アホ提督の鎮守府引退までの物語part6
元帥の目的が判明!?アホ提督たちの日常は戻るのか?そして決断する。元の日常を取り戻すために
お久しぶりです。最近サボってたので楽しみにしていた方申し訳ございません。今回も濃い内容になっていると思います。それではどうぞ
※書き忘れていましたが作品内で起こる事件はすべてフィクションです
提督「ふぅ………疲れた!」
瑞鶴「お疲れ様。裏の提督さんは?」
提督「ん?ああ、めんどくさくて出てきたくないんだって。俺もあいつ出すと体だるくなるんだよね」
瑞鶴「へぇ……」
提督「いつもすまんな。デスクワーク手伝ってくれて」
瑞鶴「いいのよ」
提督「それにしても……提督補佐は何してんだろうな」
瑞鶴「慌てて『街に行ってきます!』って出ていったからね」
提督「だよね」
ガチャ
提督補佐「今帰りましたぁ!」
提督「おーおかえり」
提督補佐「すみません急に出ちゃって」
提督「いいよいいよ。デスクワーク全部終わったし」
瑞鶴「ところでその袋に入ってるものは?」
提督補佐「これですか?これは鳳翔さんにお渡しする食材です!」
提督「へぇー見ていい?」
提督補佐「いいですけど……」
瑞鶴「どれどれ……えっ!?」
提督「お前これ伊勢海老じゃないか!どこで手に入れたんだよ!」
提督補佐「いや実は僕の実家漁師でして……最近は深海棲艦のせいであんまり取れないとか言ってました」
瑞鶴「でも鳳翔さん伊勢海老触れたっけ?」
提督「いやお前食堂経営するくらいだから触れないとおかしいだろ」
鳳翔「うわぁぁぁぁ!!!動いたぁぁぁぁ!!!怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!!ひゃっ!?なにか出しましたよ!!!」
一同「……………」
提督「あれ?」
瑞鶴「…………」
提督補佐「………仕方ない俺が調理するか」
鳳翔「そうしてください!調理場はこっちにあるので!うわぁマジでびっくりした」
提督「鳳翔さんが鳳翔さんじゃなくなった瞬間だな……」
瑞鶴「珍しい1面もあるのね……」
提督補佐「それじゃ始めますか」
提督「何作るの?」
提督補佐「金網の上に伊勢海老のせて焼くだけです。親父はいつもそうして俺に食わせてくれてました」
提督「でもお前伊勢海老だろ?もっと上手く調理できないのか?」
提督補佐「焼くだけかなり美味しいですよ」
提督「へぇー…で今日なんかあったっけ?」
瑞鶴「いつも月末に飲み会してるじゃない。忘れてたの?」
提督「そうだっけ?いや忘れてはないんだけど。それだったら鳳翔さん俺の後ろに隠れてる暇なんてないですよ。大丈夫なんですか?」
鳳翔「下ごしらえは終わってるし後で駆逐艦のみんなが来て一緒に作ってくれるみたいなので大丈夫です!」
提督「そういえば赤城とかは?」
瑞鶴「演習」
提督「あっそうだったわ」
瑞鶴「今月の飲み会は凄くうまそうなものが出そうね……」
提督「おう……瑞鶴」
瑞鶴「なに?」
提督「地域の人に超レアな焼酎貰ったんだけど………」コソコソ
瑞鶴「!?」
瑞鶴「飲まずにはいられないわね……」
提督「まぁ楽しみにしてろ」
提督「今月もお疲れ様!飲んで食ってバカ騒ぎしてくれ!それじゃ乾杯!」
艦娘「「「「乾杯!」」」」
提督「ふぅ……」
瑞鶴「お疲れ様。挨拶だけでも疲れる提督さんって珍しいわね」
提督「いや俺は酒の肴を探しているんだ……今月は何があった?」
瑞鶴「唐揚げは相変わらず人気ね……魚の煮付け……刺身……やっぱり刺身は飛龍とか那智さんあたりね……ここは無難にフライドポテトとかは?」
提督「そうだな……いや待て飛龍に頼み込んだら多分刺身貰えるぞ」
瑞鶴「ほんと?」
提督「おお。待ってろ」
提督「飛龍!!」
飛龍「おっ提督。どしたの?」
提督「刺身ちょっと分けてくんない?」
飛龍「えー!やだよ!」
提督「なんで」
飛龍「なんでって……あれ?なんでだろ?」
提督「後で美味しい焼酎持ってきてやるから」
飛龍「どうぞいくらでも持っていってください」
提督「サンキュ!」
提督「な?」
瑞鶴「飛龍さん単純すぎでしょ」
提督「あいつ酒のためなら何でもするから」
瑞鶴「相変わらず馬鹿なんだから……」
提督「まぁそう言うな……それにしても、俺が初めて着任した日からみんな顔が変わったよなぁ」
瑞鶴「そうね……あなたが来てからガラッと変わったもん」
提督「いい意味で?」
瑞鶴「いい意味で」
提督「そっか」
瑞鶴「あいつも変わったしだんだん馴染めてるからやっぱり反省してるんでしょうね」
提督「俺も補佐にしようか迷ったんだよ。お前らがまた何かされるんじゃないかなって思って」
瑞鶴「提督さんにしては珍しいわね」
提督「なにが?」
瑞鶴「いやなんでもない」
提督「そうか」
瑞鶴「…………」
提督「…………」
瑞鶴「あのさ……」
提督「どうした」
瑞鶴「侵食は今どんな感じ?」
提督「まぁ少しずつ進んでるかな。100%中52%くらい」
瑞鶴「明石さんに相談した?」
提督「なんで明石さんに相談するんだよ」
瑞鶴「あの人一応医者の免許も持ってるわよ」
提督「え、初耳」
瑞鶴「明日相談しに行きましょ」
提督「おう」
明石「かなり進行が進んでますね……まぁ任せてください。2時間で治します」
提督「2時間で治せるんですか!?」
明石「はい!これをぶっ刺すだけで治ります。この中に入ってる液体、これは侵食している物質を殺すことが出来ます!でも、完全に治るわけではないので……」
提督「そっか……ってそれ針デカすぎ!」
明石「3秒です。3秒我慢して2時間寝たら治りますから!我慢我慢!」
瑞鶴「我慢我慢!」ガクガクブルブル
提督「お前膝がくがくしてるぞ!」
明石「えいっ」ブスッ
瑞鶴「あっ」
提督「あっ」
2時間後……
提督「………んっ」
瑞鶴「起きた?はいこれ、お茶」
提督「ん。ありがと。聞きたいことあるんだけど」
瑞鶴「どうしたの?」
提督「なんで俺は膝枕されてるの?」
瑞鶴「うーん……気分?」
提督「あぁそう」
瑞鶴「私さ……」
提督「どうした?」
瑞鶴「幸せだなって」
提督「どうした急に」
瑞鶴「あの頃とは変わったなぁって」
提督「まぁあいつも今頑張ってるしな」
瑞鶴「加賀さんは相変わらず嫌ってるけどね」
提督「まぁ仕方ないよな」
テイトクー!!!
瑞鶴「ん?誰か来たよ?」
提督補佐「ちょっとこの書類見てください」
提督「ん?各鎮守府で誘拐事件が発生してる!?どういう事だ?」
提督補佐「実はさっき他の鎮守府から電話があって、出撃してからずっと帰ってきてないそうです」
提督「これまた元帥絡みか?」
提督補佐「その可能性が高いですね」
提督「仕方ない。協力するか」
提督補佐「一つお聞きしてもいいですか?」
提督「なに?」
提督補佐「なんで膝枕されてるんですか!?羨ましいです!」
提督「あー……起きたらこういう状況だった」
瑞鶴「あなたは鳳翔さんに頼んできなさい」
提督補佐「わかりました!鳳翔さぁぁぁぁぁん!!!」
提督「行ったか……」
瑞鶴「で?この事件どうするつもり?」
提督「まぁ解決するよ」
瑞鶴「どうやって?」
提督「俺どこにいるか知ってるし」
瑞鶴「どこなの?」
提督「ミッドウェー島」
提督「今回の事件は紙に書いてるとおりの作戦だ」
赤城「ミッドウェー……」
提督「そうだよなぁお前らあんまりいい思い出無いもんなぁ……」
赤城「なにせ空母が沈んだ場所ですから」
加賀「でも今回は誘拐された艦娘を救うだけだから大丈夫ですよ」
提督「それじゃお前ら、行くぞ」
「「「「了解!」」」」
提督「どうだ?そっちの状況は?」
赤城『ミッドウェー島の近くにいます。ここまで敵影はありません』
加賀『逆に敵影がないから怖いわ……』
提督「やばいと思ったら撤退してもいいぞ」
『『『了解!』』』
提督補佐「赤城さんたち大丈夫ですかね?」
提督「大丈夫だろ」
赤城『提督!聞こえますか!?』
提督「どうした?」
赤城『螺旋状の建物があるんですが……』
提督「螺旋状?」
摩耶『中は見えねぇ……見えねぇというか見えなくしてるぞ』
提督「建物には入るな。様子見してくれ」
赤城『様子見ですか……了解です』
雪風『あれ?なんか出てきてますよ』
加賀『あれは艦娘!?』
提督「どうした!?」
赤城『中から艦娘が出てきました!艤装も外されてます!』
提督「艤装外されてるのか!?クソッ!仕方ない……爆撃しろ!」
赤城『艦娘たちは!?』
提督「爆撃している間に長門が行け!」
長門『分かった。任せておけ』
提督「成功を祈る」
2時間後……
長門『提督!聞こえるか!?』
提督「聞こえてるぞ!どうした!?」
長門『全艦娘救出完了!今から帰投する!』
提督「よくやった!」
提督「ちょっと聞きたいことあるんだけどいいかな?」
救出された艦娘「何ですか……?」
提督「まず君の名前教えて」
日向「伊勢型2番艦日向だ」
提督「日向ね……あの螺旋状の建物には何があった?」
日向「あの建物の中には……沈没した艦娘たちをホルマリン漬けにして収容している場所と捕まえた艦娘を深海棲艦にする装置がある」
提督「ホルマリン漬け!?」
日向「あぁ……」
提督「捕まってから何日経ってるか分かる?」
日向「分からない……1週間くらいか?」
提督「まぁそれくらいだな」
日向「提督は……?」
提督「今はいないよ。ここは横須賀」
日向「……横須賀だと!?」
提督「そうだけど……何かあったか?」
日向「貴様らだけは許さん!私たちの仲間を殺してきたくせに何故のうのうとここで暮らしている!?」
提督「え?」
日向「貴様らだけは……」
赤城「……」ズドン
日向「カハッ……」バタン
提督「赤城…腹パンしなくても」
赤城「いいんですよ。彼女と話してても時間の無駄です。ほかの子に聞きましょう」
提督「そうだな……次はそこの君!」
救出された艦娘「!?」
提督「君の名前は?」
瑞鳳「瑞鳳です……」
提督「君の所属している鎮守府は?」
瑞鳳「佐世保です」
提督「あの日向って子と同じ?」
瑞鳳「違います」
提督「そっか。じゃあ次。あの建物の中に深海棲艦はいた?」
瑞鳳「少なくとも10以上はいました」
提督「マジで!?長門お前よく全員助けられたな……」
長門「最強だから」
提督「だまれ」
長門「………」シュン
一同「(酷すぎる……)」
提督「それじゃお前ら救出した子達からどこ所属なのか聞いて。全員の所属場所が分かったら俺の部屋に来い」
「「「「「了解!」」」」」
執務室にて……
提督「俺さぁ……何かしたっけ?」
提督補佐「横須賀を嫌ってる鎮守府なんてあるんですね」
提督「俺も初知りだった。」
提督補佐「日向さんが所属している鎮守府が分かれば話が進むんですけどねぇ……」
赤城「提督。赤城です。入ってもいいですか?」
提督「いいよ」
赤城「失礼します。日向の所属している鎮守府がわかりました。舞鶴です」
提督「舞鶴?」
提督補佐「舞鶴ですか!?ちょっと待っててください!」
提督「どうした?」
提督補佐「この本に確か記録されてるんですけど提督が着任する前に舞鶴と横須賀が戦争してたんです!」
提督「どういうことだ?その経緯はなんなんだ?」
提督補佐「経緯は確か舞鶴の提督が横須賀の艦娘をさらったことから始まったはずです。そしてこの年の舞鶴の提督は……元帥です」
提督「ってことは元帥が舞鶴にいた頃日向も舞鶴に所属してたってことか」
赤城「今回の艦娘誘拐事件。そして過去にあった様々な事件は全て元帥が始めたことですか?」
提督「そういうことになるな……」
提督補佐「日向さんの様子は?」
赤城「ずっと寝てます」
提督「俺やばい事に首つっこんだんじゃ……」
赤城「もう引くことはできませんよ」
提督補佐「僕ちょっと調べ物してきます!」
提督「分かった。赤城はどうする?」
赤城「少し休みます。おやすみなさい」
提督「バカ!俺のソファーで寝るな!」
赤城「ダメですか?」
提督「ダメ」
赤城「むぅー……」
提督「ふくれっ面してもダメ」
赤城「わかりました。瑞鶴さんの部屋で寝ます」
提督「は!?ふざけんな!俺まだあいつの部屋で寝たことないんだぞ!?」
提督補佐「提督!やばいです!」
提督「なんだ!?」
提督補佐「今さっき人類拉致事件について調べてたらこんなのが」
提督「なんだこりゃ?『息子へ。これを読んでいる頃お前はここの鎮守府の提督になって数々の事件を解決してきた事だろう。伝えたいことがいっぱいあるけど重要なことをここに書いておく。まず、元帥は絶対に死なない深海棲艦だ。元帥の目的は深海棲艦の根絶ではない。奴は世界を崩壊させ、艦娘と深海棲艦のいない世界を作ろうとしている。これは俺と俺の相棒、暁が確認済みだ。そしてお前の中にいる裏提督。あいつには俺の過去の記憶が残っている。そして裏提督は艤装さえあれば戦うことができる。あとは任せた』」
赤城「世界の崩壊……私たちどうなるんですか?」
提督「分からない。だけど決めたぞ……俺は元帥と戦う」
提督補佐「そんな無茶な!だって死なない深海棲艦ですよ!?」
提督「うるせぇ!俺が戦わなきゃ誰が戦うんだよ!」
提督補佐「………」
提督「瑞鶴には話したけど昔俺の友達がいじめられてて自殺したんだよ。俺はその時決めた。大切な人を守るために戦う時がきたら戦うってな」
赤城「待ってください。私たちが戦えないとでも?」
提督「誰も戦えないとは言ってない。お前らを守るために俺が戦うって言ってんだよ」
赤城「………」
提督「これで最期だ。俺が全て終わらせる。そして……提督を引退する」
to be continued……
お疲れ様でした。楽しんでいただけたでしょうか?父親の遺言、元帥の目的、艦娘と提督の思い、今まで数々の事件を解決してきた男アホ提督。彼の最期を見届けてあげてください。それでは最終回でお会いしましょう。ここまで見てくださってありがとうございました!
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