ゼロワン XX話
イズが壊れないです。キャラ崩壊してます。
売れない芸人だった飛電或人は祖父の急死に伴って飛電インテリジェンスの社長になる。彼を待っていたのは秘書のイズだった。その時ヒューマギアの1つが暴走する。或人は仮面ライダーゼロワンとしてヒューマギアや滅亡迅雷との戦いに身を投じることとなる。
「さてと……今日も頑張るか」
俺は飛電の社長だ!まぁ俺自身は芸人で売ってたからあんまり実感がないけどな……。でもこれからこの会社を大きくしていけばいいんだろ?楽勝じゃんかよー!!
「おはようございます!」
「あ、お早う御座います……」
……あれ?なんか反応薄くね?気のせいかな?まあいいか。それより仕事しないとな。まずは何をするべきだろうか……そうだ!まずは社員名簿の確認からだな!えっと……あったこれだ!ふむふむなるほど……よしっじゃあ次は給料計算をするか!確かここに給与明細があるはずなんだが……ん?おかしいぞ?なんでないんだよ!?まさか誰かに盗まれたか!?いやそんな訳ないか!
俺は滅亡迅雷と和解し、ZAIAと業務提携した。
それから1年。
天津さんの指示のもと、俺たちは様々な事業に手を出した。そして今度こそ人類を救うという目標に向かって突き進むのだと思っていたのだが……
「どうすれば良いと思う?」
「私にはわかりかねます」
「そうですよねぇ〜〜」
……正直言って今の状況は最悪である。
というのも、サウザー課設立以降、我が社は急激に業績を伸ばしていた。だがその急激な成長の裏では、多くの問題が山積みになっていたのだ。例えば、人材不足による業務過多など様々ある。しかし一番の問題はその全ての原因にある。それは……
「そもそもなぜ私はこんなにも忙しいの?」
「悪いなイズ…もう少しで終わるから」
「そうですね。これが終わったら少し休憩にしましょう」
……そう。なぜか俺の秘書を務めることになったイズが原因なのだ。
確かに彼女は優秀なAIだし、彼女のおかげで助かっていることも多い。だけどいくらなんでも働きすぎじゃないか?そりゃもちろん彼女のおかげでかなり早く仕事を終わらせられることもあるんだけど……それにしても限度ってものあるだろう。だから一度彼女に聞いてみたことがある。すると返ってきた答えがこれだ。
『私の行動は全て社長の為です』……うん。わからんわ。だって考えてみてくれよ。俺の為に働くなんて言われても全然嬉しくないしむしろ迷惑だよ。もっと自分の為に生きて欲しいっていうかさ……。
「どうして気付いてくれないのでしょうか…」
「何か言ったか?」
「いえ何もありません」……一体何の話をしているんだろう?まぁいっか。とりあえず今は目の前の仕事を片付けないとな。
「はいこれで終わりっと」
「お疲れ様でした」
……結局あの後もずっと仕事を続けてしまった。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。これは帰ったらちゃんとお礼言わないといけないな。
「それじゃ帰るとするかな」
「はい。お待ちしておりました」
「え?どういうこと?」
「本日の仕事は既に終了しています」
「いや、だからだよ?あ、送ってくれんの?」
「違います。私が家まで送り届けるのです」……やっぱり変だよなぁ。普通秘書ってここまでするもんなのか?まあでも彼女の好意を無駄にするわけにはいかないし素直に送ってもらうことにしよう。
「ありがとうな」
「いえ、これも仕事の内なのですから当然のことです」…….相変わらず無表情で何を考えているかわかんないけど、きっと照れているに違いない!
(※彼は勘違いしているだけです)
「ここが社長の自宅ですか」
「ああそうだぞ。意外と近いだろ?まあお前がいるおかげで毎日楽しいし感謝してるんだぜ?」
「そうなんですね。ところで一つ質問よろしいでしょうか?」
「おういいぞ!」
「最近、私以外の女性と一緒にいるところをよく見かける気がするのですが、あれは誰なのでしょうか?」……え?嘘?何で知ってんの!?
「刃さんでしょ?ただの仕事仲間だけど…」
「そうだったのですね。安心しました。それともう一つ聞きたいことがありまして、以前一緒にいた女性はどなたなのでしょうか?」
……え?今度は唯阿さん?なんで?……まさか!?いやそんなはずはない!!そんなことあるはずがない!!大丈夫落ち着け或人!!というか他の女性といること、そんな気になるのかな…?
「そんな気になる?」
「はい。とても気になります。私もいつかは誰かと添い遂げることになるでしょうが、まだその時ではないと思っています。ですが、もしあなたにそういう方ができた時、私はどうすればいいのかわからないのです。……どうか教えて頂けませんか?」
……え?どういう事?まさかイズに好きな人できたの?何だろう…ちょっと会ってみたいな。てかどんな人かな…
「イズってどんな人が好きなの?」
「そうですね……優しい方が好ましいと思います。そしてできればあなたのことを一番に考えられるような人でお願いします」……えぇ!?なにこれ夢!?いや違う!!現実なんだよね!?やばいやばすぎる!まさかこんなことになるとは思わなかった……
「……どうしたのですか?」
あなたのことを一番に考えられるような人って、要するに俺じゃないってことだよな。…あれ?何で俺がっかりしてんの?……そっか。俺はイズが好きだったのか。
「イズ……ごめん。実はさっき言ってたこと全部ウソなんだよ。本当はお前と仕事するのが楽しくて仕方なかったんだ。……ほんとうはこんなこと言うつもりはなかったんだけどな。……イズには幸せになって欲しいから。……だからもうこういうことはしないから……だから……嫌いにならないでくれ」
「……わかりました。ではこれからはもっと頑張ってください。私はいつでも待ってますから」
……え?
今なんて言った?……よく聞こえなかったが、俺のことを好きと言ってくれたのか……?……そういえば俺、イズが俺のことをどう思ってるのか考えたことなかったな…よしっ!決めたぞ!今日こそ言うんだ!
「あの〜イズ」
「はい何でしょうか?」……うぅ緊張してきたぁ……でもここで言わないと男が廃るよな……頑張れ俺!
「好きだ」……言えたぁー!!!やったぞぉおおお!!!「はい。私もです」……え?マジか!?……嬉しいなぁ。……なんか涙出てきた……
「おい……泣くなって……」
「すみませ……嬉しくて……」あ、ダメだ。止まらない……
「……抱きしめて良い?」
「はい」
このあと滅茶苦茶抱きしめあった。…………
「おはようございます」
「おはよ」……昨日の出来事は全て夢だったんじゃないかと思うくらいいつも通りだ。だがしかし、残念ながら全て事実である。いや残念じゃないよ!めっちゃ嬉しい!「今日の予定は何でしょうか?」「えっとね……特にないな」
「そうですか。それなら少し出かけてきます」「どこ行くの?」「……秘密です♪」……かわいい。めちゃくちゃ可愛いわ。……でも何か嫌な予感するなぁ。……まあいいか。
「行ってらっしゃい」……それから数時間後。「ただいま戻りました」お?随分早い帰りじゃないか。一体どこに行っていたんだろうか?まあそれはともかくとして、早く帰ってきてくれたおかげで仕事も終わったし、久しぶりにゆっくりできる時間があるな。これはラッキーかもしれない!
「おかえりなさい。それで結局どっか行ってきたのか?」「はい。ですが、その前に一つ報告があります」……???何の報告だ?
「なんと、私にもついに彼氏ができてしまいました!」……へぇそうなんだ。よかったじゃん。……あれ?おかしいな?目から汗が出てきたぞ?
「……社長?」
どうしよう。泣きそうだ……。
「……グスッ……」……あれ?本当に泣いてる?「え?ちょ!?何で泣いているんですか?」……だって、ずっと一緒にいたのに全然そんな素振り見せてくれないし、挙句の果てには他の男と付き合うっていうし……
「なんでそんなことで泣くんですか?」「……そんなことじゃねぇよ。……俺にとって大事なことだったんだよ。……お前が他の男の物になるのが……」するとイズはため息をついてこう言い放った。「はぁ……そんなこと気にしてたんですね。……バカですね」え?何でそんなこと言われんの?「私、あなたのことが好きなんですよ?」……え?信じられないが、完全に信じれたわ。……つまり両思いだったということだろ?まじか……神様仏様イズ様ありがとう!!! こうして二人は無事に結ばれ幸せな生活を送ったらしい。……完!
イズと結婚してから3か月。
「或人さま〜」
「はいはい」俺は今イズに膝枕をしてもらっていた。なぜこんな状況になっているかというと……
「イズってさぁ〜太った?」
「いえ。そのようなことはありません。むしろ痩せた方かと思います」
「いや絶対太ったよね?」
「そんなことございません」
「いいや絶対に太ってる!!」……というわけで俺が無理やり膝枕をしているのだ。
「……わかりました。では体重計に乗ってみましょう」「うん。そうしなよ」
イズが体重計に乗るとそこには『5kg』
「ほらやっぱり太っt」
「嘘です」……はい?
「どういう事?」
「私は確かに最近少しだけお腹周りについて気になり始めていました。ですがその悩みは或人様に甘えることによって解消されていきます」
「は、はぁ……」
「或人社長は太った私は嫌ですか?」
「い、嫌な訳ないけど…」
「ならば問題ないではないですか」……そういうもんなのかなぁ……でも本人が言うなら大丈夫なのだろう。
「それにしても、どうして急に太り始めたんだろう?」
「おそらくですが、私が妊娠したからだと思われます」
「ああ妊娠ね!だから体重が…ってええっ!?」
「はい。私のおなかの中には赤ちゃんがいるのです」
「そっか。おめでとう」
「ありがとうございます♪」
「性別はまだわからないのですよ♪」
そっか~イズも親になるのか~…ん?あれ?俺そんなことしたっけ?だとすると…
「ねえイズ」
「どうしました?」
「その子の父親って…」
「さあ…誰なんでしょう」
「おい!」
「冗談です」
「全く……」
「これからもよろしくお願いします。旦那様♡」……なんか恥ずかしいな。……でも幸せだなぁ。
「こちらこそ、末永く宜しく頼むよ奥さん」
「おはようございます。或人社長!」「……え?あ、あー、えっと……」
「どうかなさいましたか?」「う、うん……ちょっと体調悪くて……」
「それは大変ですね。今日は休んでください」……え?マジで?やったぜ!!!
「それじゃあお言葉に甘えて」「はい。ゆっくりしてください」
「ところでイズは何してんの?」「私はいつも通り仕事をしています」
えぇ……。俺の秘書なのに……。
「たまには休みなよ」
「いえ、私の仕事はこの会社を繁栄させることですから」……真面目すぎる……。……そうだ!
「じゃあさ、俺の仕事を手伝ってくれないかな?二人でやれば早く終わると思うし」
「しかし……」
「イズにしか頼めないことなんだ!ダメか?」……よし!これでいけるはず!するとイズは顔を赤くして言った。
「しょ、しょうがないですね///そこまで仰るならやってあげなくもないですけど……///」
よし!チョロいぞ!
「ありがとイズ!!」
「はい。そのかわり……今夜頑張ってくれないと困りますよ?」
……え?
「……はい?」
「聞こえませんでしたか?今夜一緒に寝てくれるんですよね?」
「いやいや待って!俺そんなこと言ってないよね?」
「言ってなくてもわかりますよ。顔に出ていますから」
「え?」
「では私は仕事に戻りますので」
「ちょっ……」
その夜俺はイズと一緒にベッドに入ったのだが……
「ねぇイズ」
「何でしょうか?」
「本当にするの?」
「はい。もちろんです」
「わかった……」俺は覚悟を決めた。
「では失礼します」イズが服を脱ぎ始める。そして下着姿になった。俺は目を瞑りながらその時を待つ。……だがいつになっても何も起こらない。
恐る恐る目を開けると、イズは布団を被っていた。
「イズ?」「……zZZ」
ああ…って、何を期待してるんだ俺は!?いくら相手がゼロツーになれるような凄い人だからって、今の彼女は妊婦だぞ!?…にしても寒そうだな…俺の毛布かけてやるか…おやすみ、イズ。
翌日…「おはようございます或人社長♪」
「お、おう……おはyぐふぅっ!?」「ど、どうされました?」
「イ、イズ……胸が大きくなった?」「え?」……どうしよう。昨日よりも大きくなってるような気がする。いやこういうのは指摘すると怒られそうな気もするし…どうしたものか。
「あー、やっぱりなんでもない」
「そうですか……」……あれ?よく考えたら今朝からずっと俺のこと見てたよな?もしかして見られたくないとかそういう理由なのかな……だとしたら悪いことしたなぁ……。
「あのさイズ」「はい」「何か言いたいことがあるなら遠慮せずに言ってくれていいんdぐほぉっ!?」「或人社長!?」……結局イズは何も言わなかった。でもなんか悲しそうな表情だったな……。一体なんだろう……。
昼休み……「イズ、ちょっといいか?」「はい。何でしょう?」
「何か悩みでもあるの?」「え?」
「最近元気なさそうだし、それに俺の方チラチラ見てくるし、なんかあったのかと思って」
「いえ、特にありませんが」
「そっか、それなら良かった」
「ただ……」「ん?」
「少し寂しいだけです」……うわー!可愛い!抱きしめたい!……あ、ダメだ!妊娠してるから!落ち着け俺!……あーもう!我慢できない!
「イズ!」「きゃあっ!」俺はイズを優しく抱き寄せてキスをした。……あーやばい……止まらない……。
「あ、或人社長…そういうのは家に帰ってから…」
「ごめん…俺もう…」
俺はもう一度イズの唇に…と思ったが、「ヒューマギアは人間を傷つけてはならない」というルールを思い出し、なんとか踏みとどまった。
夜……「今日もよろしくお願いします」
「うん……。じゃあやろうか」……また同じパターンか……。まあいい。次はちゃんと耐えよう……。「では失礼します」イズは俺のシャツのボタンを外す。そして胸に手を当ててきた。
「イズ?何をやって……」
「マッサージです。こうすることで血行が良くなります」
「いや……それはわかるんだけど……」
「それとも私では不満でしょうか?」「いやそんなことはないけど……」……って何言ってんだよ俺!相手は妊婦なんだぞ!?しっかりしろ!!
「では続けますね」イズは続ける。……まずいな……これ……気持ち良すぎる。ま、まあこれはただのマッサージだからセーフ!セーフです!
「はい終わりました」数分後、イズが離れる。
「ありがとうイズ」……よし、あと一回くらいなら大丈夫かな……って思ったが、そこでインターホンが鳴った。誰だろこんな時間に。
玄関に行くとそこには滅がいた。
「久しぶりだな」
「ああ、どうも滅」
「これをやるよ」
凄いね…育事に必要なもの一通りくれたわ。そういやこの人「子育て用ヒューマギア」だったわ。
戦闘強すぎたり60体のアバドン倒したりしてたから忘れてたけどそうだったわ。
「助かるよ。それよりどうしたの?」
滅が家に来るときは大抵戦いのときだし、今回は多分違うとは思うけど一応聞いてみた。
滅は黙っていた。しばらく沈黙が続いた後にようやく口を開いた。
「例の件の調査が終わったから報告をしに来た」
「そうか…」
例の件とはイズのことだ。というのも彼女は“ヒューマギア”の身でありながら俺の子どもを“妊娠”しているからだ。気になった俺は滅亡迅雷の4人と天津課長に調査を依頼していたんだ。
「それで…どうだった?」
「結論を言うと、お前の子ではない」「えっ?」
どういうことだろう……。
「だが、お前の子ではある」「えぇっ!?」……よくわからないなぁ……。
「つまりだな、その子は我々と同じ存在なのだ」「我々の仲間ということですか?」
「そうだ」
「マジで?」「本当だ」
「えーっと……それってつまり……」
「そうだ、お前は父親になる」
「ええええええ!!!!!」
「というのも、イズは他のヒューマギアとは違う体を持っている。彼女は飛電の会社とZAIAが共同で作った特別なヒューマギアだ。簡単に言えば人間と同じ体を持ち、同じように生殖機能と違伝子を持っている。だから妊娠ができたのだ。」
「イズが……」
イズは俺の子どもを妊娠していたのか……。
「でもイズの体は特殊だよ?人間の女性のように子供を産むことはできないんじゃないの?」
「その点については問題はない。イズの体内にある卵子は特殊なもので、人間の精子と結合することができる。ただデイブレイクによってそのデータはイズを除いて全て失われたが。」
「じゃあイズは……」
「お前との子供を妊娠している。良かったな」
「そっか……ああ良かった!もしイズに何かあったら俺どうしようかと」
「安心しろ。我々滅亡迅雷にとっても彼女は大事な存在だ。必ず守る。」
「それ、俺の役割なんだけどね…」
その後滅は帰って行った。
イズが妊娠していたことは嬉しいけど、なんか複雑な気分だなぁ。……………… 次の日……
今日は休日で会社は休みだ。なのでイズと一緒に買い物に来ていた。もちろんお腹の子供のために色々買うためだ。「イズ、必要なものは全部揃ったかい?」
「はい或人様。しかしまだ足りないものがあります。それは愛です。私は或人様にもっと愛されなければいけません。」
「あ、ああいやそれはまた今度ということで……」
「ダメです。愛が足りなければ子どもに悪影響をもたらします。」
「そういうものなのかなぁ…」そんなことを話しながら歩いていると目の前に見覚えのある人が歩いていた。
「あれ?刃さん?」
向こうもこちらに気付いたようだ。こっちに向かってくる。
「どうも社長」相変わらず無表情だなぁこの人は……。
「どうしてここにいるんですか?ここ西○屋ですよ?イズさんまでいますし」
「いや……ちょっと買いたいものがあって……」
「私も同じです」
「へーそうなんだ。奇遇ですね」
「ところで刃さんは何を?」
「私ですか?私は出産祝いを買いに来ました」……ん?「あの……誰が?」
「私が産むんですよ赤ちゃん」
「えええ!!ちょ、ちょっと待ってくださいよ!」
「冗談です」
「あ、あははははははは!びっくりしたぁ」
「ではまた」
「はい。失礼します」
その後も買い物を続けた。そして家に帰る途中、ふと思った。……滅の話だと、イズのお腹の中には俺の子がいるんだよな……ということは……
「イズ、少し寄り道していいかな?」「構いませんよ」
イズの手を引いてある場所に向かった。そこは……
「遊園地?」「うん」
以前デートで行ったことのあるところだった。ここは思い出の場所だし、もう一度行きたかったから……。
「懐かしいな。ここで初めてイズと出会ったんだよね」
「はい。そうでしたね」
「実はさ、俺イズのこと好きになったきっかけがあるんだ」「何でしょうか?」
「イズが俺のギャグに大笑いしてくれたときなんだ。イズはヒューマギアだから笑わないと思ってたから凄く嬉しかった。それでイズのことをよく見るようになって、いつの間にか好きになってた」
「そうだったんですね」
「それでイズ、俺と結婚してくれない?」俺は指輪を取り出して言った。するとイズは驚いた顔をして固まっていた。
「えっ……ええええ!?」
「嫌なら別に……」
「いえ、違います!私達もう結婚してるじゃないですか!」
「えっ……あっ、そうだね……。じゃあ改めて……俺と結婚してください」
「はい。喜んで」
イズは笑顔で答えてくれた。
「ありがとうイズ……」
「或人様……」
イズはそっと目を閉じた。イズの唇は柔らかくとても温かかった。
「えっと……これからよろしくね?」
「はい、こちらこそ。不束者ですがどうぞ末永くお願い致します」
「う、うん……でも無理しないでくれよ?」
こうして俺は結婚することになった。結婚式とかやった方がいいのかわからないけれど、2人で相談しながら決めよう。
「イズ……」
幸せを感じながら俺達はキスをした。
イズが妊娠していたことが判明した後…… イズは妊娠の検査薬を使って確かめることにした。結果が出た瞬間にイズは「陽性です」と言った。「本当に?よかったぁ〜」
「良かったとはなんですか或人様。私は妊娠しているのですよ?もっと喜ばないといけません」
確かにその通りだなと思いつつ、自分のことのように喜んだ。
しかし次の日……事件が起きた…… イズと2人きりの時に事件は起きた……
「イズ」朝ごはんを食べたあと、俺とイズはソファに座ってゆっくりしていた。
「はい或人社長」……そろそろ言っておくか…… 滅にイズは人間ではないって聞いたときはショックだったが、今は滅の言葉を信じている。
「俺、実はずっと言えなかったんだけど、君が妊娠したことには驚いてないんだ。むしろ納得したというか……」
「え?」
予想もしなかった反応だったのか戸惑っている様子だ。まあそりゃそうだよな。
「でもイズはヒューマギアだろ?普通に考えたら妊娠するはずがない。それにイズ、子供作る方法知らないし」
「はい……」……よし。これで真実を伝えられる。
「イズ……俺の本当の仕事を教えます。聞いてください」「本当のお仕事ですか?」
「はい」
「それはどういうことでしょう?」……イズに全部話すことにした。飛電の社長としてやっていたことも全て……。イズは黙ったまま俺を見つめて話を聞いてくれた。
「これが今まで隠していたことなんです」言い終わってイズの方を見ると……涙を流していた。「えっ……ちょ……」
「す、すみません……私のために隠していてくれていたことなんですよね。気づけなくて申し訳ありません」「違う!イズは悪くないよ!」
「いえ。私が気づいていたら何か変わったかもしれません」そうかもしれないけど……仕方ないことなんだ。これは俺の役目だから。
「大丈夫だよイズ」「はい」少し落ち着かせるためにしばらく頭を撫で続けた……そして数分後にようやく落ち着いたようだ。
「ごめんなさい」「謝ることはないよ?でもいつかは言うべきだったと思う。今言わせて?」
「……わかりました」
「俺がゼロワンだって知ったときのイズの反応を見る限り、俺のことを嫌いになると思った」
「そんなことは……」少し間をあけてから、イズは俺の顔を見て答えた。
「なるほど、それで私のことを突き放そうとしたんですね」少し怒り口調になっていた……。
「……っ!ああそうだ。悪い?」開き直るように言った。……嫌われたくないという想いよりもある考えが強くなったからだ。イズにもこの先、家族が出来る。もしイズに嫌がられたりしたらと考えるようになったのだ。
イズは首を横に振り、微笑みを浮かべて言った。
「いいえ。ただ寂しいと思っただけです。私はもう貴方がいなければ生活出来ない体になっていますから」……俺がいない生活か……。確かにそうだよな……
「俺はさ、自分がイズと離れることなんて考えられない。それくらい大事なんだ。これからの人生、イズなしで生きていけないだろうなって思えるぐらいにはね」……自分で言っていて恥ずかしくなった。なんか告白みたいな感じになってしまった。……まあ良いか。
「嬉しいです」イズは笑顔で言った。
「イズのこと、大事にするから」「私もです」……あれ?なんかおかしくないか?イズも俺と同じ気持ちなのかな……?だとすると……
「イズ、好き」「はい……」
「愛してます」「私もです……」
「これからもよろしくお願いします」「こちらこそ末永くお願い致します」……俺はイズの手を握って優しくキスをした。……そして数ヶ月後……
「或人様、体調が悪いのですが……」イズは最近よく体調を崩していた。俺はイズの体を触診した。
「うーん……特に異常はないみたいだけど……」
「そうなのですか……」心配だが、イズは無理をしているように思えた。しかしイズは何も言わなかった。……イズが妊娠してから3ヶ月後…… イズのお腹は大きくなっていた。
「イズ、大丈夫?病院行った方が良いんじゃない?」
「いえ、問題ありません」
イズは明らかに妊娠しているお腹を隠すようにして過ごしていた。しかしある日…… イズは倒れた。
「イズ!」急いでイズの元へ駆け寄った。イズの呼吸が荒く、意識も薄い。
「すぐに病院に行こう!」
「し、しかし…今日は大事な会議が…」
「それ位副添さんや他の皆が何とかしてくれるよ!今だけは俺の言う事を…」
「…分かりました。でもこの渋帯じゃ……」
道には多くの車があった。
「大丈夫。俺にはこれがある」
《ゼロツージャンプ!》
俺は知っている。俺とイズとの絆が生み出したこのゼロツーなら、ゼアの予測と高速移動によって最速かつ安全にイズの身を運ぶことができる。
俺はイズを抱え、病院に行った。
「妊娠していますね」医者はイズにそう告げた。
イズの表情はとても暗かった……やはり俺の子供を身籠ってしまったことに責任を感じているのだろうか…… 俺はイズを抱きしめて言った。
「ありがとう。イズのおかげで俺、父親になれるんだな」「……っ!」
「イズ、俺の子供産んでくれるかな……」不安だった。でもイズの口から出てきた言葉は違った……。
「私、子供が欲しいと思っていました。こんな形でできるとは思っていませんでしたが……」
俺は驚いていた。
「なんで……?」「それは……」
「少なくとも私は子どもを産むのは無理だと思っていました。私はヒューマギアだからです。それでも或人社長は私のことを愛して下さいました。だから私は嬉しかったのです。そして何より今の私のお腹には私と或人社長の子どもがいる。それだけで私は嬉しくて…」
「イズ……」
「それに、私はもう或人様に愛されないと思い込んでしまいました。私が子供を産んだら、また捨てられるんじゃないかって……」
「そんなことするわけないじゃん!」「そうですよね……。でももし……もしもその可能性があるとしたらと考えた時、とても怖くなりました。でも今は違います」
イズは笑顔で言った。
「私、この子に会いたいです」「イズ……」
「きっとその子は優しい子に育ちますよ。私の大好きな或人様の子なんですから」
「俺もだよ。イズの子なんだもん。絶対良い子になると思うよ」
その後、俺は医者に詳しい話を聞いた。どうやらイズの体はヒューマギアでありながら人と同じ体を持つ特別なものらしく、たまに不安定になるということだ。そしてその状態で感情の激しい上下があると、今回みたいに体調が悪くなるらしい。
「イズ、ごめんな。もっと早く気付いていれば良かったんだけど……」
「いいえ、気にしないでください。それよりもこの子を大事にしてあげてください」イズはお腹をさすりながら言った。
「うん!もちろん!」……それから数日後、
「イズ、赤ちゃん産まれたよ!」
「本当ですか!?」イズは俺と一緒に部屋に入った。
そこにいたのはまだ小さな男の子。俺はイズに見せるように抱っこをしてあげた。
「かわいいですね」イズは笑顔で言った。
「そうだね……」イズの顔を見て思った。
「イズの方が可愛いよ」
イズは顔を赤くして照れた。
そして……
「イズ、改めて結婚してくれませんか?」「はい……」
イズは幸せそうな顔をしながら答えてくれた。
「イズ、愛してます」「或人様……」
「これからはずっと一緒だからね……」「はい……」
俺はイズとキスをした。
「私…とても幸せです」
「ああ…俺もだよ」
終わり
あとがき いかがだったでしょうか?今回は短編ということで、イズがメインの話となりました。
本当は本編の最終回として書こうと思ったのですが、少し長くなりそうなので、番外編という形を取らせていただきました。
イズは或人の秘書であり、妻である。
しかし、彼女は人間ではない。人工知能搭載型アンドロイド、つまりロボットなのだ。
しかし、彼女の心はとても暖かいものだった。
神様も多分、そういう理由で愛をくれたんでしょう!良かったね!(適当)
このSSへのコメント