。」


ー第十九章 軍人会議ー


ー二月一日 会議室 10:00ー

浅葱 「…会議、ですか……」

早紀 「珍しいっすねぇ…」

ハンス 「会議は嫌いだぜ…」

ハイン 「気持ちは分かりますが足は下ろして下さい。」

シャル 「…初めて会う人も居ますね……」

白鷺 「…表の奴、十時からって言ってたのにまだかよ…」

真衣 「…提督さん、何かあったんでしょうか……」

ターニャ 「分かりませんが、今は待ちましょう…」

中枢(深) 「ソウダナ…マツシカナイダロウ。」

提督 「申し訳有りません、少々資料制作に時間が掛かり

遅れました。只今より二月度の定期会議を行います。」

ハンス 「おう…で、資料って?」

提督 「近海の敵出現頻度並びに其の艦隊の平均練度です。

青葉や南方棲鬼さん等から証言を頂き、深海棲艦の方々

からの戦果報告や潜水艦の皆さんの撃沈破報告等を精査し

正確な情報をこの資料に纏めさせて頂きました。」

ハンス 「お、おう…」

提督 「では先ず資料の二頁目を御覧下さい。出現頻度の

高い順に艦種を並び替えました。見て分かる通り最も

出現頻度が高いのが空母、次に戦艦、駆逐艦と続き逆に 最も出現頻度が低いのが潜水艦となります。この事から

敵は通商破壊を行わず制空権から奪おうとしている事が

良く分かると思われます…よって今後は制空権を重視し

敵艦隊を撃破する事が重要と思われます、また現在我々

深海棲艦側には艦隊から落伍した駆逐艦が数多く集まり

数的優位に立っています。これらの艦を訓練で二軍へ

引き上げる事が可能であれば戦力的余裕がより一層大きく

なる事は確定事項と思われます…次に三頁を御覧下さい。

敵平均練度と其の分布です。」ペラペラペラペラ…

ハイン 「り、理解でやっとの速さ…」

ハンス 「は、速すぎて全く入んねぇ…」

早紀 「…成程っす……」メモメモ

白鷺 「となると此処を重点的にやった方が良いか…」

提督 「…よって敵はケッコン艦を戦場に出さず他の艦… 当鎮守府で言う所の[三軍以下]を主軸に出撃艦隊を組成

している事が分かります。この艦隊は練度の低さから

最適な行動に移る事が難しく、結果此方が容易く撃破

出来ているだけであると分かります。今後はこれまで

渋っていた[一軍級]艦隊が出撃してくる可能性が大きく

我々の戦力を強化する必要が有ると言えます。ここまでで

何か不明な点、意見や異論有れば挙手願います。」

真衣 「質問です。」

提督 「何でしょうか?」

真衣 「今後、当拠点は一体如何いった方針で戦闘活動を

続けるのでしょうか?」

提督 「其方は後でまた話しますので其の時に。」

真衣 「分かりました。」

中枢 「シツモンダ。」

提督 「はい、何でしょう?」

中枢 「ゲンジョウノワレワレノヒガイハドノテイドダ?」

提督 「丁度次の項目が其の件についてです。」

中枢 「ナラバゲンジョウシツモンハナイ。」

提督 「他に質問、異論等有る方は?」

提督 「…居ないようなので四頁、我々の被害と資材消費

に関して説明致します。現在高速修復材の消費が四十、

遠征等での確保分が五十八となり、十八の黒字です。

一方建造資材と高速建造材ですが建造資材は十二の赤字、

高速建造材は十の赤字となっており、今後迅速な確保が

求められると思われます…また、各資源に関しましては

鋼材並びに燃料弾薬が黒字、ボーキサイトが赤字です。

ボーキサイトを重点的に回収する必要が有り、今後遠征で

回収出来なければ空母運用が不可能に近いと思われます。

次に主な施設被害ですが、三大隊襲撃によって入渠場が

半壊…此方は先日復旧しました。次に硝子破損、此方も

破損当日に交換完了しました。よって現在は被害無し、

実に喜ばしい状況となっています。最後に被害を受ける

艦に関してですが、艦娘側の方が若干少なく、然し在籍

総数で割ると艦娘の方が被害が多く、決して油断出来ない

状況が続いていると言えます。では五頁と六頁、今後の

当拠点の方針についてですが、当拠点は今後哨戒と訓練を

重点的に行い、出撃や建造は最小限に抑えます。また、 遠征数を増加させボーキサイト、可能であれば建造用の

資材各種を確保する算段です。ここまでで不明な点や

質問、異論等有る方居ましたら挙手願います…」

シャル 「……」

早紀 「……」

提督 「居ませんね、では定期会議を終わります。資料は 各自持ち帰って貰って結構ですので、では失礼。」


ー第二十章 斃る提督ー


ー談話室 11:27ー

提督 「……」気絶

早霜 「もう…徹夜で資料を作るから……」

暁 「無理をして死んだら如何する気なのかしら…」

吹雪 「…シンダラシンデオイカケマスカラネ……」

暗闇 「……御飯だけは食べておきましょうか…」

ーー

ハンス 「…気に入らねぇな……両手に花とは言うが、

花に囲まれて気絶してら…」

ハイン 「…あの方は仕事が多いと聞いています。」

シャル 「心配ですね…斃る事は無いと思いますけど……」

龍飛 「おい、昼餉を持って来たぞ。」ガララッ

ハンス 「お、おう…済まねぇな……」

龍飛 「構わん、あの四人が食堂に来んから序で持って来た

だけに過ぎん…お前達も体調管理は徹底しろ。」

シャル 「そうですね…子供も欲しいですしね。」

ハンス 「!?」ブフッ

ハイン 「…え?」

龍飛 「ほう、昼から盛んな事で…まぁ、攻める事だな。」

シャル 「はい!!」

龍飛 「さて、そろそろ行くか…あの馬鹿共、政一が簡単に

斃る訳が無かろうが…」ガラガラ…

ー17:45ー

提督 「……」まだまだ気絶中

不知火 「…困りましたね……」

文月 「心配なの…」

潮 「お兄ちゃん…」

長門 「頼む、起きてくれ…」

加賀 「…流石に気分が滅入ります……」

霞 「……早く…早く起きなさいよ!!此の儘じゃ、あんたが

屑になっちゃうでしょ!?私、そんなの耐えらんないわよ!!

もう死んだ振りなんて要らないから早く起きて頂戴!!

もう嫌なの!!お願いだからもう私を置いて行かないで!!

あの時私を助けてくれたじゃない!!ねぇ、起きてよ!!

私に幸せを教えてくれたのは貴方でしょ!?」ぐずっ

曙 「…気持ちは分かるわ……」

満潮 「…起きてよ、政一……」

ーー

ハンス 「ふ、増えてら…」

ハイン 「…愛されてますね……」

鳳翔 「はい、夕餉ですよ。」ガララッ

ハンス 「お、済まねぇ…」

鳳翔 「…流石にここまで起きないと心配ですねぇ……」

ハイン 「…そうですよね。」

鳳翔 「私も見守ろうかしら、なんて…ね?」

ハンス 「良いと思うぜ、誰も文句なんざ言わねぇよ。」

鳳翔 「あらあら…じゃあ、混ざろうかしら。」ガラガラ…

ハイン 「…あの方は鳳翔さん、ですね……」

ハンス 「あ?昼のも鳳翔じゃねぇのか?」

龍飛 「そんな訳が無かろう、この阿呆。」

ハンス 「おばぁ!?鳳翔が二人!?」

龍飛 「私は龍飛だ…間違えるな。」

ハンス 「ミワケツカネェヨ…」

ハイン 「着物と口調、其れと髪型で分かりますよ。」

ハンス 「は?」

龍飛 「私は料理をする時にしか袖を捲らんからな…其れに

口調がキツいとよく言われている。抑私は髪を束ねるのが

嫌いでな、髪留めを使わん…まぁ、政一は両方好きだと

言ってくれるがな…奴は優し過ぎる。」

ハンス 「そ、そうなのか…」

龍飛 「…さて、いい加減に起こすか。」つ御新香

ハイン 「…漬物ですか?」

龍飛 「私の新香が食えるとなれば起きる筈だ…」

ーー

龍飛 「済まん、通るぞ。」

暁 「あら?この香りは…」

龍飛 「おい、政一。新香が漬かったぞ。」

提督 「…んぁ?」

長門 「お、起きた…政一が起きた!!」

霞 「心配かけさせてんじゃないわよ!!」ギュッ

提督 「…えらく長い時間気絶してたんだな……」

龍飛 「あぁ、花に囲まれる程にな。」

提督 「…まだちと浅いな。」ポリポリ

龍飛 「この程度の方が良かろう?」

提督 「まぁな…」

ーー

ハンス 「…マジで起きやがったぞ……」

ハイン 「日本の漬物は恐ろしいですね…」

球磨 「アレは単に政一が新香好きなだけクマ。」

ハンス 「おわぁ!?」

球磨 「ちょっと前通るクマ。」

ハンス 「お、おう…」

ハイン 「…まぁ、何とかなって良かったです。」

ハンス 「お、そうだな。」思考放棄


ー第二十一章 ドイツの高飛車戦艦ー


ー二月二日 執務室 09:24ー

陽炎 「提督!!」

提督 「ん?」

陽炎 「金髪で背の高い人が来てるんだけど!?」

提督 「…取り敢えず通してくれ。」

陽炎 「うん…」

ー09:44ー

?? 「御久し振りね。」

提督 「お前か…徒桜から遠路遥々御苦労な事で……」

?? 「あら、そうさせたのはAdmiralでしょ?」

提督 「…そうか?」

?? 「そうよ。」

提督 「…そうかい。」

陽炎 「えっと…提督、この人は?」

?? 「あら、紹介が遅れたわね…」

提督 「此奴はドイツから来た高飛車戦艦のビスマルク…

確か第三改装まで終わらせてた筈だが。」

??→ビスマルク 「えぇ、合ってるわ。」

陽炎 「ビスマルクさん!?ビスマルクさんって確か滅茶苦茶

自意識過剰な人だったと思うんだけど!?」

ビスマルク 「私が愚かだったわ…この人には勝てないって

あの時に思い知らされたわね。」

提督 「お前の高飛車っ振りは凄まじかったな。」

ビスマルク 「辞めて頂戴、まだトラウマなのよ…」

提督 「…さて、レーベとマックスは何処に居たかな……」

ビスマルク 「ちょっと待って、二人が居るの!?」

提督 「後で会わせてやるから…今は無理だ。」

ビスマルク 「そう…」

グラーフ 「Admiral、報告書を纏めて…」チャッ

ビスマルク 「あら、グラーフじゃない。」

グラーフ 「ビ、ビスマルク…何で此処に……」

ビスマルク 「この人を追い掛けて来たのよ。」

グラーフ 「そう…」

提督 「…此処、誤字がある。後内容がスカスカ。」

ビスマルク 「内容が無いようって?」

提督 「……」プルプル

グラーフ 「ビスマルク、其の駄洒落は詰まらないわ。」

ビスマルク 「あら、Admiralには刺さってるけど?」

グラーフ 「へ?」

提督 「……」プルプル

グラーフ 「…内容が無いよう?そんな事無いよう。」

提督 「ぶはっ!?」

グラーフ 「えぇ…」

ビスマルク 「…駄洒落に弱いのね、Admiralは。」

提督 「…取り敢えずやり直し。」

グラーフ 「はいはい…」

ビスマルク 「じゃ、私は此処で待ってるわ。」

提督 「あいあい…」


ー第二十二章 スパイ侵入ー


ー10:22ー

レーベ 「大変だよ!!」バァン

提督 「は?」

マックス 「スパイが居るってゆーが言ってたよ!!」

提督 「…時期尚早、馬鹿にも程が有る……」

ビスマルク 「兎に角落ち着きなさい。」

提督 「で、其のゆーは何処に?」

レーベ 「分かんない、何処かに行っちゃった。」

提督 「…分かった、私が探す…君達は此処に居なさい。」

ー10:38 潜水艦用大部屋ー

提督 「…ゴーヤなら心当たりが有る筈だが……」

イムヤ 「提督、如何したの?」

提督 「スパイの件について何か情報は?」

イムヤ 「…あぁ、其の話はゆーから聞いて。」

ゆー 「…何ですか?」

提督 「スパイが居るそうだな?」

ゆー 「うん、夕立に似てたけど、眼が緑だった。」

提督 「…となれば夕立を探すが吉か、助かったよ。」

ゆー 「うん…あ、改造宜しく…」

提督 「了解…済まないな寝ている所に邪魔して。」

ゆー 「良いよ…提督だもん……」

イムヤ 「じゃ、宜しくね。」パタン

提督 「…スパイは夕立……」

ー11:02ー

?? 「御飯頂戴っぽい…」

加賀 「…貴女にはあげられませんね。」

?? 「一口だけでも良いっぽい、お願いだから…」

提督 「此処に居たか、侵入者。」

?? 「ぽい!?」

提督 「迷惑を掛けるな…おい加賀、此奴に飯やれ。」

加賀 「…良いんですか?」

提督 「此奴は単なる脱走兵だ…入り方がアレだったから、

スパイと勘違いされるのも無理は無いがな。」

?? 「お願いっぽい…」

加賀 「…仕方が有りませんね、どうぞ。」

?? 「有難うっぽい…」

提督 「で、お前は誰だ?」

?? 「名前なんて無いし、夕立姉さんも死んだっぽい…」

提督 「夕立に育てられたが故の其の口癖か…」

?? 「…お願いだから匿って欲しいっぽい……」

提督 「…所属は?」

?? 「…大本営に居たけど提督は知らないっぽい……」

提督 「分かった、御飯を食べ終わったら工廠に。」

?? 「ぽい…」

ー工廠 13:28ー

深海妖精 「テキセイハクチクカントケイジュンヨウカンダナ。」

提督 「…なら軽巡で行くか」

深海妖精 「アトハマカセル。」

ー18:22ー

提督 「ほれ、目を開けな。」

?? 「…提督さん、私が私じゃなくなったみたい…」

提督 「そりゃそうさ、お前の本当の姿は軽巡洋艦だ。

そしてお前の今の名は「名取」…長良型の名取だ。」

??→名取 「…この姿が、本当の私……」

提督 「栄養失調で痩せこけて駆逐に見えただけだな。」

名取 「…提督さん、大好き。」ギュッ

提督 「抱き着くな、当たってるぞ。」

名取 「当ててるんだもの、当然でしょ?」

提督 「…そうかい……」

五十鈴 「…あら、名取じゃない。」

提督 「件の侵入者だ。」

五十鈴 「そうだったの…」

提督 「さて、これから忙しくなるな。」

五十鈴 「まだ居ないのは長良姉さんと鬼怒ね。」

提督 「そうだな。」


ー第二十三章 捨て艦ー


ーとある鎮守府 23:00ー

?? 「…何じゃと?」

Q提督 「作戦は今説明した通りだ…囮となれ。」

?? 「…妾達に死ねと、そう言うのか?」

Q提督 「嫌なら他を当たるだけだ、他をな。」

?? 「…相分かった。」

Q提督 「…ならば行け。」

バタン

?? 「……見損なったぞ…」

ー二月三日 沖合 09:27ー

グラーフ 「Admiral、逸れ艦が三隻。」

提督 「…艦載機で周囲を警戒。」

赤城 「了解。」

提督 「川内、迎えに行ってやれ。」

川内 「はーい。」

ーー

川内 「お早う、駆逐艦の皆。」

?? 「誰じゃ!?」

川内 「艦砲を向けないでよ…味方なんだからさ……」

?? 「…三人も、逝ってしもうた……」

川内 「三人で生き残ったの間違いでしょ。」

?? 「死んだのは事実じゃ!!囮となり、死んで行った!!」

川内 「…後悔しても、変わらないよ。」

?? 「然し!!」

川内 「大事なのは、彼女達が見られない未来を見る事。」

?? 「…そう、じゃの……妾は少し狂っておったな。」

川内 「良いよ、戻れたんだから。」

??→初春 「妾は初春じゃ、覚えておくれ。」

川内 「おぉ、初霜が喜びそうだね。」

初春 「そうじゃの…行こう。」

ーー

提督 「…初春、子日……後ろに若葉か…」

初春 「まだ三人居ったのじゃが…皆、死んで行った。」

提督 「分かった、Q提督の所からの移籍で処理しとくよ。」

初春 「申し訳無い。」

子日 「…何で有明と初霜は死んだの……」

若葉 「…神通さん、御免なさい。」

提督 「…先ずは乗ってくれ。」

初春 「そうじゃの…」

提督 「…捨て艦なんて憚られる方法を何故態々…」

初春 「恐らく、妾達が邪魔になった故じゃろうな。」

提督 「…お前達よりも戦闘能力が高い奴を重用、か。」

初春 「妾達は最早旧式艦、ドックを圧迫するだけだと… そう踏んだのじゃろうな。引率は神通じゃった。」

提督 「神通は何時でも生産できると知ってか…」

初春 「…島風が来てから提督は変わってしもうた。」

提督 「…駆逐艦最速、其の高い性能に目が眩んだか。」

初春 「兎も角妾達はあの様な馬鹿は御免じゃ。」

提督 「安心しな、ウチは雇用満足度98.8%だ。」

初春 「成程…して、残りの分は?」

提督 「…御無沙汰過ぎて心配になりだしたウチの妻。」

初春 「ほう?」

提督 「毎日は体力持たねえし被るし多いしよ…」

初春 「…何じゃ、其の……心中、察するぞ。」

提督 「…せめて休日をくれ……」

ー執務室 17:46ー

初春 「……」

中枢(深) 「…ワカッタワ、ショリシトクワネ。」

子日 「怖い…」

南方棲戦姫 「…一応味方よ?」

若葉 「響、大丈夫なのか?」

響 「大丈夫、提督の優しさが世界を変えたんだよ。」

提督 「……」zzz

加賀 「初霜は寂しかった様ね。」

初霜 「……」ギュッ

初春 「其の様じゃの…」

加賀 「じゃあ、部屋は纏めておくわ。」

初春 「うむ、助かる。」

加賀 「宜しくね、初春型のお姉さん。」パタン

初春 「…彼奴の方が年上じゃろうて……」


このSSへの評価

このSSへの応援

このSSへのコメント


このSSへのオススメ


オススメ度を★で指定してください