2016-05-11 19:30:28 更新

概要

【メタルギア×艦これ】のSSです。

【メタルギア×艦これ】ありえないかも知れない一つの物語

【メタルギア×艦これ】天国の外側

【メタルギア×艦これ】グラウンド・ゼロズ

の続きとなります。それらをお読み頂いてからこちらをお読み頂くと、よりこの作品を楽しめます。


前書き

艦隊これくしょん〜艦これ〜 と メタルギアソリッドのクロスオーバーです。
一応R-15(原作:PW基準)
PWからTPPをクロスオーバーでIFストーリー

地の文がふくまれる場合があります

キャラ崩壊があるかもしれません
ん。

オリジナル設定多々あり。

作者は携帯投稿が主流です。

文がおかしくなる事があります。

※重要 この作品は、『艦隊これくしょんー艦これー』と『メタルギアソリッドシリーズ』の二次創作です。実際の出来事、団体や組織、地名には一切関係ありません。


※最重要


このSSは、メタルギアサーガがら大きく外れたものになります。つまり、このSSからMG、もしくはMGS1に繋がることはありません。

以上が許せる方のみ、地獄から蘇った英雄(死者)の報復をご覧ください。







ダイヤモンド・ドッグズ所属艦娘




戦艦

長門、陸奥

2隻




軽巡洋艦

大井

1隻



駆逐艦


叢雲、吹雪、睦月、夕立、島風、雪風


6隻



工作艦


明石


1隻



給糧艦

間宮

1隻



練習巡洋艦


香取


1隻



以上12隻





















ーーばくだんはーー







ーーもう一つ、あるーー








ーー止せぇ!!!!!!ーー












ーーエンジン、大破!! 駄目です、墜落します!!!!ーー




ーー全員、衝撃に備えろ!!!ーー
















ーーボス……、ボス!!ーー






ーーボスゥゥゥゥゥ!!!!!!ーー






〜〜〜







一体、何度この情景を見なくてはいけないのだろう。


多くの仲間が死んで、たった1人の命も救えず、さらに多くの命が燃え尽き、海に呑まれた。


何度も何度も、悲劇のプレイバックを永遠と見せつけられる。これで何度めだろうか。それすらもわからない。いや、分からないのではなく、数えることを諦めたのだ。最後に数えたのは100か? 200か?


また同じ情景か……。いや、今回は違うようだ。ヘリから見た情景でなく、ベッドの上で寝ているのだろうか?









ピッ、ピッ、ピッ……………







ーーここは?ーー








ーー病院か。ってことはあれはナースだなーー







ーーあぁ、そうか……。あの時ーー






ーー駄目だな……。何もかもが曖昧だーー








ーー意識も追いつかないーー







ーーともかく、あのナースには………ーー





スネークは如何にかしてナースに今の自分を知らせようとする。だが、身体も動かない。そこで、声を出そうとするが………。




「………、…………」




出てくるのは言葉ではなく、呻き声とも取れる音だ。身体だけでなく、声帯までもが使い物にならないとは……。








スネーク「………! ……!!」


ナース「えっ?」


スネーク「! ………!!」


ナース「っ! 先生、 先生!! 患者さんが!!」


ナース「いま、先生を呼んできますので、お待ちください!!」






どうやら気づいたようだ。





ーーはぁ……。身体も動かないかーー





ーー少し、意識を手放すか………ーー








ーーあぁ……眠くなってきたなーー





















プルルルル プルルルル







ガチャッ






















ーーVが目覚めたーー































……V has coV has coV has comV has come toe tome toV has come toV has coV has cV has come toome tome toV has comV has come toe tome to………


































ーーV has come toーー





































???「…こ………か?」









???「き………す…?」










第1章 覚醒






第1話 英雄の覚醒







覚醒から3日





ーー今度は誰だ?ーー




朦朧とした意識の中で、何かを伝えようとする声が聞こえる。男の声だ




???「聞こえますか?」





意識が追い付いたようだ。今度は、はっきりと言葉が聞こえた。




ーー医者か?ーー








医者「聞こえていたら、返事をしてください」



スネーク「……! ……!!」




ーーやはり駄目だ、声が出せないーー




医者「声が、上手く出せませんか?」



医者「では、身体は動かせますか? 首だけでも動かせませんか?」




ーーいきなり質問攻めかーー






医者「聞こえていたら、頷いてください」







ーー首なら、まだ動くなーー







コクッ






医者「上を向いてください」





ーーここは、どこなんだ? 見た所、普通の病院の様だがーー




医者「言う、通りに、して、ください」






ーーこっちのことは無視かよ。……まぁ、仕方ないーー



などと思いながら、医者の言葉に従い、上を向く。ベッドの軋む音が、部屋に虚しく響く。







ギシ………






医者「では…………」


医者「……話せそうですか?」





スネーク「……………!」


医者「まだ、出せませんか?」








コクッ







医者「わかりました。あぁ、落ち着いてください。焦ることはありません」


医者「貴方に、お話があります。聞いてください」







コクッ






医者「貴方はずっと、昏睡状態でした。運び出されてから処置は行ったものの、心肺停止から蘇生までに時間がかかってしまい。一命は取り留めましたが……」



スネーク「………!」



医者「えぇ、貴方の聞きたいことはわかっています。どれくらいの長さか?」





医者「およそ、9年です」







ーー9年………か…。






医者「落ち着いてください。焦る気持ちも、落ち込む気持ちもわかります。ですが……」


医者「今の貴方には、現実を受け止めてもらう必要があるのです」


医者「いいですか?」







コクッ









医者「……まだ、声は出せませんか?」







スネーク「……だい……じょう…ぶ…だ」





どうやら少しはマシになったな。と、スネークは安堵する。




医者「……少し、身体を休めましょう。今は身体を、意識通り操れる様にすることを考えてください」


医者「身体が硬直してしまい、上手く動かせないかもしれませんが、少しづつ治っていきます。今は落ち着いて、ゆっくり身体と精神を休めてください」




スネーク「あぁ…………」










ーー9年………。










何か………、忘れている様な……







いや、いまは…………








休んで……、おく、かーー















覚醒から7日







《…………という供述をしており、日本海軍大本営は、『我々の預かり知らぬところで行われたものであり、責任は我々でなく、当事者が負うべきだ』との発言を残しています》



《続いで、次のニュースです。今日の午前2時、横須賀の………》






ラジオからの爽やかな男の声で、彼は目を覚ました。また、眠っていたようだと、少しうんざりする。思い通りにならないこの身体が、本当に自分の物なのだろうか? そんなことを思いながら……。





ナース「気分はどうですか?」




今回は気付いてくれたようだ。返事だけでもしておこう。




スネーク「あぁ…………」




よかった。声は出るようになった。後はこの身体だ。動くようになれば……。




《……以上、ニュースでした。》





それと同時に、医者が入ってくる。



医者「貴方の覚醒から、1週間が経ちました。少し、身体を起こしてみましょう。ナース」


ナース「はい」





ーー随分と、寝ていたんだなーー






ギシ………




医者「大丈夫。筋力は衰えていますが、昏睡中に筋肉運動等の処置を行っていたので、リハビリは必要ですが、じきに動かせる様になります」


スネーク「そうか……」


医者「ええ。ではこれから、貴方の状況を説明します。落ち着いて聞いてください」


医者「貴方は9年前に、爆発で重症を負いました。救出された時、貴方の身体には多くの破片が刺さった状態でした。摘出はしましたが、一部は残っています」


医者「こちらのレントゲンを見てください。脳に、金属片が刺さっています。無理に引き抜くと、脳内出血の恐れがありますので、そのままで」


医者「金属片は、比較的小さなものなので、顔の表面には出てきていませんが、何らかの衝撃が加わると視神経を圧迫し、幻視するなどの様々な症状が出るかもしれません」


スネーク「…………」


医者「それと、もう一つ。こちらも深刻ですが………、爆発の衝撃で、何処かに頭をぶつけたのでしょうか、軽い脳震盪を起こしていました。それと、心肺停止から蘇生までに時間がかかった為に、一部の脳細胞が破壊されてしまった恐れがあります」


医者「もしこの2つが関係性を持つ事があれば、貴方は軽度の『記憶喪失』を起こすかも知れません」


スネーク「記憶………喪失?」


医者「正確に言えば『記憶破壊』の方がしっくりきますかね。何処かしらの記憶が薄れている、或いは無くなるということです」


医者「『特定の誰か』か、『貴方の中にある、どこかの時間』か、と言うことです。10年前か? 20年前か? それは貴方自身の記憶ですので、医者からなんとも言えません」


医者「今の状態を診て、生命維持に必要な行動までは忘れていなさそうですので、生活に支障が出ることはないでしょう」


医者「いいですか? 貴方の記憶破壊は、あくまで予測であり、我々医者が考える最悪の状態です。運が良ければ、脳細胞が死滅していなければ、貴方は今までの記憶を残しているはずです」


医者「今の医療技術では、そこまでの事はわからないので、私からは何とも言えないのです。ご承知ください」



スネーク「あぁ………、わかった……」


医者「では、今日はもう休みましょう。身体を寝かせます。そのままゆっくりと。………そうです。」




医者「……休んで下さいね」










ーー記憶……か。






多分、覚えているはずだが……。







………いや、止めておこうーー






覚醒から12日後




近くから忙しない足音が聞こえる。しかし、9年間眠っていたのによくもまぁ寝れるなと、思いながら目を覚ます。




ナース「患者の体力を見ても、やはりまだ無理です!」


医者「いや、彼の覚醒が外に漏れてしまった! 一体どうして……!」


ナース「しかし!」


医者「いいから、急いでくれ! 」


ナース「………わかりました」


医者「お目覚めになりましたか」


スネーク「あぁ」


医者「今の話も?」


スネーク「少しはな」


医者「そう、貴方の覚醒を望まない者もいます。死んだはずの貴方が、生きていると知られれば、間違いなく世界中から襲われます」


スネーク「………」


医者「今から、少しでも身体を動かせるようにする為、リハビリを行います。ひとまず、強心剤を打たせて頂きます。いいですね?」


スネーク「あぁ……」


医者「今の貴方の身体には、負担が掛かるかも知れませんが、貴方には、この広い世界にてやるべき事があります」


医者「よって、貴方を狙う者から、貴方自身を守る為に、今後は『エイハブ』と名乗り、過去を捨ててください」


スネーク「エイハブ? あの『白鯨』の?」


医者「自分の身を守るものです。どうか……」


スネーク「……わかった」


医者「この写真は過去の物。そう、ここに写っている貴方は、貴方ではありません。名前も過去も、すべて忘れるのです」


医者「写真に写っている貴方は、明日にはファントムに成り………」




どうしたんだ?



医者の言葉が途切れたと同時に、俺が寝ているベッドを、医者が蹴りあげようとする。



医者「ぐっ…………うぐっ………ごっ……あっ…………!!!!」グググッ…………


スネーク「っ!」



医者「おごっ…………あがっ………ぐうっ…………あっ……がっ……!!!!」ガンッ




スネーク「ぐっ………!」ガシャン




よく見ると、何者かに首を絞められているようだ。紐か何かだろう。医者が俺を隠すためにベッドから突き落とすつもりだったのだろうか? 今となってはわからない。




医者「あ゙がっ゙………あ゙っ゙、あっ゙、………がっ゙……がぁっ………ぁあ…………」





声が段々と弱々しくなり、医者は膝から崩れ落ちる。そして医者の死体近くから、足音が聞こえる。






スタ、スタ、スタ……




ようやく姿を見る事ができた。女だ。恐らく、この女が医者を殺したのだろう。女は俺がいたベッドから少し離れ、耳に手を当てる。無線での通話だろう。しかし……





ーー誰だ? この女ーー




少なくとも、俺の知っている女ではない。



謎の女「まだよ。……隣の患者に顔を見られたわ。……了解、わかったわ」




謎の女「…………」 スタ、スタ、スタ……




女はナイフを手に持ち、俺の方へと近づく。間違いない。俺を殺す気だ。




ーーまずい! どうにか……ーー




ーーくそっ! 身体が動かんーー



諦めかけたその時、男ーー恐らく隣にいた男ーーが、女の動きを止めようとしがみつく




謎の男「こいつ!」ガシッ



謎の女「邪魔を……しないで!」



しかし女は、しがみついた男を振り解き、俺のすぐ隣に吹き飛ばされる。



謎の男「ぐあっ!」ガシャン



あの女に投げ飛ばされた男は、医者達が俺の治療に使っていたであろう薬品などが入ったワゴンに当たる。




謎の男「っ……くそっ!」



そして男は、ワゴンから床に落ちた点滴のパック、それを置いておく盆、薬品の箱、見境なく目に入った物を女に投げつける。



カンッ



カシャン



カンッ



パリンッ



謎の女「少し、大人しくして」



しかしその抵抗も虚しく、女は手に持ったナイフを男を目掛けて投げる。


謎の男「ぐうっ……!」ドスッ




どうやら肩に当たったようだ。男はうずくまり、呻き声を上げる。


そして、邪魔をする者を片付けたと言わんばかりの足取りで、女は俺の方へと歩み………





謎の女「あなたは、死んで貰うわ」




俺の首へ手を回す。





スネーク「ぐっ………あがっ………がっ………!!!」グググッ…………






ーーやはり、俺が狙いか。くそっ、息が………っ!!ーー



自身で抵抗しようと試みるが、先程まで動かなかった身体である。何もできない。




スネーク「ぐぅ…………ぁ……あっ………ぁあ……………」






そうして、俺の意識は朦朧としていく。そんな意識の中で、鼻唄が聞こえる。



スネークは幻聴かと疑う。なぜならその唄はこの世のものとは思えないほどの美しい声で唄われていたからだ。そこで何故か、スネークはある疑問を持った。




ーー俺は1度、こいつに会った事がある?ーー





そう思いながら意識が途切れようとした、その時ーー







ドスッ








謎の女「っ!!!」




女は首を絞める力を弱め、俺を床に投げ捨てた。九死に一生とはこの事だ。まだ視界は霞んで見えるが、それでも女の顔が歪んでいるのは見て取れる。




スネーク「ぐあっ!」ドサッ




視界が少しづつ戻っていくと同時に、肺が大きく空気を取り入れる。助かった、そう思ったのも束の間の出来事。そして次の瞬間………。




チンッ




ヒュンッ




謎の女「いやぁ!!!! あぁぁぁぉぁぁああ!!!」



女が悲鳴をあげる。視界が戻って行き、女の方を見ると、身体中が燃えている。だが、あの燃え方は尋常じゃない。恐らく、発火性の強い何かを用いて火をつけたのだろう。


女はどうにかして火を消そうと、床に転がり揉み消そうとしていた。火が弱まった所で、俺たちに近づこうと立ち上がった瞬間、隣の男は女に向かって何かを投げる。




ヒュンッ






パリンッ





謎の女「キャアアアアァァァァァァァ!!!!! あぁ!! ! ぁああっ!!! 」



ーーなっ!?ーー




火の勢いが更に強くなる。天井を焼く程の高さまで燃え上がる。そして……。




謎の女「あぁ!! うわぁぁ!!! ぁあああ!!! あああああああ!!!!!! 」




謎の女「キャアアアァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」ガシャンッ




………全てが一瞬の事で、スネークが呆気にとられていると、男の方から近づいてきた。







謎の男「大丈夫か?」






頭の整理が追いつかず、自分を助けた男に聞いてみる。






スネーク「あの女はどうした………?」


謎の男「女? あぁ、炎を背負ってそこの窓から落ちたよ。俺は9年間、お前を見守っていた。そうだな……、『イシュメイル』と呼んでくれ」


スネーク「『エイハブ』ときて『イシュメイル』。俺は相当『白鯨』に好かれたらしいな……」


イシュメイル「ははっ。ともかく、ここから逃げよう。世界中があんたを狙ってる。ここに居ても、いずれ殺されるだけだ」


スネーク「俺を助けてくれるのか?」


イシュメイル「ある連中に頼まれたんだ。あんたに万が一があったら助けてやって欲しいとな。奴らが待っているのはあんただ。俺じゃない」


スネーク「どういう意味だ?」


イシュメイル「……いや、気にするな。ともかく、早くここから出よう。まだ歩けないかもしれないが、大丈夫だ。俺がカバーする」


スネーク「頼めるか?」


イシュメイル「あぁ。任せてくれ!」







第1話 英雄の覚醒 完











第2話 英雄の姿




イシュメイル「エイハブ、歩けるか?」


スネーク「ちょっと待ってくれ………」






ガシャンッ





スネーク「くそっ……」


イシュメイル「まだ無理か……仕方ない、エレベーターで行こう」


スネーク「待て、エレベーターは止められたら終わりだ。階段で行こう」


イシュメイル「大丈夫か?」


スネーク「あぁ。そこまで柔じゃない」


イシュメイル「………わかった。何かあったら俺に言ってくれ」


スネーク「すまん」


イシュメイル「気にするな。さぁ、行くぞ」



「………!」


「…! ……!!」



スネーク「誰の声だ?」


イシュメイル「少し待っててくれ」




ナース「大丈夫ですよ。落ち着いて………」


患者「何が起きてんだよ………」



イシュメイル「ナースと患者だな。念のためにここで待機しよう。嫌な予感がする」





2人は病室の壁に張り付き、廊下の様子を見守る。






ナース「患者さん、助けが来ましたよ! ほら!」



ナースが指をさした先には、一機のヘリが飛んでいた。



患者「お、おおい! こっちだ!!」


ナース「早く! 患者がここにいるわ!!」



2人はヘリに自分達の存在を報せようと手を大きく振る。ヘリはこちらに気付いたのか、機体を近づけてくる。だが、ヘリは正面をこちらに向け、2人に機銃を放つ。イシュメイルとスネークは、ヘリに悟られないように姿を隠す。


聞こえるのは患者とナースの悲鳴と、機銃による爆音だった。見境なしかと、スネークは顔をしかめる。機銃の音は止み、スネークとイシュメイルはそちらを確認する。そこにあったのはナースと患者の死体、ガラス片、大量の銃痕と、凄惨な出来事を確信させる生々しい現場となっていた。





イシュメイル「エイハブ、どうする?」


スネーク「少しなら歩けそうだ。ヘリに見つからないように身を低くして進もう」


イシュメイル「わかった。そうしよう」





2人は、ヘリに見つからないように身を低くして廊下を渡る。9年眠っていたとはいえ、伝説の英雄。その動きは未だ衰えていない。そしてイシュメイルの動きは、とても素人とは思えない動きだ。






イシュメイル「エイハブ、こっちだ」


スネーク「どうした?」


イシュメイル「銃を持った奴がいる。多分、俺たちを狙ってるんだろう」


スネーク「数は?」


イシュメイル「確認できるだけでも…………2人だ」


スネーク「少し、様子を見よう」


イシュメイル「何をする気だ?」


スネーク「奴らから銃を奪っておこうと思ってな」


イシュメイル「大丈夫なのか?」


スネーク「まだまだ鈍ってないさ」


イシュメイル「………わかった」







ーーあんたが英雄として生き続けるならーー








ーー俺はあんたを守り続けるーー







スネーク「何か言ったか?」


イシュメイル「い、いや! それで、どうだ?」


スネーク「あぁ、やはり2人だけのようだな」


イシュメイル「そうか、なら奪ってやるか?」


スネーク「勿論だ」





〜〜〜







イシュメイル「ふぅ、大したことは無かったな」


スネーク「そっちはどうだ?」


イシュメイル「サプレッサー装着のハンドガンだ。そっちは?」


スネーク「こっちも同じだ。これで少しはマシになるだろ」


イシュメイル「さぁ、早くここから出よう」







2人は病院を哨戒する兵士の視界を避けて進み、襲撃を受けてから約1時間で、病院のエントランスに辿り着いた。そこにたどり着くまでに、多くの死体を目にしてきた。恐らくここの人間の殆どが殺されたのだろう。中には息のある者もおり、スネークは助けようとしたがーー




「あんたの命が最優先だ」




とイシュメイルに釘を刺された。一体この男は何者なのだろう。その疑問は解けることはなかった。なぜならーー




イシュメイル「エイハブ、敵が多すぎる。俺が囮になろう。その間にあんたはここから逃げてくれ」




気がつくと病院のエントランスに着いていた。階段の下には兵士が6人ほど確認できる。





スネーク「止めろ、危険だ! 死ぬぞ!」


イシュメイル「………心配するな」





イシュメイルはそう言い残し、ハンドガンに装着していたサプレッサーを取り外し、敵部隊の真ん中に投げる。サプレッサーの落下音に気を取られていた兵士を、イシュメイル撃ち殺し、このエントランスから外へと敵をおびき寄せようとする。彼を見つけた敵はまんまとおびき出され、障害を排除しようとその場を離れる。


彼の行動を無駄にはしないと自分に言い聞かせ、スネークは病院を後にする。刹那ーー








ヲ…ヲヲ……ヲヲヲ!!!!






と、不気味な雄叫びが耳を劈く。これは明らかにヒトの物ではない。スネークはそう確信し、辺りを見渡すと、複数の黒い物体が空を飛んでおり、それがこちらに近づいている事が確認できた。




スネーク「何だ………あれは」






それは飛行機でもヘリでもなく、ヒトの知恵で編み出した物ではない。人々を恐怖に貶める存在。爬虫類や鳥の頭様な造形をしたそれは、スネークを見つけるや否や、チェインガンでスネークを蜂の巣にしようとする。





スネーク「危なっ!!」





間一髪のところで、スネークは病院の中に戻り、身を隠す。こちらに近づいて来た謎の物体。それは深海棲艦が用いる艦載機だった。スネークを仕留め損ねて引き返すと思えたが、艦載機はそのままこちらに向かってくる。


何をしでかすのかと不安に思っていると、艦載機はスピードを上げ、病院の外壁に衝突していった。その度に爆発が起き、建物が揺れる。




スネーク「特攻隊のつもりか……」




あちこちで爆発と火災が起こる。ここから逃げるにも敵艦載機が哨戒している中を歩いて行くのは自殺行為だ。諦めかけたその時ーー




イシュメイル「エイハブ! 乗れ!!」




イシュメイルが車を持ってきたのだ。これならば逃げられる。スネークは車に乗り、イシュメイルと共に病院を後にする。


案の定、病院周辺は大パニックとなっていた。多くの緊急車両が病院に向かう中を、スネークの車は逆走していくのだ。右、左、右と蛇行しながら車両間を通り抜ける。


細い道に入った所で、背後から銃撃を受けた。さっきの艦載機だ。追いついたのだ。イシュメイルはハンドルを小刻みに操り、攻撃をすり抜ける。すると艦載機はヤケになったのか銃撃を止め、スピードを上げてこちらに近づく。スネークは勘付いた。



スネーク「イシュメイル! 気をつけろ、突っ込んでくるぞ!!」


イシュメイル「奴ら……終いには見境なしかよ!」




スネークの言葉通り、艦載機はこちらを仕留めようと特攻を始める。イシュメイルはアクセルを思い切り踏み込み、特攻を回避しようと試みる。1つ、2つと爆発していくが、3つ目の艦載機が車の前方で爆発する。


車は艦載機の爆風で制御を奪われ、道路を大きく外れる。イシュメイルは気絶してしまったらしく、ハンドルに倒れ込み、クラクションが鳴り続けている。スネークは助手席からイシュメイルをシートに寄り掛からせ、ハンドルを握るが、その甲斐も虚しく、前方に張られていたバリケードに突撃してしまう。


車は宙を舞い、ルーフが地面と接する形となった。スネークの意識はそこで途絶えてしまった。







第2話 英雄の姿 完














第3話 英雄の相棒(パートナー) 前編







どれ程時間が経ったのだろうか、スネークは目を覚ました。意識が朦朧とする。段々と視界がはっきりとして来たところで、スネークはある事に気がつく。




スネーク「イシュメイル? どこに行ったんだ?」




自分の命を救ってくれた男の姿がないのである。夢か? そんな筈はない。現に夢であれば自分は病院のベッドにいる筈だ。そんな事を考えていると……。




???「ボス! ご無事ですか?」



後ろから男の声が聞こえた。イシュメイルか? と振り向くと、長く白い髪にウェスタン風の格好をした男が、乗っていた馬から降り、こちらに近づく。確かこいつは……




オセロット「ジョン、無事か?」


スネーク「オセロットか!」


オセロット「えぇ。貴方のいた病院が襲われたと聞いて駆けつけたのですが、病院は半壊状態。辺りを捜索していました。ご無事で何よりです」


スネーク「オセロット、お前ここに来るまでに、顔を包帯で覆った男を見なかったか?」


オセロット「いえ、見ていませんが……」


スネーク「そうか……」






ヲヲヲヲヲヲ!!!!






オセロット「ボス、まずはここを離れましょう! さぁ、後ろに。私が馬を牽きます」


スネーク「あぁ! 頼むぞ」







〜〜〜





数10分後





スネーク「雨か……」


オセロット「雨が降れば、奴らは近づけません。ご安心を」


スネーク「オセロット。色々と聞きたいことがあるんだが……」


オセロット「どうぞ。答えられることなら幾らでもお答えします」


スネーク「何故お前はあの場所に居たんだ?」


オセロット「ある連中から依頼を受けました。正確には、カズヒラ・ミラーと艦娘からですが、貴方を守って欲しいと。貴方が昏睡中も頻繁に出入りして居たのですが、今日に限ってやられるとは……」


スネーク「じゃあもう一つ。俺は、何をすればいい?」


オセロット「まずは、ミラーを救出します。覚えていますか? 彼のことを」


スネーク「あぁ。9年前のことは覚えてる。大丈夫だ」


オセロット「ミラーは、貴方より覚醒が少し早かった。彼はゲリラとして活動していたが、今はアフガニスタンで囚われています」


スネーク「アフガニスタン?」


オセロット「あぁ、昏睡していたんでしたね……。今から4年前に、ソ連がアフガニスタンへ侵攻。それに対してイスラム教徒が抵抗し、西側がそちらに肩入れしている状態です。ミラーは反政府ゲリラの教官として活動している所をソ連側に捕らえられました」


オセロット「ともかく、今はミラー救出を最優先にしてください。貴方にとってミラーは、無くてはならない存在です。貴方はミラーを救い、また貴方の部隊を作り上げる。それが、貴方が生き残る唯一の方法です」


スネーク「……わかった」


オセロット「では、アフガニスタンまでは長旅になります。少し、お休み下さい」


スネーク「……あぁ」







馬を走らせるとこ30分。港に到着する。どうやら船を使うそうだ。なるほど、長旅ってのはそういうことか。








太平洋航行中 船内



スネーク「そういえば、この船はどうやって手に入れた?」


オセロット「日本が所有していた戦艦、『三笠』ですよ」


スネーク「三笠? まだ動くのか!?」


オセロット「9年前のあの日、貴方がいた横須賀の建物が倒壊した中で、唯一残ったのがこの三笠です。あの出来事以降、三笠は度々日本で使用されていましたが、ミラーが日本との交渉で、一時的に租借している状態です」


スネーク「こいつには随分と世話になった。しかし、よく日本は快く受けてくれたな」


オセロット「ミラー曰く、日本は俺たちに助けてもらった恩があるから快諾してくれた、と言っていましたが?」


スネーク「まったく、器がでかいと言うかなんと言うか……」


オセロット「えぇ。まったく」


スネーク「そういえば、お前さっき『艦娘』と言っていたな。話は聞いているのか?」


オセロット「ええ。日本が未知の存在、深海棲艦と対峙するために作り上げた兵器。かつての大戦で日本が使用していた艦の魂を受け継いで、深海棲艦と戦う存在だと」


スネーク「あぁ、そうだ」


オセロット「実は、貴方が昏睡中に世界情勢だけでなく、深海棲艦との情勢も変わっていったそうで……」


スネーク「どういう事だ?」


オセロット「深海棲艦と人類の戦いは一進一退の攻防を繰り広げていたものの、2年前に人類側が押されてきました。太平洋、主に日本近海で確認されていた深海棲艦が、大西洋、インド洋と世界各国の海洋で確認されました」


オセロット「その結果、艦娘も世界各国へと進出。日本は『海上自衛隊』を『日本海軍』と改名する事を決定。かつての大戦時の様な形態をとっている様です」


スネーク「そうか……」


オセロット「ミラーは反政府ゲリラの教官としてだけでなく、艦娘の指揮、教官を行う『提督』としても活動しているそうです。他に何かありますか?」


スネーク「いや、大丈夫だ」


オセロット「色々と積もる話もありますが、やっと、貴方の元で戦える………。それをどれだけ待ちわびた事か」


スネーク「……これからも、頼むぞ。ジュニア」


オセロット「えぇ、ジョン。お任せを」



第3話 英雄の相棒(パートナー)前編 完

















第4話 英雄の相棒(パートナー) 中編





数日後






アフガニスタン








スネークとオセロットは、ミラーを救出する為に、アフガニスタンへと赴いた。アフガンは広大な砂漠が広がるため、徒歩で進むのは中々ハードだ言うオセロットの言を聞き入れ、馬を使って砂漠を移動する事になった。







オセロット「砂嵐を抜けます。どうですか? お加減は」


スネーク「あぁ。問題ない」


オセロット「ミラーは囚われて約1週間が経っています。体力的に見積もって、長くても3日。それを過ぎれば、ミッションは失敗。9年前の報復も出来なくなります」


スネーク「3日だな? わかった」


オセロット「それと、ミラーにこれを渡して下さい」




そういって渡してきたのはサングラスだ。そう言えばあいつは何時もこれを掛けていたなと、スネークは懐かしむ。






オセロット「貴方はずっと、戦場を駆ける私たち戦士にとっては伝説、憧れの存在だった。ミラーを単独で救出することが、貴方がビッグボスとして返り咲くただ一つの方法です」


スネーク「………あぁ、わかってる」


オセロット「ミラーが率いていたのは精鋭揃いの部隊でした。それが全滅です。敵の戦力には充分警戒を……」


オセロット「まずはミラーの居場所、敵戦力を調べるために情報を集めましょう。この道をまっすぐ進んでください。そうすれば、大規模な敵の拠点が見えてくるはずです。当然、敵は厳重に警戒しているはずです」


スネーク「あぁ。気をつけよう」


オセロット「では、ボス。ご無事で……」


スネーク「任せておけ」





スネークは自分の乗る馬に鞭を入れる。馬は大きく嘶き、坂道を下る。半分を過ぎたところで、後ろからオセロットの声が響く。




オセロット「さぁ行け! 伝説を取り戻して来い!!」









〜〜〜







馬を走らせてからどのくらい経ったのか、突然オセロットが無線をかけてきた。




オセロット「ボス、聞こえますか?」


スネーク「あぁ、どうした?」


オセロット「前方に集落が見えてくる筈です」


スネーク「あぁ、建物が見える。そこだな?」


オセロット「はい。そこは元々、一般人が暮らしていた集落でしたが、ソ連のアフガン侵攻によって、ソ連兵に占拠されている状態です。かなり大きな拠点なので、ミラーに関する情報が得られるかと」


スネーク「わかった。探してみよう」




オセロットの言う通り、そこはかなり大きな集落だった。尤も、住民がいたことなど過去の事だということが伺える。哨戒中の兵士は間違いなくソ連兵だ。スネークは1人の兵士に尋問することにした。




兵士「そ、そこの建物で、様々な情報を管理している。もしかすれば、そこに何かあるかも知れんぞ!」





兵士が示した先には、高い建物がある。ここを司令塔として居るのだろう。スネークはその兵士を気絶させ、他の敵に自分の痕跡がばれないように物陰へと運ぶ。そしてスネークはその建物へと向かうと、情報通り、確かに書類があった。





スネーク「オセロット、カズに関する情報が書かれた書類を見つけたんだが?」


オセロット「さっき渡した端末を、それに翳してください」


スネーク「こうか?」



iDROID《ーーNow Loading…ーー》



iDROID《ーーCheck Completeーー》



iDROID《ーーMission info updatedーー》




オセロット「マップにマーキングが付いたはずです。恐らくそこに、ミラーが囚われているはず。ボス、東へ」


スネーク「わかった」






幾ら馬があるとはいえ、距離はかなりのものだ。目的地まではここから約数十km。すっかり日も暮れてしまった。


目的地の拠点にそびえる建物。ここにミラーが居ると敵兵士から情報を得たスネークは、慎重に建物へと潜入する。二階の一角にある小さな部屋。片手を手錠で繋がれている1人の男がいた。恐らくミラーだろう。スネークは近づく。



スネーク「カズ、俺だ! 助けに来た!」



ミラー「スネーク…………」




スネークは男の顔を持ち上げる。間違いない、カズだ。スネークは手錠を外し、オセロットから渡されたサングラスをミラーに掛けてやる。見た所、相当の拷問を受けたのだろう。体がボロボロだった。


更に驚いたのは、右腕と左脚が無いのである。俺がいない間、迷惑をかけた。などと考えていたスネークだが、それを察したのか、ミラーはゆっくりと口を開く。






ミラー「遅かったじゃないか……」


スネーク「話は後だ。逃げるぞ」



そういって、スネークはミラーを抱える。



オセロット「ボス、ミラーは?」


スネーク「あぁ、無事だ。ヘリをよこしてくれ、回収する」


オセロット「わかりました。マップにランディングゾーンを表示します。ミラーを連れて、離脱してください」






スネークは、ミラーを抱えて拠点を後にする。麻酔弾を装填したハンドガンで敵を無力化していき、指定されたランディングゾーンへと向かう。




ミラー「ボス、俺は……ずっと信じていた。あんたは………必ず戻ってくると」


スネーク「あぁ。待たせたな」


ミラー「ふっ……何年待ったと思ってるんだ………? 」


スネーク「9年だ」


ミラー「……元気そうだな。ブランクがあるとは……思えん」


スネーク「お前は?」


ミラー「俺は……、少し軽くなったな……」




パイロット《こちらピークォード、まもなくランディングゾーンに到着》




スネーク「何だ?この霧……」


ミラー「霧………」


オセロット「こちらからも確認しました。どうやらその周辺に、ガスが充満しているようです!」


パイロット《エイハブ、聞こえるか? こちらピークォード!》


スネーク「どうした?」


パイロット《ガスが急速に増大中。降下できません! 一時離脱します!!》



ミラー「まずい……。奴らが……来る……!!」


スネーク「奴ら?」





霧ーースモッグと言うべきかーーの先に、影が見える。だがそれは、ゆらゆらと左右にふらつかせている。まるで、ホラー映画に出てくるゾンビの様な動きだ。


近づいてきたところで、それが人でないことがわかった。とても奇妙な生き物だ。鯨の頭の様な、魚雷の様な形をしたものに、2つの足が生えている。



スネーク「待て、こいつは……!」



ミラー「深海棲艦………」



スネーク「馬鹿な! 奴らは……!! 」




奴らは深海、ひいては海上でしか活動しなかった筈だ。そう言いかけたのも束の間で、深海棲艦ーー駆逐イ級の様なものーーは口を大きく開く。砲塔の様なものが見え、そこから砲弾をこちらに向けて放つ。威嚇射撃のつもりだったのか、弾はスネークとミラーから大きく外れたところに着弾した。





オセロット「まずい! 逃げろ!!」




言われるまでもなく、スネークは自分が乗っていた馬の背にミラーを乗せて自分も馬に乗り、逃げようとする。


だが奴らは追いかけてくる。二本の脚で駆けてくるそれらは、遠巻きに見ればダチョウの様にも見えなくもない。尤も姿が不気味なので恐ろしいことこの上ないが。スネークは持っていたライフルを深海棲艦へと向けて発砲するが、全くダメージを与えられていないと解り、とにかく逃げることを第一に考えた。


暫く馬を走らせると、次第にスモッグは晴れていく。追っ手もなくなったようだ。近くにヘリを送ると言うオセロットの通信を受け、2人はそこに向かう。




ミラー「あんたに、見せたいものがあるんだ……」


スネーク「見せたいもの?」


ミラー「俺たちから……、全てを奪った連中に報復する。その第一歩となる場所だ………」


パイロット《こちらピークォード。ランディングゾーンに到着!》


オセロット「ミラーをヘリに乗せてくれ!」





Mission info updated




Mission Complete










ヘリ機内





ミラー「ボス……、あの時何が起きたか覚えているか………?」


スネーク「あぁ。多くの仲間が死んだ………」


ミラー「それだけじゃない。……横須賀周辺海域の警備に当たらせた彼女たちも……殆ど行方が知れない」


スネーク「なぁ、詳しく話してくれないか? あの時のことを……」



ミラー「………あの時、武器庫、工廠、あらゆる所で爆発が起きた……。事態を把握しようにも、命令系統が混乱して情報が何も入ってこなかった。何人かの兵士は俺を逃がそうと護ってくれたが………」


スネーク「彼女達は?」


ミラー「サイファーの連中は……、深海棲艦をも手中に収めたらしい。横須賀襲撃と同時に深海棲艦が大艦隊を率いて横須賀近海に展開………。彼女達はそちらにしか手が回らず、その後の安否は不明………。唯一確認できたのは、叢雲と大井。明石と間宮の4人だけだ……。今は俺たちの下にいる」


スネーク「そうか………」


ミラー「俺は……、もう一度やり直す。かつての様にあんたと部隊を作って、奪われた全てを取り返す。その為に俺は9年間……、サイファーの監視から逃れて『戦争の犬』になった。金になることなら何だってやった。………『ダイヤモンド・ドッグズ』。それが今の家だ」






数十時間後




太平洋上空 ヘリ機内







ミラー「スネーク……、見てくれ……」


スネーク「ここは?」


ミラー「………『ラバウル基地』だ。横須賀と同じ、『鎮守府』。ここが、俺たちの新しい家だ」



パイロット《降下します》




オセロット「ボス、ご無事で」


DD兵「ボス!!」


オセロット「ミラーは怪我人だ。担架に乗せてくれ。医務室に運ぶ」


DD兵「さぁ、ミラー副司令。こちらに」


ミラー「スネーク……」


スネーク「何だ?」


ミラー「俺たちは9年間、あんたが還る家を作る為に、戦争の犬になった。だが、それは今日で終わりだ」



スネーク「……………」


ミラー「あんたが目覚めたんだ。もう、掃き溜めの犬じゃない」






ミラー「ダイヤモンドの犬だ」




ミラー「俺たちは、サイファーを討つ。その為の力を得るんだ!」


スネーク「ああ。だがカズ、いいか? 俺たちは過去でなく、未来の為に戦う。仇を討つ訳じゃない、俺たちの未来を変える為に奴らを討つんだ」



ミラー「……………あぁ」





オセロット「さぁ、運べ!」


DD兵「はっ!!」




DD兵は、ミラーを乗せた担架を医務室へと運ぶ。ミラーを見守っていると、オセロットが話しかけてきた。




オセロット「ボス、『彼女達』の元へ行きましょう」


スネーク「どこにいるんだ?」


オセロット「実は、貴方がここに戻ってくる間に出撃させていました。現在はドック入りです」


スネーク「そうか。なら待っていよう。ところでオセロット……」


オセロット「なんでしょう?」


スネーク「お前、彼女達をどうやって見つけ出した?」


オセロット「ミラーの覚醒は貴方より早かった。ミラーはかつての力を得る為に、あらゆる人材を登用していた。その中で偶然会ったんだ」


スネーク「ほう」


オセロット「基本、艦娘は鎮守府に所属している形なので単独で行動することはあり得ません。そんな中、太平洋を彷徨っていた艦娘が居ました。そう、叢雲ですーー」





〜〜〜






叢雲「誰よあんた?」


オセロット「俺はオセロットだ。あんたは?」


叢雲「………特型駆逐艦、5番艦の叢雲よ」


オセロット「叢雲………。あぁ、あんたビッグボスの元にいた艦娘だな?」


叢雲「あんた……、まさか彼奴らの!」


オセロット「待て! 少し話を聞いてくれ」


叢雲「ふざけないで! 誰があんたの言葉なんか!!」


オセロット「落ち着け!」


ミラー《おい、オセロット! 何やってんだ!》


オセロット「丁度良かった! おい、ミラーからも言ってやってくれ!」


ミラー《何だ!?》


オセロット「9年前の生き残りだ! 叢雲。艦娘だ」


ミラー《何!? おい、代われ!!》


叢雲「ミラーって………? もしかして、ミラー副司令!?」


オセロット「あぁ、今繋がってる。ほら」


叢雲「ミラー副司令……、ですか?」


ミラー《無事だったか……》


叢雲「ねぇ、ボスは?」


ミラー《そこに居る男が知ってる。なぁ、また俺たちと共に来てくれるか?》


叢雲「………あんた達が戻ってくるのを何年待ったと思ってんのよ!」


ミラー《決まりだな。オセロット、そのまま叢雲を連れて引き返してくれ!》


オセロット「よし、なら行こう」








〜〜〜









オセロット「……って感じにな。そこから明石、間宮、大井と見つかってな。中々骨が折れた。全員が口を揃えて、『ボスは何処だ?』 『ボスを返せ!』 『サイファーの仲間か?』ってな。大変だったさ」


スネーク「俺のせいか?」


オセロット「あぁ。全部あんたのせいだ」


オセロット「まぁ、俺も人のことは言えないが………」


スネーク「おかげで助かってる。すまなかったな」


オセロット「気にしないでくれ、ボス」



スネーク「……そうだ、オセロット。一つ頼みがあるんだが……」


オセロット「ええ。何なりと」


スネーク「この基地について詳しく知っておきたいんだ。案内してくれると助かるんだが」


オセロット「………わかりました。では、参りましょう」







貴方の下で戦える。20年来の夢だった。あの時から、ずっと………。








第4話 英雄の相棒(パートナー ) 中編 完



















第5話 英雄の相棒(パートナー) 後編







オセロット「………………と、まぁこんなものかと」


スネーク「さほど、横須賀とは変わらないんだな」


オセロット「ええ。基本、施設や設備は変わりませんからね」


スネーク「そんなものか………」


オセロット「それと、ボス。ミラーから頼まれた事がありました。ここの運用についてです。まずはこれを……」


スネーク「懐かしいな。フルトン回収装置か!」


オセロット「ええ。かつての様に優秀な人材を登用し、組織を拡大化させる。サイファーに対抗する唯一の方法です。使い方は?」


スネーク「大丈夫だ」


オセロット「それを聞いて安心しました。それと、ミラー救出の際に渡した端末は?」


スネーク「あぁ、持ってる。これだな?」


オセロット「ええ。作戦遂行に必要な情報だけでなく、ここラバウル基地の情報ネットワーク並びにデータベースを一覧することができます。スタッフの配属先や、遠征部隊、艦隊運用など、ミラーが行う殆どを貴方自身でも指示できるということです」


オセロット「スタッフの配属先や艦隊運用など、貴方に考えがあれば使ってみてください」


スネーク「わかった」


オセロット「ラバウル基地の運営、並びに艦隊運用はミラーが一任します。私は戦闘支援、諜報活動と新兵の調練でも行いましょう。貴方はいつも通りに」


スネーク「わかった」


オセロット「…………では、昼食でも摂りましょうか」


スネーク「そうだな。ここには間宮が居るんだろう?」


オセロット「ええ。9年前の生き残り、我々が保護しています」


スネーク「間宮の飯は食ったか?」


オセロット「ええ。それはまぁ……」


スネーク「美味かっただろう?」


オセロット「そうですね。確かに」


スネーク「20年前にはあれほど美味い飯はなかった。あの時は蛇やらキノコばっか食べてたからなぁ。良くて即席ラーメン、カロリーメイトか……」


オセロット「20年前………。スネークイーター作戦の事ですか?」


スネーク「あぁ。あの時敵同士だった俺とお前が、今ではこうしているとはな」


オセロット「そうですね………」


スネーク「あの時は俺がバックパックに保管していた食料を、お前が根こそぎ持っていったおかげで、初めから食料を調達する羽目になったなぁ……」


オセロット「まだ覚えてたのか……。あの時は俺も若かったからな。あんたに追いつこうと、あんたを理解しようと必死だった」


スネーク「俺が獲った食料は美味かったか?」


オセロット「…まぁ、それは………」(根に持ってるのか?)


スネーク「エヴァは即席ラーメンを持っていったしなぁ………」


オセロット「………と、とにかく、間宮の所に行きましょう」(早くこの流れを切ろう………)




iDROID《Refit completion》





オセロット「……………ボス、彼女たちの入渠が終わりました」


スネーク「そうか。なら早いところ会いに行くか」


オセロット「間宮の所に居るように伝えておきます」


スネーク「わかった。頼むぞ」




iDROID《Send a message》




スネーク「……………ところでオセロット」


オセロット「はい?」


スネーク「さっきの、お前が食料を持っていった話で思い出したんだがな?」


オセロット「……………」(まだ引っ張る気かその話)


スネーク「お前、俺と初めて会った時に何でマウストラップを持ってたんだ?」


オセロット「マウストラップ………、あぁ! あれか!!」


オセロット「あの時の食料は大したものがなかったからなぁ。配給されるのも大して美味くない軍用携帯食だ。あんたみたいに動物を捕まえた方が美味いものが多かった。だから持ってたんだ」


スネーク「本当に?」


オセロット「あぁ……………」


スネーク「………ツチノコ」ボソッ


オセロット「 ! 」


スネーク「…………食ってみたかったなぁ」


オセロット「そうか…………」























ラバウル基地内 食堂






スネーク「随分と広いな………」


オセロット「今は人材が乏しいのでそうですが、いずれはもの凄い数が押し寄せて狭く感じますよ。さぁ、間宮に会いに行きましょう」




間宮「いらっしゃ〜い。 あら!」


オセロット「よう、順調か?」


間宮「えぇ。何だか皆さん、いつもより活気に満ち溢れていて何かいい事でもあったのでしょうか?」


オセロット「すぐわかるさ。何時もの、頼めるか?」


間宮「はい! 少々お待ちくださいね」


スネーク「すまん、俺にも一つ貰えるか?」


間宮「はい、ただいま………えっ!?」


スネーク「待たせたな。美味そうな匂いがしたんで、ここに戻ってきた」


間宮「ボス………、本物……ですか……?」


スネーク「あぁ。また、美味い飯を作ってもらえるか?」


間宮「………はい! それでは夕飯には腕によりをかけたご馳走をご用意させていただきますね。それと、他の艦娘にも会ってあげてください。皆、心配していましたから」


スネーク「あぁ、わかった。楽しみにしてるぞ」


間宮「では、少々お待ちください」


オセロット「ボス、どうぞ」 つ

コーヒー


スネーク「すまん。…………ん、美味い」


オセロット「ボス、そちらに」


スネーク「あぁ。………何だかな、開き直って会うのも気が引けるというか」


オセロット「そうですか…………」






叢雲「間宮さん!!」


間宮「あら、いらっしゃい♪ 」


大井「何かいい事でもありましたか?」


間宮「ええ。とっても♪」


明石「見当がつきませんねぇ」


間宮「後ろを向いてみて?」


一同「 ??? 」


スネーク「俺はそんなに影がうすいか?」


叢雲「………えっ?」


大井「………夢?」


スネーク「おぉ………、その反応は予想外だな」


オセロット「………無理もないさ。俺だって未だに実感がわかないしな」


明石「………本物?」


オセロット「俺が連れてきた。それは保証する」


スネーク「………まぁ、改めてだ。待たせたな」


叢雲「………何年待ったと思ってるのよ」


スネーク「9年だな」


叢雲「9年と3ヶ月よ……」


大井「それにしても、9年間放ったらかしにしてよく戻ってこられましたね」


スネーク「ふっ、その様子なら心配は要らないな」


大井「…………………馬鹿」


明石「無事で、良かった…………。あれからずっと、会えないんじゃないかって………」


スネーク「……大丈夫だ。安心しろ」


明石「本当に………良かった」


スネーク「………また、俺たちと共に戦って貰えるか?」


叢雲「当たり前じゃない。あんたが戻ってくるのを待っていたんだから………」


明石「貴方と共に戦える事をどれだけ待ち望んだことか………」


大井「………お帰りなさい、ボス」


オセロット「(このくだり何処かで見たような気が…………?)」


間宮「お待たせしましたぁ〜!!」


スネーク「そら、お前の分だ」


オセロット「あぁ……、すまない」


スネーク「美味すぎる!!!」


オセロット「(こんなほのぼのとして良いのか?)」


スネーク「何してる? お前も食え!」


オセロット「あ、あぁ…………」


叢雲「相席いいかしら?」


スネーク「あぁ、構わんが?」


大井「失礼しまーす!」


明石「お邪魔しまーす!」


オセロット「(どんどん集まってくるなぁ…………)」


叢雲「ボス、食事が終わったら訓練に付き合って貰えない?」


大井「9年ぶりに手合わせをと思いましてね?」


スネーク「そうか………。よし、やるか! オセロット、お前も付き合え!」


オセロット「……わかりました。やりましょう」






第5話 英雄の相棒(パートナー) 後編 完













第6話 極東の英雄












3日後











ミラー「ボス……………」


スネーク「カズ!? 大丈夫なのか?」


ミラー「ベッドの上は落ち着かんからな」


スネーク「そうか……」


オセロット「ボス、今ちょっとした依頼が来ているんだが請けるか?」


ミラー「もちろんだ」


スネーク「カズ!」


ミラー「俺たちには、選り好みする様な余裕はない。サイファーに対抗する為の力を得ることが最優先だ」


オセロット「………依頼は、”極東の英雄”と讃えられている人物の抹消だ」


スネーク「極東の英雄?」


オセロット「なんでも、50の敵を相手に一歩も引けを取らずに撃退させたらしい。そいつの勇姿に感銘を受けた連中が極東の英雄と祭り上げて、軍神として崇めているそうだ」


オセロット「依頼主は、やがて自分達の権力を脅かすと考え、そいつの殺害を依頼してきた」


スネーク「なるほど。しかし何故、そいつを自分達の所に取り込もうとしない」


オセロット「”極東の英雄”というイメージが作られつつあること。そして軍神として崇められたりと、一つの宗教として確立しようとしているからだ。政治に宗教が絡むと碌なことにならない。だから連中はそいつを始末する選択をしたわけだ。宗教は時に政治や国をも脅かすからな」


ミラー「この依頼は、多額の報酬が入る。俺たちにとって、これほど美味しい話はない。ボス、やってくれるか?」


スネーク「……あぁ」






〜〜〜









〜フィリピンのとある街〜





漁師「いやぁ〜、助かった。すまないなぁ、こんな所まで来てもらって」


???「いや、気にしないでくれ。これが私の仕事だからな」


漁師「本当に助かったよ。よかったらこれ貰ってってくれ。今日漁れたばかりの物だ」


???「それは貴方が売るためのものだろう? 気持ちだけ受け取っておくさ」


漁師「英雄さんに助けられなかったら、俺の命はなかった。これくらいはさせておくれ」


???「…………わかった。ならありがたく頂こう」




店員「おぉ! 英雄さん、よかったらご馳走させてくれ」




男性「英雄さんじゃないか! 一杯奢らせてくれよ!!」



女性「英雄さん! よかったらこれ、持っていって!!」








???「全く、英雄なんて柄でもないんだが………」


???「あら? 満更でもないんでしょう?」


???「しかしだなぁ………」


???「ねぇ、それよりもあなた、流暢に構えている暇もないわよ?」


???「あぁ。もちろんわかっているさ」


???「ならいいけれど。仲間にまで追われて逃亡生活を送るのも、いい加減にしたいわよねぇ………」


???「そろそろ、私達も潮時かもしれないな」


???「そろそろねぇ………。私からすれば9年前からの気もするけれど………………」


???「もう、9年か………。大きく変わってしまったなぁ。国も、私達も…………」







〜〜〜




フィリピン近海上空 ヘリ機内









ミラー《ボス、聞こえるか?》


スネーク「あぁ。大丈夫だ」


ミラー《今回の依頼は、極東の英雄と呼ばれている人物の殺害だ。事前に送り込ませた諜報班からの情報で、ターゲットの場所は特定できている。ボス、頼んだぞ》


パイロット《ボス、お気をつけて!》



オセロット《ボス!》


スネーク「オセロットか?」


オセロット《作戦展開地域になっているフィリピンは、1970年に発足されたモロ民族解放戦線(MNLF)や、新人民軍(NPA)による紛争、内乱が続いている。最近になって、政府側のやり方も変わってきた》


スネーク「どういうことだ?」


オセロット《見境がなくなったということだ。それに加えて深海棲艦の脅威もある。どちらも警備は厳重だ。見つかるなよ》


スネーク「わかった」


ミラー《ボス、今回の依頼だが、あんたの推測通りクライアントは日本だ。そしてターゲットは………》


スネーク「艦娘だな?」


ミラー《…………そうだ》


オセロット「すまないが、ターゲットの顔までは特定できそうにない。9年前の生き残りかもわからない。ボス、作戦展開地域にいる人間から聞き出してくれ」








〜〜〜




スネーク「こちらスネーク。目的地に到着」


オセロット《こちらの予想より早く着いたな》


ミラー《いいか、ボス。今回の作戦展開地域は政府軍、反政府軍が睨み合っている場所だ。いつ銃撃戦が始まってもおかしくないが、そこの戦争にあんたが加わる義理はない》


スネーク「わかってる」


オセロット《わかってると思うが、これは潜入任務だ。見つかるなよ》


スネーク「大丈夫だ」






〜〜〜






スネーク「(あいつら……)」⊃ 双眼鏡 ⊂





敵兵A「なぁ、俺たちはどちら側につくんだ?」


敵兵B「政府側か反政府側ってことか?」


敵兵A「そうだ。姐さんはどちら側に乗るつもりなんだろうなと思ってな」


敵兵B「姐さんのことだ。姐さん也に考えは有るだろう。俺たちはそれに従うだけだ」


敵兵A「………そうだよな。”極東の英雄”様だしな。俺たちを窮地に追いやることはしないよな?」


敵兵B「そうとも。だから姐さんについてきたんだろう?」


オセロット《ボス、やつらの話は聞いていたか? この地域の組織は政府軍か反政府軍だけと思っていたが、実際はもう一つの組織があるようだな》


スネーク「極東の英雄が率いる組織か。果たしてそれがゲリラ組織かレジスタンスか…………」


ミラー《ともかく、奴らの内のどちらかに接触してくれ》





スネーク「動くな!」


敵兵A「!? な、なんだ!」


スネーク「吐け」


敵兵A「っ…………! 無駄だ。何も話さんぞ!!」


スネーク「」グッ



敵兵A「ぐぅっ……ぁっ…」STN


スネーク「」ピピッ


敵兵A「…………! うおぉぉぉぉぉ!!!!!!」パシュッ


ミラー《よし、回収した》


スネーク「なかなかいい兵士だな。目がまっすぐだ」


ミラー《新兵じゃないのか?》


スネーク「あぁ。なかなかの手練れだろうな。極東の英雄か…………」







〜〜〜










ミラー《ボス、朗報だ》


スネーク「どうした?」


ミラー《極東の英雄の正体が分かった!》


スネーク「なに!? 一体どうやって?」


オセロット《あんたが回収した兵士が口を割った。俺たちを率いるのはビッグボスだと知った瞬間、あんたの為に戦いたいと言っている》


スネーク「おぉ、そうか。で?」


オセロット《あぁ。9年前の生き残りだ。誰だと思う?》


スネーク「…………もったいぶるな」


ミラー《長門。戦艦長門だ!!》


スネーク「ほう……、極東の英雄ねぇ………。ぴったりじゃないか」


ミラー《ボス、作戦変更だ。長門をなんとしても連れて帰れ。絶対にだ!!》


スネーク「もちろんだ。奴が同意すればの話だがな」


オセロット《奴らの基地をマップにマーキングしておく》







第6話 極東の英雄 完













第7話 真実は何処で眠る





地の文が入ります。ご注意を












スネーク「地下に通じる穴があるな………」


オセロット《恐らくそこに居るだろうな。暗視ゴーグルは?》


スネーク「持っている」


オセロット《なら大丈夫だろう。バッテリーは無限じゃないからな。残量を確認しつつ進んでくれ》


スネーク「わかってる」








〜〜〜










〜地下〜








長門「なぁ、陸奥。私たち以外に、あの惨劇を生き延びた者はいるのだろうか……?」


陸奥「さあ? あの時、全員が必死だったし、私自身周りの事なんて見えていないかったもの。あれ以来、ボスを始め、副司令にも、他の艦娘にも連絡は取れないし…………」


長門「………私達が出来るのは、あの人の意志を継ぐことしかない。しかしその意志が理解できない。だから………」


陸奥「だから、あの人が作っていた組織を模倣したものを作った?」


長門「……………」


陸奥「貴女は、あの人が憎い?」


長門「……………そんな事はない。むしろ、感謝しているくらいだ。今でもな」


陸奥「感謝?」


長門「覚えているだろう? あの人に初めて会った時の事……。私はかつての歴史に囚われていたんだ。あの光で命を失ったあの時の事に」


陸奥「……………ビキニ環礁での事ね?」


長門「あぁ。私は過去に囚われるあまり、何も見えていなかったんだ。ただ、自分の身に起きた事に悲嘆するしかなかった。何もかもを、否定するだけだったんだ」


長門「『何故、あの大戦を生き延びたのだ?』。『何故、私があのような悲劇を負わねばならなかったのだ?』。私は、仲間すら信じられなかった。だってそうだろう? 仲間の為に戦ったのに、仲間から裏切られたようなものだ」


長門「そんな私を変えたくれたのは他でもない、ビッグボスだ」


陸奥「『戦う事しかできない奴らが殺しあうくらいなら、一緒になった方がいい』だったかしら?」


長門「あぁ。私の我儘に付き合わせたというのに、それを咎めることなく私を仲間に入れてくれた。たった一言で、私は救われたようだったんだ」


陸奥「ふふっ。極東の英雄様を救った、伝説の英雄様のお話ね」


長門「出来る事なら、あの時の様にボスの下で戦いたいものだ」














スネーク「なぁ、また俺の下に来る気はあるか?」












長門・陸奥「えっ?」










スネーク「長門、陸奥。9年ぶりだな」


長門「…………」


陸奥「…………無事だったのね?」


スネーク「まぁ、なんとかな。しかし、お前が極東の英雄か………。なかなか様になってるじゃないか」


長門「い、今の話は………、聞いていたのか…………?」


スネーク「ん? なんの事だ?」


長門「いや、何でもない………」


スネーク「そうか。ところで、お前たちは何でこんなところにいるんだ?」


陸奥「あの時、私達は何とか生き残れたわ。それから長門と2人で太平洋を彷徨っていたの」


長門「そこで、深海棲艦に襲われていた漁船を救助していたんだ。そんな事を繰り返していたら私が極東出身ということでな、いつの間にか『極東の英雄』なんて呼ばれてしまって………」


陸奥「長門は満更でもなかったみたいだけどね?」


長門「陸奥………」


陸奥「冗談よ。それからは、色々な人が集まってきたわ。『極東の英雄の為に戦わせてくれ』って。そして貴方の真似をして見たってわけ」


スネーク「誰も指揮を執らずか?」


長門「あぁ。私達だけでも多少の戦略は執れる。まぁ、提督から承けるのが最善の方法だが………」


陸奥「私達艦娘は、戦うことしかできないもの。策を練るのは苦手よ」


長門「提督が策略を練って、私達がその通りに動く。これが理想の形だ」


スネーク「成る程な。しかし、随分と慕われていたんだな」


陸奥「あら? 長門はビッグセブンの一人って話は知っているでしょう?」


スネーク「お前もだろう? あぁ、知っているさ」


長門「ま、まぁ自分で言うことでもないと思うが、私はもともと、ひ、人に好かれる性格というか……、なんというか…………」


陸奥「そうねぇ。貴方と同じよ? ビッグボス」


スネーク「…………」


陸奥「ふふっ。照れない照れない」



長門「まぁ、そんな事があって人が集まってきたんだ。そしてどうせならボスの様な組織を模倣して活躍していたんだ」


陸奥「けれど、日本って国からみたら、私達はただの武装組織や愚連隊よ。日本の下で戦っていたのに、今じゃあ彼らの敵よ」


長門「日本側から姿を隠す為に、ここまできて潜伏していたってわけだ。だが……………」


陸奥「どこからか情報が漏れたみたいね。私達を狙っている奴がいるって話を聞いたわ」


長門「それが、まさかボスだったとはな………」


スネーク「……………」


陸奥「ねぇ? また、貴方と一緒に戦わせて?」


長門「………ボス、お願いする」


スネーク「もちろんだ。だが………」


長門「彼らの事なら大丈夫だろう。自分たちで選択してくれるさ」


スネーク「俺たちの所で戦って貰う手もあるぞ?」


長門「………だが、決めるのは彼らだ」


スネーク「………お前も変わったな」


長門「9年間もほったらかしにされたからな」


陸奥「本当よ。逆に鍛えられた気がするわ」


スネーク「カズ、ターゲットと接触。回収させる」


ミラー《了解。ヘリを寄越す。随分と簡単に決めてくれたそうじゃないか》


スネーク「乗り気だったようだ。『出来る事なら9年前の様に戦いたい』と」


長門「なっ!?」


陸奥「聞かれていたみたいねぇ、長門?」


長門「」///


陸奥「あらあら、耳まで真っ赤になっちゃって」


スネーク「さ、ここから出るぞ」










〜〜〜





彼女らが潜伏していた地下から出ると、深い霧が襲ってきた。いや、霧ではなくスモッグだ。






スネーク「…………ん?」


陸奥「霧…………?」


長門「奴らだな………」


ミラー《ボス、あんたがいる付近でガスが急速に発生している。来るぞ…………!!》













ドォーンと、鈍い音が一帯を覆い尽くす。艦砲だ。







深海棲艦だーー!!!!






撃てぇ!!!!



撃ちまくれぇ!!!!



ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!!!










深海棲艦の襲撃を聞き、多くの兵士が銃声を響かせる。だが、その抵抗を打ち砕くような艦砲射撃の音がすると、一斉に静まり返る。銃声も、人の声も、ましてや艦砲の音も聞こえず、静寂な時間が流れる。







長門「何が……………?」


スネーク「長門、暗視ゴーグルは持っているか?」


長門「あ、あぁ……」


スネーク「付けておけ。視界が悪すぎる」


長門「わ、わかった。陸奥」つ 暗視ゴーグル


陸奥「了解」


スネーク「それと、無線の回線を伝えておく。何かあったら、な?」


長門「あぁ。了解した」


スネーク「2人で相手できるか?」


陸奥「えぇ。大丈夫よ」


長門「ビッグセブンの力、もう一度ボスに見せよう」


スネーク「よし、頼むぞ」


長門・陸奥「了解!!」






スネーク自身では深海棲艦に対抗する術を持っていないために、長門と陸奥の両名に対応させる事にし、スネークは生存者の捜索を行う。どういうわけか、深海棲艦の存在は確認できなくなっており、生存者も0に等しく、死体の山があちらこちらに広がっている。少し経ってから無線で連絡が来た。









長門《ボス、海上に敵を確認した》


陸奥《片付けてくるわね》


スネーク「あぁ。無理はするなよ?」











ーー-------!!!!!!








無線を終えた瞬間、地響きのような声が霧の中から聞こえる。獰猛な獣の様にも取れるその音が聞こえた方角に、スネークは足を運ぶ。





スネーク「……何だ?」







ーー-------!!!!!!




先ほどの様な音が響いた瞬間、霧の中から巨大な手が飛び出し、スネークを掴み上げる。







スネーク「っ!!!」









ミラー《おい、ボス! どうしたんだ!?》







ミラー《ボス………?》










………………










スネーク「…………何だ? この手は」


スネーク「…………駄目だ、動けん」


???「これはこれは、ビッグボス。随分と眠っていたようだな………」




スネーク「…………」








???「貴様も酷い姿だな…。鬼になったのは『あんな兵器』の為か?」




スネーク「…………」









髑髏顔「まぁ、貴様もいずれ真相に辿り着くだろう」




スネーク「…………っ!」






髑髏顔「生きてここから帰れたらな」





-------!!!!!!!!






先ほどとはまた別の声が鳴り響く。すると近くでまた銃声が鳴り始める。先ほどまで人など居なかった筈なのだが………。






な、何だあいつは!!





う、撃て! 撃てぇ!!













ドォーン







ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!!!






な、まさか………!!!




おい! おい!! 何やってんだ!!





ドォーン






ぐあ!!







髑髏顔「…………今度こそ、安らかに眠れよ」


スネーク「お前……!!」


髑髏顔「地獄で会おう、ボス」







男がそう言い放つと、スネークを掴んでいた巨人の手がゆっくりと開く






スネーク「っ!」ドサッ





スネークは銃を構え、男の方に向けるが、スネークを掴んだ巨人がその男を連れ去っていってしまった。巨大な手に巨大な地響き。巨人というより、妖魔の類なのか。それの答えは先程から一帯を覆うスモッグの中だ。



ミラー《ボス、奴は?!》



スネーク「霧の中だ。姿が見えん」


ミラー《あの巨人はいったい……?》






ウ、ウゥ……………






後ろでうめき声が聞こえ、スネークはその方を向く。すると、その声の主は他でもないここを警備していた兵士だった。







う、ウゥぅぅぅぁァァァ!!!!








その兵士は、此方に歩み寄ってくる。だがその動きは人間の動きではない。ゆらゆらとゾンビの様に動き、何者かに操られる人形の様である。そして、糸を切られたかの様にその場に倒れる。





ミラー《ボス! 深海棲艦の反応だ!! あんたの所に近づいているぞ、逃げろ!!!!!》






あらゆる所から足音が響く。そしてその音は近づいてくる。1番音が響いた所で、此方に何かが跳んでくる。深海棲艦だ。





ミラー《奴ら、重巡クラスだな。気をつけろ! 撃たれたら丸焦げじゃあ済まないぞ》


オセロット《奴らは照準を合わせられなければ撃ってこない。奴らを上手く撹乱するんだ》





簡単に言ってくれるとスネークは思う。しかし、文句や愚痴を言っても仕方ないので、アドバイス通りに何とかやり過ごそうとする。






長門《ボス、海上は片付けた。そっちは?》


スネーク「陸で襲われている」


長門《陸か…………。ボス、海岸沿いに誘き寄せて貰えるか?》


スネーク「…………わかった。ビッグセブンの力、見せてもらおう」





スネークは長門の提案を受け入れ、深海棲艦に銃を撃って気を引かせる。撃たれた事に気がついた深海棲艦は、スネークの方に砲口を向けてくる。アドバイス通り、照準を合わせようとしているのか砲口が左右にブレていることがわかる。


そして何とかポイントまで誘き寄せることに成功した。ここまで無事に来られたのは奇跡だと自分でも思う。







長門《ボス、確認した!!》


スネーク「発射時間は任せる。自分のタイミングで撃て!!」


長門《…………よし、三式弾装填! いけるぞ!!》


陸奥《いつでもいいわよ!》


スネーク「いいぞ、ぶちかませ!!!」


長門《全主砲、斉射!! 撃ぇ!!!》


陸奥《選り取り見取りね。撃ぇ!!!!》



海上から鉄のカーテンが降り注ぐ。大量の鉛が流星群の様に深海棲艦を貫く。全ての深海棲艦が力尽きて倒れた所で、スモッグが晴れる。





スネーク「ふぅ………」


長門「ボス、無事か?」


スネーク「あぁ、何とかな」


陸奥「ねぇ、他の人は?」


長門「そうだ、私達についてきた彼らは? どうなったんだ?」


スネーク「…………深海棲艦にやられていた。生存者は確認できなかった」


長門「………そうか。少し、待って貰っていいか?」


スネーク「あぁ、構わんが?」


陸奥「ボス、私も………」








そう言い残し、長門、陸奥の両名は潜伏していた地下の入り口まで戻っていった。ひと段落ついたので辺りを見渡す。スモッグに覆われていたのでわからなかったが、然程距離が無いことに気がつく。余裕を持てなかった証拠だなと呟く。







長門「………………」


陸奥「………………」






どうやら死んでいった仲間たちに黙祷を捧げているようだ。その時ばかりは、『戦艦長門』『戦艦陸奥』ではなく、死者を労わる一人の『人間』であった。その2人の姿に、9年前の惨劇を目の当たりにした自分の姿が重なっているように見えた。








長門「………待たせた。さぁ、行こう」


スネーク「カズ、ヘリを寄越してくれ」


ミラー《了解、ヘリを派遣する。依頼主には、天国の外側に送ったと伝えておく》











Mission Info Updated













Mission Completed















ヘリ機内












ミラー《ボス、深海棲艦についてだが、9年前とは大きく変わってきている》


スネーク「あぁ、奴らは海上でしか活動しなかったはずだ」


ミラー《あんたの前に現れた髑髏顔の男と、そいつを連れ去った巨人。そいつらに呼応するかのように、深海棲艦が現れる………。奴らは一体………?》


スネーク「サイファー………」


ミラー《だとしたら、奴らは何を企んでいるんだ? 深海棲艦を引き連れて、一体何を………?》


スネーク「さあな」


ミラー《それと、気になることがもう一つ》


スネーク「長門が引き連れていた組織の兵士だな?」


ミラー《あぁ。スモッグに覆われて深海棲艦から襲撃を受け、数十秒で全滅。その後の彼らの行動は、誰かに操られたようだった》


スネーク「わかっていることは、奴らが深海棲艦を使って何かをしようとしていることだ」


ミラー《あぁ。少しだが奴らに近づいている。いずれ、真実に辿り着くだろう。いずれな…………》











第7話 真実は何処で眠る 完















第8話 艤装開発の権威





ラバウル基地 司令室







ミラー「ボス、ある科学者がアメリカからの亡命に協力して欲しいとの依頼があった」


スネーク「科学者? 俺たちに何の関係があってわざわざ依頼を?」


ミラー「その科学者は、二足歩行開発を専門としており、艦娘の艤装開発にも関わった人間だ。そしてその男は、俺たちにとっても重要な人物だ」


スネーク「まさか………!?」


ミラー「名前はエメリッヒ。そう、9年前に俺たちの元にいた科学者だ。当時はヒューイと名乗っていた」


スネーク「そいつが亡命を?」


ミラー「あぁ。アメリカに帰国した後、科学者として、専門の二足歩行兵器の開発に関わっていたらしい。そして4年前、深海棲艦の活動範囲が広がり世界各国から出現する様になってから、艦娘の艤装開発にも携わる様になったらしい」


スネーク「そこまで活躍しておきながら、何故亡命を?」


ミラー「亡命の理由は、アメリカの横暴に耐えられなくなった、と………」


スネーク「サイファーか?」


ミラー「少なくとも俺はそう考えている。つまり、博士を俺たちの元に引き入れることでサイファーの情報を得られると共に、奴らより優位に立てる。俺たちの戦力向上に繋がる」


スネーク「あぁ。だが、その話は信用していいのか? 奴らが俺たちをあぶり出すために仕組んだ罠とは考えられないか?」


ミラー「確かに、話が出来過ぎだ。罠の可能性も捨てきれない。どちらにせよ、決めるのはボスだ。あんたの好きにしてもらっていい」


スネーク「博士の場所は掴んでいるのか?」


ミラー「もちろんだ。奴はアメリカのサンディエゴ海軍基地にいるそうだ。やれるか?」


スネーク「………よし、ヘリを出せ。オセロットに招集をかけろ。出るぞ」


ミラー「了解」









ヘリ機内









パイロット《目標地点までまもなくです》


ミラー《ボス。アメリカのサンディエゴ海軍基地にいる、エメリッヒ博士を救出してくれ。この博士は、サイファーに繋がる糸口であり、彼の研究技術は俺たちの力になる》


スネーク「作戦の手順は?」


オセロット《サンディエゴに近づいたところで、ヘリを低空飛行させる。レーダに引っかからないようにな。そのあとはいつも通りだ》


スネーク「俺1人でか?」


ミラー《すまないが、追加の戦力は出せない。危険を伴うミッションだが、俺たちにとってエメリッヒの存在は必要なことだ。ボス、頼んだぞ》


パイロット《敵レーダーの索敵範囲内です。高度下げます》


オセロット《よし、そのままの高度を保て》


パイロット《了解》


ミラー《ボス。ランディングゾーンにヘリが着いたら直ぐに降りてくれ。早々にヘリを離脱させたい》


オセロット《敵にあんたの潜入を悟られないためだ。いいか?》


スネーク「わかった」






〜〜〜








パイロット《ボス、お気をつけて》



スネーク「随分と警備が手薄だな……」


ミラー《サンディエゴ海軍基地には、軍の関係者の他に民間人も生活している。民間人に不安を与えないようにわざと手薄にしているんじゃないか?》


スネーク「いや、それにしても兵士が少なすぎる」


オセロット《まぁ、敵が少ないなら潜入は容易だろう? 》


スネーク「まぁ、そうだな………」



スネーク「………そういえばカズ、お前どうしてラバウルに基地を置いたんだ?」


ミラー《あぁ、ラバウルは大戦中、日本が航空隊の基地としても運用していた場所だ。俺たちの戦力は陸上、航空。とりわけ航空戦力は、人員を戦地に送る際に最も重要だ。まぁ、俺たちの航空隊はヘリで、当時は艦載機だがな。時代の流れってやつだ》


ミラー《それに、世界の中心とはいかないが、アメリカ、ソビエトのどちらにも程よい位置にある。距離はあるが、ヨーロッパ諸国にも手を伸ばせる。それに、万が一攻められるような事があっても、ラバウルは『龍の顎』とも呼ばれる天然の要害だ。大戦中にも、連合軍の艦隊を幾度となく苦しめている》


ミラー《物資の面を考えても、石油や天然ガスの宝庫であるブルネイに近い。中々に良い立地だと思うが?》


スネーク「それで、ラバウルの基地を使っている訳か。わざと9年前を模倣して?」


ミラー《そうだ。奴らは、9年前の俺たちに負ける事になる。そして、9年前と同じ轍は踏まない。今度は敵を見ている》


スネーク「しかし、どうやってそこを手に入れたんだ? 元々日本の海軍基地だろう?」


ミラー《日本には、俺たちに貸しがある》


スネーク「9年前の話か?」


ミラー《いや、違う。あんたが昏睡中、日本は一度深海棲艦に侵攻を受けた。横須賀、佐世保、呉、舞鶴。日本に点在する鎮守府総出で迎え撃った。だが戦況は硬直、原因は日本側の資材不足に加え、艦娘達の練度不足だ。そこで、日本政府は俺たちに依頼を申し込んだ。内容は『艦隊の強化』。要は、教官として雇われたって事だ》


スネーク「日本側が俺たちに依頼するとは………。よくもまあ請けたな?」


ミラー《日本は、9年前の惨劇の関与を否定している。白々しいとは思っていたが、詮索しても意味がないからな。請ける事にした。その時には叢雲、大井が合流していてな》


スネーク「彼女達が望んだという事か?」


ミラー《まあそうだ。あんたに鍛えられたからな。そんじゃそこらの艦娘よりかは腕が立つ。それに………》


スネーク「…………あぁ、そういえばそうだな。乗り気だったと?」


ミラー《そういう事だ。まぁーー》


大井《何ですか? 余り調子付いたこと言うと、魚雷撃ちますよ?》


ミラー《…………》


スネーク「見事に自白したな」


大井《えっ? な、何の事でしょうか? オホホホ…………》


ミラー《まぁ、その礼として譲ってもらったんだ。俺たちとしては家ができる。日本からすれば深海棲艦からの攻撃の前線として使えるといったところだ》


スネーク「なるほど……」(見事にスルーしたな)


ミラー《ボス、目的地に着いたか?》


スネーク「あぁ、丁度着いた所だ。格納庫らしき物が見えるんだが………?」


オセロット《こっちでも確認した。成る程な、確かに普通の格納庫よりはるかに巨大だな》


スネーク「あそこに居るな」


ミラー《何!? 根拠は?》


スネーク「エメリッヒは元々二足歩行兵器の開発専門だ。9年前前に見た二足歩行兵器の格納庫に酷似していた」


ミラー《つまり、エメリッヒが開発した二足歩行兵器が彼処にあるとすれば、まさかあの時出会った巨人が?》


スネーク「恐らくな。とにかく向かうぞ」










〜〜〜











ヒューイ「待ってくれ! 話が違う!!」


髑髏顔「変更は決定事項だ」


ヒューイ「『アレ』はまだ動かせない。関節部の調整が未完成だ。姿勢制御の改良も終わってない。このままじゃ有人制御なんか出来っこない。僕だって、急ぎたいよ………」


ヒューイ「でも………、完成にはまだ時間が要る」





兵士「解析完了しました。やはりその男、ビッグボスに救助を」ボソボソ


髑髏顔「やはりな」ボソボソ



ヒューイ「っ! 」ガシッ


髑髏顔「私から逃げる気だな? 博士」


ヒューイ「なっ!? 何を?」


髑髏顔「貴様の『脚』は返してもらう!!」ドンッ



ヒューイ「う、うわああぁぁぁぁぁ!!!!!」ガンッ ガン ガンッ ドサッ


ヒューイ「う、うぅ……。っぅ………」


髑髏顔「博士………」


ヒューイ「ぼ、僕を殺す気か!?」


髑髏顔「博士。お前は少し、世間を知るべきだ。時勢もな。あの男を頼みにしたそうだが、それがお前にとって本当に最善の方法か? よく考えるべきだったな」


ヒューイ「僕は用済みなのか……?」


髑髏顔「いや、お前にはまだ利用価値がある。だが私がお前を使う必要はない。ここで野垂れ死んでもらう。おい、撤収するぞ。此処に用はない」


兵士「了解。直ちに撤収準備に掛かります」


髑髏顔「じゃあな。博士」









第8話 艤装開発の権威 完



















第9話 エメリッヒ接触






スネーク「…………敵は居ないな」




スネーク「おい。 おい! 博士!!」



ヒューイ「…………ス、スネーク?」


スネーク「あぁ。エメリッヒ博士だな?」


ヒューイ「僕の顔、忘れたの?」


スネーク「いや、そんな事はない。大丈夫か?」


ヒューイ「あぁ、何とかね。でも、僕の『脚』は………」


スネーク「博士。ともかく今は急ごう」


ヒューイ「でも、僕は………!」


スネーク「大丈夫だ。カズ、聞こえるか?」


ミラー《了解。ヘリを派遣する》


スネーク「よっ………と」


ヒューイ「スネーク!? 」


スネーク「脚のソレは?」


ヒューイ「あ、あぁこれ? 義足の様な物さ。尤も、さっきの衝撃で少し壊れたみたいだけど」


スネーク「ほう、余り重くはないな」


ヒューイ「えぇ!? 本当に? これが約10kgで僕が62kgだから、全部で約70kgだよ!?」


スネーク「本当だ。さほど重く感じない」


ヒューイ「…………まぁ、君は普通の人間じゃないからね」


スネーク「褒めてるのか馬鹿にしてるのか」


ヒューイ「もちろん褒めてるに決まってるじゃない」


スネーク「…………」


パイロット《こちらピークォード。ランディングゾーンに到着! 待機する》


スネーク「わかった。行くぞ、博士」









〜〜〜








ミラー《よし、ターゲットをヘリに乗せろ》







-----------!!!!!








スネーク「この音は………?」


ヒューイ「ま、まさか………!」









------------!!!!










ミラー《お、おい! 何だあのデカイのは!!》



ヒューイ「サ、『サラマンダー』!! 如何して!? 動くはずがないのに……!?」


オセロット《あれが、エメリッヒが作った二足歩行兵器『メタルギア』………》


髑髏顔「博士!! 貴様はやはり役立たずだ!!!」


髑髏顔「見ろ! サラマンダーはこの通りだ!!!!」


髑髏顔「お前はそこの男とともに死ぬのだ!!」




ヒューイ「ス、スネーク!!!」




パイロット《ボス! 一旦離脱します》


オセロット《ボス! あれの前でヘリに乗っていたら撃ち落とされる。何とか撒くんだ!!》


スネーク「トラックだ! 乗せるぞ。 そらっ!」


ヒューイ「いいよ! スネーク!」


スネーク「出すぞ!!」



髑髏顔「逃すと思うか!! 追え!!」





--------!!!!!








スネーク「ヒューイ! あれは何だ!?」


ヒューイ「スネーク! 今は逃げて!」








〜〜〜











ミラー《ボス、慎重にな………》




スネーク「何とか撒けたようだな。………………よし、降ろせ」



パイロット《降下します》



スネーク「博士」


ヒューイ「う、うん!」


スネーク「よっ………と」


ヒューイ「スネーク!」





!!!







スネーク「まずい! 見つかった!!」


オセロット《ボス! 急げ!!》


スネーク「いいぞ! 出せ!!」


パイロット《上昇開始!!》









--------!!!!!








オセロット《来るぞ! ミサイルだ!!》


ミラー《ヘリの機銃で撃ち落とすんだ!!》



スネーク「よし、大丈夫だ!」







----------ーーーー--!!!!!









ヒューイ「あいつ、近づいてヘリを落とす気だ!!!」


ミラー《絶好の的だ! 機銃で蜂の巣にしてやれ!!!》








--------ーーーー---!!!!!!!!









ミラー《あんなデカブツを仕留めるとはな。流石ボス!》


オセロット《にしても、恐ろしいものを作ったものだな》



ヒューイ「水陸両用二足歩行兵器。両棲類になぞらえるなら『サラマンダー』。僕なしで完成するわけがない」


ミラー《ともかく、話はこっちで聞く。帰投してくれ》












Mission Info Updated








Mission Completed














------帰還報告------











ラバウル基地








会議室










ミラー「で、エメリッヒ。お前はあれからどうしていたんだ?」


ヒューイ「君たちの下から離れた後、アメリカで暮らす事になったのは話したね? アメリカで二足歩行兵器の研究を続けていたら、オファーが来たんだ」


ミラー「スカルフェイスだな?」


ヒューイ「正解。君の技術を是非私の下で発揮してくれって。………今思えば疑うべきだったんだね」


スネーク「何かあったのか?」


ヒューイ「スカルフェイスは、二足歩行兵器の完成を望んでいた。それがあのサラマンダーなんだ」


スネーク「名前には由来が?」


ヒューイ「まあね。サラマンダー。両棲類に分類される『サンショウウオ』の事。その中で最大と謳われる『オオサンショウウオ』だ。9年前に作ったアレを覚えてる?」


スネーク「メタルギア・アンフィビアス………」


ヒューイ「そう。アレをスピンオフした物なんだ。両棲類で最大のオオサンショウウオになぞらえて、これ以上の水陸両用兵器は存在しない。という意味をこめている。それともう一つ。アレは、君達が思っているより厄介なものだ」


スネーク「どういうことだ?」


ヒューイ「アレは、全ての攻撃を受け付けない。いや、全ての攻撃を跳ね返すと言ってもいい」


ミラー「お前、ふざけてるのか?」


ヒューイ「話は最後まで聞いてくれよ!? サラマンダーの機体を覆うように、電磁波を発生する装置を開発したんだ。その電磁波は、銃弾は勿論のこと、グレネードのような爆発物も効果を与えない、まさに無敵の兵器を作り上げる装置。そしてサラマンダー自体の強大な攻撃力。出来上がるのは火の海だ」


オセロット「なるほど、それでサラマンダーか」


スネーク「 ? 」


オセロット「サラマンダーは、サンショウウオを示すとともに、火の中に住む精霊の名でもある。燃える炎の中や溶岩から這い出てくると言われている」


ミラー「火の海の中で、自分だけは立ち尽くす。炎で産まれ、炎に住んでいるかのように……」


ヒューイ「そういうこと。安直だけど、これが真実になるんだから恐ろしいよ。でも、彼らが欲しているのはこれじゃない」


ミラー「他にあると?」


ヒューイ「うん。でも僕は知らない。スカルフェイスが、急に言ってきたんだ。サラマンダーの開発を白紙に戻すと。軍資金をこちらに回す余裕がないって言い出したんだ」


オセロット《つまり、奴らはあのサラマンダーを超える兵器を手に入れると?》


ヒューイ「恐らく。スカルフェイスは、『メタルギアを超える兵器』だと言ってた」


ミラー「メタルギアを超える兵器………。まさか……!!!」










スネーク「既存の核兵器じゃないって事か………?」


ヒューイ「ごめん、僕もわからない。でも一つ言える事は、サラマンダーは僕なしで完成する筈はない。動かす事だってまともに出来ない筈なんだ」


オセロット「だが実際動き出して、あんたら2人を襲った」


ヒューイ「そう、それがおかしいんだ。あり得ないんだよ」


ミラー「………………」


ヒューイ「スネーク、僕も君の仲間に入れてくれないか?」


スネーク「博士………」


ヒューイ「アレは僕が作り出してしまった悪夢だ。僕には、アレを止める義務がある。でも…………」


ヒューイ「でも、僕にはアレを止める力がない。けれどアレを止める助言くらいなら僕にもできる!」


スネーク「博士、本当に良いんだな?」


ヒューイ「あぁ。9年前のように武器の開発もしてみせるよ。だから、あの時のように一緒に戦わせてくれ!」


オセロット「ミラー………」


ミラー「………決めるのはボスだ」


スネーク「……………頼むぞ、ヒューイ」



ヒューイ「任せて、ボス!」










第9話 エメリッヒ接触 完










小ネタ 切れた!?










すっごい下らないです。自己満足で投下したようなものなので、お急ぎでない方のみご覧ください。















ーー戦いに生きる艦娘ーー











ーー戦いに喜びを感じーー











ーー新たな戦場を求める艦娘ーー














ーー彼女には、戦いしか残されないーー


















ーー彼女は悪夢となって、再び戦場に舞い戻るーー

























夕立「夕立、突撃するっぽい!」

















ーー艦これがアクションにーー











夕立「まず何から撃とうかしら?」


















敵を撃って







撃って!!







撃ちまくれ!!!











ーー新たなアクション!!!ーー
















ーー撃奪ーー











夕立「うーん、もうちょっとやっちゃうっぽい!」









射撃で敵を弱らせて、敵のエネルギーを奪い取る新アクション『撃奪』。





轟沈したくなければ、敵を倒して体力を奪い取れ!!










夕立「これが、夕立の戦いよ!!」











艦これ改 改二甲 ーOperation Ironbottom Soundー










ーー誠意執筆中?ーー

















夕立「最高に素敵なパーティーしましょ?」

















初回封入特典 コスチューム 白露型 3番艦 駆逐艦 村雨











原作;艦隊これくしょん ー艦これー

メタルギアシリーズ











コラボ元 メタルギア・ライジングリベンジェンス×艦これ
















と言うのを書きたいと思いましてな?




ミラー「止めとけよ」








小ネタ 切れた!? 完













第10話 惨劇の生存者 1










ミラー「ボス、今しがた諜報班のスタッフから連絡があった。旧トラック、チューク諸島にて艦娘を発見したとの事だ」


スネーク「トラックか……」


ミラー「なぁ、スネーク。一つ提案があるんだがいいか?」


スネーク「何だ?」


ミラー「実は、オセロットとも話していたんだが、いずれ俺たちの部隊はラバウルだけでは維持できなくなるほどに膨れ上がると思っている。そこで、俺たちでトラック泊地を使わせてもらおうと考えている」


スネーク「つまり、占拠すると?」


オセロット「表現にはこだわらない。が、やる事は同じだ」


スネーク「…………」


ミラー「………あんたが決めてくれ。俺たちはそれに従う」


スネーク「今のトラックの状況は?」


ミラー「深海棲艦に取られてる。前にも話したが、日本は本土に攻撃を掛けられていた。トラックを顧みる余裕はない」


スネーク「……………俺はどうすればいいんだ?」


ミラー「あんたは叢雲たちを引き連れて、トラック泊地へ進出。敵深海棲艦を駆逐すればいい。それが終われば、こっちで機を見て人員をトラックに配置。ラバウルと同じ様に運用していけばいい」


スネーク「使えるのは4隻か………。情報は確かなんだな?」


ミラー「あぁ。それは間違いない」


スネーク「………わかった。招集をかけろ」


ミラー・オセロット「了解」














チューク諸島








ヘリ機内









ミラー《ボス、今回の任務は2つ。1つ目は、チューク諸島にて確認された艦娘を保護すること。この艦娘は、9年前の生き残りだ。何としても確保してくれ。2つ目は、チューク諸島にある旧日本海軍の司令部がある、トラック泊地へ進出。後詰として送る叢雲らと共に深海棲艦を撃退。そこを俺たちの物にする》


スネーク「大人数での任務は久し振りだな」


ミラー《そうだな。彼女たちにも連絡を取ってやってくれ》


スネーク「わかった」


オセロット《ボス。あんたが所持している武器装備は、エメリッヒ博士が作った対深海棲艦の物だ》


スネーク「あぁ、9年前も使っていた。大丈夫だ」


オセロット《諜報班の情報によれば、ターゲットの居場所とトラックの司令部はかなりの距離がある。片方に集中出来るはずだ》



パイロット《ボス、お気をつけて!》










〜〜〜













ーーあれからもう何年……?--




ーー何で時間を気にするの?ーー




ーーそうだ、待っていたのよねーー




ーー誰を待っているのかしら?ーー




ーーあぁ……、もう何も考えられないーー




ーー何で? 何でなの? ーー









ーー何で私がワタシがこんナ目に遭わなきゃなラないノ?ーー






ーー何で何で何でなの何で私がこんな目に遭うの何で私だけが苦しむの何でどうして私だけあの子もあの子もあの子あの子あの子も幸せなのに私だけがこんな目に許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない…………ーー






ーーあァ……、そうカ……ーー













ーー何モカモ……、壊セバ良インダ………ーー
























〜〜〜













スネーク「あれは………」⊃双眼鏡⊂



ミラー《そいつか……? 顔をよく確認してくれ》



スネーク「あいつだ………、翔鶴だ」


ミラー《よし、何としても回収するんだ!!》



スネーク「おい! あいつ………」




翔鶴「ア…………、あァ………」





ミラー《まさか、深海棲艦に!!》



スネーク「くっ………!!」



翔鶴「ァァ…………、ア…………、アアアァァァァァァァァァ!!!!!!」




ミラー《まずいぞ! 止めろ!!》



スネーク「翔鶴……、すまん………」CQC



翔鶴「ガァ………、ァァ………」STN



ミラー《………回収したいところだが、深海棲艦であれば受け入れるつもりはない。悔しいが、諦めてくれ》


スネーク「…………」












〜〜〜












ーー何ガ起キタノ…………?ーー









翔鶴………、すまん………。







ーー翔……鶴? 私ノ名前?ーー







スネーク「一応ヘリを手配してくれないか?」



スネーク「あぁ、それでーー」










ーーコノ声………、あァ……思イ出しタ…………ーー












ーーワタシハ…………ーー












ーーわたしは…………ーー
















ーーこの人を待っていたのね…………ーー



















〜〜〜























翔鶴「ボス……………」




スネーク「大丈夫か?」




翔鶴「9年間………、貴方を待っていました………」グスッ


スネーク「あぁ。待たせたな」


翔鶴「また、貴方と共に………、戦わせてください………」ポロポロ


スネーク「大丈夫だ。もう大丈夫だ」


パイロット《こちらピークォード、間もなくランディングゾーンに到着します》


スネーク「翔鶴、お前は先に俺たちの基地に戻ってくれ。ヘリを寄越す」


翔鶴「………はい」グスッ


パイロット《こちらピークォード、ランディングゾーンに到着》


ミラー《ターゲットをヘリに乗せろ》










Side Ops List Updated








ミラー《よし、回収した。念のため翔鶴は精密検査を受けさせる。結果は明石から聞いてくれ。ボス、トラック泊地の司令部へ向かってくれ》









第10話 惨劇の生存者 1 完
























第11話 静かなる暗殺者











ミラー《それにしても、翔鶴が深海棲艦に成りかけた理由……。一体なんだ?》


スネーク「さあな。しかし、武器を使わずに済んだのは幸いだな」


オセロット《そうだな。ボス、そろそろ目的地に着くはずだ》


叢雲《ボス、聞こえる?》


スネーク「あぁ、どうした?」


叢雲《そろそろ目的地に着くわ。私達はどうすればいいのかしら?》


スネーク「一応こっちでも深海棲艦に対処できる様にはなった。お前たちは泊地に停泊中の敵艦隊、主に哨戒中の奴らを一掃してくれ。こっちは陸から敵の首魁を狙おう」


叢雲《わかったわ。気をつけてね》


スネーク「あぁ、そっちもな」










〜〜〜











ミラー《目的地に着いたな。まずは偵察するんだ。双眼鏡を使え》


スネーク「わかってる」⊃双眼鏡⊂




ミラー《この泊地の首魁は、空母棲鬼だ。詳しいことは………》


スネーク「どうした?」


ミラー《…………すまん。何もわかっていない》


スネーク「何?!」



ミラー《何もわかっていない!!!》


スネーク「自慢げに言うことか?」


オセロット《本当に済まない………》


スネーク「本当なのか?」


ミラー《あぁ、本当だ!!!!》


スネーク「開き直るな、お前はまず謝れ」


ミラー《ごめんね…………》


スネーク「………お、おう。いいぞ………?」


叢雲《ちょっと! 三文芝居なんか要らないから!!》


大井《敵艦隊を発見したので潰しておきますね♪》


ミラー《あぁ……。あいつのあの口調は間違いなく怒ってるな…………》


オセロット《ボス、ターゲットは?》


スネーク「な、いない!?」





空母棲鬼「………………」






スネーク「いつの間に司令部の屋根に!?」







空母棲鬼→空母棲姫「………」








オセロット《姿を変えた!?》



ミラー《おい! 何だあの口のようなものは!?》


空母棲姫「………」ブオォォォォン


オセロット《奴め、艦載機を出しやがった》


スネーク「気をつけろ! 敵艦載機がそっちに行くぞ!!」


長門《艦載機!? 空母でも居たのか!》


スネーク「空母棲鬼と呼ばれるものだったそうだが、姿を変えた!!」


陸奥《あら、あらあら。もしかして空母棲姫かしら? 厄介ねぇ……》


スネーク「空母棲姫? 」


長門《空母棲鬼が進化したものと考えていいだろう。気をつけてくれ》


スネーク「……………」


空母棲姫「………」ダァン


オセロット《っ!? ボス、避けろ!!》


スネーク「なっ!? 」







ーーリフレックス・モードーー


















ドン!!!!!!









ミラー《ボス、無事か!?》


スネーク「あぁ、何とかな」


オセロット《地面が抉れるほどの高火力………。本当に空母か?》


スネーク「オセロット! 使える物をありったけ寄越せ!!」


オセロット《了解》







iDROID《Supply Drop》






オセロット《よし、行ったぞ!!》


スネーク「カズは艦隊、オセロットはこっちのバックアップを頼む!!」



ミラー・オセロット《了解!!》



スネーク「オセロット、ヘリを一機こちらに飛ばせるか?」


オセロット《用意できるのはピークォードだけだ。上空で待機しているが、翔鶴を乗せている。墜されれば翔鶴も巻き添えをくらうぞ!!》


パイロット《エイハブ! こちらピークォード!! あんたと話がしたいと翔鶴が!》


翔鶴《ボス、私もそちらに向かわせてください!》


スネーク「駄目だ。そんな身体で戦場に立たれては迷惑だ」


翔鶴《………なら、私の艦載機を使ってください。ヘリの機内から発艦させます》


ミラー《おい! ヘリを壊す気か!!》


翔鶴《お願いします!》


ミラー《駄目だ! 許可できん》


スネーク「………今ヘリはどこにいる?」


パイロット《現在、トラックの司令部直上で待機中です》


スネーク「わかった。許可する」


ミラー《おい、ボス! ………いや、わかった。やれ!》


翔鶴《五航戦翔鶴、航空隊全機発艦させます!! 攻撃機、随時発艦!! 続けて、爆撃機発艦準備!!》


スネーク「航空機を奴の直上に向かわせろ。挟撃する」


翔鶴《了解です》


スネーク「おいおい、スナイパーライフルか」


オセロット《生憎ミサイルは調整に手間取ってな、今はそれで間に合わせてくれ》


スネーク「………」スッ


空母棲姫「………」ダァン


スネーク「………っ!!」バッ






ドォンッ






オセロット《あいつ、中々の腕だな。的確にあんたを狙ってる。撃たれたら死ぬぞ、身を隠せ!》


スネーク「………」サッ


翔鶴《敵を捉えました!!》


スネーク「直上から一斉射撃、やれ!!」


翔鶴《わかりました!》


スネーク「………ふぅ…」スッ



翔鶴《爆撃機発艦! 行きます、攻撃隊全機突撃!!!》


スネーク「………」ダァン










空母棲姫「………!!」小破




スネーク「よし」






ババババババババン





空母棲姫「っ!!!」中破







翔鶴《続けて爆撃機、投下して!!》







ヒュゥゥゥ





空母棲姫「………!!!!」大破







空母棲姫→空母棲鬼




空母棲鬼「……………」バタン






翔鶴《敵、活動停止を確認しました》



ミラー《姿がまた変わった………?》


オセロット《やったのか?》


スネーク「………」スタスタ


ミラー《お、おい! ボス!!》


オセロット《ボス、危険だ! 下がれ!!》


ミラー《ボス! ボス!!!》


オセロット《ボス! 応答しろ!》


ミラー《くっ、翔鶴! ボスの周囲に艦載機を展開! ボスの安全を確認しろ!!》


翔鶴《は、はい!!》











この時、なぜ奴のもとに近づいたのか俺自身も分からない。だが俺の中で何かが突き動かした気がした。





そしてなぜか俺は、奴をそのままにしておけなかった………。












第11話 静かなる暗殺者 完











第12話 住処なき恐怖











ーー何故、私ハコンナトコロ居ル?ーー





スネーク「叢雲達は? あぁそうか」






ーー何故、私ハコノ人間ニ捕マッテイル?ーー







スネーク「大丈夫か? 翔鶴」


翔鶴「えぇ、何とか。でもーー」









ーー何故私ハコノ人間ヲ恐レル?ーー







翔鶴「しかし、宜しいのでしょうか? 深海棲艦を捕獲するなど……」


スネーク「…………」







ーー何故コノ人間トイルト、頭ガ痛ムノダ?ーー






ーー何故コノ人間ハ、私ノ意識ヲコンナニ乱ス?ーー







ーー何ナノダ、コノ人間ハ?ーー















パイロット「ボス、後方に機影あり。追尾されています」


スネーク「敵か?」


ミラー《俺たちの居場所を知られるな!》


パイロット「了解。回避します……」


パイロット「っ!! 後方からミサイルです!!」


スネーク「フレア!!」






パシュ






ドカン!!!!!










パイロット《も、もう一発来ます!!》








パシュ






パイロット「LGM!? 駄目です! 回避行動に移ります」


スネーク「くっ………、掴まってろ!!」


翔鶴「は、はい!! キャッ!!!」


スネーク「お前も掴まれ!! おわっ!!」ガタン







ーー何故コノ人間ハ敵デアル私ヲ気遣ウ?ーー





スネーク「奴を墜とすしかないか……」







ーー深海棲艦デアル私ハ、アンナ物デ死ヌコトハナイーー








スネーク「くっ………」ダンッ ガタン





ーー深海棲艦ノ私ニ恐レヲ抱クコトナドナイ。マシテヤ死ヌコトニ躊躇イモナイーー
















ーーダガ私ハ………ーー














ーーコノ人間ニ死ナレルコトガ、私ハ恐ロシイ!!ーー















翔鶴「貴女! 何を!!」


空母棲姫「……………」機銃構え





ダダダダ………





ドカン





カラカラカラ………




スネーク「お前…………!?」





ーー私ハ、何トシテモコノ人間ヲ助ケタイ………!!ーー






キィーン…………







スネーク「あれか………」チラッ





空母棲姫「」コクッ






スネーク「おい、あの戦闘機の動きを逐一報告しろ!」機銃構え


パイロット「了解」










空母棲鬼→空母棲姫









翔鶴「姿を変えた………!?」








パイロット「敵のミサイル発射を確認!」







ダダダダ…………







ドカン







空母棲姫「」ブオォォォォン







翔鶴「いとも簡単に艦載機を………!? 」







ーーフン、コノ位ハ出来テ当然ダーー






スネーク「(さて、どうやって奴を墜とすのか…………)」








ーー私ノ艦載機デハ、悔シイガ、アレニハ追イツケナイーー









ーーナラ、スレ違イ様ニ人間ヲ撃ッテシマエバーー







バババババ…………







グアッ!!!!!








翔鶴「操縦士を撃った!?」


パイロット「敵戦闘機、墜ちます!」









バシャーンッ ドゴン











スネーク「ふぅ………」



翔鶴「(すごい……、完璧とも言える艦載機の扱い………。それもたった一機で……。この深海棲艦は一体……)」







空母棲姫→空母棲鬼







ーー…………フンッーー












〜〜〜














ヘリ機内 ラバウル基地上空









翔鶴「こ、ここは………?」


スネーク「俺たちの基地だ。まぁ、間借りしたようなものだがな」




ガララ………ダンッ!!!




ーー何故ダ、私ハココニ見覚エガアル………ーー




翔鶴「と言うことは、また9年前のように?」


スネーク「あぁ。まあな」


翔鶴「そうですか……」







ブロロロロロ…………




翔鶴「っ! ボス!!!」


スネーク「どうした?」






DD兵「………」スナイパー構え





翔鶴「ヘリに囲まれてます……。それに、銃を私たちに………!!」








ーーナルホド、私ガ狙イカ……ーー スタッ




スネーク「下がってろ」サッ






翔鶴「ボス、一体これは………?」


スネーク「警戒しているな……。恐らく、俺の気が触れたとでも思っているんだろう」






ーーマァ、当然ダロウナ。私ヲ受ケ入レルナド、正気トハ思ワナイダロウーー







ミラー《駄目だ!! その化物は受け入れられない!!!》




ミラー《ボス!! そいつは深海棲艦だ。そして、サイファーの手先だ!!!!》





空母棲鬼「」チラッ







バッ!!!!







スネーク「お、おい!!」




瑞鶴「ここから飛び降りたら………!!」














ラバウル基地 司令部











ダンッ!!!!!














空母棲鬼「」スッ





DD兵「ムーブ!!!」







空母棲鬼→空母棲姫










DD兵「回り込め!!!」




オセロット「捕まえろ!」





ーーホゥ、私ヲ怖レナイカ。私ガ聞イタ人間共トハ大違イダナーー




ミラー「撃て!」スタスタ





オセロット「ミラー。こいつはボスを助けた」


ミラー「自分が助かりたかっただけだ。撃て!」


DD兵「…………」スッ







ーー私ヲ殺スナド、無理ナ事ダーー







スネーク「独房に入れろ!!」




ミラー「なっ、ボス!!」


スネーク「監視役をつけろ。奴から目を離すな」


オセロット「よし、連れて行け!」






ーーフン、私ガ従ウトデモ思ッテイルノカ?ーー








オセロット「どうした! 早くしろ!!」






スネーク「……………」スッ







空母棲姫→空母棲鬼










空母棲鬼「…………」チラッ







スネーク「…………」コクッ






空母棲鬼「…………」プイッ








スタスタスタ……………







ミラー「ボス! 取り返しのつかないことになるぞ!! あいつはーー」



スネーク「そうだ。奴はこの場所を知った。いずれにせよ、いつかは殺すことになる」


スネーク「だがまだだ。今じゃない」


スネーク「その時は……」








































スネーク「俺がやる」

























第12話 住処なき恐怖 完
















第13話 沈黙の鬼







ミラー「ボス、何であいつを連れて帰った!!


ミラー「今まで、あんたの言葉にはなるべく従ってきたつもりだ。だが今回のことだけは、俺は納得できん」


ミラー「ボス、奴を大破まで追い込んで動きを止めた時、俺は何度もあんたに声をかけた。だがあんたはそれに答えず、奴の元に駆け寄ってヘリで回収した!」


ミラー「教えてくれボス! あんたは何であいつを連れ帰ったんだ!?」


オセロット「落ち着けミラー。確かに思うところはあるが、奴を連れて帰ったことは、後々俺たちにとってサイファーより優位に立つ材料になる」


オセロット「それに、奴は俺たちに敵意を向けていない」


ミラー「だが俺は………。っ!! ボス! 答えてくれ! あんたは何のつもりで奴を受け入れようとした!!」



スネーク「……………奴の様子は?」


オセロット「あぁ。大人しいようだ」


スネーク「……………俺が何を言っても、お前たちは信じるか?」


ミラー「一体何を……。あぁ、信じるさ」


オセロット「もちろんだ」


スネーク「俺は………」





































スネーク「以前、奴に会った事がある気がするんだ」



ミラー「えっ!?」


オセロット「…………?」



スネーク「何故かわからんが、そんな気がするんだ。だが、いつ会ったのか、どこで会ったのかが分からない。思い出そうとしているんだがな………」


ミラー「お、おう…………」


オセロット「ボス………、ちょっといいか?」


スネーク「あ、あぁ………」








オセロット「おいミラー、ボスは一体どうしたんだ?」ヒソヒソ


ミラー「俺にもわからん。未だに夢か幻でも見ているんじゃ………」ヒソヒソ


オセロット「まぁ、ボスは元々変わっているというかそういう所があるからなぁ………」ヒソヒソ


スネーク「おい、オセロット」


オセロット「っ!! ど、どうした、ボス?!」


スネーク「聞こえてるぞ」


オセロット「…………」


スネーク「はぁ………。まあいい。奴の独房に行ってくる」


オセロット「ボス、俺も行こう。万が一に、何かあってからじゃ遅いからな」


ミラー「おい待て! くっ………、俺は絶対に認めないからな!!」
















ラバウル基地内 独房








ーー1ツ、気ニナッテイターー





ーー私ハ何故カ、言葉ヲ使ウ事ニ躊躇イヤ戸惑イヲ感ジル。話ス事ガ出来ナイワケデハナイーー









スネーク「さぼっていないな?」


DD兵「ぼ、ボス!! 決してその様な事は………!!」


スネーク「冗談だ。ほら、差し入れだ」


DD兵「こ、光栄でございます!!」


オセロット「さて、こいつの事だが………」














ーー特ニコノ男、周リカラ『ボス』ト呼バレテイルコノ男ト言葉ヲ交ワス事ヲ私ハ躊躇ウ。イヤ、怖レテイル?ーー






ーー何ナノダコノ人間ハ………ーー









ーーナゼ私ハ…………ーー













オセロット「わかっていることは2つだ」


オセロット「1つは、こいつが深海棲艦であること。元来俺たちの復讐の矛先であり、俺たちの敵だ」


オセロット「2つ目は、何も語らないこと。詳しくは分からないが、元々深海棲艦の中でも、人の形を持つ種類は言葉を交わすことができる奴がが居るらしい」


スネーク「ほう。ならこいつは?」


オセロット「叢雲や大井に聞いた所、空母棲鬼は言葉を交わすことができる。だがこいつは何も語らない。正に『沈黙の鬼』という訳だ」


スネーク「沈黙の鬼ねぇ………」


オセロット「復讐の鬼と沈黙の鬼。案外良いバディになるかもしれんぞ?」


スネーク「おい、オセロット」


オセロット「悪かった。そう気を悪くするなスネーク」



オセロット「まぁ、今は俺たちが出来ることをするしかない」


スネーク「そうだな」


オセロット「済まないがボス、先に行ってくれ。俺は少し用がある」


スネーク「あぁ。分かった」




空母棲鬼「…………」プイッ


オセロット「あんたに頼みがある」


空母棲鬼「…………?」


オセロット「あんたの力を俺たちに、ボスに貸して欲しい」


空母棲鬼「…………」


オセロット「手始めと言ってはなんだが、お前たち深海棲艦を知るために、いろいろと検査をさせて欲しい」


空母棲鬼「…………」チラッ


オセロット「もし承諾してくれるなら、何か行動で示してくれないか?」


空母棲鬼「…………」



























コクッ





オセロット「感謝する。詳しいことはまた追って話をする」


空母棲鬼「…………」


オセロット「しっかりと見張ってろよ」


DD兵「はっ!!!」ビシッ








ーー私ガ敵ヲ助ケルトハナ……ーー







ーーダガ、アノ男ノ為ナラバ悪イ気ハシナイナ……ーー












第13話 沈黙の鬼 完















第14話 対する意識









ミラー「ボス、たった今、トラック泊地に人員を配置した。これで、作戦展開地域への中継地点としても使える」


スネーク「ありがたいな」


オセロット「全くだ。そこで一つ提案なんだが、もっと拠点を広げておくべきだと考えている」


ミラー「それには同感だ。ボス、どうだろう?」


スネーク「それは、またトラックの様にかつての基地を占領すると?」


オセロット「そうだ。それしか道はない」


スネーク「なら、何処を圧える?」


ミラー「それなんだが、ここラバウル基地の近くにある、ブイン基地、並びにショートランド泊地を圧えるのが良いと思っている」


オセロット「まだ先の話になるだろうが、ショートランドを奪えれば、後顧の憂がなくなる。その後はトラックを足がかりに、西方へと軍を進めようと考えている」


スネーク「勝算はあるのか?」


ミラー「ダイヤモンド・ドッグズの兵力は申し分ないんだが、艦娘の数が少なすぎる。深海棲艦に圧さえられているんだ。彼女らの力が必要になる。増やすことも出来なくはないが………」


スネーク「どうした?」


ミラー「………スネーク、9年前に俺たちの元にいた艦娘が今どうなっているか知っているか?」


スネーク「ふざけているのか?」


ミラー「真面目な話だ」


スネーク「………殆どが轟沈、生き残った者でも残党狩りに遭って数少ない。そんな中で確認したのは俺たちの元にいる連中だ」


ミラー「実は、確証はない。あくまで俺の予想なんだが、あの時に居た殆どの艦娘が生存しているかもしれないんだ」


スネーク「何?」


ミラー「艦娘は、同じ個体は存在することはない。『叢雲』という艦娘、『大井』という艦娘。2人以上は存在しない。もし同じ艦娘に会うことがあれば、それは今まで会った事のある奴が轟沈したという事だ」


スネーク「つまり、同じ艦娘は2人以上存在せず、もし2人目と会ったなら1人目が存在していないという事か?」


ミラー「そうだ。そしてかつての俺たちと共にいた艦娘全員、9年経った今でも日本海軍の基地、鎮守府には着任していない。それはつまり………」


スネーク「ここにいる連中の様に、何処かを流浪している可能性があると?」


ミラー「そういう事になる」


スネーク「なるほどな。しかし、お前はどうやってそんな情報を?」


ミラー「……………」


ミラー「……9年、俺たちの元に居た1人の艦娘から聞いた話だ」


スネーク「ほう」


ミラー「…………」


オセロット「どうかしたのか、ミラー?」


ミラー「いや、気にするな。とにかく、諜報班を使ってなるべく生き残りを見つけると共に、こっちでも艦娘の建造を行ってみよう」


スネーク「わかった。なら、何かあったら伝えてくれ」


ミラー「あぁ。わかってるさ、ボス」






ガチャ バタン







オセロット「おいミラー、さっきからどうした? 暗いぞ?」


ミラー「…………ボスの後遺症、ここで発現するとはな」


オセロット「何?」


ミラー「さっきの話を俺たちに教えた艦娘がいると話しただろう?」


オセロット「あぁ、確かに」


ミラー「その艦娘は、当時30人もいた艦娘の中でボスが重用した奴の1人だ。俺が覚えていて、ボスが忘れる筈がない」


オセロット「ボスの後遺症は、何処まで知っている?」


ミラー「幻視と記憶破壊………と聞いているが」


オセロット「あぁ。記憶破壊は、医者が最も恐れた最悪の展開だ」


ミラー「どういう事だ?」


オセロット「記憶破壊が起こる確率は低いと踏んでいた。それこそ、1/1000で表すくらいの確率だ」


ミラー「ボス…………」









第14話 対する意識 完















第14.5話 教導








ヘリ機内





ミラー《ボス、そっちはどうだ?》


スネーク「問題ない」


ミラー《すまないな。ボスに捜索を任せてしまって》


スネーク「気にするな。で、そっちは?」


ミラー《あぁ。あんたの指令通り、何隻か建造してみたんだが……》


スネーク「何か問題が?」


ミラー《ほんの数時間前に話したばかりなんだが、生き残りの件だ》


スネーク「まさか……」


ミラー《そのまさかだ。6隻建造した中で、5隻がかつての仲間だった……》


スネーク「で? そいつらは?」


ミラー《あぁ。吹雪、睦月、夕立、雪風、島風……》


スネーク「ちょっと待て!! 強運にも程があるぞ!?」


ミラー《何を言ってるんだ? ボス?》


スネーク「………いや、何でもない。それで、6人目は?」


ミラー《あぁ、ボスが戻ってきたら正式に紹介する。練習巡洋艦の香取だ》


スネーク「練習巡洋艦……、大井と同じ艦種か」


大井《…………》


ミラー《ボス、大井は練習巡洋艦としての時期があっただけで、本来は軽巡洋艦だ》


スネーク「そうなのか!?」


ミラー《……ボス、本気で思ってたのか?》


スネーク「あぁ………」


大井《帰ってきたら覚えてなさいよ……》ボソッ


スネーク「なら大丈夫だな。絶対忘れてる」ボソッ


大井《何か言いました?》


スネーク「いや、何も」


ミラー《ボス、新しく来た駆逐艦に教導役をつけようと思っているんだが》


スネーク「なら大井にやらせとけ」


大井《はぁ!? ちゃんとした練習巡洋艦がいるんだからそっちにやらせればいいでしょう!?》


ミラー《ベテランが新人に教えることは至極一般的な事だろう?》


大井《だったら戦艦の人達に頼めばいいじゃないですか?》


ミラー《戦艦に魚雷は撃てない》


大井《うぐっ………。な、なら叢雲にでもーー》


ミラー《駆逐艦にとって重要な雷撃に於いて、お前以上に魚雷の扱いに長けた奴はうちにいない。それに練習巡洋艦としての経験があるんだ。あんた以外に適任はいない》


大井《嫌ですよ、第一私は北上さんとーー》


ミラー《うちに北上は居ない》


大井《うっ………》


ミラー《というか、何でそんなに拒むんだ? いつもやっている事だろう?》


大井《………わかりましたよ、やればいいんでしょ!?》


ミラー《よし、なら決まりだな》


オセロット《軽いコントも済んだところで、ボス、偶にはシャワーでも浴びたらどうだ?》


スネーク「そうだな。ならそっちに戻るぞ」


オセロット《わかった。待ってるぞ》















ラバウル基地











スネーク「訓練中か?」





DD兵1「」バンッ




DD兵2「」バンバンッ




DD兵3「」バババンッ





オセロット「もう一度!」









DD兵3「」スッ






ババンカチッ






DD兵3「あれっ!?」カチッ カチッ





オセロット「貸してみろ」





DD兵3「はっ!」スッ





オセロット「西部劇でも観たか?」





スネーク「(お前が言うのか……)」




オセロット「こいつはオートマティックだ。反動(リコイル)を流す撃ち方は向いていない。どちらかと言えば、リボルバー向きだ」


スネーク「(ん? 何処かで聞いたような………)」


オセロット「ダイヤモンド・ドッグズは、最早かなりの規模になった。人員、武器だけでなく艦娘という戦力も擁していて、世界中が注目している」


オセロット「愚連隊紛いの行動は、他所でやってくれ」


オセロット「いいか、正しい戦技、武器の選択を身につけろ。スクリーンで観た、あらゆる事を忘れるんだ」


スネーク「(だからお前が言うな)」


オセロット「今回はお咎めなしとするが、今後おかしな振る舞いを見せたら、見逃さん。ほら」


DD兵3「はっ! 申し訳ありませんでした」


オセロット「こんな彫刻には、何の戦術優位性も無い。だが、早撃ちは見事だった」











オセロット「いいセンスだ」











DD兵3「っ! ありがとうございます!!」






オセロット「 ………」


スネーク「(そうか、あの時の………)」


オセロット「 っ! 聞いていたのか!?」


スネーク「あぁ、まあな」


オセロット「………」スタスタ


スネーク「あっ、おい!!」


スネーク「………まぁいいか」





「〜〜〜〜!!」



「〜〜〜〜〜?」



「〜〜!」







スネーク「何やってんだ?」チラッ






大井「いい? 私達軽巡や駆逐艦は、戦艦にも空母にも持っていないある物を持っているわ。何かわかる?」


吹雪「はい! 低燃費で応用が利くところだと思います!!」


島風「速さでしょ! 私には誰も追いつけないよ!!」


大井「そうね。どれも間違ってはいないわ。でも一番の強みは、魚雷を撃てることよ」




スネーク「(何やかんやでしっかりやってるじゃないか)」



叢雲「あら? おかえり、ボス」


大井「あら? お帰りなさい。紹介するわ、ここの提督よ。皆はボスって呼ぶけどね」


駆逐艦's「よろしくお願いします(っぽい)!!!」


スネーク「………あぁ、よろしく」


大井「はいはい! 続きを始めますよ!」


駆逐艦's「はーい(ぽーい)!!」


叢雲「大井さん、これでいいかしら?」


大井「ええ。ありがとう」


スネーク「それは?」


叢雲「まぁ、大まかに言えば教科書みたいなものね。実戦や演習で覚えるのが基本だけど、大井さんはまず座学で覚えさせるやり方をするみたいね」


スネーク「ほう。なるほどな……。大井、少し見学していても良いか?」


大井「ええ。構いませんよ」


叢雲「なら私も」


香取「では私も」


スネーク「………あぁ、お前が香取だな?」


香取「はい。私、練習巡洋艦の香取と申します」


スネーク「あぁ、よろしく。しかし、何故またここに?」


香取「大井さんは私にとって大先輩にあたるお方ですから。ひとつ、教えを賜りたいと思いまして」


スネーク「もうあいつ練習巡洋艦でいいだろ………」


大井「いい? まず魚雷についてだけど、細かいことは省くわ。みんな分かってるみたいだし」


スネーク「座学だろう? そんなので良いのか?」


叢雲「いや、それ位は私たちにとっては常識よ? 」


スネーク「あぁ、そう……」


大井「ここでは魚雷を撃つ事について詳しく話していくわね。皆には後で外へ出て貰って、演習を行うわ」


スネーク「雷撃訓練か?」


大井「その時に役立つ情報を教えるわ。まず、魚雷は推進力が有るけれど必ず直進するとは限らないわ。私たちの使う魚雷は撃ったら打ちっ放しになる。ボールを投げてもずっと真っ直ぐ飛ぶ事はないでしょう? 必ず推力は衰えるし、僅かだけれど風の影響を受けるわ」


香取「なるほど…」


大井「今は無理して覚える事はないけれど、実戦になったらそこまで気を回す必要があるわ」


吹雪「魚雷に抵抗を与えるものがあるんですか?」


大井「あら? 私たちにだって少なからず抵抗を受けるわよ?」


島風「でもでも、私はそんなものに負けないよ? だって早いもん!!」


大井「分からない? 出撃したら必ず遭遇するし、私達にはどうする事もできない相手がいるわよ?」


夕立「羅針盤っぽい?」


大井「………うん、あながち間違ってはいないけれど。なら貴女達の大先輩に聞いてみます?」


叢雲「………えっ? 私!?」


大井「さぁ、どうぞ」


叢雲「え………えーっと………」


大井「………ちなみに間違えたら後で雷撃訓練の的になってもらいます」


叢雲「………」


スネーク「おい、止めてやれって」


大井「答えられない場合はボスが的になってもらいます」


叢雲「………ごめんなさい、わかりません」


スネーク「ちょっ!? 」


大井「では先ほどの言葉通り、魚雷、撃ちますね♪。私言いましたよね? 帰って来たら覚えてなさいよって」


スネーク「げっ……、覚えてやがった……」



大井「では、覚悟してください♪」


スネーク「ま、まて! 仲間に武器を向けるな! 話せばわかる! 馬鹿な真似はよせ!」


大井「ええ。分かってますよ♪ だから沈んでください」


スネーク「埋没!? 殺す気か!」


大井「あぁ……、どれほどこの時を待ち望んだ事でしょう」


スネーク「おい! 新人が置き去りになってるだろ! ちゃんと講義しろ!」


大井「じゃあ、今から実技訓練にします♪」


スネーク「うおぉぉぉぉい!!!!」


大井「なーんて、冗談ですよ♪」


スネーク「じょ、冗談?」


大井「建物壊すわけにはいかないでしょう? さぁ、外で演習ですよ〜!」


駆逐艦's「は、はーい(ぽーい)………」







大井曰く、始めは真面目に講義を行うつもりだったらしいが、ボスに練習巡洋艦扱いされたことが相当頭にきていたんだろうな。絶対見返してやろうとしたらしい。流石にあれはやり過ぎだが。まぁ、ボスはその事に始めから気付いていたらしく、訓練はしっかりやってくれたようで心強い戦力が増えたのは喜ばしいがな。


そしてこの一件以来、大井は駆逐艦たちに避けられるようになったらしい。何でも上官に対して魚雷をぶっ放すイカれた教官として「Psycho Instructor (サイコ・インストラクター) なんて通り名が付いたらしいが………。


まぁ、それはボスが何とか仲裁してその渾名は使われなくなったらしいがな。その代わり、大井がキレる様な行動を『大井スイッチ』なんて呼ぶ様になったらしいが、多分この文章も大井スイッチ………おっと、誰か来たようだ。




ーーミラーの手記より一部抜粋














第14.5話 教導 完















第15話 惨劇の生存者 2 (第一次ソロモン海戦)












ミラー「ボス、付け焼き刃ではあるが、新しく入った駆逐艦をなんとか鍛え上げた。大井が何やかんやで1週間で済ませた」


スネーク「1週間で!? 流石に早いな」


ミラー「驚くのはまだ早い。今回攻略するブイン基地ならびにショートランド泊地へは、ソロモン海を横断する形になる。そこでだ、ソロモン海を彷徨う艦影を諜報班が確認した。9年前の生き残りだろう」


スネーク「そいつが誰かわからないのか?」


オセロット「一応戦艦であることは確認できた。あんたが兵士を集めてくれた事で、諜報班の練度も上がってきている」


スネーク「おれは何もしちゃいない」


ミラー「いや、あんたが居てくれるだけで俺たちも、他のスタッフも心強いんだ」


叢雲「もちろん、私達もね」


スネーク「それで、そいつを回収しろと?」


叢雲「(あれ? 無視?!)」


ミラー「あぁ、そうだ。作戦は追って伝える。ボス、頼んだぞ」


スネーク「あぁ、わかった」











ヘリ機内 ソロモン海上空






ミラー《ボス、9年前の生き残りである艦娘を回収してくれ。ターゲットは、ソロモン海を彷徨っていて、かなり疲弊していると思われる》


スネーク「しかし、どうやって回収すればいい? 相手は海の上だ」


オセロット《翔鶴の前例があるからな……。そこを踏まえて行動に移すようにしてくれ》


ミラー《ボス、ターゲットが移動した。ターゲットは南に進路を変えているようだ》


スネーク「南? 何かあるのか?」


オセロット《少し待ってくれ…………あった! 『ウッドラーク島』という島がある》


スネーク「陸に上がったところで回収すればいいな?」


ミラー《よし、今回はその作戦でいこう》


スネーク「いや、待て。一応島を包囲しろ。その為に、艦隊を一つ使わせてくれ」


ミラー《了解。ならブイン基地襲撃に用いるつもりだったが、第1艦隊が近海で航行中だ。そっちに向かわせる。ボスはそのままウッドラーク島に向かってくれ》


スネーク「わかった。ウッドラーク島に向かうぞ!」


パイロット《了解! 航路変更、進路をウッドラーク島に変更します》








〜〜〜










ーーアハハ………、妹たちを何とかEscapeさせまシタケド……ーー








ーーそろそろ私もダメみたいネ………ーー








ーーあぁ………私、ヴァルハラに逝くのかナ……?ーー










ーー私、このまま死んじゃうのかナ……?ーー











ーー暗い………、寒い…………、淋シイ…………ーー













ーーデモ……どうセ死んでシマウなラ…………ーー











ーー何モカモヲ沈メテカラデモ、遅クハ無イワヨネェ……ーー








〜〜〜









ミラー《あいつは………金剛だな。優秀な戦艦だった。何として回収してやってくれ!》


スネーク「金剛……」


ミラー《どうした? ボス》


スネーク「……わかった」


ミラー《ボス………》


オセロット《おい待て!! あいつ、深海棲艦になってるぞ!!!》




金剛「アハッ! アハハハハ!!!」ダァン ダァン


金剛「ネェ………、モット、モット楽シイコト………、シマショウヨォ!! アッハハハハハハ!!!」ダァン ダァン


スネーク「くっ!!」


オセロット《あいつ、自我を失ってるな。黙らせてみるか?》


スネーク「翔鶴みたいにか? そうしたいがな、砲撃が見境ない。スナイパーで狙ってみるか………」


オセロット《それでも構わんが、その銃は実弾だという事を忘れないでくれよ?》


長門《ボス、第1艦隊だ。島の包囲を完了した。今の所、敵は目視できない。念のため、水上機を発艦させる》


スネーク「わかった。気をつけろよ」




金剛「アハハハハハハハハハ……………。ウプッ………ゴホッ!!!」


スネーク「なっ!?」


金剛「チョット、待つネ……。勝手な事は……、させないワ……!!!」


金剛「ナニヨォ……、アナタダッテ少シハ楽シソウトカ思ッタンデショォ〜?」


金剛「寝言は、寝てから言って、クダサイ………!!」


金剛「ゴメンナサイネェ〜、私タチニハ睡眠ナンテ物ハナイノヨ〜。ダ・カ・ラ、ソノ言葉、ソノママ返スワネッ!!!!」


金剛「あ……あぁ!! いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

「アハハ!! ソノママ眠ッテナサイヨ!! 私ガアナタヲ変エテアゲルカラサァ〜!! アッハハハハハハ!!!!!」


ミラー《ボス! 手遅れになる前に急げ!!!》


スネーク「くそっ!!」CQC


金剛「ア………、アハハ………」ガクッ


スネーク「……………」パシッ









〜〜〜








ーー誰デスカ? 私の手を握っているのは?ーー








安心しろ、大丈夫だ。











ーーあぁ………、ボス……。ボスが………生きてた………!!ーー











ーーまた………ボスに助けて貰ったネ………ーー














ーーナーンダ。テッキリ淋シソウニシテイタカラ、『代ワッテ』アゲヨウト思ッタンダケド………ーー







ーーNo problemネ。まだまだEnjoyしたいネ!!ーー









ーーフフッ。ナラ精々楽シンデキナサイヨ、金剛?ーー











ーーOf course. Youも元気でネ!!ーー










ーーマッタク、敵ヲ気遣ウナンテ………。『私』ラシイワネ………ーー















金剛「う、うーん………」


スネーク「大丈夫か? 金剛」


金剛「ボスが……私を助けてくれたノ?」


スネーク「まぁ、な」


金剛「……………私、夢(Phantom)を見ていた気がしマース。怖くて、苦しくて、悲しくて………」


金剛「デモ、何だか温かい気持ちになれる夢だったネ」


スネーク「そうか………」


パイロット《こちらピークォード。間も無くランディングゾーンに到着》


金剛「ボス、また私と一緒に………」


スネーク「あぁ。また、戦ってくれるか?」


金剛「勿論ネ! 私もVery Happyネ!」


スネーク「よし、なら帰ろう。9年前と場所は違うがな」






パイロット《こちらピークォード。ランディングゾーンに到着!!》


ミラー《ボス、金剛に検査を受けさせたい。それに、第1艦隊の補給もして置きたくてな。一旦ラバウルまで戻ってきてくれ》














第15話 惨劇の生存者 2 (第一次ソロモン海戦) 完
















第16話 ブイン基地強襲 (第二次ソロモン海戦)










ミラー《ボス、大丈夫か?》


スネーク「あぁ、大事ない」


オセロット《あんたが出てから直ぐ、艦隊を出撃させた。そろそろ着く頃だと思うが……》


長門《こちら第1艦隊。旗艦の長門だ》


スネーク「聞こえてるよ。良好だ」


長門《第1艦隊には私、長門と陸奥。翔鶴と大井と雪風、島風が編入されている》


スネーク「翔鶴!? もう出しても大丈夫なのか?」


ミラー《あぁ。検査の結果、特に異常は見られなかった。病み上がりではあるが、本人たっての希望という事で本作戦に参加してもらった》


スネーク「空母が居てくれれば索敵も楽になるからな。それはありがたい」


ミラー《そうだな。そして今回は第2艦隊を用いるが、支援艦隊として出撃させた》


スネーク「支援艦隊?」


ミラー《実際に戦地へ赴き、実働部隊の支援を行う艦隊だ。今回は主に駆逐艦を中心とした編成になっている。よって、第1艦隊から少し離れた所より雷撃を行う『支援長距離雷撃』を行う》


スネーク「ほう。それで、編成は?」


ミラー《第2艦隊は叢雲を旗艦とした駆逐艦隊で運用する》


叢雲《言って置くけど、あまり期待しないでよね。遠距離からの雷撃は中々当たらないし、ましてや駆逐艦の攻撃よ? たいしてダメージは与えられないわ》


スネーク「大丈夫だ。それでも十分心強い。ところで、金剛はどうした?」


ミラー《あぁ。少し休ませている。検査はその後だ》


パイロット《間も無く、ブイン基地に到着します》


ミラー《よし、では今回の作戦についてもう一度まとめよう。まずは島を哨戒している深海棲艦を、第1艦隊が撃破しながら基地を目指す。第2艦隊は第1艦隊と行動を共にして、支援を行ってくれ》


ミラー《ボスはいつも通りにしてくれて構わない。だが、第2艦隊には隠密行動をとらせたい。駆逐艦しかいない第2艦隊は、敵に見つかればかなり危険だからな。大丈夫か?》


スネーク「あぁ、わかった」


長門《こっちも問題ない》


叢雲《私たちも大丈夫よ》


ミラー《俺たちダイヤモンド・ドッグズの第一歩と言ってもいい作戦だ。必ず成功させるぞ》


スネーク「あぁ。カズ、頼むぞ」


ミラー《了解。任せてくれ》


パイロット《到着しました。どうかお気をつけて、ボス!!》









〜〜〜










スネーク「こちらスネーク、ブイン基地に到着」


ミラー《予定通りだ。第1艦隊が敵艦隊と交戦中。支援艦隊も順調だ》


スネーク「なら、俺は基地の偵察でもするか。後方から挟撃でもするか?」


オセロット《諜報班のおかげで、少しは敵の動きを掴めている。が、あんたに任せる》


ミラー《っ! ボス、緊急事態だ!! 支援艦隊が敵艦隊に捕捉された!!

急いでヘリに乗って、援護に向かってくれ》


スネーク「わかった。よし、出せ!」


パイロット《目的地に向かいます!!》


ミラー《第1艦隊! 第2艦隊が敵に見つかった! ボスが援護に向かっている。お前たちはそのままブイン基地を目指せ!!》


長門《了解した! 大丈夫なのか!?》


スネーク「大丈夫だ。カズ、位置は把握できているのか?」


ミラー《最後に連絡があったのはブカ島付近だが、敵から逃れる為に移動しているはずだ。そちらで確認してもらう以外に方法がない》


スネーク「無線で位置が掴めるなら、こちらからかけてみてはどうだ?」


ミラー《さっきからそうしているんだが、応答しない。無線を切っているだけなら良いんだが………》


スネーク「考えるのは後だ。見つかったか?」


パイロット《駄目です、見つかりません》


スネーク「くっ………、どこだ?」


パイロット《………居ました!! 10時の方向、照明弾です! 向かいます!!》


スネーク「よし!」









〜〜〜












スネーク「ヘリの高度を下げろ!」


パイロット《了解!》


叢雲「ボス!!」


スネーク「おい! 無線機はどうした!?」


叢雲「敵に行動を掴まれないように切っただけよ。いま繋げるわ!」


ミラー《よし、繋がった! 叢雲、ボスがそっちに合流する。無事か?》


叢雲《えぇ、無事よ。ボスも合流したわ。このまま第1艦隊と協同して挟撃をかけるわ》


ミラー《無線の暗号強度を少し上げる。確認してくれ》


叢雲《………感度良好、ノイズも無いわ》


ミラー《よし、ボスに無線をかけろ》


スネーク「こちらスネーク。聞こえるか?」


叢雲《大丈夫よ。ごめんなさい、期待に応えられなくて………》


スネーク「話はこれが終わってからだ。ともかく今はブイン基地に向かうぞ!」


パイロット《深海棲艦が接近しています! 2時の方向です!》


スネーク「わかった。2時の方向から深海棲艦が接近。対処にうつるぞ」


叢雲《了解。私たちはどうすればいいかしら?》


スネーク「俺がヘリから航空支援を行う。お前たちはいつも通りにやってくれて構わない」


叢雲《ヘリで!? 大丈夫なの!?》


スネーク「お前……、9年前に俺が何やったか位覚えているだろ?」


叢雲《そ、それは………》


スネーク「任せておけ。それと、ヘリからも爆撃を行う。あまり敵に近づきすぎるなよ」


叢雲《了解……》





吹雪「あの、叢雲ちゃん? ボスが9年前にやったことって………」


夕立「何かいかがわしい匂いがするっぽい……」


叢雲「べ、別にそんなことじゃないわよ!」


睦月「むきになるところがあやしいのね!」


叢雲「だから違うって! ……まあ、信じてくれるかはわからないけど……」


叢雲「ヘリから銃を撃って、浮遊要塞とヲ級の艦載機を墜としたことがあるのよね……」


駆逐艦「えっ!?」


吹雪「でも、一回か二回でしょ?」


叢雲「……………9割」


夕立「9割………。ほぼ撃ち落としたっぽい!?」


睦月「お……、恐ろしいにゃあ……」


吹雪「ボスが味方でよかった………」


叢雲「本当よね………。敵だったら戦艦級のフラグシップより恐ろしいわ……」


スネーク《おい、敵がそっちに向かったぞ》


叢雲「わかったわ。数はどの位なの?」


スネーク《全部で6隻いたが、駆逐艦を2隻沈めた。空母の艦載機も撃ち墜として、向こうの制空権は無いに等しい。一気に片付けてくれ》


叢雲「り、了解……」


吹雪「どうしたの?」


叢雲「ボスが空母の艦載機を全部堕としてこちら側が制空権を確保したらしいわ………」


睦月「…………」


叢雲「あと、駆逐艦を沈めておいたって………」


吹雪「私たち、必要なのかな……?」


夕立「『ソロモンの悪夢』、ボスに譲るっぽい……」


叢雲「まぁ……、私たちはできることをやりましょう?」


駆逐艦「了解………」









スネーク「カズ、そっちはどうだ?」


ミラー《第1艦隊が敵主力と交戦中だ。戦況は………五分五分と言ったところだな》


スネーク「そうか。叢雲の方は?」


叢雲《いま終わったところよ。まだ行けるわ》


スネーク「敵の反応は?」


パイロット《ありません。精度は下がりますが、念のため索敵範囲を広げてもう一度行います》


スネーク「暗くなってきたな。このままだと夜戦にもつれ込むが……?」


ミラー《ボス、朗報だ! ブイン基地を取ったぞ!!》


スネーク「やったのか!?」


ミラー《あぁ! やってくれた!!》


長門《ボス! ブイン基地を取った。損害は……まぁ少なくは無いが、誰も沈んでいない》


ミラー《ブイン基地の設備が使えるかどうかは、スタッフを送ってみない事には分からない。今はブイン基地に留まってくれるか? 明日には人員を配置する》


スネーク「わかった。各艦隊に通達しろ。ブイン基地に集まるようにな」


ミラー《了解》












ブーゲンビル島 ブイン基地








長門「ボス!」


スネーク「どうだ調子は?」


長門「あぁ、大丈夫だ。まあ無傷ではないからな」


スネーク「施設の方はどうだ?」


長門「使えなくはないと思うが、私たちには詳しい事はわからない。済まない」


スネーク「気にするな。明日には人員を配置するそうだ。それまでゆっくり休め。修理が出来次第、ショートランド泊地も圧えるぞ」


長門「了解した」


スネーク「ところで、他の面子はどうした?」


長門「あぁ、休ませているところだ。特に陸奥の損傷が酷くてな」


スネーク「…………爆発でもしたか?」


長門「いや、そうではない。私を庇って被弾しただけだ。それと、本人の前で爆発は禁句だ。………あいつはかなり根に持つ方なんだ」


スネーク「わかった。気をつけよう」


叢雲「まったく、先に1人で行くこともないでしょうに………」


スネーク「おぉ、追いついたか。そっちは無事か?」


叢雲「えぇ、何とか無事ではあるけれど………」


スネーク「けど?」


叢雲「私以外が少しね………」


スネーク「?」


長門「ボス……、まさか駆逐艦たちにあんな事やこんな事をーー」


叢雲「そうじゃなくて」


長門「では何だ?」


叢雲「それが………、ボスが1人で駆逐艦を沈めたり、制空権を取ったりした訳よ。そうしたら………」


長門「あぁ………、それであんな風になったと」


叢雲「そういう事」



吹雪「私たちって、必要なのかな……? このままだと主人公(笑) とか言われて『モブキ』とか『地味』とか言われる生活に逆戻り………」


夕立「そんなのもうどうでもいいっぽい……。ソロモンの悪夢? アイアンボトムサウンド? そんなチャチなもんじゃ断じてないっぽい。もっと恐ろしい物の片鱗を………」


睦月「折角出撃できる様になったのに、また留守番役とか遠征部隊とかに回されちゃうんだね………」


長門「………………」


スネーク「………………」


叢雲「でもおかげで私たちは助かったんだけどね……。いかんせんネガティブというか、自信喪失みたいになっちゃって………」


長門「ま……、まぁそんな話を聞かされれば落ち込むさ……。自身の存在意義が否定されたようなものだ」


スネーク「何か……、すまんかった」







結果的にダイヤモンド・ドッグズの士気は上がったものの、艦娘達の士気が下がってしまうという異常事態に………。










第16話 ブイン基地強襲 (第二次ソロモン海戦) 完
















第17話 ショートランド泊地攻略作戦 (第三次ソロモン海戦)







ー3日後ー








ブーゲンビル島 ブイン基地
















スネーク「どうだ? 調子は」


長門「あぁ、全員異常無しだ。いつでも出撃できる」


叢雲「私たちも問題ないわ」


スネーク「カズ、ラバウルはどうだ?」


ミラー《問題ない。上手くやれている。そっちは?》


スネーク「こっちも問題ない。そろそろ出られるぞ」


ミラー《よし、今回の任務は今あんた達がいるブイン基地から南下した所にある、ショートランド泊地だ。ここを取れば、俺たちの背後を襲われる心配は無くなるだろう》


叢雲「この作戦の成否で今後の私たちが決まるということね?」


ミラー《極端な話をすればな》


長門「だが、事実でもあるだろう?」


ミラー《そうだな。それ位の気合があった方がいいだろう》


長門「安心してほしい。必ずここは取る。何があっても……な」


スネーク「………あぁ。頼んだぞ」


ミラー《今回はまどろっこしい作戦はとらない。第1、第2艦隊で総力を持って当たる。徹底攻勢だ》


長門「了解した。私の得意とするところだな」


叢雲「じゃあ、私たちは?」


ミラー《前回同様、支援艦隊として当たってくれ》


叢雲「わかったわ」


スネーク「そういえば、オセロットはどうした? さっきから無線が繋がらないんだが………?」


ミラー《オセロットには、9年前の惨劇を生き延びた艦娘の捜索を行っている部隊に入ってもらった。俺は今回、あんたと艦隊の両方をバックアップする》


スネーク「なるほど。俺はどうすればいい? 特にそちらからなければ、勝手に動くが?」


ミラー《あぁ、そうしてくれ。全てあんたに任せる。艦娘の援護をするも良し、先に敵に殴り込みをかけるも良しだ》


スネーク「わかった。臨機応変な対応を心掛けよう」


ミラー《よし、ではこれより『ショートランド泊地攻略作戦』を開始する!!》


金剛《チョット待つネ! 私も参加させてもらいマース!!》


スネーク「おい、カズ!!」


ミラー《本人が前線に出ると聞かない。異常も無かったし、こっちは本人の意思を尊重しただけだ》


金剛《私抜きでFinishさせる訳ないでショー!! 後10分もあれば着くネー!!》


スネーク「編成はどうする気だ?」


長門「それなら、大井を抜いてこちらに金剛を編入させる。大井を第2艦隊に入れて、水雷戦隊を作ればいいのでは?」


叢雲「私は構わないわよ? でもそうなるなら、旗艦は大井さんに譲るけど………?」


スネーク「俺は別に構わない。お前達に任せる」


ミラー《なら、その通りにしよう。理にかなっている》


金剛「Hey ボス!! 待たせたネー!!」


スネーク「はやっ!?」


長門「流石に早すぎないか?」


金剛「Sorry。私てっきりショートランドに向かってると思ってまシタ。デモ、良く聞いたら聞いたらRabaulに居るって聞きまシタ」


スネーク「10分ってのはショートランド泊地迄の時間だったと……」


金剛「Yes!」


叢雲「ま、まぁ合流出来たことだし……」


スネーク「はぁ………」

















ヘリ機内




ミラー《今回の作戦は、先に伝えた通りだ。あんたには遊撃を頼みたい。いつもと同じだ、必ずここを押さえてくれ》


スネーク「大丈夫だ。お前達も抜かるなよ?」


長門《了解!》


大井《はい、お任せください♪》


ミラー《それと、エメリッヒから話があるそうだ。聞いてやってくれ》


ヒューイ《ボス、聴こえる?》


スネーク「聞こえてるぞ、どうした?」


ヒューイ《ブリーフィングの時に伝えようと思ったんだけど、すっかり忘れちゃって……》


スネーク「………で? 何だ?」


ヒューイ《実は、対深海棲艦装備の歩兵用ランチャーが開発できた。調整に戸惑ったけど、もう大丈夫だ。数日前にラバウルから物資を届けるって聞いたんだけど………?》


スネーク「あぁ。2日前の夜に届いたが?」


ヒューイ《その中に、一緒に詰めてもらった。現地に行くスタッフに、君が使うヘリに載せておくように伝えたんだけど、ある?》


スネーク「………あった。積まれてる」


ヒューイ《よかった。それは僕が作った中でかなりの傑作だ。是非とも使ってくれ。もし要望があれば、遠慮せずにどんどん言ってくれよ。そいつは幅広く派生できるように作ってある。なるべく君の使いやすい物になればいいなと思ってね》


スネーク「それは助かる。なら、早速使わせてもらおう」


パイロット《敵艦隊捕捉! 数およそ10!!》


スネーク「敵を捕捉した。数は10程度だ」


翔鶴《こちらも確認しました。後方にも艦有り!! その数10……20……30! まだいます!!》


ミラー《やつら、本格的に防衛する気だ。間違いなく大戦になるぞ》


長門《さながら『背水の陣を敷いた』ところか?》


大井《艦は背水でも問題ないから……背陸の陣?》


スネーク「そんだけ余裕かませるなら大丈夫だな?」


ミラー《総力戦だ! とにかく撃て!!》


長門《了解!! 全砲門開け!!》ダァン


陸奥《行くわよ!! 撃ぇ!!!》ダァン


金剛《Fire!!!!》ダァン



スネーク「よし、翔鶴! 行くぞ!!」


翔鶴《はい! 全航空隊、発艦次第攻撃開始!!》



ブオォォォォォォォ……………



大井《残敵はこちらで引き受けます。第1艦隊の皆さんはそのまま敵の中枢へ!!》


ミラー《よし、第1艦隊はそのまま進軍。第2艦隊は作戦を変更し、残敵を掃討しろ。第2艦隊、その数で足りるか?》


大井《えぇ。ボスもそのまま第1艦隊と合流して頂いて構いませんよ? と言うか行ってください》


ミラー《おい、そんな言い方はーー》


大井《駆逐艦たちが前回みたいに落ち込まれると困るので》


ミラー《あぁ……そういうことか……》


スネーク「それもそうだな……。わかった。そのまま進め」


パイロット《了解!》










〜〜〜













翔鶴《ショートランド泊地、確認しました!!》


ミラー《よし、そのまま敵を殲滅しろ。ここが正念場だ》


大井《お待たせしました。やっと追いついたわ……》


ミラー《よし、第2艦隊は第1艦隊の援護に回れ。そのままショートランド泊地を取る!!》



長門《了解した!!》


大井《任かせなさい!!》


翔鶴《直掩機も攻撃隊の援護に!! 全機発艦!!》


翔鶴《まずい………艦載機が……》


叢雲《嘘!?》


陸奥《制空権が!》


スネーク「任せろ!!」






ーー制空権確保ーー








長門《よし!》


ミラー《いいぞ! ダイヤモンド・ドッグズ万歳!!》


吹雪・睦月・夕立「「「もう嫌だ………」」」


ミラー《そのまま砲撃を浴びせろ!!》


長門《よし! 薙ぎ払うぞ!!!!》ダァン ダァン


陸奥《撃ぇ!!!!!!》ダァン


金剛《Burning Love!!!!!!!》ダァン


雪風《砲雷撃戦!!》バシュッ


島風《入りまーす!!》バシュッ


大井《海の藻屑と成りなさいな!!!!!!!》バシュッ


スネーク「離れてろ! 巻き込まれるぞ!!」バシュッ


ドカンッ!!!!


大井「たーまやーー!!」


ミラー《 (全く緊張感を感じない戦いだな………) 》


スネーク「何て物を作ったんだあいつは………」


パイロット《敵艦隊の反応消滅を確認!!》




大井《や、やった……………!?》


ミラー《制海権確保!!!!!!》


艦娘達《いぇーーーーーーーーー い!!!!!! !!!!》









ミラー《いいぞ!!!! 良くやってくれた!!!!!!》


スネーク「念のため、索敵範囲を広げてもう一回索敵してくれないか?」


パイロット《り、了解!!》


パイロット《…………後方に航空機が一機!! 来ます!!!!》


スネーク「急げ!! 奴らに被害を出すな!!!!」


パイロット《了解!!!》


スネーク「俺が機銃で攻撃を試みるが、万が一は………」


パイロット《…………わかりました!!》


叢雲「ボス………?」


スネーク「機銃の可動域を広く取りたい。ヘリを9時の方向へ向けてくれ」


パイロット《了解》


スネーク「レーダーの精度を上げろ」


パイロット《了解。索敵範囲を縮小し、索敵精度を上げます》


パイロット《っ!!! 敵艦載機捕捉!! 数が多いです!!!!!!!》


スネーク「やはりな。撃ち墜とすぞ!!」





ダダダダダダダダ………………










ドカンッ!!!











長門「敵か!?」


叢雲「まさか…………、ボス!!!!!」


大井「えっ!? ちょ、ちょっと!

待ちなさい!!!!!」


長門「おい! どこに行く!?」


金剛「何か………、嫌な予感がしマース……………」


陸奥「翔鶴さん、艦載機はまだ飛ばせる?」


翔鶴「え、えぇ。まだ飛ばせます」


陸奥「叢雲達に追いつけますか?」


翔鶴「は、はい!!」















ミラー《ボス! どうした!?》


スネーク「敵の艦載機が彷徨いてる。数が多い………」


ミラー《なら、奴らを呼び寄せてーー》


スネーク「殆どが損傷している。そんな状態で来られても迷惑だ」


ミラー《ボス!!!》


パイロット《第2波、来ます!!接敵まで後1分!!!》


スネーク「機体の識別は出来るか?」


パイロット《はい! …………爆撃機です!》


スネーク「爆撃機か…………」


パイロット《来ます!!!!》



ダダダダダダダダダ……………



ドカンッ!! ドカンッ!!!!!









パイロット《まだ来ます!!!》



ブォォォォォ……………



ガンッ!!



ドカンッ!!!!!!!!




スネーク「な!? 奴ら!!」


パイロット《損傷拡大!! ブレイク! ブレイク!》


ミラー《爆雷載せたまま突っ込んできやがった!!! ボス!?》


スネーク「大丈夫だ……」


パイロット《後方から艦載機が接近中! 友軍です!!!!》


翔鶴《ボス!! ご無事ですか!?》


スネーク「なっ!? 下がれ!!」


叢雲《勝手に行くなんて、馬鹿じゃないの?》


大井《少しくらい私たちに出番をくれても良いんじゃないですか?》


ミラー《おい! お前らは下がれ!! 大破状態で戦えば………!》


翔鶴《まだ、艦載機は飛ばせます!》


スネーク「無理をするな!!! 下がれ!!!!」


叢雲《機関部がやれらた訳じゃないわ》


大井《主砲も撃てるわ。問題ありませんよね?》


スネーク「…………わかった。沈むなよ!」


叢雲・大井・翔鶴《了解!!!》







パイロット《敵艦載機、残り半数を切りました!!》


スネーク「気を抜くなよ!!」


叢雲《分かってるわよ!》


大井《そっちこそ! 気を抜いて墜ちたりしないでくださいよ!!》



翔鶴《っ!!! 大井さん!! 直上!!!!!!》


大井《えっ!?》




ヒュゥゥゥゥゥゥ………………





大井「 (嘘…………ヤバい………) 」





大井「 (まさか、本当に………) 」








大井「 (沈むの………?) 」













ーーリフレックス・モードーー








ドカンッ!!!





スネーク《ふぅ、間に合って良かった………》


叢雲「大丈夫!?」


大井「 (また、助けて貰ったのね………。本ッ当に、あの人が居ないと駄目だなぁ、私たち………) 」



大井「ええ、大丈夫よ。ボス、感謝します」


パイロット《敵艦載機、残り僅か!!》


スネーク「一気に畳み掛けるぞ!!」


叢雲《わかってるわよ!!》


大井《さぁて、さっきのお礼をしてあげないと!!》


大井「 (といっても、弾薬も残り少ないし……。一か八かで『コレ』に掛けてみるか…………) 」


大井「うん、やるしかない!!」魚雷



ブンッ!!



叢雲「えっ!? 魚雷? 空に投げて如何するのよ!?」







大井「チェイサー!!!!!!」ガンッ



叢雲「魚雷蹴ったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!?!」



ヒュンッ!!!



スネーク「うおっ!? おい! 何すんだ!! 危ないだろ!!」ヒュン


敵艦載機「」ガンッ



ドカンッ!



叢雲「当たったぁぁぁぁ?! え!? 何? 何今の!?」



大井「( ̄∇ ̄)v ドヤッ!」


叢雲「いやいやいやいや!!!? 全然答えになってないからぁ!!!!」


大井「軽巡ならすべからく、魚雷と共にあれッ!!!」


叢雲「意味わかんねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!?!!??!?!」


パイロット《敵艦載機の全滅を確認!!》


叢雲・大井「えっ!?」


スネーク《何やってんだお前らは………。まぁ、無事で何よりだ》


叢雲「はしゃぎ過ぎたわ…………」


大井「そのようね……………」


スネーク《ほら、帰るぞ》


大井「はぁ〜い♪」


叢雲「…………はいはい」


翔鶴「ボス? 今後このようなことは控えて下さいね? 私たちを大切に思って頂けるのはとてもありがたいですが、貴方と共に居られるのが1番の喜びですから」


スネーク《あぁ。以後気をつけよう》


叢雲「 (あれ? なんか………) 」


大井「 (ポジションを取られたような…………?) 」












この後、ミラー含め全員からこっぴどく怒られた。






そして祝勝会を開催したらしいが、それはまた、別のお話………。













第17話 ショートランド泊地攻略作戦(第三次ソロモン海戦) 完
















第17.5話 小ネタ 祝勝会












ミラー《えー、それでは! 我がダイヤモンド・ドッグズのソロモン海戦の勝利を祝って………》


ミラー《乾杯!!!》


一同「かんぱーーーーい!!!!!!!」






ワイワイガヤガヤ………







スネーク「しかし、よく上手くいったもんだな」


オセロット「まったくだ。あんたが戻ってきてから、ダイヤモンド・ドッグズは連戦連勝だ。たまにはこうして騒ぎたいだろう?」


スネーク「まぁ、そうだが………。おい! あまり羽目を外すなよ!!」


一同「わかりました!」


スネーク「よし、騒げ!」


兵士達「ヴオォォォォォォォォォ!!!!!」(球磨的な)


スネーク「騒ぎすぎだ! 遊園地かここは……」


長門「しかし、また9年前のようにどんちゃん騒ぎが出来るとは思わなかったな……」


陸奥「そうねぇ……。他の皆は何処へ行ってしまったのか………」


大井「ま、まぁ湿っぽい話はやめましょう? せっかくだし」


金剛「大井の言う通りネ! 今日は思いっきりEnjoyしマース!!」


叢雲「はぁ………。私またこっちのケアをしなきゃいけないよねぇ……。ちょっと! 何時まで落ち込んでるのよ!!」


吹雪「」ブツブツ


夕立「」ブツブツ


睦月「」ブツブツ


叢雲「はぁ………」


ミラー《そうだ! 新しい仲間を紹介するんだったな。入ってくれ!!》


青葉「どもー、恐縮です! 青葉ですー!!」


ミラー《建造したら出てきた。よし、紹介はこれで終わりだ。自由にしてくれ》


スネーク「……紹介するならもう少しまともな場所でだなーー」


オセロット「まぁまぁ、偶には良いだろう? こんなのも……」


スネーク「はぁ………」 葉巻


オセロット「ほら」 つ ライター


スネーク「すまん」フゥー


大井「まだ煙草吸ってたの!?」


スネーク「いや、吸ってない」フゥー


大井「否定しておいてなに吸ってんのよ!!」


スネーク「煙草じゃない。葉巻だ」


大井「同じでしょ!」


スネーク「かなり違う」











大井「……………………ふふっ」


スネーク「……………ははっ」


スネーク・大井「「あっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!!!」」


大井「はぁ………。9年前も同じ話をした気がしますね」


スネーク「あぁ、そうだな。そうか、戻ってきてから余り話さなかったな………」


オセロット「お互い仕事が山積みだからな。仕方がないと割り切ってくれ」


青葉「やっぱりこっちにいた方が楽しそうですねー!」


スネーク「おい、新入りがきたぞ!」


青葉「何か、ここは随分と個性が強い人が集まってますね〜」


オセロット「俺はオセロットだ。よろしくな」


青葉「はい! よろしくお願いします! ところで………」


吹雪「」ブツブツ


夕立「」ブツブツ


睦月「」ブツブツ


青葉「なんでそこの御三人さんはそんなに絶望に満ち溢れた顔を?」


叢雲「あぁ……それは…………」










青葉「す、少しその話について取材しても良いですか!? というかさせて下さい!!」


スネーク「ま、まぁ構わんが……」


青葉「では早速ですが、何故ここの人達は司令官の事をボスと?」


スネーク「そこか? そこから聞くのか? 叢雲から聞いた話の取材でなく?」


青葉「個人的に気になっただけです。で、なんでですか?」


オセロット「ここにいる全員が、尊敬しているからだ。生ける伝説、ビッグボスとしてな」


青葉「なるほど………。では、次の質問です!」








数十分後








青葉「…………っと。では、最期になります!」


オセロット「 (随分と長かったな。こいつもこいつだが、ボスもボスでよく付き合ってられるな………) 」


青葉「ズバリ、我らが司令官が何故ビッグボスと呼ばれているのか聞きたいです!」


スネーク「その事か……………」


長門「あぁ………。私も詳しく聞いたことなかったな」


スネーク「……………話した事なかったか?」


叢雲「多分………ないと思う」


大井「私も………。ビッグボスと言う名前だけが伝わってきた様なものだし………」


スネーク「そうか。わかった、話そう」


オセロット「ボス、代わりにーー」


スネーク「いや、いい。もう割り切れてる」


オセロット「………わかりました」


スネーク「そうだな。今から20年前だ。まだ世界が西と東に分かれていた冷戦の真っ只中、俺はソ連に居たある科学者のアメリカ亡命を幇助する任務を遂行することになっていた。だがその任務は失敗した」


叢雲「失敗!? あんたが?」


スネーク「あぁ。ある一人の女が、俺と祖国であるアメリカを裏切って、ソ連に亡命したんだ」


スネーク「その女性が、ザ・ボス。俺の師匠でもあった女だ」


大井「『師匠でもあった』って……….、どういう意味ですか?」


スネーク「俺に兵士の何たるかを仕込んだ師匠でもあるが、彼女とは長い付き合いだった………」


長門「つまり、恋人でもあったと?」


スネーク「いや、そん何か安っぽい言葉で表せる様な関係じゃない。そうだな………母でもあり、師匠でもありといった感じだな。因みに彼女は子供を産んでいる。その子供は、産まれてからある組織に囚われの身だったがな」


オセロット「……………」


スネーク「それでだ。任務を失敗しておめおめと戻った俺に、また新しい任務が与えられた。作戦名は『スネークイーター作戦』と呼ばれるものだった。ソ連のヴォルギンと呼ばれる男の抹殺と………」


スネーク「師匠、ザ・ボスの抹殺」


艦娘達「!!!??!!!?」


スネーク「そしてその任務は成功し、ザ・ボスは核を使い、世界を貶めようとした大悪党として闇に葬られた。俺はCIA長官から『ビッグボス』の称号を与えられた」


叢雲「あんた………途中で嘘ついたでしょう?」


スネーク「何!?」


大井「それくらい、分かりますよ?」


オセロット「………………」


スネーク「顔に出ていたか?」


オセロット「そんな事はなかったが……」


スネーク「……………はぁ。わかった。いいな? オセロット」


オセロット「……………あぁ。大丈夫だ」


スネーク「因みに、何処でそう思った?」


叢雲「あんたの師匠、ザ・ボスが悪党として葬られた………」


大井「それと、核を使ってまた大戦を引き起こそうとした。違う?」


スネーク「そこか…………。それは間違いではない。彼女は悪党として葬られた。が、それはカバーストーリーだ」


スネーク「ここにいる中で、この話を知っているのは、俺とカズ、そしてオセロットだ」


ミラー「スネーク! 呼んだか!?」


スネーク「いや、呼んでない」


ミラー「どうした? 随分と暗い顔をしているぞ?」


スネーク「20年前のことを話してんだ」


ミラー「20年前…………。そうか、済まなかった……」


スネーク「いや、大丈夫だ」


ミラー「しかし、良いのか? こいつらに話しても?」


スネーク「俺はもう戻るつもりもない」


ミラー「…………わかった。お前達!」


ミラー「何があっても、目を背けるな。しっかり受け止めるんだ」


艦娘達「」コクッ


ミラー「じゃあ俺は向こうに戻る」


スネーク「飲み過ぎるなよ。明日に響かせたら俺の訓練に付き合ってもらうぞ」


ミラー「この身体で? 冗談きついぜ、ボス」ハハハ


スネーク「………で、何処まで話した?」


長門「悪党として葬られたのは表向きの話だったと」


スネーク「そうだ。それは後世に残す為のカバーストーリー。実際のザ・ボスは犯罪者ではなく、国の為に死んでいった人間だ」


スネーク「………そうだな。まずは表向きの話をしよう。ザ・ボスはソ連に亡命し、ソ連のヴォルギンにアメリカ製の小型核砲弾『デイビー・クロケット』を手土産として持っていった。だが思いもよらず、ヴォルギンがその核砲弾をソ連の領内に撃った」


長門「その男は、味方に核を撃ったというのか!?」


スネーク「そうだ。だがこの時、核を撃ったのはヴォルギンではなく、亡命してきたザ・ボスが撃ったのだとソ連の中で結論付けられた。ソ連はザ・ボスの亡命、アメリカが仕組んだ事だと。アメリカから送られた諜報員ではないのかと疑った」


スネーク「その結果、ソ連ではアメリカに対して報復を辞さないまでに事が発展した。アメリカは、自身の身の潔白を証明する為にアメリカの手でザ・ボスを抹殺しなくてはならなかった」


スネーク「結局、アメリカの思惑通りに事が進み、ザ・ボスは殺され、アメリカの潔白は証明された。アメリカでは『恥知らずの売国奴』。ソ連では『核を持ち込んだ凶人』として葬られた。これがカバーストーリーだ」


スネーク「だが実際、彼女は偽装亡命だった。ザ・ボスは、かねてより与えられた任務があった。だが、ヴォルギンが核を撃った事により、その任務は遂行する事を許されずに、そのシナリオを大きく書き換えられた」


スネーク「アメリカの為に死ぬ。これが新たに与えられた任務だった」


叢雲「……………」


スネーク「アメリカの潔白を証明する為に、弟子である俺の手で殺されなくてはならなかった。生きて帰る事も、自決する事も許されず、仲間にも打ち明ける事ができなかった」


翔鶴「大戦末期に日本が行った、特攻………」


スネーク「それだったらどれだけ本望だっただろうか。彼等は名誉の死と言われているが、ザ・ボスは極悪人として殺され、後の世に語り継がれていく」


翔鶴「…………」


スネーク「真実を闇に葬られ、それは歴史に残る事さえ許されない。誰にも真実を理解されずに、犯罪者として殺される。弟子である俺によってな。それが、ザ・ボスの最期の任務だった」


大井「………………」ウルウル


長門「………………」ウルウル


スネーク「おい! 止めろ、泣くな!!」


大井「だって………」グスッ


長門「当に真の英雄とも呼べるお方ではないか………」グスッ


叢雲「そういえば私が初めて会ったとき、『ボスと呼べ』なんて言っていたけど………?」


スネーク「あれは、お前が『司令官が2人いて分かり辛い』と言ったから俺が提案しただけだ。で? それがどうした」


叢雲「いや、大した事じゃないんだけど、あれから艦娘も兵士も増えてきて、皆はボスって呼んでいたけど、いつも『スネークでいい』とか言っていたじゃない?」


スネーク「あぁ、それか。あの時は、まだ引きずっていたというか……。師匠を殺して手に入れた名前を首から下げるのはいい気分では無いだろう? そういう事だ」


青葉「あのー、青葉1つ聞いてもいいですか?」


スネーク「何だ?」


青葉「お子さんがいると……先程言っ手ましたよね?」


スネーク「ザ・ボスのか? 確かに言ったが? 因みに男だ」


青葉「その息子さんは、今は如何されて………」


オセロット「…………………それは俺だ」


艦娘達「えっ!?」


スネーク「ザ・ボスの息子は、こいつ。オセロットだ」


艦娘達「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!?!??!!!?!!」


オセロット「………」


青葉「えっ!? じゃあお二人は………」


艦娘達「弟子と息子?」


スネーク「まぁ、そうだが………」


オセロット「言っておくが、ボスに対しては恨みも何も無い。上司として信頼、尊敬している」


叢雲「親の仇とか思ったりしないのかしら?」


オセロット「ザ・ボスも、俺も兵士だ。そういった事は割り切れている」


青葉「じゃあ、次にーー」


スネーク「お前、さっきのが最後と言っただろう!?」


青葉「ここまできたら全部聞いておこうかと」


スネーク「…………なら、これで正真正銘最後にしてくれ」


青葉「分かりました。つかぬ事をお聞きしますが、その眼帯って………」


スネーク「今更か? まぁいい。眼球が破裂して失明しただけだ」


青葉「いや、失明しただけだって結構大事ですよ? それ」


叢雲「さっきの20年前での話だったかしら? 失明したのは?」


スネーク「これについてはお前達には話したな。憶えてる」


青葉「教えてもらってもいいですか?」


スネーク「20年前に、拷問を受けた時にリボルバーが暴発して、銃弾が目に当たっただけだ」


青葉「当たっただけといいますけど、何度も言います。大変なことですよ? 」


翔鶴「リボルバーって……………」


オセロット「………………あぁ。それも俺だ」


翔鶴「またどうしてそんな………」


スネーク「20年前は敵同士。それだけだ」


陸奥「もうこの2人の関係全然わから無い……」


スネーク「戦友」


オセロット「尊敬する上司」


長門「喧嘩するほど仲がいい?」


陸奥「昨日の敵は今日の友じゃないの?」


青葉「なるほど………。ありがとうございました。では今度はこっちに………」


オセロット「今度は俺か…………」


スネーク「あぁ。そういえばお前に1つ聞きたいことがあった」


オセロット「何だ?」


スネーク「お前、アフガンの方で『シャラシャーシカ』なんて呼ばれているそうじゃないか」


オセロット「あぁ。確かにそう呼ばれているが?」


スネーク「どういう意味なんだ?」


オセロット「簡単に言えば、『シャラシュカ』『シャシュカ』が組み合わさった造語だ」


青葉「シャラシュカやシャシュカと言うのは?」


オセロット「シャラシュカは、『疑惑の噂がある』『間に合わせの』組織を指すスラング用語だが、ソ連にある強制労働収容施設の俗称としても使われる」


オセロット「シャシュカは、ソ連のカフカス地方で出自された刀剣の名だ。竜騎兵や、コサック達が使ったとされている」


スネーク「シャシュカは英語だ。ロシア語では無いからな。因みに、カフカスは、英語でCaucasus(コーカサス)とも呼ばれる」


大井「割とどうでもいいわそれ」


陸奥「シャシュカ………。そのうち、刀○乱舞に実装ーー」


スネーク「おい止めろ! 早まるな!!」


青葉「それがどうしてシャラシャーシカになったんですか?」


オセロット「アフガンで戦争が始まってから、俺は敵国からシャラシュカと呼ばれるようになった。捕虜を尋問しては、拷問で仲間や家族を売らせたんだ。そんな事を繰り返しているうちに、『強制収容所の特別顧問』なんて名誉も授かった。ボス、聞いてるか?」


スネーク「あ、あぁ。勿論だ」


オセロット「ならいい。あんたを裏で守りながら、祖国のエゴの為に拷問と尋問を繰り返していた。そうすれば、ボスを護るという本来の目的を悟られずに済む。誰もがそれを、俺の顔だと思うからな」


スネーク「じゃあ、シャラシュカと呼ばれるようになったのは俺のせいだと?」


オセロット「あぁ。全部あんたのせいだ」


オセロット「だがそのシャラシュカと別に、もう一つの異名が俺につく事になった。それがシャシュカだ。かつてのロシア帝国に、『フョールド・アルトューロヴィチ・ケールレル』という軍人がいて、その勇敢さから『ロシア1のシャシュカ』と呼ばれていた」


オセロット「誰かがその話を知っていたらしく、俺の渾名シャラシュカにシャシュカが加わり、ゲリラ達に語られていった。そして結局は、シャラシャーシカで落ち着いたそうだ」


スネーク「収容施設と、英雄の刀剣………。お前らしいじゃないか」


長門「どういう事だ?」


スネーク「こいつの兵士としての腕も大したもんだが、拷問の腕も右に出る者はいない。何かあれば、こいつに預ける事になるぞ」


オセロット「あぁ。最初から最後まで丁寧に付き合ってやるよ。そんな事がない事を祈るがな」


艦娘達「肝に銘じて置きます………」


スネーク「もういいだろう? ここに居る全員が、大規模作戦を終えた後で疲れ切ってる。また今度にしてやってくれ」


青葉「そうですか………はい! ありがとうございました!」








ダイヤモンド・ドッグズも、また騒がしくなりそうです。










第17.5話 小ネタ 祝勝会 完














第18話 空母棲鬼訪問








ショートランド泊地攻略作戦から4日後











ラバウル基地







オセロット「ボス、空母棲鬼について話がしたい。独房まで来てもらえるか?」


スネーク「何かわかったのか?」


オセロット「あぁ。それについても詳しく話したいんだ」


スネーク「わかった」








ラバウル基地内 訓練場











スネーク「待たせたな」


オセロット「いや、大丈夫だ。さて、どこから説明したらいいか………」


スネーク「こいつは深海棲艦で、その中の空母棲鬼って事でいいのか?」


オセロット「あぁ。それは変わらない。紛れも無く、俺たちの敵である深海棲艦だ。………そうだな、分かった事から話していくか」


オセロット「1つ目。こいつは通常この姿でいるが、戦闘時には空母棲姫へと姿を変える。何故かは未だにわかっていない」


オセロット「そもそも、こいつの様な戦い方をする深海棲艦はいない」


スネーク「どういうことだ?」


オセロット「いちいち姿を変える様な戦い方をする深海棲艦なんて、今まで存在した事はなかった」


スネーク「鬼が姫へと姿を変える………。あの時に長門は『進化した様なもの』と言っていたが?」


オセロット「そうだ。それは間違っていない。だがこいつに至っては、進化というより、変身 (メタモルフォーゼ) といった方が適切かもしれん」


スネーク「メタモルフォーゼ………」


オセロット「2つ目は、こいつだけか、深海棲艦全体に言える事かは分からないが、艦娘達が使っている『艤装』。あれを扱える事が出来る」


スネーク「なんだって!?」


オセロット「あんたがソロモン海の方へ遠征中に、あいつの技能を確かめる為に、ここへ連れ出した」


スネーク「抵抗しなかったのか?」


オセロット「あぁ、何1つな。それがかえって気になるが、彼女らが使っている艤装を持たせた所、何不自由なく使い出した。拒否反応も無し。今後、深海棲艦の正体を解明する為の良い材料になるかもしれん」


スネーク「で? わざわざ世間話をする為にここまで来させた訳じゃないだろう?」


オセロット「あぁ。単刀直入に言えば、こいつを檻から出してあんたの部下に加えたらどうだ?」


スネーク「情でも移ったか?」


オセロット「そうじゃない。こいつは優秀な偵察兵(スカウト)の素質を持っている」


スネーク「こいつが?」


オセロット「あんたが初めてこいつと戦った時を思い出せ。あの時こいつは的確な狙いであんたをふっ飛ばそうとした」


スネーク「そういえばそうだな」


オセロット「実は、一部の艦娘が行える戦略『弾着観測射撃』を行っていた事がわかった」


スネーク「何だその弾着……なんとかってのは?」


オセロット「『弾着観測射撃』は『弾着修正射撃』とも呼ばれるそうだ。水上機などの偵察機を飛ばして、敵の位置情報を偵察機と同期して砲撃を行う戦略らしい。こいつはあの時、艦載機を飛ばしていただろう?」


スネーク「あぁ。確かに飛ばしていたな……」


オセロット「更に明石に調べさせた所、こいつの持っている大砲は後から組み込まれた物の様だ。何処で手に入れたか知らないが、自身の装備に主砲を加えて、あの時に至るらしい」


スネーク「空母であるにも関わらずか?」


オセロット「空母につけるとすれば副砲か機銃などで用いる、比較的小型のものだが。それに、空母は弾着観測射撃を行わない。実際に使われるのは、重巡や戦艦と言った連中だ」


スネーク「それは取り敢えず棚上げだ。結論を先に聞こう」


オセロット「まぁ、俺が言いたい事はだ。こいつを使ってみないか?」


スネーク「艦隊に組み込むってことか?」


オセロット「それもそうだが、あんたのミッションに連れて行くんだ」


スネーク「艦隊に組み込むことに異論はないが、俺に同行させるというのは………」


オセロット「つまりだ、こいつにスナイパーライフルでも持たせてみろ。弾着観測射撃の要領で使わせれば、凄腕のスナイパーになるかも知れん。それに艦載機を使った偵察も行えるだろう。そいつの艦載機運用能力は、あんたが一番よく知っている筈だ。どうだ? スカウト向きだろう?」


スネーク「言われてみれば尤もだが………。誰がこいつにスカウトの技術を叩き込む? スナイパーライフルの取り扱いも。深海棲艦は使った事はないだろう?」


オセロット「少しなら俺でも教えられるが…………。まぁ、基本を教えれば、後は本人次第といった所か」


スネーク「………しかしだな」


オセロット「どうした?」


スネーク「こいつは喋らない。どうやってコミュニケーションを取る?」


オセロット「それが大きな問題ではある。解決策も出ていない。ボス……」


スネーク「まだ何かあるのか?」


オセロット「深海棲艦であるこいつの事を気味悪がって、ダイヤモンド・ドッグズの士気が下がってる」


スネーク「……………そのうち、暴動が起こるかもしれんな」


オセロット「そうならない事を祈るがな。その反面、艦娘たちは気にしていないそうだ」


スネーク「気にしていない?」


オセロット「むしろ、積極的に意思疎通を図ろうとしている。あんたと翔鶴を救った恩人としてなのか、何か似たようなものを感じたのか………」


スネーク「…………」


オセロット「まぁ、あんたの出撃や艦隊運用の時に思い出してくれればいい。こいつは、あんたにだけは懐く。こいつが役に立ちそうな時だけで構わない」


スネーク「……………そうだな。考えておこう」


オセロット「それと、ボス」


スネーク「まだあるのか……」


オセロット「そういうな。こいつの名前についてなんだが………」


スネーク「名前!?」


オセロット「空母棲鬼じゃ長いだろう? コードネームでもいい。何か考えておいてくれ」


スネーク「おいおい…………」





※募集します。結局思いつきませんでした。詳しくは後書きにて。






オセロット「俺からは以上だ。済まなかったな、時間を取らせて」


スネーク「いや、大丈夫だ」















第18話 空母棲鬼訪問 完











第19話 囚われの艦










ヘリ機内








ミラー《今回の任務は、艦娘の排除だ》


スネーク「艦娘の排除……。日本も艦娘を捨て駒と見れるほどに、深海棲艦との戦況は覆ってないだろう?」


ミラー《依頼主によれば、その艦娘は敵である深海棲艦に拿捕された様だ。万が一その艦娘から情報が漏洩すれば、国家の転覆に関わると》


スネーク「だから口封じに殺せと?」


ミラー《そうだ。深海棲艦にも艦娘にも対抗し得るダイヤモンド・ドッグズだからこそ回ってきた依頼だ。ターゲットは4隻。何れも駆逐艦だ》


スネーク「拿捕された連中を救出する戦力もないときたか。少なからず、士気にも影響するだろうな」


ミラー《俺たちは何処にも属さない。日本がどうなろうと、俺たちには関係ない》


スネーク「……そうだな」


ミラー《それと、もう一つ。太平洋を横断中の輸送船団を取り押さえてほしいと依頼も回ってきた。これは、高速で航行可能な金剛と駆逐艦による編成で当たらせた》


スネーク「そこまで俺たちにさせるからには、その輸送されるものは大層な代物なんだろうな?」


ミラー《恐らくな。詳しい話は取り押さえてみないことには分からないが、アメリカからの船団らしい。一応警戒するように伝えておく》


パイロット《まもなく、目的地に到着します》


ミラー《そこはソロモン諸島の一部だ。深海棲艦の拠点の一つとなっている為、警戒してほしい》


パイロット《到着しました。どうかお気をつけて、ボス》



スネーク「普通に考えて、敵のど真ん中にヘリの着陸地点を指定するか……?」


ミラー《ヘリが少しでも囮になるだろう。島に上陸している深海棲艦が、敵の襲撃を疑って島から離れればと思ってな》


オセロット《斥候からの情報では、島の南側に洞窟を見たと。そこにいる可能性が高い》


スネーク「わかった」








〜〜〜










ソロモン諸島





とある洞窟内











???「------よ」


???「でも-----」


???「-----です」


スネーク「……」


???「……誰?」


スネーク「お前達、艦娘だな?」


???「……そうよ」


ミラー《子供!? しかも一隻居ない。……… だが、ターゲットを見つけたようだな。依頼は全員の抹殺だ》


スネーク「お前達の上司から依頼を受けてきた」


???「……助けて、もらえるのですか?」


スネーク「俺が受けたのはお前達の抹殺だ」


???「そうよね………。私達の司令官は、私達を助けるようなことはしないわ」


スネーク「一隻居ないようだが?」


???「途中で、私達を逃がす為に身代わりになったのです……」


ミラー《この時点で、ターゲットの依頼は達成できないが………》


???「やっぱり…………」


スネーク「……?」


???「司令官は、私たちを見捨てる気なのね………」


???「……………」


スネーク「…………カズーー」


ミラー《ボス、助けるつもりか? だが、助けた後はどうする? 元の部隊にも戻れない》


ミラー《行き先は地獄か、天国だけだ》


スネーク「……いや、もう一つある」


ミラー《アウターヘブン………!

ボス、テープは既に回ってる》





バンッ!!!!!!




???「きゃあっ!!」





バババババ!!!!!




???「〜〜〜〜!!!!」





バババババババババババンッ!!!









???「こ、これ、ダイヤモンド!?」


???「いっぱいなのです!」


スネーク「これでどうだカズ? 依頼人からの報酬以上だろう?」


ミラー《………ははっ。録音はしている。目的達成だ》


スネーク「さぁ、ここを出るぞ」


???「助けて………くれるの?」


スネーク「あぁ。ほら、立てるか?」


暁「………特Ⅲ型駆逐艦 1番艦。吹雪型では21番艦の暁よ」


雷「特Ⅲ型駆逐艦 3番艦。吹雪型では23番艦の雷よ」


電「特Ⅲ型駆逐艦では末っ子。吹雪型では最後になります 電です」


スネーク「俺はスネークだ。さぁ、行くぞ。歩けるか?」


暁「と、当然よ。みんな問題ないわ」


スネーク「艤装は?」


電「一応使えるのです。でも、出来れば余り戦いたくはないのです」


スネーク「それは俺も同じだ。だが、自分の身を護るためだ。いつでも撃てるようにしろ」


電「は、はい!」


ミラー《ボス、そいつらを回収するためにランディングゾーンを設定しよう》


スネーク「あぁ」 IDROID起動


暁「何これ!?」


ミラー《そこを出たところに川がある。その川を上流に向かって歩いたところに高原がある。そこにヘリを送る。そいつらを誘導してやってくれ。近くまで来たらもう一度こっちに連絡をしてくれ》


ミラー《いいか? 絶対に死なせるなよ。洞窟を出たら左だ。林を通って上流を目指すんだ》


スネーク「わかってる。行くぞ」










〜〜〜











スネーク「よし、ここなら大丈夫だろう。カズ、ヘリを寄越してくれ」


ミラー《ヘリ要請を受領した。すぐ向かわせる》


スネーク「カズ、そっちはどうだ?」


ミラー《輸送船団の件か? それなら既に取り押さえて、帰投しているところだ。それと、あんたに謝る事がある》


スネーク「いきなりどうした?」


ミラー《まずは、あんたに謝らせてくれ。さっき俺は、金剛と駆逐艦数隻を編成してその任務に当たらせたと言ったな?》


スネーク「あぁ。そうだが?」


ミラー《実は、この依頼のクライアントが少々胡散臭くてな。俺の独断で、青葉を編入させたんだ。あんたに伝えた通りの部隊を送らなかった事。これを謝罪したい》


スネーク「そんな事、諜報活動では一般的だ。敵を偽るには味方からだ。気にするな。で、当初の予定と変更して青葉を張らせた結果は?」


ミラー《あぁ。青葉に写真などの証拠を納めさせた。俺の予感は的中。輸送船のクルーはXOFの連中で、それを護衛するかの様に深海棲艦が取り囲んでいた》


ミラー《結果としては成功した。輸送船も取り押さえて、奴らに曳航させている。大した被害も被ってない》


スネーク「ほう、やるじゃないかあいつら」


ミラー《あんたの教導の賜物だ》


パイロット《こちらピークォード、まもなくランディングゾーンに到着!》


電「あの、お願いがあるのです。響ちゃんを助けてあげて欲しいのです!」


スネーク「…………」


雷「そうよ! 私達、なんでも手伝うわ! だから、響を助けて!!」


暁「妹のきょう……窮地に黙って見ているなんて、レディーじゃないわ!!」


スネーク「 (噛んだな) 」


ミラー《 (境地って言おうとしたな) 》


オセロット《 (無理して難しい言葉を使おうとするからだ………) 》


パイロット《こちらピークォード。ランディングゾーンに到着!!》


スネーク「そら、乗った乗った!」


暁「な、何よこれ!?」


雷「ヘリコプターね!?」


電「空を飛ぶ乗り物なのです!」


スネーク「よし、出せ! (騒がしい………) 」


パイロット《離脱します!》


暁「わぁ!! 飛んでる!!」


雷「すごーい!!」


電「2人とも危ないのです!!」


スネーク「おい、座ってろ (本当、騒がしい………) 」













Mission Info Updated










Mission Completed







遠征中の艦隊が帰投しました











ミラー《ボス、金剛達が取り押さえた輸送船団の積荷だが………》


スネーク「何かわかったのか?」


ミラー《解析したところ、大きく分けて中身は2種》


ミラー「一つは、ドラム缶に詰め込まれた銅鉱石だ。何の変哲もない、な。こいつが積荷の殆どを占めていたが、はっきり言ってこれだけなら大した価値もない。あんな護衛を付けて運ぶ代物じゃない」


ミラー《本命は、もう一つあった遮蔽容器だ。この中には、イエローケーキ (ウラン精鉱) 。つまり、核兵器の燃料だ。あの時にエメリッヒが言った『メタルギアを超える兵器』も…………》


スネーク「核を搭載した兵器……」


ミラー《だが、一つ気になるのは、量が少ない事だ。ロケットに詰めて打ち上げるほどの量はない》


スネーク「なら、なんで連中はそんな物を運んでいた?」


ミラー《分析の時間をくれ。奴らが何故こんな物を欲しがっていたのか調べたい》


スネーク「わかった」








〜〜〜











ラバウル基地





暁「ここって………鎮守府!?」


雷「それにしては小さいというか………」


電「電達がいた鎮守府より、人が多いのです……」


スネーク「降りろ」


暁「ラバウル………基地?」


雷「電、大丈夫?」


電「大丈夫なのです。…………はわわ!」


ミラー「うおっ………!」ドサッめ


DD兵「大丈夫ですか!?」


雷「大丈夫?」


ミラー「あぁ。問題ない」


電「ご、ごめんなさいなのです!!」


ミラー「………ボス、こいつらをどうする気だ?」


スネーク「艦娘ならこっちでも扱える。どうせ、あのテープを依頼主に送るつもりだろう? だったら、俺たちの戦力に加えりゃいい」


ミラー「確かにもっともだが……。俺は子供が嫌いだ」


スネーク「どうした? 何の脈絡もなく」


ミラー「…………まぁいい。連れて行け」


明石「みんなー! こっちこっち!!」


暁「明石さんだわ! 行きましょ!」






タッタッタッタッ…………






スネーク「おいカズ、さっきのはどういう意味だ?」


ミラー「銃を使うのは俺たちの仕事だ。あんなちんちくりんな連中に………」


スネーク「カズ、奴らは自分の意思でやってるだけだ。そんじゃそこらの少年兵とは訳が違う。だろう?」


ミラー「どうだかな。どちらにせよ、あいつらは、俺たちとは暮らせない。それに、ここに子供を置くのは気にくわない」


スネーク「じゃあどうすると?戦わせる気がないなら、学校でも作るか?」


ミラー「現存する駆逐艦共にやらせていた遠征を代わってもらう。やつらにやらせればいい」


スネーク「お前、叢雲や吹雪には何とも思わないくせに何故あいつらに限って……?」


ミラー「そんな事はない。叢雲や吹雪もせいぜい12、3くらいだろう。そんな連中でも居られるのは少々不服だが………。まぁ、奴らは使える人材だ。それに、俺自身の選り好みでここを潰すわけにはいかないしな。叢雲に関しては、10年来の付き合い。身内といっても過言じゃないと思っている」


ミラー「だが奴らはどうだ? どう見てもたかだか小学校低学年だろう? それに、敵に拿捕されている時点でそれほど使えたもんじゃない。万が一俺たちが奴らを使って今回と同じように敵に囚われてみろ。俺たちの全滅すらありえるかもしれない」


スネーク「なるほど。だが、敵に拿捕されたのは本人達の実力とも限らないだろう。奴らを指揮した人間、今回のクライアントが無能だっただけかもしれんぞ」


ミラー「奴らが無能だろうが、クライアントが無能だろうが、どっちでもいい。ともかく、奴らに関しては実戦に出すようなことはしない」


スネーク「わかったわかった。少し一服してから戻る」


ミラー「………了解」











第19話 囚われの艦 完
















第20話 悪夢の工廠












ラバウル基地








ミラー「ボス、今しがた依頼があった。依頼主は日本の人権団体。詳しい話は………オセロット。頼む」


オセロット「俺に丸投げか? まあいい。実は噂程度なんだが、日本が治めているある泊地で人身売買が行われているという話が出ている。もちろん、その泊地の責任者も日本海軍の人間だ」


スネーク「日本で………。このご時世にか?」


オセロット「あぁ。そこであんたには、その泊地にある司令部へ潜入してもらい、実態を把握してもらいたい。また可能であれば、その司令官の身柄の確保。それと、人身売買が事実であるかの証拠を収めて欲しいとのことだ。依頼主は武力でなく、法でカタをつけたいと」


スネーク「そんな連中に法が通用するかねぇ……。奴らは決まって法のすれすれを掻い潜る。無駄足で終わる様な気もするがな」


オセロット「確かにそうだが、依頼主がそれを望んでいる。俺たちはそうするしかない。あんたがやる事は実態を把握、出来れば証拠を掴む事だけだ。後の事は依頼主の仕事。違うか?」


スネーク「わかった。で、場所は?」


オセロット「あぁ。それは………」
















リンガ島 リンガ泊地











ヘリ機内








スネーク「リンガ泊地か…………」


ミラー《ボス、少し話がある》


スネーク「どうした?」


ミラー《独房に入れておいたあの深海棲艦が脱獄した》


スネーク「何!?」


ミラー《いま、スタッフ総出で捜索している。看守が気絶していたんだ》


オセロット《釣り糸が切られた………。ボス、すまない……》


ミラー《どうせ受け入れるつもりはない。あんな奴、俺たちの仲間などと認めん》


オセロット《おい、ミラー!》


ミラー《オセロット、お前もだ。あいつをボスと出撃させようとしたそうだな。ふざけた真似を! ボスの身に何かあったらーー》



ガンッ!!!!



スネーク「うおっ!?!!」グラグラ


オセロット《ボス! どうした!?》


スネーク「いや、ヘリが揺れただけだ……………って、お前!?」


空母棲鬼「」


スネーク「奴が乗ってきた」


ミラー《何!? おい、今すぐヘリを引き返せ!!》


オセロット《その必要はない。そのまま連れて行ってやってくれ》


ミラー《おい、オセロット!》


オセロット《こいつはボスには忠実だ。ボスと一緒なら何の問題もないだろう?》


ミラー《くっ…………オセロット。ボスの身に何かあれば、お前もタダでは済まないからな!!》


スネーク「おい、大丈夫なのか? 実戦に出したとしてもまだ新兵だろう?」


オセロット「まぁ、使うだけ使ってみろ。役に立たない事はないはずだ」


ミラー《ふん! どうせ無駄だ》


スネーク「本当に大丈夫なのか?」









〜〜〜〜













リンガ泊地周辺








パイロット《間も無く、目的地に到着します》


スネーク「やるしかないな………」


パイロット《到着しました。どうかお気をつけて、ボス》


スネーク「そら、降りろ」


空母棲鬼「」スタッ


スネーク「そうだな………。端末 (IDROID) は持っているか?」


空母棲鬼「」つ IDROID


スネーク「それだ。お前の端末のマップにマーキングをつける。そこの偵察をしてもらいたい」


空母棲鬼「」コクリ





タンッ!!!!






ダダダダダ………………









スネーク「ニンジャかあいつは………」


オセロット《と言うか陸に上がっている時点で、もう船でも何でもないな………》


スネーク「オセロット、細かいことを気にしてはいけない。第一、艦娘が陸に上がっている時点でそれは愚問だろう?」


オセロット《まぁそうだな。そこから北に進んだところに、海軍基地があるはずだ。いいか? これは潜入任務だ。敵との接触はできる限り避けてほしい》


スネーク「わかってる。ふむ、流石に早いな。もう一つ目の偵察を終えたらしい。」


オセロット《どうだ? 使えるだろう?》


スネーク「まぁ、確かにな………」


オセロット《何だ? まだ不満でもあるのか?》


スネーク「いや別に。……2箇所目も終わったか」


オセロット《流石に早すぎないか?》


ミラー《どうせ手を抜いて適当な情報でも流しているんだろう。ボス、その情報は役に立たん!》


スネーク「………ともかく向かうぞ」






〜〜〜







リンガ泊地 司令部







オセロット《目的地に着いたな。どうだった?》


スネーク「送られたと情報に虚偽はなかった。お陰で一発も弾を撃たずに済んだ」


オセロット《どうだ? ミラー?》


ミラー《ぐぅ………。確かに腕はいいが………何があろうと、俺はそいつを認めんからな!!》


オセロット《で? 様子は?》


スネーク「道中にいた兵士、司令部を警備している兵士。共に同じ服装だが、あれは日本の者じゃないな」


ミラー《なら、何処だと?》


オセロット《XOFか?》


スネーク「多分な。だが、ここだけ警備が甘い。それがかえって怪しいが」


ミラー《待て。もしあんたの言う通り、XOFの部隊だとしたら、日本とサイファーが裏で手を結んでいることに!?》


スネーク「まだ仮定の話だ。まずは依頼を片付ける。内部に潜入するぞ」


オセロット《くれぐれも慎重にな》


スネーク「わかってる。おい、ここ周辺の偵察を頼みたい。精度は少し下げてもいい。なるべく広範囲で頼む」


空母棲鬼《》



スネーク「………… (話さないのに無線で指示送って如何するんだ俺は!) 」









リンガ泊地 司令部 内部









地下工廠









スネーク「これは………」


ミラー《どうした、ボス?》


スネーク「…………画像を送る」





IDROID《Send a Photos》





オセロット《確かに受け取った。これは………まさか!?》


ミラー《あの時の翔鶴と同じ様な……》


スネーク「深海棲艦……。しかもここだけじゃない。工廠一体に広がっている」


オセロット《だが、まだ深海棲艦になっていない者もあるな……》


ミラー《確かに、まだ人間の形が残っている………》


スネーク「こっちには、四肢を切断された死体がある。まだ人間の姿を保ってるな」


オセロット《ダルマか………。拷問を行っていたのか………?》


ミラー《取り敢えず、この画像だけでも依頼主には送っておく。他には何かないか?》


スネーク「おい、こいつは………」


ミラー《…………間違いない。響だ》


スネーク「ここに捕まっていたのか……。手足を塞がれている。連れて帰るか?」


ミラー《本来ならお断りだが、状況が状況だ。そうしてくれ》




コツ、コツ、コツ…………




スネーク「まずい、足音だ」


ミラー《身を隠せ!! 》



髑髏顔「…………」


響「кто……… (誰)

?」


髑髏顔「Я твой враг (お前の敵だ) 」


響「私に、拷問でもするつもりかい?」


髑髏顔「ふん、そんなつもりはない。しかし、君の姉妹も酷いものだな………。君を見捨てて逃げたんだろう?」


響「………私が、逃がしただけだ」


髑髏顔「それはどうかな。お前は逃したつもりでも、逃げた方はお前を ”囮” にしたから逃げられた。違うか?」


響「いいんだ、それでも。みんなが無事でいてくれるなら、私はそれでいい」


髑髏顔「………そうか。だが、お前の覚悟も水の泡だ。お前の姉妹たちは行方が知れなくなった」


響「どこか、遠いところに逃げたんだ………」ピクッ


髑髏顔「私の目からは逃れられない。世界中に情報網を張っている。生きてさえいれば必ず見つけられるが、この私をもってしても見つけられない。とあれば、既に沈んだか、誰かに殺されたかだな………」


響「嘘……………だ…………」ガタガタ


髑髏顔「本当だ。生き残ったのはお前だけだ」













髑髏顔「あの時と、同じようにな………」




響「あの時…………」






















ーー《朕深ク世界ノ大勢ト帝國ノ現状トニ鑑ミ…………》ーー












響「姉妹沈んで………私だけが………生き延びて………」ガタガタ


髑髏顔「そうだな。私が仕組んだ事とはいえ、姉妹はお前が殺したんだ。お前が共にいれば、結末は変わったかもしれないと言うのに………」


響「何を………?」ピクッ


髑髏顔「私がお前の姉妹たちを沈めた。深海棲艦を使ってな」


響「っ!!! お前が………暁達を………!!!!」ワナワナ


髑髏顔「そういう事だ。どうだ? 私が憎いか?」


響「貴様……………!!!!! 絶対に許さない!!!!!!!」キッ






ドクンッ









響「うっ…………ゴホゴホッ」ゼェゼェ


髑髏顔「お前の屈辱も、懺悔も、私が全てを引き受ける……」



バンッ!!!!!





響「あっ…………あぁ……」カタカタ


髑髏顔「次は当てるぞ?」


響「いっ………嫌………嫌だ………!」


響「あ……………ああぁぁぁぁぁァァァァァァ!!!!!!」


髑髏顔「ほぅ…………やはりな。こいつらを使った方がやりやすい。が、やはり駆逐艦風情から出来たものでは使い物にならないな……」


スネーク「な………何だ、あいつは……」


ミラー《響が……深海棲艦になった? あいつ、如何やって………》


オセロット《話は後だ!ボス、 逃げろ!!》


スネーク「くっ……!!」


髑髏顔「ほぅ、誰かと思えばお前か……。お前もここで、焼け死ね!!!」


響?「…………」










ダァンッ!!!!!







ドカンッ!!!!!!












パチパチ………………














ガシャンッ!!!






パラパラ………………










オセロット《急げ! 倒壊に巻き込まれるぞ!!!》






ダァンッ!!!!!







グラグラ……………





スネーク「くそっ! オセロット。対深海棲艦の武器をありったけ寄越せ! あいつの分もな」


オセロット《了解だ》


スネーク「お前は援護にまわってくれ」


空母棲鬼《》



スネーク「 (だから無線でry) 」





ゴゴゴゴゴゴ…………




ミラー「ボス、巻き込まれなかったのは良かったが、崩れた建物から出てくるぞ!! 気をつけろ!!!」





IDROID《Supply Dropped》



スネーク「よし! そら、お前の武器だ」ヒュン


空母棲鬼「」パシッ




タンッ!!!



スネーク「さて、奴をどうするか……?」


ミラー《連れて帰る気か? 2隻も深海棲艦はいらん!》


オセロット《……….あんたに任せる》


スネーク「勝手な事言いやがって………。明石! 聞こえるか?」


明石《はい、何でしょう?》


スネーク「響が深海棲艦になった。翔鶴や金剛の様に、元に戻す事は可能か?」


明石《………ボス。できる事なら、処分してあげて下さい》


スネーク「何!?」


明石《私でも、金剛さんや翔鶴さんが元に戻った理由がわからないんです。このまま深海棲艦として苦しむなら、せめて貴方の手で…………》


オセロット《………ボス。俺もああは言ったが、殺してやるべきだと思う。奴の所為で多くの命が失われるくらいならな》


スネーク「………わかった。奴らには俺から伝える。いいな」


オセロット《あぁ。了解した》


スネーク「こちらの援護をしてくれ。射程内に奴が入ったらそのまま撃て」


空母棲鬼「」コクッ












〜〜〜












響?「………………」


ミラー《やったか………。ヘリを送る。乗ってくれ》


響?「コ…………コレ」 つ 写真


スネーク「…………これをどうしろと?」


響?「ミンナニ………ワタシテ………ホシイ……ノ………。ゼッタイニ………イキテイル……ハズダカラ………」


スネーク「………………あぁ。確かに受け取った」


響「……Cпасибоза всё.……………… (色々とありがとう) 」


スネーク「…………Пожалуйста (気にするな) 」


パイロット《こちらピークォード。ランディングゾーンに到着!》


スネーク「お前も乗ってくれ」


空母棲鬼「」タンッ


パイロット《離脱します》












Mission Info Updated










Mission Completed







ラバウル基地






















パイロット《降下します》




ガタンッ




スネーク「よっ……と」


暁「ねぇ!? 響は? 響はどうなったの?」


スネーク「………………」つ 写真


雷「これ……!!」


電「最後に、みんなで撮った写真なのです………」


暁「響はどうなったの!? 答えて!!」


スネーク「…………俺が殺した」


電「なん…………で……?」


雷「何で響を殺したの!?」


スネーク「あの状態で、生き延びるのは不可能だ。それに、本人が望んだ事だ」


暁「命を奪ったのに、如何してそんな平気でいられるのよ! この人殺し!!」


明石「暁ちゃん、待って!! 話をよく聞いて?」


明石「ボスは人殺しじゃ無い。響ちゃんが深海棲艦になっちゃって助けようとしてくれたの。でも、深海棲艦になったら2度と戻れない。だがら、殺してあげるべきだったの!!」


電「だったら、何で私たちにも教えてくれなかったのですか!?」


ミラー「お前たちに教えてどうする。助けに行くと?」


スネーク「カズ!」


雷「…………姉妹の死に目に会う事は、いけない事なの!?」


ミラー「お前たちに彼処に居られたら、被害がデカくなるだけだ。ボスに万が一でもあれば…………!!」


暁「……………いっつもそうよ……」


暁「大人は何時も私たちを知ったように、私たちの事を決めていくのよ!!」


暁「私たちの事を何も知らないで……自分たちの勝手を押し付けるのよ!!」


暁「我が儘なのは……大人の方じゃない!!!」ダッ


雷「あ、暁!!」


電「まっ、待って欲しいのです!」







スネーク「………………カズ、最後のは言い過ぎじゃないのか?」


ミラー「ふん。あれ位で逃げるようじゃ、何を言っても同じだ」


明石「副司令もそうですけど、ボスも言い過ぎです。どうしたんですか?お二人共、少し様子がおかしいですよ?」


スネーク「………気のせいだ」


オセロット「はぁ………全く。ボス、あんた一人で背負う気だろう? 響を殺した事」


スネーク「殺したのは俺だ。それは変わらない」


オセロット「だからって、もう少しやり方があるんじゃないか?」


明石「…………ところで、どうするんですか? あの子たち」


スネーク「…………頼めるか?」


明石「はい、お任せ下さい。もう慣れてますから」


スネーク「すまないな。何から何まで」


明石「では、失礼しますね」


オセロット「ボス。あんたの考えも分からないわけじゃないが…………」


スネーク「…………どうせ、俺も地獄から甦った死者だ。深海棲艦とやり合う位なら、奴らに見合うくらいの人間が良いだろう」


ミラー「ボス……………」





















第20話 悪夢の工廠 完











第21話 ショートランド泊地奪還









ーーリンガ泊地より帰投中ーー










ミラー「ボス、緊急事態だ!!」


スネーク「どうした!?」


ミラー「たった今、ショートランド泊地が謎の武装勢力に占拠された!」


スネーク「何だって!?」


ミラー《ともかく、目的を変更する。ショートランド泊地に向かってくれ》


パイロット《了解。目的地を変更、ショートランド泊地に向かいます!》


スネーク「カズ、詳しいことは分かっているのか?」


ミラー《敵についての情報は少ないが、奴らはショートランド泊地にいた俺たちのスタッフを人質としている。「変な動きがあれば1人ずつ殺していく」と言っている》


スネーク「他には?」


ミラー《敵の規模はそこまで大きくないらしい。だが潜入を許したこと、俺たちのスタッフを人質に取ったこと。総合的に見れば、かなりの腕を持った敵だ。くれぐれも用心してほしい》


スネーク「しかし、一体なぜ俺たちを?」


ミラー《それはまだ分かっていない。だが今回俺たちを襲撃したのは、世界中に広がっているPF (プライベート・フォース) の一部だという事が判明した》


スネーク「プライベート・フォース?」


ミラー《詳しいことは、オセロット。頼むぞ》


オセロット《あぁ。PFは、今の俺たち、ダイヤモンド・ドッグズと同じ様な形態の組織だ。だが、PFとここは違う。殆どのPFは、ただ金で雇われて傭兵紛いの仕事を受け入れる連中だ。安く雇うことができ、足も掴まれることもない。顧客からそうやって見られる様な組織だ》


ミラー《そもそも、PFが世界中に広まったのは俺たちが原因だ》


スネーク「俺たちが!?」


オセロット《9年前、あんたの部隊がやってきたビジネス。世界はそれを手放す事が出来なくなったんだ》


ミラー《西も東も、大も小もやってきた俺たちだ。俺たちの力は、世界中に必要とされていた》


オセロット《だから、かつてのあんた達の代わりとして、今や世界中であんたの組織 (MSF) を模倣した組織が作られている。だが、あんたの理想も思想も分かっていない連中ばかりだ》


ミラー《9年前のスタッフの中にも、あんたの姿を追いかけるために、あんたの意思を継ぐ為にPFを立ち上げた奴もいる。だが、どのPFも潰されるか飲み込まれるかだけだった。あんたが居なければ、ビッグボスの目指す世界など、ただの幻 (ファントム) に成り下がる》


ミラー《潰される位なら、ダイヤモンド・ドッグズに引き込もうと考えたが、俺には無理だった。「ビッグボスの居ない組織に興味はない」と》


スネーク「なら、今回の襲撃は誰かに雇われたPFに依るものだと?」


ミラー《今は判断材料が少なすぎる。もう少し時間が欲しい》


パイロット《間も無く、ショートランド泊地に到着!》


ミラー《いいか? 今回は俺たちのスタッフが人質に取られているくれぐれも慎重に行動してくれ。それと、俺たちも大きく動く事ができない為、支援は期待しないでくれ。敵を刺激する訳にもいかん》


スネーク「わかった」


パイロット《どうかお気をつけて、ボス!》


ミラー《ボス。くれぐれも頼んだぞ!》










〜〜〜










スネーク「よし、人質は全員救出できた」


ミラー《ボス、俺から……いや、ダイヤモンド・ドッグズ全スタッフを代表して、礼を言わせてくれ。ありがとう》


スネーク「あぁ。カズ、PFってのは艦娘を保有したものが多いのか?」


ミラー《いや、そんな事はない。俺たちが特殊なだけだが………。まさか!?》


スネーク「そのまさかだ。3隻ほど居るぞ」


ミラー《世界中で深海棲艦が出現するようになってから艦娘も世界中に広まったが、日本のように認知されてはいない。サイファーか…………?》


スネーク「ともかく、艦娘を数隻こっちに寄越してくれないか?」


ミラー《………なら、珊瑚海の攻略に当たらせた金剛と駆逐艦をそっちに送る。念の為に、艦隊は近くのブイン基地で待機させる。必要になったら連絡してくれ》


スネーク「わかった。………っと」


ミラー《どうした?》


スネーク「あれは敵の司令官か?」


ミラー《双眼鏡でよく見るんだ》


スネーク「…………間違いない。通信切るぞ」


ミラー《了解》





スネーク「動くな!!」



司令官「…………随分な仕打ちじゃないか? ビッグボス」


スネーク「なぜ俺たちを襲った? 誰の差し金だ?」


司令官「…………かつての部下の顔も忘れたか」


スネーク「何!?」





比叡「動かないで!!」


榛名・霧島「…………」


スネーク「比叡に榛名と霧島か………。無事で何よりだ」


比叡「貴方に………気を遣われる筋合いなんてない!」


スネーク「で、俺たちを襲撃した理由はなんだ?」


榛名「……………白々しい」


霧島「金剛お姉さまが沈んだのは、貴方の所為でしょう!!!」


スネーク「一体何を……」





ドンッ!!!!!





スネーク「っ!!」グラグラ…………





敵兵士《ほ、報告します!!!!》



司令官「何があった!?」



敵兵士《か、艦娘の襲撃です!!》


司令官「なんだと!? まさか………」


スネーク「金剛なら無事だぞ?」


比叡・榛名・霧島「…………えっ?」


スネーク「俺のところでまた戦ってもらっている。この後合流する予定だ」


比叡「嘘………お姉様!!!」


榛名「えっ!? あっ、ちょっと!!」


霧島「………ま、待ってください!!」


司令官「あっ! おい、お前ら!!」


スネーク「お前の負けだ。投降しろ!」


司令官「くっ…………あんただけは………あんただけは絶対に許さん!!」 E. ナイフ


スネーク「遅い!」CQC


司令官「なっ!?」


スネーク「そりゃぁぁぁあ!!!」


司令官「ぐあっ!!」ドサッ


スネーク「刃先が振れてるぞ!」


司令官「くっ……そぉっ!!!」ブンッ


スネーク「まだまだ!!」CQC


司令官「ぐっ!!!」ドサッ


スネーク「さぁ立て!! 俺を刺してみろ!!」


司令官「あんただけは絶対に………絶対に殺す!!!!!!」スッ


スネーク「まだだ!! 扱いがなってない!!」CQC


司令官「くそっ…………あんただけは………絶対………に……………」STN


スネーク「…………カズ、ヘリを寄越してくれ。此奴も連れて帰る」


ミラー《………いいのか?》


スネーク「あぁ。それと、金剛に連絡を取りたい。そっちから掛けてくるように伝えてくれないか?」


ミラー《………了解。ヘリを用意する。俺たち、ダイヤモンド・ドッグズの危機をボス自らが救ってくれた。後は、こっちに任せてくれ》





ミラー《《 武装勢力に告ぐ。指揮官は排除した。抵抗は無意味だ!! 即刻、武装を解除せよ。投降すれば、命は保証する!! 》》


スネーク「これでひとまず片付いた。後は………」


金剛《ボス! どうかしましたカー?》


スネーク「頼みたいことがある」


金剛《What?》



















〜〜〜













比叡「お姉様!!!」


吹雪「金剛さん! 比叡さん達が!!」


金剛「…………比叡」


榛名「金剛お姉様!」


霧島「ご無事でなによりです!」


金剛「榛名、霧島…………」












金剛「…………ボスに何をしたんデスか?」


比叡「お、お姉様!?」


金剛「ボスに、艤装を向けたと聞きマシタケド?」


榛名「わ、私たちは……お姉様の為を思ってーー」


金剛「shut up!!!!!」


一同「っ………」ビクッ


金剛「ボスに艤装を向けたなら、もう姉妹でも何でもアリマセン!! 私の敵デース!!!!」ジャキン


吹雪「金剛さん! 止めてください!!」


金剛「ブッキーは関係ないデス!! これは、私たちの問題ネ!!!」


スネーク「金剛! 止めておけ!!」


金剛「ボス…………!!」


スネーク「お前の姉妹だろう? 何故武器を向ける?」


金剛「ボスに艤装を向けたなら、もう姉妹でも何でもアリマセン!!」


スネーク「俺は気にしていない。武器を下ろせ」


金剛「また裏切ったら、如何するつもりデスか!!!」


スネーク「仮にもお前の姉妹だろう。そんな事を言うな」


金剛「戦場に立ったなら、姉妹も何も関係ないデース!!!」


スネーク「いいから、下ろせ!」


金剛「………比叡、榛名、霧島。もしまたボスに武器を向けたら、今度こそ許しまセン!!」


比叡・榛名・霧島「は、はい!! お姉様!!!」


スネーク「金剛、先に姉妹を連れてブイン基地に向かってくれ。向こうで合流する」


金剛「………ワカリマシタ」










ミラー《ボス、流石だな》


スネーク「なんの事だ?」


ミラー《おいおい、惚けないでくれよ。金剛を使って、奴らを俺たちの仲間に引き入れた事だよ。あんたが金剛に持ちかけたんだろう?》


スネーク「………上手くいくとは思わなかったがな」


ミラー《飴と鞭を使って、まあよくもあそこまでやったもんだ》


オセロット《上手くあいつらの弱点を突いた、いい作戦だった。あんたが声をかけただけじゃ、奴らは靡かない。金剛を引き合いにしたのは見事だ》


スネーク「金剛には申し訳ない事をしたな………」


オセロット《だが、今後サイファーと渡り合うには戦力が必要だ。気に病む必要もないだろう》


スネーク「………」


ミラー《ともかく、捕まえた敵PFの司令官と比叡たちから話を聞く。準備が出来次第、ラバウルに戻ってくれ》


スネーク「あぁ…………」











第21話 ショートランド泊地奪還 完










第21.5話 デブリーフィング












ラバウル基地










ミラー「ボス、大丈夫か?」


スネーク「あぁ。立て続けに出る事になるとは思わなかったがな」


ミラー「帰ってきて早々すまないが、今回の一連の出来事の報告をしたい。まずは、リンガ泊地にあった地下工廠についてだが……」


スネーク「あぁ。何か?」


ミラー「辺り一面に敷き詰められた死体。その一部で深海棲艦となっていた死体があった事から、あそこで深海棲艦が ”造られていた” と考えるしか………」


ミラー「それと、スカルフェイスのとった行動。奴は確かに、艦娘を深海棲艦にしていた。何故あいつが深海棲艦を造る必要があるのか。如何やって造られたのか。今後、調べていく必要がある」


スネーク「わかった。で、今回の襲撃に関しては?」


ミラー「今回の襲撃の首謀者はサイファーではなく、あんたが回収したPFの司令官自身だった。あの男は、9年前の仲間だった男だ。惨劇を生き延びて、残党狩りに怯える毎日だったそうだ。そして根も葉もない噂に翻弄され、次第にこう思ったそうだ」



ミラー「 ”9年前の襲撃は、あんたの自作自演だった。ビッグボスは世界の目から逃れるために、俺たち仲間を売った” と」


スネーク「…………そうか。で、比叡たちは?」


ミラー「始めのうちは、金剛も共にいたそうだ。他の連中と同じく、深海棲艦から逃れるために太平洋を彷徨っていたらしい。ある時、深海棲艦の大群に襲われ、金剛が残りの3隻を逃がすために囮を買ったらしい」


ミラー「結局、金剛は姉妹に合流しなかったそうだ。深海棲艦に沈められたのではないかと、残された3隻は途方に暮れていた。ある時、今回の襲撃を起こしたあの男に出会い、同じように噂に翻弄された。そして金剛を想う余り、奴らもこう思ったそうだ」


ミラー「 ”多くの仲間、実の姉である金剛が沈んだのも、あんたのせいだ。深海棲艦ではなく、ビッグボスが本当の仇だ” と」


ミラー「目的が一致した連中は手を組み、俺たちを模倣したPFを設立。いつか俺たちを追い上げようと必死だったそうだ。それが、連中なりの報復だったんだ。だが、奴らの企みは失敗に終わった。そう、奴らは情報操作に負けたんだ」


スネーク「で、奴らはどうする?」


ミラー「俺たちを裏切り、喧嘩を売ってきた。この借りはタダじゃ済まさない。だが、今はサイファーを潰すために戦力が必要だ。連中の処遇は、あんたに任せる」


スネーク「………連中が連れていた部隊の兵士は?」


ミラー「そっちも抜かりはない。全員捕らえてある」


スネーク「だったら、ショートランド泊地の警備にでも当たらせるか?」


ミラー「何!? ボス、あんた……本気か?」


スネーク「もちろん、勝手なことはしない様にこっちの兵士も何人か送る。どうだ?」


オセロット「俺も良い案だと思うが?」


ミラー「おい、オセロット!」


オセロット「全員を送るわけじゃない。連中を見ている限り、敵の兵士は統率が取れていない。精々金で雇われたか、衣食住に困った奴らを集めた烏合の衆だ。兵士としての腕は確かだが、あの様子じゃ直ぐに何処かに潰されていただろう」


ミラー「………あの男が何かをしでかす前に、ボスが奴の兵士を引き入れる。そうすれば………」


オセロット「また俺たちに攻撃したとしても、兵士は混乱してまともに動かない。裏切ったなら今度こそ海に沈めればいいさ」


スネーク「人事についてはお前に一任している。連中は使わせてもらうが、細かいことは任せた」


ミラー「………了解。あんたの言う通りにしよう」










バタンッ!!!!!






DD兵「たっ、大変です!!!」


オセロット「何事だ?」


DD兵「あの深海棲艦が、暴れています!!」

















ーー数分前ーー















DD兵1「なぁ、ボスが連れてきたあの深海棲艦。いつまでうちにおいて置くつもりなんだ?」


DD兵2「さあな。だがあいつ、ボスと出撃したらしいぞ」


DD兵1「ボスと!? 大丈夫なのか? 万が一ボスに何かあったら」


DD兵2「心配どころか、むしろ大活躍だったらしい。なんでも、ボスが偵察を指示したら、事細かに情報が送られたそうだ。しかも一片の狂いも無くな」


DD兵1「ふーん。だがなぁ………」


DD兵3「た、助けてくれ!!!」


DD兵1「何だよ、藪から棒に」


DD兵3「あ、あいつ………あいつ!」


DD兵2「あいつ?」


空母棲鬼「」スタスタ


DD兵1「おい、何やってんだ」


DD兵2「ナイフを捨ててさっさと戻れ!」


空母棲鬼「」ドンッ


DD兵2「うわぁぁぁぁ!!!!」ダンッ


DD兵1「こいつ!!!」


空母棲鬼「」ドンッ


DD兵1「ぐあっ!!!」


DD兵3「く、来るな! 来るな!!!」






ヒュン!!







DD兵3「ぐぅ…………」グググ


DD兵1「おい、あいつ……!」


DD兵2「本気で………殺す気か…………?」


スネーク「おい、何やってんだ!」


空母棲鬼「」グググ


スネーク「おい、止せ!!」


空母棲鬼「」ブンッ


スネーク「うおっ!!」


空母棲鬼「」ブンッ ブンッ


スネーク「こいつ………!」グイッ


空母棲鬼「……!」


スネーク「そりゃああぁぁぁ!!」


空母棲鬼「……っ!」バタンッ


スネーク「おい、お前らも手伝え!」グググ


DD兵2「はっ、はい!!」


DD兵1「わかりました。………うわっ!!」


スネーク「大人しくしろ」


空母棲鬼「」ジタバタ


オセロット「押さえてろ!!」チクッ


空母棲鬼「っ………!」ガクッ


スネーク「…………ふぅ」


DD兵1「大丈夫か?」


DD兵3「何すんだ!! 化け物!!!!!」


オセロット「医務室に運んでやれ」


DD兵2「はっ!」


スネーク「こいつ、何のつもりで……」


オセロット「前にも話したが、ここのスタッフはこいつに対して風当たりが強い。普段の仕返しのつもりなのか、それとも………」


スネーク「ともかく、独房の監視を強化しろ。今度また同じことがあれば、今度こそこいつを殺す」


オセロット「………了解」


スネーク「全く、問題が次々と……」


オセロット「今回の件については、こっちでどうにかする。事が分かり次第伝える。いいな?」


スネーク「…………あぁ」









第21.5話 デブリーフィング 完


後書き

この枠では全て埋まらないと判断し、区切りがいいので次枠を作ります。ご容赦を。


響が嫁の提督方には、大変申し訳ない事をしたと思っております。風呂敷を広げすぎたような気も………。

お陰様で今回のストーリーは1スレでは終わりませんな。3つ、4つぐらいは行くかもしれませんね。

空母棲鬼の名前についてですが、今の所バンシーが最有力かな? といった所です。鬼姫と聞いて、真っ先にガオレンジャーを思い出したのは多分自分だけだと思う (当時よく見てた)。その他諸々のアイディア、ありがとうございます。まだまだお待ちしていますので、ご意見お聞かせください!

ここでコメントの返しをします。(コメ欄でなく後書きに記載していきます)

Q.プラットホーム奪還はやるのか?

A.やります。鎮守府である手前、海上プラントの様に増築できないので、『基地の拡大』ではなく『基地を奪還し、使用する』ことにしました。主犯格は前回の物語の時から決めていました。

Q.YouTubeで同じアカウントをみた

A.別人です。もし迷惑であるとか、ややこしくなる様であれば変更いたします。

Q博士の体重が62kg……

A.正直わかる人がいるかどうか微妙でしたけど、居てくれよかったです。

Q.クワイエットポジについて……

A.深海棲艦を使うのは初期段階で決まっていました。深海棲艦がいて喉のアレを使うのはちょっと……などと思いましたので、喉のアレは使いません。(断言)
ミラーの八つ当たり? や、他のスタッフからの嫌がらせ? については、相手が深海棲艦なので多少あった方が……。あまりひどい事はしませんが、本家のあの感動をこちらでも作れたらなと思っています。

Q駆逐艦を入れられない……

A.本編でも子供を回収していたので、そんな事は無いだろうと思ったり思わなかったり。実際同じポジで第六駆逐隊を入れてみました。ミラーがもう……。



リクエストについてはこちらに書いていきます。

シャラシャーシカの由来で………

やっつけで作ったので自分でも何言ってんだろうと言うところがあったりなかったりしますが、こんな物でよろしいでしょうか?


その他のコメントも、読ませていただいております。非常に励まされます。何としても完結させますので、これからもよろしくお願いします。

小ネタ 切れた!?
に関してですがメタルギアライジングと艦これのクロスオーバーを考えている途中で、思いついた小ネタでした。
夕立がソロモンの悪夢化したら雷電の切り裂きジャック化に似ているなぁという小並感で思いついたネタでした。

予告通り、TPP本編をビッグボス展開で、ヒューイは善人で進めていきます。このSSでは

エイハブ→ビッグボス御本人

イシュメイル→???

ヒューイ→ 考えを改めたよ。君の役に立ちたいんだ。

クワイエット→ 謎の多い空母棲鬼

となっています。混乱しないよう、ご注意を。


先に言うと、クワイエット、イーライ、第三の子供、燃える男は出てきません。

コードトーカーはでます。それっぽい人物という意味ですが。役割が同じということです。


このSSへの評価

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1: SS好きの名無しさん 2016-01-11 15:30:37 ID: Myv49OTH

Vが目覚めた

2: SS好きの名無しさん 2016-01-11 23:49:17 ID: NoT0mOed

プラットフォーム奪還とかはやったりするのかな?
あのミッションで襲撃してきたグループの主犯格は実は……ワー!

3: SS好きの名無しさん 2016-01-15 02:05:57 ID: CZAzWLLx

待ってました
原作が未完で終わっているのでどんな話になるか楽しみです

4: SS好きの名無しさん 2016-01-16 23:29:22 ID: cuE-A9Mm

ついに目覚めたか
クワイエット役は誰だ?

5: SS好きの名無しさん 2016-01-18 00:55:23 ID: kkDBdOwu

イシュメールは、おそらくボスのかつての敵だった人じゃないかな?
予想だけど、ジーンが率いていたFOXの誰かだと思う。

6: SS好きの名無しさん 2016-01-20 21:40:15 ID: LW80oges

燃える男「…。」

サイコ・マンティス「…。」

コードトーカー「…。」

7: SS好きの名無しさん 2016-01-21 01:38:28 ID: R5EHSZo_

オセロットキター!!

8: SS好きの名無しさん 2016-01-23 21:59:58 ID: JW9fAFLS

イシュメールは安定のジョナサンかな

9: SS好きの名無しさん 2016-01-25 13:28:15 ID: 3bnPSzkL

死してなおも輝くのタイトルが…。

このBIGBOSSはMGS4に繋いで行けるか心配だよ。

10: SS好きの名無しさん 2016-01-25 22:48:27 ID: CStPZWg2

どうでもいいけど、作者と同じネームを
youtubeでみたんだが、同じ人か?

11: SS好きの名無しさん 2016-02-06 22:45:54 ID: WKyGx-5j

どれだけ遅れようと、私は一向にかまわん!!

12: SS好きの名無しさん 2016-02-07 02:20:43 ID: JXbIcQn-

気分は月刊コミックを待ちわびる子供だよ
無理しない程度にがんばれ

3の小ネタ多くておもしろいね

13: SS好きの名無しさん 2016-02-12 20:02:49 ID: XIRcOg0g

駆逐艦は俺たちとは暮らせない

14: SS好きの名無しさん 2016-02-18 19:47:51 ID: NfNiC5_X

さすがに時間がかかりすぎじゃないか?でも待ってます。

15: SS好きの名無しさん 2016-02-22 15:59:26 ID: aYHV2gU4

いつも気になるところで終わる!
めちゃくちゃ気になるぅ!

16: SS好きの名無しさん 2016-03-06 22:13:02 ID: vDXkKHcn

うう......
楽しみにしてます!
頑張って下さい!

17: SS好きの名無しさん 2016-03-11 14:28:09 ID: G15Smu2E

深海棲艦がスカルズでそれを指揮するのが髑髏顔(スカルフェイス)………兵器呼ばわりか、あの外道は…………!!! 空母で誰かが生き残ってると自分は思います

楽しみに待っています!!!

18: SS好きの名無しさん 2016-03-13 17:04:23 ID: q4b6NYRG

博士の体重の62キロって、オタコン(シャドーモセス)の頃の体重じゃないか。これわかる人いるのか?

19: SS好きの名無しさん 2016-03-14 22:45:53 ID: 8_vNeCrk

翔鶴さん...
戻ってくれました
up主、ありがとう!

20: SS好きの名無しさん 2016-03-16 12:19:37 ID: 0f6QN1L8

翔鶴が生存者の一人………危うく深海化する所でしたね………でも、元に戻ってホントに良かった…………

ちょっと気になるのは、カズが原作みたいに復讐の鬼に成ってしまったのかですね…………クワイエットポジションの娘とかに危害加えたりとかしないで欲しいです

クワイエットポジションの娘、もし喉にアレがあるのなら、明石さんやエメリッヒ博士がそれの治療をしてくれたら嬉しいです

では、しつれいします

21: SS好きの名無しさん 2016-03-24 05:35:38 ID: rrz1TIw9

動物保護プラットホームは造らないのか?

22: SS好きの名無しさん 2016-03-28 22:39:40 ID: EHXOaoTZ

ヒャッハー
新作だー!
(・~・)b いいセンスだ。

23: SS好きの名無しさん 2016-04-02 16:56:42 ID: 4alk49lC

オセロットのシャラシャーシカの由来の話しを、頼みます。

24: SS好きの名無しさん 2016-04-05 01:00:14 ID: StCt7jrJ

コードネーム・・・鬼を意味する「オーガ」、姫を意味する「プリンセス」を組み合わせてみては、どうでしょう?

25: SS好きの名無しさん 2016-04-05 23:34:48 ID: u9il09qs

パッと思い付いたのは赤い目をして泣く妖精のバンシー……とか?
まあ某戦闘妖精にも同じ名前の空母あるんですけどね……

26: SS好きの名無しさん 2016-04-12 19:14:45 ID: 3npMj1xm

鬼のスペイン語約のディアブロなんてどうでしょう?

27: SS好きの名無しさん 2016-04-15 09:03:45 ID: jK_xfyHV

シンプルに鬼姫(オニヒメ)でいいんじゃないかしら


このSSへのオススメ

5件オススメされています

1: ┌(┌ ・ω・)┐ダンッ 2016-01-21 22:56:43 ID: 78D2C0BW

読みやすくそして個性がある内容でした、読んでいてとても面白かったです。

2: poipoirion 2016-02-12 19:02:25 ID: whmenrS_

最高でした(* • ω • )b

3: SS好きの名無しさん 2016-02-22 16:00:12 ID: aYHV2gU4

おもしろい!!

4: SS好きの名無しさん 2016-03-14 22:47:15 ID: 8_vNeCrk

mgs, 艦これを知らない人でも、楽しめます!

5: SS好きの名無しさん 2016-03-29 14:56:31 ID: nPAWM8xd

オセロット「いいセンスだ!!」


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