夕立改二「秘書艦って、こんなものだっけ」
トラック泊地シリーズ。
泊地の日常。
夕立改二「…………」
夕立改二「第一主力艦隊は北方より帰還、戦果S判定
第二艦隊第一主力部隊は待機、
第二、第三遠征部隊は遠征より帰還
前者は鼠輸送、後者は……資源輸送。どちらも成功」
夕立改二「第三艦隊は遠征中、じき帰還
第四艦隊は待機。現在は第三艦隊をのぞく全艦隊が泊地にて待機中、か」
夕立改二「……『イベント』終了直後だからか、目立った仕事はなかったな」
夕立改二「数週間前なら、もっとてんてこまいの状態だったけど……落ち着いちゃうとそれはそれで寂しいな」
夕立改二「……………………」
夕立改二「あああああああああああああああああああ!!!!!!!」ゴロゴロビタァァン
夕立改二「おっかしーなー!?おっかしーな!!!私こんな艦娘だったっけかなー!?
ていうかぽいって言わなくなって久しい気がするっぽい!!!あ、言えた」
夕立改二「秘書艦ってこんなものだっけ……みんなから支えられて、なにもかも完璧でなくとも
他の子からの信頼や協力で成り立って」
夕立改二「そのはずなんだけどな……日を重ねるごとに自分が自分でなくなっていく気がする……
書類の山をさばくのにも慣れちゃったし……」
夕立改二「…………よし」
夕立改二「ここはひとつ……駄目になろう!!」
夕立改二「夕立の駄目っぷりをアピールして
みんなからの憧れの的とかいう立場をどーにかするっぽい!」
夕立改二「……………」
夕立改二「……ちょっと前までは、私も憧れる側だったんだけどな……
あれ……ちょっと前って、何年前だっけ……」
夕立改二「……さびしくなんかねーしっぽい……」
*
夕立改二「ククク、書類が片付かないうちに工廠に来てやったぜ……
まずは提督から頼まれた開発をことごとく失敗してやるっぽい」
北上「おー、夕立秘書艦。今日はよろしくお願いします」ビシッ
夕立改二(こいつの敬礼も様になってきたなぁ)
夕立改二(とか考えてる場合じゃねーや)
夕立改二「ええと、私が頼まれたのは何だったかな」
北上「対潜装備が主で、ついでに魚雷もって言ってましたねえ」
夕立改二「了解」(全部14cm単装砲にしたろ)
*
北上「あ、出来ました?」
夕立改二「できたよー。ほら」ゴトン
【51cm連装砲の開発に成功しました!】
北上「」ブーーーッッ!!!!
夕立改二「試製にするつもりが失敗しちゃったっぽい」
北上「火力+33……対空+5……なんだこれ!?なにこれ!?これなに!?なんだこれーーっ!!?」
夕立改二「装備できる子いないだろうから廃棄しといてっぽい」テヘペロ
*
夕立改二「よォし、工廠でとんでもないミスを残したまま
続いては演習に行くっぽい」
鹿島「汝らなんぞやァ!?」
長門・武蔵・赤城・飛龍・島風・時津風
「我等艦娘ッ!軍人にして兵器なりッ!!」
夕立改二「演習でわざと負けて駄目っぷりをアピールしてやるっぽい」
鹿島「汝らッ――ぁら?……秘書艦に敬礼ッ!」
長門・武蔵・赤城・飛龍・島風・時津風
「「「「「「ッッ!!!」」」」」」ザザッ
鹿島「おはようございます、夕立秘書艦」
夕立改二「嗚呼、おはよう。これから演習か?」
鹿島「はい。第三艦隊との対抗演習を予定していますが……少々遠征が長引いているようで」
夕立改二(報せがあったから知ってるし見計らったぜ)
夕立改二「そうか。では、時間潰しというわけではないが、私とやるか?」
長門・武蔵・赤城・飛龍・島風・時津風
「「「「「「!!??!?」」」」」」ビクゥッ
鹿島「えっ――よ、よろしいのですか!?そんな……」
夕立改二「遠慮するな。たまには私も、みんなのために体を動かさんとね。」
鹿島「……。聞ィたか長門ッ!!聞ィィたか武蔵ィッ!!!
今日限り、夕立秘書艦が我等の恩敵となってくれるぞッ!!!
恥をかかぬよう全力で戦えェいッ!!!」
夕立改二(全力で負けてやるっぽい)
*
夕立改二(わりと力が入っちゃったっぽい)大破
長門「はぁッ……はぁッ……」大破
飛龍「辛勝、でしたッ……!!!」大破
武蔵「――勝利ッ!!S判定だぞォッ!!!」
島風「私がいっちばぁあんっ!!!」MVP
時津風「うそ、んなバカな」
鹿島「よくやりましたね、皆さん……
秘書艦、本当にありがとうございます。
いい経験になりました」
夕立改二「……強くなったな、みんな」
夕立改二(勝てる相手とわかって、これからどんどんナメられるぜっぽい)
長門・武蔵・赤城・飛龍・島風・時津風
「「「「「「ぁりがとうございましたァッ!!!」」」」」」ズァッ
*
夕立改二「ふー、さすがに疲れたや」
夕立改二「次は何しよっかな……ぁ、そうだ」
夕立改二「無傷なのに入渠して仕事サボるっぽい」スタタ
夕立改二「ドックはひとつ埋まるし、いくらでも居座れるからとんでもない迷惑になるぜ」
夕立改二「自分がされたら間違いなく怒るけど」
夕立改二「…………」
球磨「風呂掃除も責務だクマッ!みんなしっかりやるクマー!」
叢雲「毎日掃除してると、どんな汚れも簡単に落ちるからすっきりするわね」
響「血糊のはりついた入渠ドックなんて使いたくないからね。
そうだろ、卯月」
卯月「たしかに嫌だけど風呂掃除はもっと嫌ぴょぉん……卯月これやるくらいなら
まだ長距離練習回ったほうがいいぴょん」
夕立改二「ほう」
睦月「にゃしっ!?」
卯月「ぉげアッ!?」
球磨「夕立秘書艦!……敬礼っ!」
\ザッ/\ぴょんっ/
球磨「秘書艦、どうされました?ドック清掃は滞りなく進んでるクマ」
夕立改二「少し風呂に入ろうと思ってな。邪魔したか?」
響「とんでもない。あなたの顔を見るだけで士気が高まるんだ
こんなところにまで来てくれて、ありがたい限りだよ」
卯月「ヒエエもう駄目ぴょん秘書艦の前でへんなこと口走った卯月は三式弾に詰め込まれて飛行場に投げ飛ばされるんだっぴょん」ガタガタ
睦月「卯月ちゃん、それは秘書艦の前で言うことじゃないよ」
夕立改二「お前から見て私がどう写ってるかはよぉくわかったよ」
卯月「ほああああああ」
夕立改二「私が来た以上、シミのひとつも残させんぞ。気張れっ!」
\はいっ!/
夕立改二(これで風呂掃除にも文句を言うクソ迷惑なやつというキャラが定着したぴょん)
夕立改二(…………)
夕立改二「いや、ぴょんじゃないだろ」ボソッ
卯月「!!!!!!」ガタガタショワワァァ
球磨「ぅおーっ!?水道管が破裂しとるクマ!?」
睦月「卯月ちゃん!?卯月ちゃん起きて!?」
夕立改二(……?我慢してたのかな……)
*
夕立改二「さぁ、て……お風呂入れなかったから疲れたまんまだ」
夕立改二「工廠、演習、入渠ときたから……」
夕立改二「次は出撃っぽい!」
夕立改二「そうと決まれば新海域に単身で乗り込んで迷惑かけてやるっぽい」
夕立改二「きっとこれが極めつけになるぜ」ウェイアンカー
*
北上「秘書艦、夕立秘書艦ー?……ぁるえ、おっかしいな……」
武蔵「……? どうした、北上?」
北上「あー、武蔵ぃ。いえね、秘書艦探してるんだけど、知らない?」
武蔵「夕立秘書艦か?んー……いや、知らないな。先程まで演習を行っていたが……」
北上「んー、どうしちゃったのかな……」
夕立改二「ただいまー」中破
武蔵「おかえ……ほぁっ!?」
北上「お、ひしょかんぅえっ!!?」
夕立改二「いやぁ、新海域行ったけどわりと苦戦しちゃってさ」
武蔵「か、母さんがここまで……!?クソっ、新海域……あそこかッ!?」
北上「こ、こりゃマズイね…… 鹿島っ!カモンッ!」
バサバサバサバサバサ(※教科書ワープ)
鹿島「およびですか、北上さん」
北上「第一から第四を収集して!これからかの新海域へ突入するッ!
行けるね、武蔵!?」
武蔵「行けずとも単身で向かうッ!!旗艦は私がつとめる、任せたぞ鹿島ッ!」
鹿島「はいっ!では失礼します!」バサバサバサバサバサ
夕立改二「ぇ、ちょっとまって」
武蔵「深海棲艦(バケモノども)め……兆倍にして返すぞッ……!!」ダダッ
北上「こりゃあおちおちしてられないな……気合い入れるかっ……!」ダダッ
夕立改二「ちょっと、あの……」
夕立改二「…………」
夕立改二「夕立、ぽつーん……」
*
夕立改二「…………」
夕立改二「お風呂、綺麗だなー…………」
提督「…………? あれ……夕立?どうしたんだ、お前が一人で入渠なんて」
夕立改二「あ、提督さん……お疲れさま。ちょっと無理しちゃって」
提督「ああ、仕事が残されてたのもそのためか。駄目だぞ、無理をしちゃ。
いくらでも弱音を吐いて、いくらでも休んでから仕事を始めてくれ」チャプ
夕立改二「………………」
夕立改二(ていうか秘書艦が迷惑かけちゃ駄目じゃね?)
夕立改二(ていうか残したお仕事も提督さんがやってくれて……
私はいったい何をしてたんだっぽい……)
提督「……何か、悩みごとか?」
夕立改二「ぽいっ!?」
提督「ああいや……お前の口数が減る時は決まってそんな時だ。
カマをかけたが、当たったか?」
夕立改二「う………うううう、提督さんっ…………」
提督「……???」
*
提督「ははあ、なるほどなぁ……」
夕立改二「なんか、自分が変わっていっちゃったようで、それがすごくさみしくて」
提督「変わったんじゃなくて、成長したんだ。それに、もしお前が変わったとしても、ここは何も変わらないさ」
夕立改二「……………」
提督「まぁ、気持ちはわからんでもないがね。そんなことを心配できるなら、お前はお前のままだ、大丈夫だ」
夕立改二「……そう?そうかなぁ……」
夕立改二「ていうか私すげえ自分勝手なことしてた!!」バシャァ
提督「ぅわお。いきなり立ち上がるなよ、乙女がはしたない」
夕立改二「提督さん、どうしよう!?」
提督「どうしようと言われても…… ! あ、そうだ」
提督「なら、こういうのはどうだ?秘書艦らしく――――」
*
飛龍「駄目です、もちませんっ……体がッ……もう……!!」
島風「速度が、落ちてっ…………きゃあっ!?」
長門「――凌げッ!!まだだ、まだ終わらんぞッ……!!」
赤城「・・・ククッ・・・最高だ・・・さすがに気分が高揚する・・・っ!」
武蔵「――全くだ、赤城……どうした、化け物どもッ!?私は、ここだッ!!!」
『馬鹿ナ………何故、沈マナイッ…………!?』
『大破シテ尚、闘志ヲ――ッ!?クッ……沈メェッ!!』
時津風「…………沈む、もんかっ……!!!」
赤城「・・・・大破・・・損壊・・・・!馬鹿じゃねえのか・・・?」
赤城「艦娘は軍艦じゃねえ・・・!燃料だけで動いてるわけじゃねえんだっ・・・!」
武蔵「……そんな常識とは、並外れた場所に――」
飛龍「あの人は、存在するっ……!!!」
『ナッ……ンダト…………!!?』
【支援艦隊が到着しました!】
『援軍……一隻ッ!?』
『待テ、奴ハッ!!!』
――――っふふふふ………ぁっはははは………っ!!!
赤城「・・・来たぜ・・・!」
長門「……ぬるり、とっ……!」
【不明なユニットが接続されました】
【直ちに使用を中止してください】
バチバチバチッ!!!ゴゴゴゴゴゴッッ………!!!
シャ【61cm五連装魚雷発射管(酸素)】
シャッ【61cm五連装酸素発射管(酸素)】
シャッ【51cm連装砲】
夕立改二
「『How do you like me noooooow!!!!!?』」
――(素敵なパーティは終わりだッ!!
消え失せろォォオッッッ!!!)
カッ――――――
時津風「うそ、んなバカな」
ズドォォオォォオオォオオォンッッッ!!!!!
*
夕立改二「てなわけでクリアしてきた。」
提督「ん。お疲れさん。いくらでも飯を食っていいが
当分出撃は無しな」
赤城「残念です」
武蔵「えー」
提督「一日で海域攻略したんだから十分だろ。
あとは演習でもやってくれ」
鹿島「はい。頑張りましょうね」
飛龍「お願いします、鹿島さんっ」
卯月「マジ勘弁」
夕立改二(……そういや、私が来るまで耐えられてたのも演習やったからっぽい?)
夕立改二(そうだとしても強引に出撃はもう控えてほしいっぽい)
夕立改二「……しっかし、無理に失敗しようとしてかえって結果を出しちゃうとは……」
提督「実力とまわりからの信頼とが釣り合っているんだろうな。
ともあれ、よくやった。しっかり休め」
\はいっ/\ぴょ……はい/
*
夕立改二(私が変わったとしても、ここは変わらない、かぁ)
夕立改二(……そんなところの秘書艦を任されてるんだな、私って)
夕立改二「さぁ、て」
夕立改二「明日もみんなと頑張るかなぁっ!」
*
提督「…………」
北上「結局、どうしようね。これ」
ゴロン【51cm連装砲】
提督「……夕立が使えることはわかったが
これ、どうやって作ったんだ?」
北上「秘書艦が装備を大型艦建造で作った。」
提督「…………」
提督「夕立」
夕立改二「…………はぇ?」
提督「遠征」
追っかけ追っかけ読んで
やっとこ最新話に行き着いた・・・。
登場人物がいつのまに増えてるし。
大和とか武蔵とかとかのエピソードとかは
これからなのかしら。
PV数なんて気にしたら負けのような(何の勝負だw)
作品の雰囲気は好きなのでこれからも頑張ってください!
ありがとうございます。
更新頻度はうんこですが
書き続けていきたいと思います。
PVもすくねーけど!!!
まぁそこは顧客のニーズと食い違っているというか
仕方ないとこですけどね。
武蔵ともうしたか
よろしい
あ、応援ほんとに励みになります。
コメント滅多につかないのですんごい嬉しいです。
艦これ1㎜の知識しかない僕でもスッと読める良い文章だったよ(上から目線)
ありふれた臭い文も少なく落ちもあって調度良いバランスだと感じたです。
これからもちまちま読むんで頑張って下さいね~
おー、いいゾ~
他の作品はこの10倍ぐらい濃い
文章でかかれてっから
がんばって読め(強制)
投稿するとこ間違えちゃったかな
思春期の中学生のような時雨にぐっときました
時雨が終始地の文というか思考だだもれだったので感情移入もとてもしやすかったです。起きるまでは慎重にしてたのに起きてから大胆になるのもまた時雨っぽくて
そして最後!最後ですよ!逆パターン……
夕立は……どうしてしまうのか……
続き楽しみにしていますね?
まちがってますね。でも大丈夫わかる
ありがとうございます、まいどまいど。
続きませんよ?