2015-12-27 13:29:17 更新

概要

「うっそん…こんな長くなるん…」どうもこんにちはマグロです。たかたかたか〜と本文打ち終えて文字数見たときの反応ですね。普段の二倍打ってました。
記念すべき第10話だしいいですよね。
まだまだへたくそですがよろしくお願いしますm(_ _)m


前書き

ティガレックスとの対決を迎えた穂乃果たち!!作者の語彙が足りないせいでショボく見えるぞ!頑張れ作者!(ブーメラン)


第10話 激突!ティガレックス!!


〜雪山ベースキャンプ〜


ゲンナイは元ハンターである。

それも手練れのハンターだ。

かつてドンドルマにおけるラオシャンロン討伐部隊の指揮官を務めたほどの男である。


しかし不幸にも彼のハンター生活はテオテスカトルとの遭遇によって強引に幕を閉じられたのだった。


その後彼はハンターを支える役に回り行商人となった。


穂乃果達には伝えていないが、あのカイルと共に狩りをしていたりと、顔はとても広い。


そんな彼は雪山を見据えていた。


熟練のハンターの感が雪山に起きている非常事態に反応しているのだ。



ゲンナイ「おい!ホープ!!こっちこい!!」


ホープと呼ばれて出てきたのは紫色の髪をしたふくよかな女性だった。年齢は18歳程度だろうか?

フードを被っており顔はよく見えない。


ホープ「ゲンナイさんどうしたん?やけに声が荒いやん?」


日本の関西弁とよく似ている話し方だ。母性を感じる不思議なイントネーションでもある。


ゲンナイ「占ってくれ。あいつらの安否を」


自身の願いを端的に伝える。


ホープ「任せとき」


彼女はカードを数枚取り出した。

統一された裏面。様々な絵が描かれた表面。

タロットカードと言えば伝わるだろう。


彼女はカードを一枚取り出すと、


ホープ「ふむ…」


ゲンナイ「結果を話すのがためらわれるか?」


ホープ「いんや、上手くいくって出とるよ。でも…」


ホープは突然話し方を正し、


ホープ「上手くいくにはあの穂乃果っていう子の存在が大きく影響している…あの子の立ち回りによっては失敗もあり得る。」


ゲンナイは不思議に思った。


穂乃果?

あの華奢な女の子がキーマン?


ゲンナイ「無事でいてくれよ…」


ホープの結果に当惑するゲンナイだった。


_______________________


〜雪山山頂付近〜


穂乃果「タァッ!!」


ザブシュッ!!!!!!!


穂乃果のバーンエッジが火を噴きティガレックスの屈強な足を切り裂く!!


ティガレックスの攻撃を盾で流し的確に斬撃を与えていく。


その横を凛が通り過ぎる。



凛「デカブツめ!こっちを向くにゃ!」


A地点からB地点へ、B地点からC地点へ、ドラゴ◯ボールを想像していただけるとありがたい。

ティガレックスの眼前を音速のステップで動き回る。


凛は今回ティガレックスのヘイトを集める役になっている。


しかし、ティガレックスの剛腕が凛を薙ぎ払った、


ように見えた。


そこには凛はおらずティガレックスの頭部に凛は斬撃を叩き込んでいた。

ナ◯ト疾風伝を想像していただけるとありがたい。



海未「はっ!!」


ズバババ!!


海未の射撃は凛をかわし穂乃果をかわし、的確に相手を貫く。


海未「穂乃果!下がってください!攻撃がきます!!」


穂乃果は指示通り後退。


先ほどまで穂乃果がいた地点をティガレックスの尻尾が通過する。







ハクガイ「冗談じゃねぇよ…」


自身が素人だと見込んでいた三人は今まさにティガレックスと互角にやりあっている。


カズ、マキも同じ心境なのだろう。攻撃を止め呆然としている。





(こりゃぁ負けてらんねぇわな!!)


父親譲りのモンスターに対する闘争心に火がついたのだろう。


ハクガイ「うぉぉぉぉぉぉ!!!」


ブンッ!!!!!!!!!


ズバッッッッ!!!!!!!


ハクガイの一撃がティガレックスの頭部を地面に縫いつける!!



質量攻撃でお馴染みの大剣からなされる攻撃はティガレックスの態勢を崩した!



ハクガイ「カズ!マキ!ボサッとしてんじゃねぇぞ!!」



カズとマキはハクガイに呼ばれハッとする。


マキ「あたいがヘイトを集める!!カズはあいつの尻尾をちょん切ってきな!!」


カズ「任された、拙者の太刀さばきを見るがいい」


マキがティガレックスの気を引く。


カズはティガレックスの背後に回る。


身を縮めしばしの沈黙。


そして駆け出す。




超低空姿勢のカズが態勢を崩したティガレックスに突っ込んでいく。


刀身を鞘に仕込んだ状態で。


そう、抜刀術である。


その一振りに全てを込める一撃。


カズの身体がぶれ消える。


凛に負けず劣らずのスピードである。


鋭い剣先がティガレックスの尻尾を捉え…




ギャォォォォォォォォォォッ!?!?




ティガレックスの硬い皮膚を貫き尻尾を削ぎ落とした。


カズの刀が鞘に収められる。

見事な一撃だ。




カズ「また、つまらぬ物を切っ…」


ハクガイ「さっさと次に移れ!!毎回それ言わねぇと気がすまねぇのか!?」


カズ「…………。」



二人は苦しむティガレックスに対して攻撃を再開した。




穂乃果「すごい…」



そう、凄いのだ。三者三様武器は違えど一つ一つの攻撃が的確なのである。


凛「凛達も負けてられないにゃ!」



海未「えぇ!彼らに続きましょう!」





凛「よぉし行くニャァァ!!」


凛が誰よりも前に出る。


ティガレックスまで数メートルというときにその現象は起きた。

















音が消えたのだ。










音が消えた?違う。



全ての音がその音に負け、押し出されたのだ。


ではその音とは?


ティガレックスの全力の咆哮である。



ハクガイ「ティガレックスがブチ切れたぞ!!全員もっかい気を引き締めろ!!」






音の無かった空間にハクガイの声が響き渡る。


続いて吹雪の音が、遠くからギアノスの声が自分の持ち場に戻るように音を取り戻していく。





凛は最も近い距離でティガレックスの咆哮を喰らってしまった。


朦朧とする意識の中目の前を見ると…






並ぶ牙、滴る唾液、ティガレックスの筋肉から放出される熱。




ティガレックスが凛に飛びかかろうとしていたのだ。


恐怖の映像を鮮明に捉えたのは凛の身体強化が異常だから?

否、死に際だからだろう。


凛の頭を走馬灯が駆け抜ける。



(あぁ、かよちんと初めて会った日。楽しかったにゃ。μ'sに入って、可愛い服着て…凛は幸せだったにゃ…)



神の加護のことを忘れ、

これから身体を走るダメージに怯え、

今の自分の状態を恐れ、


凛は動かなかった。

いや、動けなかったのだ。





ティガレックスの牙が凛を無慈悲に貫くのを誰もが想像しただろう。


ただ一人を除いて、


彼女に向かって駆け出す一名を除いて。




_______________________


〜雪山ベースキャンプ〜


凛のピンチと同時刻ゲンナイは再び雪山を見つめていた。


一度は荷物の確認に戻ったりとそわそわしていたが今はじっとしている。


ゲンナイ「む…」


ゲンナイの感はまた疼いたらしい。


ゲンナイ「酷く嫌な予感がする…神の加護で誰かが送られてくるんじゃねぇか心配だ…」


なぜゲンナイがここまで心配するのか。



理由は簡単、


神の加護により戻ってきたものは基本ハンターをやめてしまうからだろう。


「三回まで死ねる?

冗談じゃ無い。

死ぬ恐怖はもうごめんだ。」


「そりゃそうだ。そうなんども死ねる奴は人間じゃねぇ。」



ゆえに現役のハンターのほとんどは一度も力尽きていない。


ゲンナイもまたやめた一人だ。


杖をしているが足を本当に怪我しているわけではない。


テオテスカトルにやられた恐怖が足を動かさないのだ。





ゲンナイが自身の無力さを恨むのも当然である。







ホープ「ただのチキン野郎と締めくくれば俺はそれでおしまい。」


そう思ってるんやろ?

そんな笑顔でホープはゲンナイを見据える。


あぁ、その通りだ。

そんな苦笑でゲンナイはホープを見る。


雪山で流れる緊張感をよそに残酷なほどのどかな空気が流れていた。



_______________________



〜雪山山頂付近〜




ガッツンッッッッ!!!!!!!




死を予期した凛は恐る恐る目を開けた。手足は生えてる、心臓は脈拍がおかしいが動いている。



顔を上げ状況を理解しようとする。



前を見ると穂乃果がティガレックスを受け止めていた。



凛「穂乃果ちゃん!?」


穂乃果は盾と剣を器用に使いティガレックスを受け止めていたのだ。




ハクガイ「マキ!!こやし玉ぶつけろ!!」


マキ「わかった!!」



ブンッ!!



こやし玉がティガレックスに着弾する。


たまらずティガレックスは別のエリアに逃げ出していた。




海未「二人とも大丈夫ですか!?」



たまらず海未は二人に近寄った。


二人ともその場に座り込んでしまっている。



穂乃果「私は大丈夫だよ!!」


一拍遅れて凛も、


凛「凛は大丈夫だにゃ!!」



笑顔で答える凛だが明らかに疲れている。


精神の疲れはスタミナに大きく影響を与えるものだ。


カズ「ティガレックスの逃走を確認した。しばらくは安全だろう。」


偵察に行ったカズも引き返してきた。



皆で態勢を整えていると、


ハクガイ「俺のミスだ、お前たちにティガレックスの咆哮について話しておけばよかった…」


ハクガイを庇うように凛も口を開く、


凛「そ、そんなことないにゃ!!急に来たモンスターの説明なんて無理だったんだし…」


何か言いたげだった海未もそれに続いた、


海未「それを言うなら私も凛達に指示を出すのを怠ってしまいました…」



場を流れる空気が重い。



ここで一番冷静なのはマキであろう。

性格もクールな上、場慣れもしている。




そんなマキは言おうか言うまいか悩んでいた、「諦めよう」の一言を。


ここでやられて引退する人間を増やすのはバカバカしい。


やめて当然だ、言ってしまおう…


しかしその思考を遮ったのは思わぬ人物だった。



穂乃果「みんな自分を卑下に見ちゃだめだよ!!

6人で途中まで上手くやれてたのに今更怖気づくなんておかしいよ!」


五人に向けられたその言葉は彼らを鼓舞した。



穂乃果「諦めないで最後までやろうよ!下で待つゲンナイさんのためにも!私たちの新しい挑戦のためにも!!」


海未と凛に対して向けられたその言葉は二人の折れかけた心を正した。




穂乃果「ハクガイさんたちと私たちで力を合わせれば問題ないよ!!」


どこまでも自信ありげに、気合い十分に彼女は続ける。


穂乃果「助け合ってもう一度…




もう一度たかかうぉん!」












一同(…………たかかうぉん?)








海未(かんだ…)


凛(かんだにゃ…)


マキ(ゔぇぇ!?今かむ!?)


ハクガイ(かむかよ今…)


カズ(哀れだな…)





穂乃果「あ、かんじゃった…」


穂乃果の顔は熱帯イチゴのように真っ赤になった。


(あぁ、穴があったら入りたい…)







するとハクガイがネジが外れたように笑い始めた。



ハクガイ「ダァッハッハッハッハッ!!」


ハクガイ「いいねぇ、穂乃果、最高だよ!!」


ハクガイ「おい!!全員耳かっぽっじってよく聞きな!!」


ハクガイは意気揚々と言葉を放つ。


ハクガイ「俺たちは穂乃果に大きな借りができちまったよ!穂乃果がいなかったら絶対諦めてただろうな!!

あぁ本当に大きな借りができちまった!!」


ハクガイはもう一度周りを見渡す。


ハクガイ「そんな俺たちに穂乃果が諦めるなっつってんだ!!諦める奴がこの中にいるか!?」


誰も声を出さずハクガイを見据えていた。


言葉はなくとも分かる。


誰も諦めるつもりは無いのだ。




ハクガイ「上等だ!穂乃果のためにももうひと暴れすんぞ!!」





「おぉ!!!」


_______________________


〜雪山ベースキャンプ〜


ホープ「流れが変わった…陰の気が引いて陽の気が雪山に流れてる…」


ホープは雪山を見据えそう呟いた。


彼女の耳は独特な形をしている。

竜人族の物だ。

人とは一線違う種類の生き物である。


そんな彼女は気で状況を推察していた。



打って変わってゲンナイは目を閉じジッとしていた。


待つだけである。


そう彼の背中が物語っているようだった。




_______________________



〜雪山中腹〜


カズ「いたぞ!あそこだ!」



ティガレックスはゆっくりと歩いた。


まだまだ機嫌は悪そうである。




海未「落とし穴があります。使いますか?」


海未はゲンナイに提案した。


ゲンナイ「いい案だ。凛に仕掛けさせろ。そのあとで俺が閃光玉をぶち込んでやる。一気にケリをつけるぞ。」


ゲンナイは閃光玉を取り出し手でもてあそび始めた。


海未は凛に落とし穴を渡した。


凛はすかさずティガレックスの足元に向かう。


穂乃果のおかげで恐怖なんてものはとうに消え去っていた。



凛が皆の元から離れて三秒。

罠の設置は完了していた。

流石のスピードである。

穂乃果、海未はさほど驚かなかったが、


マキ「早すぎない!?」


海未「慣れれば普通です。」


マキ「…………。マジ?」





次の瞬間ティガレックスは罠にはまった!


ハクガイ「全員下向きな!かますぜぇぇ!!」



ヒュン!!バーンッ!!!!!!!





世界が白一色に染まる。


そして、


世界に色が戻り始める。






ハクガイ「いくぞてめぇら!!」



「おぉ!!」




5人が走り出した!!





「5人が」走り出したのだ。




穂乃果「えぇ!?もう!?砥石使い始めたのに!!」


マキ「なにしてんのぉ!?!?」



ハクガイ「穂乃果に構うな!!

こっちにゃ時間がねぇんだよ!!」



穂乃果を除いたメンバーはティガレックスに注意を注ぎ直した。





海未マキ「はぁぁ!!」



ビュンビュン!!



海未、マキの矢がティガレックスの外表に負荷を与える!!



ハクガイ「おらっ!!鳴きやがれってんだよっ!!」



ブンッ!!グシャッ!!



ハクガイの大剣が火を噴きティガレックスの脳天にダメージを与える!!



カズ「……………閃…。」




ッ!!ズシャッ!!



カズの居合がティガレックスを切り裂く!!



凛「凛の鬼神乱舞を食らうにゃ!!」


ズバババババ!!



凛の場合はチート乱舞だが、

その乱舞がティガレックスを襲う!





キンッ!!キンッ!!キンッ!!


穂乃果の刀の切れ味が上がる!!




皆の攻撃がティガレックスの命を削り落としていく!!


穂乃果の剣の切れ味はドンドン上がる!!







ティガレックスは風前の灯火だった。


しかし、落とし穴から脱出したティガレックスがまたブチ切れたのだ。





轟ッ!!!






倒し切れると思ったメンバーは皆距離を詰めていたのだろう。

ティガレックスの咆哮をモロに受けてしまった。




海未「つぅ!?」


凛「にゃ!?」




先程の凛のピンチの時とは明らかに違う敵の戦意を削ぐために特化した咆哮がメンバーを吹き飛ばす。



生き物は100%の力を出しきれないという言葉をご存知だろうか?



その生き物の身体が負荷に耐えれず壊れてしまうからだ。


しかしピンチの時の場合のみリミッターが外れ、100%に近い力を出せると言われている。


火事場の力というものだ。



ティガレックスで言えばそれが今であった。



咆哮は地を駆け、空を切り、岩を砕く。



ハンター五人は咆哮により身体が痺れ動けなくなった。




ハクガイ「身体が…っ!」


カズ「動かん…っ…」



今が好機と捉えたティガレックスは危険分子を取り除こうと動き出す。



動けない相手に急ぐ理由はない。


そう語るようにティガレックスはゆっくりと標的に向かっていった。


「絶対強者」の余裕であろう。








しかしその油断が命取りだった。


一人忘れていたのが命取りだった。







穂乃果「たぁぁぁぁぁ!!!!」



ブンッ!!



ギィヤァァァァァァァァァァァ!?





視覚外から距離を詰めた穂乃果がティガレックスの眼球を切りつける!



トッキントッキンに研いだバーンエッジは切れ味最高の状態だった!!






穂乃果「くらぇぇぇぇぇぇっ!!」


ティガレックスの動揺を逃さず穂乃果は斬撃をぶつけ続ける。




穂乃果の斬撃がティガレックスを

斬る。斬る。斬る。斬る………







その時間は数秒で済むあっけないものだったのかもしれない。


数分に及ぶ激闘だったのかもしれない。


数時間に及ぶ熾烈な戦いだったのかもしれない。


穂乃果は無我夢中に攻撃を加えた。


他のメンバーは祈るように穂乃果を見ていた。











吹雪は止み始めていた。



_______________________


〜雪山中腹〜








絶対強者は地に伏せ、

六人のハンターが地に立っていた。



ハクガイ「終わったな。」


マキ「下位のティガレックス、とは言えないわね。腹を空かせてたんだし上位並みのティガレックスかもね。」


海未「一時はどうなるかと思いました…」


凛「これ、死んだふりー、じゃないよね?」



ティガレックスはもちろん動かなかった。


こうしてティガレックスは倒されたのだった。


穂乃果という異世界人の活躍によって。


穂乃果の砥石は原型を留めていないほど磨り減っていた。

なぜそこまで研磨したのか?

何がそこまで研磨させたのか?


穂乃果は覚えていなかった。

外力のせい?なんとなく?


とにかく穂乃果は咆哮を避け、皆を助けることができたのだ。


吹雪は去り、暖かい日差しが雪山を照らしていた。




_______________________


〜雪山ベースキャンプ〜




ホープ「雲が流れていっとるね。晴れ間も差してきとるし。」


ゲンナイ「あぁ、そうだな。」


悪い予感が消えた自身の心と、

だんだんと見えてくる青空に

ゲンナイは満足した。


奴らは無事だろう。と。




_______________________




結局行商団がユクモ村を出たのはその三週間後であった。



ティガレックス戦で疲弊した穂乃果達は村に帰還。


クエストボードにギアノス討伐のクエストを貼り付けると泥の様に三日三晩眠ったとか。


穂乃果達がティガレックスを倒したことは高く評価されハンターズギルドからお礼のとしていくつかの物が届いた。


雪山は実態調査としてギルド本部から手練れのハンターが送られ。

三週間完全封鎖という処置を受けた。



というのが事の顛末である。




そしてティガレックス戦から四週間後行商団はポッケ村に無事到着したのだった。




_______________________



〜ポッケ村〜


ゲンナイ「今回は本当に助かった!!」


ゲンナイは上機嫌である。


ゲンナイ「上位レベルのティガレはうちのメンバーだけじゃ倒せなかったわ!!」



穂乃果「そんなことないですよぉ〜」

穂乃果は満更でもない様子だ。


確かに功績は凄まじいものだったが。




ゲンナイ「ウォッホン」


ゲンナイは一つ咳払いをすると改まり。


ゲンナイ「今回は不測の事態に置いて見事にティガレックスを倒してくれた。」




たっぷり間を取ると嬉しそうに言った、



ゲンナイ「よって穂乃果達には報酬金と俺の店の商品の割引券、そして今着てる装備をやろう!!」


ゲンナイ「ダァッハッハッハッハッ!!」


ハクガイによく似た笑い方である。


ハクガイ、マキ、カズは笑顔で頷いている。


どうやら四人で話し合った結果らしい。



海未「装備を貰い受けるなんてできません!!!売り物じゃないですか!!」



ゲンナイ「違うわ!これは俺の所有物だ!!俺がやるっつってんだからありがたく受け取れぇい!!」


穂乃果と凛は土下座すると、


ほのりん「ありがたく受け取らせていただきます(にゃ)!!」



水戸黄門の紋所に跪く町人のようだ。



海未「二人とも!!」



ゲンナイ「海未は謙遜しすぎだよ。これは老人の優しさだ、黙って受け取ってくれ。」



ゲンナイが突如しんみりと話し出したので海未は仕方なく了承した。





ハクガイ「ところでお前たちはこれからどうするんだ?」


ハクガイが突如切り出した。


穂乃果達の目的といえば、絵里との合流が一番である。



穂乃果「特に決めていないけど…人の集まるところに行きたいです。」


それはもちろん絵里の捜索のためである。


ハクガイ「なら王都ミストルに行くといい。あそこは主要都市の中心に位置するから人がよく集まるぞ。」


海未「ではそちらに向かうことにします。」


その後少し話すと穂乃果達の出発する頃合いになった。



凛「短い時間だったけどありがとにゃ〜。」


マキ「お礼を言うのは私たちよ。本当にありがとね。」


手を握り会うメンバーの後ろから一人のふくよかな女性が出てきた。



ホープ「私からもお礼を言わせてや、ありがとね。」



穂乃果「え?」

海未「希!?」

凛「そっくりにゃ…」



フードを取った彼女は希にそっくりだったのだ。違う点といえば長い髪をポニーテールにしていることと、先端の尖った不思議な形の耳位だろう。



ホープ「お礼に穂乃果ちゃんたちの未来を占ってあげよう。」


えっへん。と胸を張ると。カードを取り出した。



カードをじーっと見つめ一呼吸。




ホープ「うん!きっとこの先いいことがあるよ!!」


ゲンナイ「こいつの占いは百発百中だ!信用してくれていいぜ!」


穂乃果「はい!よく知ってます!」


ゲンナイ「よく知ってます?お前ら初対面だろ?」


穂乃果「こっちの話ですよ!!」




ホープの占いを受け取り、穂乃果達はドンドルマに向かうのだった。


はたして絵里と再会はできるのだろうか?


この先の穂乃果達に乞うご期待である。







_______________________




穂乃果達がティガレックスを討伐した直後の話である。



〜王都ミストル王城深部〜


暗闇に浮かぶ魔法陣の真ん中。

穂乃果達を映す水晶を見据え、その人物は安堵の息を漏らした。


カイル「よぉ、落葉の魔術師さん?」


カイルがその人物に向かって言葉を投げる。


帰ってくるのは沈黙。


カイル「未来予知能力は今も健全かい?若いのにご苦労なこった。」


落葉の魔術師と呼ばれた者は沈黙を貫き通した。


男性なのか?女性なのか?


全てが謎のその者は何も返さなかった。


カイル「俺はちょっと前にある人物を保護し、ユクモ村に届けた。

その少し後に他の人物も保護しドンドルマに届けた。」


カイル「共通点は見たことない服を着ていた。だな。」


落葉の魔術師は明らかに動揺した。


カイル「今度は何したんだ?今のお前には何が見えている?」


しかし落葉の魔術師は口を開かない。


カイル「異世界人を連れ込んだ事くらい俺でもわかるわ。ギルド本部から直で命令だ、[何が]見えている。」


落葉の魔術師は観念したように口を開いた。


魔術師「災厄が訪れる…」


カイル「あん?なんだって?」


魔術師「黒龍伝説は伝説では無くなる。もうすぐあのモンスターが復活する。」


カイル「黒龍伝説なんて噂話だろ?ここ数千年出てねぇって噂じゃねえか。」


すると落葉の魔術師は息を吸うと一息で言葉を紡いだ、


魔術師

「数多の飛竜を駆逐せし時

伝説は蘇らん

数多の肉を裂き

骨を砕き

血を吸ったとき

彼の者は現れん

土を焼くもの

黒鉄を溶かすもの

水を煮たすもの

風を起こすもの

木を薙ぐもの

火を生み出すもの

その者の名は………………

その者の名は宿命の戦い

その者の名は避けられない死

喉あらば叫べ

耳あらば聞け

心あらば折れ

………………

天と地とを覆い尽くす

彼の者の名を

天と地とを覆い尽くす

彼の者の名を

彼の者の名を」


肝心のモンスターの名前がうまく聞き取れない。

現在使われている言葉と違うのだろうか?

古代の言葉なのか?それもまた不明だ。



王都ミストル最深部の出来事だった。




To be continue?






後書き

Twitterやってます→@Magulo_ss

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